JP2509008B2 - 廃水の処理方法 - Google Patents
廃水の処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、湿式酸化反応を利用
した廃水の処理方法に関し、特に、廃水の処理方法にお
ける立ち上がり(スタートアップ)の改善に関する。
した廃水の処理方法に関し、特に、廃水の処理方法にお
ける立ち上がり(スタートアップ)の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水中の被処理物は、触媒を用いたとし
ても常温付近といった低温では反応しにくい。そこで従
来の湿式酸化反応を利用した廃水の処理方法では、熱交
換器と反応器の間に予熱器を設置し、これに蒸気などの
熱媒を流して供給液とガスを加熱してスタートアップさ
せるのが一般的であった。この場合、反応器において廃
水が反応を開始する温度になるまでの加熱が必要であっ
た。この加熱のためには高圧蒸気発生ボイラーなどを設
置しておき、蒸気を発生させていた。たとえば、反応器
内を230℃にまで昇温させるためには、40kg/cm2
の蒸気圧が必要であった。
ても常温付近といった低温では反応しにくい。そこで従
来の湿式酸化反応を利用した廃水の処理方法では、熱交
換器と反応器の間に予熱器を設置し、これに蒸気などの
熱媒を流して供給液とガスを加熱してスタートアップさ
せるのが一般的であった。この場合、反応器において廃
水が反応を開始する温度になるまでの加熱が必要であっ
た。この加熱のためには高圧蒸気発生ボイラーなどを設
置しておき、蒸気を発生させていた。たとえば、反応器
内を230℃にまで昇温させるためには、40kg/cm2
の蒸気圧が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】予熱器や高圧蒸気発生
ボイラーは、スタートアップのみに用いられ、廃水の酸
化処理が始まると不要になる。これらの設備を持つこと
は設備費の上昇につながるし、設備管理上も面倒であ
る。ボイラーの始動などにも時間を要し、このため、ス
タートアップに要する時間が長かったり、操作が煩雑で
あったりするという問題があった。
ボイラーは、スタートアップのみに用いられ、廃水の酸
化処理が始まると不要になる。これらの設備を持つこと
は設備費の上昇につながるし、設備管理上も面倒であ
る。ボイラーの始動などにも時間を要し、このため、ス
タートアップに要する時間が長かったり、操作が煩雑で
あったりするという問題があった。
【0004】この発明は、湿式酸化反応を利用した廃水
の処理方法において、スタートアップ時の予熱に要する
機器を省略または簡略化することができ、しかも、速や
かに酸化反応を始めることができる廃水の処理方法を提
供することを課題とする。
の処理方法において、スタートアップ時の予熱に要する
機器を省略または簡略化することができ、しかも、速や
かに酸化反応を始めることができる廃水の処理方法を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、廃水を反応器内で湿式酸化処理し、反
応器から排出された液体およびガスと、反応器に供給さ
れる液体およびガスとの間で熱交換を行わせる廃水の処
理方法において、廃水の湿式酸化処理を開始する際に、
あらかじめ、易酸化性物質、分子状酸素および水を反応
器内に供給して水が液相を保持する圧力下で易酸化性物
質の酸化反応を行い、その発熱により反応器内の温度を
廃水の湿式酸化処理に必要な温度に達するまで上昇させ
ておくことを特徴とする廃水の処理方法を提供する。
に、この発明は、廃水を反応器内で湿式酸化処理し、反
応器から排出された液体およびガスと、反応器に供給さ
れる液体およびガスとの間で熱交換を行わせる廃水の処
理方法において、廃水の湿式酸化処理を開始する際に、
あらかじめ、易酸化性物質、分子状酸素および水を反応
器内に供給して水が液相を保持する圧力下で易酸化性物
質の酸化反応を行い、その発熱により反応器内の温度を
廃水の湿式酸化処理に必要な温度に達するまで上昇させ
ておくことを特徴とする廃水の処理方法を提供する。
【0006】なお、この発明では、水および液体は、通
常の廃水と同様に、浮遊懸濁物質などの固形物を含んで
いてもよい。この発明によれば、上述のような予熱器を
用いる代わりに、易酸化性物質を供給するための手段ま
たは対策を施すだけで、スタートアップのための時間を
短縮でき、操作も容易になるのである。
常の廃水と同様に、浮遊懸濁物質などの固形物を含んで
いてもよい。この発明によれば、上述のような予熱器を
用いる代わりに、易酸化性物質を供給するための手段ま
たは対策を施すだけで、スタートアップのための時間を
短縮でき、操作も容易になるのである。
【0007】易酸化性物質とは、湿式酸化反応において
容易に酸化反応を起こす物質であり、たとえば200℃
での酸化分解率が50%以上である物質であり、具体的
には、たとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
などのアルデヒド類;メタノール、エタノールなどのア
ルコール類;グルコース、ショ糖などの糖類等の化合物
が挙げられ、いずれか1つが単独でまたは2以上合わせ
て使用される。これらは酸化分解してCO2 、H2 O等
となり反応後の液への残留の影響が少ない。反応条件に
よっては低級有機酸となることもある。易酸化性物質と
しては、ヒドラジンも使えるが、反応後の液に窒素分が
残ることがあるため、臭気、水質基準の点から問題にな
ることがある。
容易に酸化反応を起こす物質であり、たとえば200℃
での酸化分解率が50%以上である物質であり、具体的
には、たとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
などのアルデヒド類;メタノール、エタノールなどのア
ルコール類;グルコース、ショ糖などの糖類等の化合物
が挙げられ、いずれか1つが単独でまたは2以上合わせ
て使用される。これらは酸化分解してCO2 、H2 O等
となり反応後の液への残留の影響が少ない。反応条件に
よっては低級有機酸となることもある。易酸化性物質と
しては、ヒドラジンも使えるが、反応後の液に窒素分が
残ることがあるため、臭気、水質基準の点から問題にな
ることがある。
【0008】分子状酸素は、これだけからなるガスとし
て供給されてもよいが、通常、分子状酸素を含有するガ
ス(以下、「酸素含有ガス」と言う)として供給され
る。酸素含有ガスは、たとえば、空気であり、酸素含有
比率が高い方が好ましい。コストの点からは、空気が好
ましい。易酸化性物質、分子状酸素および水を反応器内
に供給する方法は、たとえば、易酸化性物質を含有する
液体を、これに酸素含有ガスを吹き込みながら、反応器
内に供給する方法;廃水を、これに酸素含有ガスを吹き
込みながら、反応器内に供給するとともに別の経路から
易酸化性物質を反応器に供給する方法などがあるが、こ
れらに限定されない。液体の供給は、通常の廃水処理で
使用される高圧ポンプなどを用いて、ガスの供給は、通
常の廃水処理で使用される高圧コンプレッサなどを用い
て行われる。
て供給されてもよいが、通常、分子状酸素を含有するガ
ス(以下、「酸素含有ガス」と言う)として供給され
る。酸素含有ガスは、たとえば、空気であり、酸素含有
比率が高い方が好ましい。コストの点からは、空気が好
ましい。易酸化性物質、分子状酸素および水を反応器内
に供給する方法は、たとえば、易酸化性物質を含有する
液体を、これに酸素含有ガスを吹き込みながら、反応器
内に供給する方法;廃水を、これに酸素含有ガスを吹き
込みながら、反応器内に供給するとともに別の経路から
易酸化性物質を反応器に供給する方法などがあるが、こ
れらに限定されない。液体の供給は、通常の廃水処理で
使用される高圧ポンプなどを用いて、ガスの供給は、通
常の廃水処理で使用される高圧コンプレッサなどを用い
て行われる。
【0009】易酸化性物質を含有する液体とは、たとえ
ば、易酸化性物質を含む廃水、易酸化性物質を含む水な
どである。易酸化性物質を含む廃水は、たとえば、もと
もと易酸化性物質を含んでいる廃水、もともと易酸化性
物質を全く含まないかまたはあまり含んでいない廃水に
易酸化性物質を添加した液体などである。この発明で用
いる反応器は、たとえば、通常の廃水処理に用いられる
反応器と同じものが用いられる。さらに具体的には単管
式の反応器、多管式の反応器などが挙げられる。反応器
は、1以上で適宜の数だけ適宜選択して設置すればよ
い。複数の反応器を設置する場合も、直列および並列の
いずれの配置でもよい。
ば、易酸化性物質を含む廃水、易酸化性物質を含む水な
どである。易酸化性物質を含む廃水は、たとえば、もと
もと易酸化性物質を含んでいる廃水、もともと易酸化性
物質を全く含まないかまたはあまり含んでいない廃水に
易酸化性物質を添加した液体などである。この発明で用
いる反応器は、たとえば、通常の廃水処理に用いられる
反応器と同じものが用いられる。さらに具体的には単管
式の反応器、多管式の反応器などが挙げられる。反応器
は、1以上で適宜の数だけ適宜選択して設置すればよ
い。複数の反応器を設置する場合も、直列および並列の
いずれの配置でもよい。
【0010】反応器内に供給された易酸化性物質は、水
が液相を保持する圧力の下で分子状酸素により酸化され
る。この酸化反応は発熱反応である。この発熱により反
応器の温度が上昇する。この温度上昇は、廃水の酸化反
応に必要な温度に達するまで行われる必要がある。易酸
化性物質の供給量、易酸化性物質と分子状酸素の比率
は、易酸化性物質の種類、廃水中の被処理物質の種類と
量、反応器の容量などを考慮して適宜設定される。
が液相を保持する圧力の下で分子状酸素により酸化され
る。この酸化反応は発熱反応である。この発熱により反
応器の温度が上昇する。この温度上昇は、廃水の酸化反
応に必要な温度に達するまで行われる必要がある。易酸
化性物質の供給量、易酸化性物質と分子状酸素の比率
は、易酸化性物質の種類、廃水中の被処理物質の種類と
量、反応器の容量などを考慮して適宜設定される。
【0011】この発明の処理方法では、酸化反応により
昇温した液体とガスは、反応器出口から排出される。反
応器に供給する液体およびガスと、反応器から排出され
た液体およびガスとの間で熱交換を行わせるのがよい。
これは、排出された液体およびガスから、供給する液体
およびガスへ熱を伝えるためである。このようにすると
反応器内の温度上昇が促進され、エネルギー効率もよく
なる。この熱交換には、たとえば廃水処理に通常用いら
れる熱交換器が利用できる。
昇温した液体とガスは、反応器出口から排出される。反
応器に供給する液体およびガスと、反応器から排出され
た液体およびガスとの間で熱交換を行わせるのがよい。
これは、排出された液体およびガスから、供給する液体
およびガスへ熱を伝えるためである。このようにすると
反応器内の温度上昇が促進され、エネルギー効率もよく
なる。この熱交換には、たとえば廃水処理に通常用いら
れる熱交換器が利用できる。
【0012】反応器内の温度が廃水の反応を開始できる
温度にまで上がったところで易酸化性物質の供給を止
め、処理しようとする廃水の供給に切り替える。廃水の
反応を開始できる温度は、廃水に含まれる成分によって
も異なるが、たとえば160〜200℃程度である。な
お、反応をすみやかに行わせるために易酸化性物質を含
有する液体をたとえば約90℃まで昇温させておくこと
が好ましい。この昇温は、たとえば、電気ヒーター、常
圧ボイラー等の簡易な加熱設備を利用して容易に行うこ
とができる。従来のスタートアップでは100℃を越え
る温度にまで昇温するようにしていたので、簡易な加熱
設備では行えなかったのである。
温度にまで上がったところで易酸化性物質の供給を止
め、処理しようとする廃水の供給に切り替える。廃水の
反応を開始できる温度は、廃水に含まれる成分によって
も異なるが、たとえば160〜200℃程度である。な
お、反応をすみやかに行わせるために易酸化性物質を含
有する液体をたとえば約90℃まで昇温させておくこと
が好ましい。この昇温は、たとえば、電気ヒーター、常
圧ボイラー等の簡易な加熱設備を利用して容易に行うこ
とができる。従来のスタートアップでは100℃を越え
る温度にまで昇温するようにしていたので、簡易な加熱
設備では行えなかったのである。
【0013】この発明では、触媒を利用することによ
り、一層効果的にスタートアップを行うことができる。
これは触媒の作用により、より低温から酸化反応が起こ
るためである。触媒により反応効率が高まるため、より
高濃度に易酸化性物質を含有する液体を反応器に供給で
き、昇温の速度を早め、スタートアップ時間をより短縮
することができる。反応器に充填される触媒は、スター
トアップ時の反応にのみ用いるものでもよいが、通常運
転時(廃水処理時。以下同様)の反応にのみ用いるもの
や、スタートアップ時と通常運転時の両方の反応に用い
るものなどの方がよい。
り、一層効果的にスタートアップを行うことができる。
これは触媒の作用により、より低温から酸化反応が起こ
るためである。触媒により反応効率が高まるため、より
高濃度に易酸化性物質を含有する液体を反応器に供給で
き、昇温の速度を早め、スタートアップ時間をより短縮
することができる。反応器に充填される触媒は、スター
トアップ時の反応にのみ用いるものでもよいが、通常運
転時(廃水処理時。以下同様)の反応にのみ用いるもの
や、スタートアップ時と通常運転時の両方の反応に用い
るものなどの方がよい。
【0014】触媒としては、反応器に充填する固定床触
媒、液と一緒に供給する微粉末状の触媒や液に溶解させ
た触媒などが用いられる。この中でも反応器に充填する
固定床触媒が反応器においてのみ効果的に酸化発熱を起
こすこと、取扱が容易なことなどから好ましい。固定床
触媒は、一般に担体であるA成分と活性成分であるB成
分からなる。触媒A成分としては、たとえば、チタン、
ケイ素およびジルコニウムよりなる群の中から選ばれた
少なくとも1種の金属の酸化物または少なくとも2種の
金属の複合酸化物が好ましく、触媒B成分として、たと
えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、
タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群の中から選
ばれた少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含有
する化合物であって反応器に供給される液に不溶性また
は難溶性の化合物が好ましい。触媒A成分がチタンおよ
びジルコニウムの複合酸化物であることが触媒の安定性
の面から好ましい。触媒B成分が金、白金、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群
の中から選ばれた少なくとも1種の金属であることが低
温活性を高める面から好ましい。ここに示した触媒は、
易酸化性物質の酸化反応、廃水に含まれる被処理成分の
酸化反応の両方に用いることができる。
媒、液と一緒に供給する微粉末状の触媒や液に溶解させ
た触媒などが用いられる。この中でも反応器に充填する
固定床触媒が反応器においてのみ効果的に酸化発熱を起
こすこと、取扱が容易なことなどから好ましい。固定床
触媒は、一般に担体であるA成分と活性成分であるB成
分からなる。触媒A成分としては、たとえば、チタン、
ケイ素およびジルコニウムよりなる群の中から選ばれた
少なくとも1種の金属の酸化物または少なくとも2種の
金属の複合酸化物が好ましく、触媒B成分として、たと
えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、
タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群の中から選
ばれた少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含有
する化合物であって反応器に供給される液に不溶性また
は難溶性の化合物が好ましい。触媒A成分がチタンおよ
びジルコニウムの複合酸化物であることが触媒の安定性
の面から好ましい。触媒B成分が金、白金、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群
の中から選ばれた少なくとも1種の金属であることが低
温活性を高める面から好ましい。ここに示した触媒は、
易酸化性物質の酸化反応、廃水に含まれる被処理成分の
酸化反応の両方に用いることができる。
【0015】特に、反応器の入口部に高活性な触媒を充
填し、低温活性を高めることにより、上記スタートアッ
プをより有効に行うことができる。このような高活性触
媒としては、たとえば、触媒B成分の含有量を増やした
固定床触媒などが用いられる。通常、固定床触媒は、触
媒B成分の含有量が全触媒中(A成分+B成分)0.1
〜1重量%であるのに対し、高活性触媒は、触媒B成分
の含有量が全触媒中1〜5重量%である。ここで反応器
の入口部とは、たとえば、充填された固定床触媒全体の
うち入口側5〜10%である。
填し、低温活性を高めることにより、上記スタートアッ
プをより有効に行うことができる。このような高活性触
媒としては、たとえば、触媒B成分の含有量を増やした
固定床触媒などが用いられる。通常、固定床触媒は、触
媒B成分の含有量が全触媒中(A成分+B成分)0.1
〜1重量%であるのに対し、高活性触媒は、触媒B成分
の含有量が全触媒中1〜5重量%である。ここで反応器
の入口部とは、たとえば、充填された固定床触媒全体の
うち入口側5〜10%である。
【0016】スタートアップ時に、液体と一緒に微粉末
状の触媒を反応器に供給することもスタートアップ時の
反応活性を一時的に高める方法として好ましい。この微
粉末状触媒としては、活性炭に白金などの貴金属を担持
した触媒が高活性であり好ましい。スタートアップ時に
は、そのほかに過酸化水素などの補助酸化剤を反応器内
に供給し、触媒と併用することも反応活性を高める効果
がある。
状の触媒を反応器に供給することもスタートアップ時の
反応活性を一時的に高める方法として好ましい。この微
粉末状触媒としては、活性炭に白金などの貴金属を担持
した触媒が高活性であり好ましい。スタートアップ時に
は、そのほかに過酸化水素などの補助酸化剤を反応器内
に供給し、触媒と併用することも反応活性を高める効果
がある。
【0017】スタートアップ時の運転方法としては最初
は液体を少量流し、反応器での反応時間を充分にとり、
酸化反応が進むようにする。この時、特にガスの供給量
も酸化に必要な最小限にとどめることが好ましい。これ
は、気体に奪われる熱量をできる限り少なくするためで
ある。スタートアップ開始後、温度が上昇し反応器での
反応効率が高まるにつれ、液およびガスの供給量を徐々
に増やしていく。
は液体を少量流し、反応器での反応時間を充分にとり、
酸化反応が進むようにする。この時、特にガスの供給量
も酸化に必要な最小限にとどめることが好ましい。これ
は、気体に奪われる熱量をできる限り少なくするためで
ある。スタートアップ開始後、温度が上昇し反応器での
反応効率が高まるにつれ、液およびガスの供給量を徐々
に増やしていく。
【0018】この発明によれば、種々の廃水、たとえ
ば、化学プラント廃水、食品工場廃水、余剰汚泥、し尿
などを湿式酸化処理することができる。
ば、化学プラント廃水、食品工場廃水、余剰汚泥、し尿
などを湿式酸化処理することができる。
【0019】
【作用】廃水の湿式酸化処理を開始する前に、あらかじ
め、易酸化性物質、分子状酸素および水を反応器内に供
給して水が液相を保持する圧力下で易酸化性物質の酸化
反応を行わせる。この酸化反応は発熱反応であるので、
この発熱により反応器内の温度を廃水の酸化反応に必要
な温度にまで達するように速やかに上昇させることがで
きる。このため、スタートアップのための予熱器の設置
および運転が不要になる。
め、易酸化性物質、分子状酸素および水を反応器内に供
給して水が液相を保持する圧力下で易酸化性物質の酸化
反応を行わせる。この酸化反応は発熱反応であるので、
この発熱により反応器内の温度を廃水の酸化反応に必要
な温度にまで達するように速やかに上昇させることがで
きる。このため、スタートアップのための予熱器の設置
および運転が不要になる。
【0020】易酸化性物質の酸化反応を行うときに、反
応器から排出された液体およびガスと、反応器に供給さ
れる液体およびガスとの間で熱交換を行うようにする
と、反応器内の温度がより速やかに上昇する。易酸化性
物質の酸化反応を行うときに、その反応を促進する触媒
を用いると、スタートアップの時間をより短縮すること
ができる。
応器から排出された液体およびガスと、反応器に供給さ
れる液体およびガスとの間で熱交換を行うようにする
と、反応器内の温度がより速やかに上昇する。易酸化性
物質の酸化反応を行うときに、その反応を促進する触媒
を用いると、スタートアップの時間をより短縮すること
ができる。
【0021】
【実施例】以下に、この発明を図を参照しながら説明す
るが、この発明は図示されたものに限定されない。図1
は、この発明の廃水の処理方法の実施に用いる装置の1
例を表す概略図である。図1にみるように、この装置
は、通常の廃水処理装置と同様に、反応器1、熱交換器
2、ポンプ3、気液分離器4、コンプレッサー8を備え
ている。ただし、通常の廃水処理装置と異なるのは、易
酸化性物質を含有する液体を供給するための手段が設け
られていること、熱交換器にスチームを供給する手段が
設けられていること、および、反応器に高圧蒸気を吹き
込む手段が必要ではない(設置されている場合には、こ
の手段を作動させる必要がない)ことである。
るが、この発明は図示されたものに限定されない。図1
は、この発明の廃水の処理方法の実施に用いる装置の1
例を表す概略図である。図1にみるように、この装置
は、通常の廃水処理装置と同様に、反応器1、熱交換器
2、ポンプ3、気液分離器4、コンプレッサー8を備え
ている。ただし、通常の廃水処理装置と異なるのは、易
酸化性物質を含有する液体を供給するための手段が設け
られていること、熱交換器にスチームを供給する手段が
設けられていること、および、反応器に高圧蒸気を吹き
込む手段が必要ではない(設置されている場合には、こ
の手段を作動させる必要がない)ことである。
【0022】ポンプ3を用いて管路19から易酸化性物
質の水溶液9を供給する。このとき、弁を閉じて管路1
8からの廃水10の供給は行わない。他方、酸素含有ガ
ス7をコンプレッサー8で昇圧した後、管路17を通し
て管路20内の水溶液9と混合し、この混合物を熱交換
器2を経て反応器1に供給する。ただし、内部の圧力は
水が液相を保持する圧力にする。熱交換器2にあらかじ
めスチームSを供給しておくことにより混合物を適当な
温度まで昇温させる。これにより混合物中の易酸化性物
質の湿式酸化反応が始まる。反応器1内に入った混合物
は、常法により適宜の圧力下で適宜の時間留まり、酸化
反応を進行させる。反応器1内に固定床触媒12が充填
されている場合には、その酸化反応が触媒12により促
進される。反応の発熱により反応器1内の温度が高ま
る。反応器1から出てきた処理物は管路11を通って熱
交換器2を経由してから気液分離器4に送られる。熱交
換器2では、処理物と未処理物の間で熱交換がなされ、
処理物が冷却されるとともに、未処理物が昇温される。
冷却された処理物は気液分離器4でガスと水に分離さ
れ、外部に放出される。気液分離器4は、液面コントロ
ーラーLCと圧力コントローラーPCを装備している。
圧力コントローラーPCは、気液分離器4からの気体排
出管路を開閉する圧力制御弁6を作動させる。液面コン
トローラーLCは、気液分離器4からの液体排出管路を
開閉する液面制御弁5を作動させる。
質の水溶液9を供給する。このとき、弁を閉じて管路1
8からの廃水10の供給は行わない。他方、酸素含有ガ
ス7をコンプレッサー8で昇圧した後、管路17を通し
て管路20内の水溶液9と混合し、この混合物を熱交換
器2を経て反応器1に供給する。ただし、内部の圧力は
水が液相を保持する圧力にする。熱交換器2にあらかじ
めスチームSを供給しておくことにより混合物を適当な
温度まで昇温させる。これにより混合物中の易酸化性物
質の湿式酸化反応が始まる。反応器1内に入った混合物
は、常法により適宜の圧力下で適宜の時間留まり、酸化
反応を進行させる。反応器1内に固定床触媒12が充填
されている場合には、その酸化反応が触媒12により促
進される。反応の発熱により反応器1内の温度が高ま
る。反応器1から出てきた処理物は管路11を通って熱
交換器2を経由してから気液分離器4に送られる。熱交
換器2では、処理物と未処理物の間で熱交換がなされ、
処理物が冷却されるとともに、未処理物が昇温される。
冷却された処理物は気液分離器4でガスと水に分離さ
れ、外部に放出される。気液分離器4は、液面コントロ
ーラーLCと圧力コントローラーPCを装備している。
圧力コントローラーPCは、気液分離器4からの気体排
出管路を開閉する圧力制御弁6を作動させる。液面コン
トローラーLCは、気液分離器4からの液体排出管路を
開閉する液面制御弁5を作動させる。
【0023】熱交換器2で熱を与えられた未処理物が反
応器1に供給されると反応器1内はより速やかに昇温す
る。反応器1内の温度が廃水の湿式酸化処理を開始でき
る温度にまで上がったら、管路19の弁を閉じて易酸化
性物質の供給を止め、管路18の弁を開いて処理しよう
とする廃水10を供給し、反応させる。このとき、廃水
10は、熱交換器2で処理物との熱交換により昇温す
る。処理された廃水は、スタートアップ時と同様に放出
される。このように通常運転に入ったら、従来の廃水の
処理方法と同様に制御を行えばよい。
応器1に供給されると反応器1内はより速やかに昇温す
る。反応器1内の温度が廃水の湿式酸化処理を開始でき
る温度にまで上がったら、管路19の弁を閉じて易酸化
性物質の供給を止め、管路18の弁を開いて処理しよう
とする廃水10を供給し、反応させる。このとき、廃水
10は、熱交換器2で処理物との熱交換により昇温す
る。処理された廃水は、スタートアップ時と同様に放出
される。このように通常運転に入ったら、従来の廃水の
処理方法と同様に制御を行えばよい。
【0024】図2は、この発明の廃水の処理方法の実施
に用いる装置の別の1例を表す概略図である。図2にみ
るように、この装置は、図1に示した装置において、ポ
ンプ3よりも上流側を図示のごとく変更したこと、およ
び、反応器1内に固定床触媒を充填せず空塔にしたこと
以外は図1の装置と同じである。すなわち、この装置
は、ポンプ3の上流側に易酸化性物質を含有する廃水2
9が通る管路33、これと並行して設けられた微粉末状
触媒混合のための管路32を有する。この管路32に
は、攪拌槽31が設けられており、ここに供給された廃
水29に微粉末状触媒30が添加され、攪拌などにより
混合されるようになっている。スタートアップ時には、
管路33の弁が閉じられ、管路32の弁が開かれている
状態でポンプ3が作動し、廃水29と微粉末状触媒30
の混合物が熱交換器2を経て反応器1に送られる。反応
器1内で易酸化性物質の湿式反応が行われる。この湿式
反応は、図1の装置と同様に、反応器1内が廃水の湿式
酸化処理に必要な温度に達するまで続けられる。スター
トアップ時に反応器1内に供給された廃水は、たとえば
タンクにためておいたり、リサイクルされたりする。反
応器1内に供給された微粉末状触媒は、たとえば、回収
して再利用される。
に用いる装置の別の1例を表す概略図である。図2にみ
るように、この装置は、図1に示した装置において、ポ
ンプ3よりも上流側を図示のごとく変更したこと、およ
び、反応器1内に固定床触媒を充填せず空塔にしたこと
以外は図1の装置と同じである。すなわち、この装置
は、ポンプ3の上流側に易酸化性物質を含有する廃水2
9が通る管路33、これと並行して設けられた微粉末状
触媒混合のための管路32を有する。この管路32に
は、攪拌槽31が設けられており、ここに供給された廃
水29に微粉末状触媒30が添加され、攪拌などにより
混合されるようになっている。スタートアップ時には、
管路33の弁が閉じられ、管路32の弁が開かれている
状態でポンプ3が作動し、廃水29と微粉末状触媒30
の混合物が熱交換器2を経て反応器1に送られる。反応
器1内で易酸化性物質の湿式反応が行われる。この湿式
反応は、図1の装置と同様に、反応器1内が廃水の湿式
酸化処理に必要な温度に達するまで続けられる。スター
トアップ時に反応器1内に供給された廃水は、たとえば
タンクにためておいたり、リサイクルされたりする。反
応器1内に供給された微粉末状触媒は、たとえば、回収
して再利用される。
【0025】なお、図1および図2において、同じ番号
を付したものは同じものを表す。以下に、この発明の具
体的な実施例および比較例を示すが、この発明は下記実
施例に限定されない。 −実施例1− 図1に示す装置を用いた。反応器1は内径150mm、長
さ10mの管であり、内部に固定床触媒12として平均
粒径5mm、長さ6mmのペレット触媒(チタン−ジルコニ
ア複合酸化物担体に全触媒(複合酸化物担体+Pt)の
重量の0.3重量%となるようにPtを担持したもの)
を触媒層長9m(容積159リットル)になるように充
填した。
を付したものは同じものを表す。以下に、この発明の具
体的な実施例および比較例を示すが、この発明は下記実
施例に限定されない。 −実施例1− 図1に示す装置を用いた。反応器1は内径150mm、長
さ10mの管であり、内部に固定床触媒12として平均
粒径5mm、長さ6mmのペレット触媒(チタン−ジルコニ
ア複合酸化物担体に全触媒(複合酸化物担体+Pt)の
重量の0.3重量%となるようにPtを担持したもの)
を触媒層長9m(容積159リットル)になるように充
填した。
【0026】管路18の弁が閉、管路19の弁、液面制
御弁5および圧力制御弁6が開の状態で装置をスタート
した。10wt%メタノール水溶液(液温30℃)をポン
プ3により管路19を通して100l/hrの流量で管路2
0に供給するとともに、空気7(25℃)をコンプレッ
サー8で昇圧して管路17を通して25Nm3/hrの流量
で管路20に供給した。管路20内でメタノール水溶液
と昇圧された空気を混合し、この混合物を熱交換器2を
経て反応器1に供給した。反応器1内の圧力を2kg/cm2
Gに設定した。なお、メタノールの200℃での酸化分
解率は70%である。
御弁5および圧力制御弁6が開の状態で装置をスタート
した。10wt%メタノール水溶液(液温30℃)をポン
プ3により管路19を通して100l/hrの流量で管路2
0に供給するとともに、空気7(25℃)をコンプレッ
サー8で昇圧して管路17を通して25Nm3/hrの流量
で管路20に供給した。管路20内でメタノール水溶液
と昇圧された空気を混合し、この混合物を熱交換器2を
経て反応器1に供給した。反応器1内の圧力を2kg/cm2
Gに設定した。なお、メタノールの200℃での酸化分
解率は70%である。
【0027】熱交換器2には予めスチームSを供給して
おいて、ここを通る前記混合物を90℃まで昇温した。
これによりメタノールの湿式酸化反応が加速された。反
応器1内では触媒12により湿式酸化反応が促進され
た。触媒層を通り抜けた処理済混合物は反応器1から管
路11を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ
て液体とガスに分離され、外部に放出された。熱交換器
2では、処理済混合物からの熱で、未処理混合物の昇温
が促進された。
おいて、ここを通る前記混合物を90℃まで昇温した。
これによりメタノールの湿式酸化反応が加速された。反
応器1内では触媒12により湿式酸化反応が促進され
た。触媒層を通り抜けた処理済混合物は反応器1から管
路11を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ
て液体とガスに分離され、外部に放出された。熱交換器
2では、処理済混合物からの熱で、未処理混合物の昇温
が促進された。
【0028】スタート後1時間30分で反応器1出口温
度が100℃に達した。この時点で、空気の供給量を5
0Nm3/hrに増やすとともに、熱交換器2へのスチーム
Sの供給を停止した。反応器1内の圧力は30kg/cm2G
に設定した。その後1時間30分で反応器1出口温度が
200℃に達した。この時点で、管路19の弁を閉じて
メタノール水溶液の供給を停止し、管路18の弁を開い
て廃水10(COD:30g/l (重クロム酸カリウムに
よる量)、液温:50℃)を管路20に供給し、廃水の
処理運転を開始した。スタートアップに要した時間は、
3時間であった。
度が100℃に達した。この時点で、空気の供給量を5
0Nm3/hrに増やすとともに、熱交換器2へのスチーム
Sの供給を停止した。反応器1内の圧力は30kg/cm2G
に設定した。その後1時間30分で反応器1出口温度が
200℃に達した。この時点で、管路19の弁を閉じて
メタノール水溶液の供給を停止し、管路18の弁を開い
て廃水10(COD:30g/l (重クロム酸カリウムに
よる量)、液温:50℃)を管路20に供給し、廃水の
処理運転を開始した。スタートアップに要した時間は、
3時間であった。
【0029】反応器1内で処理された廃水は、管路11
を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ、ここ
で無害なガスと水とに分離され、外部へ放出された。熱
交換器2では、処理済廃水からの熱で未処理廃水が昇温
した。廃水の処理時の反応条件は、反応温度200℃、
反応圧力30kg/cm2G、廃水流量150l/hr、空気流量
18Nm3/hrであった。
を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ、ここ
で無害なガスと水とに分離され、外部へ放出された。熱
交換器2では、処理済廃水からの熱で未処理廃水が昇温
した。廃水の処理時の反応条件は、反応温度200℃、
反応圧力30kg/cm2G、廃水流量150l/hr、空気流量
18Nm3/hrであった。
【0030】易酸化性物質を供給することで予熱のため
の装置を省略でき、高圧蒸気も不要になり、しかもスタ
ートアップを速やかに行えることが確認できた。 −実施例2− 図2に示す装置を用いた。反応器1は実施例1で用いた
ものと同一のものを用いたが、内部には触媒を充填せず
に空筒とした。
の装置を省略でき、高圧蒸気も不要になり、しかもスタ
ートアップを速やかに行えることが確認できた。 −実施例2− 図2に示す装置を用いた。反応器1は実施例1で用いた
ものと同一のものを用いたが、内部には触媒を充填せず
に空筒とした。
【0031】管路33の弁が閉、管路32の弁、液面制
御弁5および圧力制御弁6が開の状態で装置をスタート
した。ポンプ3により、メタノール30g/lを含有する
COD80g/l の濃度の廃水29(液温50℃)を攪拌
槽31に供給し、ここで微粉末状の触媒30(活性炭に
全触媒(活性炭+Pt)の重量の0.1重量%となるよ
うにPtを担持したもの)を廃水1リットル当たり50
gの割合で添加して混合した。この混合物を管路32を
通して150l/hrの流量で管路20に供給した。これと
ともに、空気7(25℃)をコンプレッサー8で昇圧し
て管路17を通して20Nm3/hrの流量で管路20に供
給した。管路20内で廃水が昇圧された空気と混合し、
この混合物が熱交換器2を経て反応器1に供給された。
反応器1内の圧力を2kg/cm2Gに設定した。
御弁5および圧力制御弁6が開の状態で装置をスタート
した。ポンプ3により、メタノール30g/lを含有する
COD80g/l の濃度の廃水29(液温50℃)を攪拌
槽31に供給し、ここで微粉末状の触媒30(活性炭に
全触媒(活性炭+Pt)の重量の0.1重量%となるよ
うにPtを担持したもの)を廃水1リットル当たり50
gの割合で添加して混合した。この混合物を管路32を
通して150l/hrの流量で管路20に供給した。これと
ともに、空気7(25℃)をコンプレッサー8で昇圧し
て管路17を通して20Nm3/hrの流量で管路20に供
給した。管路20内で廃水が昇圧された空気と混合し、
この混合物が熱交換器2を経て反応器1に供給された。
反応器1内の圧力を2kg/cm2Gに設定した。
【0032】熱交換器2には予めスチームSが供給され
ていて、ここを通る前記混合物が90℃まで昇温した。
これによりメタノールの湿式酸化反応が加速されるとと
もに微粉末状触媒によっても湿式酸化反応が促進され
た。反応器1を通り抜けた処理済混合物は反応器1から
管路11を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送ら
れて液体とガスに分離され、外部に放出された。熱交換
器2では、処理済混合物からの熱で、未処理混合物の昇
温が促進された。スタートアップ時に供給された処理が
不十分な廃水はタンクにためておくか、あるいは、リサ
イクルすることができ、また、微粉末状触媒は回収して
再利用できる。
ていて、ここを通る前記混合物が90℃まで昇温した。
これによりメタノールの湿式酸化反応が加速されるとと
もに微粉末状触媒によっても湿式酸化反応が促進され
た。反応器1を通り抜けた処理済混合物は反応器1から
管路11を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送ら
れて液体とガスに分離され、外部に放出された。熱交換
器2では、処理済混合物からの熱で、未処理混合物の昇
温が促進された。スタートアップ時に供給された処理が
不十分な廃水はタンクにためておくか、あるいは、リサ
イクルすることができ、また、微粉末状触媒は回収して
再利用できる。
【0033】スタート後1時間30分で反応器1出口温
度が100℃に達した。この時点で、空気の供給量を4
0Nm3/hrに増やすとともに、熱交換器2へのスチーム
Sの供給を停止した。反応器1内の圧力は30kg/cm2G
に設定した。その後1時間30分で反応器1出口温度が
200℃に達した。この時点で、管路32の弁を閉じて
微粉末状触媒を含んだ廃水の供給を停止し、管路33の
弁を開いて廃水29を直接に管路20に供給し、廃水の
処理運転を開始した。スタートアップに要した時間は、
3時間であった。
度が100℃に達した。この時点で、空気の供給量を4
0Nm3/hrに増やすとともに、熱交換器2へのスチーム
Sの供給を停止した。反応器1内の圧力は30kg/cm2G
に設定した。その後1時間30分で反応器1出口温度が
200℃に達した。この時点で、管路32の弁を閉じて
微粉末状触媒を含んだ廃水の供給を停止し、管路33の
弁を開いて廃水29を直接に管路20に供給し、廃水の
処理運転を開始した。スタートアップに要した時間は、
3時間であった。
【0034】反応器1内で処理された廃水は、管路11
を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ、ここ
で無害なガスと水とに分離され、外部へ放出された。熱
交換器2では、処理済廃水からの熱で未処理廃水が昇温
した。廃水の処理時の反応条件は、反応温度250℃、
反応圧力70kg/cm2G、廃水流量150l/hr、空気流量
48Nm3/hrであった。
を通って熱交換器2を経て気液分離器4に送られ、ここ
で無害なガスと水とに分離され、外部へ放出された。熱
交換器2では、処理済廃水からの熱で未処理廃水が昇温
した。廃水の処理時の反応条件は、反応温度250℃、
反応圧力70kg/cm2G、廃水流量150l/hr、空気流量
48Nm3/hrであった。
【0035】−比較例− 実施例1において、メタノール水溶液を供給せずに廃水
をスチームで90℃まで昇温して反応器に供給したこと
以外は実施例1と同様にしてスタートアップを開始した
が、反応器内部の温度は上昇しなかった。
をスチームで90℃まで昇温して反応器に供給したこと
以外は実施例1と同様にしてスタートアップを開始した
が、反応器内部の温度は上昇しなかった。
【0036】
【発明の効果】この発明によれば、廃水処理のためのス
タートアップを速やかに行うことができ、しかも、予熱
のための装置を省略または簡略化でき、しかも、高圧蒸
気などの使用は不要であり、設備面積を減らすことがで
きる。
タートアップを速やかに行うことができ、しかも、予熱
のための装置を省略または簡略化でき、しかも、高圧蒸
気などの使用は不要であり、設備面積を減らすことがで
きる。
【図1】この発明の廃水の処理方法を実施するのに用い
る装置の1例を表す概略図である。
る装置の1例を表す概略図である。
【図2】この発明の廃水の処理方法を実施するのに用い
る装置の別の1例を表す概略図である。
る装置の別の1例を表す概略図である。
1 反応器 2 熱交換器 3 ポンプ 7 空気 8 コンプレッサー 9 易酸化性物質の水溶液 10 廃水 12 固定床触媒 29 易酸化性物質を含有する廃水 30 微粉末状の触媒 31 攪拌槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 邦夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1日本触媒化学工業株式会社触媒研究 所内 (72)発明者 高島 武博 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1日本触媒化学工業株式会社姫路製造 所内
Claims (5)
- 【請求項1】 廃水を反応器内で湿式酸化処理し、反応
器から排出された液体およびガスと、反応器に供給され
る液体およびガスとの間で熱交換を行わせる廃水の処理
方法において、廃水の湿式酸化処理を開始する際に、あ
らかじめ、易酸化性物質、分子状酸素および水を反応器
内に供給して水が液相を保持する圧力下で易酸化性物質
の酸化反応を行い、その発熱により反応器内の温度を廃
水の湿式酸化処理に必要な温度に達するまで上昇させて
おくことを特徴とする廃水の処理方法。 - 【請求項2】 易酸化性物質の酸化反応を行っていると
きに、反応器から排出された液体およびガスと、反応器
に供給される液体およびガスとの間で熱交換を行わせる
請求項1記載の廃水の処理方法。 - 【請求項3】 反応器内に固定床触媒を充填しておく請
求項1または2記載の廃水の処理方法。 - 【請求項4】 反応器内に充填された固定床触媒のう
ち、反応器内の入口部における触媒が低温活性を高める
ための高活性触媒である請求項3記載の廃水の処理方
法。 - 【請求項5】 液体中に微粉末状の触媒を添加して反応
器に供給する請求項1から4までのいずれかに記載の廃
水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066219A JP2509008B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066219A JP2509008B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 廃水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04300696A JPH04300696A (ja) | 1992-10-23 |
JP2509008B2 true JP2509008B2 (ja) | 1996-06-19 |
Family
ID=13309504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3066219A Expired - Fee Related JP2509008B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2509008B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3548492B2 (ja) * | 2000-04-14 | 2004-07-28 | 株式会社日本触媒 | 排水の処理方法 |
KR100451646B1 (ko) | 2000-01-05 | 2004-10-08 | 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 | 배수처리용 촉매, 그의 제조방법 및 배수의 처리방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5592191A (en) * | 1978-11-13 | 1980-07-12 | Galassi Giuseppe | Wet oxidizing method of pollutant contained in waste water and its device |
US4350599A (en) * | 1980-12-29 | 1982-09-21 | Sterling Drug Inc. | Process for treatment of caustic waste liquors |
JPS5929317A (ja) * | 1982-08-10 | 1984-02-16 | 桑井 薫 | 機械信号を光信号に変換する光電マイクロスイツチ |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3066219A patent/JP2509008B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5592191A (en) * | 1978-11-13 | 1980-07-12 | Galassi Giuseppe | Wet oxidizing method of pollutant contained in waste water and its device |
US4350599A (en) * | 1980-12-29 | 1982-09-21 | Sterling Drug Inc. | Process for treatment of caustic waste liquors |
JPS5929317A (ja) * | 1982-08-10 | 1984-02-16 | 桑井 薫 | 機械信号を光信号に変換する光電マイクロスイツチ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04300696A (ja) | 1992-10-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |