JP2002186290A - ステッピングモータの制御装置 - Google Patents

ステッピングモータの制御装置

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JP2002186290A
JP2002186290A JP2000380930A JP2000380930A JP2002186290A JP 2002186290 A JP2002186290 A JP 2002186290A JP 2000380930 A JP2000380930 A JP 2000380930A JP 2000380930 A JP2000380930 A JP 2000380930A JP 2002186290 A JP2002186290 A JP 2002186290A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステッピングモータのランプテーブルの演算処
理を簡素化できて処理時間の短縮を図れるようにする。 【解決手段】半円状(または半楕円状)の基準二次曲線
Rを複数ステップa毎に分割し、基準二次曲線R上の各
分割点P1、…を順次結んで得られる複数の線分L1、
…の傾きデータを基準ランプテーブルとして格納部に格
納する。そして、各線分L1、…の終端の分割点P1、
…におけるモータ速度V1、…はそのままで、各線分L
1、…がモータステップ数の方向に各々M倍され、伸長
後のランプテーブルを構成する各線分M1、…が形成さ
れ、基準ランプテーブルの各線分L1、…それぞれの傾
きが小さく変更され、基準ランプテーブルが伸長され
る。一方、縮小時には、各線分L1、L2、…それぞれ
の傾きは変えずに各線分あたりのステップ数が1/N倍
され、基準ランプテーブルが縮小される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印字装置の印字
ヘッドの移動等に用いられるステッピングモータの移動
量及び速度を制御するステッピングモータの制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印字装置の印字ヘッドの移動等に
用いられるステッピングモータは、複数相の励磁コイル
を有する固定子及び回転子から成り、通常これらの励磁
コイルを励磁する方式として、一相励磁、一−二相励
磁、二相励磁、二−三相励磁、三相励磁、四相励磁など
種々の方式がある。
【0003】そして、一般には予め決められた一定の相
励磁方式で各励磁コイルに励磁電流が供給されるが、こ
のような励磁コイルへの励磁電流の供給は、例えば図4
に示すような構成の制御装置により行われる。即ち、例
えばマイコンから成るCPU1により、ROM2に格納
された所定の制御プログラムに従って各部の制御が行わ
れるが、プリンタの場合にはホストコンピュータ(図示
せず)のプリンタドライバ側からの印字データに基づき
印字制御等の所定の制御を行うべく、CPU1から種々
の信号が出力される。
【0004】そして、図4には示されていないが、いず
れもステッピングモータから成る印字ヘッド移動用のキ
ャリアモータ及び及び紙送り用のフィードモータの制御
については、予め定められた相励磁方式に従って励磁電
流を供給するように、駆動部に相当するキャリアモータ
駆動用のキャリアモータドライバ4、フィードモータ駆
動用のフィードモータドライバ5に対し、CPU1か
ら、ASIC3を介してパルス信号から成る制御信号が
出力され、各モータの各励磁コイル(図示せず)に励磁
電流が供給されて各モータが上記した印字データに応じ
た所要のステップ数だけ駆動される。
【0005】ところで、ステッピングモータの場合、例
えばストップの際に、機構部分の摩擦や慣性等との関係
で回転子が所要のステップ数回転しても規定通りの位置
に停止せず、スタートの際にも一定速度に到達するまで
の立上がり時間がばらついたり回転速度が不安定で振動
したりするという特有の問題がある。
【0006】そのため通常、回転子のスタート時の加速
特性及びストップ時の減速特性をそれぞれ所望の特性に
維持するように励磁電流を補正するための加速用補正デ
ータ及び減速用補正データから成るランプテーブルを格
納したRAM等から成る格納部6が設けられ、CPU1
により格納部6のランプテーブルから加速用補正データ
及び減速用補正データがそれぞれ読み出され、読み出さ
れたこれらデータに基づく励磁電流が各励磁コイルに供
給される。
【0007】ここで、格納部6に格納される加速時の補
正データとして、通常、起動開始から速度が安定化する
までの時間が所定時間以内になるように、CPU1から
出力すべき加速途中における一定時間毎の制御信号のパ
ルス周波数データが格納され、時間が経過するに連れて
パルス周波数が増大するデータとなっている。一方、格
納部6に格納される減速時の補正データとして、減速開
始からストップするまでの時間が一定になるように、C
PU1から出力すべき減速途中における一定時間毎の制
御信号のパルス周波数データが格納され、時間が経過す
るに連れてパルス周波数が減少するデータとなってい
る。
【0008】この加速時と減速時の間は一定速度に保持
されるため、特に格納部6に補正データとして格納する
必要はない。従って、加速開始位置から減速終了位置ま
でのモータステップ数及びモータ速度をそれぞれ横軸及
び縦軸としたときに、一定速度領域も含めたランプテー
ブルを、モータステップ数とモータ速度との関係として
図形で表わすと台形となる。
【0009】ところが、このような台形状のランプテー
ブルによると、特に印字ヘッド移動用のキャリアモータ
の場合、安定した印字を行うためには一定速度になるま
で印字を開始することができないため、印字開始が遅れ
て印字に要する時間が長くなるという不都合がある。そ
こで、このような不都合を解消するために、ランプテー
ブルの形状を上記した台形状ではなく半円もしくは半楕
円形状のいわゆるパラボリックランプテーブルを使用す
ることが提案されている。
【0010】この種のパラボリックランプテーブルと
は、具体的には特開平10−150800号公報に記載
されているように、ステッピングモータの回転スピード
とステッピングモータに与えるパルス数との関係を示す
モータの立ち上げ波形(つまり、ここでいうランプテー
ブルの波形)を二次関数とし、上記したように半円や半
楕円形状としたものである。
【0011】そして、プリンタの場合、例えば各行毎の
印字データの長短によって、各行毎にパラボリックラン
プテーブルの形状(或いは波形)が相違するため、例え
ば基準のパラボリックランプテーブルのデータのみを格
納部6に格納しておき、印字データの長短に応じて基準
のパラボリックランプテーブルを伸縮することが行われ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
に二次関数による基準のパラボリックランプテーブルを
印字データの長短によって伸縮するのに際して、印字デ
ータの長さに合わせた二次関数を逐一演算してその印字
データに合致したパラボリックランプテーブルを演算し
なければならず、演算処理に非常に時間がかかり、その
演算を行うCPU1の負担が大きいという問題がある。
【0013】また、このような演算処理は、通常、基準
のパラボリックランプテーブルの形状(或いは波形)を
相似形に伸縮する処理であるため、図5に示すように、
基準のパラボリックランプテーブルを縮小すると、ステ
ッピングモータの最高速度が基準の値よりも大きく低下
してしまい、印字の所要時間が長くなるという新たな問
題が生じる。
【0014】一方、図5に示すように、パラボリックラ
ンプテーブルを逆に伸長した場合には、ステッピングモ
ータの最高速度が基準の値よりも大きくなりすぎてモー
タの脱調を招き、正常な印字を行えなくなるおそれがあ
る。
【0015】ところで、ステッピングモータのランプテ
ーブルの容量を軽減するものとして、特開平3−139
198号公報や、登録実用新案公報第3060473号
に記載のものがあるが、これらはランプテーブルのデー
タ量を少なくして、これを記憶するROM等のメモリ容
量を軽減するというものであって、本件発明のように、
演算処理を簡素化して処理時間の短縮を図るというもの
ではない。
【0016】そこで、本発明は、ステッピングモータの
ランプテーブルの演算処理を簡素化できて処理時間の短
縮を図れるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、固定子用の複数相の励磁コイルと、
前記各励磁コイルに励磁電流を供給して回転子を回転さ
せる駆動部と、予め定められた相励磁方式に従って前記
励磁電流を供給して所要のステップ数だけ駆動するよう
前記駆動部に制御信号を出力する制御部と、前記ステッ
プ数のデータから成るランプテーブルを格納した格納部
とを備え、印字装置の印字ヘッドの移動に用いられるス
テッピングモータの移動量及び速度を制御するステッピ
ングモータの制御装置において、前記格納部が、加速開
始位置から減速終了位置までのモータステップ数及びモ
ータ速度をそれぞれ横軸及び縦軸としたときに、前記モ
ータステップ数及びモータ速度の関係が半円状または半
楕円状を有する基準二次曲線を複数ステップ毎に分割
し、前記基準二次曲線上の各分割点を順次結んで得られ
る複数の線分の傾きデータから成る基準ランプテーブル
を格納し、前記制御部が、前記基準ランプテーブルを前
記モータステップ数が増大する方向に所定倍して伸長す
る場合に、前記各分割点における前記モータ速度の値を
変えずに、前記基準ランプテーブルの各線分を前記モー
タステップ数の方向に対して前記所定倍に伸長し、前記
基準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを小さく変
更し、前記基準ランプテーブルを前記モータステップ数
が減少する方向に縮小する場合に、前記基準ランプテー
ブルの各線分それぞれの傾きを変えずに前記基準ランプ
テーブルの各線分を前記モータステップ数の方向に対し
て所定の縮小率に縮小することを特徴している。
【0018】このような構成によれば、基準二次曲線上
の各分割点を順次結んで得られる複数の線分の傾きデー
タから成る基準ランプテーブルを格納していることか
ら、基準二次曲線を折れ線で近似することができ、各折
れ線に相当する各分割点を結ぶ線分の傾きを増減するこ
とで、基準二次曲線を折れ線で近似した基準ランプテー
ブルを伸縮することができる。
【0019】そのため、各分割点の速度はそのままで各
線分の傾きを減算するといった簡単な演算により、基準
ランプテーブルをモータステップ数が増大する方向に所
定倍して伸長することができる上に、従来のように基準
二次曲線そのものを縮小するための演算処理を簡素化で
き、基準ランプテーブルの伸縮に要する処理時間の短縮
を図ることができる。
【0020】また、本発明は、固定子用の複数相の励磁
コイルと、前記各励磁コイルに励磁電流を供給して回転
子を回転させる駆動部と、予め定められた相励磁方式に
従って前記励磁電流を供給して所要のステップ数だけ駆
動するよう前記駆動部に制御信号を出力する制御部とを
備え、ステッピングモータの移動量及び速度を制御する
ステッピングモータの制御装置において、加速開始位置
から減速終了位置までのモータステップ数及びモータ速
度をそれぞれ横軸及び縦軸としたときに、前記モータス
テップ数及びモータ速度の関係を表わす基準二次曲線を
複数ステップ毎に分割し、前記基準二次曲線上の各分割
点を順次結んで得られる複数の線分の傾きデータから成
る基準ランプテーブルを格納した格納部を備えているこ
とを特徴としている。
【0021】このような構成によれば、基準二次曲線上
の各分割点を順次結んで得られる複数の線分の傾きデー
タから成る基準ランプテーブルを格納しているため、基
準二次曲線を折れ線で近似することができ、各折れ線に
相当する各分割点を結ぶ線分の傾きを増減することで、
基準二次曲線を折れ線で近似した基準ランプテーブルを
伸縮することができ、従来のように基準二次曲線そのも
のを伸縮するための演算処理を簡素化でき、処理時間の
短縮することができる。
【0022】また、本発明は、前記制御部が、前記基準
ランプテーブルを前記モータステップ数が増大する方向
に所定倍して伸長する場合に、前記各分割点における前
記モータ速度の値を変えずに、前記基準ランプテーブル
の各線分を前記モータステップ数の方向に対して前記所
定倍に伸長し、前記基準ランプテーブルの各線分それぞ
れの傾きを小さく変更することを特徴としている。
【0023】このような構成によれば、各分割点におけ
るモータ速度の値を変えずに、基準ランプテーブルの各
線分をモータステップ数の方向に対し、所定倍に伸長し
て各線分の傾きを小さくするため、モータ速度の最大値
は基準二次曲線のそれと変わらないことから、従来のよ
うにモータ速度の最大値が変化してモータの脱調を招く
ようなこともなく、各線分の傾きを減算するといった簡
単な演算により、基準ランプテーブルをモータステップ
数が増大する方向に所定倍して伸長することができる。
【0024】また、本発明は、前記制御部が、前記基準
ランプテーブルを前記モータステップ数が減少する方向
に縮小する場合に、前記基準ランプテーブルの各線分そ
れぞれの傾きを変えずに、前記基準ランプテーブルの各
線分を前記モータステップ数の方向に対して所定の縮小
率に縮小することを特徴としている。
【0025】このような構成によれば、基準ランプテー
ブルの各線分それぞれの傾きを変えずに、基準ランプテ
ーブルの各線分をモータステップ数の方向に対して所定
の縮小率に縮小するため、モータ速度の最大値は基準二
次曲線のそれよりも小さくなるものの、各線分で近似さ
れる基準二次曲線を相似的に縮小するという演算でよい
ため、従来のように基準二次曲線そのものを縮小するた
めの演算処理を簡素化でき、処理時間を短縮することが
できる。
【0026】また、本発明は、前記制御部が、前記基準
ランプテーブルを前記モータステップ数が増大する方向
に所定倍して伸長する機能を備える場合において、前記
基準ランプテーブルを前記モータステップ数が減少する
方向に縮小する場合に、前記基準ランプテーブルの各線
分それぞれの傾きを変えずに前記基準ランプテーブルの
各線分を前記モータステップ数の方向に対して所定の縮
小率に縮小することを特徴としている。
【0027】このような構成によれば、各線分の傾きを
減算するといった簡単な演算により、基準ランプテーブ
ルをモータステップ数が増大する方向に所定倍して伸長
することができる上に、従来のように基準二次曲線その
ものを縮小するための演算処理を簡素化でき、基準ラン
プテーブルの伸縮に要する処理時間の短縮を図ることが
できる。
【0028】また、本発明は、前記ステッピングモータ
が、印字装置の印字ヘッドの移動用であることを特徴と
している。このような構成によれば、印字ヘッドを印字
データの長短に応じて速やかに移動させることができ、
安定した印字動作を得ることができる。
【0029】また、本発明は、前記基準二次曲線が、加
速開始位置から減速終了位置までのモータステップ数及
びモータ速度をそれぞれ横軸及び縦軸としたときに、前
記モータステップ数及びモータ速度の関係が半円状また
は半楕円状を有することを特徴としている。
【0030】このような構成によれば、半円状または半
楕円状の基準二次曲線は対称であることから、実際にこ
の基準二次曲線を折れ線で近似した基準ランプテーブル
を伸縮する場合には、更にその半分について伸長の演算
を行い、残りの半分については既に演算した結果を対称
に折り返して処理すればよく、演算自体を非常に簡素化
することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】この発明を印字装置であるプリン
タに適用した場合における一実施形態について図1ない
し図3を参照して説明する。但し、図1及び図2は動作
説明図、図3は動作説明用フローチャートである。尚、
本実施形態におけるプリンタの制御装置の基本的な構成
は、上記した従来の場合と同じであるため、以下では図
4も参照しつつ、主として従来と相違する点について説
明する。
【0032】本実施形態では、格納部6に、加速開始位
置から減速終了位置までのモータステップ数及びモータ
速度をそれぞれ横軸及び縦軸としたときに、モータステ
ップ数及びモータ速度の関係が半円状または半楕円状を
有する基準二次曲線を複数ステップ毎に分割し、この基
準二次曲線上の各分割点を順次結んで得られる複数の線
分の傾きデータから成る基準ランプテーブルを格納して
いる。
【0033】また、CPU1により、格納部6の基準ラ
ンプテーブルをモータステップ数が増大する方向に所定
倍して伸長する場合に、各分割点におけるモータ速度の
値を変えずに、基準ランプテーブルの各線分をモータス
テップ数の方向に対して所定倍に伸長し、基準ランプテ
ーブルの各線分それぞれの傾きを小さく変更すると共
に、格納部6の基準ランプテーブルをモータステップ数
が減少する方向に縮小する場合に、基準ランプテーブル
の各線分それぞれの傾きを変えずに基準ランプテーブル
の各線分をモータステップ数の方向に対して所定の縮小
率に縮小するようにしている。このCPU1の伸長処理
が制御部に相当する。
【0034】より具体的には、図1に示すように、モー
タステップ数及びモータ速度をそれぞれ横軸及び縦軸と
したときに、半円状または半楕円状を有する基準二次曲
線Rを複数ステップa毎に分割し、基準二次曲線R上の
各分割点P1、P2、P3、…を順次結んで得られる複
数の線分L1、L2、…の傾きデータを基準ランプテー
ブルとして格納部6に格納する。
【0035】そして、この基準二次曲線Rを、例えばモ
ータステップ数が増大する方向に所定のM倍に伸長する
場合、CPU1により、図1に示す各分割点P1、P
2、P3、…におけるモータ速度の値を変えずに、基準
ランプテーブルの各線分L1、L2、…がモータステッ
プ数の方向に対してM倍に伸長される。
【0036】例えば、図1中の破線に示すように、基準
ランプテーブルの線分L1について説明すると、線分L
1の終端である分割点P1におけるモータ速度V1はそ
のままで、基準ランプテーブルの線分L1がモータステ
ップ数の方向にM倍されて伸長後の第1番目の分割領域
におけるステップ数は(a×M)、速度はV1、そのと
きの線分はM1となり、以降の線分L2、L3、…につ
いても同様の演算が行われて伸長後のランプテーブルを
構成する各線分M1、…が形成される。
【0037】こうして、基準ランプテーブルの各線分L
1、L2、…それぞれの傾きが小さく変更された各線分
M1、…から成る伸長後のランプテーブルが演算により
導出され、図2に示すように、基準二次曲線Rが、モー
タステップ数の増大方向にM倍に伸長された伸長二次曲
線RA(図2中の1点鎖線)が形成されたのとほぼ同じ
結果になる。このとき、基準二次曲線Rの全ステップ数
をSrとすると、伸長された伸長二次曲線RAの全ステ
ップ数は(Sr×M)となり、最大速度は基準二次曲線
R及び伸長二次曲線RA共にVmとなっている。
【0038】一方、基準二次曲線Rを、例えばモータス
テップ数が増大する方向に所定の1/N倍に縮小する場
合、CPU1により、図1に示す基準ランプテーブルの
各線分L1、L2、…それぞれの傾きはそのままで、基
準ランプテーブルの各線分L1、L2、…の分割領域に
おけるステップ数が(a×1/N)を前記モータステッ
プ数の方向に対して所定の縮小率(=1/N)に縮小さ
れる。
【0039】即ち、基準ランプテーブルの各線分L1、
L2、…それぞれの傾きはそのままであることから、図
2中の2点鎖線に示すように、1/N倍に縮小された縮
小二次曲線RBは基準二次曲線Rを相似的に縮小したの
と同じ結果となり、このとき基準二次曲線Rの全ステッ
プ数をSrとすると、縮小された縮小二次曲線RBの全
ステップ数は(Sr×1/N)、最大速度はVn(<V
m)となっている。
【0040】また、図2に示すように、基準二次曲線R
は半円状(或いは半楕円状)であって左右対称な形状で
あるため、上記した伸長及び縮小の演算をする際には、
基準二次曲線Rの対称軸の例えば左半分についてのみ伸
長または縮小の演算を行い、右半分については既に演算
した加速領域の結果を対称に折り返して処理すればよい
ため、格納部6に格納すべき基準ランプテーブルは、基
準二次曲線Rの左半分の加速領域を分割した各線分の傾
きデータのみでよく、格納部6の記憶容量を低減するこ
とができる。従って、ここでは、半円状(または半楕円
状)の基準二次曲線の左半分についての各線分の傾きデ
ータのみが格納部6に格納されているものとする。
【0041】次に、CPU1における処理動作について
図3のフローチャートを参照して説明する。いま、図2
に示すような半円状(或いは半楕円状)の基準二次曲線
Rの左半分に従って加速する場合についての伸縮処理手
順を説明する。ここでは、基準二次曲線Rの分割数を
“64”とし、格納部6に格納された基準ランプデータ
データである線分の傾きデータ数を半分の“32”とし
て説明する。
【0042】図3に示すように、初期化処理として、分
割による線分の数、つまり傾きデータの数Ulに“3
2”がセットされると共に、ランプテーブルデータRd
に“0”がセットされ(S1)、1線分あたりのステッ
プ数Usとして、伸縮後の二次曲線の全ステップ数Ms
を分割数の“64”で割った値がセットされる(S
2)。
【0043】続いて、傾きデータの数(分割数)Ulが
“1”か否かの判定がなされ(S3)、この判定結果が
YESであれば、1線分あたりのステップ数Usに全ス
テップ数Msを分割数の“64”で割った余りが加算さ
れ(S4)、判定結果がNOであれば、ステップS4の
処理を経た後と共にステップS5に移行し、格納部6か
ら例えば第1番目の線分の傾きデータSlが読み出され
(S5)、伸縮後の二次曲線の全ステップ数Msが基準
二次曲線R(図2参照)の全ステップ数Rsよりも多い
か否かの判定がなされる(S6)。
【0044】そして、ステップS6の判定結果がYES
であれば、伸縮後の傾きデータSlとして、ステップS
5の処理で取得された基準二次曲線Rの線分の傾きデー
タSlに、基準二次曲線Rの全ステップ数Rsを伸縮後
の二次曲線の全ステップ数Msで割った値を掛け算した
値がセットされ(S7)、基準二次曲線Rを何倍に伸縮
するかが算出される。このとき、伸縮後の二次曲線の全
ステップ数Msは、ホストコンピュータからの印字デー
タの長さ等によって定められる。
【0045】更に、ステップS7の処理の後、ステップ
S6の判定結果がNOの場合と共にステップS8に移行
し、1線分あたりのステップ数Usが“0”よりも大き
いか否かの判定がなされ(S8)、この判定結果がYE
Sであれば、ランプテーブルデータRdとして、ステッ
プS5またはステップS7の処理で得られた傾きデータ
が加算され(S9)、このランプテーブルデータRdが
伸縮後のランプテーブルの要素として、例えばASIC
3に内蔵されたレジスタ等に保存され(S10)、1線
分あたりのステップ数Usから“1”が減算され(S1
1)、その後上記したステップS8に戻る。
【0046】一方、上記したステップS8の判定結果が
NOであれば、傾きデータの数(分割数)Ulから
“1”が減算され(S12)、傾きデータの数(分割
数)Ulが“0”より大きいか否かの判定がなされ(1
3)、この判定結果がYESであれば上記したステップ
S2に戻り、判定結果がNOであればメインのルーチン
に戻る。
【0047】ところで、上記した処理手順は、基準二次
曲線R(図2参照)の左半分に従って加速する場合につ
いての伸縮処理手順であるが、減速する場合には、ステ
ップS5における処理として格納部6に格納されている
最後の線分の傾きデータから第1番目の線分の傾きデー
タの方向に逆方向に読み出すと共に、ステップS9にお
ける処理として、ランプテーブルデータRdとして、ス
テップS5またはステップS7の処理で得られた傾きデ
ータを減算すればよい。
【0048】従って、上記した実施形態によれば、各分
割点の速度はそのままで各線分の傾きを減算するといっ
た簡単な演算により、基準ランプテーブルをモータステ
ップ数が増大する方向に所定倍して伸長することができ
る上に、従来のように基準二次曲線そのものを縮小する
ための演算処理を簡素化でき、基準ランプテーブルの伸
縮に要する処理時間の短縮を図ることができる。
【0049】しかも、基準ランプテーブルの伸長時にお
いて、最大速度をそのままに保持できるため、モータの
最大速度が大きくなり過ぎることによるモータの脱調を
防止することができ、基準ランプテーブルの縮小時には
多少モータの最大速度が低下するものの、実用上何ら問
題はないことから、印字に要する時間が大幅に低下する
ことはない。
【0050】更に、格納部6には半円状(または半楕円
状)の基準二次曲線R(図2参照)の左半分についての
各線分の傾きデータを格納し、加速時には第1番目の線
分の傾きデータから読み出し、減速時には最後の線分の
傾きデータから読み出すようにしたため、格納部6に格
納すべきランプテーブルデータは少なくて済み、格納部
6の記憶容量を低減することができる。
【0051】なお、上記した実施形態では、プリンタに
適用した場合について説明したが、特にプリンタ等の印
字装置に限定されるものではなく、要するにステッピン
グモータ全般に適用することが可能であって、上記した
実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0052】更に、上記した実施形態では、格納部6に
は半円状(または半楕円状)の基準二次曲線R(図2参
照)の左半分についての各線分の傾きデータを格納した
場合について説明したが、基準二次曲線Rについて分割
した全ての線分の傾きデータを格納してもよいのは勿論
である。
【0053】また、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0054】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、基準二次曲線上の各分割点を順次結んで得られ
る複数の線分の傾きデータから成る基準ランプテーブル
を格納していることから、基準二次曲線を折れ線で近似
することができ、各折れ線に相当する各分割点を結ぶ線
分の傾きを増減することで、基準二次曲線を折れ線で近
似した基準ランプテーブルを伸縮できるため、各分割点
の速度はそのままで各線分の傾きを減算するといった簡
単な演算により、基準ランプテーブルをモータステップ
数が増大する方向に所定倍して伸長することができる上
に、従来のように基準二次曲線そのものを縮小するため
の演算処理を簡素化でき、基準ランプテーブルの伸縮に
要する処理時間の短縮を図ることが可能になる。
【0055】また、請求項2に記載の発明によれば、基
準二次曲線上の各分割点を順次結んで得られる複数の線
分の傾きデータから成る基準ランプテーブルを格納して
いるため、基準二次曲線を折れ線で近似することがで
き、各折れ線に相当する各分割点を結ぶ線分の傾きを増
減することで、基準二次曲線を折れ線で近似した基準ラ
ンプテーブルを伸縮することができ、従来のように基準
二次曲線そのものを伸縮するための演算処理を簡素化で
き、処理時間の短縮することが可能になる。
【0056】また、請求項3に記載の発明によれば、各
分割点におけるモータ速度の値を変えずに、基準ランプ
テーブルの各線分をモータステップ数の方向に対し、所
定倍に伸長して各線分の傾きを小さくするため、モータ
速度の最大値は基準二次曲線のそれと変わらないことか
ら、従来のようにモータ速度の最大値が変化してモータ
の脱調を招いたりすることもなく、各線分の傾きを減算
するといった簡単な演算により、基準ランプテーブルを
モータステップ数が増大する方向に所定倍して伸長する
ことが可能になる。
【0057】また、請求項4に記載の発明によれば、基
準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを変えずに、
基準ランプテーブルの各線分をモータステップ数の方向
に対して所定の縮小率に縮小するため、モータ速度の最
大値は基準二次曲線のそれよりも小さくなるものの、各
線分で近似される基準二次曲線を相似的に縮小するとい
う演算でよいため、従来のように基準二次曲線そのもの
を縮小するための演算処理を簡素化でき、処理時間を短
縮することが可能になる。
【0058】また、請求項5に記載の発明によれば、各
線分の傾きを減算するといった簡単な演算により、基準
ランプテーブルをモータステップ数が増大する方向に所
定倍して伸長することができる上に、従来のように基準
二次曲線そのものを縮小するための演算処理を簡素化で
き、基準ランプテーブルの伸縮に要する処理時間の短縮
を図ることが可能になる。
【0059】また、請求項6に記載の発明によれば、印
字ヘッドを印字データの長短に応じて速やかに移動させ
ることができ、安定した印字動作を得ることが可能にな
る。
【0060】また、請求項7に記載の発明によれば、半
円状または半楕円状の基準二次曲線は対称であることか
ら、実際にこの基準二次曲線を折れ線で近似した基準ラ
ンプテーブルを伸縮する場合には、更にその半分につい
て伸長の演算を行い、残りの半分については既に演算し
た結果を対称に折り返して処理すればよく、演算自体を
非常に簡素化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明用フローチャ
ートである。
【図4】一般のプリンタにおける制御装置のブロック図
である。
【図5】図4の構成における動作説明図である。
【符号の説明】
1 CPU(制御部) 4 キャリアモータドライバ(駆動部) 5 フィードモータドライバ(駆動部) 6 格納部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子用の複数相の励磁コイルと、前記
    各励磁コイルに励磁電流を供給して回転子を回転させる
    駆動部と、予め定められた相励磁方式に従って前記励磁
    電流を供給して所要のステップ数だけ駆動するよう前記
    駆動部に制御信号を出力する制御部と、前記ステップ数
    のデータから成るランプテーブルを格納した格納部とを
    備え、印字装置の印字ヘッドの移動に用いられるステッ
    ピングモータの移動量及び速度を制御するステッピング
    モータの制御装置において、 前記格納部が、加速開始位置から減速終了位置までのモ
    ータステップ数及びモータ速度をそれぞれ横軸及び縦軸
    としたときに、前記モータステップ数及びモータ速度の
    関係が半円状または半楕円状を有する基準二次曲線を複
    数ステップ毎に分割し、前記基準二次曲線上の各分割点
    を順次結んで得られる複数の線分の傾きデータから成る
    基準ランプテーブルを格納し、前記制御部が、前記基準
    ランプテーブルを前記モータステップ数が増大する方向
    に所定倍して伸長する場合に、前記各分割点における前
    記モータ速度の値を変えずに、前記基準ランプテーブル
    の各線分を前記モータステップ数の方向に対して前記所
    定倍に伸長し、前記基準ランプテーブルの各線分それぞ
    れの傾きを小さく変更し、前記基準ランプテーブルを前
    記モータステップ数が減少する方向に縮小する場合に、
    前記基準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを変え
    ずに前記基準ランプテーブルの各線分を前記モータステ
    ップ数の方向に対して所定の縮小率に縮小することを特
    徴とするステッピングモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 固定子用の複数相の励磁コイルと、前記
    各励磁コイルに励磁電流を供給して回転子を回転させる
    駆動部と、予め定められた相励磁方式に従って前記励磁
    電流を供給して所要のステップ数だけ駆動するよう前記
    駆動部に制御信号を出力する制御部とを備え、ステッピ
    ングモータの移動量及び速度を制御するステッピングモ
    ータの制御装置において、 加速開始位置から減速終了位置までのモータステップ数
    及びモータ速度をそれぞれ横軸及び縦軸としたときに、
    前記モータステップ数及びモータ速度の関係を表わす基
    準二次曲線を複数ステップ毎に分割し、前記基準二次曲
    線上の各分割点を順次結んで得られる複数の線分の傾き
    データから成る基準ランプテーブルを格納した格納部を
    備えていることを特徴とするステッピングモータの制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部が、前記基準ランプテーブル
    を前記モータステップ数が増大する方向に所定倍して伸
    長する場合に、前記各分割点における前記モータ速度の
    値を変えずに、前記基準ランプテーブルの各線分を前記
    モータステップ数の方向に対して前記所定倍に伸長し、
    前記基準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを小さ
    く変更することを特徴とする請求項2に記載のステッピ
    ングモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部が、前記基準ランプテーブル
    を前記モータステップ数が減少する方向に縮小する場合
    に、前記基準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを
    変えずに、前記基準ランプテーブルの各線分を前記モー
    タステップ数の方向に対して所定の縮小率に縮小するこ
    とを特徴とする請求項2に記載のステッピングモータの
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御部が、前記基準ランプテーブル
    を前記モータステップ数が減少する方向に縮小する場合
    に、前記基準ランプテーブルの各線分それぞれの傾きを
    変えずに前記基準ランプテーブルの各線分を前記モータ
    ステップ数の方向に対して所定の縮小率に縮小すること
    を特徴とする請求項3に記載のステッピングモータの制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記ステッピングモータが、印字装置の
    印字ヘッドの移動用であることを特徴とする請求項2な
    いし5のいずれかに記載のステッピングモータの制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記基準二次曲線が、加速開始位置から
    減速終了位置までのモータステップ数及びモータ速度を
    それぞれ横軸及び縦軸としたときに、前記モータステッ
    プ数及びモータ速度の関係が半円状または半楕円状を有
    することを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記
    載のステッピングモータの制御装置。
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