JP2002184790A - 基板加熱用板材、およびテルル化カドミウム膜の製造方法 - Google Patents

基板加熱用板材、およびテルル化カドミウム膜の製造方法

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JP2002184790A
JP2002184790A JP2000382831A JP2000382831A JP2002184790A JP 2002184790 A JP2002184790 A JP 2002184790A JP 2000382831 A JP2000382831 A JP 2000382831A JP 2000382831 A JP2000382831 A JP 2000382831A JP 2002184790 A JP2002184790 A JP 2002184790A
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film
heating
heated
temperature
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Hiroshi Higuchi
洋 樋口
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Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池などの半導体デバイスの作製過程
で、基板を全面に亘り均一な温度分布で加熱するための
基板加熱用板材を提供する。また、均一な膜厚の大面積
CdTe膜の製造を可能にする。 【解決手段】 熱源と基板の間に設置する基板加熱用板
材の厚さ方向の熱伝導熱率を面方向の熱伝導率よりも小
さくする。この基板加熱用板材をソース基板および膜形
成基板の少なくとも一方を面接触させ、熱源により加熱
することにより、近接昇華法によるCdTe膜の製造を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造過程で、基板を均一に加熱するために用いる基板加
熱用板材と、これを用いたテルル化カドミウム(CdT
e)膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン、砒化ガリウムなどの半導体基
板、ガラス、セラミックなどの絶縁性基板、あるいはス
テンレス鋼、銅などの金属基板を用いて半導体デバイス
を製造する過程では、スパッター、蒸着、アニーリング
などの多くの加熱を伴う工程がある。これらの何れの工
程においても、加熱された基板の温度は管理パラメータ
ーとして重要であり、厳密な制御を必要とされる場合が
多い。例えば、均一な膜厚のCdTe膜を近接昇華法で
形成するためには、ソース材料(CdTe粉)の層を形
成したソース基板と膜形成用基板を近接させて対向配置
し、ソース基板温度を約720℃、膜形成用基板温度を
約600℃に設定し、これら基板の温度を±5℃程度の
精度で制御する必要がある。また、太陽電池やプラズマ
ディスプレイのような大型化が進む半導体デバイスの製
造工程では、膜形成や熱処理を基板全面に亘って均一に
行うために、大型基板を均一な温度分布に制御すること
が重要な課題である。
【0003】従来、半導体デバイスの製造過程で使用さ
れる炉の加熱方法としては、放射と対流を併用する加熱
方式、発熱体(導体)に高周波磁界を印加して発生させ
た渦電流で加熱する誘導加熱方式、および赤外線と可視
光線を照射する放射加熱方式などがある。放射と対流を
併用する加熱方式の代表例であるマッフル炉は、比較的
加熱温度の均一性に優れているので、1m角以上の大型
基板の加熱も可能であるが、被加熱基板が所定温度に均
一に加熱されるまでに長時間を要する難点がある。ま
た、この加熱方式は近接配置された二つの被加熱基板の
温度を個別に制御できないので、基板の乾燥や熱処理な
どの工程には用いられが、前述したCdTe膜形成など
の場合には用いることはできない。
【0004】誘導加熱方式の炉は、複数の被加熱基板の
温度を個別に制御できるが、磁界の均一性を得ることが
難しいため、±10℃程度の温度均一性を得られる基板
の大きさは400mm角程度までに限定される問題があ
る。放射加熱方式の炉は、複数の被加熱基板の温度を個
別に制御できるので、上記のCdTe膜の形成などにも
用いられている。この炉は線状あるいは点状の光源を熱
源とするので、被加熱箇所によって熱源からの距離が大
きく異なり、そのために均一な温度分布に被加熱基板を
加熱することが困難であった。この問題に対処するた
め、光源数を増やして被加熱基板へ放射される光密度分
布を均一化し、大型基板を均一に加熱する方法が試みら
れている。しかし、光源数を増やした場合は、光源であ
る各ランプヒータの出力のバラツキ、新旧光源の部分的
な交換、あるいは偶発的な断線などの故障のため、稼働
時間中に光源の出力密度が不均一になりやすく、基板を
均一な温度分布で加熱することが出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、被加熱基板が大型であっても、これを均一に
加熱できる手段を提供することを目的とする。さらに、
この手段を応用して、基板上に均一なCdTe膜を形成
できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の基板加熱用板材
は、半導体デバイスの製造過程で、基板とこれを加熱す
るための熱源との間に設置する板材であって、厚さ方向
の熱伝導率が面方向の熱伝導率よりも小さいことを特徴
とするものである。本発明の基板加熱用板材を用いるこ
とによって、被加熱基板が大型であっても、これを均一
な温度分布で加熱することができる。
【0007】本発明のCdTe膜の製造方法は、膜形成
用基板と、ソース材料を配設して前記膜形成用基板と対
向配置したソース基板とをそれぞれ加熱することによ
り、前記ソース材料を気化させ、これを前記膜形成用基
板上に析出させてテルル化カドミウム膜を形成するテル
ル化カドミウム膜の製造方法において、厚さ方向の熱伝
導率が面方向の熱伝導率よりも小さい基板加熱用板材
を、前記膜形成用基板および前記ソース基板の少なくと
も一方に面接触させ、その基板加熱用板材を熱源により
加熱して、前記膜形成用基板およびソース基板の少なく
とも一方を所定温度に加熱することを特徴とするもので
ある。本発明により、膜形成用基板およびソース基板の
少なくとも一方が均一な温度分布で加熱されるので、均
一な膜厚の大面積CdTe膜の形成が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の基板加熱用板材は、半導
体デバイス、例えば太陽電池、液晶パネル、およびプラ
ズマディスプレイの蛍光体などを製造する過程での加熱
を伴う様々な工程、例えば、スパッター法、蒸着法、近
接昇華法などによる各種半導体薄膜を形成する工程やア
ニーリング、乾燥、熱処理、焼結などの工程において、
被加熱基板を均一な温度分布で加熱するために、熱源と
被加熱基板の間に設置するものであり、厚さ方向の熱伝
導熱率(Ts)と面方向の熱伝導率(Tp)とが、Ts
<Tpの関係にあるものである。
【0009】本発明の基板加熱用板材を用いることによ
り、熱源からの熱が基板加熱用板材を介して被加熱基板
に伝搬して被加熱基板が所定温度に加熱される際に、熱
源から発生する熱量の分布が多少不均一であっても、熱
源からの熱が基板加熱用板材の面方向に優先して拡散す
るので、基板加熱用板材の全面が均一化された温度に加
熱される。このように均一な温度分布で加熱された基板
加熱用板材から厚さ方向に拡散した熱が、基板加熱用板
材に対向配置された被加熱基板の全面に均一な分布で伝
搬する。これにより、被加熱基板の全面が均一な温度分
布に加熱される。
【0010】従来法による等方性の熱伝導率を有する基
板加熱用板材、例えば高密度カーボン、結晶化セラミッ
クなどの板材、を用いる場合には、肉厚の板材を用いれ
ば、面方向に熱拡散し易くなるので熱源の出力の不均一
性をある程度は緩和できる。しかし、この場合には、板
材の側面からの放熱効果が強くなるため、基板加熱用板
材の周縁部分がやや低温になり、新たな温度分布不均一
化の要因が発生する。これを是正するには、基板加熱用
板材周縁部の加熱を強化する機構を付加したり、側面部
に断熱材を設置するなどの煩雑な対策が必要になる。こ
れらの問題は、厚さ方向よりも面方向に熱が伝わりやす
い異方性の熱伝導率を有する本発明による基板加熱用板
材を用いることにより解決される。即ち、本発明によれ
ば、基板加熱用板材が比較的薄い場合でも面方向に優先
的に熱拡散させることができるので、基板加熱用板材の
側面の面積を小さくできる。そのため、板材の側面から
の放熱は抑制され、周縁部での温度を低下させることな
く、基板加熱用板材が均一な温度分布で加熱される。
【0011】本発明の基板加熱用板材の材料として、異
方性の熱伝導率を有し、面方向に熱伝導しやすい各種の
材料を用いることができる。中でも特に好ましい材料と
して、カーボン繊維が面方向に配列されて形成された板
材、例えば、カーボン繊維板(例えば、日本カーボン株
式会社製CCMシリーズ)やカーボン繊維布(松下電器
産業株式会社製:PGSグラファイト)などが挙げられ
る。
【0012】板状カーボン材料などからなる上記の基板
加熱用板材の熱伝導率の測定には、例えばレーザフラッ
シュ法を用いることができる。レーザフラッシュ法によ
る熱伝導率の測定は、測定対象の板材の表面に対して極
短時間レーザ光を照射し、その時の板材の裏面の温度変
化を計測することによって行われる。レーザ光によって
加えられるエネルギーをQ、試料の厚さをL、レーザ光
によって試料裏面温度が上昇して最高温度に達するまで
の温度上昇分をΔTmax、レーザ光照射開始時から、試
料裏面温度の上昇がΔTmaxの半分に到達するまでの時
間をt1/2とすると、熱伝導率Tは次式によって求めら
れる。
【0013】 T=1.37Q・L/(π2・t1/2・ΔTmax
【0014】本発明で云う「厚さ方向の熱伝導率Ts」
は、上記の方法で求められるTそのものである。また、
「面方向の熱伝導率Tp」は、例えば板材を細長に切断
した試料の一方の切断面を板材の表面、他方の切断面を
板材の裏面と見なし、上記の測定方法により測定するこ
とができる。本発明の基板加熱用板材は、特にTp/T
s≧2の熱伝導率を有するものが好ましく、Tp/Ts
≧4の熱伝導率を有するものがさらに好ましい。例え
ば、好ましい基板加熱用板材として例示した上記のカー
ボン繊維板の熱伝導率(単位:W/m・K)は、Ts=
4、Tp=27(Tp/Ts≒8)であり、カーボン繊
維布の熱伝導率は、Ts=8〜12、Tp=600〜8
00である。一方従来の基板加熱用板材の代表例である
高密度カーボン板(日本カーボン株式会社製ER−3
9)ではTs=Tp=111である。
【0015】本発明のCdTe膜の製造方法は、いわゆ
る近接昇華法によるCdTe膜の製造方法において、膜
形成用基板およびソース基板の少なくとも一方に対し
て、前記本発明による基板加熱用板材を面接触させ、そ
の基板加熱用板材を熱源によって加熱することにより、
前記膜形成用基板および前記ソース基板の少なくとも一
方をそれぞれの所定温度に加熱するものである。本発明
により、近接配置された二つの被加熱基板(膜形成用基
板およびソース基板)を、個々に設定された所定温度に
均一な温度分布で加熱することができる。これにより、
均一な膜厚の大面積CdTe膜の形成が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。
【0017】《実施例1》被加熱基板を基板加熱用板材
に面接触させて設置して加熱し、被加熱基板の温度分布
を測定した。図2によりその測定方法を説明する。ガラ
ス製の被加熱基板21を載せた基板加熱用板材22が管
状ランプヒーター23で加熱される。基板加熱用板材2
2には温度制御用熱電対24が接続され、温度制御用熱
電対24は管状ランプヒーター23の出力を制御する温
度調節器25に接続されている。温度調節器25に設定
された温度を温度制御用熱電対24が感知するように、
ランプヒーター23の出力が温度調節器25により調節
される。被加熱基板21の温度分布は、被加熱基板21
に装着された温度分布測定用熱電対26により測定され
る。
【0018】結晶化ガラス板製の被加熱基板21の寸法
を1000mm×1000mm×3mm、基板加熱用板
材22の寸法を1400mm×1400mm×3mm、
管状ランプヒーター23と基板加熱用板材22の距離を
200mm、各管状ランプヒーター23間の距離を40
0mm、温度調節器25の設定温度を700℃として、
図2の方法により被加熱基板21を加熱した。基板加熱
用板材22としてカーボン繊維板(日本カーボン株式会
社製CCM190C、厚さ3mm、Ts=4W/m・
K、Tp=27W/m・K)を用いた。
【0019】被加熱基板21の温度分布の測定は、温度
分布測定用熱電対26と管状ランプヒーター23を図3
に示す位置関係で設置して行った。図3の●印は、温度
分布測定用熱電対26であり、A1〜A5、B1〜B
5、およびC1〜C5は管状ランプヒーター23a、2
3b、および23cのそれぞれに対向配置された温度分
布測定用熱電対26の位置を示し、D1〜D3およびE
1〜E3は管状ランプヒーター23aと23bの中間、
および23bと23cの中間に対向配置された温度分布
測定用熱電対26の位置を示している。
【0020】実施例1において、各温度分布測定用熱電
対26が示した温度を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1より、被加熱基板21のうち、管状ラ
ンプヒーター23に近い位置(図3のA1〜A5、B1
〜B5、およびC1〜C5の位置)とそれ以外の位置
(図3のD1〜D3およびE1〜E3の位置)での測定
温度には殆ど差がなく、均一な温度分布で被加熱基板2
1が加熱されていることがわかる。各測定位置の温度の
標準偏差は1.71であった。
【0023】《比較例1》基板加熱用板材22として高
密度カーボン板(日本カーボン株式会社製ER−39、
厚さ3mm、Ts=Tp=111)を用いた以外は、実
施例1と同様にして被加熱基板21を加熱し、その温度
分布を測定した。
【0024】比較例1において、各温度分布測定用熱電
対26が示した温度を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2からわかるように、被加熱基板21の
うち、管状ランプヒーター23に近い測定位置では、そ
れ以外の測定位置よりも20〜30℃程度高い温度が観
測された。各測定位置の温度の標準偏差は11.6であ
り、実施例1より著しく温度分布が不均一であることが
わかった。
【0027】《実施例2》被加熱基板を基板加熱用板材
の上方に一定間隔で対向させて設置して加熱し、被加熱
基板の温度分布を測定した。図4によりその測定方法を
説明する。図4は、基板加熱用板材22と被加熱基板2
1の間に被加熱基板支持棒27を介在させて、基板加熱
用板材22と被加熱基板21とを20mmの間隔で対向
配置した以外は図2と同様である。基板加熱用板材22
として、実施例1で用いたと同様のカーボン繊維板を用
いて被加熱基板21を加熱し、実施例1と同様にしてそ
の温度分布を測定した。
【0028】実施例2において、各温度分布測定用熱電
対26が示した温度を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3から、被加熱基板21を基板加熱用板
材22に面接触させた実施例1の表1と比較して、実施
例2の場合には、温度の絶対値は相対的に低下している
が、管状ランプヒーター23から離れた測定位置(D1
〜D3およびE1〜E3の位置)と近くの測定位置(A
1〜A5、B1〜B5、およびC1〜C5の位置)での
測定温度との差が比較例1よりも遙かに少ないことがわ
かる。各測定位置の温度の標準偏差は3.92であり、
被加熱基板21の温度分布は比較例1より良好であっ
た。
【0031】《比較例2》基板加熱用板材22として比
較例1と同様の高密度カーボン板を用いた以外は、実施
例2と同様にして被加熱基板21を加熱し、その温度分
布を測定した。
【0032】比較例2において、各温度分布測定用熱電
対26が示した温度を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4より、管状ランプヒーター23から離
れた位置の被加熱基板21の温度は管状ランプヒーター
33に近い位置の温度より20〜40℃程度低くなって
おり、大きな温度差が観測された。これら測定温度の標
準偏差は12.89と大きなバラツキを示した。
【0035】《実施例3》一定の間隔を隔てて対向させ
た二枚の被加熱基板に、個別の基板加熱用板材をそれぞ
れ面接触させ、各々の被加熱基板を個別の熱源で加熱す
る方法の実施例として、近接昇華法によりCdTe膜を
形成した。図1は、CdTe膜の形成に用いた装置の縦
断面図である。一方の基板加熱用板材1の上に、CdT
e粉からなるソース材料層3を形成したソース基板2を
載せ、その上面の周縁部に設置した耐熱性のスペーサ8
を介して膜形成用基板7を載置する。膜形成用基板7は
ガラス基板4に透明導電膜5(酸化錫膜)と硫化カドミ
ウム膜6(CdS膜)を積層して作製したものである。
膜形成用基板7の上に他方の基板加熱用板材9を設置す
る。
【0036】次いで、基板加熱用板材9および1を、そ
の上下から管状ランプヒーター11および10によって
加熱する。管状ランプヒーター10および11は、基板
加熱用板材1および9の温度をそれぞれモニターする温
度制御用熱電対12および13がそれぞれ接続されたプ
ログラム式温度調節計14および15によって出力が調
整される。プログラム式温度調節計14および15には
予め温度プログラムが記憶され、このプログラムによっ
て基板加熱用板材1および9の温度が制御される。プロ
グラム式温度調節計14および15以外の構成要素は窒
素導入コック17および放出用コック18が取り付けら
れた密閉可能なステンレス鋼製容器16の中に収容され
ている。
【0037】基板加熱用板材1および9のサイズを14
00mm×1400mm×3mm、ソース基板2および
ガラス基板4のサイズを1000mm×1000mm×
3mm、管状ランプヒーター10および11の各々の間
隔を400mm、管状ランプヒーター10と基板加熱用
板材1との間、および管状ランプヒーター11と基板加
熱用板材9間の距離をともに200mmとし、ソース基
板2の材質は結晶化ガラスとして、図1の装置を用いて
CdTe膜の形成を行った。ガラス基板4には硼珪酸ガ
ラス製の板を用い、透明導電膜5は厚さ500nmの酸
化錫膜、CdS膜6の膜厚は100nmとした。膜形成
中のステンレス鋼製容器16内の雰囲気は、酸素濃度2
0ppm以下の窒素雰囲気とした。スペーサ8はアルミ
ナ製で厚さ5mmのものを用いた。
【0038】ソース基板2の表面には、中心粒径50μ
mのCdTe粉にエチレングリコールモノフェニルエー
テルを加えたペーストをスクリーン印刷し、これを乾燥
することによってソース材料層3を形成した。プログラ
ム式温度調節計14および15にはそれぞれ図5および
図6に示す温度変化を発生させるように予めプログラム
しておき、このプログラムの実行によってCdTe膜を
形成した。基板加熱用板材1および9には、実施例1で
用いたと同様のカーボン繊維板を用いた。
【0039】上記のようにして膜形成用基板7上に形成
されたCdTe膜の厚さの分布を測定し、その結果を表
5に示した。CdTe膜の厚さの測定は、実施例1にお
ける被加熱基板の温度の測定位置と同じ位置(図3のA
1〜A5、B1〜B5、C1〜C5、D1〜D3、およ
びE1〜E3に相当する位置)で行った。
【0040】
【表5】
【0041】表5より、管状ランプヒーター10および
11から測定点までの距離に無関係に、ほぼ均一な膜厚
のCdTe膜が膜形成用基板7上に形成されていること
が分かる。また、そのCdTe膜の膜厚の標準偏差は
0.12であった。
【0042】《比較例3》基板加熱用板材1および9と
して比較例1と同様の高密度カーボン板を用いた以外
は、実施例3と同様にして膜形成用基板上にCdTe膜
を形成した。
【0043】形成されたCdTe膜の厚さの分布を実施
例3と同様にして測定し、その結果を表6に示した。
【0044】
【表6】
【0045】表6より分かるように、管状ランプヒータ
ー10および11に近接している位置(A1〜A5、B
1〜B5、およびC1〜C5の位置)での膜厚が大き
く、離れた測定位置(D1〜D3およびE1〜E3の位
置)とで、著しく膜厚の相違が観測された。また、Cd
Te膜の厚さの標準偏差は1.33であり、実施例3と
較べて極めて大きな膜厚バラツキを示した。これは、面
方向に大きな熱伝導率を持つカーボン繊維板製の基板加
熱用板材を用いた実施例3では、比較例3よりも被加熱
基板(ソース基板および膜形成用基板)が均一な温度分
布を保ちながら加熱されたことに起因する。
【0046】
【発明の効果】本発明による基板加熱用板材を、半導体
製造過程での基板の加熱を伴う工程に用いることによ
り、大型の基板でも均一な温度分布で加熱できる。ま
た、この基板加熱用板材を用いて近接昇華法によりCd
Te膜を製造することにより、均一な膜厚のCdTe膜
の大面積化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるCdTe膜形成装置の
構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例における基板、その加熱装置
および温度分布の測定装置の位置関係を示す縦断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例における熱源と温度分布測定用
熱電対との位置関係を示す平面図である。
【図4】本発明の他の実施例における基板、その加熱装
置および温度分布の測定装置の位置関係を示す縦断面図
である。
【図5】本発明の実施例のCdTe膜形成におけるソー
ス基板の加熱温度プログラムを示す図である。
【図6】本発明の実施例のCdTe膜形成における膜形
成用基板の加熱温度プログラムを示す図である。
【符号の説明】
1、9、22 基板加熱用板材 2 ソース基板 3 ソース材料層 4 ガラス基板 5 透明導電膜 6 CdS膜 7 膜形成用基板 8 スペーサ 10、11、23 管状ランプヒーター 12、13、24 温度制御用熱電対 14、15 プログラム式温度調節計 16 ステンレス鋼製容器 17 窒素導入コック 18 放出用コック 21 被加熱基板 25 温度調節器 26 温度分布測定用熱電対 27 被加熱基板支持棒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体デバイスの製造過程で、基板とこ
    れを加熱するための熱源との間に設置する板材であっ
    て、厚さ方向の熱伝導率が面方向の熱伝導率よりも小さ
    いことを特徴とする基板加熱用板材。
  2. 【請求項2】 カーボン繊維が面方向に配列されて形成
    された板材からなる請求項1に記載の基板加熱用板材。
  3. 【請求項3】 膜形成用基板と、ソース材料を配設して
    前記膜形成用基板と対向配置したソース基板とをそれぞ
    れ加熱することにより、前記ソース材料を気化させ、こ
    れを前記膜形成用基板上に析出させてテルル化カドミウ
    ム膜を形成するテルル化カドミウム膜の製造方法におい
    て、厚さ方向の熱伝導率が面方向の熱伝導率よりも小さ
    い基板加熱用板材を、前記膜形成用基板および前記ソー
    ス基板の少なくとも一方に面接触させ、その基板加熱用
    板材を熱源により加熱して、前記膜形成用基板およびソ
    ース基板の少なくとも一方を所定温度に加熱することを
    特徴とするテルル化カドミウム膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板加熱用板材が、カーボン繊維が面方
    向に配列されて形成された板材からなる請求項3に記載
    のテルル化カドミウム膜の製造方法。
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