JP2002183184A - 意味情報ネットワークを用いた案内情報提供方法とシステム、案内情報受信方法および送信端末と受信端末 - Google Patents

意味情報ネットワークを用いた案内情報提供方法とシステム、案内情報受信方法および送信端末と受信端末

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JP2002183184A
JP2002183184A JP2000380089A JP2000380089A JP2002183184A JP 2002183184 A JP2002183184 A JP 2002183184A JP 2000380089 A JP2000380089 A JP 2000380089A JP 2000380089 A JP2000380089 A JP 2000380089A JP 2002183184 A JP2002183184 A JP 2002183184A
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JP2000380089A
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Hiroshi Shibata
弘 柴田
Takanari Hoshiai
隆成 星合
Takamichi Sakai
隆道 酒井
Keiichi Koyanagi
恵一 小柳
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仲介者を介することなくネットワークを用い
た位置依存情報受信サービスの実現を可能とする。 【解決手段】 イベントとして送信されたデータを選択
的に受信するためにイベントのタイプと取得条件とから
なるフィルタが設定される案内情報受信者の携帯端末4
0と、案内情報をイベントとして送信する端末31〜3
3とが、意味情報ネットワーク10を介して接続されて
いる。案内情報受信者の携帯端末40には、GPS受信
機等により取得された位置情報がフィルタとして設定さ
れている。案内情報発信者は、端末31〜33により案
内情報と自己の位置情報をイベントとして送信する。送
信されたイベントに含まれる位置情報に合致する取得条
件がフィルタとして設定されている携帯端末にのみ、そ
の案内情報は受信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク上に
分散するコンテンツの中からエンドユーザの興味に合致
するコンテンツを特定する、あるいは、コンテンツプロ
バイダがコンテンツを配布すべき最適なコンシューマを
特定する意味情報ネットワークを用いて、案内情報発信
者により発信された案内情報を、その案内情報の受信を
希望する案内情報受信者に提供するための、意味情報ネ
ットワークを用いた案内情報提供方法および運営システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話等の携帯端末を使用し
て、案内情報発信者により発信された様々な案内情報を
得ることができる案内情報提供サービスが行われてい
る。しかし、これらのサービスでは、案内情報の受信を
希望する案内情報受信者の位置は考慮されていないた
め、案内情報受信者は、自分の位置の周辺の案内情報発
信者により発信された案内情報を受信しようとする場合
であっても、膨大な量の案内情報の中から自己の欲しい
案内情報を探す必要がある。
【0003】特に、案内情報受信者が移動しているよう
な場合には、案内情報受信者の位置は刻々と変化するた
め、従来の案内情報提供システムでは、この案内情報受
信者の位置の変化に伴って提供する案内情報を変更する
ようなことは不可能であった。
【0004】また、一般に案内情報受信者が案内情報発
信者からの案内情報を受信する場合には、案内情報受信
者と案内情報発信者との仲介を行うための仲介者が必要
となる。そして、仲介者が存在することにより、仲介料
の発生、仲介者における照合処理負荷の集中化、設定し
ている情報のリアルタイムな変化が不可能であるといっ
た問題が発生する。また、このような仲介者が存在する
と、案内情報受信者のプライバシに関わる機密情報を仲
介者が一元管理され、仲介者によって利用されているサ
ーバに侵入が図られたときの危険分散が行われていない
という問題がある。また、仲介者の機密情報管理の信頼
性が低い場合には、仲介者にプライバシ情報を開示する
こと自体に不安が伴うという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の案内情
報提供システムでは、案内情報の受信を希望する案内情
報受信者が移動しているような場合、案内情報受信者の
現在の位置を考慮して、その案内情報受信者の位置の周
辺の案内情報発信者により発信された案内情報のみを選
択して提供することができるようなシステムを実現する
ことができなかった。また、案内情報受信者が案内情報
発信者から発信された案内情報を受信しようとする場合
には、案内情報発信者から発信された案内情報を案内情
報受信者に提供するための仲介者が必要となる。
【0006】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、案内情報受信
者の位置している周辺の案内情報発信者により発信され
ている案内情報のみを選択して案内情報受信者に提供す
ることを、仲介者を必要とすることなく可能とする案内
情報提供方法および提供システムを実現することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の案内情報提供方法は、データをイベントと
して送信する送信端末と、イベントとして送信された前
記データを選択的に受信するために、イベントのタイプ
と取得条件とからなるフィルタが設定される受信端末と
から構成される意味情報ネットワークを用いて、案内情
報発信者により発信された案内情報を、該案内情報の受
信を希望する案内情報受信者に提供する、意味情報ネッ
トワークを用いた案内情報提供方法であって、前記案内
情報受信者の携帯端末に設けられている位置情報取得手
段により、当該案内情報受信者の携帯端末の位置情報を
取得するステップと、前記位置情報取得手段により取得
された位置情報に一定の幅を持たせた情報とを前記フィ
ルタの取得条件としと設定するステップと、前記案内情
報発信者の端末から、前記案内情報受信者に発信したい
案内情報、および、前記案内情報発信者の位置情報から
なる発信情報をイベントとして前記意味情報ネットワー
クに送信するステップと、前記位置情報取得手段により
取得された位置情報に一定の幅を持たせた情報とがフィ
ルタの取得条件として設定されている前記案内情報受信
者の携帯端末が、イベントとして送信された前記発信情
報を前記意味情報ネットワークから受信し、該発信情報
に含まれている案内情報の表示を行うステップとを有す
る。
【0008】本発明によれば、案内情報受信者は携帯端
末に設けられた位置情報取得手段により取得された位置
情報をフィルタとして設定し、案内情報発信者は案内情
報発信者の位置情報と案内情報からなる発信情報をイベ
ントとして意味情報ネットワークに送信するようにして
いるので、案内情報受信者は自分が位置している周辺の
案内情報発信者により発信されている案内情報のみを選
択して受信することが、仲介者を必要とすることなく可
能となる。
【0009】また、本発明の案内情報提供方法は、デー
タをイベントとして送信する送信端末と、イベントとし
て送信された前記データを選択的に受信するために、イ
ベントのタイプと取得条件とからなるフィルタが設定さ
れる受信端末とから構成される意味情報ネットワークを
用いて、案内情報発信者により発信された案内情報を、
該案内情報の受信を希望する案内情報受信者に提供す
る、意味情報ネットワークを用いた案内情報提供方法で
あって、前記案内情報受信者の携帯端末に設けられてい
る位置情報取得手段により、当該案内情報受信者の携帯
端末の位置情報を取得するステップと、前記案内情報受
信者に関する個人情報を前記案内情報受信者の携帯端末
により入力し、入力した該個人情報と前記位置情報取得
手段により取得された位置情報に一定の幅を持たせた情
報とを前記フィルタの取得条件としと設定するステップ
と、前記案内情報発信者の端末から、前記案内情報受信
者に発信したい案内情報、該案内情報を発信したい案内
情報受信者を限定するための個人情報、および、前記案
内情報発信者の位置情報からなる発信情報をイベントと
して前記意味情報ネットワークに送信するステップと、
案内情報受信者に関する個人情報および前記位置情報取
得手段により取得された位置情報に一定の幅を持たせた
情報とがフィルタの取得条件として設定されている前記
案内情報受信者の携帯端末が、イベントとして送信され
た前記発信情報を前記意味情報ネットワークから受信
し、該発信情報に含まれている案内情報の表示を行うス
テップとを有する。
【0010】本発明によれば、案内情報受信者は携帯端
末に設けられた位置情報取得手段により取得された位置
情報だけでなく案内情報受信者に関する個人情報をフィ
ルタの取得条件として設定し、案内情報発信者は案内情
報発信者の位置情報と案内情報からなる発信情報だけで
なく案内情報を発信したい案内情報受信者を限定するた
めの個人情報をもイベントとして意味情報ネットワーク
に送信するようにしているので、案内情報受信者は自分
が位置している周辺の案内情報発信者により発信されて
いる案内情報のみを選択して受信することが、仲介者を
必要とすることなく可能となるとともに、案内情報発信
者は送信したい案内情報受信者を限定して案内情報の送
信を行うことができる。
【0011】また、本発明の他の案内情報提供方法は、
前記案内情報受信者の携帯端末により、案内情報受信者
が移動する際に使用している移動手段の情報を入力し、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報に前記
移動手段の種類に基づいて一定の幅を持たせた情報を前
記フィルタの取得条件としと設定するステップをさらに
有するようにしてもよい。
【0012】本発明によれば、案内情報受信者の携帯端
末では、入力された移動手段の種類に基づいてフィルタ
の所得条件として設定する位置情報の幅を変更するた
め、移動速度が速い移動手段により移動している場合に
は広い範囲の案内情報が受信されるようにすることによ
り移動速度に応じた適切な案内情報を受信することが可
能となる。
【0013】また、本発明の案内情報提供方法は、前記
位置情報手段をGPS受信機とするようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を説明する前に、本発明の
前提となる、発信する情報のメッセージ性を高めた分散
型ネットワークシステムについて説明する。
【0015】分散型指向のネットワークシステムとして
は、ナップスターを用いるものが知られ、さらに、分散
性を高めたネットワークシステムとしては、Gnute
llaを用いるものが知られている。
【0016】まず、ナップスターを用いるネットワーク
システムについて説明する。ナップスター利用者は、各
ナップスター利用者が公開するファイルの情報を格納し
たナップスター社のサーバに検索要求を送信し、ナップ
スター社のサーバは検索したファイルを所有するナップ
スター利用者に関するIPアドレス等の情報を返信す
る。実際のファイルのやり取りはナップスター社のサー
バを介することなく、IPアドレスを入手した利用者が
直接目的とするファイルを所有するナップスター利用者
にアクセスすることにより行われる。
【0017】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムの場合には、Gnutella利用者の端末は、
接続している相手端末の状態を定期的に確認し、メッセ
ージやファイルの検索要求を中継し合うことが行われ
る。検索結果は検索要求を行った相手に戻され、その後
のファイル転送はナップスターと同様に利用者間で直接
行われる。これにより、サーバを用いることなくネット
ワークが構築されることとなる。
【0018】これらの各ネットワークシステムのうち、
ナップスターを用いるものにおいては、本発明が問題点
とする仲介者に相当するサーバを必要とするため、本発
明の目的を達成するものではない。
【0019】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムにおいては、サーバを用いることなくメッセージ
やファイルの検索要求が行われるものの、発信する情報
が単なるファイルの検索要求であり、この応答を確認し
た利用者によるファイルの転送が利用者間で行われるも
のであるため、オークションや逆オークション等の1対
複数でのやり取りが必要となる形態にはそぐわない。
【0020】発信する情報のメッセージ性を高めた分散
型ネットワークシステムとして以下に説明する意味情報
ネットワークシステムがあり、本発明は、このような意
味情報ネットワークシステムを用いることを前提とす
る。
【0021】まず、意味情報ネットワーク(Semantic I
nformation-Oriented Network、以下、SIONと称す
る)について概要を説明する。SIONは、意味情報に
基づいて、イベントを目的地まで配送することが可能な
ネットワークである。図1に、SIONの概念モデルを
示す。図1において、各端末2は、意味情報(Semantic
Information:SI)をSION1に対して登録する。
一方、イベントを送信する端末2は、図2に示す意味情
報(Semantic information)とデータ(Data)から構成
されるイベントをSION1に送出する。ここでいう、
意味情報とは、イベントに含まれるデータの特性を記述
したものであり、データのメタ情報として位置づけられ
る。例えば、意味情報は、 ・データを“東京在住者”に配送する。 ・データを“クラシックに興味のある人”に配送する。 ・データを“1Mbps以上の通信環境を有する人”に
配送する。 ・データを“目白通りを通行中の人”に配送する。 ・データを“キーワード(例えば旅行)に合致するコン
テンツを有するコンテンツプロバイダ”に配送する。 等の表現が用いられる。
【0022】SIONは、上述したような意味情報に基
づいて、データを配送すべき対象(端末、人、ソフトウ
エアなど)を動的に決定し、特定された対象者に対し
て、データの配送および通知を行うことが可能な自律分
散型のメタネットワークである。このSIONを用いる
ことにより、ブローカを介することなく、情報提供者が
提供するに相応しいユーザに対してのみ、自身の情報を
直接提案することが可能になる。このような、ブローカ
非介在型(非ブローカモデル)でpeer-to-peerの情報提
案が可能なビジネスモデルを、ここでは、御用聞きモデ
ル(または、御用聞き型情報提案モデル、非ブローカモ
デル)と呼ぶ。同様に、検索サービス(ブローカ)を介
することなく、ユーザが希望する情報を直接探索可能
な、リアルタイム情報検索も可能である。なお、御用聞
き型情報提案サービスとして、以下のサービス等に適用
することが可能である。 (1)製造会社:自社製品に興味を持ってくれそうなお
客様を中心に製品案内を送りたい。 (2)広告主:お客様ごとにパーソナライズされた広告
を送りたい。 (3)物々交換:ユーザ間の合意に基づいて、製品を売
買したり、交換したい。
【0023】なお、イベントのデータ部にどのような情
報を設定するかは、サービス依存である。例えば情報の
実体、情報へのリファレンス(URL、分散オブジェク
ト識別子等)、プロキシ(Jiniプロキシ等)、モバ
イルエージェントなど様々な利用形態が可能である。
【0024】次に、SIONの詳細について説明する。
【0025】<SIONアーキテクチャ>まず、SIO
Nのネットワークアーキテクチャについて説明する。図
3にSIONのネットワークモデルを示す。ここで、説
明の便宜上、端末2を、イベント送信者の送信端末21
とイベント受信者の受信端末22とに区別して表記す
る。イベント受信者は、受信端末22を用いて自身が受
信することを希望するイベントの意味情報(受信するイ
ベントのタイプと取得条件)をメタデータとしてSIO
N1に登録する。これをフィルタ(Filter)と呼ぶ。一
方、イベント送信者は、送信端末21を用いてSION
1にイベントを送出することにより、SIONに刺激
(Incentive)を与える。このイベントは、図2に示す
ようにイベントの特性を記述した意味情報とデータから
構成される。意味情報の定義を図4に示す。意味情報
は、イベントのメタデータであり、かつ、意味情報タイ
プ(イベントタイプ)のインスタンスである。
【0026】SION1は、イベント受信者が登録した
フィルタに対して、イベント送信者が送出したイベント
を照合(フィルターリング)させるための自律分散型の
照合ネットワークである。照合の結果、イベントが通過
した(イベントに反応した)フィルタは発火(Ignitio
n)し、対応するイベント受信者の受信端末22が自律
起動する。この仕組みにより、不特定多数の端末2の中
から、対象となる端末2をスケーラブルかつリアルタイ
ムに探索・発見することが可能になる。
【0027】次に、イベントタイプについて説明する。
図5に、イベントのテンプレートであるイベントタイプ
の定義例を示す。図5に示すように、イベントタイプ
は、イベントタイプ名(Event type name)と条件名
(図5においては、”Service”や”CPU power”が相当
する)、およびそれぞれの条件名に対するデータ型(St
ringやLongが相当する)と条件式(==や>=が相当す
る)が定義されたものである。イベントタイプ名は、イ
ベントタイプを一意に識別するための名称である。
【0028】なお、イベントタイプの親タイプを継承可
能である。
【0029】図6に示すように、イベントタイプのデー
タ構造に従って、イベントを作成する。イベントは、イ
ベントタイプ名、条件名と条件値の組み合せ、および、
データ部から構成される。イベントの中で定義された条
件名、条件式、条件値が、イベントタイプと一致しない
場合は、エラーになる。但し、イベントの中で使用され
る条件名は、イベントタイプのサブセットでも良い。
【0030】図7にフィルタの定義例を示す。フィルタ
は、受け付けるイベントタイプ名(Event type nam
e)、属性名(図7においては、”CPU power”や”Ag
e”が相当する)と属性値(図7においては、200や
25が相当する)のペアーから成る。受け付けるイベン
トタイプ名で定義されたイベントタイプに属するイベン
トのみが、フィルタリングの対象となる。ここには、複
数のイベントタイプ名を定義することができ、さらに、
ワイルドカード(*.*)を指定することにより、全て
のイベントを対象とすることも可能である。なお、フィ
ルタで定義された属性名が、受け付けるイベントタイプ
名で定義されたイベントタイプの条件名の中に存在しな
い場合には、エラーとなる。但し、イベントタイプのサ
ブセットでも良い。
【0031】次に、SION1の構成を説明する。図8
は、SION1の構成を示す図である。図8に示すよう
にSION1は、意味情報スイッチ(Semantic Informa
tion-Switch、図面ではSI−SWと図示する)、意味
情報ルータ(Semantic Information -Router、図面では
SI−Rと図示する)、意味情報ゲートウェイ(Semant
ic Information-Gateway、図面ではSI−GWと図示す
る)から構成される。
【0032】意味情報スイッチ(SI−SW)は、フィ
ルタとして登録された意味情報と、イベントに付与され
た意味情報を照合し、その結果、発火したイベント受信
者の端末2を起動するスイッチング機構を提供する。意
味情報スイッチ(SI−SW)と各端末2はスター型で
結合される。
【0033】意味情報ルータ(SI−R)は、意味情報
スイッチ間のイベント経路選択を行うとともに、端末2
から意味情報スイッチに対して送出されたイベントを他
の意味情報スイッチに転送する役割を担う。これは、意
味情報に基づく動的なイべントルーティングにより達成
される。
【0034】意味情報ゲートウェイ(SI−GW)は、
イベントプレース(Event place)間でのイベントの転
送を行う。ここで、イベントプレースは、共通の意味情
報空間を保証する最小単位(オントロジードメイン)で
ある。イベントプレース内では、イベントタイプの名
称、概念、語彙、意味、関連などのオントロジー体系の
一意性が保証され、共通のオントロジーに基づいて意味
情報が記述されることになる。基本的には、イベント送
信者の端末2から送出したイベントは、イベントプレー
ス内のみで流通するが、意味情報ゲートウェイ(SI−
GW)を介することにより、異なるオントロジー体系を
有するイベントプレース間でのイベントの相互流通が可
能になる。このとき、意味情報ゲートウェイ(SI−G
W)はイベントのオントロジー変換を行った後、異なる
イベントプレースヘイベントを転送する。
【0035】<動作メカニズムとインタフェース仕様>
SION1の実現方法の一例として、分散オブジェクト
技術を用いた実装方法を示す。ここで、SI−SWsS
I−R,SI−GWは、それぞれ、イベントプレースオ
ブジェクト(EPO)、シェアードリンクオブジェクト
(SLO)、フェデレーションエージェント(FA)と
呼ばれる分散オブジェクトとして実装される。図9を用
いて、SION1の動作メカニズムと制御インタフェー
スを詳述する。また、SION−MT(Managem
ent Tool)やSIONインタフェーサを用いる
ことにより、SION1のネットワークインタフェース
を使用することができる。また、MTを用いて、EPO
の撤収・増減設、物理リンク情報の動的変更、POマイ
グレーション(POのバインド先EPOの動的変更)、
発火率の収集、人気の高い惰報や流行している情報の統
計情報収集などを簡単に行うことができる。
【0036】・イべントプレースファクトリの起動&初
期化(図9(1)) まず、SION運営者は、任意のホスト上にイベントプ
レースファクトリ(EPF)を起動し、続いて、EPF
の初期化を行う。この時、EPFに対して、イべントプ
レース(EP)を生成可能なホスト名、およびEPの実
行ファイルの格納先を与える。これらを、EP生成情報
と呼ぶ。
【0037】・イべントプレースの生成要求(図9
(2)) 次に、EP運営者は、EPFに対して、EPの生成を要
求する。このとき、EP名、およびEP属性を与える。
ここで、EP属性とは、生成されたEPが、御用聞きモ
デルもしくは問い合せモデルのどちらの目的で使用され
るかを表したものであり、イべントの流れの方向性を表
すものである。
【0038】・イべントプレースの生成(図9(3)) 次に、EP生成要求を受け取ったEPFは、EPを生成
する。具体的には、このとき、EPの管理を司るイべン
トプレースマネージメントオブジェクト(EPMO)が
生成される。すなわち、EPへの処理要求は、EPMO
への処理要求と同義である。EPFは、生成要求元に生
成したEP(すなわち、EPMO)の識別子を返却す
る。なお、EPMOは、図9の(1)において指定され
た、EPを生成可能なホストの中から、動的に決定され
たホストに対して生成される。EPMOの起動先ホスト
の決定方法として、サイクリックに起動先を決定する、
トラヒックに応じて決定する、起動先ホストを明示的に
指定する、等の方法を選択できる。
【0039】・イべントプレースの初期化要求(図9
(4)) 次に、EP運営者は、EPの初期化をEPMOに依頼す
る。このとき、シングルイべントプレースオブジェクト
もしくは、マルチプルイべントプレースオブジェクトの
指定を行う。マルチプルイべントプレースオブジェクト
を指定した場合には、イべントプレースオブジェクト
(EPO)の物理リンク情報(トポロジ)も併せて与え
る必要がある。ここで、EPOの物理リンク情報は、任
意のEPOが他のどのEPOの存在を知っているかを表
現したものである。
【0040】例えば、図10に示すように、EPO2・
32は、EPO1・31、EPO3・33、EPO4・
34の存在を知っているが、EPO3・33はEPO2
・32の存在しか知らないことを表現している。このよ
うに、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合処
理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的としたも
のである。
【0041】EPMOは、図9の(1)において指定さ
れた、EPを生成可能なホストリストの中から、EPO
を生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生成
する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィル
タファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト(S
O)が常に付随して生成され、これらが、SI−SWに
相当する。さらに、物理リンク数に応じて、シェアード
リンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随して生
成される。例えば、EPO2・32に対しては3個のS
LOが生成され(図中のSLO2,1、SLO2,3、SLO
2,4に対応する)、これらが、SI−Rに相当する。E
POの起動先の決定方法は、EPMOのそれと同様であ
るが、イべントタイプ毎に使用するEPOを固定化する
ことも可能である。なお、EPMOは、EP内にイべン
トタイプファクトリ(ETF)を生成する。EP内では
一元的なイベントタイプの名前空間がETFにより保証
される。
【0042】・イべントプレースに対するイべント送信
のためのセッション確立要求(図9(5)) 次に、EPにセッションの確立を要求する。EPMO
は、セッション要求毎にプロキシオブジェクト(PO)
を生成する。要求元へは、POの識別子であるセッショ
ン識別子を返却する。
【0043】なお、EPMOは、POの生成時に、PO
に対して、どのEPOを使用する(どのEPOとバイン
ドする)かを指示する。この指示は、マルチプルEPO
において必要となるが、バインドするEPOの決定方法
は、EPMOのそれと同様である。EPへのセッション
確立要求時に、イべント送信のためのセッションである
か、イべント受信のためのセッションであるかを指定す
る必要がある。本例においては、イべント送信のための
セッションを指定する。
【0044】・イべントタイプの登録(図9(6)) 次に、POに対して、イべントタイプの登録を要求す
る。このとき、POは、ETFにイべントタイプオブジ
ェクト(ETO)の生成を要求する。さらに生成された
ETOにイべントタイプを格納する。一方、EPに、イ
べントタイプ登録を要求することができる。このとき、
EPMOは、ETFにETOの生成を要求し、生成され
たETOにイべントタイプを格納する。一般的に、イべ
ント送信者がイべントタイプを登録する場合は、PO経
由で行う。一方、EP運営者は、EPに、イべントタイ
プ登録を行う。なお、同じ名前のイベントタイプを登録
するとエラーになる。
【0045】・イべントプレースに対するイべント受信
のためのセッション確立要求(図9(7)) 次に、EPに対してイベント受信のためのセッションの
確立を要求する。このとき、セッション確立の要求者
(イべント受信オブジェクト)は、イべントの通知先で
あるイべント受信オブジェクトの識別子、および、イべ
ントの通知方法(発火型、ルックイン型)をパラメータ
として与える。
【0046】続いて、EPMOは、セッション要求毎に
POを生成する。要求元へは、セッション識別子を返却
する。なお、EPMOは、POの生成時に、POに対し
て、使用するEPOを指示する。この指示は、マルチプ
ルEPOにおいて必要となるが、バインドするEPOの
決定方法は、EPMOのそれと同様である。
【0047】・フィルタオブジェクトの生成要求(図9
(8)) 次に、POに対して、フィルタオブジェクト(FO)の
生成を依頼する。このとき、POは、FFにFOの生成
を要求する。このとき、POとバインドされたEPOに
付随したFFが使用される。なお、FOの生成要求元に
は、生成されたFOの識別子がPO経由で返却される。
【0048】・フィルタ値の設定(図9(9)) 次に、FO識別子をパラメータとして、FOへのフィル
タ値の設定を、POへ依頼する。なお、フィルタオブジ
ェクトの中に格納されているイべントタイプ名(すなわ
ち、フィルターリングの対象とするイべントタイプ名)
をキーに、FOのデータ構造(フィルタ値)が正しいか
どうかのチェックをETOに依頼することが選択的に可
能である。正しくない場合は、エラーとなる。但し、ワ
イルドカードが指定された場合には、このチェック処理
を一切行わない。
【0049】・フィルタ登録(図9(10)) 次に、FOにフィルタ値を設定した後、Fのフィルタ識
別子をパラメータとして、POに対しフィルタの登録を
依頼する。このとき、登録要求元にフィルタ識別子が返
却される。これを契機に、イべントの受信が可能にな
る。なお、一つのPOを介して、複数のフィルタ登録が
可能であるが(これには、一つのPOを介して異なる複
数のFOをフィルタとして登録する、もしくは、同一の
FOを複数回、フィルタとして登録する場合が考えられ
るが)、一つのPOに対して登録されたすべてのフィル
タは、“ORの関係”を持つ。
【0050】・イべント送信(図9(A)) 次に、イベント送信者は、POに対して、イべントを送
信する。このとき、POは、イべントの中に格納されて
いるイべントタイプ名をキーに、イべントのデータ構造
が正しいかどうかのチェックをETOに依頼することが
選択的に可能である。このチェック処理を選択したと
き、正しい場合は、次の処理(図9(B))へ、正しく
ない場合は、エラーとなる。
【0051】・イベントの照合依頼(図9(B)) 次に、POはイベントをEPOに転送する。このとき、
EPOがスレッドを生成する。なお、スレッドはイベン
ト毎に生成され、各スレッドはイベントの多重処理を行
う。
【0052】・フィルタとの照合(図9(C)) 次に、スレッド(EPO)は、イベントとフィルタを照
合することにより、フィルターリング処理を行う。これ
には、完全一致、部分一致、重みづけ一致などがあり、
フィルタ値の設定時に指定することができる。
【0053】・プロキシオブジェクトの起動(図9
(D)) 次に、フィルタとの照合の結果、イベントがフィルタを
通過すると、対応するPOが起動されこのイベントを受
け取る。このとき、POは、受信したイベントのタイ
プ、値、イベントID等をSOに登録することが選択的
に可能である。これらの情報から、SOはイベントの発
火率(イベントタイプ毎、イベント毎)や、EP内で流
行している評判の高いイベントを測定することが可能に
なる。
【0054】・イベント受信オブジェクトの起動(図9
(E)) 次に、POは、イベント受信オブジェクトを起動すると
ともに、イベント受信オブジェクトに対してこのイベン
トを渡す。これが、発火型(割り込み型)のイベント通
知に対応する。
【0055】・ルックイン型のイベント通知(図9
(F)) 一方、POがイベント受信オブジェクトを起動するので
はなく、イベント受信オブジェクト自身が、イベント受
信オブジェクトに対応するPOにスプールされているイ
ベントを、取り出すことも可能である。これがルックイ
ン型のイベント通知に対応する。イベント受信オブジェ
クトの起動契機は、サービス形態に依存して種々存在す
るが、典型的な例として、エンドユーザがイベント受信
オブジェクトにコンテンツの提案要求を行った場合が考
えられる。
【0056】<フィルタの管理方法>次に、各EPOに
おけるフィルタの管理方法を説明する。
【0057】まず、イベント受信のためのセッションを
確立する。このとき、セッション要求毎に一つのPOが
生成され、このPOは任意の一つのEPOにバインドさ
れる。このEPOには、それぞれ、一つのFFが付随し
ている。これにより、POが使用するEPOが一意に決
定され、以降の処理はすべて、PO(イベント受信用セ
ッション)を介して行われる。
【0058】次に、FOを生成し、FOに対してフィル
タ値(受信するイベントのタイプとその取得条件)を設
定する。続いて、FO識別子をパラメータとして、フィ
ルタの登録を行う。このとき、各フィルタには、FO識
別子が格納される。各EPOは、POを介して登録され
たフィルタを以下に示す規則に基づいて管理する。
【0059】まず、フィルタに格納されているFO識別
子を用いて、FOに設定されている“受信するイベント
のタイプ”を参照する。続いて、受信するイベントのタ
イプ毎にフィルタを分類し、イベントタイプ毎に分類さ
れたフィルタを、さらにPO毎に細分類し、管理する。
【0060】この管理規則について図11を参照して、
PO1を介して、フィルタを登録する場合について説明
する。ここでは、フィルタ登録時に指定するFOの中
に、受信するイベントのタイプとして、“イベントタイ
プX”が設定されているものとする。このとき、EPO
に登録されるフィルタは、図11のフィルタ1が相当
し、同様に、PO2を介して登録されたフィルタにはフ
ィルタ2が相当する。また、各POにおいて、複数のフ
ィルタを登録することが可能であるが、登録されたフィ
ルタは“OR関係”を有するものとする。
【0061】まず、イベントタイプXのイベントがEP
Oに到着したとき、フィルタ1との照合が行われる。そ
の結果、フィルタ1が発火するとPO1が起動される。
次に、フィルタ2との照合が行われ、その結果、フィル
タ2が発火するとPO2が起動される。このとき、フィ
ルタ2とフィルタ3は“OR関係”を有するため、フィ
ルタ3との照合は行われない。このようなフィルタ管理
方法を用いることにより、一つのイベントに対する各E
POでの照合処理回数を、基本的にPO数(受信用セッ
ション数)以下にすることができる。
【0062】<イベントルーティング方法>次に、イベ
ントルーティング方法について説明する。
【0063】EPO(SI−SW)は、イベントの送受
信者(端末などのエンティティ)をセッションを介して
スター型で収容する。さらに、EPO(SI−SW)
は、イベント受信者(イベント受信オブジェクト)が登
録したフィルタと、イベント送信者が送出したイベント
を照合し、その結果、発火したフィルタに対応するイベ
ント受信者のみにイベントを通知する(合致するイベン
ト受信者にのみイベントを配送する)照合スイッチであ
る。
【0064】そのため、イベントの送信者数(イベント
数)やイベントの受信者数(フィルタ数)が増加する
と、それに比例してEPOの処理能力が飽和する。そこ
で、SIONアーキテクチャでは、スケラビリティの高
いEPを実現する手段として、マルチプルEPOを提供
する。マルチプルEPOとは、EPO数に比して、EP
のトータル処理能力をスケーラブルに向上させることを
目的とし、具体的には、以下の2つの観点からEPの高
いスケラビリティを達成する。
【0065】第一点は、負荷分散と自律分散である。こ
れは、複数のEPOに、イベントの送受信者を分散させ
ることにより、イベントのフィルターリング処理の負荷
分散を行い、処理の集中に伴うボトルネック要因を作ら
ないようにするものである。。さらに、各EPOが他の
EPOの影響を受けることなく、自律的に動作可能な機
構による分散協調を達成する。
【0066】第二点は、ネットワークトラヒックの削減
とフィルターリング処理の最適化である。これは、EP
O間で不要なイベントを転送しないことによる通信量の
最小化と、それに伴う無駄なフィルタリング処理の削減
を行うものである。
【0067】図10において、EPO3・33に対し、
受信するイベントのタイプとして、イベントタイプXの
フィルタが登録される場合を考える。ここで、イベント
タイプXのイベントがEPO4に対して送出されたと
き、EPO2経由でこのイベントをEPO3に転送する
必要がある。このとき、イベントタイプXのフィルタが
登録されていないEPO1に対して、当該イベントが転
送されてはならない。このようなEPO間のイベントの
ルーティング制御を行うものが、シェアードリンクオブ
ジェクト(SLO)であり、前述したSI−Rに相当す
る。
【0068】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0069】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。例えば、図9において、EPO2
に対して3個のSLOが生成される。これらは、図中の
SLO2,1、SLO2,3、SLO2,4に対応する。このS
LOi,jは、EPOjからEPOjへのイベント転送を行
うシェアードリンク(SLi,j)を確立する。すなわ
ち、図9および図12に示すように、SLOi,jは、E
POjに対してイベント受信のセッションを確立し、一
方、EPOiに対してイベント送信のセッションを確立
することにより、イベント転送のための論理リンクであ
るシェアードリンクSLi,jを確立する(シェアードリ
ンクとは、EPの初期化時における、SLOによるセッ
ションの確立を意味し、フィルタ登録処理を含まな
い)。
【0070】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図12において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、“イベントタイプXの
イベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場
合において、PO3は、EPO3ヘイベントタイプXの
フィルタを登録するとともに、その旨をSLO3,j(こ
こでは、SLO3,2)に通知する。SLO3,2はSL3,2
を用いて、EPO2に対してイベントタイプXのフィル
タを登録する。これは、前述したように、SLO3,2に
対して割り当てられた受信用セッションのPOを介して
行われる。同様に、このPOは、その旨を、SLO2,3
を除くその他のSLO2,jに対して通知する。SLO2,j
(j≠3)は、SL2,jを用いて、EPOヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。
【0071】このように、イベントタイプXに対して確
立された一連のパスを、イベントパスと呼ぶ。これは、
PO3を介したフィルタ登録がトリガとなって、すべて
のEPOへ、イベントタイプ毎のイベントパス設定要求
が順次、自律的に波及していくものである。すなわち、
個々のEPOは隣接するEPOのみを認識すれば良い。
そのため、イベントパスの集中管理やブロードキャスト
によるイベントパスの設定・管理方法に比べて、簡単か
つ一元的な自律ロジックでイベントパスを確立すること
が可能になる。
【0072】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図13に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。また、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0073】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0074】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
2,1が起動される。SLO2,1が、このイベントをEPO
2へ送出することにより、SLO3,2が起動される。さ
らに、SLO3,2を介して、当該イベントがEPO3へ
も転送されることになる。また、SL2,3とSL3,2間で
のイベントの無限転送を防止するために、イベントは、
制御情報の一つとして、通過したEPOの識別子を、最
新順に最大2つ保持する。
【0075】なお、前述したように、フィルタ1とフィ
ルタ2は、OR関係を有するため、フィルタ1が発火し
た場合にはフィルタ2との照合は行われない。そのた
め、フィルタ1が存在するにも関わらず、新たにフィル
タ2を登録したことに伴う、フィルターリング処理の冗
長オーバヘッドを全く生じないようにすることができ
る。これは、イベントパスを設定したときに、既設のイ
ベントパスを含めた全イベントパスの再構築を全く必要
としないことを意味し、簡単かつ一元的なイベントパス
の自律的な設定が可能になる。
【0076】また、EPO1内に、イベント受信者が確
立したセッションおよびそれを介したフィルタ登録があ
る場合には(POnのフィルタ3に対応)、SLO対応
のフィルタリング処理がすべて完了した後に、POn対
応のフィルターリング処理が行われる。すなわち、他の
EPOへのイベント転送処理を優先して行い、その後、
自EPOでの照合処理が開始される。
【0077】以上説明した、イベントルーチング方法の
更なる効果として、フィルタ登録解除時に、イベントパ
スの再構築が必要ない点が挙げられる。例えば、イベン
ト受信者3がPO3を介して、登録したフィルタの登録
解除を行った場合、登録の場合と同様に、解除要求が順
次、自律的に波及する。その結果、EPO1において、
フィルタ1の登録のみが解除されることになるが、フィ
ルタ2は存命する(これ以降は、フィルタ2がフィルタ
1の代わりにイベントを転送する)ため、イベントパス
の再構築なしに、すべての既設イベントパスの一貫性が
保証される。
【0078】このような自律分散型のルーティング制御
方法を用いることによって、EPOの相互接続と分散協
調を容易に実現することが可能になる。これに伴い、小
規模なネットワークから大規模なネットワークヘの移
行、ローカルなネットワークからグローバルなネットワ
ークヘの移行等をスムーズに行うことができる。また、
ボトムアップアプローチによるグローバルネットワーク
化を、共通のロジックで容易に達成することができる。
【0079】図14ないし図17はリング型結合を持つ
物理リンクにおけるSI−Rについて説明するために図
である。
【0080】例えば、図15に示すように、リング型結
合を持つ物理リンクにおいて、EPO2は、EPO1、
EPO3の存在を知っていることを表現している。この
ように、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合
処理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的とした
ものである。
【0081】EPMOは、図14の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンクに応じて、シェアー
ドリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随して
一つ生成される。たとえば、EPO2に対しては、図中
のSLO2,3が生成される。これが、SI−Rに相当
する。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと
同様であるが、イベントタイプ毎に使用するEPOを固
定化することも可能である。なお、EPMOは、EP内
にイベントタイプファクトリ(ETF)を生成する。E
P内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFに
より保証される。
【0082】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0083】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。たとえば、図14において、EP
O2に対してSLO2,3が生成される。このSLOi,j
は、EPOjからEPOiへのイベント転送を行うシェア
ードリンク(SLi,j)を確立する。すなわち、図14
および図16に示すように、SLOi,jは、EPOjに対
してイベント受信のセッションを確立し、一方、EPO
iに対してイベント送信のセッションを確立することに
より、イベント転送のための論理リンクであるシェアー
ドリンクSLi,jを確立する(シェアードリンクとは、
EPの初期化時における、SLOによるセッションの確
立を意味し、フィルタ登録処理を含まない)。これによ
って、片方向のリング状のシェアードリンクSLi,jが
確立される。
【0084】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図16において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、イベントタイプXのイ
ベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場合
を考える。このとき、PO3は、EPO3ヘイベントタ
イプXのフィルタを登録するとともに、その旨をSLO
3,1に通知する。このとき、SLO3,1には、フィルタ登
録の要求発生元がEPO3である旨がパラメータとして
与えられる。SLO3,1はSL3,1を用いて、EPO1に
対してイベントタイプXのフィルタを登録する。これ
は、前述したように、SLO3,1に対して割り当てられ
た受信用セッションのPOを介して行われる。同様に、
このPOは、その旨を、SLO1,2に対して通知する。
SLO1,2は、SL1,2を用いて、EPO2ヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。なお、こ
の処理は、フィルタ登録の要求発生元(ここでは、EP
O3)の直前まで繰り返される。すなわち、SLO2,3
は、EPO3にフィルタを登録しない。
【0085】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図17に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。なお、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0086】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0087】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
3,1が起動される。SLO3,1が、当該イベントをEPO
3へ送出することにより、SLO2,3が起動される。さ
らに、SLO2,3を介して、当該イベントがEPO2へ
も転送されることになる。なお、イベントの無限巡回を
防止するために、イベントは、制御情報の一つとして、
イベントが生起したEPOの識別子を保持し、イベント
の生起元EPO(SLO)に当該イベントが巡回して戻
って来たときに、当該イベントを破棄する。
【0088】次に、前述したイベントルーティング方法
とは異なるイベントルーティング方法を説明する。この
ルーティング方法は、シェアードリンク(論理リンク)
を確立するまでの手順は、前述した方法と同様である。
このイベントルーティング方法が前述した方法と異なる
のは、イベントパスを確立しない点であり、SLOi,j
がシェアードリンクSLi,jを確立する時に同時に、唯
一のフィルタを登録するようにするものである。このと
き、登録されるフィルタには、受信するイベントのタイ
プとしてワイルドカードを指定する。これによって、す
べてのイベントを転送の対象とし、イベントタイプ毎の
イベントパスを確立しないようにする。
【0089】このように意味情報にワイルドカードを指
定することによって、リング状のシェアードリンクSL
i,j内をイベントが巡回するため、全てのEPOに対し
てイベントを配送することが可能となる。
【0090】<フェデレーション方法>次に、図18を
参照してフェデレーション方法について説明する。フェ
デレーションエージェント(FA)とは、イベントプレ
ース間のフェデレーションを確立するエージェントであ
り、前述したSI−GWに相当する。例えば、イベント
プレース(Event Place)Aがイベントプレース(Event
Place)Bに対してフェデレーションを確立する場合を
考える。まず、イベントプレースAに属するFAが、イ
ベントプレースBに対して、フィルタを登録する。この
とき、イベントプレースBに属するイベント送信者がイ
ベントを送出し、その結果、このフィルタが発火する
と、FAが自律起動する。これは、FAをイベントプレ
ースBに属する一つのイベント受信者として見なすこと
ができる。次に、FAは取得したイベントを、自身が属
するイベントプレースAに対して再送出する。これは、
FAを、イベントプレースAに属する一つのイベント送
信者として見なすことができる。
【0091】このように両者の役割を併せ持つFAを用
いて、イベントプレース間のフェデレーションを容易に
実現できる。すなわち、単一イべントプレースと同じ制
御論理で、イベントプレース間のフェデレーションを実
現することが可能である。この機構を用いて、SION
1の基本構成単位であるイベントプレースを相互接続す
ることにより、グローバルな照合ネットワークをボトム
アップアプローチで構築することが可能となり、イベン
トプレース間に跨るイベントの共有を実現することがで
きる。なお、イベントプレースAとイベントプレースB
がそれぞれ異なるオントロジーを持つ場合、イベントプ
レースAに属するFAは、イベントプレースBから取得
したイベントを、イベントプレースAのオントロジーに
変換した後、イベントプレースAに送出する。
【0092】異なるオントロジー体系に跨ってイベント
転送を行う場合には、オントロジー変換が必要になる。
この変換を行う従来技術として、標準オントロジーを規
定し、他のイベントプレースにイベントを転送する場合
には、一旦、標準オントロジーに準拠した形式に変換し
た後に、イベントの転送を行う方法や、イベントプレー
スの組み合わせの数だけオントロジー変換テーブルを事
前に用意しておくなどの方法がある。
【0093】しかしながら、イベントプレースの動的な
フェデレーション(フェデレーションの動的な開始、開
始解除)に対応するためには、従来の方法は柔軟性に欠
ける。そこで、本発明では、図18に示すように、FA
が隣接するイベントプレースのオントロジー情報との差
分(変換情報)のみを、オントロジー変換テーブルに保
持するようにしている。すなわち、これは、各FAが変
換情報をそれぞれ分散して保有し、全体でオントロジー
体系の一貫性を保証する方法である。これは、イベント
プレース間の動的なフェデレーションに容易に対応する
ことが可能になるが、その反面、イベントがイベントプ
レースを跨る毎に、オントロジー変換処理が発生するた
め、従来方法に比べて、変換処理オーバヘッドが増大す
るという特徴を有している。
【0094】<コミュニティと進化型ネットワーク>次
に、SION1のキラーサービスの一つであるコミュニ
ティサービスについて説明する。コミュニティサービス
におけるエンティティは、自身のポリシに基づいて、学
習・進化・退化・消滅等を繰り返すことにより、その活
動様式を動的に決定することが可能な自律分散型の動作
主体である。コミュニティは、このようなエンティティ
に対して効率的なコミュニケーションの場を提供するも
のである。すなわち、コミュニティ内のエンティティ
は、自身とコミュニケートすべきエンティティや、自身
の振る舞いに影響を与えるエンティティを動的に探索・
発見・特定し、特定されたエンティティとインタラクシ
ョンを行うことが可能である。
【0095】このコミュニティは、特に以下の特徴を持
つエンティティを取り扱うことができる。
【0096】(1)極小粒度で、膨大な数のエンティテ
ィがコミュニティに存在する(不特定多数のエンティテ
ィ)。
【0097】(2)エンティティの属性がリアルタイム
に変化する。典型的なエンティティの属性として、位置
情報、時刻等がある。
【0098】(3)コミュニティ内のエンティティの振
る舞いに規則性がなく、行動予測が困難である。
【0099】(4)コミュニティヘの参加、コミュニテ
ィからの退去、消滅、複製等が頻繁かつ不規則に発生す
る。
【0100】(5)コミュニティ内のエンティティは、
ポリシ、属性、シナリオ等に基づいて相互にリアルタイ
ムに出会う必要がある。
【0101】このような特性を持つエンティティをサー
バやメディエータ(ブローカ)で管理し、相互にリアル
タイムに探索・発見することは性能上、容易でない。S
ION1のEPは、このような特徴を持つコミュニティ
の実行環境として位置づけられる。すなわち、コミュニ
ティはEPのメタ実行環境であり、EPを直接用いるこ
とに比して、抽象度の高いコミュニケーションの場を提
供するものである。コミュニティの実行環境にEPを用
いることにより、コミュニティ内のすべてのエンティテ
ィは、ブローカを介することなく、コミュニケーション
すべきエンティティを直接発見することができる。これ
は、コミュニティ内のエンティティのコミュニケーショ
ンは、EP内のイベントの送受信として実装されるため
である。
【0102】図19にコミュニティの概念モデルを示
す。ユーザエージェント(UA)、情報・サービス提供
エージェント(ISA)がコミュニティ内のエンティテ
ィに相当する。UAはユーザの代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、ユーザの嗜好、動作環境、
位置情報、状況、傾向などに応じて、自身の振る舞いを
動的に決定し、インタラクションすべきISAや他のU
Aを探索し、それらとインタラクションする。ISAは
情報提供者やサービス提供者の代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、提供者の意図に基づいて、
インタラクションすべきUAや他のISAを探索する。
すなわち、自身の情報を提供するのに相応しいユーザを
探索して特定する。
【0103】一方、コミュニティエージェント(Com
A)は、コミュニティの運営を司るエージェントであ
る。EP運営者は、運営ポリシに基づいて、SION−
MTを介したSIONの制御・運営を行う。従って、C
omAは、EP運営者をエージェント化したものと見な
すことができる。基本的に、コミュニティの運営ポリシ
はComAによって規定される。例えば、UA、ISA
などのエンティティに対するコミュニティヘの参加、退
去、消滅、複製などの認可、コミュニティ内に流通させ
る情報の把握と統制(相応しくないイベントの削除な
ど)、コミュニティ内の統計情報(トレンド情報、評判
の高い情報など)の管理などを自身の運営ポリシに基づ
いて司る。
【0104】また、コミュニティの高いスケーラビリテ
ィやリライアビリティの保証を達成するため、負荷状況
や障害状況に応じて、EPおよびEPOの増減設、撤
収、マイグレーション等のSION制御を実行する。す
なわち、SION1とComAを組み合わせることによ
り、SION1は自律分散型ネットワークから、学習、
成長、進化が可能な進化型ネットワークヘと発展する。
このように、ComAはコミュニティ内のエンティティ
の振る舞いを統制するとともに、SION1を自己組織
化するための役割を担う。さらに、コミュニティ間のコ
ラボレーションにより、コミュニティ間での情報の共有
が可能である。例えば、コミュニティAにおいて流通し
ている情報の中で、人気が高いトップ10のみを、コミ
ュニティBに流通させることができる。以下に処理の流
れを示す。
【0105】まず、コミュニティBのComAが、イベ
ントプレースBのFAに対して、“コミュニティAにお
いて流通している情報の中で、人気が高いトップ10の
みを、コミュニティBに流通させる”旨を指示する。
【0106】次にFAは、イベントプレースAに対し
て、トップ10のイベントタイプを問い合わせる。これ
を受けて、イベントプレースAは、配下の統計情報収集
オブジェクト(SO)に問い合わせ、その結果を、FA
に返却する。
【0107】次に、FAは取得したイベントタイプを基
に、オントロジー変換テーブルを作成するとともに、イ
ベントプレースAに対しフィルタを設定する。以降、F
Aは、イベントプレースAから、当該イベントを受信可
能になる。
【0108】次にFAは、イベントプレースAから取得
したイベントを、オントロジー変換テーブルに基づいて
オントロジー変換し、それをイベントプレースBへと送
出する。
【0109】以上説明したような形態によれば、以下の
2点の効果を得ることができる。
【0110】第1に、分散オブジェクト環境上にSIO
Nのネットワーク環境を容易に構築できる。
【0111】第2に、サービスアプリケーションをエン
ティティとしてコミュニティに参加させることにより、
簡単にイベントを送出したり、必要なイベントをピック
アップすることが可能になり、相互にコミュニケション
を図ることが可能になる。
【0112】以上説明したように、SIONでは、以下
の効果を得ることができる。
【0113】FAを介したイベントプレース間のフェデ
レーション機構により、他のイベントプレースのみで流
通していたイベントを、自イベントプレース内に取り込
むことができる。逆に、他のイベントプレースにイベン
トを送出することにより、自イベントプレース内で流通
しているイベントをアドバタイズできる。このように、
異なるイベントプレース間で、イベントの共有が可能に
なるとともに、オントロジーを考慮したイベントプレー
ス間の相互運用により、ボトムアップアプローチによる
グローバルな自律分散型の照合ネットワークを構築する
ことが可能になる。
【0114】マルチプルEPOの機構により、フィルタ
リング処理を複数のEPOに負荷分散させることが可能
になるとともに、自律的に動作するEPO間のイベント
ルーチング機構により、ネットワークトラヒックを最小
限に抑えることが可能になる。これにより、結果的にE
Pのトータルスループットをスケーラブルに向上させる
ことが可能となる。
【0115】ブローカを介することなく、自身に相応し
いエンティティを直接探索・発見することが可能とな
る。例えば、情報提供者は、ユーザの存在を知ることな
く、自身が提供する情報に相応しいユーザを特定するこ
とができる。同様に、ユーザは情報提供者の存在を知る
ことなく、自身の嗜好に相応しい情報提供者を探索・発
見することができる。すなわち、ユーザと情報提供者は
互いに等価的である。これにより、特定のブローカに頼
ることなく、自身のポリシに従って、リアルタイムに情
報を発信することが可能になる。また、探索対象となる
エンティティの数が膨大な場合やエンティティが探索対
象ドメインに頻繁に出入りする場合において、非ブロー
カモデルに基づく探索技術が特に有効となる。
【0116】SIONにおいては、意味情報の終端点が
ネットワークとなる。一方、端末間でpeer-to-peer接続
を行う方法においては、意味情報の終端点が端末になる
ため、端末の中身を外部に公開することになる。従っ
て、SIONは後者の方法と比べて、高いセキュリティ
とプライバシ保護を実現することが可能である。
【0117】次に、上記のような内容を備える意味情報
ネットワークシステムを用いた本発明の実施形態につい
て説明する。
【0118】図20は、本発明の一実施形態の案内情報
提供方法により提供される案内情報提供サービスを説明
するためのシステム図である。この案内情報提供サービ
スは、案内情報発信者により発信された案内情報を、案
内情報発信者の周辺に位置する案内情報受信者に対して
届けることにより実現される。また、案内情報発信者か
らのイベントを意味情報ネットワークを介して受信する
という、案内情報受信者により行われる処理のみによ
り、案内情報発信者により発信された案内情報のうちか
ら一定の条件に合致する案内情報のみを受信するという
本実施形態の案内情報受信方法が構成される。また、本
実施形態では、図20における意味情報ネットワーク1
0を、上述したイベントプレースを用いて実現している
が、意味情報ネットワーク10の実現方法はこの限りで
はない。
【0119】本実施形態の案内情報提供システムでは、
案内情報発信者1〜3の端末31〜33と、案内情報受
信者の携帯端末40とが意味情報ネットワーク10を介
して接続されている。
【0120】案内情報発信者の端末31〜33は、案内
情報を含む発信情報をイベントとして意味情報ネットワ
ーク10に送信する送信端末として機能する。また、案
内情報受信者の携帯端末40はイベントとして送信され
た発信情報を選択的に受信するために、イベントのタイ
プと取得条件とからなるフィルタが設定される受信端末
として機能する。
【0121】各案内情報発信者1〜3、案内情報受信者
はそれぞれ使用するPC等の端末31〜33、携帯端末
40に、CORBA準拠のORB等のミドルウェアと、
上述したイベントプレースファクトリ生成機構をインス
トールして自身の端末においてイベントプレースを生成
するか、あるいは、他のネットワークノード上にあるイ
ベントプレースへアクセスしてセッションを確立し、意
味情報ネットワーク10に接続されていることを前提と
する。
【0122】また、意味情報ネットワーク10には、一
例として、図21のようなイベントタイプが登録されて
いるとする。この登録されているイベントタイプは、イ
ベントタイプ名として「位置依存情報案内」が定義さ
れ、イベントプロパティ名として「緯度」、「経度」、
「地名」、「下限年齢」、「上限年齢」、「性別」が定
義されている。また、これらのイベントプロパティに
は、イベントプロパティ値として「float型」、「float
型」、「string型」、「short型」、「short型」、「st
ring型」がそれぞれ定義されている。
【0123】ここで、「緯度」、「経度」とは、案内情
報発信者の位置を示す緯度と経度で示すプロパティであ
り、「地名」とは、案内情報発信者の位置している地名
を示すプロパティである。また、「下限年齢」、「上限
年齢」、「性別」とは、案内情報発信者が案内情報を発
信したい案内情報受信者を限定するための条件を設定す
るためのプロパティである。
【0124】次に、本実施形態の案内情報提供方法につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図20中の括弧内
の番号は、伝送される情報について、生起順に付されて
おり、以下、この番号順に本実施形態の動作について説
明する。
【0125】(1)先ず、案内情報の受信を希望する案
内情報受信者が携帯端末40の案内情報受信アプリケー
ションを起動すると、携帯端末40に設けられているG
PS(Global Positioning Sys
tem)受信機等の位置情報取得手段は、携帯端末40
の現在の位置を位置情報として取得する。ここでは、位
置情報として、携帯端末40の現在位置を、緯度、経度
により取得するものとする。そして、位置情報取得手段
は、この位置情報を一定時間間隔で継続的に取得する。
【0126】(2)そして、次に、案内情報アプリケー
ションは、携帯端末40の画面上において、図22に示
すような、案内情報受信者に対して、年齢、性別等の案
内情報受信者に関する個人情報および案内情報受信者が
移動する際に使用している移動手段の情報の入力を促
す。
【0127】案内情報アプリケーションは、入力した個
人情報と位置取得手段により取得された位置情報に移動
手段の種類に応じて一定の幅を持たせた情報を、図23
に示すように、フィルタの取得条件として設定する。
尚、図20では、設定されるフィルタを概念的に黒丸に
て示す。
【0128】例えば、GPS受信機により得られた位置
情報が、北緯40.295度、東経135.755度で
移動手段が“歩行”の場合、40.29〜40.30度
の範囲の緯度、および135.75〜135.76度の
範囲の経度をフィルタ値として設定する。
【0129】また、例えば、GPS受信機により得られ
た位置情報が、北緯40.295度、東経135.75
5度で移動手段が“自動車”の場合、移動手段が“歩
行”の場合よりも広い範囲を設定すべく、例えば40.
28〜40.40度の範囲の緯度、および135.74
〜135.77度の範囲の経度をフィルタ値として設定
する。
【0130】さらに、案内情報受信アプリケーション
は、得られた位置情報とデジタル地図を照合し、位置情
報を都道府県、市町村等の地名情報に変更してフィルタ
の「地名」として設定する。図22では、“北緯40.
295度、東経135.755度”という位置情報が、
“東京都武蔵野市中町*”という地名情報に変換された
場合を例として用いている。
【0131】そして、携帯端末40の案内情報受信アプ
リケーションは、一旦設定したフィルタを、位置情報取
得手段により得られた位置情報を用いて予め設定された
一定期間毎に更新する。
【0132】(3)案内情報の発信を行おうとする案内
情報発信者1〜3は、図24に示すように、案内情報を
発信したい案内情報受信者の対象年齢、対象性別、案内
情報、発信元等の情報を等の情報を端末31〜33の案
内情報発信者用アプリケーション等を用いて入力し、当
該案内情報、個人情報、案内情報発信者の位置を示す位
置情報をイベントとして意味情報ネットワーク10に対
して送信する。このときの案内情報受信アプリケーショ
ン画面の一例と、意味情報ネットワーク10に送信され
るイベントの一例を、それぞれ図24と図25に示す。
【0133】図24では、案内情報発信者1が、端末3
1の案内情報発信アプリケーションにより、「アップル
パイがただいま焼きあがったところです。」という案内
情報を10歳〜50歳、男女いずれでも可という条件に
該当する案内情報受信者に発信しようとする場合の例を
示したものである。
【0134】また、イベントには、フィルタにおいて比
較の対象とならない情報を格納する部分が設けられてい
て、発信元の情報等を含めることができるようになって
いる。
【0135】(4)フィルタとして設定された条件と、
イベントとして送信された発信情報に含まれている位置
情報、個人情報の照合が合致し、意味情報ネットワーク
10からの案内情報を受信した携帯端末40の案内情報
受信アプリケーションは、図26に示すように、当該案
内情報を案内情報受信者の携帯端末40上に表示する。
【0136】図20では、端末31、32から送信され
たイベントの条件は、案内情報受信者により設定された
フィルタの条件とは合致せず、端末31、32からのイ
ベントのみが案内情報受信者の携帯端末40により受信
された場合を示している。
【0137】本実施形態の案内情報提供システムを用い
た具体的なサービス例を図27に示す。図27では、案
内情報者が徒歩により移動する経路を点線により示して
いる。
【0138】案内情報受信者が、携帯端末40の案内情
報受信アプリケーションを起動してフィルタの設定を行
った後に、徒歩により図27に示される経路を移動した
場合、先ず、ベーカリーに接近しベーカリーの案内情報
を含むイベントの条件と、案内情報受信者の携帯端末4
0により設定されているフィルタの条件が合致する。す
ると、携帯端末40には、ベーカリーの案内情報である
「アップルパイが焼きあがったところです。」という案
内情報が表示される。次に、案内情報受信者が移動し、
案内情報受信者が映画館に接近することにより映画館の
案内情報を含むイベントの条件と案内情報受信者の携帯
端末40により設定されているフィルタの条件が合致す
ると、携帯端末40には、映画館の案内情報である「あ
と5分で“ミッションインビジブル”の上映を開始しま
す。」という案内情報が表示される。そして、図27に
は示されていないが、さらに案内情報受信者が移動し、
案内情報受信者が薬局に接近すると薬局の案内情報を含
むイベントの条件と案内情報受信者の携帯端末40によ
り設定されているフィルタの条件が合致し、携帯端末4
0には、薬局の案内情報が表示されることとなる。
【0139】上記のようにして行われる本実施形態の案
内情報提供システムによれば、案内情報受信者は、携帯
端末40に設けられた位置情報取得手段により取得され
た位置情報をフィルタとして設定し、案内情報発信者は
自己の位置情報を含む案内情報をイベントとして意味情
報ネットワーク10に送信するようにしているので、案
内情報受信者者は、案内情報受信者の現在の位置から一
定の範囲内に位置する案内情報発信者からの案内情報を
受信することが可能となる。
【0140】尚、本実施形態では、案内情報受信者が徒
歩により移動している者である場合を用いて説明した
が、本発明は、案内情報受信者は徒歩により移動する者
に限定されるものではなく、自転車、自動車、列車等の
他の移動手段により移動している場合にも同様に適用す
ることができるものである。
【0141】このような場合には、案内情報受信アプリ
ケーションは、携帯端末40により入力された移動手段
の種類に基づいてフィルタの取得条件として設定する位
置情報の幅を変更するため、移動速度が速い移動手段に
より移動している場合には広い範囲の案内情報が受信さ
れるようにすることにより移動速度に応じた適切な案内
情報を意味情報ネットワーク10から受信することが可
能となる。
【0142】また、本実施形態では、案内情報受信者の
携帯端末40により案内情報受信者に関する個人情報を
入力し、入力した個人情報を位置情報取得手段により取
得された位置情報とともにフィルタの取得条件として設
定していたが、案内情報を発信する案内情報受信者を限
定する必要が無い場合には、フィルタの取得条件として
案内情報受信者の個人情報を設定し、案内情報発信者が
案内情報を発信したい案内情報受信者を限定するための
個人情報をイベントとして意味情報ネットワーク10に
送信する処理を省くことが可能となる。
【0143】また、イベントプロパティは図21に示さ
れるものに限定されるものではなく、例えば、案内情報
受信者をさらに限定するためのイベントプロパティとし
て、「趣味」、「移動手段」等の他の項目を定義するよ
うにしてもよい。
【0144】例えば、「趣味」という項目をイベントプ
ロパティとして定義した場合には、案内情報発信者は、
ある特定の趣味を有する案内情報受信者のみに案内情報
を発信することができるようになる。具体的には、例え
ば、スキー用具を販売している販売者は「趣味」のイベ
ントプロパティに「スキー」を設定している案内情報受
信者のみにスキー用具に関する案内情報を発信すること
が可能となる。
【0145】また、「移動手段」という項目をイベント
プロパティとして提示した場合には、案内情報発信者
は、その移動手段に応じた案内情報を提供することがで
きるようになる。具体的には、例えば、駐車場の運営者
は、移動手段として「自動車」を設定している案内情報
受信者に対してのみ駐車場に関する案内情報を発信する
ことが可能となる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
案内情報受信者の位置している周辺の案内情報発信者に
より発信されている案内情報のみを選択して案内情報受
信者に提供することが、仲介者を必要とすることなく可
能となるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】イベントの構成を示す説明図である。
【図3】意味情報ネットワークのモデルを示す図であ
る。
【図4】意味情報の定義を示す説明図である。
【図5】イベントタイプの定義例を示す説明図である。
【図6】イベントの一例を示す説明図である。
【図7】フィルタの定義例を示す説明図である。
【図8】意味情報ネットワークの構成を示す図である。
【図9】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制御
インタフェースを示す説明図である。
【図10】物理リンクを示す説明図である。
【図11】フィルタの管理方法を示す説明図である。
【図12】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図13】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図14】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図15】物理リンクを示す説明図である。
【図16】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図17】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図18】フェデレーション方法を示す説明図である。
【図19】コミュニティモデル示す説明図である。
【図20】本発明の一実施形態の案内情報提供システム
を示す図である。
【図21】図20に示される意味情報ネットワーク10
に登録されているイベントタイプを示す図である。
【図22】案内情報受信者が、位置情報をフィルタに設
定する際に、携帯端末40に表示される案内情報受信ア
プリケーションの画面の一例を示す図である。
【図23】案内情報受信者が、案内情報発信者からの案
内情報を受信するために意味情報ネットワークに設定す
るフィルタ条件の一例を示す図である。
【図24】案内情報発信者が、案内情報を発信しようと
する際に、携帯端末40に表示される案内情報送信アプ
リケーションの画面の一例を示す図である。
【図25】案内情報発信アプリケーションプログラムに
より生成されるイベントの一例を示す図である。
【図26】意味情報ネットワーク10からの案内情報を
受信した携帯端末40の案内情報受信アプリケーション
が、案内情報受信者の携帯端末40上に表示する案内情
報の一例を示す図である。
【図27】本実施形態の案内情報提供システムを用いた
具体的なサービス例を示す図である。
【符号の説明】
1 意味情報ネットワーク(SION) 2 端末 10 意味情報ネットワーク 21 送信端末 22 受信端末 31〜33 案内情報発信者の端末 40 案内情報受信者の端末 SI−SW 意味情報スイッチ SI−R 意味情報ルータ SI−GW 意味情報ゲートウェイ EPO イベントプレースオブジェクト SLO シェアードリンクオブジェクト FA フェデレーションエージェン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/60 326 G06F 17/60 326 506 506 H04B 7/26 H04B 7/26 M H04Q 7/34 106A (72)発明者 酒井 隆道 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小柳 恵一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5B075 KK07 ND20 NK37 PR08 5K067 BB04 BB21 DD20 FF02 FF03 FF23 GG01 GG11 HH05 JJ52 JJ56 JJ65

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内情
    報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた案
    内情報提供方法であって、 前記案内情報受信者の携帯端末に設けられている位置情
    報取得手段により、当該案内情報受信者の携帯端末の位
    置情報を取得するステップと、 前記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定
    の幅を持たせた情報とを前記フィルタの取得条件としと
    設定するステップと、 前記案内情報発信者の端末から、前記案内情報受信者に
    発信したい案内情報、および、前記案内情報発信者の位
    置情報からなる発信情報をイベントとして前記意味情報
    ネットワークに送信するステップと、 前記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定
    の幅を持たせた情報とがフィルタの取得条件として設定
    されている前記案内情報受信者の携帯端末が、イベント
    として送信された前記発信情報を前記意味情報ネットワ
    ークから受信し、該発信情報に含まれている案内情報の
    表示を行うステップとを有する、意味情報ネットワーク
    を用いた案内情報提供方法。
  2. 【請求項2】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内情
    報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた案
    内情報提供方法であって、 前記案内情報発信者の端末から、前記案内情報受信者に
    発信したい案内情報、および、前記案内情報発信者の位
    置情報からなる発信情報をイベントとして前記意味情報
    ネットワークに送信するステップを有する、意味情報ネ
    ットワークを用いた案内情報提供方法。
  3. 【請求項3】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報のうちから一定の条件に合致する案内情
    報のみを受信する、意味情報ネットワークを用いた案内
    情報受信方法であって、 前記案内情報受信者の携帯端末に設けられている位置情
    報取得手段により、当該案内情報受信者の携帯端末の位
    置情報を取得するステップと、 前記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定
    の幅を持たせた情報とを前記フィルタの取得条件としと
    設定するステップと、 前記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定
    の幅を持たせた情報とがフィルタの取得条件として設定
    されている前記案内情報受信者の携帯端末が、イベント
    として送信された発信情報を前記意味情報ネットワーク
    から受信し、該発信情報に含まれている案内情報の表示
    を行うステップとを有する、意味情報ネットワークを用
    いた案内情報受信方法。
  4. 【請求項4】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内情
    報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた案
    内情報提供方法であって、 前記案内情報受信者の携帯端末に設けられている位置情
    報取得手段により、当該案内情報受信者の携帯端末の位
    置情報を取得するステップと、 前記案内情報受信者に関する個人情報を前記案内情報受
    信者の携帯端末により入力し、入力した該個人情報と前
    記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定の
    幅を持たせた情報とを前記フィルタの取得条件としと設
    定するステップと、 前記案内情報発信者の端末から、前記案内情報受信者に
    発信したい案内情報、該案内情報を発信したい案内情報
    受信者を限定するための個人情報、および、前記案内情
    報発信者の位置情報からなる発信情報をイベントとして
    前記意味情報ネットワークに送信するステップと、 案内情報受信者に関する個人情報および前記位置情報取
    得手段により取得された位置情報に一定の幅を持たせた
    情報とがフィルタの取得条件として設定されている前記
    案内情報受信者の携帯端末が、イベントとして送信され
    た前記発信情報を前記意味情報ネットワークから受信
    し、該発信情報に含まれている案内情報の表示を行うス
    テップとを有する、意味情報ネットワークを用いた案内
    情報提供方法。
  5. 【請求項5】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内情
    報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた案
    内情報提供方法であって、 前記案内情報発信者の端末から、前記案内情報受信者に
    発信したい案内情報、該案内情報を発信したい案内情報
    受信者を限定するための個人情報、および、前記案内情
    報発信者の位置情報からなる発信情報をイベントとして
    前記意味情報ネットワークに送信するステップを有す
    る、意味情報ネットワークを用いた案内情報提供方法。
  6. 【請求項6】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報のうちから一定の条件に合致する案内情
    報のみを受信する、意味情報ネットワークを用いた案内
    情報受信方法であって、 前記案内情報受信者の携帯端末に設けられている位置情
    報取得手段により、当該案内情報受信者の携帯端末の位
    置情報を取得するステップと、 前記案内情報受信者に関する個人情報を前記案内情報受
    信者の携帯端末により入力し、入力した該個人情報と前
    記位置情報取得手段により取得された位置情報に一定の
    幅を持たせた情報とを前記フィルタの取得条件としと設
    定するステップと、 案内情報受信者に関する個人情報および前記位置情報取
    得手段により取得された位置情報に一定の幅を持たせた
    情報とがフィルタの取得条件として設定されている前記
    案内情報受信者の携帯端末が、イベントとして送信され
    た発信情報を前記意味情報ネットワークから受信し、該
    発信情報に含まれている案内情報の表示を行うステップ
    とを有する、意味情報ネットワークを用いた案内情報提
    供方法。
  7. 【請求項7】 前記案内情報受信者の携帯端末により、
    案内情報受信者が移動する際に使用している移動手段の
    情報を入力し、前記位置情報取得手段により取得された
    位置情報に前記移動手段の種類に基づいて一定の幅を持
    たせた情報を前記フィルタの取得条件としと設定するス
    テップをさらに有する請求項1または4記載の意味情報
    ネットワークを用いた案内情報提供方法。
  8. 【請求項8】 前記位置情報取得手段がGPS受信機で
    ある請求項1、4または7のいずれか1項記載の意味情
    報ネットワークを用いた案内情報提供方法。
  9. 【請求項9】 データをイベントとして送信する送信端
    末と、イベントとして送信された前記データを選択的に
    受信するために、イベントのタイプと取得条件とからな
    るフィルタが設定される受信端末とから構成される意味
    情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発信
    された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内情
    報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた案
    内情報提供システムであって、 現在の位置を位置情報として取得する位置情報取得手段
    を有し、前記位置情報取得手段により取得された位置情
    報に一定の幅を持たせた情報を前記フィルタの取得条件
    としと設定し、イベントとして送信された発信情報を前
    記意味情報ネットワークから受信すると、該発信情報に
    含まれている案内情報の表示を行う案内情報受信者の携
    帯端末と、 案内情報受信者に発信したい案内情報、および、案内情
    報発信者の位置情報からなる発信情報をイベントとして
    前記意味情報ネットワークに送信する案内情報発信者の
    端末とから構成される、意味情報ネットワークを用いた
    案内情報提供システム。
  10. 【請求項10】 データをイベントとして送信し、イベ
    ントとして送信された前記データを選択的に受信するた
    めに、イベントのタイプと取得条件とからなるフィルタ
    が設定されている複数の端末とから構成される意味情報
    ネットワークに対して、データをイベントとして送信す
    る送信端末であって、 案内情報受信者に発信したい案内情報、および、案内情
    報発信者の位置情報からなる発信情報を前記イベントと
    して前記意味情報ネットワークに送信する送信端末。
  11. 【請求項11】 送信端末からイベントとして送信され
    たデータを、意味情報ネットワークを介して選択的に受
    信するためにイベントのタイプと取得条件とからなるフ
    ィルタが設定されている受信端末であって、 現在の位置を位置情報として取得する位置情報取得手段
    を有し、前記位置情報取得手段により取得された位置情
    報に一定の幅を持たせた情報を前記フィルタの取得条件
    としと設定し、イベントとして送信された発信情報を前
    記意味情報ネットワークから受信すると、該発信情報に
    含まれている案内情報の表示を行う受信端末。
  12. 【請求項12】 データをイベントとして送信する送信
    端末と、イベントとして送信された前記データを選択的
    に受信するために、イベントのタイプと取得条件とから
    なるフィルタが設定される受信端末とから構成される意
    味情報ネットワークを用いて、案内情報発信者により発
    信された案内情報を、該案内情報の受信を希望する案内
    情報受信者に提供する、意味情報ネットワークを用いた
    案内情報提供システムであって、 現在の位置を位置情報として取得する位置情報取得手段
    を有し、案内情報受信者に関する個人情報を入力し、入
    力した該個人情報と前記位置情報取得手段により取得さ
    れた位置情報に一定の幅を持たせた情報とを前記フィル
    タの取得条件としと設定し、イベントとして送信された
    発信情報を前記意味情報ネットワークから受信すると、
    該発信情報に含まれている案内情報の表示を行う案内情
    報受信者の携帯端末と、 案内情報受信者に発信したい案内情報、該案内情報を発
    信したい案内情報受信者を限定するための個人情報、お
    よび、案内情報発信者の位置情報からなる発信情報をイ
    ベントとして前記意味情報ネットワークに送信する案内
    情報発信者の端末とから構成される、意味情報ネットワ
    ークを用いた案内情報提供システム。
  13. 【請求項13】 データをイベントとして送信し、イベ
    ントとして送信された前記データを選択的に受信するた
    めに、イベントのタイプと取得条件とからなるフィルタ
    が設定されている複数の端末とから構成される意味情報
    ネットワークに対して、データをイベントとして送信す
    る送信端末であって、 案内情報受信者に発信したい案内情報、該案内情報を発
    信したい案内情報受信者を限定するための個人情報、お
    よび、案内情報発信者の位置情報からなる発信情報を前
    記イベントとして前記意味情報ネットワークに送信する
    案内情報発信者の送信端末。
  14. 【請求項14】 送信端末からイベントとして送信され
    たデータを、意味情報ネットワークを介して選択的に受
    信するためにイベントのタイプと取得条件とからなるフ
    ィルタが設定されている受信端末であって、 現在の位置を位置情報として取得する位置情報取得手段
    を有し、案内情報受信者に関する個人情報を入力し、入
    力した該個人情報と前記位置情報取得手段により取得さ
    れた位置情報に一定の幅を持たせた情報とを前記フィル
    タの取得条件としと設定し、イベントとして送信された
    発信情報を前記意味情報ネットワークから受信すると、
    該発信情報に含まれている案内情報の表示を行う受信端
    末。
  15. 【請求項15】 前記案内情報受信者の携帯端末は、案
    内情報受信者が移動する際に使用している移動手段の情
    報を入力し、前記位置情報取得手段により取得された位
    置情報に前記移動手段の種類に基づいて一定の幅を持た
    せた情報とを前記フィルタの取得条件としと設定する請
    求項9または12記載の意味情報ネットワークを用いた
    案内情報提供システム。
  16. 【請求項16】 前記位置情報取得手段がGPS受信機
    である請求項9、12または15のいずれか1項記載の
    意味情報ネットワークを用いた案内情報提供システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004128543A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Sanyo Electric Co Ltd 案内受信装置
US7684928B2 (en) 2002-09-24 2010-03-23 Sanyo Electric Co., Ltd. Navigation apparatus and server apparatus

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