JP2002185945A - 放送コンテンツ配信方法、システム、放送コンテンツ提供者端末、および放送受信者端末 - Google Patents

放送コンテンツ配信方法、システム、放送コンテンツ提供者端末、および放送受信者端末

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JP2002185945A
JP2002185945A JP2000380085A JP2000380085A JP2002185945A JP 2002185945 A JP2002185945 A JP 2002185945A JP 2000380085 A JP2000380085 A JP 2000380085A JP 2000380085 A JP2000380085 A JP 2000380085A JP 2002185945 A JP2002185945 A JP 2002185945A
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JP2000380085A
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Hiroshi Shibata
弘 柴田
Takanari Hoshiai
隆成 星合
Takamichi Sakai
隆道 酒井
Keiichi Koyanagi
恵一 小柳
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放送コンテンツのネットワークを介した配信
を仲介者なしに行なう。 【解決手段】 各TV放送受信者B1〜B3はTV放送受
信用アプリケーション5 1〜53を使用し、配信を希望す
る放送内容の情報を入力すると、これらがフィルタとし
て意味情報ネットワーク3に設定される。一方、TV放
送コンテンツ提供者AはTVコンテンツ提供用アプリケ
ーション4を使用して、配送する放送コンテンツの内
容、受信条件を入力すると、イベントが生成され、意味
情報ネットワーク3に送信される。意味情報ネットワー
ク3において、フィルタとイベントの照合が行われ、フ
ィルタ値に示された条件に合致したイベントが、当該フ
ィルタを設定したTV放送受信用アプリケーションに転
送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放送コンテンツを
提供する少なくとも1つの放送コンテンツ提供者端末か
ら放送コンテンツを受信する少なくとも1つの放送受信
者端末へネットワークを介して放送コンテンツを配信す
る放送コンテンツ配信方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、コンピュータネットワーク上で
TV放送コンテンツを配信する従来のTV放送コンテン
ツ配信システムの構成図である。
【0003】このTV放送コンテンツ配信システムは、
TV放送コンテンツを送信するTVコンテンツ提供者端
末11と、TV放送コンテンツを受信するTV放送受信
者端末121、122、123と、コンピュータネットワ
ークであるインターネット13と、仲介者であるTV局
17を有し、TVコンテンツ提供者端末11にはTVコ
ンテンツ提供用アプリケーション14、TV放送受信者
端末121、122、123にはTV放送受信用アプリケ
ーション151、152、153、TV局17にはTV放
送用アプリケーション18がそれぞれインストールされ
ている。
【0004】各TV放送受信者B1〜B3は、TV放送受
信用アプリケーション151〜153を用いて、受信した
いTV放送コンテンツを放送しているTV局17、すな
わち放送チャネルに接続し、このTV局17からTV放
送コンテンツを受信する。一方、TV放送コンテンツ提
供者Aは、TVコンテンツ提供用アプリケーション14
を用いて、仲介者であるTV局17に、コンテンツ情報
の登録を依頼する。仲介者17の運営するWWWサーバ
およびWWWページ等のTV放送用アプリケーション1
8によって、前記コンテンツに関する情報がTV局用サ
ーバに登録され(1)、このサーバにアクセスしたユー
ザ、すなわちTV放送受信者からの要求に従い、選択さ
れたチャネルに対応するコンテンツを前記ユーザに配送
する(2)。ユーザはTV放送コンテンツを受信する
(3)。このとき、TV放送コンテンツ仲介者Cに対し
て受信料が発生する(4)。あるいは、TV放送受信
時、TV放送受信者の端末にスポンサー16の広告が表
示される。受信料が発生した場合、TVコンテンツ提供
者Aから仲介者Cに仲介料が支払われ(5)、仲介者C
はTVコンテンツ提供者Aに対して清算する(6)。広
告が表示された場合にはスポンサー16から仲介者Cに
対して広告料が支払われる(4)なお、以上はTV放送
の場合であるが、ラジオ番組の放送の場合も同様であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の放送コ
ンテンツ配信システムは、 ・仲介者が存在することにより、リアルタイム性が低下
する ・仲介料が発生する ・仲介者の運営するサーバにおける負荷が集中する ・仲介者の存在を知らなければならない という問題がある。
【0006】本発明の目的は、TVやラジオ番組等放送
コンテンツ情報配送のリアルタイム性が向上し、仲介料
の発生がない、負荷が分散化され、TV局等の仲介者お
よびそのサーバの存在を知らなくても、放送コンテンツ
提供者端末からコンテンツ情報を受信することが可能な
放送コンテンツ配信方法およびシステムを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ネットワークとして意味情報ネットワー
クを用い、以下の処理を行う。 (1) 一人以上のTVやラジオ番組放送受信者は、放
送受信用アプリケーションを使用し、配信を希望する放
送内容や番組のジャンル等、自身の視聴したい情報を入
力する。すると、放送受信用アプリケーションは、ユー
ザの視聴したい情報をフィルタとして意味情報ネットワ
ークに設定する。 (2) 一人以上のTVやラジオ等放送コンテンツ提供
者は、放送コンテンツ提供用アプリケーションを使用
し、配信する放送コンテンツの簡単な内容(ジャンル、
出演者名、コンテンツ作成者名等)や受信条件(必要回
線容量、放送時間帯、受信料等)等の情報を入力し、放
送コンテンツ受信のためのアクセス方法に関する情報等
を添付し、これをイベントとして意味情報ネットワーク
に送信する。 (3) 放送受信用アプリケーションは、放送コンテン
ツ情報を含むイベントを受信すると、放送受信用アプリ
ケーション画面に受信した内容が表示され、放送受信者
はこれを参照して、放送コンテンツの存在を認知し、受
信したい場合はこの情報に含まれるアクセス方法に従っ
て放送コンテンツを受信する。 (4) 放送受信用アプリケーションは、受信した放送
コンテンツに対する対価を放送コンテンツ提供者に支払
う。または対価支払いの代わりに、広告が送信され、そ
れが放送受信者の端末に表示される。
【0008】本発明の実施形態を説明する前に、本発明
の前提となる、発信する情報のメッセージ性を高めた分
散型ネットワークシステムについて説明する。
【0009】分散型指向のネットワークシステムとして
は、ナップスターを用いるものが知られ、さらに、分散
性を高めたネットワークシステムとしては、Gnute
llaを用いるものが知られている。
【0010】まず、ナップスターを用いるネットワーク
システムについて説明する。ナップスター利用者は、各
ナップスター利用者が公開するファイルの情報を格納し
たナップスター社のサーバに検索要求を送信し、ナップ
スター社のサーバは検索したファイルを所有するナップ
スター利用者に関するIPアドレス等の情報を返信す
る。実際のファイルのやり取りはナップスター社のサー
バを介することなく、IPアドレスを入手した利用者が
直接目的とするファイルを所有するナップスター利用者
にアクセスすることにより行われる。
【0011】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムの場合には、Gnutella利用者の端末は、
接続している相手端末の状態を定期的に確認し、メッセ
ージやファイルの検索要求を中継し合うことが行われ
る。検索結果は検索要求を行った相手に戻され、その後
のファイル転送はナップスターと同様に利用者間で直接
行われる。これにより、サーバを用いることなくネット
ワークが構築されることとなる。
【0012】これらの各ネットワークシステムのうち、
ナップスターを用いるものにおいては、本発明が問題点
とする仲介者に相当するサーバを必要とするため、本発
明の目的を達成するものではない。
【0013】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムにおいては、サーバを用いることなくメッセージ
やファイルの検索要求が行われるものの、発信する情報
が単なるファイルの検索要求であり、この応答を確認し
た利用者によるファイルの転送が利用者間で行われるも
のであるため、オークションや逆オークション等の1対
複数でのやり取りが必要となる形態にはそぐわない。
【0014】発信する情報のメッセージ性を高めた分散
型ネットワークシステムとして以下に説明する意味情報
ネットワークシステムがあり、本発明は、このような意
味情報ネットワークシステムを用いることを前提とす
る。
【0015】まず、意味情報ネットワーク(Semantic I
nformation-Oriented Network、以下、SIONと称す
る)について概要を説明する。SIONは、意味情報に
基づいて、イベントを目的地まで配送することが可能な
ネットワークである。図10に、SIONの概念モデル
を示す。図10において、各端末22は、意味情報(Se
mantic Information:SI)をSION21に対して登
録する。一方、イベントを送信する端末22は、図11
に示す意味情報(Senmantic information)とデータ(D
ata)から構成されるイベントをSION21に送出す
る。ここでいう、意味情報とは、イベントに含まれるデ
ータの特性を記述したものであり、データのメタ情報と
して位置づけられる。例えば、意味情報は、 ・データを“東京在住者”に配送する。 ・データを“クラシックに興味のある人”に配送する。 ・データを“1Mbps以上の通信環境を有する人”に
配送する。 ・データを“目白通りを通行中の人”に配送する。 ・データを“キーワード(例えば旅行)に合致するコン
テンツを有するコンテンツプロバイダ”に配送する。 等の表現が用いられる。
【0016】SION21は、上述したような意味情報
に基づいて、データを配送すべき対象(端末、人、ソフ
トウエアなど)を動的に決定し、特定された対象者に対
して、データの配送および通知を行うことが可能な自律
分散型のメタネットワークである。このSION21を
用いることにより、ブローカを介することなく、情報提
供者が提供するに相応しいユーザに対してのみ、自身の
情報を直接提案することが可能になる。このような、ブ
ローカ非介在型(非ブローカモデル)でpeer-to-peerの
情報提案が可能なビジネスモデルを、ここでは、御用聞
きモデル(または、御用聞き型情報提案モデル、非ブロ
ーカモデル)と呼ぶ。同様に、検索サービス(ブロー
カ)を介することなく、ユーザが希望する情報を直接探
索可能な、リアルタイム情報検索も可能である。なお、
御用聞き型情報提案サービスとして、以下のサービス等
に適用することが可能である。 (1)製造会社:自社製品に興味を持ってくれそうなお
客様を中心に製品案内を送りたい。 (2)広告主:お客様ごとにパーソナライズされた広告
を送りたい。 (3)物々交換:ユーザ間の合意に基づいて、製品を売
買したり、交換したい。
【0017】なお、イベントのデータ部にどのような情
報を設定するかは、サービス依存である。例えば情報の
実体、情報へのリファレンス(URL、分散オブジェク
ト識別子等)、プロキシ(Jiniプロキシ等)、モバ
イルエージェントなど様々な利用形態が可能である。
【0018】次に、SIONの詳細について説明する。
【0019】<SIONアーキテクチャ>まず、SIO
N21のネットワークアーキテクチャについて説明す
る。図12にSION21のネットワークモデルを示
す。ここで、説明の便宜上、端末22を、イベント送信
者の送信端末31とイベント受信者の受信端末32とに
区別して表記する。イベント受信者は、受信端末32を
用いて自身が受信することを希望するイベントの意味情
報(受信するイベントのタイプと取得条件)をメタデー
タとしてSION21に登録する。これをフィルタ(Fi
lter)と呼ぶ。一方、イベント送信者は、送信端末31
を用いてSION21にイベントを送出することによ
り、SION21に刺激(Incentive)を与える。この
イベントは、図11に示すようにイベントの特性を記述
した意味情報とデータから構成される。意味情報の定義
を図13に示す。意味情報は、イベントのメタデータで
あり、かつ、意味情報タイプ(イベントタイプ)のイン
スタンスである。
【0020】SION21は、イベント受信者が登録し
たフィルタに対して、イベント送信者が送出したイベン
トを照合(フィルターリング)させるための自律分散型
の照合ネットワークである。照合の結果、イベントが通
過した(イベントに反応した)フィルタは発火(Igniti
on)し、対応するイベント受信者の受信端末32が自律
起動する。この仕組みにより、不特定多数の端末22の
中から、対象となる端末22をスケーラブルかつリアル
タイムに探索・発見することが可能になる。
【0021】次に、イベントタイプについて説明する。
図14に、イベントのテンプレートであるイベントタイ
プの定義例を示す。図14に示すように、イベントタイ
プは、イベントタイプ名(Event type name)と条件名
(図14においては、”Service”や”CPU power”が相
当する)、およびそれぞれの条件名に対するデータ型
(StringやLongが相当する)と条件式(==や>=が相
当する)が定義されたものである。イベントタイプ名
は、イベントタイプを一意に識別するための名称であ
る。
【0022】なお、イベントタイプの親タイプを継承可
能である。
【0023】図15に示すように、イベントタイプのデ
ータ構造に従って、イベントを作成する。イベントは、
イベントタイプ名、条件名と条件値の組み合せ、およ
び、データ部から構成される。イベントの中で定義され
た条件名、条件式、条件値が、イベントタイプと一致し
ない場合は、エラーになる。但し、イベントの中で使用
される条件名は、イベントタイプのサブセットでも良
い。
【0024】図16にフィルタの定義例を示す。フィル
タは、受け付けるイベントタイプ名(Event type nam
e)、属性名(図14においては、”CPU power”や”Ag
e”が相当する)と属性値(図16においては、200
や25が相当する)のペアーから成る。受け付けるイベ
ントタイプ名で定義されたイベントタイプに属するイベ
ントのみが、フィルタリングの対象となる。ここには、
複数のイベントタイプ名を定義することができ、さら
に、ワイルドカード(*.*)を指定することにより、
全てのイベントを対象とすることも可能である。なお、
フィルタで定義された属性名が、受け付けるイベントタ
イプ名で定義されたイベントタイプの条件名の中に存在
しない場合には、エラーとなる。但し、イベントタイプ
のサブセットでも良い。
【0025】次に、SION21の構成を説明する。図
17は、SION21の構成を示す図である。図17に
示すようにSION21は、意味情報スイッチ(Semant
ic Information-Switch、図面ではSI−SWと図示す
る)、意味情報ルータ(Semantic Information -Route
r、図面ではSI−Rと図示する)、意味情報ゲートウ
ェイ(Semantic Information-Gateway、図面ではSI−
GWと図示する)から構成される。
【0026】意味情報スイッチ(SI−SW)は、フィ
ルタとして登録された意味情報と、イベントに付与され
た意味情報を照合し、その結果、発火したイベント受信
者の端末2を起動するスイッチング機構を提供する。意
味情報スイッチ(SI−SW)と各端末2はスター型で
結合される。
【0027】意味情報ルータ(SI−R)は、意味情報
スイッチ間のイベント経路選択を行うとともに、端末2
2から意味情報スイッチに対して送出されたイベントを
他の意味情報スイッチに転送する役割を担う。これは、
意味情報に基づく動的なイべントルーティングにより達
成される。
【0028】意味情報ゲートウェイ(SI−GW)は、
イベントプレース(Event place)間でのイベントの転
送を行う。ここで、イベントプレースは、共通の意味情
報空間を保証する最小単位(オントロジードメイン)で
ある。イベントプレース内では、イベントタイプの名
称、概念、語彙、意味、関連などのオントロジー体系の
一意性が保証され、共通のオントロジーに基づいて意味
情報が記述されることになる。基本的には、イベント送
信者の端末22から送出したイベントは、イベントプレ
ース内のみで流通するが、意味情報ゲートウェイ(SI
−GW)を介することにより、異なるオントロジー体系
を有するイベントプレース間でのイベントの相互流通が
可能になる。このとき、意味情報ゲートウェイ(SI−
GW)はイベントのオントロジー変換を行った後、異な
るイベントプレースヘイベントを転送する。
【0029】<動作メカニズムとインタフェース仕様>
SION21の実現方法の一例として、分散オブジェク
ト技術を用いた実装方法を示す。ここで、SI−SW,
SI−R,SI−GWは、それぞれ、イベントプレース
オブジェクト(EPO)、シェアードリンクオブジェク
ト(SLO)、フェデレーションエージェント(FA)
と呼ばれる分散オブジェクトとして実装される。図18
を用いて、SION1の動作メカニズムと制御インタフ
ェースを詳述する。また、SION−MT(Manag
ement Tool)やSIONインタフェーサを用
いることにより、SION1のネットワークインタフェ
ースを使用することができる。また、MTを用いて、E
POの撤収・増減設、物理リンク情報の動的変更、PO
マイグレーション(POのバインド先EPOの動的変
更)、発火率の収集、人気の高い惰報や流行している情
報の統計情報収集などを簡単に行うことができる。
【0030】・イべントプレースファクトリの起動&初
期化(図18の(1)) まず、SION運営者は、任意のホスト上にイベントプ
レースファクトリ(EPF)を起動し、続いて、EPF
の初期化を行う。この時、EPFに対して、イべントプ
レース(EP)を生成可能なホスト名、およびEPの実
行ファイルの格納先を与える。これらを、EP生成情報
と呼ぶ。
【0031】・イべントプレースの生成要求(図18の
(2)) 次に、EP運営者は、EPFに対して、EPの生成を要
求する。このとき、EP名、およびEP属性を与える。
ここで、EP属性とは、生成されたEPが、御用聞きモ
デルもしくは問い合せモデルのどちらの目的で使用され
るかを表したものであり、イべントの流れの方向性を表
すものである。
【0032】・イべントプレースの生成(図18の
(3)) 次に、EP生成要求を受け取ったEPFはEPを生成す
る。具体的には、このとき、EPの管理を司るイべント
プレースマネージメントオブジェクト(EPMO)が生
成される。すなわち、EPへの処理要求は、EPMOへ
の処理要求と同義である。EPFは、生成要求元に生成
したEP(すなわち、EPMO)の識別子を返却する。
なお、EPMOは、図18の(1)において指定され
た、EPを生成可能なホストの中から、動的に決定され
たホストに対して生成される。EPMOの起動先ホスト
の決定方法として、サイクリックに起動先を決定する、
トラヒックに応じて決定する、起動先ホストを明示的に
指定する、等の方法を選択できる。
【0033】・イべントプレースの初期化要求(図18
の(4)) 次に、EP運営者は、EPの初期化をEPMOに依頼す
る。このとき、シングルイべントプレースオブジェクト
もしくは、マルチプルイべントプレースオブジェクトの
指定を行う。マルチプルイべントプレースオブジェクト
を指定した場合には、イべントプレースオブジェクト
(EPO)の物理リンク情報(トポロジ)も併せて与え
る必要がある。ここで、EPOの物理リンク情報は、任
意のEPOが他のどのEPOの存在を知っているかを表
現したものである。
【0034】例えば、図19に示すように、EPO2・
42は、EPO1・41、EPO3・43、EPO4・
44の存在を知っているが、EPO3・43はEPO2
・42の存在しか知らないことを表現している。このよ
うに、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合処
理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的としたも
のである。
【0035】EPMOは、図18の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンク数に応じて、シェア
ードリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随し
て生成される。例えば、EPO2・42に対しては3個
のSLOが生成され(図中のSLO2,1、SLO2,3、S
LO2,4に対応する)、これらが、SI−Rに相当す
る。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと同
様であるが、イべントタイプ毎に使用するEPOを固定
化することも可能である。なお、EPMOは、EP内に
イべントタイプファクトリ(ETF)を生成する。EP
内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFによ
り保証される。
【0036】・イべントプレースに対するイべント送信
のためのセッション確立要求(図18の(5)) 次に、EPにセッションの確立を要求する。EPMO
は、セッション要求毎にプロキシオブジェクト(PO)
を生成する。要求元へは、POの識別子であるセッショ
ン識別子を返却する。
【0037】なお、EPMOは、POの生成時に、PO
に対して、どのEPOを使用する(どのEPOとバイン
ドする)かを指示する。この指示は、マルチプルEPO
において必要となるが、バインドするEPOの決定方法
は、EPMOのそれと同様である。EPへのセッション
確立要求時に、イべント送信のためのセッションである
か、イべント受信のためのセッションであるかを指定す
る必要がある。本例においては、イべント送信のための
セッションを指定する。
【0038】・イべントタイプの登録(図18の
(6)) 次に、POに対して、イべントタイプの登録を要求す
る。このとき、POは、ETFにイべントタイプオブジ
ェクト(ETO)の生成を要求する。さらに生成された
ETOにイべントタイプを格納する。一方、EPに、イ
べントタイプ登録を要求することができる。このとき、
EPMOは、ETFにETOの生成を要求し、生成され
たETOにイべントタイプを格納する。一般的に、イべ
ント送信者がイべントタイプを登録する場合は、PO経
由で行う。一方、EP運営者は、EPに、イべントタイ
プ登録を行う。なお、同じ名前のイベントタイプを登録
するとエラーになる。
【0039】・イべントプレースに対するイべント受信
のためのセッション確立要求(図18の(7)) 次に、EPに対してイベント受信のためのセッションの
確立を要求する。このとき、セッション確立の要求者
(イべント受信オブジェクト)は、イべントの通知先で
あるイべント受信オブジェクトの識別子、および、イべ
ントの通知方法(発火型、ルックイン型)をパラメータ
として与える。
【0040】続いて、EPMOは、セッション要求毎に
POを生成する。要求元へは、セッション識別子を返却
する。なお、EPMOは、POの生成時に、POに対し
て、使用するEPOを指示する。この指示は、マルチプ
ルEPOにおいて必要となるが、バインドするEPOの
決定方法は、EPMOのそれと同様である。
【0041】・フィルタオブジェクトの生成要求(図1
8の(8)) 次に、POに対して、フィルタオブジェクト(FO)の
生成を依頼する。このとき、POは、FFにFOの生成
を要求する。このとき、POとバインドされたEPOに
付随したFFが使用される。なお、FOの生成要求元に
は、生成されたFOの識別子がPO経由で返却される。
【0042】・フィルタ値の設定(図18の(9)) 次に、FO識別子をパラメータとして、FOへのフィル
タ値の設定を、POへ依頼する。なお、フィルタオブジ
ェクトの中に格納されているイべントタイプ名(すなわ
ち、フィルターリングの対象とするイべントタイプ名)
をキーに、FOのデータ構造(フィルタ値)が正しいか
どうかのチェックをETOに依頼することが選択的に可
能である。正しくない場合は、エラーとなる。但し、ワ
イルドカードが指定された場合には、このチェック処理
を一切行わない。
【0043】・フィルタ登録(図18の(10)) 次に、FOにフィルタ値を設定した後、Fのフィルタ識
別子をパラメータとして、POに対しフィルタの登録を
依頼する。このとき、登録要求元にフィルタ識別子が返
却される。これを契機に、イべントの受信が可能にな
る。なお、一つのPOを介して、複数のフィルタ登録が
可能であるが(これには、一つのPOを介して異なる複
数のFOをフィルタとして登録する、もしくは、同一の
FOを複数回、フィルタとして登録する場合が考えられ
るが)、一つのPOに対して登録されたすべてのフィル
タは、“ORの関係”を持つ。
【0044】・イべント送信(図18の(A)) 次に、イベント送信者は、POに対してイべントを送信
する。このとき、POは、イべントの中に格納されてい
るイべントタイプ名をキーに、イべントのデータ構造が
正しいかどうかのチェックをETOに依頼することが選
択的に可能である。このチェック処理を選択したとき、
正しい場合は、次の処理(図18の(B))へ、正しく
ない場合は、エラーとなる。
【0045】・イベントの照合依頼(図18の(B)) 次に、POはイベントをEPOに転送する。このとき、
EPOがスレッドを生成する。なお、スレッドはイベン
ト毎に生成され、各スレッドはイベントの多重処理を行
う。
【0046】・フィルタとの照合(図18の(C)) 次に、スレッド(EPO)は、イベントとフィルタを照
合することにより、フィルターリング処理を行う。これ
には、完全一致、部分一致、重みづけ一致などがあり、
フィルタ値の設定時に指定することができる。
【0047】・プロキシオブジェクトの起動(図18の
(D)) 次に、フィルタとの照合の結果、イベントがフィルタを
通過すると、対応するPOが起動されこのイベントを受
け取る。このとき、POは、受信したイベントのタイ
プ、値、イベントID等をSOに登録することが選択的
に可能である。これらの情報から、SOはイベントの発
火率(イベントタイプ毎、イベント毎)や、EP内で流
行している評判の高いイベントを測定することが可能に
なる。
【0048】・イベント受信オブジェクトの起動(図1
8の(E)) 次に、POは、イベント受信オブジェクトを起動すると
ともに、イベント受信オブジェクトに対してこのイベン
トを渡す。これが、発火型(割り込み型)のイベント通
知に対応する。
【0049】・ルックイン型のイベント通知(図18の
(F)) 一方、POがイベント受信オブジェクトを起動するので
はなく、イベント受信オブジェクト自身が、イベント受
信オブジェクトに対応するPOにスプールされているイ
ベントを、取り出すことも可能である。これがルックイ
ン型のイベント通知に対応する。イベント受信オブジェ
クトの起動契機は、サービス形態に依存して種々存在す
るが、典型的な例として、エンドユーザがイベント受信
オブジェクトにコンテンツの提案要求を行った場合が考
えられる。
【0050】<フィルタの管理方法>次に、各EPOに
おけるフィルタの管理方法を説明する。
【0051】まず、イベント受信のためのセッションを
確立する。このとき、セッション要求毎に一つのPOが
生成され、このPOは任意の一つのEPOにバインドさ
れる。このEPOには、それぞれ、一つのFFが付随し
ている。これにより、POが使用するEPOが一意に決
定され、以降の処理はすべて、PO(イベント受信用セ
ッション)を介して行われる。
【0052】次に、FOを生成し、FOに対してフィル
タ値(受信するイベントのタイプとその取得条件)を設
定する。続いて、FO識別子をパラメータとして、フィ
ルタの登録を行う。このとき、各フィルタには、FO識
別子が格納される。各EPOは、POを介して登録され
たフィルタを以下に示す規則に基づいて管理する。
【0053】まず、フィルタに格納されているFO識別
子を用いて、FOに設定されている“受信するイベント
のタイプ”を参照する。続いて、受信するイベントのタ
イプ毎にフィルタを分類し、イベントタイプ毎に分類さ
れたフィルタを、さらにPO毎に細分類し、管理する。
【0054】この管理規則について図20を参照して、
PO1を介して、フィルタを登録する場合について説明
する。ここでは、フィルタ登録時に指定するFOの中
に、受信するイベントのタイプとして、“イベントタイ
プX”が設定されているものとする。このとき、EPO
に登録されるフィルタは、図20のフィルタ1が相当
し、同様に、PO2を介して登録されたフィルタにはフ
ィルタ2が相当する。また、各POにおいて、複数のフ
ィルタを登録することが可能であるが、登録されたフィ
ルタは“OR関係”を有するものとする。
【0055】まず、イベントタイプXのイベントがEP
Oに到着したとき、フィルタ1との照合が行われる。そ
の結果、フィルタ1が発火するとPO1が起動される。
次に、フィルタ2との照合が行われ、その結果、フィル
タ2が発火するとPO2が起動される。このとき、フィ
ルタ2とフィルタ3は“OR関係”を有するため、フィ
ルタ3との照合は行われない。このようなフィルタ管理
方法を用いることにより、一つのイベントに対する各E
POでの照合処理回数を、基本的にPO数(受信用セッ
ション数)以下にすることができる。
【0056】<イベントルーティング方法>次に、イベ
ントルーティング方法について説明する。
【0057】EPO(SI−SW)は、イベントの送受
信者(端末などのエンティティ)をセッションを介して
スター型で収容する。さらに、EPO(SI−SW)
は、イベント受信者(イベント受信オブジェクト)が登
録したフィルタと、イベント送信者が送出したイベント
を照合し、その結果、発火したフィルタに対応するイベ
ント受信者のみにイベントを通知する(合致するイベン
ト受信者にのみイベントを配送する)照合スイッチであ
る。
【0058】そのため、イベントの送信者数(イベント
数)やイベントの受信者数(フィルタ数)が増加する
と、それに比例してEPOの処理能力が飽和する。そこ
で、SIONアーキテクチャでは、スケラビリティの高
いEPを実現する手段として、マルチプルEPOを提供
する。マルチプルEPOとは、EPO数に比して、EP
のトータル処理能力をスケーラブルに向上させることを
目的とし、具体的には、以下の2つの観点からEPの高
いスケラビリティを達成する。
【0059】第一点は、負荷分散と自律分散である。こ
れは、複数のEPOに、イベントの送受信者を分散させ
ることにより、イベントのフィルターリング処理の負荷
分散を行い、処理の集中に伴うボトルネック要因を作ら
ないようにするものである。。さらに、各EPOが他の
EPOの影響を受けることなく、自律的に動作可能な機
構による分散協調を達成する。
【0060】第二点は、ネットワークトラヒックの削減
とフィルターリング処理の最適化である。これは、EP
O間で不要なイベントを転送しないことによる通信量の
最小化と、それに伴う無駄なフィルタリング処理の削減
を行うものである。
【0061】図19において、EPO3に対し、受信す
るイベントのタイプとして、イベントタイプXのフィル
タが登録される場合を考える。ここで、イベントタイプ
XのイベントがEPO4に対して送出されたとき、EP
O2経由でこのイベントをEPO3に転送する必要があ
る。このとき、イベントタイプXのフィルタが登録され
ていないEPO1に対して、当該イベントが転送されて
はならない。このようなEPO間のイベントのルーティ
ング制御を行うものが、シェアードリンクオブジェクト
(SLO)であり、前述したSI−Rに相当する。
【0062】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0063】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。例えば、図18において、EPO
2に対して3個のSLOが生成される。これらは、図中
のSLO2,1、SLO2,3、SLO2,4に対応する。この
SLOi,jは、EPOjからEPOjへのイベント転送を
行うシェアードリンク(SLi,j)を確立する。すなわ
ち、図18および図21に示すように、SLOi,jは、
EPOjに対してイベント受信のセッションを確立し、
一方、EPOiに対してイベント送信のセッションを確
立することにより、イベント転送のための論理リンクで
あるシェアードリンクSLi,jを確立する(シェアード
リンクとは、EPの初期化時における、SLOによるセ
ッションの確立を意味し、フィルタ登録処理を含まな
い)。
【0064】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図21において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、“イベントタイプXの
イベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場
合において、PO3は、EPO3ヘイベントタイプXの
フィルタを登録するとともに、その旨をSLO3,j(こ
こでは、SLO3,2)に通知する。SLO3,2はSL3,2
を用いて、EPO2に対してイベントタイプXのフィル
タを登録する。これは、前述したように、SLO3,2に
対して割り当てられた受信用セッションのPOを介して
行われる。同様に、このPOは、その旨を、SLO2,3
を除くその他のSLO2,jに対して通知する。SLO2,j
(j≠3)は、SL2,jを用いて、EPOヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。
【0065】このように、イベントタイプXに対して確
立された一連のパスを、イベントパスと呼ぶ。これは、
PO3を介したフィルタ登録がトリガとなって、すべて
のEPOへ、イベントタイプ毎のイベントパス設定要求
が順次、自律的に波及していくものである。すなわち、
個々のEPOは隣接するEPOのみを認識すれば良い。
そのため、イベントパスの集中管理やブロードキャスト
によるイベントパスの設定・管理方法に比べて、簡単か
つ一元的な自律ロジックでイベントパスを確立すること
が可能になる。
【0066】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図22に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。また、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0067】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0068】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
2,1が起動される。SLO2,1が、このイベントをEPO
2へ送出することにより、SLO3,2が起動される。さ
らに、SLO3,2を介して、当該イベントがEPO3へ
も転送されることになる。また、SL2,3とSL3,2間で
のイベントの無限転送を防止するために、イベントは、
制御情報の一つとして、通過したEPOの識別子を、最
新順に最大2つ保持する。
【0069】なお、前述したように、フィルタ1とフィ
ルタ2は、OR関係を有するため、フィルタ1が発火し
た場合にはフィルタ2との照合は行われない。そのた
め、フィルタ1が存在するにも関わらず、新たにフィル
タ2を登録したことに伴う、フィルターリング処理の冗
長オーバヘッドを全く生じないようにすることができ
る。これは、イベントパスを設定したときに、既設のイ
ベントパスを含めた全イベントパスの再構築を全く必要
としないことを意味し、簡単かつ一元的なイベントパス
の自律的な設定が可能になる。
【0070】また、EPO1内に、イベント受信者が確
立したセッションおよびそれを介したフィルタ登録があ
る場合には(POnのフィルタ3に対応)、SLO対応
のフィルタリング処理がすべて完了した後に、POn対
応のフィルターリング処理が行われる。すなわち、他の
EPOへのイベント転送処理を優先して行い、その後、
自EPOでの照合処理が開始される。
【0071】以上説明した、イベントルーチング方法の
更なる効果として、フィルタ登録解除時に、イベントパ
スの再構築が必要ない点が挙げられる。例えば、イベン
ト受信者3がPO3を介して、登録したフィルタの登録
解除を行った場合、登録の場合と同様に、解除要求が順
次、自律的に波及する。その結果、EPO1において、
フィルタ1の登録のみが解除されることになるが、フィ
ルタ2は存命する(これ以降は、フィルタ2がフィルタ
1の代わりにイベントを転送する)ため、イベントパス
の再構築なしに、すべての既設イベントパスの一貫性が
保証される。
【0072】このような自律分散型のルーティング制御
方法を用いることによって、EPOの相互接続と分散協
調を容易に実現することが可能になる。これに伴い、小
規模なネットワークから大規模なネットワークヘの移
行、ローカルなネットワークからグローバルなネットワ
ークヘの移行等をスムーズに行うことができる。また、
ボトムアップアプローチによるグローバルネットワーク
化を、共通のロジックで容易に達成することができる。
【0073】図23ないし図26はリング型結合を持つ
物理リンクにおけるSI−Rについて説明するために図
である。
【0074】例えば、図24に示すように、リング型結
合を持つ物理リンクにおいて、EPO2は、EPO1、
EPO3の存在を知っていることを表現している。この
ように、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合
処理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的とした
ものである。
【0075】EPMOは、図23の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンクに応じて、シェアー
ドリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随して
一つ生成される。たとえば、EPO2に対しては、図中
のSLO2,3が生成される。これが、SI−Rに相当
する。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと
同様であるが、イベントタイプ毎に使用するEPOを固
定化することも可能である。なお、EPMOは、EP内
にイベントタイプファクトリ(ETF)を生成する。E
P内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFに
より保証される。
【0076】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0077】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。たとえば、図23において、EP
O2に対してSLO2,3が生成される。このSLOi,j
は、EPOjからEPOiへのイベント転送を行うシェア
ードリンク(SLi,j)を確立する。すなわち、図23
および図25に示すように、SLOi,jは、EPOjに対
してイベント受信のセッションを確立し、一方、EPO
iに対してイベント送信のセッションを確立することに
より、イベント転送のための論理リンクであるシェアー
ドリンクSLi,jを確立する(シェアードリンクとは、
EPの初期化時における、SLOによるセッションの確
立を意味し、フィルタ登録処理を含まない)。これによ
って、片方向のリング状のシェアードリンクSLi,jが
確立される。
【0078】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図25において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、イベントタイプXのイ
ベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場合
を考える。このとき、PO3は、EPO3ヘイベントタ
イプXのフィルタを登録するとともに、その旨をSLO
3,1に通知する。このとき、SLO3,1には、フィルタ登
録の要求発生元がEPO3である旨がパラメータとして
与えられる。SLO3,1はSL3,1を用いて、EPO1に
対してイベントタイプXのフィルタを登録する。これ
は、前述したように、SLO3,1に対して割り当てられ
た受信用セッションのPOを介して行われる。同様に、
このPOは、その旨を、SLO1,2に対して通知する。
SLO1,2は、SL1,2を用いて、EPO2ヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。なお、こ
の処理は、フィルタ登録の要求発生元(ここでは、EP
O3)の直前まで繰り返される。すなわち、SLO2,3
は、EPO3にフィルタを登録しない。
【0079】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図26に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。なお、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0080】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0081】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
3,1が起動される。SLO3,1が、当該イベントをEPO
3へ送出することにより、SLO2,3が起動される。さ
らに、SLO2,3を介して、当該イベントがEPO2へ
も転送されることになる。なお、イベントの無限巡回を
防止するために、イベントは、制御情報の一つとして、
イベントが生起したEPOの識別子を保持し、イベント
の生起元EPO(SLO)に当該イベントが巡回して戻
って来たときに、当該イベントを破棄する。
【0082】次に、前述したイベントルーティング方法
とは異なるイベントルーティング方法を説明する。この
ルーティング方法は、シェアードリンク(論理リンク)
を確立するまでの手順は、前述した方法と同様である。
このイベントルーティング方法が前述した方法と異なる
のは、イベントパスを確立しない点であり、SLOi,j
がシェアードリンクSLi,jを確立する時に同時に、唯
一のフィルタを登録するようにするものである。このと
き、登録されるフィルタには、受信するイベントのタイ
プとしてワイルドカードを指定する。これによって、す
べてのイベントを転送の対象とし、イベントタイプ毎の
イベントパスを確立しないようにする。
【0083】このように意味情報にワイルドカードを指
定することによって、リング状のシェアードリンクSL
i,j内をイベントが巡回するため、全てのEPOに対し
てイベントを配送することが可能となる。
【0084】<フェデレーション方法>次に、図27を
参照してフェデレーション方法について説明する。フェ
デレーションエージェント(FA)とは、イベントプレ
ース間のフェデレーションを確立するエージェントであ
り、前述したSI−GWに相当する。例えば、イベント
プレース(Event Place)Aがイベントプレース(Event
Place)Bに対してフェデレーションを確立する場合を
考える。まず、イベントプレースAに属するFAが、イ
ベントプレースBに対して、フィルタを登録する。この
とき、イベントプレースBに属するイベント送信者がイ
ベントを送出し、その結果、このフィルタが発火する
と、FAが自律起動する。これは、FAをイベントプレ
ースBに属する一つのイベント受信者として見なすこと
ができる。次に、FAは取得したイベントを、自身が属
するイベントプレースAに対して再送出する。これは、
FAを、イベントプレースAに属する一つのイベント送
信者として見なすことができる。
【0085】このように両者の役割を併せ持つFAを用
いて、イベントプレース間のフェデレーションを容易に
実現できる。すなわち、単一イべントプレースと同じ制
御論理で、イベントプレース間のフェデレーションを実
現することが可能である。この機構を用いて、SION
1の基本構成単位であるイベントプレースを相互接続す
ることにより、グローバルな照合ネットワークをボトム
アップアプローチで構築することが可能となり、イベン
トプレース間に跨るイベントの共有を実現することがで
きる。なお、イベントプレースAとイベントプレースB
がそれぞれ異なるオントロジーを持つ場合、イベントプ
レースAに属するFAは、イベントプレースBから取得
したイベントを、イベントプレースAのオントロジーに
変換した後、イベントプレースAに送出する。
【0086】異なるオントロジー体系に跨ってイベント
転送を行う場合には、オントロジー変換が必要になる。
この変換を行う従来技術として、標準オントロジーを規
定し、他のイベントプレースにイベントを転送する場合
には、一旦、標準オントロジーに準拠した形式に変換し
た後に、イベントの転送を行う方法や、イベントプレー
スの組み合わせの数だけオントロジー変換テーブルを事
前に用意しておくなどの方法がある。
【0087】しかしながら、イベントプレースの動的な
フェデレーション(フェデレーションの動的な開始、開
始解除)に対応するためには、従来の方法は柔軟性に欠
ける。そこで、本発明では、図27に示すように、FA
が隣接するイベントプレースのオントロジー情報との差
分(変換情報)のみを、オントロジー変換テーブルに保
持するようにしている。すなわち、これは、各FAが変
換情報をそれぞれ分散して保有し、全体でオントロジー
体系の一貫性を保証する方法である。これは、イベント
プレース間の動的なフェデレーションに容易に対応する
ことが可能になるが、その反面、イベントがイベントプ
レースを跨る毎に、オントロジー変換処理が発生するた
め、従来方法に比べて、変換処理オーバヘッドが増大す
るという特徴を有している。
【0088】<コミュニティと進化型ネットワーク>次
に、SION1のキラーサービスの一つであるコミュニ
ティサービスについて説明する。コミュニティサービス
におけるエンティティは、自身のポリシに基づいて、学
習・進化・退化・消滅等を繰り返すことにより、その活
動様式を動的に決定することが可能な自律分散型の動作
主体である。コミュニティは、このようなエンティティ
に対して効率的なコミュニケーションの場を提供するも
のである。すなわち、コミュニティ内のエンティティ
は、自身とコミュニケートすべきエンティティや、自身
の振る舞いに影響を与えるエンティティを動的に探索・
発見・特定し、特定されたエンティティとインタラクシ
ョンを行うことが可能である。
【0089】このコミュニティは、特に以下の特徴を持
つエンティティを取り扱うことができる。
【0090】(1)極小粒度で、膨大な数のエンティテ
ィがコミュニティに存在する(不特定多数のエンティテ
ィ)。
【0091】(2)エンティティの属性がリアルタイム
に変化する。典型的なエンティティの属性として、位置
情報、時刻等がある。
【0092】(3)コミュニティ内のエンティティの振
る舞いに規則性がなく、行動予測が困難である。
【0093】(4)コミュニティヘの参加、コミュニテ
ィからの退去、消滅、複製等が頻繁かつ不規則に発生す
る。
【0094】(5)コミュニティ内のエンティティは、
ポリシ、属性、シナリオ等に基づいて相互にリアルタイ
ムに出会う必要がある。
【0095】このような特性を持つエンティティをサー
バやメディエータ(ブローカ)で管理し、相互にリアル
タイムに探索・発見することは性能上、容易でない。S
ION1のEPは、このような特徴を持つコミュニティ
の実行環境として位置づけられる。すなわち、コミュニ
ティはEPのメタ実行環境であり、EPを直接用いるこ
とに比して、抽象度の高いコミュニケーションの場を提
供するものである。コミュニティの実行環境にEPを用
いることにより、コミュニティ内のすべてのエンティテ
ィは、ブローカを介することなく、コミュニケーション
すべきエンティティを直接発見することができる。これ
は、コミュニティ内のエンティティのコミュニケーショ
ンは、EP内のイベントの送受信として実装されるため
である。
【0096】図28にコミュニティの概念モデルを示
す。ユーザエージェント(UA)、情報・サービス提供
エージェント(ISA)がコミュニティ内のエンティテ
ィに相当する。UAはユーザの代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、ユーザの嗜好、動作環境、
位置情報、状況、傾向などに応じて、自身の振る舞いを
動的に決定し、インタラクションすべきISAや他のU
Aを探索し、それらとインタラクションする。ISAは
情報提供者やサービス提供者の代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、提供者の意図に基づいて、
インタラクションすべきUAや他のISAを探索する。
すなわち、自身の情報を提供するのに相応しいユーザを
探索して特定する。
【0097】一方、コミュニティエージェント(Com
A)は、コミュニティの運営を司るエージェントであ
る。EP運営者は、運営ポリシに基づいて、SION−
MTを介したSIONの制御・運営を行う。従って、C
omAは、EP運営者をエージェント化したものと見な
すことができる。基本的に、コミュニティの運営ポリシ
はComAによって規定される。例えば、UA、ISA
などのエンティティに対するコミュニティヘの参加、退
去、消滅、複製などの認可、コミュニティ内に流通させ
る情報の把握と統制(相応しくないイベントの削除な
ど)、コミュニティ内の統計情報(トレンド情報、評判
の高い情報など)の管理などを自身の運営ポリシに基づ
いて司る。
【0098】また、コミュニティの高いスケーラビリテ
ィやリライアビリティの保証を達成するため、負荷状況
や障害状況に応じて、EPおよびEPOの増減設、撤
収、マイグレーション等のSION制御を実行する。す
なわち、SION21とComAを組み合わせることに
より、SION21は自律分散型ネットワークから、学
習、成長、進化が可能な進化型ネットワークヘと発展す
る。このように、ComAはコミュニティ内のエンティ
ティの振る舞いを統制するとともに、SION1を自己
組織化するための役割を担う。さらに、コミュニティ間
のコラボレーションにより、コミュニティ間での情報の
共有が可能である。例えば、コミュニティAにおいて流
通している情報の中で、人気が高いトップ10のみを、
コミュニティBに流通させることができる。以下に処理
の流れを示す。
【0099】まず、コミュニティBのComAが、イベ
ントプレースBのFAに対して、“コミュニティAにお
いて流通している情報の中で、人気が高いトップ10の
みを、コミュニティBに流通させる”旨を指示する。
【0100】次にFAは、イベントプレースAに対し
て、トップ10のイベントタイプを問い合わせる。これ
を受けて、イベントプレースAは、配下の統計情報収集
オブジェクト(SO)に問い合わせ、その結果を、FA
に返却する。
【0101】次に、FAは取得したイベントタイプを基
に、オントロジー変換テーブルを作成するとともに、イ
ベントプレースAに対しフィルタを設定する。以降、F
Aは、イベントプレースAから、当該イベントを受信可
能になる。
【0102】次にFAは、イベントプレースAから取得
したイベントを、オントロジー変換テーブルに基づいて
オントロジー変換し、それをイベントプレースBへと送
出する。
【0103】以上説明したような形態によれば、以下の
2点の効果を得ることができる。
【0104】第1に、分散オブジェクト環境上にSIO
Nのネットワーク環境を容易に構築できる。
【0105】第2に、サービスアプリケーションをエン
ティティとしてコミュニティに参加させることにより、
簡単にイベントを送出したり、必要なイベントをピック
アップすることが可能になり、相互にコミュニケション
を図ることが可能になる。
【0106】以上説明したように、SIONでは、以下
の効果を得ることができる。
【0107】FAを介したイベントプレース間のフェデ
レーション機構により、他のイベントプレースのみで流
通していたイベントを、自イベントプレース内に取り込
むことができる。逆に、他のイベントプレースにイベン
トを送出することにより、自イベントプレース内で流通
しているイベントをアドバタイズできる。このように、
異なるイベントプレース間で、イベントの共有が可能に
なるとともに、オントロジーを考慮したイベントプレー
ス間の相互運用により、ボトムアップアプローチによる
グローバルな自律分散型の照合ネットワークを構築する
ことが可能になる。
【0108】マルチプルEPOの機構により、フィルタ
リング処理を複数のEPOに負荷分散させることが可能
になるとともに、自律的に動作するEPO間のイベント
ルーチング機構により、ネットワークトラヒックを最小
限に抑えることが可能になる。これにより、結果的にE
Pのトータルスループットをスケーラブルに向上させる
ことが可能となる。
【0109】ブローカを介することなく、自身に相応し
いエンティティを直接探索・発見することが可能とな
る。例えば、情報提供者は、ユーザの存在を知ることな
く、自身が提供する情報に相応しいユーザを特定するこ
とができる。同様に、ユーザは情報提供者の存在を知る
ことなく、自身の嗜好に相応しい情報提供者を探索・発
見することができる。すなわち、ユーザと情報提供者は
互いに等価的である。これにより、特定のブローカに頼
ることなく、自身のポリシに従って、リアルタイムに情
報を発信することが可能になる。また、探索対象となる
エンティティの数が膨大な場合やエンティティが探索対
象ドメインに頻繁に出入りする場合において、非ブロー
カモデルに基づく探索技術が特に有効となる。
【0110】SIONにおいては、意味情報の終端点が
ネットワークとなる。一方、端末間でpeer-to-peer接続
を行う方法においては、意味情報の終端点が端末になる
ため、端末の中身を外部に公開することになる。従っ
て、SIONは後者の方法と比べて、高いセキュリティ
とプライバシ保護を実現することが可能である。
【0111】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0112】図1は本発明の一実施形態のTV放送コン
テンツ配信システムの構成図である。
【0113】本TV放送コンテンツ配信システムは、T
Vコンテンツ提供者端末1と、TV放送受信者端末
1、22、23と、意味情報ネットワーク3で構成され
ている。
【0114】TVコンテンツ提供者端末1にはTVコン
テンツ提供用アプリケーション4が、TV放送受信者端
末21、22、23にはTV放送受信用アプリケーション
1、52、53がインストールされている。各端末1,
1〜23は、CORBA(Common Object Request Brok
er Architecture)準拠のORB(Object Resource Bro
ker)等ミドルウェアと、上述したイベントプレースフ
ァクトリ生成機構をインストールして自身の端末におい
てイベントプレースを生成してそれを使用するか、ある
いは他のネットワークホストによるイベントプレースへ
アクセスしてセッションを確立する等して意味情報ネッ
トワーク3に接続されている。意味情報ネットワーク3
には図5に示すようなイベントが登録されている。
【0115】次に、本実施形態の動作を説明する。
【0116】(1)各TV放送受信者B1〜B3はTV放
送受信用アプリケーション51〜53を使用して、配信お
よび自動更新を希望する放送コンテンツの情報をアプリ
ケーション画面から入力する。TV放送受信端末21
TV放送受信者B1は、図2(a)に示すように、「ス
ポーツ生中継」、特に「野球とラグビー」に興味がある
と設定し、さらに有料コンテンツの場合、受信料が15
00円以内の放送のみを受信対象とするという条件も付
与している。同様に、TV放送受信者端末22、23のT
V放送受信者B2、B3は、それぞれ図2(b)、図2
(c)に示すように、自分が受信したいTV放送コンテ
ンツの情報を設定している。このとき、TV放送用受信
用アプリケーション51、52、53は、イベント受信の
ためのセッションを確立すると、フィルタオブジェクト
を生成し、それぞれ図3(a)、(b)、(c)に示す
ようなフィルタ値を設定する。
【0117】(2)TVコンテンツ提供者A(図1では
ソフトウェア開発者)は、TVコンテンツ提供者端末1
においてTVコンテンツ提供用アプリケーションプログ
ラム4を使用し、図4に示すように、端末上のアプリケー
ション画面から、配信する放送コンテンツの簡単な内容
(ジャンル、出演者名、コンテンツ作成者名等)、受信
条件(必要回線容量、放送時間帯、受信料等)等の情報
を入力し、放送コンテンツ受信のためのアクセス方法に
関する情報等を添付する。このとき、TVコンテンツ提
供用アプリケーション4は、たとえば図5のようなイベ
ントを生成し、意味情報ネットワーク3に送信する。
【0118】(3)意味情報ネットワーク3において、
前記フィルタと前記イベントとの照合が行われ、フィル
タ値に示される条件に合致したイベントが、当該フィル
タを設定したTV放送受信用アプリケーションに転送さ
れる。TVコンテンツ提供用アプリケーション4が使用
したイベントプレースと、TV放送受信用アプリケーシ
ョン51、52、53が使用したイベントプレース間は、
イベントプレースのフェデレーション機能により情報の
相互流通可能であるため、前記イベントはいくつかのイ
ベントプレースを経由して、目的のTV放送受信用アプ
リケーションが使用しているイベントプレースへ最終的
に転送される。図1では、TV放送受信者端末21、23
のTV放送受信者B1、B3が前記イベントを受信し、そ
れぞれの端末において図6のような画面が表示される。
このとき、TV放送受信者端末2 1と23のTV放送受信
者B1、B3はともに受信した放送コンテンツ情報に興味
を持ち、コンテンツ受信を実行したとする。
【0119】(4)前記コンテンツの放送を受信するT
V放送受信者(図2の例ではTV放送受信者B1とB3
はTV放送コンテンツ提供者Aに対価を支払う。支払い
方法の例として、図5に示すように、受信イベントに振
込先情報が含まれており、コンテンツ放送の受信を開始
すると、この振込先に示される口座に代金振込処理が自
動的に行われる。一方、TV放送コンテンツ提供者A側
では、TVコンテンツ提供用アプリケーション4が前記
口座と連携しており、図7のような画面において、放送
コンテンツ受信者数等をリアルタイムに確認できる。
【0120】また、対価支払いの代わりに、スポンサー
6の広告が放送コンテンツと同時に配送され、それがT
V放送受信者の端末画面に表示される形態もある。
【0121】以上のような処理により、TV放送受信者
1〜B3とTVコンテンツ提供者Aがお互いの存在を知
らなくても、仲介者なしで、TV放送受信者B1〜B3
TV放送コンテンツ提供者Aから希望に合ったTV放送
コンテンツを受信することができる。
【0122】なお、図8はイベントのフォーマットを示
している。
【0123】以上の実施形態では、意味情報ネットワー
クを、特願2000−062447に示されるイベント
プレースを用いて実現しているが、意味情報ネットワー
クの実現方法はこの限りではない。また、本発明がラジ
オ放送にも適用できることは明らかである。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放送コンテンツ配送のリアルタイム性が向上する、仲介
料が発生しない、負荷が仲介者に集中することがなくな
る、仲介者の存在を知らなくても、放送コンテンツ提供
者から当該放送受信者へ放送コンテンツの配送ができ
る、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の放送コンテンツ配信シス
テムの構成図である。
【図2】TV放送受信者端末21、22、23のTV放送
受信用アプリケーション51、5 2、53の画面の一例を
示す図である。
【図3】TV放送受信者端末21、22、23のTV放送
受信者B1、B2、B3が希望する放送を受信するために
設定したフィルタ条件の一例を示す図である。
【図4】TVコンテンツ提供者端末1のTVコンテンツ
提供用アプリケーション4の画面の一例を示す図であ
る。
【図5】TVコンテンツ提供者Aが、自身の提供するT
V番組の放送に関する情報を配信するため、イベントプ
レース3に発信するイベントの一例を示す図である。
【図6】TV放送受信者B1〜B3がTV放送コンテンツ
に関する情報を受信した場合のTV放送受信者端末21
〜23における画面表示の一例を示す図である。
【図7】TV放送コンテンツ提供者Aが、放送している
TV番組の受信状況を端末1において確認するためのア
プリケーション画面の一例を示す図である。
【図8】意味情報ネットワーク3に定義されるイベント
タイプの一例を示す図である。
【図9】従来の放送コンテンツ配信システムの構成図で
ある。
【図10】意味情報ネットワークの概念モデルを示す図
である。
【図11】イベントの構成を示す説明図である。
【図12】意味情報ネットワークのモデルを示す図であ
る。
【図13】意味情報の定義を示す説明図である。
【図14】イベントタイプの定義例を示す説明図であ
る。
【図15】イベントの一例を示す説明図である。
【図16】フィルタの定義例を示す説明図である。
【図17】意味情報ネットワークの構成を示す図であ
る。
【図18】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図19】物理リンクを示す説明図である。
【図20】フィルタの管理方法を示す説明図である。
【図21】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図22】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図23】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図24】物理リンクを示す説明図である。
【図25】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図26】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図27】フェデレーション方法を示す説明図である。
【図28】コミュニティモデル示す説明図である。
【符号の説明】
1,11 TVコンテンツ提供者端末 21〜23,121〜123 TV放送受信者端末 3 意味情報ネットワーク 4,14 TVコンテンツ提供用アプリケーション 51〜53,151〜153 TV放送受信用アプリケー
ション 6,16 スポンサー 13 インターネット 17 仲介者端末 18 TV放送用アプリケーション 21 意味情報ネットワーク(SION) 22 端末 A TVコンテンツ提供者 B1〜B3 TV放送受信者 C 仲介者 SI−SW 意味情報スイッチ SI−R 意味情報ルータ SI−GW 意味情報ゲートウェイ EPO イベントプレースオブジェクト SLO シェアードリンクオブジェクト FA フェデレーションエージェント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/16 H04N 7/16 C (72)発明者 酒井 隆道 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小柳 恵一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5B075 ND20 PP22 PQ02 PQ05 UU34 5C025 AA30 BA03 BA18 BA27 DA05 5C064 BA07 BB01 BB03 BB05 BC01 BC18 BC23 BD02 BD03 BD04 BD08 BD09 BD14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放送コンテンツを提供する少なくとも1
    つの放送コンテンツ提供者端末から放送コンテンツを受
    信する少なくとも1つの放送受信者端末へネットワーク
    を介して放送コンテンツを配信する放送コンテンツ配信
    方法において、 前記放送コンテンツ提供者端末上の放送コンテンツ提供
    用アプリケーションと前記放送受信者端末上の放送受信
    用アプリケーションを前記ネットワークである意味情報
    ネットワークに接続し、 放送受信者によって前記各放送受信者端末に入力され
    た、自分が視聴したい放送コンテンツの情報をフィルタ
    として前記意味情報ネットワークに設定し、 放送コンテンツ提供者によって前記放送コンテンツ提供
    者端末に入力された、配信する放送コンテンツの内容と
    受信条件を含むイベントを生成し、前記意味情報ネット
    ワークに送信することを特徴とする放送コンテンツ配信
    方法。
  2. 【請求項2】 前記放送受信用アプリケーションは、受
    信した放送コンテンツに対する対価を前記放送コンテン
    ツ提供者端末に支払う、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 放送コンテンツを提供する少なくとも1
    つの放送コンテンツ提供者端末から放送コンテンツを受
    信する少なくとも1つの放送受信者端末へネットワーク
    を介して放送コンテンツを配信する放送コンテンツ配信
    方法において、 前記コンテンツ提供者端末上の放送コンテンツ提供用ア
    プリケーションを前記ネットワークである意味情報ネッ
    トワークに接続し、 放送コンテンツ提供者によって前記放送コンテンツ提供
    者端末に入力された、配信する放送コンテンツの内容と
    受信条件を含むイベントを生成し、前記意味情報ネット
    ワークに送信することを特徴とする放送コンテンツ配信
    方法。
  4. 【請求項4】 放送コンテンツを提供する少なくとも1
    つの放送コンテンツ提供者端末から放送コンテンツを受
    信する少なくとも1つの放送受信者端末へネットワーク
    を介して放送コンテンツを配信する放送コンテンツ配信
    方法において、 前記放送受信者端末上の放送受信用アプリケーションを
    前記ネットワークである意味情報ネットワークに接続
    し、 放送受信者によって前記各放送受信者端末に入力され
    た、自分が視聴したい放送コンテンツの情報をフィルタ
    として前記意味情報ネットワークに設定することを特徴
    とする放送コンテンツ配信方法。
  5. 【請求項5】 前記放送受信用アプリケーションは、受
    信した放送コンテンツに対する対価を前記放送コンテン
    ツ提供者端末に支払う、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 放送コンテンツを提供する少なくとも1
    つの放送コンテンツ提供者端末から放送コンテンツを受
    信する少なくとも1つの放送受信者端末へネットワーク
    を介して放送コンテンツを配信する放送コンテンツ配信
    システムにおいて、 前記放送コンテンツ提供者端末上の放送コンテンツ提供
    用アプリケーションと前記放送受信者端末上の放送受信
    用アプリケーションを接続する意味情報ネットワーク
    と、 放送受信者によって前記各放送受信者端末に入力され
    た、自分が視聴したい放送コンテンツの情報をフィルタ
    として前記意味情報ネットワークに設定する手段と、 放送コンテンツ提供者によって前記放送コンテンツ提供
    者端末に入力された、配信する放送コンテンツの内容と
    受信条件を含むイベントを生成し、前記意味情報ネット
    ワークに送信する手段を有することを特徴とする放送コ
    ンテンツ配信システム。
  7. 【請求項7】 受信したコンテンツに対する対価を前記
    コンテンツ提供者端末に支払う手段をさらに有する、請
    求項3記載のシステム。
  8. 【請求項8】 放送コンテンツを受信する少なくとも1
    つの放送受信者端末へネットワークを介して放送コンテ
    ンツを配信する放送コンテンツ提供者端末において、 前記コンテンツ提供者端末上の放送コンテンツ提供用ア
    プリケーションをネットワークである意味ネットワーク
    に接続する手段と、 放送コンテンツ提供者によって入力された、配信する放
    送コンテンツの内容と受信条件を含むイベントを生成
    し、前記意味情報ネットワークに送信する手段を有する
    ことを特徴とする放送コンテンツ提供者端末。
  9. 【請求項9】 放送コンテンツを提供する少なくとも1
    つの放送コンテンツ提供者端末から配信されたコンテン
    ツをネットワークを介して受信する放送受信者端末にお
    いて、 前記放送受信者端末上の放送受信用アプリケーションを
    意味情報ネットワークに接続する手段と、 放送受信者によって入力された、自分が視聴したい放送
    コンテンツの情報をフィルタとして前記意味情報ネット
    ワークに設定する手段を有することを特徴とする放送受
    信者端末。
  10. 【請求項10】 受信したコンテンツに対する対価を前
    記コンテンツ提供者端末に支払う手段をさらに有する、
    請求項9記載の端末。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004070914A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Korea Telecom Hitel Co Ltd オンラインコンテンツ分配方法及び装置
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JP2020126283A (ja) * 2019-01-31 2020-08-20 有二 菱沼 企業情報送受信システム

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