JP2002181087A - ドラムブレーキ装置のシュー駆動機構 - Google Patents

ドラムブレーキ装置のシュー駆動機構

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JP2002181087A
JP2002181087A JP2000377480A JP2000377480A JP2002181087A JP 2002181087 A JP2002181087 A JP 2002181087A JP 2000377480 A JP2000377480 A JP 2000377480A JP 2000377480 A JP2000377480 A JP 2000377480A JP 2002181087 A JP2002181087 A JP 2002181087A
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Toshifumi Maehara
利史 前原
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニット化する際の組立性の向上、並びに、
部品点数の削減、製造コストの低減を図ることのできる
ドラムブレーキ装置のシュー駆動機構を得る。 【解決手段】 シュー駆動機構7は、プライマリ・シュ
ー用のアンカピン11に回動可能に嵌合装着される一対
の基板25、26と、これら基板間に挟まれたバランス
レバー32及び入力レバー34と、セカンダリ・シュー
用のアンカピン12及びピン機能を有した第1及び第2
のレバー支持軸28、30とを備え、前記セカンダリ・
シュー用のアンカピン12及び第1及び第2のレバー支
持軸28、30のうち前記第2のレバー支持軸30は前
記基板26のプレス加工により成形した凸部とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シュー操作力をア
ンカ反力に応じて制御してブレーキの高い効きと安定性
を確保することができ、しかも、組立性の向上、並び
に、部品点数の削減と製造コストの低減を図ることので
きるドラムブレーキ装置のシュー駆動機構に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の走行を制動するために種々
の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これ
らのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面
に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディ
ングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデ
ュオサーボ式等に分類される。
【0003】デュオサーボ式のドラムブレーキ装置は、
一般に、円筒状のドラム内に、互いに対向して配置され
たプライマリ・シューとセカンダリ・シューの一対のブ
レーキシューを備える。プライマリ・シューは、ドラム
の前進回転方向入口側が入力部とされると共に、ドラム
の前進回転方向出口側が例えばアジャスタを介してセカ
ンダリ・シューの入口側に連結される。一方、セカンダ
リ・シューの出口側はバッキングプレート上に装備され
たアンカー部に当接され、プライマリ・シュー及びセカ
ンダリ・シューに作用するアンカー反力をアンカー部で
受け止めるようになっている。
【0004】これにより、プライマリ・シュー及びセカ
ンダリ・シューを拡開させてドラムの内周面に押し付け
ると、プライマリ・シューに作用するアンカー反力がセ
カンダリ・シューの入口側に入力してセカンダリ・シュ
ーをドラム内周面に押し付けるように作用するため、プ
ライマリ・シュー及びセカンダリ・シューの双方がリー
ディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制
動力を得ることができる。
【0005】前述したデュオサーボ式ドラムブレーキ装
置は、リーディングトレーリング式やツーリーディング
式のドラムブレーキ装置と比較して、極めて高い制動力
を得ることができるばかりでなく、小型化し易く、かつ
駐車ブレーキの組み込みも容易である等の多くの長所を
有している。ところが、このようなデュオサーボ式ドラ
ムブレーキ装置は、ブレーキシューのライニングの摩擦
係数の変化に敏感であるため、制動力を安定させにくい
傾向にあり、制動力を安定化させる工夫が要求されてい
る。
【0006】このような背景から、本願出願人は、一対
のブレーキシューを拡開操作する液圧式のホイールシリ
ンダに液圧制御用のバルブを組み込み、ホイールシリン
ダへの液圧供給をアンカ反力に応じて制御することで制
動力を安定させるシュー駆動機構を既に提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の車両の
ブレーキ装置は、アンチロックブレーキシステムの装備
や、トラクションコントロールシステムの装備など、ブ
レーキ機能のインテリジェント化が活発に行われてい
る。また、環境汚染の軽減等の観点から、電気自動車
(EV車)やハイブリッド車の開発も活発になってい
る。そして、このようなブレーキ機能のインテリジェン
ト化や電気自動車等への対応のため、ブレーキ装置の電
動化が重要課題とされている。
【0008】そして、ブレーキ装置の電動化では、例え
ば、従来の液圧式のホイールシリンダの代わりに、電動
モータ等を利用した電動式の操作力発生手段を採用す
る。その場合には、液圧式のホイールシリンダへの液圧
供給を液圧制御用のバルブによりアンカ反力に応じた値
に制御するという前述のシュー駆動機構を利用できなく
なり、新たに、電動式の操作力発生手段に適合するシュ
ー駆動機構の開発が必要となり、デュオサーボ式ドラム
ブレーキ装置における電動化の新たな課題とされてい
た。
【0009】そのため、電動式の操作力発生手段に適合
するシュー駆動機構としては、操作力発生手段の出力を
一対のブレーキシューに伝達するリンク機構が提案され
ているが、従来のリンク機構によるものは、部品点数が
多く、更に、構成部品を一つ一つ一対のブレーキシュー
間に組み付けて行かねばならないために、組立作業性が
悪いという問題もあった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ブレーキシューに対するシュー操作力をアンカ反力
に応じて制御して、ブレーキの高い効きと安定性を確保
することができ、しかも、組み合わせる操作力発生手段
は電動式あるいは液圧式のアクチュエータ、あるいは手
動式リンク機構の何れでも可能で汎用性が高く、更に
は、予めユニットとして組み立てる際に組立性の向上、
並びに、部品点数の削減と製造コストの低減を図ること
のできるドラムブレーキ装置のシュー駆動機構を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るドラムブレーキ装置のシュー駆動機構
は、プライマリ・シュー及びセカンダリ・シューの一対
のブレーキシュー間に組み付けられ、操作力発生手段の
発生するシュー操作力を各ブレーキシューに伝達すると
共に、アンカ反力に応じてシュー操作力を制御するドラ
ムブレーキ装置のシュー駆動機構であって、互いに対向
配置され、プライマリ・シュー用のアンカピンに回動可
能に嵌合装着される一対の基板と、これら基板間の所定
位置に立設されたセカンダリ・シュー用のアンカピン
と、これら基板間の所定位置に立設されたピン機能を有
する第1のレバー支持軸と、前記第1のレバー支持軸と
前記プライマリ・シュー用のアンカピンとの中間位置に
立設されたピン機能を有する第2のレバー支持軸と、基
端が前記第1のレバー支持軸に回動自在に嵌合支持され
ると共に先端側には前記第2のレバー支持軸を挿通して
前記第1のレバー支持軸周りの揺動範囲が規制され、且
つ、先端側外周が前記プライマリ・シューの一端に当接
させられるバランスレバーと、前記バランスレバー及び
前記セカンダリ・シューに当接され前記操作力発生手段
から入力したシュー操作力を前記バランスレバー及び前
記セカンダリ・シューに伝達する入力レバーとを具備
し、前記セカンダリ・シュー用のアンカーピン、第1及
び第2のレバー支持軸のうち少なくとも一つを前記基板
のプレス加工によって成形した凸部で構成したことを特
徴とする。
【0012】そして、上記構成によれば、一対の基板間
に組み込まれる入力レバー及びバランスレバーと、作用
力を受ける複数のピン機能部とを備えて予め組立体とし
て組み立てられるシュー駆動機構は、複数のピン機能部
の一部に、基板のプレス加工によって成形した凸部を適
用している。その結果、シュー駆動機構は、組立性の向
上及び部品点数の削減を実現して、製造コストの低減を
図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドラムブレー
キ装置のシュー駆動機構の好適な実施の形態を図面に基
づいて詳細に説明する。図1乃至図4は本発明に係るド
ラムブレーキ装置のシュー駆動機構の一実施の形態を示
したもので、図1は本発明に係るシュー駆動機構を使用
したドラムブレーキ装置の正面図、図2はシュー駆動機
構の上部基板を取り除いた状態の拡大図、図3は図4は
シュー駆動機構の組立状態の外観図で、(a)は正面
図、(b)は側面図、(c)は裏面図、図4はシュー駆
動機構の上部基板の一部を切欠いた斜視図である。
【0014】この実施形態のドラムブレーキ装置は、所
謂、デュオサーボ式ドラムブレーキ装置で、略円筒形の
図示せぬドラム内の空間に対向配備されるプライマリ・
シュー3及びセカンダリ・シュー4の一対のブレーキシ
ュー3、4と、これらのブレーキシュー3、4の一方の
対向端側に配設されて各ブレーキシュー3、4をドラム
に押圧するシュー操作力を発生する操作力発生手段6
と、操作力発生手段6の発生する操作力を各ブレーキシ
ュー3、4に伝達するシュー駆動機構7と、一対のブレ
ーキシュー3、4の他方の対向端間に配設されてプライ
マリ・シュー3の出力をセカンダリ・シュー4に入力す
るリンク機能を兼ねたアジャスタユニット8と、これら
の構成部材を支持するバッキングプレート9と、バッキ
ングプレート9上に立設されて各ブレーキシュー3、4
からのアンカ反力を受けるアンカピン11、12とを備
えている。なお、図示せぬドラムは、バッキングプレー
ト9と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回
転する。
【0015】以上のブレーキシュー3、4は、ドラムの
内周に向かって移動可能に、シューホールドダウン装置
14によりバッキングプレート9に取り付けられてい
る。各ブレーキシュー3、4の操作力発生手段6側の端
部は、シューリターンスプリング15、16を介してア
ンカピン11に連結され、それぞれのシューの端部が互
いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に
付勢されている。また、各ブレーキシュー3、4はアジ
ャスタユニット8側の端部相互が、アジャスタスプリン
グ13の付勢力によって、アジャスタユニット8の端部
に当接した状態が維持されるように付勢されている。
【0016】本実施の形態の場合、操作力発生手段6
は、液圧式アクチュエータで、図2に示すように、ブレ
ーキ操作に応じて液圧がシリンダ6a内の液室6bに供
給されると、その液圧によって変位するピストン6cか
らロッド6dを介してシュー駆動機構7の入力レバー3
4に、シュー操作力が出力される。図1に戻って、アジ
ャスタユニット8は、本来は、各ブレーキシュー3、4
のライニング3c、4cの摩耗の進行に応じて、これら
のブレーキシュー3、4の端部間の間隔を調整するもの
で、アジャスタスプリング13の付勢力によって先端が
アジャスタユニット8上の調整用歯車8aに当接したア
ジャスタレバー17の回動動作で、ブレーキシュー3、
4の端部間の間隔を自動調整するように構成されてい
る。
【0017】アジャスタレバー17には、アジャスタ駆
動機構10が連結されていて、アジャスタ駆動機構10
が、セカンダリ・シュー4の拡開時の移動量に応じてア
ジャスタレバー17に回動力を作用させ、所定の回動動
作をさせる。
【0018】一対のアンカピン11、12相互は、図示
のように、ドラムの径方向外周寄りの位置に、互いに周
方向に離間して配置されている。一方のアンカピン11
はプライマリ・シュー用であり、他方のアンカピン12
はセカンダリ・シュー用である。
【0019】この実施の形態のシュー駆動機構7は、図
2及び図3に示すように、プライマリ・シュー用のアン
カピン11に回動可能に嵌合装着される上下一対の基板
25、26と、この基板25、26上のプライマリ・シ
ュー用のアンカピン11の挿通位置からドラムの周方向
に適宜離間した位置に立設されたセカンダリ・シュー用
のアンカピン12と、基板25、26上のプライマリ・
シュー用のアンカピン11の挿通位置からドラムの径方
向内側に離間した位置に立設されたピン機能を有する第
1のレバー支持軸28と、基板25、26上の第1のレ
バー支持軸28とプライマリ・シュー用のアンカピン1
1の挿通位置との中間位置に突設されたピン機能を有す
る第2のレバー支持軸30と、基板25、26間に組み
込まれたバランスレバー32及び入力レバー34とで構
成されている。
【0020】ここで、この実施の形態の特長的構成は、
セカンダリ・シュー用のアンカピン12及び第1のレバ
ー支持軸28はピンを用いて構成されるものの、第2の
レバー支持軸30に関しては、下部基板26のプレス加
工によって成形された凸部とされている。すなわち、第
2のレバー支持軸30は、図3及び図4に示すように、
下部基板26の表面をプレス加工で大きく押し出した第
1の領域30aを、更にその中央部をプレス加工で受け
部を深く押し出した第2の領域30bに形成すること
で、所定径及び高さを有する凸部に成形されている。な
お、凸部の高さは、図4にも示すように、上部基板25
の内表面に当接する高さである。
【0021】一対の基板25、26は、バランスレバー
32及び入力レバー34を挟んで対向した状態に、セカ
ンダリ・シュー用のアンカピン12及び第1のレバー支
持軸28により結合される。各基板25、26には、プ
ライマリ・シュー用のアンカピン11と回転自在に嵌合
する嵌合孔25a、26aが貫通形成されている。セカ
ンダリ・シュー用のアンカピン12、第1のレバー支持
ピン28は、何れも、上部基板25に当接する拡径した
頭部12a、28aと、上下基板25、26を挿通する
軸部12b、28bとを有した構成で、軸部12b、2
8bには、下部基板26からの抜け止めをする止め輪3
6がそれぞれ装着されて組立状態とされる。
【0022】バランスレバー32は、基端が第1のレバ
ー支持軸28に回動自在に嵌合支持されると共に、先端
側には第2のレバー支持軸30が挿通して第1のレバー
支持軸28周りの揺動範囲を規制する揺動規制孔32a
が貫通形成され、且つ、先端側外周がプライマリ・シュ
ー3の一端に当接されている。揺動規制孔32aは、図
2及び図3に示すように、バランスレバー32が第1の
レバー支持軸28を中心に回動できるように、周縁の一
部が開放した切欠穴である。
【0023】入力レバー34は、図2に示すように、バ
ランスレバー32の中間部に当接する入力伝達部34a
と、操作力発生手段6からシュー操作力を受ける入力受
け部34bと、セカンダリ・シュー4の一端に当接する
シュー当接部34cとを備えて、操作力発生手段6から
入力したシュー操作力をバランスレバー32及びセカン
ダリ・シュー4に伝達する。入力伝達部34aは、入力
レバー34の揺動時に円滑にバランスレバー32に操作
力を伝達できるように、バランスレバー32の中間部に
滑らかな曲面で凹凸嵌合している。入力受け部34b
は、操作力発生手段6の端部が係合する凹部である。ま
た、シュー当接部34cは、入力レバー34の揺動時に
円滑にセカンダリ・シュー4に操作力を伝達できるよう
に、滑らかな突曲面とされている。
【0024】以上のシュー駆動機構7は、基板25、2
6間にバランスレバー32と入力レバー34を挟んだ状
態で、且つ、バランスレバー32の揺動規制孔32aに
第2のレバー支持軸30を挿通させた状態で、基板2
5、26にセカンダリ・シュー用のアンカピン12、第
1のレバー支持軸28を組み付け、各ピンを止め輪36
により抜け止めして組立体とした後に、基板25、26
をプライマリ・シュー用のアンカピン11に嵌合装着す
ることで、ドラムブレーキのバッキングプレート9への
組み付けがなされる。
【0025】以上のシュー駆動機構7では、非制動時に
は、バランスレバー32は図2に示すように、揺動規制
孔32aと第2のレバー支持軸30との位置関係が、入
力レバー34側に隙間が空いた状態で、第1のレバー支
持軸28を支点としてプライマリ・シュー3側に揺動可
能になっている。そして、操作力発生手段6からシュー
駆動機構7の入力レバー34にシュー操作力が入力する
と、入力レバー34は、シュー当接部34c又は入力伝
達部34aを回転支点とする揺動を開始しようとして、
入力伝達部34aによってバランスレバー32の中間部
を押圧すると共に、シュー当接部34cによってセカン
ダリ・シュー4をドラムの内周面に向かって押圧する。
入力レバー34の揺動挙動によって入力レバー34から
バランスレバー32の中間部に作用する押圧力は、バラ
ンスレバー32を第1のレバー支持軸28を回転支点と
してプライマリ・シュー3側に揺動させ、プライマリ・
シュー3をドラムの内周面に向かって押し出す。
【0026】そして、バランスレバー32の第1のレバ
ー支持軸28を回転支点としたプライマリ・シュー3側
への揺動は、第2のレバー支持軸30が揺動規制孔32
aの一端に当接すること(当初の隙間がなくなること)
で終了し、その後は、バランスレバー32と基板25、
26とが一体にプライマリ・シュー用のアンカピン11
を中心に揺動して、プライマリ・シュー3をドラムの内
周面に押圧する。入力レバー34の揺動挙動によって入
力レバー34からセカンダリ・シュー4に作用する押圧
力は、セカンダリ・シュー4をドラムの内周面側に変位
させ、セカンダリ・シュー4をドラムの内周面に押圧す
る。以上のように、操作力発生手段6からシュー駆動機
構7の入力レバー34にシュー操作力が入力し、入力レ
バー34の揺動により各ブレーキシュー3、4がドラム
の内周面に押圧されることで制動力が発生する。
【0027】制動力が発生している状態では、セカンダ
リ・シュー4のアンカ反力が基板25、26に立設され
たセカンダリ・シュー用のアンカピン12に作用してい
て、このアンカピン12に作用するアンカ反力は、シュ
ー操作力によって基板25、26に作用している回転モ
ーメントM1とは逆向きの回転モーメントM2を基板2
5、26に作用させる。そのため、シュー操作力に対し
てアンカ反力が所定倍率に達すると、シュー操作力によ
って基板25、26に作用している回転モーメントM1
と、アンカ反力によって基板25、26に作用している
回転モーメントM2がつり合い状態になる。
【0028】そして、シュー操作力に対してアンカ反力
が所定倍率を越えると、アンカ反力によって基板25、
26に作用している回転モーメントM2がシュー操作力
によって基板25、26に作用している回転モーメント
M1に打ち勝ち、基板25、26がプライマリ・シュー
用のアンカピン11を回転支点として反時計回りに回転
してセカンダリ・シュー4側に揺動する。この基板2
5、26の揺動が、第1及び第2のレバー支持軸28、
30によって係止しているバランスレバー32を介して
入力レバー34を押し戻して、シュー操作力の作用を減
ずる方向の制動制限力を入力レバー34に作用させる。
この結果、シュー駆動機構7は、各ブレーキシュー3、
4のドラムへの押圧力がアンカ反力に応じて制御され
て、制動力の高い効きと安定性との双方を確保すること
ができる。
【0029】また、シュー操作力とアンカ反力とのつり
合い位置は、アンカピン11、12相互の離間寸法L
1、アンカピン11と第1のレバー支持軸28との離間
寸法L2、バランスレバー32上の入力作用位置(入力
伝達部34aの当接位置)から回転支点までの離間距離
L3、入力レバー34上の入力伝達部34aとシュー当
接部34cとの離間距離L4などの寸法を適宜に変更す
ることで、所望の値に自由に設定変更することができ、
アンカ反力の制御が容易にできる。
【0030】しかも、本実施の形態のシュー駆動機構7
は、操作力発生手段6と各ブレーキシュー3、4との間
に配置されて制動力の制御をメカ的に行うため、操作力
発生手段6としては、従来の油圧式ホイールシリンダ等
の液圧式のアクチュエータだけでなく、電動モータ等の
電動式のアクチュエータや、駐車ブレーキ等に利用され
る手動式の操作力発生手段6にも適合するため汎用性が
高く、ブレーキ機能のインテリジェント化や車両のハイ
ブリッド化等のための電動化にも好適である。
【0031】更には、シュー駆動機構7は、基板25、
26と、セカンダリ・シュー4用のアンカピン12と、
第1及び第2のレバー支持軸28、30と、バランスレ
バー32と、入力レバー34とで構成されており、構成
する部品点数が比較的に少なくて済むうえ、第2のレバ
ー支持軸30に関しては、下側基板26をプレス加工に
より成形したピン相当機能部としているので、部品点数
の一層の削減と同時に、ユニット化が容易になって、製
造コストの低減が得られる。しかも、シュー駆動機構7
は、図3及び図4に示したように、予めユニットとして
組み立てた後に、そのユニットを一対のブレーキシュー
間に組み付ける構成のため、構成部材を一つ一つ順に一
対のブレーキシュー間に組み付ける従来のものと比較す
ると、組立作業性の向上も図ることができる。従って、
デュオサーボ式のドラムブレーキ装置等に利用すること
で、制動力の高い効きと安定性を確保すると同時に、優
れた汎用性により電動化が容易で、また、組立性の向上
により、ブレーキ装置としての製造コストの低減を図る
ことができる。
【0032】なお、上記の実施の形態では、シュー駆動
機構7は、センカダリ・シュー用のアンカピン12、第
1及び第2のレバー支持軸28,30のうち、アンカピ
ン12及び第1のレバー支持軸28にはピンを適用し、
第2のレバー支持軸30には下部基板26のプレス加工
によって成形した凸部を用いる構成としたが、必要な機
械的強度が得られるなら、センカダリ・シュー用のアン
カピン12、あるいは、第1のレバー支持軸28をプレ
ス加工によって形成することもできる。更に、上下基板
25,26同士の位置決めが確実に行え、しかも、結合
強度が得られるのなら、プレス加工によるピン相当機能
部を複数箇所に適用することもできる。
【0033】また、上記の実施の形態では、下部基板に
プレス加工を適用してピン相当機能部を成形する構成と
したが、上部基板をプレス加工したものであっても構わ
ない。また、一方の基板のプレス加工では所望の押し出
し量が得られないようであれば、上下基板にそれぞれプ
レス加工を施して双方よりピン相当機能部をセンタ出し
することもできる。
【0034】
【発明の効果】本発明のドラムブレーキ装置のシュー駆
動機構によれば、バランスレバー及び入力レバーを組み
込んで互いに対向配置される上下基板を、同じくこれら
基板間に組み込まれて作用力を受けると共に、これら基
板同士を結合させる複数のピンのうち、一部を基板のプ
レス加工によって成形したピン相当機能部とすることに
よって、部品点数の削減及び組立性の向上を実現して、
製造コストの低減を図ることができた。
【0035】更には、シュー駆動機構は、基板と、セカ
ンダリ・シュー用のアンカピンと、第1及び第2のレバ
ー支持軸と、バランスレバーと、入力レバーとで構成さ
れており、構成する部品点数が比較的に少なくて済むと
同時に、予めユニットとして組み立てて、一対のブレー
キシュー間に組み付けられる構成のため、構成部材を一
つ一つ順にブレーキシュー間に組み付ける従来のものと
比較すると、組立作業性の向上を図ることができる。従
って、デュオサーボ式のドラムブレーキ装置等に利用す
ることで、ブレーキの高い効きと安定性を確保すると同
時に、優れた汎用性により電動化が容易で、また、組立
作業性の向上により、ブレーキ装置の製造コストの低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシュー駆動機構を適用したドラム
ブレーキ装置の斜視図である。
【図2】図1に示したシュー駆動機構の上部基板を取り
除いた状態の拡大図である。
【図3】図2に示したシュー駆動機構の組立状態の外観
図で、(a)は正面図、(b)は部分断面側面図、
(c)は裏面図である。
【図4】本発明に係るシュー駆動機構の一部破断斜視図
である。
【符号の説明】
3 プライマリ・シュー(ブレーキシュー) 4 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー) 6 操作力発生手段 7 シュー駆動機構 9 バッキングプレート 11、12 アンカピン 25、26 基板 28 第1のレバー支持軸 30 第2のレバー支持軸 32 バランスレバー 32a 揺動規制孔 34 入力レバー 34a 入力伝達部 34b 入力受け部 34c シュー当接部 36 止め輪 41 液圧式アクチュエータ 43 シュー駆動機構 45 液圧式アクチュエータ 47 シュー駆動機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プライマリ・シュー及びセカンダリ・シ
    ューの一対のブレーキシュー間に組み付けられ、操作力
    発生手段の発生するシュー操作力を各ブレーキシューに
    伝達すると共に、アンカ反力に応じてシュー操作力を制
    御するドラムブレーキ装置のシュー駆動機構であって、 互いに対向配置され、プライマリ・シュー用のアンカピ
    ンに回動可能に嵌合装着される一対の基板と、これら基
    板間の所定位置に立設されたセカンダリ・シュー用のア
    ンカピンと、これら基板間の所定位置に立設されたピン
    機能を有する第1のレバー支持軸と、前記第1のレバー
    支持軸と前記プライマリ・シュー用のアンカピンとの中
    間位置に立設されたピン機能を有する第2のレバー支持
    軸と、基端が前記第1のレバー支持軸に回動自在に嵌合
    支持されると共に先端側には前記第2のレバー支持軸を
    挿通して前記第1のレバー支持軸周りの揺動範囲が規制
    され、且つ、先端側外周が前記プライマリ・シューの一
    端に当接させられるバランスレバーと、前記バランスレ
    バー及び前記セカンダリ・シューに当接され前記操作力
    発生手段から入力したシュー操作力を前記バランスレバ
    ー及び前記セカンダリ・シューに伝達する入力レバーと
    を具備し、 前記セカンダリ・シュー用のアンカーピン、第1及び第
    2のレバー支持軸のうち少なくとも一つを前記基板のプ
    レス加工によって成形した凸部で構成したことを特徴と
    するドラムブレーキ装置のシュー駆動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7044275B2 (en) * 2003-06-16 2006-05-16 Akebono Brake Industry Co., Ltd. Drum brake device
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