JP2002179879A - ゴム組成物 - Google Patents
ゴム組成物Info
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Abstract
油性に優れているゴム組成物の提供。 【解決手段】 (A)架橋性ゴム状重合体と、(B)オ
レフィン系樹脂とからなる架橋されたゴム組成物におい
て、(A)架橋性ゴム状重合体の粒子径0.01〜3μ
mの粒子の全体積が全粒子体積中で10%以下であるゴ
ム組成物。
Description
組成物に関するものである。更に詳しくは、耐ブリード
性、外観、感触、耐磨耗性及び耐油性に優れたゴム組成
物に関するものである。
ー等のゴム状重合体とPP等のラジカル架橋性のないオ
レフィン系樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機中
で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋によ
る熱可塑性エラストマー組成物は、既に公知の技術であ
り、自動車部品等の用途に広く使用されている。
て、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)ま
たはメタロセン触媒により製造されたオレフィン系エラ
ストマー(特開平8−120127号公報、特開平9−
137001号公報)が知られている。しかしながら、
上記組成物は耐ブリード性が必ずしも充分でなく、実用
的使用に耐えるゴム組成物が求められている。
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち耐ブリー
ド性、外観、感触、耐磨耗性及び耐油性に優れたゴム組
成物を提供することを目的とするものである。
性に優れたゴム組成物を鋭意検討した結果、ゴム状重合
体が特定の粒子径を有することにより、驚くべきことに
耐ブリード性だけでなく、感触、外観、耐磨耗性、及び
耐油性をも飛躍的に向上せしめることを見出し、本発明
を完成した。
と、(B)オレフィン系樹脂とからなる架橋されたゴム
組成物において、(A)架橋性ゴム状重合体の粒子径
0.01〜3μmの粒子の全体積が全粒子体積中で10
%以下であることを特徴とするゴム組成物を提供するも
のである。
る。
る、(A)架橋性ゴム状重合体と(B)オレフィン系樹
脂とからなる架橋されたゴム組成物である。
の全体積が全粒子体積中で10%以下であることが必須
であり、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以
下、最も好ましくは1%以下であり、極めて好ましくは
上記範囲の粒子径の独立粒子が全く存在しない場合であ
る。図1は、(A)架橋性ゴム状重合体の代表的な形状
を示した図であり、黒塗り部分は(A)成分を示し、白
い部分は(B)成分を示す。
のブリード性成分の拡散を抑制することが重要であり、
そのためにはゴム粒子の表面積を増大させることが必要
となる。本発明者は、特定の粒子径の全体積が上記範囲
の時のみ耐ブリード性、外観、感触、耐磨耗性および耐
油性が向上することを見出し、本発明を完成した。
する。
は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であること
が好ましく、このようなゴム状重合体は、例えば、ポリ
ブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ア
クリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上
記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアク
リル系ゴム及びエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム
(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体ゴム等の架
橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有す
る熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
の中でも、特にエチレン・α−オレフィン共重合体が好
ましく、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフ
ィンを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体が更
に好ましい。
ては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデ
セン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好ま
しく、特に好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン
であり、とりわけプロピレン、ブテン−1、オクテン−
1が最も好ましい。
は、必要に応じて、不飽和結合を有する単量体を含有す
ることができ、例えば、ブタジエン、イソプレン等の共
役ジオレフィン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジオ
レフィン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン誘導体
等の環状ジエン化合物、及びアセチレン類が好ましく、
とりわけエチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロ
ペンタジエン(DCP)が最も好ましい。
・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒
を用いて製造することが好ましい。
ルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導
体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけ
でなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体
の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭
素数3〜20のα−オレフィンの分布が均一である。
オレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合比率が
1〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは
10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量%で
ある。α−オレフィンの共重合比率が60重量%を越え
ると、組成物の硬度、引張強度等が低下する傾向にあ
り、一方、1重量%未満では柔軟性、機械的強度が低下
する傾向にある。
は、0.8〜0.9g/cm3の範囲にあることが好ま
しい。この範囲の密度を有するエチレン・α−オレフィ
ン共重合体を用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の
低い組成物を得ることができる。
フィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが望まし
い。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落とさず
に、共重合されているα−オレフィンの比率(重量%)
に比して、密度をより小さくすることが可能となり、低
密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ることができ
る。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマーとして
は、USP5278272等に記載されている。
は、室温以上にDSCの融点ピークを有することが望ま
しい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度範囲で
は形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツキも少
ない。
−オレフィン共重合体のメルトインデックスは、0.0
1〜100g/10分(190℃、2.16kg荷重)
の範囲のものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.
2〜10g/10分である。100g/10分を越える
と、組成物の架橋性が不十分な傾向にあり、また0.0
1g/10分より小さいと流動性が悪く、加工性が低下
する傾向にある。
フィン共重合体は、複数の種類のものを混合して用いて
も良い。そのような場合には、加工性のさらなる向上を
図ることが可能となる。
の中でも好ましいものの一つとして、熱可塑性エラスト
マーがあるが、その中でも特にポリスチレン系熱可塑性
エラストマーが好ましく、芳香族ビニル単位と共役ジエ
ン単位からなるブロック共重合体、または上記共役ジエ
ン単位部分が部分的に水素添加またはエポキシ変性され
たブロック共重合体等が挙げられる。
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニアー
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を
結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体である
ことが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、
SBSBの4型のリニアーブロック共重合体が好まし
い。
体のもう一つの好ましいものは、主鎖および側鎖に二重
結合を有する単独重合体及び/またはランダム共重合体
からなる不飽和ゴムの全二重結合の50%以上が水素添
加された水素添加ゴムである。
%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%
以上が水素添加され、そして主鎖の残存二重結合が5%
以下、側鎖の残存二重結合が5%以下であることが好ま
しい。このようなゴムの具体例としては、ポリブタジエ
ン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニ
トリル−ブタジエン)、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン等のジエン系ゴムを部分的または完全に水素添加し
たゴム状重合体を挙げることができ、特に水素添加ブタ
ジエン系または水素添加イソプレン系ゴムが好ましい。
公知の水素添加方法で部分水素添加することにより得ら
れる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Am
er.Chem.Soc.,83,4672(196
1)記載のトリイソブチルボラン触媒を用いて水素添加
する方法、Hung Yu Chen,J.Poly
m.Sci.Polym.Letter Ed.,1
5,271(1977)記載のトルエンスルフォニルヒ
ドラジドを用いて水素添加する方法、あるいは特公昭4
2−8704号公報に記載の有機コバルト−有機アルミ
ニュウム系触媒あるいは有機ニッケル−有機アルミニュ
ウム系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げることが
できる。ここで、特に好ましい水素添加の方法は、低
温、低圧の温和な条件下で水素添加が可能な触媒を用い
る特開昭59−133203号、特開昭60−2201
47号公報あるいは不活性有機溶媒中にて、ビス(シク
ロペンタジエニル)チタニウム化合物と、ナトリウム原
子、カリウム原子、ルビジウム原子またはセシウム原子
を有する炭化水素化合物とからなる触媒の存在下に水素
と接触させる特開昭62−207303号公報に示され
る方法である。
ムーニー粘度(ML)は20〜90、25℃における5
重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、20〜300
センチポイズ(cps)の範囲にあることが好ましい。
特に好ましい範囲は25〜150cpsである。
る吸熱ピーク熱量の制御は、テトラヒドロフラン等の極
性化合物の添加または重合温度の制御により行う。吸熱
ピーク熱量の低下は、極性化合物を増量するか、または
重合温度を低下させて、1,2−ビニル結合を増大させ
ることにより達成される。
重合体は、複数の種類のものを混合して用いても良い。
そのような場合には、加工性のさらなる向上を図ること
が可能となる。
は、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂等であり、特に
制限されないが、中でもプロピレン系樹脂が好ましい。
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共
重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙げられ
る。
の中でも、(B−1)ホモのアイソタクチックポリプロ
ピレンまたは(B−2)エチレンとプロピレンとのラン
ダム共重合樹脂等のプロピレン系ランダム共重合樹脂あ
るいは(B−3)プロピレン系ブロック共重合樹脂が好
ましい。このような架橋型オレフィン系樹脂と分解型オ
レフィン系樹脂の二種のオレフィン系樹脂を組み合わせ
ることにより、外観と機械的強度が更に向上する。
脂として、例えばエチレンとプロピレンのランダム共重
合樹脂を挙げることができ、エチレン成分がポリマー主
鎖中に存在する場合は、それが架橋反応の架橋点とな
り、架橋型オレフィン系樹脂の特性を示す。
脂はα−オレフィンが主成分であり、ポリマー主鎖中に
エチレン単位を含まないことが好ましい。但し、プロピ
レン系ブロック共重合樹脂のようにエチレン・α−オレ
フィン共重合体が分散相として存在する場合は、分解型
オレフィン系樹脂の特性を示す。
−2)プロピレン系ランダム共重合樹脂、(B−3)プ
ロピレン系ブロック共重合樹脂の組み合わせでも良い。
オレフィン系樹脂のメルトインデックスは、0.1〜1
00g/10分(230℃、2.16kg荷重)の範囲
のものが好ましく用いられる。100g/10分を越え
ると、組成物の耐熱性、機械的強度が不十分となる傾向
にあり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪
く、成形加工性が低下する傾向にある。
ィン系樹脂からなる組成物100重量部において、
(B)オレフィン系樹脂は、1〜99重量部の組成比で
用いられる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましく
は20〜80重量部である。1重量部未満では組成物の
流動性、加工性が低下する傾向にあり、99重量部を越
えると組成物の柔軟性が不十分となる傾向にある。
架橋剤で架橋されることが好まい。(C)架橋剤は、
(C−1)架橋開始剤を必須成分とし、必要に応じて
(C−2)多官能単量体、(C−3)単官能単量体を含
有する。
重合体と(B)オレフィン系樹脂からなる組成物100
重量部に対し0.01〜10重量部、好ましくは0.0
5〜3重量部の量で用いられる。0.01重量部未満で
は架橋が不十分となる傾向にあり、10重量部を越える
と組成物の外観、機械的強度が低下する傾向にある。
酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤等が挙げら
れ、具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類を挙げることができる。
リルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、および
クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類
を挙げることができる。
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類を挙げることができる。
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
剤成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは
10〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満では
架橋が不十分である傾向にあり、80重量%を越えると
機械的強度が低下する傾向にある。
(C−2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合
性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのまし
い。官能基の数は2以上であるが、(C−3)単官能単
量体との組み合わせで特に3個以上の官能基を有する場
合には有効である。具体例としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオ
キシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フ
ェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、
テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等
が好ましく用いられる。特にトリアリルイソシアヌレー
トが好ましい。これらの多官能単量体は複数のものを併
用して用いてもよい。
橋剤成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましく
は10〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満で
は架橋が不十分である傾向にあり、80重量%を越える
と機械的強度が低下する傾向にある。
単官能単量体は、架橋反応速度を制御するために加える
ビニル系単量体であり、ラジカル重合性のビニル系単量
体が好ましく、芳香族ビニル単量体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、ア
クリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量
体、アクリル酸単量体、メタクリル酸単量体、無水マレ
イン酸単量体、N−置換マレイミド単量体等を挙げるこ
とができる。
橋剤成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましく
は10〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満で
は架橋が不十分である傾向にあり、80重量%を越える
と機械的強度が低下する傾向にある。
向上させるために、必要に応じて、(D)軟化剤を配合
することができる。
テン系などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成
物の硬度、柔軟性の調整用に、(A)架橋性ゴム状重合
体と(B)オレフィン系樹脂からなる組成物100重量
部に対して、5〜500重量部、好ましくは10〜15
0重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、加工性が不
足する傾向にあり、500重量部を越えるとオイルのブ
リードが顕著となる傾向にある。
の粒子径の制御は、(C−1)架橋開始剤、架橋助剤の
種類、添加量、反応温度、反応方式により行われる。本
発明の要件を満足する、大粒子であり、かつ不均一粒子
であるためには、(A)架橋性ゴム状重合体と(B)オ
レフィン系樹脂の溶融粘度比を大きくすることが重要で
ある。また架橋速度を高めることによっても達成するこ
とができる。具体的には、(A)架橋性ゴム状重合体に
比較して低分子量の(B)オレフィン系樹脂を用いるこ
とである。また、(C−1)架橋開始剤または架橋助剤
を増量し、かつ(C−1)架橋開始剤の分解温度以上
の、できるだけ高温・長時間反応を行うことにより達成
される。また架橋助剤として(C−2)多官能単量体を
用い、2官能より3官能単量体がより好ましい。但し、
(C−1)架橋開始剤、架橋助剤の過度の添加、また
は、過度に高活性な(C−1)架橋開始剤、架橋助剤、
または高温反応条件は、ゴム状重合体の凝集が発生し、
本発明の要件を満足しない場合がある。
橋性ゴム状重合体、(B)オレフィン系樹脂等の熱可塑
性樹脂、(D)軟化剤を特定の組成比で組み合わせるこ
とにより、機械的強度と柔軟性、加工性のバランスが改
善され、好ましく用いることができる。
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例
えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カ
ーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マ
イカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DO
P)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その
他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオ
イル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗
菌剤等も好適に使用される。
成物、ゴム組成物の製造に用いられるバンバリーミキサ
ー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の一般的な
方法を採用することが可能である。とりわけ効率的に動
的架橋を達成するためには2軸押出機が好ましく用いら
れる。2軸押出機は、(A)架橋性ゴム状重合体と
(B)オレフィン系樹脂とを均一かつ微細に分散させ、
さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせしめ、
本発明の組成物を連続的に製造するのに、より適してい
る。
次のような加工工程を経由して製造することができる。
すなわち、(A)架橋性ゴム状重合体と(B)オレフィ
ン系樹脂とをよく混合し、押出機のホッパーに投入す
る。(C)架橋剤を、(A)架橋性ゴム状重合体と
(B)オレフィン系樹脂とともに当初から添加してもよ
いし、押出機の途中から添加してもよい。また(D)軟
化剤を押出機の途中から添加してもよいし、当初と途中
とに分けて添加してもよい。(A)架橋性ゴム状重合体
と(B)オレフィン系樹脂の一部を押出機の途中から添
加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際に、
前記(A)架橋性ゴム状重合体と(C)架橋剤とが架橋
反応し、さらに(D)軟化剤を添加して溶融混練するこ
とにより架橋反応と混練分散とを充分させたのち押出機
から取り出すことにより、本発明の組成物のペレットを
得ることができる。
料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL
/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二軸
押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端部
からの距離を異にするメインフィード部とサイドフィー
ド部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部
の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用
部との間にニーディング部分を有し、上記ニーディング
部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ま
しい。
一つの二軸押出機は、二軸同方向回転押出機でも、二軸
異方向回転押出機でもよい。また、スクリューの噛み合
わせについては、非噛み合わせ型、部分噛み合わせ型、
完全噛み合わせ型があり、いづれの型でもよい。低いせ
ん断力をかけて低温で均一な樹脂を得る場合には、異方
向回転・部分噛み合わせ型スクリューが好ましい。やや
大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合
わせ型スクリューが好ましい。さらに大きい混練を要す
る場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリュー
が好ましい。
の混練度を満足することがより好ましい。 M=(π2/2)(L/D)D3(N/Q) 10×106≦M≦1000×106 但し、L:原料添加部を基点としてダイ方向の押出機長
(mm)、D:押出機バレル内径(mm)、Q:吐出量
(kg/h)、N:スクリュー回転数(rpm)
化、凝集するために外観が低下する傾向にあり、一方M
が1000×106を越えると過度のせん断力のため
に、機械的強度が低下する傾向にある。
するためには、以下の関係式の溶融温度を満足すること
が好ましい。即ち、溶融温度T2(℃)で、まず溶融混
練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練し、とりわ
け原料添加口を基点としてダイ方向に長さLを有する溶
融押出機において、原料添加口から0.1L〜0.5L
の長さの押出機ゾーンを溶融温度T2(℃)で、まず溶
融混練し、次いでその後の押出機ゾーンを溶融温度T3
(℃)で溶融混練する。
ることが好ましく、溶融押出機の各ゾーンのT2または
T3は均一温度であっても良いし、または温度勾配を有
していても良い。 T1:(C)架橋剤の1分間半減期温度(℃) T1−100<T2<T1+40 T2+1<T3<T2+200
形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押
出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡
成形等が好ましく用いられる。
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中の500個
のゴム状重合体の各粒子を以下の方法で算出する事によ
り得られる。すなわち、各粒子の粒子径は各粒子の面積
Sを求め、Sを用いて、(4S/π)0.5を各粒子の粒
子径とする。また粒子体積は粒子面積Sの3/2乗のS
1.5で定義し、全粒子体積は各粒子体積の和で表され
る。
いても、それが凝集して互いに接触している場合は、凝
集粒子を1つの粒子として扱う。
を観察し評価した。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:成形品表面に少しオイル状物質が付着している。 ×:成形品表面にオイル状物質が多量に付着し、べたつ
き感が著しい。
下の通り。 温度条件:23℃雰囲気下 ストローク:120mm 周波数:1往復/2秒 荷重:200g 摩擦物:綿布100% かなきん3号(JIS L 0
803準拠)三つ折りにして装着 接触面積:1平方cm
の摩擦往復回数で示した。
(べたつきの無いこと)と指紋跡が成形品表面に残るか
否かを評価した。 ◎:極めて手触り感が良好かつさらっとしており、指紋
跡も残らない。 ○:成形品表面に指紋の跡が残るが、べたつきは感じら
れない。 ×:指紋跡が残り、べたつき感や、ぬめり感がある。
た後に、組成物シートを80℃の流動パラフィン中で2
0時間静置した後に、組成物シートの重量(W 1)を測
定し、以下のように重量変化率を算出する。ここで、数
値が小さいほど耐油性が優れていることを示す。 重量変化率=(W1−W0)/W0×100(%)
重クロロホルムに溶解し、FT−NMR(270メガ、
日本電子製)にて化学シフト4.7〜5.2ppm(シ
グナルC0とする)の1,2−ビニルによるプロトン
(=CH2)と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シ
グナルD0とする)のビニルプロトン(=CH−)の積
分強度より、次式で計算した。 (V)=〔0.5C0/{0.5C0+0.5(D0−
0.5C0)}〕×100
ムを重クロロホルムに溶解し、同様にFT−NMRに
て、化学シフト0.6〜1.0ppm(シグナルA1と
する)の水素添加された1,2結合によるメチル基プロ
トン(−CH3)、化学シフト4.7〜5.2ppm
(シグナルC1とする)の水素添加されていない1,2
−ビニルによるプロトン(=CH2)、化学シフト5.
2〜5.8ppm(シグナルD1とする)の水素添加さ
れていないビニルプロトン(=CH−)の積分強度から
次式により計算した。
1/3)、A11=pA1,C11=pC1,D11=
pD1とし、 1,2−ビニル結合部分の水素添加率(B) (B)=〔(A11/3)/{A11/3+C11/
2}〕×100 1,4−二重結合部分の水素添加率(C) (C)=[{0.5(D0−0.5C0)−0.5(D
11−0.5C11)}/0.5(D0−0.5C
0)]×100 ブタジエン部全体の水素添加率(A) (A)=(V)×(B)/100+〔100−(V)〕
×(C)×100
00(%) 水素添加前の1,4結合={100−(V)}×(C)
/100(%) 水素添加後の1,2−ビニル結合=(V)×{100−
(B)}/100(%) 水素添加後の1,4−結合={100−(V)}×{1
00−(B)}/100(%)
のを用いた。
1) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテン−1の組成比は、72/28(重量比)である
(TPE−1と称する)。 2)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−
2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/2
8(重量比)である(TPE−2と称する)。 3)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
(ENB)共重合体(TPE−3)
タロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体の
エチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24
/4(重量比)である(TPE−3と称する)。
タクチックホモポリプロピレン[MFR(1〜60g/
分)(ASTM D 1238に準じ、230℃、2.
16kg荷重)](PPと称する)。
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POX−1と称する) 2)架橋開始剤(C−1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(商品名パーヘキシン
25B)(POX−2と称する) 3)多官能単量体(C−2) 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) 4)多官能単量体(C−2) 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TA
ICと称する) 5)多官能単量体(C−2) 大内新興化学(株)製、N,N’−mフェニレンビスマ
レイミド(PMIと称する) 6)単官能単量体(C−3) 旭化成工業(株)製、メタクリル酸メチル(MMAと称
する)
0(MOと称する)
央部に注入口を有した11ブロックからなる二軸押出機
(25mmφ、L/D=47)を用いて、(A)TPE
−1/(B)PP/(C−1)POX−1/(C−2)
TAIC/(E)MO=70/30/0.5/1.0/
40(重量比)からなる組成物を以下の溶融条件を基準
として、以下の方式で溶融混練を行った。スクリューと
しては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを
用いた。尚、ゴム状重合体の粒子径の制御は、PPのM
FR、POX、TAICの量、スクリュー回転数、シリ
ンダー設定温度の変更により行った。大粒子であり、か
つ不均一粒子であるためには、(A)(B)の粘度比を
高め、かつ凝集物が生成しない範囲で架橋速度を促進す
ることが重要である。具体的には、高MFRのPPを用
い、かつPOXまたはTAICを増量し、かつPOXの
分解温度以上の、できるだけ高温反応を行うことにより
達成される。
物から200℃にて射出成形により2mm厚のシートを
作成し、各特性を評価した。その結果を表1に示した。
合には、耐ブリード性、射出成形外観、感触、耐磨耗
性、及び耐油性に優れていることが分かる。
(A)として、水素添加ゴム、TPE−2,TPE−3
に変更すること以外、同様の実験を繰り返した。但し、
粒子径が0.01〜3μmであるゴム粒子体積が全粒子
体積中で10%以下となるように反応条件を制御した。
その結果を表2に記載した。
触媒を用いて製造されたエチレンと炭素数3〜20のα
−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合
体及び/または主鎖および側鎖に二重結合を有する単独
重合体及び/またはランダム共重合体からなる不飽和ゴ
ムの全二重結合の50%以上が水素添加された水素添加
ゴムを用いた場合は、耐ブリード性、射出成形外観、感
触、耐磨耗性、及び耐油性に優れていることが分かる。
(C−1)(C−2)を表3記載の(C−1)(C−
2)(C−3)に変更すること以外、同様の実験を繰り
返した。但し、粒子径が0.01〜3μmであるゴム粒
子体積が全粒子体積中で10%以下となるように反応条
件を制御した。その結果を表3に示した。尚、(C−
2)(C−3)を併用する場合は、両者を等量使用し
た。
を用いる場合は耐ブリード性が特に優れていることが分
かる。
外観、感触、耐磨耗性及び耐油性に優れている。
動車用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部
品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、
建材、シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使
用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。
した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)架橋性ゴム状重合体と、(B)オ
レフィン系樹脂とからなる架橋されたゴム組成物におい
て、(A)架橋性ゴム状重合体の粒子径0.01〜3μ
mの粒子の全体積が全粒子体積中で10%以下であるこ
とを特徴とするゴム組成物。 - 【請求項2】 (A)架橋性ゴム状重合体が、エチレン
と炭素数3〜20のα−オレフィンを含有するエチレン
・α−オレフィン共重合体、または主鎖および側鎖に二
重結合を有する単独重合体及び/またはランダム共重合
体からなる不飽和ゴムの全二重結合の50%以上が水素
添加された水素添加ゴムから選ばれる一種以上の架橋性
ゴム状重合体であることを特徴とする請求項1記載のゴ
ム組成物。 - 【請求項3】 (C)架橋剤で架橋され、更に(D)軟
化剤を添加することを特徴とする請求項1または2記載
のゴム組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320535A (ja) * | 2004-04-16 | 2005-11-17 | Polimeri Europa Spa | Ep(d)mポリマーおよびep(d)mのポリアルファ−オレフィン混合物の粘弾性特性の改良方法 |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPH0425531A (ja) * | 1990-05-21 | 1992-01-29 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 |
JP2000044692A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-15 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 自動車内装部品 |
-
2000
- 2000-12-13 JP JP2000378266A patent/JP4489937B2/ja not_active Expired - Lifetime
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