JP2002179677A - 光学活性イミダゾリルアセトニトリル誘導体及びその製造方法 - Google Patents

光学活性イミダゾリルアセトニトリル誘導体及びその製造方法

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JP2002179677A
JP2002179677A JP2001328025A JP2001328025A JP2002179677A JP 2002179677 A JP2002179677 A JP 2002179677A JP 2001328025 A JP2001328025 A JP 2001328025A JP 2001328025 A JP2001328025 A JP 2001328025A JP 2002179677 A JP2002179677 A JP 2002179677A
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Hiroyoshi Kodama
浩宜 児玉
Yoshiki Niwano
吉己 庭野
Kazuo Kanai
和夫 金井
Masanori Yoshida
正徳 吉田
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Nihon Nohyaku Co Ltd
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Nihon Nohyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) ; 【化1】 で表される(R)−(−)−(E)−〔4−(2,4−
ジクロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデ
ン〕−1−イミダゾリルアセトニトリル及びその塩類、
並びにその製造方法。 【効果】 本発明化合物は優れた抗真菌活性を有してお
り人間や動物の真菌感染症治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は構造式(I) ;
【化5】 で表される(R)−(−)−(E)−〔4−(2,4−
ジクロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデ
ン〕−1−イミダゾリルアセトニトリル(以下、化合物
Bという)及びその塩類並びにその製造方法に関するも
のである。
【0002】従来、抗真菌活性を有する種々のアゾール
系化合物が知られているが、特開昭60−218387
号公報には一般式(a) ;
【化6】 で表されるイミダゾール化合物が開示され、更に特開昭
62−93227号公報には抗真菌剤として有用である
ことが記載されている。又、特開平2−275877号
公報には上記イミダゾール化合物のうち、特定の化合物
の光学活性化合物がラセミ体に比べて白癬菌(Trichoph
yton mentagrophytes)に対して約1.4倍の活性を示す
ことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗真菌活性に
対して、ラセミ体と比して更に優れた活性を示す光学活
性体である(R)−(−)−(E)−〔4−(2,4−
ジクロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデ
ン〕−1−イミダゾリルアセトニトリル及びその製造方
法並びにその使用方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、一般式(I) で表される化合物B及びその薬理学
的に許容される塩類、即ち(R)−エナンチオマー体が
皮膚糸状菌類の中でも特に高感受性株に対してそのラセ
ミ体に比して数倍の抗真菌活性を有すること、及び文献
未記載の新規化合物である化合物Bはそれらのラセミ体
に比しても予測できない抗真菌活性を有することを見い
だし、本発明を完成させたものである。特にTrichophyt
on rubrum に対して化合物Bは感受性が高く、そのラセ
ミ体に比して2〜4倍の抗真菌活性を有している。
【0005】本発明の一般式(I) で表される化合物Bは
下記に図示する製法により製造することができる。
【化7】 (式中、X1 及びX2 は同一又は異なっても良く、メタ
ンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子を示
し、Mはアルカリ金属原子を示す。) 即ち、特開平2−275877号公報に記載の製造方法
と同様に、一般式(II)で表される(S)の立体配置を有
する光学活性グリコール誘導体あるいはその等価体と、
一般式(III) で表されるジチオレート塩とを反応させる
ことにより目的物である化合物B を製造することができ
る。一般式(II)で表される光学活性グリコール誘導体に
おけるX1及びX2のハロゲン原子としては、例えば塩素原
子、臭素原子又はヨウ素原子を例示することができ、一
般式(III) で表されるジチオレート塩におけるアルカリ
金属原子としては、例えばリチウム、ナトリウム又はカ
リウム等のアルカリ金属原子を例示することができる。
【0006】一般式(III) で表されるジチオレート塩
は、下記に示す1−シアノメチルイミダゾールと二硫化
炭素を塩基及び不活性溶媒の存在下に反応させることに
より製造することができる。
【化8】 (式中、Mは前記に同じ。)
【0007】本反応で使用できる不活性溶媒としては本
反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル等の極性溶媒、水及びこれ
らの混合溶媒を用いることができる。塩基としては、例
えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等をあげることができ、これらは固
体のまま又は不活性溶媒に溶解させて使用でき、塩基の
使用量は1−シアノメチルイミダゾールに対して等モル
又は過剰量用いることができる。
【0008】反応温度は0〜100℃の範囲で選択すれ
ばよいが、望ましくは室温付近である。反応時間は0.
5〜24時間の範囲から選択できる。得られた化合物は
E及びZの幾何異性体混合物であるが、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー、分別結晶等の方法により目的と
する一般式(III) で表されるE−異性体を単離精製でき
る。分別結晶及び再結精製溶媒として、エタノール、酢
酸エチル、エーテル、ヘキサン、アセトン等及びこれら
の混合溶媒を用いることができるが、特に限定されるも
のではない。
【0009】一般式 (II) で表される光学活性原料化合
物は以下に図示する製造方法1〜3の公知の方法によっ
て製造することができる。 製造方法1.
【化9】 (式中、X1及びX2は前記に同じ。) 即ち、2,4−ジクロロスチレンから公知の方法〔J.
Org.Chem.(1992),57,2768〕で
製造することができる(S)−1−(2,4−ジクロロ
フェニル)エタン−1,2−ジオールを適当なハロゲン
化剤(例えば、塩化チオニル、三臭化リン、四塩化炭素
/トリフェニルフォスフィン等)又はメタンスルホニル
クロリド、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスル
ホニルクロリド等の活性化剤と反応させることによって
製造することができる。
【0010】製造方法2.
【化10】 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、X2は前記に
同じ。) 一般式(II)で表される化合物の中で、X1 が塩素原子又
は臭素原子の化合物(一般式(IIa) )は上記に図示する
ように、2,4−ジクロロスチレンから公知の方法
〔J.Am.Chem.Soc.,(1991),11
,7063〕で製造される(R)−1−(2,4−ジ
クロロフェニル)−スチレンオキシドをハロゲン化水素
と反応させることにより一般式(IV)で表されるハロアル
コール類とし、次いで該ハロアルコール類を適当なハロ
ゲン化剤(例えば、塩化チオニル、三臭化リン、四塩化
炭素/トリフェニルフォスフィン等)又はメタンスルホ
ニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼン
スルホニルクロリド等の活性化剤と反応させることによ
り一般式(IIa) で表される目的物を製造することができ
る。
【0011】一般式(II)で表される化合物の中でX2
塩素原子又は臭素原子の化合物である一般式(IIb) で表
される化合物は、製造方法3に示す方法によって製造す
ることができる。 製造方法3.
【化11】 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、X1は前記に
同じ。) 即ち、2,4−ジクロロフェナシルハライドから公知の
方法〔ModernSynthetic Method
s,,115(1989)〕で合成できる構造式
(V)で表されるハロアルコール類を適当なハロゲン化
剤(例えば、塩化チオニル、三臭化リン、四塩化炭素/
トリフェニルフォスフィン等)あるいはメタンスルホニ
ルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンス
ルホニルクロリド等の活性化剤と反応させることによっ
て得ることができる。
【0012】本発明組成物は、人間や動物の真菌感染を
治療するのに有用な抗真菌剤である。例えば、これらは
白癬菌属(Trichophyton) 、カンジダ属(Candida) 、ア
スペルギルス属(Aspergillus) 等に起因する局所性真菌
感染、粘膜感染、全身性真菌感染等の治療に用いること
ができる。本発明の化合物B及びその薬理学的に許容さ
れる塩類は、単独でもしくは医薬上許容される不活性な
担体又は希釈剤からなる組成物を経口もしくは非経口投
与に適した投与剤型、例えば液剤、錠剤、乳化剤、軟
膏、クリーム、ローション、パップ剤等に調製して使用
される。投与量は、年齢、体重、投与形態によって異な
るが、全身的治療の場合には、通常成人1日当たり体重
1kg当たり0.05mg以上、好ましくは0.5〜5
0mgを1回又は数回に分けて投与することができる。
局所的治療、例えば塗布剤の場合、有効成分の濃度が
0.001%以上、好ましくは0.1〜2%が最適で、
塗布量は1cm2 当たり30mg〜100mgの範囲で
塗布すれば良い。本剤の適用にあたっては、他の抗真菌
剤、抗菌剤、例えばアンホテシンB、トリコマイシン、
バリトイン、クロトリマゾールなどと混合して使用して
もよい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態として実
施例、参考例、処方例及び試験例を示すが、本発明はこ
れらのみに限定されるものではない。尚、部は重量部を
示す。 実施例1(製造方法3による化合物Bの製造) 1−(a). (S)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)−2−ブロモエタノールの製造。
【化12】 (S)−3,3−ジフェニル−1−メチルテトラヒドロ
−1,3−ピロロ−〔1,2−〕〔1,3,2〕オキサ
ザボロール300mgを乾燥テトラヒドロフラン(TH
F)5mlに加え、次に−20℃でボラン−THF1.
0M溶液8mlを滴下した。その後同温度で2,4−ジ
クロロフェナシルブロマイド2.7gのTHF8ml溶
液を滴下した。室温まで昇温した後、3時間攪拌し、メ
タノール10mlを加え過剰のボランを分解した後、反
応液を水中に注ぎ込みエーテルで抽出した。有機層を水
洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒
を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)で精製する
ことにより目的物2.5gを光学純度80%eeで得た
【0014】1−(b).(S)−〔1−(2,4−ジ
クロロフェニル)−2−ブロモ−エチル〕メタンスルホ
ネートの製造。
【化13】 (S)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ブロ
モエタノール1.6gを塩化メチレン30mlに溶解
し、次にトリエチルアミン660mgを加え、氷冷下で
メタンスルホニルクロライド750mgを滴下した。室
温で1時間攪拌した後、反応液を水洗し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去することによ
り目的物の粗生成物1.9gを得た。得られた粗生成物
は精製することなく次の反応へ使用した。
【0015】1−(c). (R)−(−)−(E)−
〔4−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジチオ
ラン−2−イリデン〕−1−イミダゾリルアセトニトリ
ル(化合物B)の製造。
【化14】 水酸化カリウム440mgをDMSO 10mlに加
え、水浴で冷却下に1−シアノメチルイミダゾール30
0mgと二硫化炭素210mgのDMSO 5ml溶液
を滴下した。その後室温で1時間攪拌し、ジチオレート
溶液を調製した。次に(S)−〔1−(2,4−ジクロ
ロフェニル)−2−ブロモ−エチル〕メタンスルホネー
トの粗生成物950mgのDMSO 10ml溶液に、
先に調製したジチオレート溶液を水浴で冷却下に滴下し
た。その後室温で2時間攪拌した後、反応液を氷水中に
注ぎ込み酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧下で留去し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル/n−ヘキサン=2/1)で精製した。得られた結晶
を酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶媒から再結晶する
ことにより目的物350mgを光学純度95%eeで得
た。
【0016】実施例2(製造方法1による化合物Bの製
造) 2−(a). (S)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)−エタン−1,2−ビスメタンスルホネートの製
造。
【化15】 公知の方法〔J.Org.Chem.,57,2768
(1992)〕で合成した(S)−1−(2,4−ジク
ロロフェニル)−1,2−エタンジオール1.5g(光
学純度98%ee)とトリエチルアミン3.1gを塩化
メチレン50mlに溶解し、氷冷下でメタンスルホニル
クロライド3.3gを滴下した。その後、室温で2時間
攪拌した後反応液を水洗し、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去することにより目
的物の粗生成物2.6gを得た。得られた粗生成物は精
製せずに次の反応へ使用した。
【0017】2−(b). (R)−(−)−(E)−
〔4−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジチオ
ラン−2−イリデン〕−1−イミダゾリルアセトニトリ
ル(化合物B)の製造。
【化16】 水酸化カリウム1.09gをDMSO 20mlに加
え、水浴で冷却下に1−シアノメチルイミダゾール75
0mgと二硫化炭素520mgのDMSO 10ml溶
液を滴下した。その後室温で1時間攪拌し、ジチオレー
ト溶液を調製した。 次に(S)−1−(2,4−ジク
ロロフェニル)−エタン−1,2−ビスメタンスルホネ
ートの粗生成物2.61gのDMSO 20ml溶液
に、先に調製したジチオレート溶液を水浴で冷却下で滴
下した。その後室温で2時間攪拌した後、反応液を氷水
中に注ぎ込み酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧下で留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/n−ヘキサン=2/1)で精製した。得られた
結晶を酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶媒から再結晶
することにより目的物1.2gを光学純度99%eeで
得た。 (注):光学純度は光学活性HPLCカラム、Chir
alcel OD(商標名:ダイセル化学工業(株))
を用いたHPLCの面積百分率から算出した。
【0018】 処方例1. 化合物B 10部 ステアリン酸マグネシウム 10部 乳糖 80部 を均一に混合して粉末又は細粒状として散剤とする。 処方例2. 化合物B 50部 澱粉 10部 乳糖 15部 エチルセルロース 20部 ポリビニルアルコール 5部 水 30部 を均一に混合捏和後、破砕造粒し篩別して顆粒剤とする。 処方例3. 化合物B 0.5部 非イオン界面活性剤 2.5部 生理食塩水 97 部 を加温混合後、滅菌して注射剤とする。
【0019】 処方例4. 化合物B 0.01部 0.5%カルボキシメチルセルロース 99.99部 に懸濁させて懸濁液とした。 処方例5. 化合物B 1部 ポリエチレングリコール(PEG)400 99部 を混合溶解して塗布用液剤とした。 処方例6. 化合物B 2部 ポリエチレングリコール 400 49部 ポリエチレングリコール 4000 49部 を加温した混合溶解した後、冷却して軟膏とした。
【0020】 処方例7. 化合物B 3部 1,2−プロパンジオール 5部 グリセロールステアレート 5部 鯨ロウ 5部 イソプロピルミリステート 10部 ポリソルベート 4部 の混合物を加温、冷却し、次いで攪拌しながら水68部を加えクリームとした。 処方例8.化合物B1部、ベンジルアルコール5部、エ
タノール30部、プロピレングリコール47部を混合溶
解し、次いでこの溶液に、ハイピスコーワ104(商標
名、和光純薬(株))を1部と精製水15部からなる水
曜液を加え、均一な溶液を得た。次いで攪拌下に、ジイ
ソプロパノールアミン1部を加えてゲル剤を得た。 処方例9.化合物B1部を、ベンジルアルコール5部と
セバシン酸ジエチル5部に溶解し、セチルアルコール5
部、ステアリルアルコール6部、ソルビタンモノステア
レート1部及びポリオキシエチレンモノステアレート8
部を加えて70℃迄加温溶解した。得られた均一溶液を
70℃に保ちながら70℃に加温した精製水を添加し、
次いで攪拌を続けながら冷却してクリーム組成物を得
た。
【0021】試験例1. 白癬菌に対するin vitro抗真
菌活性 Sabouraud's glucose broth (SGB,1% bacto-pepto
ne及び 4% glucose 含有)を用いたマクロ液体希釈法
(薬剤2倍希釈系列)により最小発育阻止濃度(MI
C)を測定した。SGB9.8mlを分注した試験管
に、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した各化
合物0.1ml及び試験菌分生子懸濁液( 1×106 coni
dia/ml)0.1mlを加え、27℃で7日間培養した。
培養後、菌の生育を観察し、肉眼的に菌の発育を完全に
阻止した化合物の最小濃度をもってMICとした。結果
を表1に示す。
【0022】
【0023】
【0024】(注)菌株A:Trichophyton mentagrophy
tes 菌株B:Trichophyton rubrum ラセミA:特開昭62−93227号に記載のラセミ化
合物である〔4−(2−クロロフェニル)−1,3−ジ
チオラン−2−イリデン〕−1−イミダゾリルアセトニ
トリル。 ラセミB:化合物Bのラセミ体 TBF :(E)−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプ
テン−4−イニル)−N−メチル−1−ナフタレンメタ
ンアミン塩酸塩(一般名:テルビナフィン)。
【0025】試験例2 Candida albicansに対する in
vitro 抗菌活性 0.165Mモルホリノプロパンスルホン酸で緩衝化し
たBPMI 1640(pH7.0)を用いたミクロ液
体希釈法(薬剤2倍希釈系列)により最小発育阻止濃度
(MIC)を測定した。試験菌酵母細胞懸濁液(1〜5
×103 cells/ml) 100μl及び予め各化合物を添加
しておいた培地100μlを平底マイクロカルチャープ
レートの各穴に分注し、35℃にて48時間培養後、6
30nmで各穴の培養濁度を測定し、対照培養の菌の発
育(懸濁液として測定)に対して80%の発育阻害を示
した化合物の最小濃度をもって最小発育阻止濃度(MI
C)とした。結果を表2に示す。
【0026】 (注)FCZ:2−(2,4−ジフロロフェニル)−1,3−ビス(1H−1, 2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロパノール(一般名 ;フルコナゾール)
【0027】試験例3.Aspergillus fumigatus に対す
るin vitro抗菌活性 Casitone agar (0.9% bacto-casitone, 1% bacto-yeast
extract, 2% glucose, 0.1% KH2PO4, O.1% Na2PO4, 1%
Na3C6H5O7及び1.6% agar 含有)を用いた寒天平板希釈
法(薬剤2倍希釈系列)により最小発育阻止濃度(MI
C)を測定した。試験菌分生子懸濁液(1×106conid
ia/ml)の1白金耳量を各化合物を含有する寒天平板上に
画線塗沫し、35℃で48時間培養後、菌の発育を観察
し、肉眼的に菌の発育を完全に阻止した化合物の最小濃
度をもってMICとした。結果を表3に示す。
【0028】 (注)ITZ:(±)−1−sec−ブチル−4−〔p−〔4−〔p−〔〔(2 R* 4S* )−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H −1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオ キソラン−4−イル〕メトキシ〕フェニル〕−1−ピペラジニル 〕フェニル〕−Δ2 −1,2,4−トリアゾリン−5−オン(一 般名;イトラコナゾール)。
【0029】
【発明の効果】本発明の構造式(I):(R)−(−)
−(E)−〔4−(2,4−ジクロロフェニル)−1,
3−ジチオラン−2−イリデン〕−1−イミダゾリルア
セトニトリル及びその塩類は優れた抗真菌活性を有して
おり人間や動物の真菌感染症治療薬として有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C063 AA01 BB04 CC97 DD25 EE01 4H006 AA02 AC81

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式(I) ; 【化1】 で表される(R)−(−)−(E)−〔4−(2,4−
    ジクロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデ
    ン〕−1−イミダゾリルアセトニトリル及びその塩類。
  2. 【請求項2】 一般式(II); 【化2】 (式中、X1 及びX2 は同一又は異なっても良く、メタ
    ンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、
    p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子を示
    す。)で表される光学活性グリコール誘導体あるいはそ
    の等価体と、一般式(III) ; 【化3】 (式中、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表されるジ
    チオレート塩とを反応させることを特徴とする構造式
    (I) ; 【化4】 で表される(R)−(−)−(E)−〔4−(2,4−
    ジクロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデ
    ン〕−1−イミダゾリルアセトニトリルの製造方法。
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