JP2002178879A - 自動車盗難防止装置、システム及び方法 - Google Patents

自動車盗難防止装置、システム及び方法

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JP2002178879A
JP2002178879A JP2000374966A JP2000374966A JP2002178879A JP 2002178879 A JP2002178879 A JP 2002178879A JP 2000374966 A JP2000374966 A JP 2000374966A JP 2000374966 A JP2000374966 A JP 2000374966A JP 2002178879 A JP2002178879 A JP 2002178879A
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Tadao Tanabe
忠雄 田邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話による通報機能を有する自動車盗難
防止装置において、携帯電話機との接続を従来の技術よ
り容易にし、かつ、自動車への不正な侵入行為に対する
抑止効果を従来の技術より高める。 【解決手段】 自動車盗難防止装置は、赤外線通信部8
の赤外線インタフェース8bと携帯電話機9の赤外線イン
タフェース9aとの間で赤外線通信を行い、それにより携
帯電話機9を制御する。更に、不審者の自動車への接触
又は接近を携帯電話機9により通報した後、不審者が自
動車内に侵入してドアを閉めた場合、ドアが施錠され、
侵入者監禁ロック5がドアロック4を自動車内からは操作
不能にする。その上、塗料噴射装置11cが不透明な蛍光
塗料をフロントガラスに吹き付け、フロントガラスを不
透明にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車盗難防止装
置、システム及び方法に関し、特に、携帯電話による通
報機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車又は自動車内の物品の盗難を防ぐ
ための装置、すなわち、自動車盗難防止装置として従
来、例えば特開平10−315917号に開示された、次のよう
なものが知られている。
【0003】図14は従来の自動車盗難防止装置の一例を
示すブロック図である。従来の自動車盗難防止装置141
は、制御回路141a、駆動回路141b及び無線受信機141cを
含み、自動車のバッテリー147から電力を供給される。
制御回路141aは振動センサ142a、レーダセンサ142b、ド
アスイッチ148等からの情報に基づいて、サイレン143を
鳴らしたり、駆動回路141bを通して自動車のホーン145
を鳴らしたり、ヘッドランプ146を点灯、点滅させたり
する。無線受信機141cは、外部の無線送信機144からの
信号に従って、制御回路141aの動作を制御する。
【0004】以下、従来の自動車盗難防止装置141の動
作について説明する。自動車の正当な使用者が、その自
動車のドアを施錠した後、無線送信機144により無線受
信機141cへ開始信号を発信し、制御回路141aへ動作開始
を指示する。制御回路141aはその開始信号に従って振動
センサ142aとレーダセンサ142bとを作動させ、不審者の
自動車への接触又は接近を監視する。ここで、振動セン
サとは、不審者がドアのアウタハンドル(ドアの外側に
ある開閉用ハンドル)、ボンネット、トランク、給油口
等をこじ開けようとするときの振動をとらえるためのセ
ンサである。更に、レーダセンサとは、不審者自体から
発せられる赤外線等の電磁波、又は、外部の電磁波源に
よる不審者の反射波を感知する受動的なセンサである。
その他に、レーダセンサには、自動車内からガラス越し
に赤外線、電波又は超音波を照射し、自動車に接近して
きた不審者からの反射光又は反射波を感知する能動的な
センサも含まれる。
【0005】監視中の制御回路141aが、振動センサ142a
若しくはレーダセンサ142bにより不審者の自動車への接
触若しくは接近を感知し、又は、ドアスイッチ148の状
態により自動車のドアの開閉を感知する。すると、制御
回路141aは、サイレン143により大音響の警報音や音声
による警告音を発生させる。又は、駆動回路141bを通じ
て自動車のホーン145を継続的に若しくは断続的に鳴ら
したり、ヘッドランプ146を点灯させ若しくは点滅させ
たりする。このようにして自動車の周辺にいる人々の注
意を惹き、それにより自動車に損害を与えようとする者
や窃盗を目的として自動車内へ不正に侵入しようとする
者に、それぞれの行為を思いとどまらせる。
【0006】自動車の正当な使用者が、その自動車のド
アを解錠する前に、無線送信機144により無線受信機141
cへ停止信号を発信し、制御回路141aへ動作停止を指示
する。制御回路141aはその停止信号に従って振動センサ
142aとレーダセンサ142bとを停止させる。こうして自動
車の正当な使用者は、警報音等を鳴らしたりヘッドラン
プを点灯させたりすることなくドアを解錠し、再び乗車
できる。
【0007】図15は、上記とは別の従来の自動車盗難防
止装置を示すブロック図である。図15では図14と同様の
構成要素に対して同じ符号を付して、その説明は上記の
ものを援用する。上記の従来の自動車盗難防止装置は、
不審者の自動車への接触又は接近をその自動車の周辺に
知らせるだけであった。それに対して、図15に示されて
いる従来の自動車盗難防止装置151は、以下のように携
帯電話機152により、自動車の正当な使用者等の所定の
通報先へ、不審者の自動車への接触又は接近を通報でき
る。
【0008】図15に示されている従来の自動車盗難防止
装置151は、図14に示されているものの構成に加えて、
音声発生装置151d、通報先切換スイッチ151e、携帯電話
接続端子151f及び通信ケーブル151gを有する。音声発生
装置151dは、制御回路141aの指示に従って、内部のメモ
リに記憶された所定の音声を携帯電話機152へ向けて発
する回路である。携帯電話接続端子151f及び通信ケーブ
ル151gは、携帯電話機152と制御回路141aとを接続する
インタフェースである。制御回路141aは携帯電話接続端
子151f及び通信ケーブル151gを通じて携帯電話機152を
制御し、特に、発信させる。その発信先の電話番号は、
制御回路141aの内部のメモリに複数記憶されているもの
の中から通報先切換スイッチ151eにより選択される。
【0009】上記の構成により、図15に示されている従
来の自動車盗難防止装置151は、次のようにして、不審
者の自動車への接触又は接近を所定の通報先へ通報す
る。監視中の制御回路141aが、振動センサ142a若しくは
レーダセンサ142bにより不審者の自動車への接触若しく
は接近を感知し、又は、ドアスイッチ148の状態により
自動車のドアの開閉を感知する。すると、制御回路141a
は、携帯電話接続端子151f及び通信ケーブル151gを通し
て携帯電話機152を制御し、通報先切換スイッチ151eに
より選択された電話番号へ発信させる。回線が接続され
たと同時に、制御回路141aは音声発生装置151dを作動さ
せ、所定のメッセージを音声で再生させる。その音声が
携帯電話機152を通して通報先へ伝達され、それにより
通報先へ不審者の自動車への接触又は接近を通報でき
る。
【0010】上記のものとは更に別の従来の自動車盗難
防止装置が、特開平11−139253号に開示されている。図
16は、特開平11−139253号に開示されているような従来
の自動車盗難防止装置161の概要を示すブロック図であ
る。図16では図15と同様の構成要素に対して同じ符号を
付して、その説明は上記のものを援用する。
【0011】図16に示されている従来の自動車盗難防止
装置161は、図15に示されている従来の自動車盗難防止
装置151と同様、携帯電話機152を通して不審者の自動車
への接触又は接近を所定の通報先へ通報できる。図15に
示されている従来の自動車盗難防止装置151は、携帯電
話接続端子151f及び通信ケーブル151gを通じて電気的に
携帯電話機152を制御した。それに対して、図16に示さ
れている従来の自動車盗難防止装置161は、次のように
機械的に携帯電話機152の発信を制御する。
【0012】図16に示されている従来の自動車盗難防止
装置161は、図15に示されているものの構成と比べて、
通報先切換スイッチ151e、携帯電話接続端子151f及び通
信ケーブル151gに換えて、発信ボタン操作ピン162及び
アクチュエータ163を有する。発信ボタン操作ピン162は
細長い棒であって、携帯電話機152の発信ボタン152aよ
り少し小さい横断面を有する。発信ボタン操作ピン162
は長手方向に沿って摺動できるように保持されている。
アクチュエータ163は発信ボタン操作ピン162をその長手
方向に摺動させ、発信ボタン操作ピン162の先端で携帯
電話機152の発信ボタン152aを押す。ここで、携帯電話
機152は発信ボタン操作ピン162の先端と発信ボタン152a
とを対向させる位置に予め固定されている。携帯電話機
152の発信ボタン152aは例えば短縮ボタンである。すな
わち、発信ボタン152aが押されると、携帯電話機152は
予め記憶している電話番号を読み出して、その電話番号
の通報先へ発信する。
【0013】上記の構成により、図16に示されている従
来の自動車盗難防止装置161は、次のようにして、不審
者の自動車への接触又は接近を所定の通報先へ通報す
る。監視中の制御回路141aが、振動センサ142a若しくは
レーダセンサ142bにより不審者の自動車への接触若しく
は接近を感知し、又は、ドアスイッチ148の状態により
自動車のドアの開閉を感知する。すると、制御回路141a
は、アクチュエータ163により発信ボタン操作ピン162を
摺動させ、発信ボタン操作ピン162の先端で携帯電話機1
52の発信ボタン152aを押す。すると、携帯電話機152は
予め記憶されている電話番号へ発信する。回線が接続さ
れたと同時に、制御回路141aは音声発生装置151dを作動
させ、所定のメッセージを音声で再生させる。その音声
が携帯電話機152を通して通報先へ伝達され、それによ
り通報先へ不審者の自動車への接触又は接近を通報でき
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図15又は図16に示され
ているような自動車盗難防止装置では上記の通り、不審
者の自動車への接触又は接近を自動車の周辺の人々だけ
でなく、携帯電話により自動車から離れた場所にいる人
へも通報できる。しかし、自動車の周辺に不審者以外誰
もいない場合、従来の自動車盗難防止装置では、不正な
侵入行為等に対する抑止効果が、携帯電話での通報だけ
にしか残されていないことになる。その結果、その抑止
効果が十分には有効でなかった。
【0015】図15に示されている従来の自動車盗難防止
装置151では上記の通り、携帯電話接続端子151f及び通
信ケーブル151gにより電気的に携帯電話機152を制御す
る。この場合、携帯電話接続端子151fは携帯電話機152
へ確実に接続されなければならなかった。その上、携帯
電話機152の設置場所が、通信ケーブル151gの長さによ
って制約されていた。一方、図16に示されている従来の
自動車盗難防止装置161では上記の通り、発信ボタン操
作ピン162及びアクチュエータ163により機械的に携帯電
話機152の発信を制御する。この場合、携帯電話機152
は、発信ボタン操作ピン162の先端が携帯電話機152の発
信ボタン152aを確実に押すことができるように、所定の
位置に正確に固定されなければならなかった。つまり、
図15及び図16に示されているような従来の自動車盗難防
止装置では、携帯電話機の固定又は接続に手間がかか
り、発信の制御が十分確実には行われなかった。
【0016】そこで本発明は、携帯電話機との接続を従
来の技術より容易にし、かつ、窃盗等を目的とする自動
車への不正な侵入行為に対して抑止効果を従来の技術よ
り高めた、自動車盗難防止装置、システム及び方法の提
供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車盗難防止
装置は、自動車内の所定の位置に置かれた携帯電話機を
制御するための携帯電話制御装置;前記自動車のドアを
施錠するためのドアロック装置;前記ドアロック装置を
前記自動車内からは操作不能にするための侵入者監禁ロ
ック装置;不審者の前記自動車への接触又は接近を感知
するためのセンサ;及び、前記自動車のドアの開閉と前
記センサの出力とに応じて、前記携帯電話制御装置と前
記侵入者監禁ロック装置とを制御するための中央処理装
置;を有する。この構成により、不審者の自動車への接
触又は接近を携帯電話で通報できると共に、自動車内に
侵入した者をその自動車内に閉じこめ、容易には外へ出
られないようにできる。
【0018】ここで、携帯電話機とは、携帯電話端末
機、PHS端末機、又は、それらの機能を持つ携帯型パ
ーソナルコンピュータ若しくは電子手帳等の携帯型情報
端末機を含む。携帯電話制御装置は携帯電話機を、赤外
線通信装置、無線通信装置、外部の通信ケーブルとの接
続端子を含む通信装置、又は、発信ボタン等の機械的な
スイッチを用いて制御する。特に、携帯電話機が携帯電
話制御装置と双方向に情報を交換できる場合、電話回線
を通じて、自動車外から自動車盗難防止装置が制御され
るようにしても良い。更に、例えば車内の温度等、自動
車の状態に関する情報が、電話回線を通じて自動車外で
読み取られるようにしても良い。
【0019】侵入者監禁ロック装置はドアロック装置
を、例えば、次のようにして自動車内からは操作不能に
する。ドアロック装置とドアのインナハンドルとは、ワ
イヤ又はロッドによって接続されている。自動車内にい
る人がインナハンドルを操作してワイヤ又はロッドの応
力を変化させると、ドアロック装置はその応力の変化に
よりドアを開放可能にする。そこで、侵入者監禁ロック
装置は上記のワイヤ又はロッドの一部を固定して、イン
ナハンドルの操作によるそれらの応力の変化がドアロッ
ク装置へ伝達されないようにする。こうして、ドアロッ
ク装置が自動車内からは操作不能となる。
【0020】その他に、侵入者監禁ロック装置が、自動
車内からドアを解錠するためのロックレバー等の装置と
ドアロック装置とを接続するワイヤ又はロッドの一部
を、上記と同様に固定しても良い。そのように固定する
と、ロックレバー等の操作によるワイヤ又はロッドの応
力の変化がドアロック装置へ伝達されないので、ドアが
一旦施錠されると自動車内からは解錠できない。こうし
て、侵入者監禁ロック装置により、ドアロック装置が自
動車内からは操作不能となる。
【0021】センサは、接触センサ及び接近センサを含
む。接触センサは、自動車のドアのアウタハンドル、ボ
ンネット、トランク、又は、給油口等の少なくとも一つ
に設けられ、不審者の自動車のドア等への接触を感知す
る。接触センサは例えば振動センサであって、不審者が
自動車のドア等をこじ開けようとするときの振動を捉え
る。その他に、接触センサが圧力センサ又は温度センサ
であって、不審者の自動車の車体への接触を接触部にか
かる圧力又はその温度変化で感知しても良い。接近セン
サは不審者の自動車への接近を感知するためのセンサで
あって、好ましくはレーダセンサである。レーダセンサ
は、不審者自体から発せられる赤外線等の電磁波、又
は、外部の電磁波源から発せられた電磁波の不審者によ
る反射波を感知する受動的なセンサである。その他に、
レーダセンサは、自動車内からガラス越しに赤外線、電
波又は超音波を照射し、自動車に接近してきた不審者か
らの反射光又は反射波を感知する能動的なセンサを含
む。
【0022】上記の自動車盗難防止装置が、前記中央処
理装置の指示に従って、前記自動車のフロントガラス、
リアガラス又はその両方に不透明な塗料を噴射するため
の塗料噴射装置を有しても良い。この構成により、自動
車内に侵入者がいる場合、フロントガラス等に不透明な
塗料を吹き付けることができる。するとその自動車の外
観が異様になるので、その自動車内に侵入者がいること
が外部から容易に識別できる。それに加えて、フロント
ガラスが不透明化する場合、侵入者はその自動車を運転
できない。こうして、侵入者のその自動車の運転による
逃走を防ぐ。
【0023】ここで、不透明な塗料は蛍光塗料であって
も良い。そうすると、夜間等自動車の周辺が暗い場合で
も、蛍光塗料の発する蛍光がその自動車の外観を異様に
するので、その自動車内に侵入者がいることが外部から
容易に識別できる。
【0024】その他に、上記の自動車盗難防止装置が、
液晶表示層を含むフロントガラス;及び、前記中央処理
装置の指示に従って、前記液晶表示層を不透明化するた
めの液晶表示中央処理装置;を有していても良い。ここ
で、フロントガラスの液晶表示層とは、フロントガラス
内部の液晶を含む層状部分であって、外部から印加され
る電圧によって透明化又は不透明化される部分である。
液晶表示層は少なくとも、自動車を運転する者の前方の
視界を覆う部分に設けられている。この構成により、自
動車内に侵入者がいる場合フロントガラスを不透明化で
きる。それにより、侵入者はその自動車を運転できな
い。こうして、侵入者のその自動車の運転による逃走を
防ぐ。
【0025】上記のものとは別の観点による、本発明の
自動車盗難防止装置は、自動車内の所定の位置に置かれ
た携帯電話機を、前記携帯電話機の電磁波用インタフェ
ースを通じて電磁波により制御するための携帯電話制御
装置;不審者の前記自動車への接触又は接近を感知する
ためのセンサ;及び、前記自動車のドアの開閉と前記セ
ンサの出力とに応じて、前記携帯電話制御装置を制御す
るための中央処理装置;を有する。
【0026】この自動車盗難防止装置では、携帯電話制
御装置が携帯電話機を電磁波で制御する。それ故、携帯
電話機の設置場所は、携帯電話制御装置からの電磁波が
確実に届く範囲内であれば良い。その結果、携帯電話機
を自動車盗難防止装置へ通信ケーブルで接続し、又は、
所定の位置に正確に固定する従来の場合と比べて、携帯
電話機を自動車盗難防止装置へ容易に接続できる。
【0027】ここで、携帯電話機の電磁波用インタフェ
ースとは、携帯電話制御装置が電磁波として発信した制
御信号を受信するための構成をいい、例えば、無線通信
装置、赤外線通信装置を含む。
【0028】上記の自動車盗難防止装置では、前記電磁
波が赤外線であっても良い。この場合、携帯電話制御装
置からの赤外線の照射範囲内に携帯電話機を置くだけ
で、携帯電話制御装置がその携帯電話機と通信できる。
それ故、携帯電話機を自動車盗難防止装置へ通信ケーブ
ルで接続し、又は、所定の位置に正確に固定した従来の
場合に比べ、携帯電話機を自由に設置でき、携帯電話制
御装置へ容易に接続できる。ここで、上記の電磁波用イ
ンタフェースは赤外線通信装置である。携帯電話機がパ
ーソナルコンピュータ等、他の情報端末機器との情報交
換用赤外線通信装置を有する場合、その赤外線通信装置
を上記の電磁波用インタフェースとして兼用しても良
い。
【0029】その他に、前記電磁波が電波であっても良
い。この場合、上記の電磁波用インタフェースは無線受
信機である。電波は導体以外の物質を一般に透過しやす
い。それ故、携帯電話機と携帯電話制御装置との間に障
害物があっても、携帯電話制御装置はその携帯電話機と
通信可能である。それ故、携帯電話機を自動車盗難防止
装置へ通信ケーブルで接続し、又は、所定の位置に正確
に固定した従来の場合ほど、携帯電話機の設置場所が制
約されない。例えば、携帯電話機を携帯電話制御装置の
そばに置くだけで、携帯電話制御装置が携帯電話機を制
御できる。
【0030】本発明の自動車盗難防止システムは、外部
とのインタフェースを含む携帯電話機、及び、上記の本
発明の自動車盗難防止装置を有する。特に携帯電話機の
インタフェースが電磁波用である場合、例えば、その電
磁波用インタフェースを本発明の自動車盗難防止システ
ム専用にしても良い。ここで、「電磁波用インタフェー
スを本発明の自動車盗難防止システム専用にする」とは
次のことを意味する。電磁波用インタフェースを、受信
した電磁波の発信源が本発明による携帯電話制御装置で
あることを識別できるようにし、その場合だけ受信した
制御信号を中央処理装置へ伝えるようにすることであ
る。電磁波用インタフェースを本発明の自動車盗難防止
システム専用にした場合、本発明の自動車盗難防止シス
テムとして使用可能な携帯電話機の機種が、その電磁波
用インタフェースを持つものに限られる。
【0031】しかしその反面、携帯電話制御装置と携帯
電話機との間の電磁波による通信のセキュリティを向上
できる。例えば、携帯電話機での通報時に、不審者がそ
の電磁波用インタフェースに向けて制御信号を発信して
その通報を妨げようとした場合、その電磁波用インタフ
ェースは、その制御信号の発信源が本発明の携帯電話制
御装置であるとは識別できない。従って、その電磁波用
インタフェースはその制御信号を中央処理装置へは伝え
ない。こうして、本発明の自動車盗難防止システムは、
携帯電話機での通報に対する不審者による妨害を防止で
きる。
【0032】本発明の自動車盗難防止方法は、自動車内
で、携帯電話制御装置からの制御信号を受信可能な位置
に、前記制御信号を受信可能な携帯電話機を置くステッ
プ;前記自動車のドアの施錠から所定時間後に前記携帯
電話制御装置を作動状態にするステップ;前記携帯電話
制御装置が前記作動状態にある間、センサが不審者の前
記自動車への接触又は接近を監視するステップ;前記セ
ンサが前記不審者の前記自動車への接触又は接近を感知
した場合、前記携帯電話制御装置が前記携帯電話機によ
り所定の通報先へ通報するステップ;及び、前記センサ
が前記不審者の前記自動車への接触又は接近を感知した
後、前記不審者が前記自動車のドアを一旦開けて再び閉
めた場合、前記自動車のドアを前記自動車内から開くこ
とができないようにロックするステップ;を有する。こ
の自動車盗難防止方法により、不審者の自動車への接触
又は接近を携帯電話で通報できると共に、自動車内に侵
入した者をその自動車内に閉じこめ、容易には外へ出ら
れないようにできる。
【0033】ここでまず、携帯電話機とは、携帯電話端
末機、PHS端末機、又は、それらの機能を持つ携帯型
パーソナルコンピュータ若しくは電子手帳等の携帯型情
報端末機を含む。携帯電話制御装置は携帯電話機を、発
信ボタン等の機械的なスイッチ、外部の通信ケーブルと
の接続端子を含む通信装置、無線通信装置、又は、赤外
線通信装置を用いて制御する。
【0034】更に、携帯電話制御装置の作動状態とは、
中央処理装置等の外部からの指示に従って携帯電話制御
装置が携帯電話機を制御する状態をいう。携帯電話制御
装置の作動状態への移行は、自動車外にいる自動車の正
当な使用者によって無線通信を通じて指示されても良
い。又は、携帯電話制御装置がタイマを含み、それによ
り自動車のドアの施錠から所定時間後、作動状態への移
行を自動的に行っても良い。
【0035】センサは、接触センサ及び接近センサを含
む。接触センサは、自動車のドアのアウタハンドル、ボ
ンネット、トランク、又は、給油口等の少なくとも一つ
に設けられ、不審者の自動車のドア等への接触を感知す
る。接触センサは例えば振動センサであって、不審者が
自動車のドア等をこじ開けようとするときの振動を捉え
る。その他に、接触センサが圧力センサ又は温度センサ
であって、不審者の自動車の車体への接触を接触部にか
かる圧力又はその温度変化で感知しても良い。接近セン
サは不審者の自動車への接近を感知するためのセンサで
あって、好ましくはレーダセンサである。レーダセンサ
は、不審者自体から発せられる赤外線等の電磁波、又
は、外部の電磁波源による不審者の反射波を感知する受
動的なセンサである。その他に、レーダセンサは、自動
車内からガラス越しに赤外線、電波又は超音波を照射
し、自動車に接近してきた不審者からの反射光又は反射
波を感知する能動的なセンサを含む。
【0036】ドアを自動車内からは開くことができない
ようにロックするための手段としては、例えば、閉じら
れたドアを車体に固定するためのドアロック装置を、次
のようにして、自動車内からは操作不能にしても良い。
ドアロック装置とドアのインナハンドルとは、ワイヤ又
はロッドによって接続されている。自動車内にいる人が
インナハンドルを操作してワイヤ又はロッドの応力を変
化させると、ドアロック装置はその応力の変化によりド
アを開放可能にする。そこで、上記のワイヤ又はロッド
の一部を固定して、インナハンドルの操作によるそれら
の応力の変化がドアロック装置へ伝達されないようにす
る。こうして、ドアロック装置が自動車内からは操作不
能となる。
【0037】その他に、自動車内からドアを解錠するた
めのロックレバー等の装置とドアロック装置とを接続す
るワイヤ又はロッドの一部を、上記と同様に固定しても
良い。すると、ロックレバー等の操作によるワイヤ又は
ロッドの応力の変化がドアロック装置へ伝達されないの
で、ドアが一旦施錠されると自動車内からは解錠できな
い。こうして、ドアロック装置が自動車内からは操作不
能となる。
【0038】上記の自動車盗難防止方法は、前記センサ
が前記不審者の前記自動車への接触又は接近を感知した
後、前記自動車のフロントガラス、リアガラス又はその
両方に不透明な塗料を噴射するステップを有しても良
い。それにより自動車の外観が異様になるので、不審者
が自動車内に侵入した場合、その不審者が自動車内にい
ることが外部から容易に識別できる。それに加えて、フ
ロントガラスが不透明化すると、侵入者はその自動車を
運転できない。こうして、侵入者のその自動車の運転に
よる逃走を防ぐ。
【0039】ここで、不透明な塗料は蛍光塗料であって
も良い。そうすると、夜間等自動車の周辺が暗い場合で
も、蛍光塗料の発する蛍光が自動車の外観を異様にする
ので、その自動車内に侵入者がいることが外部から容易
に識別できる。
【0040】その他に、上記の自動車盗難防止方法は、
前記センサが前記不審者の前記自動車への接触又は接近
を感知した後、前記自動車のフロントガラスの液晶表示
層を不透明化するステップを有しても良い。それによ
り、不審者が自動車内に侵入した場合、侵入者はその自
動車を運転できない。こうして、侵入者のその自動車の
運転による逃走を防ぐ。
【0041】上記とは別の観点による本発明の自動車盗
難防止方法は、自動車内で、携帯電話制御装置からの電
磁波での制御信号を受信可能な位置に、電磁波用インタ
フェースを含む携帯電話機を置くステップ;前記自動車
のドアの施錠から所定時間後に前記携帯電話制御装置を
作動状態にするステップ;前記携帯電話制御装置が前記
作動状態にある間、センサが不審者の前記自動車への接
触又は接近を監視するステップ;及び、前記センサが前
記不審者の前記自動車への接触又は接近を感知した場
合、前記携帯電話制御装置が前記携帯電話機により所定
の通報先へ通報するステップ;を有する。
【0042】この自動車盗難防止方法では、携帯電話制
御装置が携帯電話機を電磁波で制御する。それ故、携帯
電話機の設置場所は、電磁波が確実に届く範囲内であれ
ば良い。その結果、携帯電話機を自動車盗難防止装置へ
通信ケーブルで接続し、又は、所定の位置に正確に固定
する従来の場合と比べて、携帯電話機を携帯電話制御装
置へ容易に接続できる。
【0043】ここで、携帯電話機の電磁波用インタフェ
ースとは、携帯電話制御装置が電磁波として発信した制
御信号を受信するための構成をいい、例えば、無線通信
装置、赤外線通信装置を含む。
【0044】上記の自動車盗難防止方法では、前記電磁
波が赤外線であっても良い。この場合、携帯電話制御装
置からの赤外線の照射範囲内に携帯電話機を置くだけ
で、携帯電話制御装置がその携帯電話機と通信できる。
それ故、携帯電話機を自動車盗難防止装置へ通信ケーブ
ルで接続し、又は、所定の位置に正確に固定した従来の
場合に比べ、携帯電話機を自由に設置でき、携帯電話制
御装置へ容易に接続できる。ここで、上記の電磁波用イ
ンタフェースは赤外線通信装置である。携帯電話機がパ
ーソナルコンピュータ等、他の情報端末機器との情報交
換用赤外線通信装置を有する場合、その赤外線通信装置
を上記の電磁波用インタフェースとして兼用しても良
い。
【0045】前記電磁波が電波であっても良い。この場
合、上記の電磁波用インタフェースは無線受信機であ
る。電波は導体以外の物質を一般に透過しやすい。それ
故、携帯電話機と携帯電話制御装置との間に障害物があ
っても、携帯電話制御装置はその携帯電話機と通信可能
である。それ故、携帯電話機を自動車盗難防止装置へ通
信ケーブルで接続し、又は、所定の位置に正確に固定し
た従来の場合ほど、携帯電話機の設置場所が制約されな
い。例えば、携帯電話機を携帯電話制御装置のそばに置
くだけで、携帯電話制御装置が携帯電話機を制御でき
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最適な実施の形態
について、その好ましい実施例を挙げて、図面を参照し
つつ説明する。 《実施例1》 [実施例1の構成]図1は、本発明の実施例1である自
動車盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【0047】中央処理装置(Central Processer Unit、
以下CPUという)1は実施例1の自動車盗難防止装置
全体の動作を制御する。CPU1は好ましくは自動車の
電気系統制御用のCPUと別であって、例えば運転席の
前にあるパネル又はコンソール周辺の配線を利用して、
自動車の電気系統へ接続される。その場合、実施例1の
自動車盗難防止装置は自動車と独立した装置であるの
で、既に製造された自動車へ取り付けることができる。
その他に、CPU1が自動車の電気系統制御用のCPU
と同じであっても良い。その場合、実施例1の自動車盗
難防止装置は自動車の製造時に、自動車の電気系統と一
体に組み込まれる。ドアスイッチ2は、自動車のドアの
開閉に併せてオンオフするスイッチである。CPU1は
ドアスイッチ2の両端の電圧から、ドアスイッチ2のオン
オフを検出する。
【0048】センサモジュール3は、振動センサ3a及び
レーダセンサ3bから入力される信号を、例えばアナログ
/デジタル変換によりCPU1で処理可能な信号に変換
する回路である。その変換された信号はCPU1へ出力
される。振動センサ3aは、好ましくは、重り及び圧電素
子を含む。その他に、薄型の機械的スイッチであっても
良い。振動センサ3aは、自動車のドアのアウタハンド
ル、ボンネット、トランク、又は、給油口等の少なくと
も一つに設けられ、不審者がそれらをこじ開けようとす
るときの振動を捉える。レーダセンサ3bは、好ましく
は、焦電型赤外線センサであり、自動車に接近してきた
不審者自体が発する赤外線を捉える。その他に、自動車
内からガラス越しに赤外線又は超音波を照射し、自動車
に接近してきた不審者からの反射光又は反射波を感知す
る反射式赤外線センサ又は超音波センサであっても良
い。
【0049】ドアロック4は閉じたドアを車体に固定す
る装置である。侵入者監禁ロック5は、ドアロック4によ
って閉じた状態で車体へ固定されたドアを自動車内から
は開けられないようにする装置である。以下、ドアロッ
ク4及び侵入者監禁ロック5について説明する。図2の(a)
及び(b)は自動車のドア20を、自動車の内側及び外側か
らそれぞれ示した斜視図である。図2の(a)ではドア20の
内部を示すために、ドア20の内側パネルの一部を取り除
いている。
【0050】ドアロック4はドア20の蝶番部21とは逆側
の端部22の内部にあり、ドア20が閉じるとフック(図示
せず)が車体に引っかかるようになっている。ドア20の
内側及び外側にはそれぞれ、インナハンドル23及びアウ
タハンドル24が設けられている。ドアロック4のフック
はインナハンドル23へワイヤ25及び25aによりドア20の
内部を通して接続されている。更に、ドアロック4のフ
ックはアウタハンドル24へ図示されていないワイヤによ
りドア20の内部を通して接続されている。閉じたドア20
を自動車の中から開けようとする場合、インナハンドル
23を操作してワイヤ25を引っ張る。すると正常な使用時
では、ワイヤ25及び25aを通してドアロック4のフックが
力を受け、車体から外れる。こうして、ドア20が開く。
一方、閉じたドア20を自動車の外から開けようとする場
合、アウタハンドル24を操作してワイヤを引っ張ると、
ドアロック4のフックが力を受け、車体から外れる。こ
うして、ドア20が開く。
【0051】インナハンドル23の横にあるロックレバー
23a、及び、アウタハンドル24の横にある鍵穴24aは、そ
れぞれワイヤ26及び図示されていないワイヤにより、ド
ア20の内部を通してドアロック4へ接続されている。ド
ア20を閉じた状態で、ロックレバー23aを操作し、又
は、鍵穴24aに鍵7を挿入して回す。すると、所定の力が
ワイヤ26又は図示されていないワイヤを通してドアロッ
ク4へ伝達され、ドアロック4内部でインナハンドル23、
アウタハンドル24のそれぞれとドアロック4のフックと
のワイヤ25による接続が断たれる。それにより、インナ
ハンドル23及びアウタハンドル24のいずれを操作しても
ドア20が開かなくなる。こうして、ドア20が施錠され
る。施錠されたドア20を正常に解錠しようとする場合、
ロックレバー23aを操作し、又は、鍵穴24aに鍵7を挿入
して回す。すると正常な使用時では、所定の力がワイヤ
26又は図示されていないワイヤを通してドアロック4へ
伝達され、ドアロック4内部でインナハンドル23、アウ
タハンドル24のそれぞれとドアロック4のフックとのワ
イヤ25による接続が復帰する。それによりドア20が解錠
され、インナハンドル23又はアウタハンドル24を操作し
てドア20を開けることができる。
【0052】図1に示されているように、CPU1はドア
ロック4へ制御信号を送る。それにより、ドアロック4内
部のアクチュエータ(図示せず)が制御されて、上記の
ロックレバー23a又は鍵7による操作と同様に、インナハ
ンドル23、アウタハンドル24のそれぞれとドアロック4
のフックとの接続を断絶又は復帰させる。更に、CPU
1は、インナハンドル23、アウタハンドル24のそれぞれ
とドアロック4のフックとの接続状態を、電気的に検出
する。
【0053】侵入者監禁ロック5はドアロック4の近傍に
あり、ワイヤ25の張力の変化を次のようにワイヤ25a及
びドアロック4へ伝達する。図3は侵入者監禁ロック5の
内部構造の概略を示す平面図である。侵入者監禁ロック
5は、基板5a上に設けられたクランク5b及びストッパ5f
を含む。
【0054】基板5aは鋼板である。クランク5bはL字型
の鋼板であって、中心部をクランクピン5cにより基板5b
に接続されている。クランク5bはクランクピン5cの周り
に回動可能である。クランク5bの二本の腕の先端部には
穴5d及び5eがそれぞれ設けられていて、穴5dにはインナ
ハンドル23からのワイヤ25が、穴5eにはドアロック4へ
のワイヤ25aが、それぞれ接続されている。ワイヤ25が
図3の矢印Aの向きに引っ張られると、クランク5bが図3
の矢印Bの向きに回動し、ワイヤ25aを図3の矢印Cの向き
に引っ張る。こうして、ワイヤ25の張力がクランク5bを
通してワイヤ25aへ張力を与え、その張力がドアロック4
へと伝達される。
【0055】ストッパ5fは矩形状の鋼板であり、ピン5g
により基板5へ接続されている。ストッパ5fはピン5gの
周りに回動可能である。基板5の裏側にはストッパ回動
用アクチュエータ(図示せず)がある。ストッパ回動用
アクチュエータはピン5gに接続され、ピン5gをその軸の
周りに回転させ、それによりストッパ5fを回動させる。
ストッパ5fが図3の矢印Dの向きに回動し、図3の一点鎖
線の位置まで移動すると、ストッパ5fの先端5hがクラン
ク5bの一方の腕の内側5iに接触する。それによりクラン
ク5bの回動が阻害されるので、インナハンドル23を操作
してワイヤ25に張力が生じても、ワイヤ25aには張力が
生じない。その結果、インナハンドル23を操作しても、
ドアロック4のフックを外すことができない。こうし
て、侵入者監禁ロック5の動作により、自動車内部から
はドア20を開けられないようになる。
【0056】図1に示されているように、CPU1は侵入
者監禁ロック5へ制御信号を送る。それにより、侵入者
監禁ロック5内部の上記のアクチュエータが制御され
て、ストッパ5fが回動される。こうして、インナハンド
ル23を操作してもドアロック4のフックが車体から外れ
ないようにする。
【0057】上記の侵入者監禁ロック5の内部構造は、
従来のチャイルドロック、すなわち、自動車内の子供が
走行中等に誤ってドアを開けることを防止するための補
助ロック装置と同様である。従って、従来のチャイルド
ロックを実施例1の侵入者監禁ロック5として利用して
も良い。
【0058】侵入者監禁ロック5の変形例として上記と
同様なものを、ロックレバー23aとドアロック4とを接続
するワイヤ26の途中に設けても良い。その侵入者監禁ロ
ックにより、ロックレバー23aの操作によるワイヤ26の
張力の変化がドアロック4へと伝達されないようにでき
る。従って、ドアロック4の施錠後に、ドアロック4がロ
ックレバー23aの操作では解錠不能であるように構成で
きる。
【0059】図4は自動車のインサイドミラー40を示す
図である。インサイドミラー40の根本にあるカバー41の
一部は、その内部を示すために取り除かれている。図1
に示されている赤外線受光部6は、図4に示されているよ
うに、カバー41内部に設けられている。赤外線受光部6
はフォトダイオード61を含む。フォトダイオード61はそ
の受光面を赤外線フィルタで覆われ、自動車の鍵7のつ
まみ7aの先端部内に設けられた赤外線LED7bからの赤
外線を検出する。赤外線LED7bは、鍵7のつまみ7aを
押すと発光する。この時発せられる赤外線の波長は近赤
外線であり、レーダセンサ3bの検出可能な波長範囲から
十分外れている。更に、赤外線LED7bは所定の変調方
式に従って断続的に発光する。赤外線受光部6は、鍵7の
赤外線LED7bからの赤外線を検出すると、CPU1へ
その検出情報を出力する。CPU1はその検出情報か
ら、検出された赤外線が自動車の正当な使用者の持つ鍵
7から発せられたものかどうかを識別する。
【0060】図5の(a)は、実施例1の自動車盗難防止装
置が設置された自動車の運転席前のパネル近傍を示す図
である。図1に示されている赤外線通信部8は、運転者か
ら見てステアリングホイール51の裏側のパネル下部に設
けられている。図5の(b)は実施例1の赤外線通信部8の
赤外線インタフェース8b内部を示す概略図である。赤外
線通信部8は運転席側の面8aに赤外線インタフェース8b
を含む。
【0061】赤外線インタフェース8bは好ましくはIr
DA(Infrared Data Association:赤外線データ通信
協会)の規格に準拠したものであり、内部に一対のフォ
トダイオード8cと赤外線LED8dとを含む。フォトダイ
オード8cは赤外線フィルタを通して近赤外線(波長850
〜900nm)を検出する。一方、赤外線LED8dはそれと
同波長の近赤外線を発する。こうして、同じ規格に準拠
した携帯電話機9の赤外線インタフェース9aと双方向に
通信できる。IrDAの規格では、通信可能距離が約20
cm〜1m、通信可能範囲が赤外線インタフェースの正面方
向から最大約プラスマイナス30°である。それ故、例え
ば、携帯電話機9を運転座席の上に置き、その赤外線イ
ンタフェース9aを赤外線通信部8の赤外線インタフェー
ス8bへ向けておく。それだけで、赤外線通信部8と携帯
電話機9とは通信できる。
【0062】図1に示されているように、CPU1は赤外
線通信部8を制御して、赤外線通信部8と携帯電話機9と
の赤外線による双方向通信を制御する。例えば、CPU
1は赤外線通信部8を通して、携帯電話機9へ所定の電話
番号の通信先へ発信できると共に、通信先から情報を受
信することもできる。こうして、実施例1では図1の一
点鎖線で囲まれたブロック部分、すなわち、CPU1と
赤外線通信部8とが、携帯電話機9に対する携帯電話制御
装置1aに相当する。
【0063】図1に示されているルームランプ10は自動
車内の天井に取り付けられた従来の室内灯のことであ
る。CPU1はルームランプ10の明滅を制御する。例え
ば、CPU1がドアスイッチ2によりドアの開放を検知し
た場合、又は、ドアロック4の解錠を検知した場合、C
PU1は所定の時間ルームランプ10を点灯させる。
【0064】更に、図1に示されているセキュリティモ
ジュール11は、CPU1の制御信号に従って、サイレン1
1a、非常ランプ11b又は後述の塗料噴射装置11cを制御す
る回路である。サイレン11aは自動車内の窓ガラス近傍
又は床下に設置され、所定の音声による警告音又は大音
響の警報音を発生するスピーカである。非常ランプ11b
は自動車内の窓ガラス近傍又は運転席前のパネル近傍に
設置され、継続的に又は所定の断続パターンに従って、
大光量で発光するランプである。CPU1を自動車の電
気系統へ接続することにより、サイレン11a及び非常ラ
ンプ11bとして自動車のホーン及びヘッドランプをそれ
ぞれ用いても良い。
【0065】図1に示されている塗料噴射装置11cは、自
動車のフロントガラス61及びリアガラス62に不透明な蛍
光塗料を吹き付けるための装置である。図6の(a)及び
(b)は自動車のフロントガラス61及びリアガラス62をそ
れぞれ外側から見た図である。塗料噴射装置11cは、ボ
ンネット63のフロントガラス61側の端部、及び、リアガ
ラス62の下の車体に設置されている。塗料噴射装置11c
内には、不透明な蛍光塗料が詰められている。図1に示
されているように、セキュリティモジュール11を通して
CPU1からの噴射指示が塗料噴射装置11cへ伝達される
と、塗料噴射装置11c内の蛍光塗料がフロントガラス61
及びリアガラス62のそれぞれの実質上全面を覆うように
噴射される。
【0066】[実施例1の作用]図7は実施例1の自動
車盗難防止装置の動作を示すフローチャートである。実
施例1の自動車盗難防止装置は、図7のフローチャート
に従って以下のように作用する。 ステップS1:自動車の正当な使用者は降車時に、電源を
入れた状態の携帯電話機9を例えば運転座席上に置く。
この時、携帯電話機9の赤外線インタフェース9aを赤外
線通信部8の赤外線インタフェース8bの方に向けてお
く。
【0067】ステップS2:自動車の正当な使用者が降車
後、自動車外からドアに施錠する。CPU1はドアロッ
ク4の施錠の瞬間を検知し、その瞬間から所定の時間後
に、振動センサ3a及びレーダセンサ3b(以下、センサと
総称する)による監視を開始し、又は、赤外線通信部8
による赤外線通信を開始可能にする。このように、自動
車の正当な使用者が降車後自動車から十分離れるまで作
動の開始を遅らせることにより、実施例1の自動車盗難
防止装置は、降車直後の自動車の正当な使用者を不審者
と誤認することを防ぐ。
【0068】ここで、自動車のドアの施錠方法は、図2
の(b)に示されているように、鍵7を鍵穴24aに挿入して
回すものでも良い。その他に、鍵7の赤外線LED7bを
発光させて、赤外線受光部6を通してCPU1へドアを施
錠するように指示しても良い。
【0069】上記のステップS2では、CPU1が、ドア
の施錠から所定の時間後に自動的に、センサに監視を開
始させ、又は、赤外線通信部8を作動状態にした。その
他に、自動車の正当な使用者が自動車内に置かれた携帯
電話機9へ別の携帯電話機から発信し、電話回線を通し
て制御信号を送っても良い。その制御信号により、赤外
線通信部8を通してCPU1が、センサによる監視の開始
又は赤外線通信部8の作動状態への移行を指示される。
【0070】ステップS3:センサ、すなわち、振動セン
サ3a及びレーダセンサ3bが上記のように不審者の自動車
への接触及び接近を監視する。より具体的には、センサ
モジュール3が振動センサ3a及びレーダセンサ3bからの
電気信号を変換してCPU1へ出力する。CPU1はセン
サモジュール3からの信号を処理して、その信号が不審
者の自動車への接触又は接近を表すものかどうか判断す
る。
【0071】ステップS4:ステップS3で、振動センサ3a
又はレーダセンサ3bが不審者の自動車への接触又は接近
を感知した、とCPU1が判断した場合、CPU1は赤外
線通信部8を通して携帯電話機9を発信させる。ここで、
携帯電話機9の通信先の電話番号は、予めCPU1内のR
OM又は携帯電話機9内に記憶されている。更に、通信
先は複数でも良く、例えば、通常の携帯電話機の機能を
利用して、3ヶ所へ同時に発信しても良い。通信先へ電
話回線が接続されると同時に、CPU1は携帯電話機9
により所定のメッセージを送信する。こうして、所定の
通信先へ不審者の自動車への接触又は接近を通報でき
る。
【0072】CPU1は上記の携帯電話機9による通報と
共に、セキュリティモジュール11を通してサイレン11a
及び非常ランプ11bを作動する。それにより、サイレン1
1aは所定の音声による警告音又は大音響の警報音を発生
し、非常ランプ11bは継続的に又は所定の断続パターン
で発光する。こうして、自動車の周辺にいる人々に対し
て、不審者が自動車へ接触し又は接近したことを通報で
きる。
【0073】ステップS5:自動車の周辺に誰もいない場
合、不審者はサイレン11aの音にも非常ランプ11bの光に
も動じることなく、自動車内に侵入する場合がある。特
に、自動車自体の窃盗を目的とする場合、不審者は自動
車を傷つけることなく侵入する。例えば、鍵7の赤外線
LED7bが発する識別信号をコピーして、赤外線受光部
6を通してCPU1にドアを解錠させる。その他に、鍵7
を使わずに鍵穴24a内部を操作してドアを解錠する。こ
うしてドアを解錠した後、不審者は自動車内に侵入し、
その自動車を運転して奪い去ろうとする。
【0074】この場合、CPU1は、まず携帯電話機9に
より通報が発信されたことを確認した後、不審者がドア
を解錠したことをドアロック4の状態から検知する。続
いてドアスイッチ2により、不審者がドアを開けたこ
と、及び、自動車内への侵入後ドアを再び閉めたことを
それぞれ検知する。この場合、CPU1はドアロック4及
び侵入者監禁ロック5内部のアクチュエータへ制御信号
を送る。すると、ドアロック4が施錠され、侵入者監禁
ロック5が施錠されたドアロック4を自動車内では操作不
能にする。その結果、侵入者は自動車内に閉じこめら
れ、窓ガラスを破り又はドアを壊す等の破壊を伴う行為
に依らない限り、容易には外へは出られないようにな
る。更に、侵入者の仲間が自動車の外にいる場合でも、
ドアが再び施錠されているので、窓ガラス等の破壊を伴
う行為、又は、ドアの通常とは異なる方法での再解錠等
の行為に依らない限り、侵入者を外へ出すことができな
い。
【0075】ステップS6:CPU1は塗料噴射装置11cを
作動させ、それにより不透明な蛍光塗料をフロントガラ
ス61及びリアガラス62へ噴射する。すると、フロントガ
ラス61及びリアガラス62のそれぞれの実質上全面が不透
明となり、運転席からは自動車の前後方向が全く見えな
くなる。従って、侵入者はその自動車を運転できなくな
る。それに加え、蛍光塗料の色を例えば原色等のように
遠方から見ても目立つ色とする場合、フロントガラス61
及びリアガラス62にその蛍光塗料を吹き付けると、その
自動車の外観が異様になる。更に、蛍光塗料の発する蛍
光が、夜間等自動車の周辺が暗くても、その自動車の外
観を異様にする。それ故、不正な侵入者がその自動車を
運転していることが、その自動車の周囲の人々に明瞭と
なる。こうして、侵入者のその自動車の運転による逃走
を防止できる。
【0076】更に、蛍光塗料を、フロントガラス61又は
リアガラス62に吹き付けられると容易には落とすことが
できないものにしても良い。その場合、侵入者が電源ヒ
ューズの取り外し等によりサイレン11a及び非常ランプ1
1bを停止させても、フロントガラス61又はリアガラス62
に吹き付けられた蛍光塗料から、その自動車内に侵入者
がいることがわかる。
【0077】ステップS6では、サイレン11aを更に大音
響で鳴らしても良い。それにより、侵入者が自動車を正
常には運転しづらくできる。その他に、非常ランプ11b
を運転席前のパネル近傍に設置し、それが点灯すると運
転者の顔を強く照らすようにしても良い。それにより運
転席にいる侵入者の顔を強く照らして、その顔を自動車
の周囲にいる人々にはっきりと認識させることができ
る。それと共に、非常ランプ11bの光で侵入者の目を眩
ませることで、侵入者による自動車の運転を妨げること
ができる。
【0078】ステップS7:自動車が不審者による侵入を
受けることなく無事である場合、自動車の正当な使用者
は再乗車時に、次のようにして作動状態にある実施例1
の自動車盗難防止装置を停止させる。自動車の正当な使
用者は、自動車内の携帯電話機9へ向けて、別の携帯電
話機から電話回線を通して所定の信号を発信する。その
信号を受信した携帯電話機9は、赤外線通信部8を通して
CPU1へその信号の情報を伝える。CPU1はその情報
から、信号の発信元が自動車の正当な使用者であること
を識別する。その後、振動センサ3a及びレーダセンサ3b
を停止させる。こうして、自動車の正当な使用者がドア
の解錠を目的として自動車へ接近及び接触しても、実施
例1の自動車盗難防止装置が作動しない。
【0079】以上のように、実施例1の自動車盗難防止
装置はまず、不審者の自動車への接触又は接近をサイレ
ン11aの音又は非常ランプ11bの光によって自動車の周辺
に通報する。それと共に、携帯電話機9により所定の通
報先に通報する。更に、不審者が自動車内に侵入してド
アを閉めた場合、ドアを施錠し、侵入者監禁ロック5に
よりドアロック4を自動車内からは操作不能にする。そ
れにより、侵入者はその自動車内に閉じ込められる。そ
の上、フロントガラス61及びリアガラス62に不透明な蛍
光塗料を吹き付けて不透明化する。その結果、自動車の
外観が異様になるので、自動車の周辺にいる人々の注意
を惹きつけやすくなる。それと共に、運転席からは自動
車の前後方向が見えなくなるので、侵入者はその自動車
を運転できなくなる。こうして、侵入者のその自動車の
運転による逃走を防ぐ。
【0080】実施例1の自動車盗難防止装置の上記の効
果は、それを知らずに自動車内に不正に侵入した者に対
して有効である。更に、上記の効果を既に知っている者
に対しても、自動車内に不正に侵入しようとする場合、
次のリスクを負わせる。まず従来から既知のリスクであ
って、侵入行為がサイレン11aの音又は非常ランプ11bの
光で自動車周辺の人々に、携帯電話機9で所定の通報先
に知られるというリスクである。そのリスクと共に更
に、自動車内に閉じこめられ、容易には逃走できなくな
るというリスクである。このように、実施例1の自動車
盗難防止装置は、自動車内に不正に侵入しようとする者
に従来の自動車盗難防止装置より多くのリスクを負わせ
る。それ故、実施例1の自動車盗難防止装置は侵入行為
に対して、従来の自動車盗難防止装置より高い抑止効果
を有する。
【0081】更に、実施例1の自動車盗難防止装置で
は、赤外線通信部8と携帯電話機9との間の赤外線通信に
より、携帯電話機9が制御される。従って、赤外線通信
が可能な範囲であれば携帯電話機を比較的自由に設置で
きる。その結果、携帯電話機を自動車盗難防止装置へ通
信ケーブルで接続したり、所定の位置に正確に固定した
りする従来の手間を省くことができる。
【0082】《実施例2》図8は、本発明の実施例2で
ある自動車盗難防止装置の構成を示すブロック図であ
る。実施例2の自動車盗難防止装置は実施例1(図1)
と比べて、塗料噴射装置11cに換えて液晶表示制御装置8
1c及びフロントガラス61内の液晶表示層81dを含む。そ
の他の構成及び動作については実施例1と同様であるの
で、それら同様部分の構成に対する符号は実施例1と同
じものを付し、それらの説明は実施例1のものを援用す
る。
【0083】液晶表示制御装置81cはセキュリティモジ
ュール11に制御され、液晶表示層81d内にある電極間の
電圧を制御する。液晶表示層81dは、偏光方向が直交す
る2枚の偏光板の間に液晶層を挟んだ構造を有する。そ
の液晶層内の液晶分子の向きは液晶表示層81d内部の電
極間の電圧によって変化し、それにより、液晶表示層81
dの可視光の透過率が実質的に100%又は実質的に0%の
いずれかに変化する。すなわち、液晶表示層81dが透明
又は不透明となる。CPU1はセキュリティモジュール1
1を通して液晶表示制御装置81cを制御し、液晶表示層81
dを透明化又は不透明化する。
【0084】図9は液晶表示層81dを含むフロントガラス
61を外側から見た図である。図9の(a)及び(b)は、液晶
表示層81dが透明及び不透明の場合をそれぞれ示してい
る。図10は実施例2の自動車盗難防止装置の動作を示す
フローチャートである。実施例1では図7のフローチャ
ートに示されているように、ステップS6でCPU1が塗
料噴射装置11cにより不透明な蛍光塗料をフロントガラ
ス61に吹き付けた。それによりフロントガラス61を不透
明化した。それに換えて、実施例2では図10のフローチ
ャートに示されているように、ステップS6aでCPU1が
液晶表示制御装置81cにより、フロントガラス61内の液
晶表示層81dを不透明化する。すると、図9の(b)に示さ
れているようにフロントガラス61が不透明となり、運転
席からは自動車の前方が実質上見えなくなる。こうし
て、侵入者のその自動車の運転による逃走を防ぐ。
【0085】実施例2では実施例1とは異なり、フロン
トガラス61を蛍光塗料を用いずに不透明化するので、自
動車を蛍光塗料で汚すことがない。
【0086】《実施例3》図11は、本発明の実施例3で
ある自動車盗難防止装置の構成を示すブロック図であ
る。実施例3の自動車盗難防止装置は実施例1(図1)
と比べて、赤外線通信部8に換えて電波通信部100を含
む。その他の構成及び動作については実施例1と同様で
あるので、それら同様部分の構成に対する符号は実施例
1と同じものを付し、それらの説明は実施例1のものを
援用する。
【0087】電波通信部100は内部にアンテナとそれに
より電波を送受信するための通信装置とを含み、携帯電
話機9内部の同様な電波通信装置9bと電波により双方向
に通信できる。電波通信部100と携帯電話機9内の電波通
信装置9bとの通信用電波は好ましくは短波であり、その
通信可能距離が数cm程度である。携帯電話機9内の電波
通信装置9bは、電話回線からの情報を電波による信号に
変換し、又は、電波として受信した信号の情報を電話回
線への信号に変換できる。従って、実施例3の自動車盗
難防止装置は、実施例1のものが赤外線通信で携帯電話
機9を制御していたのと同様に、電波通信で携帯電話機9
を制御できる。つまり、図11の一点鎖線で囲まれたブロ
ック部分、すなわち、CPU1と電波通信部100とが実施
例3での携帯電話制御装置1bに相当する。
【0088】図12の(a)は、実施例3の自動車盗難防止
装置が設置された自動車の運転席前のパネル近傍を示す
図である。電波通信部100はコンソール111に係止されて
いて、側部に携帯電話機9を保持するためのホルダー100
aを有する。図12の(b)は、電波通信部100を示す図であ
る。ホルダー100aは、携帯電話機9を上から挿入できる
だけの広さを持つ筒形である。更に、携帯電話機9の側
面と対向するホルダー100a内の側面の裏側には、図12の
(b)では破線で示されているように、コイル状のアンテ
ナ100bがある。電波通信部100はアンテナ100bにより電
波を送受信して、携帯電話機9と双方向通信を行う。
【0089】上記のように、実施例3の自動車盗難防止
装置では、携帯電話機9を電波通信部100のホルダー100a
内に挿入するだけで、携帯電話機9を制御できる。従っ
て、従来の自動車盗難防止装置に比べて、携帯電話機と
自動車盗難防止装置との接続が容易である。
【0090】《実施例4》図13は、本発明の実施例4で
ある自動車盗難防止装置の構成を示すブロック図であ
る。実施例4の自動車盗難防止装置は実施例3(図11)
と比べて、塗料噴射装置11cに換えて液晶表示制御装置8
1c及びフロントガラス61内の液晶表示層81dを含む。そ
の他の構成及び動作については実施例3と同様である。
更に、実施例2(図8)と比べると、実施例4の自動車
盗難防止装置は赤外線通信部8に換えて電波通信部100を
有する点だけ異なる。つまり、実施例4は、実施例2及
び実施例3の構成を組み合わせたものである。従って、
実施例4の構成において実施例1から実施例3までと同
様な部分に対する符号は、実施例1から実施例3までと
同じものを付す。それら同様部分の説明は実施例1から
実施例3までのものを援用する。実施例4の構成の組合
せにおいても、実施例1から実施例3までと同様な効果
が得られる。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明による自動車盗難
防止装置は、不審者の自動車への接触又は接近を、サイ
レン又は非常ランプによって自動車の周辺の人々に知ら
せると共に、携帯電話機により所定の通報先に通報す
る。更に本発明による自動車盗難防止装置は、不審者が
自動車内に侵入してドアを閉めた場合、ドアを施錠し、
ドアロックを自動車内からは操作不能にする。こうし
て、不正な侵入者を自動車内へ閉じ込めることができ
る。
【0092】その上、本発明による自動車盗難防止装置
は、フロントガラス、リアガラス又はその両方に不透明
な塗料を吹き付ける。それにより自動車の外観が異様に
なるので、不正な侵入者がその自動車を運転しているこ
とが、その自動車の周囲の人々に明瞭となる。その他
に、本発明による自動車盗難防止装置は、フロントガラ
スを不透明な塗料又は液晶表示層により不透明化する。
それによりフロントガラスの実質上全面が不透明とな
り、運転席からは自動車の前方が全く見えなくなる。従
って、不正な侵入者がその自動車を運転できなくなる。
こうして本発明による自動車盗難防止装置は、侵入者が
自動車を運転して逃走することを防止できる。
【0093】本発明による自動車盗難防止装置の上記の
効果は、それを知らずに自動車内に不正に侵入した者に
対して有効である。更に、上記の効果を既に知っている
者に対しても、自動車内に不正に侵入しようとする場
合、次のリスクを負わせる。まず従来から既知のリスク
であって、侵入行為がサイレンの音又は非常ランプの光
で自動車周辺の人々に、携帯電話機で所定の通報先に知
られるというリスクである。そのリスクと共に更に、自
動車内に閉じこめられ、容易には逃走できなくなるとい
うリスクである。このように、本発明による自動車盗難
防止装置は、自動車内に不正に侵入しようとする者に従
来の自動車盗難防止装置より多くのリスクを負わせる。
それ故、本発明による自動車盗難防止装置は侵入行為に
対して、従来の自動車盗難防止装置より高い抑止効果を
有する。
【0094】更に、本発明による自動車盗難防止装置
は、赤外線通信又は電波通信により携帯電話機を制御す
る。従って、赤外線通信又は電波通信が可能な範囲であ
れば携帯電話機を比較的自由に設置できる。その結果、
携帯電話機を自動車盗難防止装置へ通信ケーブルで接続
したり、所定の位置に正確に固定したりする従来の手間
を省くことができる。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である自動車盗難防止装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】(a)及び(b)は自動車のドア20を、自動車の内側
及び外側からそれぞれ示した斜視図である。
【図3】実施例1の侵入者監禁ロック5の内部構造の概略
を示す平面図である。
【図4】自動車のインサイドミラー40を示す斜視図であ
る。
【図5】(a)及び(b)は、実施例1の自動車盗難防止装置
が設置された自動車の運転席前のパネル近傍、及び、実
施例1の赤外線通信部8の赤外線インタフェース8b内部
をそれぞれ示す図である。
【図6】(a)及び(b)は、自動車のフロントガラス61及び
リアガラス62をそれぞれ外側から見た斜視図である。
【図7】実施例1の自動車盗難防止装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図8】本発明の実施例2である自動車盗難防止装置の
構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2において、液晶表示層81dを含むフロン
トガラス61を外側から見た斜視図である。(a)及び(b)
は、液晶表示層81dが透明及び不透明の場合をそれぞれ
示している。
【図10】実施例2の自動車盗難防止装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図11】本発明の実施例3である自動車盗難防止装置の
構成を示すブロック図である。
【図12】(a)及び(b)は、実施例3の自動車盗難防止装置
が設置された自動車の運転席前のパネル近傍、及び、実
施例3の電波通信部100をそれぞれ示す図である。
【図13】本発明の実施例4である自動車盗難防止装置の
構成を示すブロック図である。
【図14】従来の自動車盗難防止装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【図15】図14とは別の従来の自動車盗難防止装置を示す
ブロック図である。
【図16】従来の自動車盗難防止装置161を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1a 実施例1及び2の携帯電話制御装置 7 鍵 7a 鍵のつまみ 7b 赤外線LED 9 携帯電話機 11a サイレン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 25/00 609 B60R 25/00 609

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車内の所定の位置に置かれた携帯電
    話機を制御するための携帯電話制御装置;前記自動車の
    ドアを施錠するためのドアロック装置;前記ドアロック
    装置を前記自動車内からは操作不能にするための侵入者
    監禁ロック装置;不審者の前記自動車への接触又は接近
    を感知するためのセンサ;及び、前記自動車のドアの開
    閉と前記センサの出力とに応じて、前記携帯電話制御装
    置と前記侵入者監禁ロック装置とを制御するための中央
    処理装置;を有する自動車盗難防止装置。
  2. 【請求項2】 前記中央処理装置の指示に従って、前記
    自動車のフロントガラス、リアガラス又はその両方に不
    透明な塗料を噴射するための塗料噴射装置を有する、請
    求項1記載の自動車盗難防止装置。
  3. 【請求項3】 液晶表示層を含むフロントガラス;及
    び、前記中央処理装置の指示に従って、前記液晶表示層
    を不透明化するための液晶表示中央処理装置;を有す
    る、請求項1記載の自動車盗難防止装置。
  4. 【請求項4】 自動車内の所定の位置に置かれた携帯電
    話機を、前記携帯電話機の電磁波用インタフェースを通
    じて電磁波により制御するための携帯電話制御装置;不
    審者の前記自動車への接触又は接近を感知するためのセ
    ンサ;及び、前記自動車のドアの開閉と前記センサの出
    力とに応じて、前記携帯電話制御装置を制御するための
    中央処理装置;を有する自動車盗難防止装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁波が赤外線である、請求項4記
    載の自動車盗難防止装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁波が電波である、請求項4記載
    の自動車盗難防止装置。
  7. 【請求項7】 外部とのインタフェースを含む携帯電話
    機;自動車内の所定の位置に置かれた前記携帯電話機
    を、前記インタフェースを通じて制御するための携帯電
    話制御装置;前記自動車のドアを施錠するためのドアロ
    ック装置;前記ドアロック装置を前記自動車内からは操
    作不能にするための侵入者監禁ロック装置;不審者の前
    記自動車への接触又は接近を感知するためのセンサ;及
    び、前記自動車のドアの開閉と前記センサの出力とに応
    じて、前記携帯電話制御装置と前記侵入者監禁ロック装
    置とを制御するための中央処理装置;を有する自動車盗
    難防止システム。
  8. 【請求項8】 前記中央処理装置の指示に従って、前記
    自動車のフロントガラス、リアガラス又はその両方に不
    透明な塗料を噴射するための塗料噴射装置を有する、請
    求項7記載の自動車盗難防止システム。
  9. 【請求項9】 液晶表示層を含むフロントガラス;及
    び、前記中央処理装置の指示に従って、前記液晶表示層
    を不透明化するための液晶表示中央処理装置;を有す
    る、請求項7記載の自動車盗難防止システム。
  10. 【請求項10】 電磁波用インタフェースを含む携帯電
    話機;自動車内の所定の位置に置かれた前記携帯電話機
    を、前記電磁波用インタフェースを通じて電磁波により
    制御するための携帯電話制御装置;不審者の前記自動車
    への接触又は接近を感知するためのセンサ;及び、前記
    自動車のドアの開閉と前記センサの出力とに応じて、前
    記携帯電話制御装置を制御するための中央処理装置;を
    有する自動車盗難防止システム。
  11. 【請求項11】 前記電磁波が赤外線である、請求項1
    0記載の自動車盗難防止システム。
  12. 【請求項12】 前記電磁波が電波である、請求項10
    記載の自動車盗難防止システム。
  13. 【請求項13】 自動車内で、携帯電話制御装置からの
    制御信号を受信可能な位置に、前記制御信号を受信可能
    な携帯電話機を置くステップ;前記自動車のドアの施錠
    から所定時間後に前記携帯電話制御装置を作動状態にす
    るステップ;前記携帯電話制御装置が前記作動状態にあ
    る間、センサが不審者の前記自動車への接触又は接近を
    監視するステップ;前記センサが前記不審者の前記自動
    車への接触又は接近を感知した場合、前記携帯電話制御
    装置が前記携帯電話機により所定の通報先へ通報するス
    テップ;及び、 前記センサが前記不審者の前記自動車への接触又は接近
    を感知した後、前記不審者が前記自動車のドアを一旦開
    けて再び閉めた場合、前記自動車のドアを前記自動車内
    から開くことができないようにロックするステップ;を
    有する自動車盗難防止方法。
  14. 【請求項14】 前記センサが前記不審者の前記自動車
    への接触又は接近を感知した後、前記自動車のフロント
    ガラス、リアガラス又はその両方に不透明な塗料を噴射
    するステップを有する、請求項13記載の自動車盗難防
    止方法。
  15. 【請求項15】 前記センサが前記不審者の前記自動車
    への接触又は接近を感知した後、前記自動車のフロント
    ガラスの液晶表示層を不透明化するステップを有する、
    請求項13記載の自動車盗難防止方法。
  16. 【請求項16】 自動車内で、携帯電話制御装置からの
    電磁波での制御信号を受信可能な位置に、電磁波用イン
    タフェースを含む携帯電話機を置くステップ;前記自動
    車のドアの施錠から所定時間後に前記携帯電話制御装置
    を作動状態にするステップ;前記携帯電話制御装置が前
    記作動状態にある間、センサが不審者の前記自動車への
    接触又は接近を監視するステップ;及び、 前記センサが前記不審者の前記自動車への接触又は接近
    を感知した場合、前記携帯電話制御装置が前記携帯電話
    機により所定の通報先へ通報するステップ;を有する自
    動車盗難防止方法。
  17. 【請求項17】 前記電磁波が赤外線である、請求項1
    6記載の自動車盗難防止方法。
  18. 【請求項18】 前記電磁波が電波である、請求項16
    記載の自動車盗難防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006347207A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 自動車用盗難防止装置
CN104867270A (zh) * 2015-03-02 2015-08-26 李志俊 户外多用途警戒器
CN107230308A (zh) * 2017-07-26 2017-10-03 安永 一种车辆驾驶室防盗系统及方法
CN111194368A (zh) * 2017-10-16 2020-05-22 洗净加股份有限公司 自助洗衣系统
US20220307939A1 (en) * 2019-07-19 2022-09-29 Agc Glass Europe Glazing sensor

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