JP2002178498A - インクジェット式記録装置および同装置におけるインク流路内の洗浄制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置におけるインク流路内の洗浄制御方法

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JP2002178498A
JP2002178498A JP2000381344A JP2000381344A JP2002178498A JP 2002178498 A JP2002178498 A JP 2002178498A JP 2000381344 A JP2000381344 A JP 2000381344A JP 2000381344 A JP2000381344 A JP 2000381344A JP 2002178498 A JP2002178498 A JP 2002178498A
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pressure
time
air
ink
pressurizing pump
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JP2000381344A
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Kimitoshi Kimura
仁俊 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気圧によってインクカートリッジからキャ
リッジに搭載された記録ヘッド側にインクを補給する記
録装置において、インク流路の洗浄操作を迅速に達成さ
せること。 【解決手段】 洗浄液が貯留されたカートリッジを加圧
する加圧ポンプは、図6(C)に示されたように、第2
時間(T2 )において駆動される。また、第2時間(T
2 )の経過後においては、第2時間の経過に続く第3時
間(T3 )の継続中において駆動が停止され、さらに第
3時間の経過に続く第4時間(T4 )の継続中におい
て、加圧ポンプの駆動が実行される制御が繰り返され
る。前記第3時間および第4時間によって管理される空
気加圧ポンプの停止および駆動作用によりカートリッジ
に加わる空気圧が、圧力検出センサにより検出される所
定の圧力(a)よりも高い圧力に維持されるように制御
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクが貯留され
たインクカートリッジとしてのメインタンクに対して空
気加圧ポンプにより生成される加圧空気が印加され、前
記加圧空気の作用によりメインタンクからキャリッジに
搭載された記録ヘッド側にインクを補給するように構成
したインクジェット式記録装置に関し、特にインクカー
トリッジから記録ヘッドに至るインク流路における洗浄
操作、およびインクの入れ替え操作を能率的になし得る
インクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、オフィス向けまたは業務用に提
供されるインクジェット式記録装置においては、比較的
大量の印刷に対応させるために、大容量のインクカート
リッジを配備する必要が生じ、このためにインクカート
リッジとしてのメインタンクを、例えば装置本体側に配
置されたカートリッジホルダに装填させる形式の記録装
置が提供されている。
【0003】そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッ
ジ上にはサブタンクが配置され、前記各メインタンクか
ら各サブタンクに対してインク補給チューブを介してそ
れぞれインクを補給し、さらに各サブタンクからそれぞ
れ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今におい
ては大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、キャ
リッジの走査距離の長い大型の記録装置の需要が増大し
ており、このような記録装置においては、スループット
を向上させるために、記録ヘッドにおいては益々多ノズ
ル化が図られている。さらに、スループットを向上させ
るために、印刷を実行しながらメインタンクからキャリ
ッジに搭載された各サブタンクに対して逐次インクを補
給し、各サブタンクからそれぞれ記録ヘッドに対してイ
ンクを安定して供給するような記録装置が求められてい
る。
【0005】このような記録装置においては、メインタ
ンクからキャリッジ上のサブタンクに対してそれぞれの
インクに対応してインク補給チューブを接続する必要が
あり、キャリッジの走査距離が大きいために必然的にチ
ューブの引き回し距離が増大する。しかも前記したとお
り、記録ヘッドにおいては多ノズル化が図られているた
めに、インクの消費量が多く、メインタンクからサブタ
ンクに接続された各インク補給チューブ内においてイン
クの動圧が高まり、サブタンクに対するインクの補給量
が不足するという技術的課題が発生する。
【0006】本件出願人は、このような課題を解決する
ために、メインタンク側に空気圧を印加し、メインタン
クからサブタンクに対して空気圧によって強制的なイン
ク流を発生させて、サブタンクに対して必要十分なイン
クを補給する構成を備えたインクジェット式記録装置を
提案している。
【0007】この記録装置によると、メインタンク側に
加圧空気を印加するための空気加圧ポンプと、メインタ
ンクに対して与えられる空気圧を検出する圧力検出器が
具備され、この圧力検出器の検知圧に基づいて、空気加
圧ポンプを駆動および停止させることで、サブタンクに
対して必要十分なインクが補給されるように構成されて
いる。
【0008】一方、この種の記録装置においては、製品
出荷時において印字テスト等が実行される。そして、印
字テスト等が終了した時点で、メインタンクからサブタ
ンクおよび記録ヘッドに至るインク流路を洗浄する操作
が行われ、洗浄後に製品として出荷される。前記した構
成の記録装置によると、メインタンクから記録ヘッドに
至るインク流路が、従来の記録装置に比較して長大にな
ることは免れず、したがって、長大なインク流路を洗浄
液によって洗浄するには多くの時間を費やすことにな
る。また、前記した洗浄操作に限らず、インク流路にお
けるインクを入れ替えるような要請が発生した場合にお
いても、その入れ替え時間に多くの時間を費やすことに
なる。
【0009】そこで、洗浄操作またはインクの入れ替え
操作に要する時間を短縮するために、空気加圧ポンプを
駆動するモータを終始回転駆動させて、洗浄液が貯留さ
れたメインタンクまたは、インクを入れ替える新たなメ
インタンクに対して大きな空気圧を加えることが考えら
れる。この場合、加圧ポンプからメインタンクに至る空
気路には、何らかの障害により過剰な圧力が加わるのを
抑制する圧力開放弁が配置されている。
【0010】したがって、圧力開放弁を備えたこの種の
記録装置においては、洗浄操作またはインクの入れ替え
操作を実行する場合、加圧ポンプを駆動する前記モータ
を終始回転駆動させつつ、圧力開放弁によって放圧させ
るように作用する。しかしながら、洗浄操作中またはイ
ンクの入れ替え操作中において、加圧ポンプを駆動する
前記モータを終始回転駆動させることは、発熱等の問題
等に起因する種々のリスクも抱えることになり、好まし
くはない。
【0011】本発明は、前記したような課題を解決する
ためになされたものであり、空気加圧ポンプを駆動する
モータを終始回転駆動させることなく、洗浄操作または
インクの入れ替え操作を迅速に達成することができるイ
ンクジェット式記録装置および同装置におけるインク流
路内の洗浄制御方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、インクが貯留されたメインタンクに対して空気加
圧ポンプにより生成される加圧空気が印加され、前記加
圧空気の作用によりメインタンクからキャリッジに搭載
されたサブタンクを介して記録ヘッドに対してインクが
供給されるように構成したインクジェット式記録装置で
あって、前記空気加圧ポンプとメインタンクとの間の空
気路に配置された圧力検出器が所定の圧力を検出した場
合に、第1時間経過後に前記空気加圧ポンプの駆動を停
止させると共に、圧力検出器が所定の圧力以下となった
ことを検出した場合に、再び空気加圧ポンプを駆動させ
ることで、印刷状態における前記サブタンクへのインク
の供給を制御する第1制御が実行され、前記圧力検出器
が所定の圧力を検出した場合に、前記第1時間よりも長
い第2時間経過後に前記空気加圧ポンプの駆動を停止さ
せると共に、圧力検出器が所定の圧力以下となったこと
を検出した場合に、再び空気加圧ポンプを駆動させるこ
とで、メインタンクから記録ヘッドに至る流路の流速を
高める第2制御が実行されるように構成される。
【0013】この場合、好ましくは前記圧力検出器によ
って検出される前記所定の圧力よりも高い圧力を受けた
場合に開弁して圧力を調整する圧力開放弁がさらに具備
され、前記第2制御を実行するに際して、前記第2時間
の空気加圧ポンプの継続駆動により、前記空気路におけ
る圧力が、圧力開放弁より放圧されるように制御され
る。
【0014】また、好ましくは第2制御の実行中におけ
る前記第2時間の経過後においては、第2時間の経過に
続く第3時間の継続中において前記空気加圧ポンプの駆
動が停止され、さらに第3時間の経過に続く第4時間の
継続中において前記空気加圧ポンプの駆動が実行される
制御が繰り返され、前記第3時間および第4時間によっ
て管理される空気加圧ポンプの停止および駆動作用によ
る前記空気路における圧力が、前記圧力検出器により検
出される所定の圧力よりも高い圧力に維持されるように
構成される。
【0015】この場合、前記第3時間および第4時間に
よって管理される空気加圧ポンプの停止および駆動作用
により、前記空気路に蓄圧される圧力が前記圧力開放弁
により放圧される圧力に達するように制御されることが
望ましい。
【0016】前記した構成によるインクジェット式記録
装置によると、印刷状態においては第1制御が実行さ
れ、また、インクの入れ替え操作にあたっては第2制御
が実行される。特に第2制御が実行された場合には、圧
力検出器が所定の圧力を検出した場合に、印刷状態にお
いて採用される第1時間よりも長い第2時間にわたって
空気加圧ポンプが駆動され、圧力検出器が所定の圧力以
下となったことを検出した場合には、再び第2時間にわ
たって空気加圧ポンプが駆動される。
【0017】前記した制御により、メインタンクに加わ
る空気圧は、印刷動作において加わる空気圧に比較して
平均的に大きくすることができる。したがって、メイン
タンクから記録ヘッドに至る流路の流速を高めることが
でき、インクの入れ替え操作に要する時間を短縮させる
ことが可能となる。この場合、前記空気路における圧力
が、圧力開放弁より若干放圧される程度に、空気加圧ポ
ンプを継続させるように、前記第2時間を設定すること
で、メインタンクに加わる空気圧の平均値を上昇させる
ことができる。
【0018】さらに、前記第2時間の経過後において
は、空気加圧ポンプの停止および駆動動作を、第3時間
および第4時間において管理し、空気路における圧力
が、前記圧力検出器により検出される所定の圧力よりも
高い圧力に維持されるように制御することで、メインタ
ンクに加わる空気圧の平均値を、さらに上昇させること
ができる。この場合、空気路に蓄圧される圧力が、圧力
開放弁により若干放圧される圧力に達するように前記第
3時間および第4時間を設定することで、メインタンク
に加わる空気圧の平均値を、さらに上昇させることがで
き、インクの入れ替え操作に要する時間をより短縮させ
ることが可能となる。
【0019】一方、本発明にかかるインク流路内の洗浄
制御方法は、インクが貯留されたメインタンクに対して
空気加圧ポンプにより生成される加圧空気が印加され、
前記加圧空気の作用によりメインタンクからキャリッジ
に搭載されたサブタンクを介して記録ヘッドに対してイ
ンクが供給されるように構成され、前記空気加圧ポンプ
とメインタンクとの間の空気路に配置された圧力検出器
が所定の圧力を検出した場合に、第1時間経過後に前記
空気加圧ポンプの駆動を停止させると共に、圧力検出器
が所定の圧力以下となったことを検出した場合に、再び
空気加圧ポンプを駆動させることで、印刷状態における
前記サブタンクへのインクの供給を制御するように構成
したインクジェット式記録装置におけるインク流路内の
洗浄制御方法であって、前記空気加圧ポンプを駆動する
ことで、洗浄液が貯留されたメインタンクに対して加圧
空気を印加し、前記圧力検出器が所定の圧力を検出した
場合に、前記第1時間よりも長い第2時間経過後に空気
加圧ポンプの駆動を停止させるステップと、前記圧力検
出器が所定の圧力以下となったことを検出した場合に、
再び空気加圧ポンプを駆動させるステップと、を反復繰
り返して実行するようになされる。
【0020】また、本発明にかかるインク流路内の洗浄
制御方法は、前記圧力検出器によって検出される所定の
圧力よりも高い圧力を受けた場合に開弁して圧力を調整
する圧力開放弁をさらに具備したインクジェット式記録
装置におけるインク流路内の洗浄制御方法であって、前
記第2時間の空気加圧ポンプの継続駆動により、前記空
気路における圧力が、圧力開放弁より放圧されるように
制御される。
【0021】この場合、好ましくは前記第2時間の経過
後において、第2時間の経過に続く第3時間の継続中に
おいて、前記空気加圧ポンプの駆動を停止させるステッ
プと、第3時間の経過に続く第4時間の継続中において
前記空気加圧ポンプを駆動させるステップとが反復繰り
返され、前記第3時間および第4時間によって管理され
る空気加圧ポンプの停止および駆動作用による前記空気
路における圧力が、前記圧力検出器により検出される所
定の圧力よりも高い圧力に維持されるように制御するこ
とが好ましい。
【0022】さらに、前記第3時間および第4時間によ
って管理される空気加圧ポンプの停止ステップおよび駆
動ステップにより、前記空気路に蓄圧される圧力が前記
圧力開放弁により放圧される圧力に達するように制御さ
れることが望ましい。
【0023】前記したインク流路内の洗浄制御方法によ
ると、先に説明したインクの入れ替え操作と同様の作用
を得ることができ、洗浄液が貯留されたメインタンクに
加わる空気圧の平均値を上昇させることができ、洗浄操
作に要する時間をより短縮させることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。図1は、本発明が適用されたインクジェッ
ト式記録装置の基本構成を上面図によって示したもので
ある。図1において符号1はキャリッジであり、このキ
ャリッジ1はキャリッジモータ2によって駆動されるタ
イミングベルト3を介し、走査ガイド部材4に案内され
て紙送り部材5の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向
である主走査方向に往復移動されるように構成されてい
る。そして、図1には示されていないが、キャリッジ1
の紙送り部材5に対向する面には、後述するインクジェ
ット式記録ヘッド6が搭載されている。
【0025】また、キャリッジ1には前記記録ヘッドに
インクを供給するためのサブタンク7a〜7dが搭載さ
れている。このサブタンク7a〜7dは、この実施の形
態においては、その内部において各インクを一時的に貯
留するために、それぞれのインクに対応して4個具備さ
れている。そして、このサブタンク7a〜7dに対して
装置の端部に配置されたカートリッジホルダ8に装填さ
れたインクカートリッジとしてのメインタンク9a〜9
dから、インク供給路を構成する可撓性のインク補給チ
ューブ10,10,……をそれぞれ介して、ブラック、
イエロー、マゼンタおよびシアンの各インクが補給され
るように構成されている。
【0026】一方、前記キャリッジ1の移動経路上にお
ける非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッドの
ノズル形成面を封止することができるキャッピング手段
11が配置されており、さらにこのキャッピング手段1
1の上面には、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止し
得るゴム等の可撓性素材により形成されたキャップ部材
11aが配置されている。そして、キャリッジ1がホー
ムポジョンに移動したときに、前記キャップ部材11a
によって、記録ヘッドのノズル形成面が封止されるよう
に構成されている。
【0027】このキャップ部材11aは、記録装置の休
止期間中において記録ヘッドのノズル形成面を封止し、
ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。ま
た、このキャップ部材11aには、図には示されていな
いが、吸引ポンプ(チューブポンプ)におけるチューブ
の一端が接続され、吸引ポンプによる負圧を記録ヘッド
に作用させて、記録ヘッドからインクを吸引排出させる
クリーニング動作が実行されるように構成されている。
さらに、キャッピング手段11に隣接する印字領域側に
は、ゴムなどの弾性素材によるワイピング部材12が配
置されていて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面
を払拭して清掃することができるように構成されてい
る。
【0028】次に図2は、図1に示した記録装置に搭載
されたインク供給システムの構成を模式的に示したもの
であり、このインク供給システムについて同一符号で示
した図1と共に説明する。図1および図2において、符
号21は空気加圧ポンプを示しており、この空気加圧ポ
ンプ21により加圧された空気は、圧力開放弁22に供
給され、さらに圧力開放弁22より圧力検出器(以下、
圧力センサともいう)23を介して前記した各メインタ
ンク9a〜9d(図2においては代表して符号9として
示しており、以下において代表して単に符号9として説
明する場合もある。)にそれぞれ加圧空気が供給される
ように構成されている。
【0029】前記圧力開放弁22は、空気加圧ポンプ2
1によって加圧された空気圧が過度の状態に達した時
に、圧力を開放して各メインタンク9a〜9dに加わる
空気圧を所定の範囲に維持させる機能を有している。こ
れは、後述する圧力検出器23から空気加圧ポンプ21
に至る制御系統に何らかの障害が発生して、加圧ポンプ
21が駆動状態を継続し、過剰な空気圧がメインタンク
9に印加されて後述するインクパック24を破損させる
などの問題を回避できるように作用する。
【0030】そして、圧力検出器23は空気加圧ポンプ
21によって加圧された空気圧を検知し、空気加圧ポン
プ21の駆動を制御するように機能する。すなわち、後
で詳細に説明するように、圧力検出器23により得られ
る圧力検出値が所定の圧力に達していない場合には、前
記空気加圧ポンプ21の図示せぬモータを駆動するよう
に制御すると共に、圧力検出器23による圧力検出値が
所定の圧力に達したことを検出した場合には、予め定め
られた時間(第1時間)経過後に空気加圧ポンプ21の
駆動を停止させるように制御する。
【0031】前記メインタンク9は、その概略構成が図
2に示されたように、その外郭が気密状態に形成されて
おり、その内部にはインクを封入した可撓性素材により
形成されたインクパック24が収納されている。そし
て、メインタンク9とインクパック24とで形成される
空間が圧力室25を構成しており、この圧力室25内
に、圧力検出器23を介した加圧空気が供給されるよう
に構成されている。この構成により、各メインタンク9
a〜9dに収納された各インクパック24は、それぞれ
加圧空気による圧力を受け、各メインタンク9a〜9d
から各サブタンク7a〜7dに対してインク流が発生さ
れるように構成されている。
【0032】前記各メインタンク9a〜9dにおいて加
圧されたインクは、インクパック24のインク出口付近
に配置された各インク補給バルブ26,26……および
各インク補給チューブ10,10,……をそれぞれ介し
て、キャリッジ1に搭載された各サブタンク7a〜7d
(図2においては代表して符号7として示しており、以
下において代表して単に符号7として説明する場合もあ
る。)に供給されるように構成されている。
【0033】前記サブタンク7は、図2にその基本構成
が示されているように、内部にフロート部材31が配置
されており、そのフロート部材31の一部には永久磁石
32が取り付けられている。そして、ホール素子に代表
される磁電変換素子33a,33bが基板34に装着さ
れて、サブタンク7の側壁に添接されている。この構成
により、フロート部材31に配置された永久磁石32
と、フロート部材の浮上位置にしたがった前記永久磁石
32による磁力線量に応じて、前記ホール素子33a,
33bにより電気的出力が発生されるインク量検出手段
を構成している。
【0034】したがって、例えばサブタンク7内のイン
ク量が少なくなった場合には、サブタンク内に収納され
たフロート部材31の位置が重力方向に移動し、これに
伴い前記永久磁石32の位置も重力方向に移動する。そ
れ故、永久磁石の移動によるホール素子33a,33b
の電気的出力は、サブタンク7内のインク量として感知
することができ、ホール素子33a,33bにより得ら
れた電気的出力によって、前記インク補給バルブ26が
開弁される。これにより、メインタンク9内で加圧され
ているインクは、インク量が低下したそれぞれのサブタ
ンク7内に個別に送出される。
【0035】そして、当該サブタンク7内におけるイン
ク量が所定の容量に達した場合には、前記したホール素
子33a,33bの電気的出力に基づいて前記インク補
給バルブ26が閉弁される。このような繰り返しによ
り、メインタンクからサブタンクに対して断続的にイン
クが補給されるように作用し、各サブタンクには常にほ
ぼ一定の範囲のインクが貯留されるようになされる。
【0036】このように、サブタンク内において空気圧
によって加圧された各インクが、サブタンク内に配置さ
れたそれぞれのフロート部材の位置に基づく電気的な出
力に基づいて、各サブタンクに対してインクが補給され
るように構成されているので、インクの補給レスポンス
を向上させることができ、サブタンク内のインクの貯留
量が適切に管理される。
【0037】そして、各サブタンク7からはバルブ35
およびこれに接続されたチューブ36を介して記録ヘッ
ド6に対してインクが供給されるように構成されてお
り、記録ヘッド6の図示せぬアクチェータに供給される
印刷データに基づいて、記録ヘッド6のノズル形成面に
形成されたノズル開口6aより、インク滴が吐出される
ように作用する。
【0038】なお、図2において符号11は、前記した
キャッピング手段を示しており、このキャッピング手段
11に一端が接続されたチューブ37aは、吸引ポンプ
(チューブポンプ)37の一部を構成している。そし
て、チューブ37aの他端は廃液タンク38に接続され
ており、吸引ポンプ37により吸引したインク廃液は、
廃液タンク38に導出されるように構成されている。
【0039】図3は、前記した圧力検出器23の構成を
断面図によって示したものである。この圧力検出器23
は、その外形が円筒状に形成された上ケース41と、同
じく外形が円筒状に形成された下ケース42が具備され
ており、これら上ケース41と下ケース42との間に
は、可撓性弾性部材により円盤状に形成されたダイヤフ
ラム43が、その周縁部が挟持された形で配置されてい
る。
【0040】前記ダイヤフラム43は、図3に示された
ようにその中央部に厚肉部43aが形成されており、こ
の厚肉部43aと周縁部との間には、断面が半円状にな
された薄肉部43bが形成されている。なお、このダイ
ヤフラム43は好ましくはゴム素材により構成される。
また、ダイヤフラム43は布にゴム素材を充填した状態
で形成されることもあり、この場合においてはダイヤフ
ラムとしての耐久性を高めることができる。
【0041】一方、上ケース41の上部には、円筒体4
1aが一体に形成されており、この円筒体41aのさら
に内側の上部には内筒体41bが円筒体41aと一体と
なるように形成されている。なお、図3に示された断面
状態においては、前記内筒体41bは浮いた状態に描か
れているが、この内筒体41bは、図に示された状態に
対し、周方向に直交する位置で円筒体41aに結合され
ている。換言すれば、図に示されたように円筒体41a
と内筒体41bとの間には、対向するようにして一対の
開口部41cが形成されている。
【0042】前記円筒体41aの内部には、可動部材4
4が軸方向(図3において上下方向)に摺動できるよう
に収納されている。この可動部材44は、二股状に形成
され、且つそれぞれの先端部には爪状のストッパー部材
44aが形成されており、このストッパー部材44aが
前記開口部41cに入り込んで、円筒体41aの上端部
に係合するように構成されている。
【0043】そして、可動部材44には、その内底部か
ら一体に起立された起立部44bが形成されており、図
3に示す実施の形態においては、前記内筒体41bの下
端部と可動部材44の内底部との間には、起立部44b
を捲装するようにしてコイル状のばね部材45が配備さ
れている。この構成により前記可動部材44は、ばね部
材45によって図における下方向に付勢されるように構
成されており、これにより可動部材44の下底部は、前
記ダイヤフラム43の中央の厚肉部43aの上面に当接
するように構成されている。
【0044】一方、前記下ケース42には、その下底部
に空気加圧ポンプ21からの加圧空気を、下ケース42
とダイヤフラム43との間の空間部42aに導入するた
めの加圧空気導入用の接続管42bと、前記空間部42
aから各メインタンク9に対してそれぞれ加圧空気を分
配する複数の加圧空気分配用の接続管42cとが形成さ
れている。この実施の形態においては、前記したように
4つのメインタンク9が備えられており、この場合にお
いては加圧空気分配用の接続管42cは、その数に応じ
て4個備えられる。なお、図3はこれを断面図で示して
いる関係で、2つの加圧空気分配用の接続管42cが示
されている。
【0045】この構成によって、空気加圧ポンプ21か
らの加圧空気は、加圧空気導入用の接続管42bを介し
て圧力検出器23の空間部42aに導入され、また各加
圧空気分配用の接続管42cを介して各メインタンク9
における圧力室25に加圧空気が印加されるように作用
する。そして、空間部42aに導入された加圧空気の作
用を受けて、前記ダイヤフラム43は図中上方向に変位
され、可動部材44を上方に押し上げるように作用す
る。なお、前記ダイヤフラム43と上ケース41との間
に形成される空間部は、円筒体41aと可動部材44と
の隙間を介して大気に連通されている。
【0046】そして、この実施の形態においては、前記
したように可動部材44は、ばね部材45によって図に
おける下方向に付勢されるように構成されており、した
がって前記ダイヤフラム43が受ける空気圧とダイヤフ
ラムの弾性による復帰力、ならびに前記ばね部材45の
付勢力とのバランスによるダイヤフラムの変位に基づい
て、前記可動部材44が上下に移動される。
【0047】なお、可動部材44には加圧空気を受けた
場合にダイヤフラム43が過度に変位されるのを阻止す
るための段差部44dが形成されている。すなわち、前
記ダイヤフラム43が、通常またはそれ以下の空気圧を
受けている状態から、所定以上の空気圧を受けた状態に
変化した場合には、可動部材44が図中上部方向に移動
し、可動部材44の内底部から一体に起立された起立部
44bに形成された段差部44dが、内筒体41bの下
端部を構成する当接部41dに当接して可動部材44の
さらなる上昇を阻止するように構成されている。これに
より、前記ダイヤフラム43が過度の変位を受けるのを
回避することができ、圧力検出器23としての正常な機
能が保証されるようになされている。
【0048】また、図3に示した実施の形態において
は、可動部材44は二股状に形成され、且つそれぞれの
先端部に爪状のストッパー部材44aが配置されている
ので、このストッパー部材44aが円筒体41aの上端
部に係合することで、前記ダイヤフラム43は、前記ば
ね部材45による過度の変位を受けないようになされて
いる。しかしながら、前記したような爪状のストッパー
部材44aが形成されない場合においては、下ケース4
2の下底部中央に想像線で示したように円柱状のストッ
パー部材42dを一体に成形し、これによりダイヤフラ
ムの過度の変位を阻止するように作用させることが望ま
しい。
【0049】一方、前記可動部材44に形成された起立
部44bにおける先端部の移動経路には、フォトセンサ
46が配置されている。このフォトセンサ46は光源4
6aと受光素子46bが対向するようにして構成されて
おり、したがって、前記空間部42aに導入される加圧
空気が所定の圧力に達しない場合には、光源46aから
の投射光が受光素子46bに到達し、受光素子46bに
は電気的な出力が発生する。また、加圧空気が所定の圧
力に達した場合には、ダイヤフラム43が変位して前記
可動部材44に形成された起立部44bの先端部が、フ
ォトセンサ46を構成する光源46aと受光素子46b
との間に入り込んで、光源46aから受光素子46bに
至る光軸を遮断するように作用する。
【0050】次に図4は、前記した構成の圧力検出器2
3を用いて、空気加圧ポンプ21を駆動制御する制御手
段の動作ルーチンを示したものである。すなわち、ステ
ップS11においては、圧力検出器23としての圧力セ
ンサによる前記した電気的な出力が検証される。このス
テップS11において、圧力センサによる圧力検出値が
所定の圧力に達していない(Low)と判定されると、
ステップS12に移行し、加圧ポンプ21を駆動する制
御がなされる。
【0051】そして、加圧ポンプ21の駆動状態におい
て、ステップS13に示すように圧力センサによる前記
した電気的な出力が検証され、圧力検出値が所定の圧力
に達した(High)と判定されると、ステップS14
に示されたように、その時点から所定の第1時間(T1
)が経過したか否かが判定され、所定の第1時間(T1
)が経過したと判定された時点において、ステップS
15に移行して加圧ポンプ21の駆動を停止させるよう
に制御される。この動作によって加圧ポンプ21から各
メインタンク9に至る空気路には、圧力センサによって
検出される前記所定の圧力を越えた空気圧が蓄積され
る。
【0052】そして、再びステップS11にリターンさ
れ、圧力センサによる前記した電気的な出力が検証され
る。この場合には加圧ポンプ21から各メインタンク9
に至る空気路には、圧力センサによって検出される前記
所定の圧力を越えた空気圧が蓄積されているのでHig
hと判定され、リターンされる。そして、ステップS1
1において常時圧力センサによる電気的な出力が検証さ
れ続け、例えば印刷動作によるインクの消費によって所
定の圧力よりも低下した(Low)と判定された場合に
は、前記したようにステップS12以降の動作が実行さ
れる。
【0053】図6(A)は、前記した動作に基づく加圧
ポンプ21から各メインタンク9に至る空気路の圧力状
態を示している。すなわち、センサ検知圧が所定の圧力
(High)を検出するレベルを(a)として示してお
り、この状態から前記した第1時間(T1 )を経過する
まで、加圧ポンプが駆動される。したがって、第1時間
(T1 )を経過した時点では、空気路の圧力は(b)と
して示すレベルに上昇する。そして、印刷動作等による
インクの消費に基づいて、空気路の圧力が降下し、レベ
ルを(a)まで降下した場合には、再び前記した第1時
間(T1 )にわたり加圧ポンプが駆動される。
【0054】なお、前記したステップS12において加
圧ポンプの駆動が開始され、ステップS13における圧
力センサS13による検証結果が、所定の圧力に達して
いない(Low)と判定されている場合には、ステップ
S16に示されたように加圧ポンプの連続駆動時間を検
証するようになされている。このステップS16におい
ては、加圧ポンプの連続駆動時間が所定の時間(Tx )
を経過したか否かが検証される。
【0055】そして、ステップS13における圧力検出
の状態がLowのままで、所定の時間(Tx )が経過し
たと判定された場合(Yesの場合)には、加圧空気の
供給系に何らかの障害が発生しているものとみなすこと
ができる。この場合には、例えば記録装置に配置された
図示せぬディスプレイに供給不良を示すエラーメッセー
ジ等を表示するようになされる。
【0056】以上のような動作シーケンスを採用するこ
とで、加圧ポンプ21の一回の駆動動作により十分な空
気圧を蓄積することができる。したがって、インクの消
費等による空気圧の低下により、前記圧力センサがLo
w状態を検出し、再び加圧ポンプ21を駆動するまでに
は、相当の時間間隔がおかれることになり、加圧ポンプ
21の頻繁な駆動および停止の繰り返し作用を抑制させ
ることができる。
【0057】ところで、この種の記録装置においては、
前記したように製品出荷時において印字テスト等が実行
される。そして、印字テスト等が終了した時点で、メイ
ンタンクからサブタンクおよび記録ヘッドに至るインク
流路を洗浄する操作が行われ、洗浄後に製品として出荷
される。この洗浄操作においては、洗浄液を貯留したカ
ートリッジが用いられ、当該カートリッジから比較的長
大な各インク補給チューブ10を介して、サブタンクお
よび記録ヘッドに至るインク流路に洗浄液が流される。
【0058】この場合、前記したように印刷状態におい
てメインタンクを加圧する空気圧であっては、インク流
路に流れる洗浄液の速度はわずかであり、したがって、
インク流路を洗浄液によって洗浄するには多くの時間を
費やすことになる。また、例えばインク流路の洗浄操作
に限らず、インク流路におけるインクを入れ替えるよう
な要請が発生した場合においても、その入れ替え時間に
多くの時間を費やすことになる。
【0059】そこで、洗浄操作中またはインクの入れ替
え操作中においては、前記したように加圧ポンプを駆動
する前記モータを終始回転駆動させることで、メインタ
ンクを加圧する空気圧を上昇させて、洗浄液等の流速を
増加させることも考えられるが、加圧ポンプを駆動する
モータの発熱等の問題等に起因する種々のリスクも抱え
ることになる。
【0060】図6(B)は、加圧ポンプを駆動するモー
タの連続駆動を避けつつ、メインタンクを加圧するため
の空気圧を上昇させて、洗浄操作等の所用時間を短縮で
きるように制御する例を示している。すなわち、図6
(B)における実線で示すように、加圧ポンプの駆動に
より圧力センサが所定の圧力(a)を検出した場合に、
印刷動作を実行する場合に管理される前記第1時間(T
1 )よりも長い第2時間(T2 )経過後に、前記空気加
圧ポンプの駆動を停止させるようになされる。
【0061】そして、圧力センサが所定の圧力(a)以
下となったことを検出した場合には、再び空気加圧ポン
プを駆動させることで、空気路における平均圧力レベル
を上昇させることができる。これにより、メインタンク
から記録ヘッドに至る流路の流速を高めることができ、
洗浄操作等に要する時間を短縮することができる。これ
を実現させるには、図4に示した動作シーケンスにおけ
るステップS14において管理される第1時間(T1 )
を、第1時間(T1 )よりも長い第2時間(T2 )に置
き換える(切り換える)ようになされる。これにより、
第2時間(T2)の経過直後における空気路の圧力レベ
ルは、図6(B)に示す(c)の値となる。
【0062】さらに、前記第2時間として、図6(B)
における(T2')として示すように、圧力開放弁22が
開弁して放圧動作するに至るに必要な時間をもたせるよ
うにすることも効果的である。この場合においては破線
で示すように、第2時間(T2')の経過直後における空
気路の圧力レベルは、図6(B)に示す(d)の値とな
り、空気路における平均圧力レベルを上昇させることが
できる。図6(B)に示す実線または破線に示す圧力特
性を得る場合においては、いずれも加圧ポンプを駆動す
るモータは、T2 またはT2'の時間において間欠的に駆
動されることになり、モータを終始駆動させる場合に比
較すると、発熱等の問題等によるリスクを抱える度合い
を少なくすることができる。
【0063】なお、図6(B)に示された実線および破
線で示す圧力レベルは、いずれも空気圧が圧力センサの
検知圧(a)に低下した場合において、加圧ポンプが駆
動される制御がなされる。このために、空気路における
平均圧力レベルをある程度以上に上昇させることは困難
となる。図5は、この点を改善した制御ルーチンを示し
ており、また図6(C)は、これによってもたらされる
空気路における圧力レベルの特性を示している。
【0064】図5に示したように、洗浄操作またはイン
クの入れ替え操作がスタートされると、ステップS21
に示すように加圧ポンプが駆動される。そして、圧力セ
ンサによる前記した電気的な出力が検証され、圧力検出
値が所定の圧力に達した(High)と判定されると、
ステップS23に示されたように、その時点から所定の
第2時間(T2 )が経過したか否かが判定され、第2時
間(T2 )が経過したと判定されると、ステップS24
に示すように加圧ポンプの駆動は停止される。この制御
によって、図6に示す実線のように第2時間(T2 )の
経過によって、加圧空気のレベルは(c)まで上昇す
る。すなわち、この動作は前記した図6(B)に実線で
示した初期の動作と同様である。
【0065】そして、ステップS25において洗浄操作
またはインクの入れ替え操作が終了したか否かが判定さ
れる。この初期の動作時点においては、前記操作は終了
しておらず、したがって次にステップS26に進む。ス
テップS26においては、前記ステップS24の実行に
よってなされた加圧ポンプの停止後の所定の第3時間
(T3 )の経過が待たれる。これにより、図6(C)の
実線に示すように空気圧のレベルは低下する。
【0066】ステップS26において第3時間(T3 )
が経過したと判定されると、ステップS27に示すよう
に加圧ポンプが再び駆動される。そして、ステップS2
8においては、加圧ポンプの駆動後における経過時間が
検証され、所定の第4時間(T4 )の経過後において
は、ステップS24に戻り、加圧ポンプの駆動が停止さ
れる。これ以降においては、ステップS24からステッ
プS28の動作が繰り返され、前記したステップS25
において、洗浄操作またはインクの入れ替え操作が終了
したと判定された場合において、動作ルーチンが終了さ
れる。
【0067】ここで、前記第3時間(T3 )および第4
時間(T4 )によって管理される空気加圧ポンプの停止
および駆動作用による前記空気路における圧力は、図6
(C)における実線で示すように、圧力センサにより検
出される所定の圧力(a)よりも高い圧力に維持される
ようになされる。この第3時間(T3 )および第4時間
(T4 )は、実際に洗浄操作またはインクの入れ替え操
作を実行させることで求めることができ、多少のばらつ
きは発生するものの、概ね図6(C)における実線に示
す加圧レベルを確保することはできる。
【0068】この様に実線に示す加圧レベルを確保する
ことにより、洗浄操作またはインクの入れ替え操作の実
行中においては、最低の圧力レベルとして図6(C)に
示す(b)のレベルを確保することができ、空気路にお
ける平均圧力レベルを上昇させることに寄与できる。
【0069】なお、図6(C)に実線で示す圧力レベル
は、前記第3時間(T3 )および第4時間(T4 )が理
想的な状態に設定された場合を示したものであり、ばら
つきによっては、実線で示すレベルは除々にセンサ検知
圧(a)に接近するような圧力特性を生じさせる場合も
ある。そこで、前記第3時間(T3 )および第4時間
(T4 )によって管理される空気加圧ポンプの停止およ
び駆動作用により、前記空気路に蓄圧される圧力が、前
記圧力開放弁により放圧される圧力(d)に除々に達す
るように、すなわち、図6(C)における破線で示すよ
うに設定されていることが望ましい。
【0070】これを実現させるには、加圧ポンプの停止
時間を管理する前記第3時間(T3)を若干少ない(T
3')に変更することで、図6(C)における破線で示す
ように、圧力レベルを前記圧力開放弁により放圧される
圧力(d)に除々に達するように設定することができ
る。この場合、加圧ポンプの駆動時間を管理する前記第
4時間(T4 )を若干大きく設定することによっても同
様の作用を得ることができる。
【0071】このように設定された場合においては、洗
浄操作またはインクの入れ替え操作の実行中において
は、最低の圧力レベルとして図6(C)に示す(c)以
上のレベルを確保することができ、空気路における平均
圧力レベルをさらに上昇させることに寄与できる。ま
た、この場合においても、加圧ポンプを駆動するモータ
は、T4 として示す時間において間欠的に駆動されるこ
とになり、モータを終始駆動させる場合に比較すると、
発熱等の問題等によるリスクを抱える度合いを少なくす
ることができる。
【0072】なお、図5に示したステップS25におい
て、洗浄操作またはインクの入れ替え操作が終了したか
否かが判定されるが、これはステップS24からステッ
プS28の繰り返し回数をカウントアップし、所定の回
数が繰り返された場合に、操作が終了されるようにプロ
グラミングされていてもよい。
【0073】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よると空気加圧ポンプを駆動するモータを終始回転駆動
させることなく、メインタンクに加わる空気圧の平均レ
ベルを上昇させることができるので、洗浄操作またはイ
ンクの入れ替え操作を迅速に達成することができると共
に、加圧ポンプを駆動するモータの発熱に伴って受ける
リスクの発生度合いを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
基本構成を示した平面図である。
【図2】メインタンクから記録ヘッドに至るインク供給
システムを示した模式図である。
【図3】図2に示したインク供給システムにおいて用い
られる圧力検出器の例を示した断面図である。
【図4】圧力検出器による出力を利用して空気加圧ポン
プを駆動制御する制御ルーチンを示したフローチャート
である。
【図5】インク流路の洗浄操作またはインクの入れ替え
操作を実行する制御ルーチンを示したフローチャートで
ある。
【図6】図4または図5に示す制御ルーチンによってな
される空気路の圧力状態を示した特性図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 6 記録ヘッド 7(7a,7b,7c,7d) サブタンク 8 カートリッジホルダ 9(9a,9b,9c,9d) メインタンク(インク
カートリッジ) 10 インク補給チューブ 21 空気加圧ポンプ 22 圧力開放弁 23 圧力検出器 24 インクパック 25 圧力室 26 インク補給バルブ 31 フロート部材 32 永久磁石 33a,33b ホール素子 43 ダイヤフラム 44 可動部材 46 フォトセンサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが貯留されたメインタンクに対し
    て空気加圧ポンプにより生成される加圧空気が印加さ
    れ、前記加圧空気の作用によりメインタンクからキャリ
    ッジに搭載されたサブタンクを介して記録ヘッドに対し
    てインクが供給されるように構成したインクジェット式
    記録装置であって、 前記空気加圧ポンプとメインタンクとの間の空気路に配
    置された圧力検出器が所定の圧力を検出した場合に、第
    1時間経過後に前記空気加圧ポンプの駆動を停止させる
    と共に、前記圧力検出器が所定の圧力以下となったこと
    を検出した場合に、再び空気加圧ポンプを駆動させるこ
    とで、印刷状態における前記サブタンクへのインクの供
    給を制御する第1制御が実行され、 前記圧力検出器が所定の圧力を検出した場合に、前記第
    1時間よりも長い第2時間経過後に前記空気加圧ポンプ
    の駆動を停止させると共に、圧力検出器が所定の圧力以
    下となったことを検出した場合に、再び空気加圧ポンプ
    を駆動させることで、メインタンクから記録ヘッドに至
    る流路の流速を高める第2制御が実行されるように構成
    したインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力検出器によって検出される前記
    所定の圧力よりも高い圧力を受けた場合に開弁して圧力
    を調整する圧力開放弁がさらに具備され、前記第2制御
    を実行するに際して、前記第2時間の空気加圧ポンプの
    継続駆動により、前記空気路における圧力が、圧力開放
    弁より放圧されるように制御される請求項1に記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 第2制御の実行中における前記第2時間
    の経過後においては、第2時間の経過に続く第3時間の
    継続中において前記空気加圧ポンプの駆動が停止され、
    さらに第3時間の経過に続く第4時間の継続中において
    前記空気加圧ポンプの駆動が実行される制御が繰り返さ
    れ、前記第3時間および第4時間によって管理される空
    気加圧ポンプの停止および駆動作用による前記空気路に
    おける圧力が、前記圧力検出器により検出される所定の
    圧力よりも高い圧力に維持されるように構成した請求項
    1に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第3時間および第4時間によって管
    理される空気加圧ポンプの停止および駆動作用により、
    前記空気路に蓄圧される圧力が前記圧力開放弁により放
    圧される圧力に達するように制御される請求項3に記載
    のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 インクが貯留されたメインタンクに対し
    て空気加圧ポンプにより生成される加圧空気が印加さ
    れ、前記加圧空気の作用によりメインタンクからキャリ
    ッジに搭載されたサブタンクを介して記録ヘッドに対し
    てインクが供給されるように構成され、前記空気加圧ポ
    ンプとメインタンクとの間の空気路に配置された圧力検
    出器が所定の圧力を検出した場合に、第1時間経過後に
    前記空気加圧ポンプの駆動を停止させると共に、圧力検
    出器が所定の圧力以下となったことを検出した場合に、
    再び空気加圧ポンプを駆動させることで、印刷状態にお
    ける前記サブタンクへのインクの供給を制御するように
    構成したインクジェット式記録装置におけるインク流路
    内の洗浄制御方法であって、 前記空気加圧ポンプを駆動することで、洗浄液が貯留さ
    れたメインタンクに対して加圧空気を印加し、前記圧力
    検出器が所定の圧力を検出した場合に、前記第1時間よ
    りも長い第2時間経過後に空気加圧ポンプの駆動を停止
    させるステップと、 前記圧力検出器が所定の圧力以下となったことを検出し
    た場合に、再び空気加圧ポンプを駆動させるステップ
    と、 を反復繰り返して実行するようになされたインクジェッ
    ト式記録装置におけるインク流路内の洗浄制御方法。
  6. 【請求項6】 前記圧力検出器によって検出される所定
    の圧力よりも高い圧力を受けた場合に開弁して圧力を調
    整する圧力開放弁をさらに具備したインクジェット式記
    録装置におけるインク流路内の洗浄制御方法であって、 前記第2時間の空気加圧ポンプの継続駆動により、前記
    空気路における圧力が、圧力開放弁より放圧されるよう
    に制御される請求項5に記載のインクジェット式記録装
    置におけるインク流路内の洗浄制御方法。
  7. 【請求項7】 前記第2時間の経過後において、第2時
    間の経過に続く第3時間の継続中において、前記空気加
    圧ポンプの駆動を停止させるステップと、第3時間の経
    過に続く第4時間の継続中において前記空気加圧ポンプ
    を駆動させるステップとが反復繰り返され、前記第3時
    間および第4時間によって管理される空気加圧ポンプの
    停止および駆動作用による前記空気路における圧力が、
    前記圧力検出器により検出される所定の圧力よりも高い
    圧力に維持されるようになされる請求項5に記載のイン
    クジェット式記録装置におけるインク流路内の洗浄制御
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第3時間および第4時間によって管
    理される空気加圧ポンプの停止ステップおよび駆動ステ
    ップにより、前記空気路に蓄圧される圧力が前記圧力開
    放弁により放圧される圧力に達するように制御される請
    求項7に記載のインクジェット式記録装置におけるイン
    ク流路内の洗浄制御方法。
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