JP2002178463A - 包装方法および積層フィルム - Google Patents

包装方法および積層フィルム

Info

Publication number
JP2002178463A
JP2002178463A JP2000377235A JP2000377235A JP2002178463A JP 2002178463 A JP2002178463 A JP 2002178463A JP 2000377235 A JP2000377235 A JP 2000377235A JP 2000377235 A JP2000377235 A JP 2000377235A JP 2002178463 A JP2002178463 A JP 2002178463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ethylene
propylene
heat
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000377235A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Hirano
秀夫 平野
Yasushi Watanabe
康史 渡邉
Takashi Sumiki
隆 隅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000377235A priority Critical patent/JP2002178463A/ja
Publication of JP2002178463A publication Critical patent/JP2002178463A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物の侵入が防止でき、しかも、易開封
性があり、結束具等により何度も包装袋の開閉できると
いう利便性を損なうことがない物品の包装方法と、これ
に用いることのできる積層フィルムを提供すること。 【解決手段】 ヒートシール層(A)と表面層(B)と
を有する積層フィルムのヒートシール層(A)を内側と
して溶融接着して製袋され、かつ、物品が充填された袋
の開口部を、袋の形態を維持したままで開封可能となる
加熱条件でヒートシールして易開封包装とする包装方法
であって、しかも、該積層フィルムが、特定のポリプロ
ピレン系ブロック共重合体を含有してなるヒートシール
層(A)と、該ポリプロピレン系ブロック共重合体より
もヒートシール開始温度が高いプロピレン系樹脂を含有
してなる表面層(B)とを有する積層フィルム(I)で
ある、包装方法、および、上記層(A)と(B)とを有
する積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食パン、菓子パン
等の食品やその他の物品の包装に好適で、異物の侵入を
防止すると共に、袋の形態を維持したままで開封が可能
な易開封シールを設けた包装方法と、それに用いる積層
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食パン包装、菓子パン包装等の包
装袋は開口部を、ひねって固定する結束具、即ちスリッ
トを有する約2cm四方のプラスチック板、テープ、ひ
も等により結束した状態で販売されている。内容物が複
数個であったり、単数個であっても大きなものは、再封
が可能な結束具により何度も開閉できるため利便性が高
く、多く使用されている。
【0003】しかしながら、このような結束具による包
装は簡易であるため、包装袋の結束部に隙間があり、異
物の侵入を防止できないという欠点がある。そのため異
物の侵入が防止できると共に、袋の形態を維持したまま
で開封が可能な易開封シールを設けた包装方法と、この
包装方法に用いるのに好適なフィルムが強く望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、異物の侵入が防止でき、しかも、易開封性があり、
結束具等により何度も包装袋の開閉できるという利便性
を損なうことがない物品の包装方法と、この包装方法に
用いるのに好適な積層フィルムを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等は、上記実状に
鑑みて鋭意検討した結果、エチレン−プロピレン共重合
体のブロックと、このブロックよりもエチレン由来成分
の含有率が大きいエチレン−プロピレン共重合体のブロ
ックとからなるポリプロピレン系ブロック共重合体をヒ
ートシール層として用いた積層フィルムは、90〜15
0℃の広い温度領域で溶融接着が可能で、しかもこの温
度領域では溶融接着温度におおよそ比例して接着強度が
上昇し、高温領域での溶融接着では接着強度が高く強固
に接着するが、低温領域での溶融接着では接着強度が弱
く容易に易開封性シールとなること、このポリプロピレ
ン系ブロック共重合体を含有してなるヒートシール層
(A)と、該ポリプロピレン系ブロック共重合体よりも
ヒートシール開始温度が高いプロピレン系樹脂を含有し
てなる表面層(B)とを有する積層フィルム(I)は、
ヒートシール層(A)を内側として、このヒートシール
層(A)が溶融する温度以上でヒートシール、溶断シー
ル等ののような溶融接着を行って製袋すると、強固に接
着し、従来と同様の開口部を有する包装用袋が得られる
うえに、得られた袋に食品等の物品を充填し、より低い
温度で開口部、例えば該包装用袋の開口部上端と充填さ
れた食品の間の部分をヒートシールすることにより安定
した易開封シールとなり、容易に易開封包装袋とするこ
とができること、更に袋上部を結束具で結束することに
より従来のパン包装と同様の結束包装とすることができ
ること、得られた易開封包装袋は、易開封シールがなさ
れているため異物の侵入を防止でき、しかも、易開封シ
ール部分で容易に開封でき、開封しても袋が破損しない
ため、プラスチック板、テープ、ひも等の結束具による
再封が可能であること、等を見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明は、 1.ヒートシール層(A)と表面層(B)とを有する積
層フィルムのヒートシール層(A)を内側として溶融接
着して製袋され、かつ、物品が充填された袋の開口部
を、袋の形態を維持したままで開封可能となる加熱条件
でヒートシールして易開封包装とする包装方法であっ
て、しかも、該積層フィルムが、エチレン−プロピレン
共重合体のブロックと、このブロックよりもエチレン由
来成分の含有率が大きいエチレン−プロピレン共重合体
のブロックとからなるポリプロピレン系ブロック共重合
体を含有してなるヒートシール層(A)と、該ポリプロ
ピレン系ブロック共重合体よりもヒートシール開始温度
が高いプロピレン系樹脂を含有してなる表面層(B)と
を有する積層フィルム(I)であることを特徴とする、
包装方法、 2.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロッ
ク共重合体が、エチレン由来成分の含有率が1〜6重量
%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(a1)
と、エチレン由来成分の含有率が7〜25重量%のエチ
レン−プロピレン共重合体ブロック(a2)とからなる
ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)を含有してな
る樹脂層であり、かつ、表面層(B)が、プロピレン単
独重合体(b1)および/またはポリプロピレン系ブロ
ック共重合体(a)よりもヒートシール開始温度が高い
エチレン−プロピレン系共重合体(b2)を含有してな
る樹脂層である、上記1記載の包装方法、 3.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロッ
ク共重合体(a)と、該ブロック共重合体(a)以外の
エチレン−プロピレン系共重合体(ep)を、その重量
比(a)/(ep)が30/70〜95/5となる割合
で含有してなる樹脂層である、上記2記載の包装方法、 4.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロッ
ク共重合体(a)と、エチレン−プロピレンゴム(EP
R)を、その重量比(a)/(EPR)が50/50〜
95/5となる割合で含有してなる樹脂層である、上記
2記載の包装方法、 5.積層フィルム(I)のヒートシール層(A)を内側
として溶融接着して製袋した袋の溶融接着部の接着強度
が8.5〜30N/15mmであり、かつ、物品が充填
された袋の開口部をヒートシールして得られた易開封シ
ール部分のヒートシール強度が0.1〜5N/15mm
である、上記1〜4のいずれか1つに記載の包装方法、 6.袋の開口部を90〜125℃、0.1〜2秒間の条
件でヒートシールして易開封包装とする、上記1〜5の
いずれか1つに記載の包装方法、 7.積層フィルム(I)の厚さが20〜50μmであ
り、かつ、ヒートシール層(A)の厚さが1〜8μmで
ある、上記1〜6のいずれか1つに記載の包装方法、 8.積層フィルム(I)が、ヒートシール層(A)と、
プロピレン系樹脂を含有してなる中間層(C)と、表面
層(B)とを、(A)/(C)/(B)の順で積層して
なる3層フィルムである、上記1〜7のいずれか1つに
記載の包装方法。 9.積層フィルム(I)が、エチレン由来成分の含有率
が1〜6重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロッ
ク(a1)と、エチレン由来成分の含有率が7〜25重
量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(a2)
とからなるポリプロピレン系ブロック共重合体(a)を
30〜95重量%含有してなるヒートシール層(A1)
と、プロピレン単独重合体(b1)を70重量%以上含
有してなる中間層(C1)と、ポリプロピレン系ブロッ
ク共重合体(a)よりもヒートシール開始温度が高いエ
チレン−プロピレン系共重合体(b2)を75重量%以
上含有してなる表面層(B1)とを、(A1)/(C
1)/(B1)の順に積層してなる3層フィルム(I−
1)、または、該ヒートシール層(A1)と、プロピレ
ン単独重合体(b1)および/またはポリプロピレン系
ブロック共重合体(a)よりもヒートシール開始温度が
高いエチレン−プロピレン系共重合体(b2)を90重
量%以上含有してなる中間層(C2)と、プロピレン単
独重合体(b1)を90重量%以上含有してなる表面層
(B2)とを、(A1)/(C2)/(B2)の順に積
層してなる3層フィルム(I−2)である、上記1〜8
のいずれか1つに記載の包装方法、 10.物品が充填された袋の開口部をヒートシールした
後、物品の上部を結束具により結束する、上記1〜9の
いずれか1つに記載の包装方法、
【0007】11.エチレン−プロピレン共重合体のブ
ロックと、このブロックよりもエチレン由来成分の含有
率が大きいエチレン−プロピレン共重合体のブロックと
からなるポリプロピレン系ブロック共重合体を含有して
なるヒートシール層(A)と、該ポリプロピレン系ブロ
ック共重合体よりもヒートシール開始温度が高いプロピ
レン系樹脂を含有してなる表面層(B)とを有すること
を特徴とする、積層フィルム、 12.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロ
ック共重合体が、エチレン由来成分の含有率が1〜6重
量%のエチレン−プロピレン共重合体のブロック(a
1)と、エチレン由来成分の含有率が7〜25重量%の
エチレン−プロピレン共重合体のブロック(a2)とか
らなるポリプロピレン系ブロック共重合体(a)を含有
してなる樹脂層であり、かつ、表面層(B)が、プロピ
レンの単独重合体(b1)および/またはポリプロピレ
ン系ブロック共重合体(a)よりもヒートシール開始温
度が高いエチレン−プロピレン系共重合体(b2)を含
有してなる樹脂層である、上記11記載の積層フィル
ム、 13.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロ
ック共重合体(a)と、該ブロック共重合体(a)以外
のエチレン−プロピレン系共重合体(ep)を、その重
量比(a)/(ep)が30/70〜95/5となる割
合で含有してなる樹脂層である、上記12記載の積層フ
ィルム、 14.ヒートシール層(A)が、ポリプロピレン系ブロ
ック共重合体(a)と、エチレン−プロピレンゴム(E
PR)を、その重量比(a)/(EPR)が50/50
〜95/5となる割合で含有してなる樹脂層である、上
記12記載の積層フィルム、 15.厚さが20〜50μmであり、かつ、ヒートシー
ル層(A)の厚さが1〜8μmである、上記11〜14
のいずれか1つに記載の積層フィルム、 16.ヒートシール層(A)と、プロピレン系樹脂を含
有してなる中間層(C)と、表面層(B)とを、(A)
/(C)/(B)の順で積層してなる3層フィルムであ
る、上記11〜15のいずれか1つに記載の積層フィル
ム、および、 17.エチレン由来成分の含有率が1〜6重量%のエチ
レン−プロピレン共重合体ブロック(a1)と、エチレ
ン由来成分の含有率が7〜25重量%のエチレン−プロ
ピレン共重合体ブロック(a2)とからなるポリプロピ
レン系ブロック共重合体(a)を30〜95重量%含有
してなるヒートシール層(A1)と、プロピレン単独重
合体(b1)を70重量%以上含有してなる中間層(C
1)と、ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)より
もヒートシール開始温度が高いエチレン−プロピレン系
共重合体(b2)を75重量%以上含有してなる表面層
(B1)とを、(A1)/(C1)/(B1)の順に積
層してなる3層フィルム(I−1)、または、該ヒート
シール層(A1)と、プロピレン単独重合体(b1)お
よび/またはポリプロピレン系ブロック共重合体(a)
よりもヒートシール開始温度が高いエチレン−プロピレ
ン系共重合体(b2)を90重量%以上含有してなる中
間層(C2)と、プロピレン単独重合体を90重量%以
上含有してなる表面層(B2)とを、(A1)/(C
2)/(B2)の順に積層してなる3層フィルム(I−
2)である、上記11〜16のいずれか1つに記載の積
層フィルム、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる積層フィルム
(I)は、エチレン−プロピレン共重合体のブロック
と、このブロックよりもエチレン由来成分の含有率が大
きいエチレン−プロピレン共重合体のブロックとからな
るポリプロピレン系ブロック共重合体を含有してなるヒ
ートシール層(A)と、該ポリプロピレン系ブロック共
重合体よりもヒートシール開始温度が高いプロピレン系
樹脂を含有してなる表面層(B)とを有しておればよ
い。
【0009】ヒートシール層(A)としては、エチレン
−プロピレン共重合体のブロックと、このブロックより
もエチレン由来成分の含有率が大きいエチレン−プロピ
レン共重合体のブロックとからなるポリプロピレン系ブ
ロック共重合体を含有してなる樹脂層であれば良いが、
ポリプロピレン系ブロック共重合体としてエチレン由来
成分の含有率が1〜6重量%のエチレン−プロピレン共
重合体のブロック(a1)と、エチレン由来成分の含有
率が7〜25重量%のエチレン−プロピレン共重合体の
ブロック(a2)とからなるポリプロピレン系ブロック
共重合体(a)を用いることが好ましく、なかでも、低
温での易開封シール時のヒートシール温度や強度の調整
が容易で、ヒートシール温度幅が広く、易開封シールと
して適度なヒートシール強度が容易に得られることか
ら、該ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)とこの
ブロック共重合体(a)以外のエチレン−プロピレン系
共重合体(ep)を、その重量比(a)/(ep)が3
0/70〜95/5となる割合で含有してなる樹脂層で
あるものがより好ましく、さらに、透明性に優れるヒー
トシール層がえられることから、該ポリプロピレン系ブ
ロック共重合体(a)とエチレン−プロピレンゴム(E
PR)を、その重量比(a)/(EPR)が50/50
〜95/5となる割合で含有してなる樹脂層であるもの
が特に好ましい。
【0010】上記ヒートシール層(A)で用いるポリプ
ロピレン系ブロック共重合体としては、上記したよう
に、エチレン由来成分の含有率が1〜6重量%のエチレ
ン−プロピレン共重合体のブロック(a1)と、エチレ
ン由来成分の含有率が7〜25重量%のエチレン−プロ
ピレン共重合体のブロック(a2)とからなるポリプロ
ピレン系ブロック共重合体(a)が好ましいが、なかで
もブロック(a1)とブロック(a2)の重量比(a
1)/(a2)が40/60〜85/15であるものが
より好ましく、さらには、透明性と低温時の耐衝撃性の
バランスが良好で、成形性に優れることから、エチレン
由来成分の含有率が2.5〜5重量%のエチレン−プロ
ピレン共重合体のブロック(a11)と、エチレン由来
成分の含有率が12〜25重量%のエチレン−プロピレ
ン共重合体のブロック(a21)とからなり、ブロック
(a11)とブロック(a21)の重量比(a11)/
(a21)が70/30〜85/15で、ブロック(a
11)とブロック(a21)のエチレン由来成分の含有
率の差が7〜21重量%であるものが特に好ましい。
【0011】上記ヒートシール層(A)で用いるポリプ
ロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、特に限定さ
れないが、例えば、チーグラー・ナッタ触媒の存在下、
不活性溶剤の不存在下にエチレン−プロピレン共重合
体、好ましくはエチレン由来成分の含有率が1〜6重量
%のエチレン−プロピレン共重合体を、全共重合体の4
0〜85重量%となるまで共重合させ、次いで、気相中
で、エチレン由来成分の含有率がより大きいエチレン−
プロピレン共重合体、好ましくはエチレン由来成分の含
有率が7〜25重量%のエチレン−プロピレン共重合体
を、全共重合体の60〜15重量%となるまで共重合さ
せる方法等が挙げられる。
【0012】上記ヒートシール層(A)でポリプロピレ
ン系ブロック共重合体(a)と併用するエチレン−プロ
ピレン系共重合体(ep)としては、上記ブロック共重
合体(a)以外のエチレン−プロピレン系共重合体であ
ればよく、特に限定されないが、例えばエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンゴム
(EPR)、等が挙げられ、なかでも透明性と耐衝撃性
に優れるものが得られることから、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPR)が特に好ましい。
【0013】また、上記ヒートシール層(A)は、ヒー
トシール開始温度が表面層(B)のヒートシール開始温
度よりも低いことが、包装袋の作成と易開封性シールが
容易なことが必須である。このため、本発明に係る積層
フィルム(I)は、ヒートシール層(A)に含有されて
いるポリプロピレン系ブロック共重合体よりもヒートシ
ール開始温度が高いプロピレン系樹脂を表面層(B)中
に含有させており、なかでも、ヒートシール層(A)と
表面層(B)の間のヒートシール開始温度差を10℃以
上とすることが好ましく、15〜60℃とすることが特
に好ましい。
【0014】なお、本発明におけるヒートシール開始温
度は、JIS K−1713に定めるヒートシール開始
温度試験に準拠して測定したヒートシール開始温度であ
る。
【0015】表面層(B)としては、ヒートシール層
(A)中のポリプロピレン系ブロック共重合体よりもヒ
ートシール開始温度が高いプロピレン系樹脂を含有して
なる樹脂層であればよく、例えば、プロピレン単独重合
体(b1);プロピレンとエチレンとのランダム共重合
体、ポリプロピレンとポリエチレンとのブロック共重合
体、プロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共
重合体等のポリプロピレン系ブロック共重合体(a)よ
りもヒートシール開始温度が高いエチレン−プロピレン
系共重合体(b2);などのようなプロピレン系樹脂の
1種以上を主成分として、好ましくは75重量%以上含
有してなり、必要に応じて、エチレン−1−ブテン共重
合体、直鎖状低密度ポリエチレン等のような他の熱可塑
性樹脂や各種の添加剤を混合してなる樹脂層が挙げら
れ、なかでもプロピレン単独重合体(b1)、プロピレ
ンとエチレンのランダム共重合体、これらの混合物、ま
たは、ポリプロピレンとポリエチレンのブロック共重合
体を75重量%以上含有してなる樹脂層が好ましい。
【0016】本発明に係る積層フィルム(I)は、ヒー
トシール層(A)と表面層(B)とを(A)/(B)の
順に積層してなる2層フィルムであって良いが、フィル
ムの剛性、耐寒性等を考慮し、ヒートシール層(A)と
プロピレン系樹脂を含有してなる中間層(C)と表面層
(B)とを(A)/(C)/(B)の順に積層してなる
3層フィルムとすることが好ましい。この場合、中間層
(C)としては、例えば、プロピレン単独重合体(b
1)、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、ポ
リプロピレンとポリエチレンとのブロック共重合体、プ
ロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体
等のようなプロピレン系樹脂の1種以上を主成分とし
て、好ましくは70重量%以上含有してなり、必要に応
じて、エチレン−1−ブテン共重合体、直鎖状低密度ポ
リエチレン等のような他の熱可塑性樹脂や、本積層フィ
ルム製造に際して発生した回収物等を混合してなる樹脂
層が挙げられる。また、中間層(C)は、上記表面層
(B)と同様の組成からなる樹脂層であっても良い。具
体的には、剛性に優れる積層フィルムが望ましい場合に
は、中間層(C)と表面層(B)とを、いずれも剛性に
優れる組成、例えばプロピレンの単独重合体を主体とし
た組成からなる樹脂層とすることが好ましく、耐寒性に
優れる積層フィルムが望ましい場合には、中間層(C)
が表面層(B)に比べて低温耐衝撃性に優れる組成、例
えば直鎖状低密度ポリエチレンを含有させた組成からな
る樹脂層とすることが好ましい。
【0017】更に、上記中間層(C)は2層以上に分割
することも可能で、全体の層構成が3層以上となっても
何ら問題ない。
【0018】本発明に係る積層フィルム(I)の厚み
は、通常20〜50μmであるが、なかでも25〜40
μmが好ましい。また、ヒートシール層(B)の厚み
は、通常0.1〜10μmであるが、なかでも1〜8μ
mが好ましい。
【0019】本発明に係る積層フィルム(I)が(A)
/(C)/(B)の順に積層してなる3層フィルムであ
る場合、表面層(B)と中間層(C)の全厚に対する厚
み比率は、各層の樹脂組成により異なり特に限定されな
いが、表面層(B)が通常10〜50%、好ましくは1
5〜45%であり、中間層(C)が通常30〜80%、
好ましくは40〜70%である。
【0020】本発明に係る積層フィルム(I)の具体例
としては、例えば、 ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)と、該ブロ
ック共重合体(a)以外のエチレン−プロピレン系共重
合体(ep)、好ましくはエチレン−プロピレンゴム
(EPR)を、その重量比(a)/(epまたはEP
R)が50/50〜95/5となる割合で含有してなる
ヒートシール層(A1)と、プロピレン単独重合体(b
1)を70重量%以上含有してなる中間層(C1)と、
ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)よりもヒート
シール開始温度が高いエチレン−プロピレン系共重合体
(b2)を75重量%以上含有してなる表面層(B1)
とを、(A1)/(C1)/(B1)の順に、その平均
厚さの比が1:6:3となるように積層してなる、厚さ
が25μmもしくは30μmで、底部にガゼットが入っ
た袋(以下、ガゼット袋という。)用として好適な3層
フィルム(I−1)、 該ヒートシール層(A1)と、プロピレン単独重合体
(b1)および/またはエチレン−プロピレン系共重合
体(b2)を90重量%以上含有してなる中間層(C
2)と、プロピレン単独重合体(b1)を90重量%以
上含有してなる表面層(B2)とを、(A1)/(C
2)/(B2)の順に、その平均厚さの比が1:7:2
となるように積層してなる、厚さが25μmもしくは3
0μmで、ピロー包装袋用として好適な3層フィルム
(I−2)、 該ヒートシール層(A1)と、直鎖状低密度ポリエチ
レンとエチレン−プロピレン系共重合体(b2)とを合
計で70重量%以上含有してなる中間層(C3)と、プ
ロピレン単独重合体(b1)および/またはエチレン−
プロピレン系共重合体(b2)を75重量%以上含有し
てなる表面層(B3)とを、(A1)/(C3)/(B
3)の順に、その平均厚さの比が1:6:3となるよう
に積層してなる、厚さが25μmもしくは30μmで、
ガゼット袋用として好適な3層フィルム(I−3)、な
どが挙げられる。
【0021】本発明に係る積層フィルム(I)は、その
まま用いてもよいが、印刷による商品訴求力向上のため
に表面層(B)にコロナ放電処理をしてもよい。また、
積層フィルム(I)各層の中には、必要に応じて酸化防
止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、着
色剤、シリカなどの添加剤等を、本発明の範囲内で適宜
添加しうる。
【0022】本発明に係る積層フィルム(I)の製造方
法は、特に限定されないが、なかでも共押出成形法や押
出ラミネート法が好ましく、特に共押出成形法が好まし
い。
【0023】以下に、積層フィルム(I)を用いた本発
明の包装方法を、(1)3層フィルム(I−1)または
(I−3)を用いた食パン包装方法と(2)3層フィル
ム(I−2)を用いた各種パンの集積包装方法を例示す
ることにより、説明する。
【0024】(1)食パン包装方法 食パン包装方法用には、通常3層フィルム(I−1)ま
たは(I−3)を使用することが好ましい。3層フィル
ム(I−1)または(I−3)を用いる場合、該3層フ
ィルムは印刷された後、ヒートシール層が袋の内側にな
るようにして製袋機、例えばトタニ技研工業(株)製HK
−40等によりガゼット袋に加工する。この際、ガゼッ
ト袋のサイド部とガゼット部(底部の折り込み部)の溶
断シール強度が8.5〜30N/15mm、好ましくは
12〜30N/15mmになるよう溶断シール温度、製
袋速度等を調整する。次いで、得られたガゼット袋は、
食パン自動充填機に供給され、食パン充填後、易開封性
でかつヒートシール強度が0.1〜5N/15mm、好
ましくは0.2〜3.5N/15mmとなる条件でヒー
トシールして、易開封性食パン包装袋とし、更に必要に
応じて、袋の上部、好ましくは食パンの上部で易開封性
シール部分またはその上もしくは下付近をプラスチック
板、テープ、ひも等の結束具を用い結束する。
【0025】(2)複数の菓子パンの包装方法 バターロール等のような各種のパンの集積包装には、通
常3層フィルム(I−2)を使用することが好ましい。
3層フィルム(I−2)を用いる場合、該3層フィルム
は印刷された後、横ピロー型自動包装機、例えばフジキ
カイ(株)製FW−3400αV型等に、ヒートシール層
が袋の内側になるようにしてロール状形態で供給する。
横ピロー型自動包装機では、フィルムのヒートシール面
を重ね合わせてヒートシールして袋を作成しながらパン
を充填する。この際、該包装機によるピロー包装袋の底
部と背貼り部のシール強度が8.5〜30N/15m
m、好ましくは9〜20N/15mmになるようヒ−ト
シール温度、包装速度等を調節する。次いで、易開封性
でかつヒートシール強度が0.1〜5N/15mm、好
ましくは0.2〜3.5N/15mmとなる条件でヒー
トシールして易開封性ピロー包装袋とし、更に必要に応
じて、袋の上部、好ましくはパンの上部で、易開封性シ
ール部分またはその上もしくは下付近をプラスチック
板、テープ、ひも等の結束具を用い結束する。
【0026】尚、本発明で言う易開封性シールとは、袋
のヒートシール部分から切り出した幅15mmの試験片
のヒートシール強度を、引張試験機〔(株)エー・アンド
・デー製テンシロン〕を用いて、温度23℃、引張速度
300mm/分の条件で測定した場合のヒートシール強
度が0.1〜5N/15mmで、かつ、試験片の8割以
上がフィルムの破断なしにシール面より剥離するヒート
シールをいう。
【0027】上記(1)や(2)の食品包装方法で、パ
ン充填後のヒートシールを、易開封性でかつヒートシー
ル強度が0.1〜5N/15mmとなるようにするシー
ル温度やシール時間としては、シールパターンやシール
圧力によりことなり特に限定されないが、好ましくは9
0〜125℃で0.1〜2秒間、特に好ましくは95〜
115℃で0.3〜1.5秒間である。
【0028】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を更に具体的に説明する。尚、例中の部および%は、
特に断りのない限りすべて重量基準である。
【0029】実施例1 ヒートシール層(A)として、エチレン由来成分の含有
率が4.0%のエチレン−プロピレン共重合体のブロッ
クと、エチレン由来成分の含有率が18%のエチレン−
プロピレン共重合体のブロックとからなるポリプロピレ
ン系ブロック共重合体〔密度:0.90g/cm3 、メ
ルトインデックス(以下、MIという。):3g/10
分間〕80部とエチレン−プロピレンゴム(EPR)
(密度:0.88g/cm3 、MI:5g/10分間)
20部とからなる混合物を、また、中間層(C)とし
て、プロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm
3 、MI:9g/10分間)を、更に、表面層(B)と
してエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン
由来成分含量:5.8%、密度:0.90g/cm3
MI:6g/10分間)90部と結晶性エチレン−1−
ブテンランダム共重合体(密度:0.88g/cm3
MI:4g/10分)10部とからなる混合物を、それ
ぞれ3台の押出機に供給し、ヒートシール層(A)と中
間層(C)と表面層(B)の平均厚さの比が1:6:3
となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルム
を成形した。
【0030】次いで、得られた3層フィルムの表面層
(B)に、表面層(B)の表面エネルギーが360μN
/cmになるようにコロナ放電処理を施して、ガゼット
袋用ポリプロピレン系樹脂積層フィルムとした。この積
層フィルムを35℃で48時間エージングした後、ヒー
トシール層(A)を内側にしてフィルムを半折後、底部
にガゼットを入れ、第1表に示すシール温度(製袋温
度)で溶断シールして製袋〔製袋機:トタニ技研工業
(株)製HK−45、製袋速度:120枚/分〕して、
縦:345mm(サイド部:245mm、ガゼット部:
60mm)、横235mmのガゼット袋を得、次いで、
得られたガゼット袋に食パンを充填した後、開口部上端
と食パンの間(開口部上端から下に50mmの部分)を
開口部と平行にヒートシーラー〔テスター産業(株)
製:圧力:0.2MPa、時間:1秒間、シール温度:
上部シールバーの温度を第1表に示す温度で、下部シー
ルバーは50℃に固定、シールバー形状:300mm×
10mmの平面〕でヒートシールして、易開封性食パン
包装ガゼット袋を得た。この易開封性食パン包装ガゼッ
ト袋用い、以下のように溶断シール強度とヒートシール
強度を測定すると共に、ヒートシール強度測定時のフィ
ルム破断の有無を観察した。この結果を第1表に示す。
【0031】*溶断シール強度:得られた底部ガゼット
袋5枚の両側のガゼット部の中央と、このガゼット部上
部の両側のサイド部の中央とから、それぞれ15mm幅
の試験片を1枚づつ(1つの袋でそれぞれ2枚)合計で
それぞれ10枚を切り出し、23℃、引張速度300m
m/分の条件でテンシロン引張試験機〔(株)エー・アン
ド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、溶断
シール強度とした。
【0032】*ヒートシール強度:得られた底部ガゼッ
ト袋5枚のヒートシール部分から、それぞれ15mm幅
の試験片を2枚づつ(ヒートシール部分を2等分し、そ
の中央部分からそれぞれ1枚)、合計で10枚を切り出
し、23℃、引張速度300mm/分の条件でテンシロ
ン引張試験機〔(株)エー・アンド・デー製〕で引き剥が
す時の最大荷重を測定し、ヒートシール強度とした。ま
た、ヒートシール強度測定時の試験片の破断の有無を観
察し、フィルム破断がなしで引き剥がされたものを「破
断なし」、フィルムが破断したものを「破断あり」と評
価した。
【0033】比較例1 ヒートシール層(A)としてエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体(エチレン含量:3.7%、密度:0.9
0g/cm3 、MI:8g/10分)を用い、ヒートシ
ール層(A)、中間層(C)、表面層(B)の平均厚さ
の比を3:4:3に変更した以外は実施例1と全く同様
にして、積層フィルムを製造し、同様にシール強度を測
定し、フィルム破断の有無を評価した。この結果を第1
表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】第1表の結果からわかる様に、本発明の積
層フィルム(I)を用いて得たガゼット袋は従来の積層
フィルムで得られた袋と同様のサイド部のシール強度お
よび底部ガゼット部シール強度が得られ、しかも袋の開
口部を105℃でヒートシールするとフィルムの破断無
くして、シール面より剥離できる易開封性が得られる。
【0036】実施例2 中間層(C)として、表面層(A)と同じプロピレン単
独重合体80部とエチレン−プロピレンランダム共重合
体(エチレン由来成分含量:3.7%、密度:0.90
g/cm3 、MI:8g/10分)20部とからなる混
合物を、また、表面層(B)として、プロピレン単独重
合体(密度:0.90g/cm3 、MI:9g/10
分)を、それぞれ用い、ヒートシール層(A)と中間層
(C)と表面層(B)の重量比が1:7:2となるよう
に共押出した以外は実施例1と同様にして、厚さ30μ
mの3層フィルムを成形した。
【0037】次いで、得られた3層フィルムの表面層
(B)に、表面層(B)の表面エネルギーが390μN
/cmになるようにコロナ放電処理を施して、横ピロー
袋用ポリプロピレン系樹脂積層フィルムとした。この積
層フィルムを35℃で48時間エージングした後、ヒー
トシール層(A)が内側になるようにして横ピロー包装
機〔フジキカイ(株)製FW−3410αV)にセット
し、底部の上シールバー温度135℃、下シールバー温
度130℃、背貼り部シール温度(片側加熱)155
℃、製袋速度38個/分の条件で、上部に開口部を有す
るピロー包装袋〔縦:410mm、横215mm〕を作
成しながら、バターロールパンを充填した後、開口部上
端とパンの間(開口部上端部から下に80mmの部分)
を開口部と平行にヒートシーラー〔テスター産業(株)
製:圧力:0.2MPa、時間:1秒間、シール温度:
上部シールバーの温度を第1表に示す温度で、下部シー
ルバーは50℃に固定、シールバー形状:300mm×
10mmの平面〕でヒートシールして、易開封性パン包
装袋を得た。この易開封性パン包装袋を用い、以下のよ
うにピロー包装袋のシール強度を測定し、さらに、開口
部上端とパンの間のヒートシール部のヒートシール強度
とその測定時のフィルム破断の有無を観察した。この結
果を第2表に示す。
【0038】*ピロー包装袋のシール強度:得られたピ
ロー包装袋5枚の底部と背貼り部とから、それぞれ15
mm幅の試験片を2枚づつ(底部と背貼り部をそれぞれ
2等分し、その中央部分からそれぞれ1枚)合計でそれ
ぞれ10枚を切り出し、23℃、引張速度300mm/
分の条件でテンシロン引張試験機〔(株)エー・アンド・
デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、ピロー包
装袋のシール強度とした。
【0039】*ヒートシール強度:得られたピロー包装
袋5枚のヒートシール部分から、それぞれ15mm幅の
試験片を2枚づつ(ヒートシール部分を2等分し、その
中央部分からそれぞれ1枚)、合計で10枚を切り出
し、23℃、引張速度300mm/分の条件でテンシロ
ン引張試験機〔(株)エー・アンド・デー製〕で引き剥が
す時の最大荷重を測定し、ヒートシール強度とした。ま
た、ヒートシール強度測定時の試験片の破断の有無を観
察し、フィルム破断がなしで引き剥がされたものを「破
断なし」、フィルムが破断したものを「破断あり」と評
価した。
【0040】比較例2 ヒートシール層(A)としてエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体(エチレン含量:5.8%、密度:0.9
0g/cm3 、MI:6g/10分)を、また、中間層
(C)として、表面層(A)と同じプロピレン単独重合
体80部とエチレン−プロピレンランダム共重合体(エ
チレン由来成分含量:3.7%、密度:0.90g/c
3 、MI:8g/10分)20部とからなる混合物
を、更に、表面層(B)として、プロピレン単独重合体
(密度:0.90g/cm3 、MI:9g/10分)
を、それぞれ用い、ヒートシール層(A)と中間層
(C)と表面層(B)の重量比が1:7:2となるよう
に共押出した以外は実施例1と同様にして、厚さ30μ
mの3層フィルムを成形した。
【0041】次いで、この3層フィルムを用いた以外は
実施例2と同様にして、易開封性パン包装袋を得、得ら
れた易開封性パン包装袋を用いて、ピロー包装袋のシー
ル強度を測定し、さらに、開口部上端とパンの間のヒー
トシール部のヒートシール強度の測定と、その測定時の
フィルム破断の有無を観察した。この結果を第2表に示
す。
【0042】
【表2】
【0043】第2表の結果からわかる様に、本発明の積
層フィルム(I)を用いて得たピロー包装袋は従来の積
層フィルムで得られた袋と同様の底部シール強度および
背貼り部シール強度が得られ、しかも袋の開口部を10
5℃でヒートシールするとフィルムの破断無くして、シ
ール面より剥離できる易開封性が得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明の包装方法は、積層フィルムのヒ
ートシール層を内側として、このヒートシール層が溶融
する温度以上でヒートシールや溶断シールすると強固に
接着し、従来と同様の包装用袋が得られるうえに、得ら
れた袋に食品等の物品を充填し、より低い温度で開口部
をヒートシールすると安定して易開封シールすることが
でき、容易に食品が密封された易開封包装袋とすること
ができる。得られた易開封包装袋が、易開封シールがな
されているため異物の侵入を防止でき、しかも、易開封
シール部分で容易に開封でき、開封しても袋が破損しな
いため、プラスチック板、テープ、ひも等の結束具によ
る再封が可能であり、更に袋上部を結束具で結束するこ
とにより従来のパン包装と同様の結束包装とすることが
できる。
【0045】本発明の包装方法および積層フィルムは、
なかでも、パン、スナック、青果物等のツイストバッグ
包装や横ピロー包装用としてその実用的価値は多大であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月15日(2000.12.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】次いで、得られた3層フィルムの表面層
(B)に、表面層(B)の表面エネルギーが360μN
/cmになるようにコロナ放電処理を施して、ガゼット
袋用ポリプロピレン系樹脂積層フィルムとした。この積
層フィルムを35℃で48時間エージングした後、ヒー
トシール層(A)を内側にしてフィルムを半折後、底部
にガゼットを入れ、第1表に示すシール温度(製袋温
度)で溶断シールして製袋〔製袋機:トタニ技研工業
(株)製HK−40、製袋速度:120枚/分〕して、
縦:345mm(サイド部:245mm、ガゼット部:
60mm)、横235mmのガゼット袋を得、次いで、
得られたガゼット袋に食パンを充填した後、開口部上端
と食パンの間(開口部上端から下に50mmの部分)を
開口部と平行にヒートシーラー〔テスター産業(株)
製:圧力:0.2MPa、時間:1秒間、シール温度:
上部シールバーの温度を第1表に示す温度で、下部シー
ルバーは50℃に固定、シールバー形状:300mm×
10mmの平面〕でヒートシールして、易開封性食パン
包装ガゼット袋を得た。この易開封性食パン包装ガゼッ
ト袋用い、以下のように溶断シール強度とヒートシール
強度を測定すると共に、ヒートシール強度測定時のフィ
ルム破断の有無を観察した。この結果を第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 B29L 22:00 Fターム(参考) 3E086 AA23 AB01 BA04 BA15 BB51 BB90 CA01 4F100 AK04 AK07A AK07B AK07C AK64A AK64B AK64C AL02A BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 BA25 DA01 EH20 GB17 GB23 JL02B JL12A JL12C JL14 YY00A YY00C 4F211 AA03F AA11 AA11F AA45 AD20 AG07 AH54 AR06 TA04 TC17 TD11 TH03 TH07 TQ10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートシール層(A)と表面層(B)と
    を有する積層フィルムのヒートシール層(A)を内側と
    して溶融接着して製袋され、かつ、物品が充填された袋
    の開口部を、袋の形態を維持したままで開封可能となる
    加熱条件でヒートシールして易開封包装とする包装方法
    であって、しかも、該積層フィルムが、エチレン−プロ
    ピレン共重合体のブロックと、このブロックよりもエチ
    レン由来成分の含有率が大きいエチレン−プロピレン共
    重合体のブロックとからなるポリプロピレン系ブロック
    共重合体を含有してなるヒートシール層(A)と、該ポ
    リプロピレン系ブロック共重合体よりもヒートシール開
    始温度が高いプロピレン系樹脂を含有してなる表面層
    (B)とを有する積層フィルム(I)であることを特徴
    とする、包装方法。
  2. 【請求項2】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピレ
    ン系ブロック共重合体が、エチレン由来成分の含有率が
    1〜6重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック
    (a1)と、エチレン由来成分の含有率が7〜25重量
    %のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(a2)と
    からなるポリプロピレン系ブロック共重合体(a)を含
    有してなる樹脂層であり、かつ、表面層(B)が、プロ
    ピレン単独重合体(b1)および/またはポリプロピレ
    ン系ブロック共重合体(a)よりもヒートシール開始温
    度が高いエチレン−プロピレン系共重合体(b2)を含
    有してなる樹脂層である、請求項1記載の包装方法。
  3. 【請求項3】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピレ
    ン系ブロック共重合体(a)と、該ブロック共重合体
    (a)以外のエチレン−プロピレン系共重合体(ep)
    を、その重量比(a)/(ep)が30/70〜95/
    5となる割合で含有してなる樹脂層である、請求項2記
    載の包装方法。
  4. 【請求項4】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピレ
    ン系ブロック共重合体(a)と、エチレン−プロピレン
    ゴム(EPR)を、その重量比(a)/(EPR)が5
    0/50〜95/5となる割合で含有してなる樹脂層で
    ある、請求項2記載の包装方法。
  5. 【請求項5】 積層フィルム(I)のヒートシール層
    (A)を内側として溶融接着して製袋した袋の溶融接着
    部の接着強度が8.5〜30N/15mmであり、か
    つ、物品が充填された袋の開口部をヒートシールして得
    られた易開封シール部分のヒートシール強度が0.1〜
    5N/15mmである、請求項1〜4のいずれか1項記
    載の包装方法。
  6. 【請求項6】 袋の開口部を90〜125℃、0.1〜
    2秒間の条件でヒートシールして易開封包装とする、請
    求項1〜5のいずれか1項記載の包装方法。
  7. 【請求項7】 積層フィルム(I)の厚さが20〜50
    μmであり、かつ、ヒートシール層(A)の厚さが1〜
    8μmである、請求項1〜6のいずれか1項記載の包装
    方法。
  8. 【請求項8】 積層フィルム(I)が、ヒートシール層
    (A)と、プロピレン系樹脂を含有してなる中間層
    (C)と、表面層(B)とを、(A)/(C)/(B)
    の順で積層してなる3層フィルムである、請求項1〜7
    のいずれか1項記載の包装方法。
  9. 【請求項9】 積層フィルム(I)が、エチレン由来成
    分の含有率が1〜6重量%のエチレン−プロピレン共重
    合体ブロック(a1)と、エチレン由来成分の含有率が
    7〜25重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロッ
    ク(a2)とからなるポリプロピレン系ブロック共重合
    体(a)を30〜95重量%含有してなるヒートシール
    層(A1)と、プロピレン単独重合体(b1)を70重
    量%以上含有してなる中間層(C1)と、ポリプロピレ
    ン系ブロック共重合体(a)よりもヒートシール開始温
    度が高いエチレン−プロピレン系共重合体(b2)を7
    5重量%以上含有してなる表面層(B1)とを、(A
    1)/(C1)/(B1)の順に積層してなる3層フィ
    ルム(I−1)、または、該ヒートシール層(A1)
    と、プロピレン単独重合体(b1)および/またはポリ
    プロピレン系ブロック共重合体(a)よりもヒートシー
    ル開始温度が高いエチレン−プロピレン系共重合体(b
    2)を90重量%以上含有してなる中間層(C2)と、
    プロピレン単独重合体(b1)を90重量%以上含有し
    てなる表面層(B2)とを、(A1)/(C2)/(B
    2)の順に積層してなる3層フィルム(I−2)であ
    る、請求項1〜8のいずれか1項記載の包装方法。
  10. 【請求項10】 物品が充填された袋の開口部をヒート
    シールした後、物品の上部を結束具により結束する、請
    求項1〜9のいずれか1項記載の包装方法。
  11. 【請求項11】 エチレン−プロピレン共重合体のブロ
    ックと、このブロックよりもエチレン由来成分の含有率
    が大きいエチレン−プロピレン共重合体のブロックとか
    らなるポリプロピレン系ブロック共重合体を含有してな
    るヒートシール層(A)と、該ポリプロピレン系ブロッ
    ク共重合体よりもヒートシール開始温度が高いプロピレ
    ン系樹脂を含有してなる表面層(B)とを有することを
    特徴とする、積層フィルム。
  12. 【請求項12】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピ
    レン系ブロック共重合体が、エチレン由来成分の含有率
    が1〜6重量%のエチレン−プロピレン共重合体のブロ
    ック(a1)と、エチレン由来成分の含有率が7〜25
    重量%のエチレン−プロピレン共重合体のブロック(a
    2)とからなるポリプロピレン系ブロック共重合体
    (a)を含有してなる樹脂層であり、かつ、表面層
    (B)が、プロピレンの単独重合体(b1)および/ま
    たはポリプロピレン系ブロック共重合体(a)よりもヒ
    ートシール開始温度が高いエチレン−プロピレン系共重
    合体(b2)を含有してなる樹脂層である、請求項11
    記載の積層フィルム。
  13. 【請求項13】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピ
    レン系ブロック共重合体(a)と、該ブロック共重合体
    (a)以外のエチレン−プロピレン系共重合体(ep)
    を、その重量比(a)/(ep)が30/70〜95/
    5となる割合で含有してなる樹脂層である、請求項12
    記載の積層フィルム。
  14. 【請求項14】 ヒートシール層(A)が、ポリプロピ
    レン系ブロック共重合体(a)と、エチレン−プロピレ
    ンゴム(EPR)を、その重量比(a)/(EPR)が
    50/50〜95/5となる割合で含有してなる樹脂層
    である、請求項12記載の積層フィルム。
  15. 【請求項15】 厚さが20〜50μmであり、かつ、
    ヒートシール層(A)の厚さが1〜8μmである、請求
    項11〜14のいずれか1項記載の積層フィルム。
  16. 【請求項16】 ヒートシール層(A)と、プロピレン
    系樹脂を含有してなる中間層(C)と、表面層(B)と
    を、(A)/(C)/(B)の順で積層してなる3層フ
    ィルムである、請求項11〜15のいずれか1項記載の
    積層フィルム。
  17. 【請求項17】 エチレン由来成分の含有率が1〜6重
    量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(a1)
    と、エチレン由来成分の含有率が7〜25重量%のエチ
    レン−プロピレン共重合体ブロック(a2)とからなる
    ポリプロピレン系ブロック共重合体(a)を30〜95
    重量%含有してなるヒートシール層(A1)と、プロピ
    レン単独重合体(b1)を70重量%以上含有してなる
    中間層(C1)と、ポリプロピレン系ブロック共重合体
    (a)よりもヒートシール開始温度が高いエチレン−プ
    ロピレン系共重合体(b2)を75重量%以上含有して
    なる表面層(B1)とを、(A1)/(C1)/(B
    1)の順に積層してなる3層フィルム(I−1)、また
    は、該ヒートシール層(A1)と、プロピレン単独重合
    体(b1)および/またはポリプロピレン系ブロック共
    重合体(a)よりもヒートシール開始温度が高いエチレ
    ン−プロピレン系共重合体(b2)を90重量%以上含
    有してなる中間層(C2)と、プロピレン単独重合体を
    90重量%以上含有してなる表面層(B2)とを、(A
    1)/(C2)/(B2)の順に積層してなる3層フィ
    ルム(I−2)である、請求項11〜16のいずれか1
    項記載の積層フィルム。
JP2000377235A 2000-12-12 2000-12-12 包装方法および積層フィルム Pending JP2002178463A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377235A JP2002178463A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 包装方法および積層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377235A JP2002178463A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 包装方法および積層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002178463A true JP2002178463A (ja) 2002-06-26

Family

ID=18845988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000377235A Pending JP2002178463A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 包装方法および積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002178463A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003127298A (ja) * 2001-08-10 2003-05-08 Tohcello Co Ltd 包装用ポリオレフィンフィルム及び包装体
JP2004168037A (ja) * 2002-10-28 2004-06-17 Asahi Kasei Pax Corp ヒートシール性複合フィルム
JP2009185237A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Mitsui Chemicals Inc 積層フィルム
CN104309240A (zh) * 2014-11-07 2015-01-28 浏阳市源友印务包装有限公司 一种用于焊边型包装袋的同质复合膜
WO2017018281A1 (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 Dic株式会社 積層フィルム及び包装材
JP2018140622A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003127298A (ja) * 2001-08-10 2003-05-08 Tohcello Co Ltd 包装用ポリオレフィンフィルム及び包装体
JP2004168037A (ja) * 2002-10-28 2004-06-17 Asahi Kasei Pax Corp ヒートシール性複合フィルム
JP4521807B2 (ja) * 2002-10-28 2010-08-11 旭化成パックス株式会社 ヒートシール性複合フィルム
JP2009185237A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Mitsui Chemicals Inc 積層フィルム
CN104309240A (zh) * 2014-11-07 2015-01-28 浏阳市源友印务包装有限公司 一种用于焊边型包装袋的同质复合膜
WO2017018281A1 (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 Dic株式会社 積層フィルム及び包装材
JP6160797B2 (ja) * 2015-07-24 2017-07-12 Dic株式会社 積層フィルム及び包装材
JPWO2017018281A1 (ja) * 2015-07-24 2017-08-31 Dic株式会社 積層フィルム及び包装材
JP2018140622A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8071188B2 (en) Sealable, peelable film comprising a block copolymer peelable core layer
JP6160798B2 (ja) 積層フィルム及び包装材
EP2144752B2 (en) Sealable, peelable film web
JP7140105B2 (ja) 積層フィルム及び食品包装袋
JP7140104B2 (ja) 積層フィルム及び食品包装袋
JP2016536160A (ja) 熱溶着部及びそれを有する容器のための可撓性フィルム組成物
JP2006517168A (ja) 再密閉可能な包装容器
JP4344997B2 (ja) 易開封性共押出多層フィルムおよび易開封性ラミネートフィルム
JP6797843B2 (ja) 剥離可能なシール層の調製方法
JP2011201587A (ja) 易開封食品包装袋用積層フィルムおよび易開封食品包装袋
JP3810638B2 (ja) 食品包装方法
JP2002178463A (ja) 包装方法および積層フィルム
JP4409527B2 (ja) 易開封食品包装袋用積層フィルムおよび易開封食品包装用袋
JP2003165571A (ja) 包装方法及び共押出積層フィルム
JP4140307B2 (ja) 包装方法、共押出積層フィルムおよび角底袋
JP2869136B2 (ja) 易剥離性ポリプロピレンフィルムおよびシート
JP2005103904A (ja) 共押出多層フィルム及びラミネートフィルム
JP2002210899A (ja) ポリプロピレン多層フィルム及び包装体
JP2002193318A (ja) 包装方法および積層フィルム
JP4235928B2 (ja) 易開封複合フイルム
JP5737560B2 (ja) 易開封性共押出多層フィルム及びこれを用いた包装体
JP2002210898A (ja) ポリオレフィン積層フィルム及び包装体
JPH11115128A (ja) 易開封性複合フィルム
JP2003165572A (ja) 包装方法および共押出積層フィルム
JP2002210897A (ja) ポリオレフィン多層フィルム及び包装体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050808