JP2018140622A - 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 - Google Patents

加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリプロピレン系樹脂からなる基体と高い貼着強度を実現できるアクリル系樹脂を含む加飾フィルム、およびそれを用いた耐傷付き性、耐候性、意匠性、リサイクル性に優れる加飾成形体を提供する。【解決手段】プロピレン単独重合体又はプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)を5〜97重量%、成分(A1)よりエチレン含量が多いプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を3〜95重量%含有し、MFRが0.5g/10分を超え、融解ピーク温度が110〜170℃である、プロピレン−エチレンブロック共重合体からなるシール層(I)3、アクリル系樹脂からなる層(II)2及びシール層(I)3と層(II)2との間に接着性樹脂からなる接着層(III)7を含む加飾フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルム及びその加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法に関する。詳しくは、耐傷付き性、耐候性、意匠性に優れ、樹脂成形体への十分な接着強度を発現することができるとともに、熱成形後のシボ戻りや成形時にフィルムに与えられるダメージが少ない、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルム及びその加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法に関する。
近年、VOC(揮発性有機化合物)削減要求等で塗装に代わる加飾技術への要求が高まっており、様々な加飾技術の提案が成されている。
なかでも塗膜に代わる加飾フィルムを真空圧空成形または真空成形により成形体に適用して、加飾フィルムおよび成形体が一体化された装飾成形品を形成する技術が提案され(例えば特許文献1参照)、近年、特に注目されるようになっている。
真空圧空成形および真空成形による加飾成形は、インサート成形に代表される他の加飾成形に比べ、形状の自由度が大きく、加飾フィルムの端面が加飾対象の裏側まで巻き込まれることで継ぎ目が生じないため外観に優れ、さらに、比較的低温、低圧で熱成形することができることから、加飾フィルム表面にシボ等を付与することにより、加飾成形体の表面でのシボ等の再現性に優れるといった利点を有する。
このような真空圧空成形および真空成形による加飾成形において、透明性、耐傷付き性、耐候性、印刷のしやすさといった優れた特性を有し、なおかつ熱可塑性樹脂であり熱成形が容易なアクリル系樹脂からなるフィルムが加飾フィルムとして広く用いられている。しかし、アクリル系樹脂からなるフィルムは加熱すると比較的短時間で軟化するため、三次元加飾熱成形においては、加飾対象と貼着可能となるほどの加熱時間を付与することが出来ず、フィルムと加飾対象との貼着強度が劣る課題があった。この課題に対して、貼着強度の向上のための層として、アクリル系接着剤やウレタン系接着剤、タッキファイヤ等の使用が提案されているが、ポリプロピレン系樹脂に代表される非極性樹脂に対しては十分な貼着強度を得る事ができない課題を有している。
このような課題に対し、ポリプロピレン系樹脂からなる基体(成形体)に、ポリプロピレン系樹脂を含有する接着層を含む加飾フィルムを適用することにより、加飾フィルムと成形体とを熱融着することが提案されている(例えば特許文献2,3を参照)。特許文献2及び3において開示された発明は、加飾フィルムの接着層としてポリプロピレン系樹脂を用いるものであるが、実質的にはさらに、接着層の上に表面層、接合層やバルク層にアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート等の層を設けることを必要としている。このように異種原材料を組み合わせることによって、ドローダウン性などの熱成形性を発現させているのであり、これらの異種原材料を含まないポリプロピレン系樹脂からなる加飾フィルムでは熱成形性を確保することができず、これを貼着した成形品の表面には、穴やしわ、空気の巻き込みが生じやすく、更には破膜が発生し、外観の優れる加飾成形体を得ることができなかった。特に異種原材料としてポリウレタン樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂であるポリウレタン樹脂は、加熱時に融解しないためフィルムの形態を保持しやすく熱成形性を非常に高めるものの、リサイクル性が極めて低いという課題があった。
また、真空圧空成形および真空成形による加飾熱成形は、射出成形等の工程で成形された基体と加飾フィルムとの一体性が高い成形品が得られる利点がある一方、加飾フィルムが基体の表面についた傷を拾ってしまい、加飾成形体の表面に基体表面についた傷の影響による外観不良が生じやすい課題がある。
特開2002−67137号公報 特開2013−14027号公報 特開2014−124940号公報
従来の技術では、ポリプロピレン系樹脂からなる基体との接着性が良好なアクリル系樹脂を含む加飾フィルムの開発はいまだ達成されていない。本発明の課題は、上記課題に鑑み、ポリプロピレン系樹脂からなる基体と高い貼着強度を実現できるアクリル系樹脂を含む加飾フィルム、およびそれを用いた耐傷付き性、耐候性、意匠性、リサイクル性に優れる加飾成形体を提供することにある。
三次元加飾熱成形においては、固体状態の樹脂成形体に固体状態の加飾フィルムを貼着させるには、成形体表面及びフィルムが十分に軟化又は融解することが必要である。成形体表面とフィルムの軟化若しくは融解に必要な熱量を加えることが重要となるが、アクリル系樹脂フィルムは比較的短時間で軟化するため、加熱時間が長すぎるとフィルムは粘度が低下し、三次元加飾熱成形工程における成形体の突き上げや真空チャンバーを大気圧に戻す際の空気の流入により、フィルムが破断したり暴れたりすることが外観不良につながることに着目し検討した。その結果、良好な接着強度を発揮しうるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)と、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)、並びにシール層(I)と層(II)との間に接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を含む加飾フィルムが、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)、およびシール層(I)と層(II)との間に接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を含み、
前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a1)〜(a3)を満たすことを特徴とする加飾フィルム。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の要件
(a1)プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)を5〜97重量%、該成分(A1)よりもエチレン含量が多いプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を3〜95重量%含有する。
(a2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))が、0.5g/10分を超える。
(a3)融解ピーク温度(Tm(A))が、110〜170℃である。
[2] 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a4)を満たすことを特徴とする前記[1]に記載の加飾フィルム。
(a4)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)中のエチレン含量が、0.15〜85重量%である。
[3] 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a5)を満たすことを特徴とする前記[1]または[2]に記載の加飾フィルム。
(a5)前記成分(A1)のエチレン含量が、0〜6重量%の範囲にある。
[4] 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a6)を満たすことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の加飾フィルム。
(a6)前記成分(A2)のエチレン含量が、5〜90重量%の範囲にある。
[5] 前記接着性樹脂(C)は、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であって、そのメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が100g/10分以下であるポリオレフィン樹脂であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、前記減圧したチャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
[7] 前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする前記[6]に記載の加飾成形体の製造方法。
本発明の加飾フィルムによれば、アクリル系樹脂を含む加飾フィルムが破断したり暴れたりするといった外観不良を起こさない短時間の加熱時間でも良好な貼着強度を示す。そのため、成形外観と貼着強度が良好な加飾成形体を得る事が可能となる。
本発明の加飾フィルムの層構成の一例を示す図である。 本発明の加飾成形体の製造方法に用いる装置の概要を説明する模式的断面図である。 図2の装置内に樹脂成形体および加飾フィルムをセットした様子を説明する模式的断面図である。 図2の装置内を加熱および減圧する様子を説明する模式的断面図である。 図2の装置内で樹脂成形体に加飾フィルムを押し当てる様子を説明する模式的断面図である。 図2の装置内を大気圧に戻す又は加圧する様子を説明する模式的断面図である。 得られた加飾成形体において、不要な加飾フィルムのエッジがトリミングされた様子を説明する模式的断面図である。 本発明の加飾成形体の層構成の一例を示す図である。
本明細書において、加飾フィルムとは、成形体を装飾するためのフィルムをいう。加飾成形とは、加飾フィルムと成形体とを貼着させる成形をいう。三次元加飾熱成形とは、加飾フィルムと成形体とを貼着させる成形であって、加飾フィルムを成形体の貼着面に沿って熱成形すると同時に貼着させる工程を有し、該工程が、加飾フィルムと成形体との間に空気が巻き込まれるのを抑制するために、減圧(真空)下で熱成形を行い、加熱した加飾フィルムを成形体に貼着させ、圧力解放(加圧)により、密着させる工程である、成形をいう。以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明における加飾フィルムは、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)、およびシール層(I)と層(II)との間に接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を含み、
前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)が、下記要件(a1)〜(a3)を満たすことを特徴とする加飾フィルムである。
(a1)プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)を5〜97重量%、該成分(A1)よりもエチレン含量が多いプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を3〜95重量%含有する。
(a2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))が、0.5g/10分を超える。
(a3)融解ピーク温度(Tm(A))が、110〜170℃である。
シール層(I)
本発明の加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)を含むものである。シール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。シール層(I)を設けることにより、三次元熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現し、さらに基体表面についた傷を目立ちにくくすることができる。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)と、成分(A1)よりも多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を含有する。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)中のゴム成分である成分(A2)により樹脂成形体(基体)との接着力が向上する。また、成分(A2)はプロピレンに対する分散形態の均一性が高く、それに伴い傷を目立ちにくくする効果が高い。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、第1重合工程でプロピレン単独またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)を(共)重合し、第2重合工程で成分(A1)よりも多くのエチレンを含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を逐次共重合して得られる。
(a1)成分(A1)および成分(A2)の割合
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を構成する成分(A1)の割合および成分(A2)の割合の含有量比は、成分(A1)の割合が5〜97重量%、成分(A2)の割合が3〜95重量%であることが必要である。好ましくは成分(A1)の割合が30〜95重量%かつ成分(A2)の割合が5〜70重量%であり、さらに好ましくは成分(A1)の割合が52〜92重量%かつ成分(A2)の割合が8〜48重量%である。成分(A1)の割合および成分(A2)の割合が前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができ、傷を目立ちにくくする効果が高い。また、前記の範囲であるとフィルムがべたつかず、フィルム成形性が良好である。
(a2)メルトフローレート
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(以下、「MFR(A)」という。)は、0.5g/10分を超えることが必要であり、好ましくは1g/10分以上、より好ましくは2g/10分以上である。MFR(A)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時にプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができると共に基体についた傷が目立ちにくくなる。MFR(A)の上限には制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本明細書において、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)および後述するポリプロピレン系樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
(a3)融解ピーク温度
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の融点(融解ピーク温度)(以下、「Tm(A)」という。)は、110〜170℃であることが必要である。好ましくは113〜169℃、より好ましくは115〜168℃である。Tm(A)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好である。融解ピーク温度は主にエチレン含量の少ない成分(A1)、すなわち結晶性の高い成分(A1)に由来しており、共重合するエチレンの含量によって融解ピーク温度を変えることができる。
(a4)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)中のエチレン含量(E(A))
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)中のエチレン含量(以下、「E(A)」という。)は0.15〜85重量%であることが好ましい。より好ましくは0.5〜75重量%、さらに好ましくは2〜50重量%である。E(A)が前記の範囲であると十分な接着強度を発揮することができ、また加飾フィルムの層(II)との接着性が良好でフィルム成形性にも優れる。
(a5)成分(A1)のエチレン含量(E(A1))
成分(A1)は融点が比較的高く、エチレン含量(以下、「E(A1)」という。)が0〜6重量%の範囲にあるプロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体であることが好ましい。より好ましくは0〜5重量%である。E(A1)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好であるとともに、フィルムのベタツキが少なくフィルム成形性にも優れる。
(a6)成分(A2)のエチレン含量(E(A2))
成分(A2)は、そのエチレン含量(以下、「E(A2)」という。)が成分(A1)のエチレン含量E(A1)よりも多い。また、E(A2)が5〜90重量%の範囲にあるプロピレン−エチレンランダム共重合体であることが好ましい。E(A2)は、より好ましくは7〜80重量%、さらに好ましくは9〜50重量%である。E(A2)が前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができ、傷を目立ちにくくする効果が高い。
[プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造方法]
本発明に用いるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)とそれを構成するプロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)及びプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)は、以下の原料、重合方法によって好ましく製造することが出来る。本発明に用いるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造方法について、以下に説明する。
・使用原料
本発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を製造するに際し使用される触媒としては、マグネシウム、ハロゲン、チタン、電子供与体を触媒成分とするマグネシウム担持型触媒、三塩化チタンを触媒とする固体触媒成分と有機アルミニウムからなる触媒、又はメタロセン触媒が使用できる。具体的な触媒の製造法は特に限定されるものではないが、例として特開2007−254671号公報に開示されたチーグラー触媒や特開2010−105197号公報に開示されたメタロセン触媒を例示することが出来る。
また、重合される原料オレフィンは、プロピレン、エチレンであり、必要により、本発明の目的を損なわない程度の他のオレフィン、例えば、ブテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−ペンテン−1などを使用することもできる。
・重合工程
前記触媒の存在下に行う重合工程は、成分(A1)を製造する第1重合工程、成分(A2)を製造する第2重合工程の多段階からなる。
第1重合工程
第1重合工程は、プロピレン単独かプロピレン/エチレンの混合物を、前記触媒を加えた重合系に供給してプロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造して、全重合体量の5〜97重量%に相当する量となるように成分(A1)を形成させる工程である。
成分(A1)のMFR(以下、「MFR(A1)」という。)は水素を連鎖移動剤として用いる事により調整する事が出来る。具体的には、連鎖移動剤である水素の濃度を高くすると成分(A1)のMFR(A1)が高くなる。逆も又同様である。重合槽における水素の濃度を高くするには、重合槽への水素の供給量を高くすればよく、当業者にとって調整は極めて容易である。また、成分(A1)がプロピレン−エチレンランダム共重合体である場合には、エチレン含有量を制御する手段として、重合槽に供給するエチレンの量を制御する方法を用いるのが簡便である。具体的には、重合槽に供給するエチレンのプロピレンに対する量比(エチレン供給量÷プロピレン供給量)を高くすれば、成分(A1)のエチレン含有量は高くなる。逆も同様である。重合槽に供給するプロピレンとエチレンの量比と成分(A1)のエチレン含有量との関係は使用する触媒の種類によって異なるが、適宜供給量比を調整することによって目的のエチレン含有量を有する成分(A1)を得る事は当業者にとって極めて容易なことである。
第2重合工程
第2重合工程は、第1重合工程に引き続いてプロピレン/エチレン混合物をさらに導入して、プロピレン−エチレンランダム共重合体を製造して、全重合体量の3〜95重量%に相当する量となるように成分(A2)を形成させる工程である。
成分(A2)のMFR(以下、「MFR(A2)」という。)は水素を連鎖移動剤として用いる事により調整する事が出来る。具体的な制御方法は、成分(A1)のMFRの制御方法と同じである。成分(A2)のエチレン含有量を制御する手段として、重合槽に供給するエチレンの量を制御する方法を用いるのが簡便である。具体的な制御方法は、成分(A1)がプロピレン−エチレンランダム共重合体である場合と同じである。
次に、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)のインデックスの制御方法について説明する。
まず、成分(A1)と成分(A2)の重量比の制御方法について説明する。成分(A1)と成分(A2)の重量比は成分(A1)を製造する第1重合工程における製造量と成分(A2)を製造する第2重合工程における製造量によって制御する。例えば、成分(A1)の量を増やして成分(A2)の量を減らすためには、第1重合工程の製造量を維持したまま第2重合工程の製造量を減らせばよく、それは、第2重合工程の滞留時間を短くしたり、重合温度を下げたりすればよい。また、エタノールや酸素などの重合抑制剤を添加したり、元々添加している場合にはその添加量を増やしたりする事でも制御することができる。その逆も又同様である。
通常、成分(A1)と成分(A2)の重量比は、成分(A1)を製造する第1重合工程における製造量と成分(A2)を製造する第2重合工程における製造量で定義する。式を以下に示す。
成分(A1)の重量:成分(A2)の重量=W(A1):W(A2)
W(A1)=第1重合工程の製造量÷(第1重合工程の製造量+第2重合工程の製造量)
W(A2)=第2重合工程の製造量÷(第1重合工程の製造量+第2重合工程の製造量)
W(A1)+W(A2)=1
(ここで、W(A1)、W(A2)はそれぞれプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)における成分(A1)と成分(A2)の重量比率である。)
工業的な製造設備では、各重合槽のヒートバランスやマテリアルバランスから製造量を求めるのが通常である。また、成分(A1)と成分(A2)の結晶性が充分異なる場合には、TREF(温度昇温溶離分別法)などの分析手法を用いて両者を分離同定し量比を求める事でもよい。ポリプロピレンの結晶性分布をTREF測定により評価する手法は当業者によく知られたものであり、G.Glokner,J.Appl.Polym.Sci:Appl.Poly.Symp.;45,1−24(1990)、 L.Wild,Adv.Polym.Sci.;98,1−47(1990)、 J.B.P.Soares,A.E.Hamielec,Polymer;36,8,1639−1654(1995)などの文献に詳細な測定法が示されている。
次に、エチレン含有量の制御方法について説明する。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)はプロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)とプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)の混合物であるから、それぞれのエチレン含有量の間には以下の関係式が成立する。
E(A)=E(A1)×W(A1)+E(A2)×W(A2)
(ここで、E(A)、E(A1)、E(A2)はそれぞれ、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)、プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)のエチレン含有量である。)
この式はエチレン含有量に関するマテリアルバランスを示すものである。
従って、成分(A1)と成分(A2)の重量比が決まれば、すなわち、W(A1)とW(A2)が決まれば、E(A)はE(A1)とE(A2)によって一意的に定まる。つまり、成分(A1)と成分(A2)の重量比、E(A1)、E(A2)の3つの因子を制御する事によりE(A)を制御する事が出来る。例えば、E(A)を高くする為にはE(A1)を高くしてもよいし、E(A2)を高くしてもよい。また、E(A2)がE(A1)よりも高い事に留意すれば、W(A1)を小さくしてW(A2)を大きくしてもよい事も容易に理解できよう。逆方向の制御方法も同様である。
なお、実際に測定値を直接得られるのはE(A)とE(A1)であり、両者の測定値を使ってE(A2)を計算する事になる。従って、仮にE(A)を高くする操作を行う際に、E(A2)を高くする操作、すなわち、第2重合工程に供給するエチレンの量を増やす操作を手段として選ぶ場合、測定値として直接確認できるのはE(A)であってE(A2)ではないが、E(A)が高くなる原因はE(A2)が高くなる事にあるのは自明である。
最後に、MFR(A)の制御方法について説明する。本願においては、MFR(A2)を以下の式で定義することにする。
MFR(A2)=exp{(loge[MFR(A)]−W(A1)×loge[MFR(A1)])÷W(A2)}
(ここで、logeはeを底とする対数である。MFR(A)、MFR(A1)、MFR(A2)はそれぞれ、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)、プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)のMFRである。)
この式は一般に粘度の対数加成則と呼ばれる経験式
loge[MFR(A)]=W(A1)×loge[MFR(A1)]+W(A2)×loge[MFR(A2)]
を変形したものであり、当業界で日常的に使われるものである。
この式で定義する為に、成分(A1)と成分(A2)の重量比、MFR(A)、MFR(A1)、MFR(A2)は独立ではない。故に、MFR(A)を制御するには、成分(A1)と成分(A2)の重量比、MFR(A1)、MFR(A2)の3つの因子を制御すればよい。例えば、MFR(A)を高くする為にはMFR(A1)を高くしてもよいし、MFR(A2)を高くしてもよい。また、MFR(A2)がMFR(A1)より低い場合には、W(A1)を大きくしてW(A2)を小さくしてもMFR(A)を高くする事ができる事も容易に理解できよう。逆方向の制御方法も同様である。
なお、実際に測定値を直接得られるのはMFR(A)とMFR(A1)であり、両者の測定値を使ってMFR(A2)を計算する事になる。従って、仮にMFR(A)を高くする操作を行う際に、MFR(A2)を高くする操作、すなわち、第2重合工程に供給する水素の量を増やす操作を手段として選ぶ場合、測定値として直接確認できるのはMFR(A)であってMFR(A2)ではないが、MFR(A)が高くなる原因はMFR(A2)が高くなる事にあるのは自明である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体の重合プロセスは、回分式、連続式のいずれの方法によっても実施可能である。この際に、ヘキサン、ヘプタンなどの不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として使用する方法、実質的に液体溶媒を用いずにガス状の単量体中で重合を行う方法、さらに、これらを組み合わせた方法を採用することが出来る。また、第1重合工程と第2重合工程は同一の重合槽を用いても、別個の重合槽を用いてもよい。
(1)共重合体中のエチレン含有量の測定
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を用い、この共重合体中の各エチレン含有量を測定した。すなわち、第1重合工程終了時に得られたプロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)および、第2重合工程を経て得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)における各々のエチレン含有量は、プロトン完全デカップリング法により以下の条件に従って測定した13C−NMRスペクトルを解析することにより求めた。
機種:日本電子(株)製 GSX−400又は同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上)
溶媒:o−ジクロロベンゼン+重ベンゼン(4:1(体積比))
濃度:100mg/mL
温度:130℃
パルス角:90°
パルス間隔:15秒
積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules, 17,1950 (1984)などを参考に行えばよい。上記条件により測定されたスペクトルの帰属は下表の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules, 10, 536 (1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
Figure 2018140622
以下、「P」を共重合体連鎖中のプロピレン単位、「E」をエチレン単位とすると、連鎖中にはPPP、PPE、EPE、PEP、PEE、およびEEEの6種類のトリアッドが存在し得る。Macromolecules, 15,1150 (1982)などに記されているように、これらトリアッドの濃度と、スペクトルのピーク強度とは、以下の(1)〜(6)の関係式で結び付けられる。
[PPP]=k×I(Tββ) (1)
[PPE]=k×I(Tβδ) (2)
[EPE]=k×I(Tδδ) (3)
[PEP]=k×I(Sββ) (4)
[PEE]=k×I(Sβδ) (5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} (6)
ここで括弧[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1 (7)
である。また、kは定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えば、I(Tββ)はTββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。上記(1)〜(7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、さらに下式によりエチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100
なお、エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}×100
ここで、Xはモル%表示でのエチレン含有量である。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)には、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分などが含まれていてもよい。すなわち、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分などとの樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)であってもよい。添加剤、フィラー、その他の樹脂成分などの総量は、樹脂組成物に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤などの、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種添加剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤などを例示することができる。中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類等を例示することができる。光安定剤および紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン類、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などを例示することができる。
結晶核剤としては、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、ロジンの金属塩等、アミド系核剤を挙げることができる。これらの結晶核剤の中では、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウム、ビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−ヒドロキシ−12H−ジベンゾ[d,g][1,2,3]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウム塩と有機化合物の複合体、p−メチル−ベンジリデンソルビトール、p−エチル−ベンジリデンソルビトール、1,2,3−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、ロジンのナトリウム塩などを例示することができる。
滑剤としては、ステアリン酸アマイドなどの高級脂肪酸アマイド類などを例示することができる。帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸部分エステル類などを例示することができる。金属不活性剤としては、トリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類などを例示することができる。
フィラーとしては、無機充填剤、有機充填剤などの、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ガラスファイバーやカーボンファイバーなどを例示することができる。また有機充填剤としては、架橋ゴム微粒子、熱硬化性樹脂微粒子、熱硬化性樹脂中空微粒子、などを例示することができる。
その他の樹脂成分としては、ポリエチレン系樹脂、エチレン系エラストマーなどのポリオレフィン、変性ポリオレフィン、石油樹脂、その他の熱可塑性樹脂等を例示することができる。
樹脂組成物は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練する方法、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
層(II)
本発明の加飾フィルムは、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)を含むものである。アクリル系樹脂(B)からなる層(II)を含むことで、アクリル樹脂の、透明性、耐傷付き性、耐候性、印刷のしやすさといった優れた特性を活かした、優れた意匠性を有する加飾成形体を得ることが出来る。
アクリル系樹脂(B)
本発明におけるアクリル系樹脂(B)としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタアクリレート、メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂などが挙げられる。さらには、前記したアクリル系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との混合樹脂、または前記したアクリル系樹脂とアクリルゴムとの混合樹脂などを用いることができる。
アクリル系樹脂(B)には、必要に応じて、一般の添加剤、例えば安定剤、滑剤、加工助剤、耐衝撃助剤、充填剤、着色剤、艶消剤、紫外線吸収剤等を含むことができる。
前記したアクリル系樹脂は、市販品として、三菱レイヨン社製 商品名「アクリペット」、住友化学社製 商品名「スミペックス」などを好適に用いることが出来る。
接着層(III)
本発明の加飾フィルムは、接着性樹脂からなる接着層(III)を、シール層(I)および層(II)の間に含むものである。接着性樹脂(C)からなる接着層を設けることにより、アクリル系樹脂からなる層(II)と、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)とを有機溶剤を用いずに接着することが出来る。
接着性樹脂(C)
接着性樹脂(C)は、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)及び前記アクリル系樹脂(B)の両方に接着性を示す樹脂であれば、特に制限はないが、ヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
ヘテロ原子を含む極性官能基としては、エポキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基又はその金属塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、スルホ基、イソシアネート基、ハロゲン基等が挙げられる。
このような極性官能基を有するポリオレフィン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリプロピレン;エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、又はその鹸化物、エチレン/プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/ビニル単量体共重合体;塩素化ポリプロピレン塩素化ポリエチレンなどの塩素化ポリオレフィンなどが挙げられる。また、これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上で混合してもよい。さらに必要に応じて、他の樹脂またはゴム、粘着付与剤、各種添加剤などを混合してもよい。
前記の他の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン、プロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン単量体共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン共重合体、スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体、水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)、水素化(スチレン/イソプレンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体)、水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体グラフト共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル共重合体などが挙げられる。
前記の粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジンエステル等)、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂(α−ピネン、β-ピネン、リモネンなどの重合体)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂(脂肪族系、脂環族系、芳香族系等)、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂(アルキルフェノール、フェノールキシレンホルムアルデヒド、ロジン変性フェノール樹脂等)、キシレン樹脂などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上をあわせて用いることができる。これらのうち、熱安定性の観点から、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂が好ましく、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂と相溶し、極性樹脂との接着にも寄与できるという点から、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂が特に好ましい。
前記の添加剤としては、酸化防止剤、金属不活性剤、リン系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
極性官能基を有するポリオレフィン樹脂の市販品として、三井化学社製 商品名「アドマー」、三菱化学社製 商品名「モディック」、三洋化成社製 「ユーメックス」などを好適に用いることが出来る。
接着性樹脂(C)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(以下、「MFR」という。)は、好ましく100g/10分以下、より好ましくは50g/10分以下、さらに好ましくは20g/10分以下である。接着性樹脂(C)のMFRを上記の値以下にすることにより、シール層(I)に押出成形法により接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を積層する事が可能となる。接着性樹脂(C)のMFRは、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上である。接着性樹脂(C)のMFRを上記の値以上にすることにより、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)と接着性樹脂(C)との共押出成形において、積層界面での界面荒れが発生したり、接着性樹脂(C)がフィルム端部まで積層されないといった問題が生じることを抑制することが出来る。
加飾フィルム
本発明における加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)及び接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を、シール層(I)/接着層(III)/層(II)の順に含む。加飾フィルムは、シール層(I)、接着層(III)、層(II)の他に様々な構成を取ることが可能である。すなわち、加飾フィルムは、シール層(I)、接着層(III)および層(II)からなる三層フィルムであっても、シール層(I)、接着層(III)および層(II)と他の層からなる四層以上の多層フィルムであってもよい。なお、シール層(I)は、樹脂成形体(基体)に沿って貼着する。また、加飾フィルムは、その表面にシボ、エンボス、印刷、サンドプラスト、スクラッチ等が施されていてもよい。
加飾フィルムは形状の自由度が大きく、加飾フィルムの端面が加飾対象の裏側まで巻き込まれることで継ぎ目が生じないため外観に優れ、さらに、加飾フィルムの表面にシボ等を付与することで様々なテクスチャーを表現できる。例えば樹脂成形体にエンボス等のテクスチャーを付与する場合、エンボスの付与された加飾フィルムを用いて三次元加飾熱成形を行えば良い。このため、エンボスを付与する成形体金型で成形する場合の課題、すなわちエンボスパターン毎に成形体金型が必要であること、曲面の金型に複雑なエンボスを施すことは非常に困難で高価であること、といった課題が解決でき、様々なパターンのエンボスを容易に付与した加飾成形体を得ることができる。
多層フィルムには、シール層(I)、接着層(III)および層(II)の他、表面層、表面加飾層、印刷層、遮光層、着色層、基材層、バリア層、これらの層間に設けることができるタイレイヤー層等を含めることができる。
多層フィルムにおいて、シール層(I)、接着層(III)および層(II)以外の層は、好ましくは熱可塑性樹脂からなる層であり、より好ましくはポリプロピレン系樹脂からなる層である。シール層(I)、接着層(III)および層(II)以外の層は、シール層(I)、接着層(III)および層(II)と識別することができる限り、構成するポリプロピレン系樹脂は特に制限されるものではない。各層は熱硬化性樹脂を含まない層であることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いることにより、リサイクル性が向上し、ポリプロピレン系樹脂を用いることにより、層構成の複雑化を抑制することができ、さらにリサイクル性がより向上する。
加飾フィルムが四層以上の多層フィルムであるとき、樹脂成形体の貼着面側からシール層(I)/接着層(III)/層(II)/その他の層(複数の層を含む)や、シール層(I)/その他の層(複数の層を含む)/接着層(III)/層(II)/その他の層(複数の層を含む)という構成が挙げられる。
図1(a)及び(b)は、加飾フィルムの実施形態の断面を模式的に例示する説明図であり、図8(a)及び(b)は、樹脂成形体に加飾フィルムを貼着した加飾成形体の実施形態の断面を模式的に例示する説明図である。図1(a)及び(b)、並びに図8(a)及び(b)において、理解を容易にするため、シール層(I)、接着層(III)、層(II)の配置を特定して説明するが、加飾フィルムの層構成はこれら例示に限定して解釈されるものではない。本明細書において、図面の符号1は加飾フィルム、符号2は層(II)、符号3はシール層(I)、符号4は印刷層(IV)、符号5は樹脂成形体、符号7は接着層(III)を示す。図1(a)の加飾フィルムはシール層(I)、接着層(III)、層(II)からなり、図8(a)で示すように、樹脂成形体5の表面にシール層(I)が貼着し、シール層(I)の上に接着層(III)、接着層(III)の上に層(II)がこの順に積層する。図1(b)の加飾フィルムはシール層(I)、接着層(III)、層(II)および印刷層(IV)からなり、図8(b)で示すように、樹脂成形体5の表面にシール層(I)が貼着し、シール層(I)の上に接着層(III)、接着層(III)の上に層(II)、及び層(II)の上に印刷層(IV)がこの順に積層する。印刷層(IV)は、好ましくはポリプロピレン系樹脂からなる層とするとよい。
本発明の加飾フィルムは、厚みが、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約50μm以上、さらに好ましくは約80μm以上である。加飾フィルムの厚みをこのような値以上にすることにより、意匠性を付与する効果が向上し、成形時の安定性も向上し、より良好な加飾成形体を得ることが可能となる。一方、加飾フィルムの厚みは、好ましくは約2mm以下、より好ましくは約1.2mm以下、さらに好ましくは約0.8mm以下である。加飾フィルムの厚みをこのような値以下にすることにより、熱成形時の加熱に要する時間が短縮することで生産性が向上し、不要な部分をトリミングすることが容易になる。
本発明の加飾フィルムにおいて、加飾フィルム全体の厚みに占めるシール層(I)の厚みの割合は、好ましくは1〜69%であり、接着層(III)の厚みの割合は、好ましくは1〜69%であり、層(II)の厚みの割合は、好ましくは30〜98%である。加飾フィルム全体に占めるシール層(I)の厚みの割合が上記の値の範囲であれば、十分な接着強度を発揮することが出来る。また加飾フィルム全体に占める接着層(III)の厚みの割合が上記の値の範囲であれば、層(I)と層(III)の層間剥離を抑制することが出来る。また加飾フィルム全体に占める層(II)の厚みの割合が上記の値の範囲であれば、加飾フィルムの熱成形性が不十分となることを避けることができる。
加飾フィルムの製造
本発明の加飾フィルムは、公知の様々な成形方法により製造することが出来る。
例えば、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を含むシール層(I)、接着性樹脂(C)からなる接着層(III)とアクリル系樹脂(B)からなる層(II)を(任意にさらに他の層と)共押出成形する方法、シール層(I)および接着層(III)とさらに他の層とを共押出成形し、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)の面の上に、層(II)と接着層(III)とが接するように熱及び圧力をかけて貼り合せる熱ラミネーション法、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)と、あらかじめ押出成形したプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を含むシール層(I)とを、接着層(III)を介して貼り合せるドライラミネーション法及びウェットラミネーション法、あらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)の面の上に、接着層(III)とプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を含むシール層(I)とを溶融押出しする押出ラミネーション法やあらかじめ押出成形したアクリル系樹脂(B)からなる層(II)と、あらかじめ押出成形したプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を含むシール層(I)とを、溶融押出された接着層(III)で接着させるサンドラミネーション法などが挙げられる。加飾フィルムを形成するための装置としては、公知の共押出Tダイ成形機や、公知のラミネート成形機を用いることができる。
ダイスより押出された溶融状の加飾フィルムを冷却する方法としては、一本の冷却ロールにエアナイフユニットやエアチャンバーユニットより排出された空気を介して溶融状の加飾フィルムを接触させる方法や、複数の冷却ロールで圧着して冷却する方法が挙げられる。
本発明の加飾フィルムに光沢を付与する場合には、加飾フィルムの、製品の意匠面に鏡面状の冷却ロールを面転写して鏡面加工を施す方法が用いられる。
さらに、本発明の加飾フィルムの表面にシボ形状を有していてもよい。このような加飾フィルムは、ダイスより押出された溶融状態の樹脂を、凹凸形状を施したロールと平滑なロールとで直接圧着して凹凸形状を面転写する方法、平滑なフィルムを、凹凸形状を施した加熱ロールと平滑な冷却ロールとで圧接して面転写する方法等により製造することができる。シボ形状としては梨地調、獣皮調、ヘアライン調、カーボン調等が例示される。
本発明の加飾フィルムは、成膜後に熱処理してもよい。熱処理の方法としては、熱ロールで加熱する方法、加熱炉や遠赤外線ヒータで加熱する方法、熱風を吹き付ける方法等が挙げられる。
加飾成形体
本発明において加飾される成形体(加飾対象)として、好ましくはポリプロピレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂組成物からなる各種成形体(以下、「基体」と言うことがある。)を用いることが出来る。本発明における樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなることが好ましい。成形体の成形方法は、特に制限されるものでなく、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形等を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂は非極性であることから、難接着性の高分子であるが、本発明における加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)を含むことにより、ポリプロピレン系樹脂からなる加飾対象と加飾フィルムが貼着することで非常に高い接着強度を発揮し、かつ加飾対象の表面に付いた傷を目立ちにくくすることが出来る。
成形体(加飾対象)を形成するポリプロピレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂組成物のベース樹脂としては、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン−α−オレフィン共重合体、あるいは、プロピレンブロック共重合体等の公知の様々なプロピレンモノマーを主原料とする様々なタイプのものを選択することが出来る。また、本発明の効果を損なわない限り、剛性付与のためにタルク等のフィラーや、耐衝撃性付与のためにエラストマー等を含んでいても良い。また、上述した加飾フィルムを構成し得るポリプロピレン系樹脂組成物と同様に添加剤成分やその他の樹脂成分を含んでも良い。
本発明における加飾フィルムをポリプロピレン系樹脂からなる三次元形状に形成された各種成形体に貼着した加飾成形体は、塗装や接着剤に含まれるVOCが大きく削減されるため、自動車部材、家電製品、車輌(鉄道など)、建材、日用品などとして好適に使用することができる。
本発明の加飾成形体の製造方法は、上述した加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、前記減圧したチャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする。
三次元加飾熱成形は、減圧可能なチャンバーボックス中に、加飾対象と加飾フィルムをセットし、チャンバーボックス内を減圧した状態でフィルムを加熱軟化させ、加飾対象にフィルムを押し当て、チャンバーボックス内を大気圧に戻す、あるいは、加圧することで、加飾フィルムを加飾対象の表面に貼り付ける、という基本的な工程を有し、減圧下でフィルムの貼り付けを行う。これにより空気だまりが生じない、きれいな加飾成形体を得ることができる。本発明の製造方法において、三次元加飾熱成形に相応しい装置、条件であれば公知のあらゆる技術を用いることが出来る。
すなわち、チャンバーボックスは、加飾対象と加飾フィルム、および、それを押し当てるための機構、加飾フィルムを加熱するための装置等の全てを一つに納めるものでも良いし、加飾フィルムによって分割された複数のものでも良い。
また、加飾対象と加飾フィルムを押し当てるための機構は、加飾対象を移動させるもの、加飾フィルムを移動させるもの、両者を移動させるもの、いずれのタイプでもかまわない。
より具体的に代表的な成形方法を以下に例示する。
以下、図を参照しながら、三次元加飾熱成形機を用いて加飾フィルムを加飾対象に貼着する方法について例示的に説明する。
図2に示すように、この実施形態の三次元加飾熱成形機は上下にチャンバーボックス11,12を具備すると共に、前記2つのチャンバーボックス11,12内で加飾フィルム1の熱成形を行なうようにしている。上下のチャンバーボックス11,12には、真空回路(図示せず)と空気回路(図示せず)がそれぞれ配管されている。
また、上下のチャンバーボックス11,12の間には、加飾フィルム1を固定する治具13が備えられている。また、下チャンバーボックス12には、上昇・下降が可能なテーブル14が設置されており、樹脂成形体(加飾対象)5はこのテーブル14上に(治具等を介して又は直接)セットされる。上チャンバーボックス11内にはヒータ15が組み込まれており、このヒータ15により加飾フィルム1は加熱される。加飾対象5は、プロピレン系樹脂組成物を基体とすることができる。
このような三次元加飾熱成形機としては、市販の成形機(例えば布施真空株式会社製NGFシリーズ)を使用することができる。
図3に示すように、まず上下チャンバーボックス11,12が開放された状態で、下チャンバーボックス12内のテーブル14上に加飾対象5を設置し、テーブル14を下降した状態にする。続いて、上下チャンバーボックス11,12間のフィルム固定用の治具13に加飾フィルム1をシール層(I)が基体に対向するようにセットする。
図4に示すように、上チャンバーボックス11を降下させ、上下チャンバーボックス11,12を接合させ前記ボックス内を閉塞状態とした後、それぞれのチャンバーボックス11,12内を真空吸引状態にし、ヒータ15により加飾フィルム1の加熱を行う。
加飾フィルム1を加熱軟化した後、図5に示すように、上下チャンバーボックス11,12内を真空吸引状態のまま下チャンバーボックス12内のテーブル14を上昇させる。加飾フィルム1は加飾対象5に押し付けられて、加飾対象5を被覆する。さらに図6に示すように、上チャンバーボックス11を大気圧下に開放または圧空タンクより圧縮空気を供給することにより、さらに大きな力で加飾フィルム1を加飾対象5に密着させる。
続いて、上下チャンバーボックス11,12内を大気圧下に開放し、加飾成形体6を下チャンバーボックス12から取り出す。最後に、図7に例示するように加飾成形体6の周囲にある不要な加飾フィルム1のエッジをトリミングする。
成形条件
チャンバーボックス11,12内の減圧は、空気だまりが発生しない程度であれば良く、チャンバーボックス内の圧力が10KPa以下、好ましくは3KPa、より好ましくは1KPa以下である。
また、加飾フィルム1により上下に分割された二つのチャンバーボックス11,12においては、加飾対象5と加飾フィルム1が貼り付けられる側のチャンバーボックス内圧力が本範囲であれば良く、上下のチャンバーボックス11,12の圧力を変えることで加飾フィルム1のドローダウンを抑制することも出来る。
このとき、一般的なポリプロピレン系樹脂からなるフィルムは加熱時の粘度低下により、わずかな圧力変動で大きく変形および破膜することがある。
本発明の加飾フィルム1は、ドローダウンしにくいだけでなく、圧力変動によるフィルム変形にも耐性を有する。
加飾フィルム1の加熱はヒータ温度(出力)と加熱時間によって制御される。また、フィルムの表面温度を放射温度計等の温度計により測定し適切な条件の目安とすることも可能である。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂からなる加飾対象5にポリプロピレン系加飾フィルム1を貼着させるには、樹脂成形体5表面及び加飾フィルム1が十分に軟化又は融解することが必要である。
そのために、ヒータ温度は加飾対象5を構成するポリプロピレン系樹脂と加飾フィルム1を構成するポリプロピレン系樹脂の融解温度よりも高いことが必要である。ヒータ温度は、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上である。
ヒータ温度が高いほど加熱に要する時間は短縮されるが、加飾フィルム1の内部(あるいはヒータが片側にのみ設置させる場合にはヒータと反対の面)が十分に加熱されるまでに、ヒータ側の温度が高くなりすぎることで成形性の悪化を招くばかりでなく樹脂が熱劣化してしまうため、ヒータ温度は500℃以下であることが好ましく、より好ましくは450℃以下、最も好ましくは400℃以下である。
適切な加熱時間はヒータ温度によって異なるが、短くても、ポリプロピレン系加飾フィルムが加熱され、スプリングバックと呼ばれる張り戻りが開始するまでの時間またはそれを超える時間加熱されることが好ましい。
すなわち、ヒータによって加熱された加飾フィルムは、固体状態から加熱されることで熱膨張し結晶溶融に伴い一度たるみ、結晶融解が全体に進行すると分子が緩和することで一時的に張り戻るスプリングバックが観察され、その後、自重によって垂れ下がるという挙動を示すが、スプリングバック後には、フィルムは完全に結晶が融解しており、分子の緩和が十分であるため、十分な接着強度が得られる。
さらに、本発明の加飾フィルムは、驚くべきことに張り戻りが終了する前に加飾熱成形しても基体と強く接着することが可能であり、シボ戻りの抑制に大きな効果がある。
一方、加熱時間が長くなりすぎると、フィルムは自重によって垂れ下がったり、上下チャンバーボックスの圧力差により変形してしまったりするので、スプリングバック終了後、120秒未満の加熱時間であることが好ましい。
凹凸を有する複雑な形状の成形体を加飾する場合や、より高い接着力を達成する場合には、加飾フィルムを基体に密着させる際に、圧縮空気を供給することが好ましい。圧縮空気を導入した際の上チャンバーボックス内の圧力は、150kPa以上、好ましくは200kPa以上、より好ましくは250kPa以上である。上限については特に制限しないが、圧力が高すぎると機器を損傷するおそれがあるため、450kPa以下、好ましくは400kPa以下が良い。
以下、実施例として、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1.諸物性の測定方法
(i)メルトフローレート(MFR)
ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
(ii)融解ピーク温度(融点)
示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて10分間保持した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融点とした。単位は℃である。
(iii):プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、成分(A1)および成分(A2)のエチレン含量の算出
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、成分(A1)および成分(A2)のエチレン含量は、前述した13C−NMRによるエチレン含量の測定法を用いて行った。
2.使用材料
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造
加飾フィルムのシール層(I)に用いるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)として、後述の製造例で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)〜(A−4)を用いた。重合条件及び重合結果を表2に、ポリマー分析の結果を表3に示す。
[製造例A−1:プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の製造]
触媒組成の分析
Ti含有量:試料を精確に秤量し、加水分解した上で比色法を用いて測定した。予備重合後の試料については、予備重合ポリマーを除いた重量を用いて含有量を計算した。
ケイ素化合物含有量:試料を精確に秤量し、メタノールで分解した。ガスクロマトグラフィーを用いて標準サンプルと比較する事により、得られたメタノール溶液中のケイ素化合物濃度を求めた。メタノール中のケイ素化合物濃度と試料の重量から、試料に含まれるケイ素化合物の含有量を計算した。予備重合後の試料については、予備重合ポリマーを除いた重量を用いて含有量を計算した。
予備重合触媒の調製
(1)固体触媒の調製
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、マグネシウムジエトキシド[Mg(OEt)]を200g投入し、四塩化チタン(TiCl)を1Lゆっくりと添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体成分のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分のTi含有量は2.7重量%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体成分のスラリーを固体成分として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が25g/Lとなる様に調整した。四塩化珪素(SiCl)を50ml加え、90℃で1時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。
その後、精製したn−ヘプタンを導入して液レベルを4Lに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、ジイソプロピルジメトキシシラン[i−PrSi(OMe)]を30ml、トリエチルアルミニウム(EtAl)のn−ヘプタン希釈液をEtAlとして80g添加し、40℃で2時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒を得た。得られた固体触媒のスラリーの一部をサンプリングして乾燥し、分析を行った。固体触媒にはTiが1.2重量%、i−PrSi(OMe)が8.9重量%含まれていた。
(2)予備重合
上記で得られた固体触媒を用いて、以下の手順により予備重合を行った。上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体触媒の濃度が20g/Lとなる様に調整した。スラリーを10℃に冷却した後、EtAlのn−ヘプタン希釈液をEtAlとして10g添加し、280gのプロピレンを4時間かけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30min反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで充分に洗浄した。得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って予備重合触媒を得た。この予備重合触媒は、固体触媒1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。分析したところ、この予備重合触媒のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.0重量%、i−PrSi(OMe)が8.3重量%含まれていた。
この予備重合触媒を用いて、以下の手順に従ってプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造を行った。
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造
内容積2mの流動床型重合槽が2個直列に繋がった2槽連続重合設備を用いてプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。使用するプロピレン、エチレン、水素、窒素は一般的な精製触媒を用いて精製したものを使用した。第1重合槽における成分(A1)の製造量、及び、第2重合槽における成分(A2)の製造量は重合槽の温度制御に使用する熱交換器の冷却水温度の値から求めた。
第1重合工程:プロピレン単独重合体からなる成分(A1)の製造
第1重合槽を用いてプロピレンの単独重合を行った。重合温度は65℃、全圧は3.0MPaG(ゲージ圧、以下同様)、パウダーホールド量は40kgとした。重合槽に連続的にプロピレン、水素、及び、窒素を供給し、プロピレン及び水素の濃度がそれぞれ70.83mol%、0.92mol%となる様に調整した。助触媒として、EtAlを5.0g/時間の速度で連続的に供給した。第1重合槽における成分(A1)の製造量が20.0kg/時間となる様に、上記で得られた予備重合触媒を重合槽に連続的に供給した。生成した成分(A1)は連続的に抜き出しを行い、パウダーホールド量が40kgで一定となる様に調整した。第1重合槽から抜き出した成分(A1)は第2重合槽に連続的に供給し、プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)の製造を引き続いて行った。
第2重合工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)の製造
第2重合槽を用いてプロピレンとエチレンのランダム共重合を行った。重合温度は65℃、全圧は2.0MPaG、パウダーホールド量は40kgとした。重合槽に連続的にプロピレン、エチレン、水素、及び、窒素を供給し、プロピレン、エチレン、及び、水素の濃度がそれぞれ54.29mol%、17.14mol%、0.41mol%となる様に調整した。重合抑制剤であるエタノールを連続的に供給する事によって、第2重合槽におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)の製造量が6.7kg/hとなる様に調整した。こうして生成したプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は連続的に抜き出しを行い、パウダーホールド量が40kgで一定となる様に調整を行った。第2重合槽から抜き出したプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、更に乾燥機に移送し、充分に乾燥を行った。
生成したプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の一部を分析した所、MFR(A)は7.0g/10min、エチレン含有量E(A)は9.5重量%であった。第1重合工程の製造量と第2重合工程の製造量から、成分(A1)の重量比率W(A1)と成分(A2)の重量比率W(A2)を求めた所、それぞれ、0.75、0.25であった。
こうして得られたW(A1)、W(A2)、E(A)から、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)のエチレン含有量E(A2)を計算した。
計算には以下の式を使用した。
E(A2)={E(A)−E(A1)×W(A1)}÷W(A2)
(ここで、成分(A1)はプロピレン単独重合体なのでE(A1)は0重量%である。また上記の式は前述のE(A)について記載したものをE(A2)についてそれぞれ整理しなおしたものである。)
エチレン含有量E(A2)は38.0重量%であった。
[製造例A−2、A−3:プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2)および(A−3)の製造]
表2に記載の条件を用いた他はプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の製造例と同様にして、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2)および(A−3)の製造を行った。
Figure 2018140622
[製造例A−4:プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−4)の製造]
予備重合触媒の調製
(1)珪酸塩の化学処理
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
(2)珪酸塩の乾燥
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
回転筒:円筒状 内径50mm 加温帯550mm(電気炉)
かき上げ翼付き回転数:2rpm
傾斜角:20/520
珪酸塩の供給速度:2.5g/分
ガス流速:窒素 96リットル/時間
向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
(3)触媒の調製
撹拌及び温度制御装置を有する内容積16リットルのオートクレーブを窒素で充分置換した。ここに、乾燥珪酸塩200gを導入し、混合ヘプタン1,160ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)840mlを加え、室温で攪拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを2,000mlに調製した。次に、先に調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)9.6mlを添加し、25℃で1時間反応させた。平行して、(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム2,180mg(0.3mM)と混合ヘプタン870mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)33.1mlを加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して5,000mlに調製した。
(4)予備重合/洗浄
続いて、槽内温度を40℃昇温し、温度が安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。
予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄みを2,400mlデカントした。続いてトリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液9.5ml、さらに混合ヘプタンを5600ml添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを5600ml除いた。さらにこの操作を3回繰り返した。最後の上澄み液の成分分析を実施したところ有機アルミニウム成分の濃度は、1.23mモル/リットル、ジルコニウム(Zr)濃度は8.6×10−6g/Lであり、仕込み量に対する上澄み液中の存在量は0.016%であった。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液を170ml添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。触媒1g当たりポリプロピレンを2.0g含む予備重合触媒が得られた。
(5)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の製造
第1重合工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)の製造
攪拌羽根を有する横型反応器(L/D=6、内容積100リットル)を十分に乾燥し、内部を窒素ガスで十分に置換した。ポリプロピレン粉体床の存在下、回転数30rpmで攪拌しながら、反応器の上流部に調整した予備重合触媒を(予備重合パウダーを除いた固体触媒量として)0.444g/時間、トリイソブチルアルミニウムを15.0mmol/時間で連続的に供給した。反応器の温度を65℃、圧力を2.00MPaGに保ち、且つ反応器内気相部のエチレン/プロピレンモル比が0.058、水素濃度が150ppmになるように、モノマー混合ガスを連続的に反応器内に流通させ、気相重合を行った。反応によって生じた重合体パウダーは、反応器内の粉体床量が一定になるように、反応器下流部より連続的に抜き出した。この時、定常状態になった際の重合体抜き出し量は10.0kg/時間であった。
第一工程で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を分析したところ、エチレン含有量は1.7重量%であった。
第2重合工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)の製造
攪拌羽根を有する横型反応器(L/D=6、内容積100リットル)に、第一工程より抜き出したプロピレン−エチレン共重合体を連続的に供給した。回転数25rpmで攪拌しながら、反応器の温度を70℃、圧力を1.88MPaGに保ち、且つ反応器内気相部のエチレン/プロピレンモル比が0.450、水素濃度が300ppmになるように、モノマー混合ガスを連続的に反応器内に流通させ、気相重合を行った。反応によって生じた重合体パウダーは、反応器内の粉体床量が一定になるように、反応器下流部より連続的に抜き出した。この時、重合体抜き出し量が18.0kg/時間になるように活性抑制剤として酸素を供給し、第二工程での重合反応量を制御した。
こうして得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−4)を分析したところ、MFRは7.0g/10分、エチレン含有量は6.3重量%であった。
前記のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)〜(A−4)のポリマー分析の結果を表3に示す。
Figure 2018140622
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)のペレット化
製造例A−1〜A−4で得られた各々のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.10重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をタンブラーにてそれぞれ混合し均一化し、得られた混合物を35mm径の二軸押出機により230℃で溶融混練し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)〜(A−4)の各ペレットを得た。
3.その他の使用材料
加飾フィルムのシール層(I)用の樹脂として、上記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)〜(A−4)以外に、以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A−5):プロピレン単独重合体(MFR=10g/10分、Tm=161℃、エチレン含量E(A)0重量%、第1重合工程のみの重合なので成分(A2)を含まない)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FA3KM」
(A−6):プロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7g/10分、Tm=146℃、エチレン含量E(A)2.5重量%、第1重合工程のみで重合された成分(A1)のみからなるプロピレン−α−オレフィン共重合体であり、成分(A2)を含まない)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FW3GT」
加飾フィルムの層(II)として、以下のアクリル系樹脂からなるフィルムを用いた。
アクリル系樹脂(B)からなるフィルム
(B−1):ポリメチルメタクリレート樹脂フィルム、三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリプレン(登録商標)HBS010P、膜厚さ75μm」
加飾フィルムの接着層(III)用の樹脂として、以下の接着性樹脂を用いた。
接着性樹脂(C)
(C−1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=7g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F534A」
(C−2):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=1.6g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F532」
4.樹脂成形体(基体)の製造
以下のポリプロピレン系樹脂(X−1)〜(X−3)を用い、以下の方法で射出成形体を得た。
(X−1):プロピレン単独重合体(MFR=40g/10分、Tm=165℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)MA04H」
(X−2):プロピレンエチレンブロック共重合体(MFR=30g/10分、Tm=164℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)NBC03HR」
(X−3):ポリプロピレン系樹脂(X−2)60重量%に、MFR=1.0のEBR(三井化学(株)製 タフマー(登録商標)A0550S)を20重量%、無機フィラー(日本タルク(株)製 タルクP−6、平均粒径4.0μm)20重量%ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:200℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
実施例1
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層(I)用押出機−1及び口径40mm(直径)の接着層(III)用押出機−2が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの2種2層Tダイを用いた。シール(I)層用押出機−1にプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)を、接着層(III)用押出機−2に接着性系樹脂(C−1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層(I)用押出機−1の吐出量を4kg/h、接着層(III)用押出機−2の吐出量を8kg/hの条件で溶融押出を行った。溶融押出されたフィルムを、80℃の3m/minで回転する第1ロールにエアナイフでシール層(I)が接するように押付けながら冷却固化させ、厚さ50μmのシール層(I)と、厚さ100μmの接着層(III)が積層された2層の未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムと、アクリル系樹脂(B)からなるフィルム(B−1)とを、長手方向がフィルムのMD方向となるように、それぞれ幅250mm×長さ1000mmで切り出した。切り出したアクリル系樹脂(B)のフィルムと、切出した未延伸フィルムの接着層(III)とが接する様に重ね、熱ラミネート機を用いて以下の条件にて一体化して加飾フィルムを得た。熱ラミネート条件を下記する。
熱ラミネート機:テスター産業(株)社製「小型卓上ラミネーター」
加熱条件:アクリルフィルム接触面、130℃
シール層接触面、23℃
加圧条件:1.5kgf/m
ライン速度:0.5m/min
・三次元加飾熱成形
樹脂成形体(基体)5として、上記により得られたポリプロピレン系樹脂(X−1)からなる射出成形体を用いた。
三次元加飾熱成形装置として、布施真空株式会社製「NGF−0406−SW」を用いた。図2〜7に示すように、加飾フィルム1を、シール層(I)が基体に対向するように、開口部のサイズが210mm×300mmのフィルム固定用治具13にセットした。樹脂成形体(基体)5は、フィルム固定用治具13よりも下方に位置するテーブル14上に設置された、高さ20mmのサンプル設置台の上に、ニチバン株式会社製「ナイスタック NW−K15」を介して貼り付けた。フィルム固定治具13とテーブル14をチャンバーボックス11,12内に設置し、チャンバーボックスを閉じてチャンバーボックス11,12内を密閉状態とした。チャンバーボックスは、加飾フィルム1を介して上下に分割されている。上下ボックスを真空吸引し、大気圧(101.3kPa)から1.0kPaまで減圧した状態で、上チャンバーボックス11上に設置された遠赤外線ヒータ15を出力80%で始動させて加飾フィルム1を加熱した。加熱中も真空吸引を継続し、最終的に0.1kPaまで減圧した。加飾フィルム1、が加熱され一時的にたるみ、その後、張り戻るスプリングバック現象が終了してから25秒後に(すなわちスプリングバック現象後の加熱時間が25秒)、下チャンバーボックス12内に設置されたテーブル14を上方に移動させて、樹脂成形体(基体)5を加飾フィルム1に押し付け、直後に上チャンバーボックス11内の圧力が270kPaとなるように圧縮空気を送り込んで樹脂成形体(基体)5と加飾フィルム1を密着させた。このようにして、樹脂成形体(基体)5の上面及び側面に加飾フィルム1が貼着された三次元加飾熱成形品6を得た。
・物性評価
(1)熱成形性の評価(加飾成形体の外観)
三次元加飾熱成形時の加飾フィルムのドローダウン状態、ならびに基体に加飾フィルムを貼着した加飾成形体の加飾フィルムの貼着状態を目視にて観察し、以下に示した基準で評価した。
○:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムがドローダウンせずに基体と加飾フィルムとの接触が接触面全面にて同時に行われたため、接触ムラが発生せず、均一に貼着されている。
×:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムがドローダウンしたため、基体全面に接触ムラが発生。
(2)樹脂成形体(基体)と加飾フィルムとの接着力
株式会社ニトムズ社製「クラフト粘着テープ No.712N」を幅75mm、長さ120mmに切り出し、樹脂成形体(基体)の端部より75mm×120mmの範囲で樹脂成形体(基体)に貼り付けてマスキング処理を施した(基体表面露出部は幅45mm、長さ120mm)。樹脂成形体(基体)のマスキング面が加飾フィルムと接触するように三次元加飾熱成形装置NGF−0406−SWに設置し、三次元加飾熱成形を行った。
得られた加飾成形体の加飾フィルム面を、粘着テープの長手方向に対して垂直方向にカッターを用いて10mm幅で基体表面までカットし、試験片を作成した。得られた試験片において、基体と加飾フィルムとの接着面は幅10mm×長さ45mmである。試験片の基体部と加飾フィルム部とが180°となるように引張試験機に取付け、200mm/minの引張速度で接着面の180°剥離強度測定を行い、剥離時または破断時の最大強度(N/10mm)を5回測定し、平均した強度を接着力とした。
(3)グロス
加飾フィルムが貼着された加飾成形体の中央付近の光沢(グロス)を日本電色工業(株)社製GLOSS計Gloss Meter VG2000を用いて、入射角60°で測定した。測定方法はJIS K7105−1981に準拠した。
得られた加飾成形体等の物性評価結果を表4に示す。得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例2
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例3
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−3)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例4
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−4)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例5
実施例1の加飾フィルムの製造において、接着層(III)に用いた接着性樹脂(C−1)を接着性樹脂(C−2)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例6
実施例1の三次元加飾熱成形において、基体を樹脂(X−2)を用いた射出成形体に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表4に示す。
得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例7
実施例1の三次元加飾熱成形において、基体を樹脂(X−3)を用いた射出成形体に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表4に示す。
得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
Figure 2018140622
比較例1
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン単独重合体(A−5)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
シール層に用いたプロピレン単独重合体(A−5)は成分(A2)が含まれていないため、接着力に劣るものであった。
比較例2
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン−α−オレフィン共重合体(A−6)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
シール層に用いたプロピレン−α−オレフィン共重合体(A−6)は成分(A2)が含まれていないため、接着力に劣るものであった。
比較例3
実施例1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)をプロピレン単独重合体(A−5)に変更し、さらに三次元加飾熱成形において、スプリングバック現象が終了してから40秒間加熱を続け、その後に加飾熱成形を行ったこと以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
加熱時間が長いため、加飾フィルムが自重により垂れ下がった状態で基体と接触したため、加飾成形体全体に接触ムラが発生し、外観に劣るものであり、接着力およびグロスの評価は行わなかった。
比較例4
実施例1の加飾フィルムの代わりに、アクリル系樹脂(B)からなるフィルム(B−1)のみを使用した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
加飾フィルムが、シール層(I)および接着層(III)を有していないため、基体と接着しなかった。またグロスの評価は行わなかった。
Figure 2018140622
本発明によれば、十分な接着強度と製品外観を両立可能であり、基体の傷を目立たなくすることで製品不良の低減を可能とし、さらにリサイクルを容易とする三次元加飾熱成形に用いる加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法が提供される。
1 加飾フィルム
2 層(II)
3 シール層(I)
4 印刷層(IV)
5 樹脂成形体(加飾対象、基体)
6 加飾成形体
7 接着層(III)
11 上チャンバーボックス
12 下チャンバーボックス
13 治具
14 テーブル
15 ヒータ

Claims (7)

  1. 樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)からなるシール層(I)、アクリル系樹脂(B)からなる層(II)、およびシール層(I)と層(II)との間に接着性樹脂(C)からなる接着層(III)を含み、
    前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a1)〜(a3)を満たすことを特徴とする加飾フィルム。
    プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の要件
    (a1)プロピレン単独重合体またはプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A1)を5〜97重量%、該成分(A1)よりもエチレン含量が多いプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる成分(A2)を3〜95重量%含有する。
    (a2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))が、0.5g/10分を超える。
    (a3)融解ピーク温度(Tm(A))が、110〜170℃である。
  2. 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の加飾フィルム。
    (a4)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)中のエチレン含量が、0.15〜85重量%である。
  3. 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a5)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の加飾フィルム。
    (a5)前記成分(A1)のエチレン含量が、0〜6重量%の範囲にある。
  4. 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、下記要件(a6)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加飾フィルム。
    (a6)前記成分(A2)のエチレン含量が、5〜90重量%の範囲にある。
  5. 前記接着性樹脂(C)は、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であって、そのメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が100g/10分以下であるポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加飾フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、前記減圧したチャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
  7. 前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項6に記載の加飾成形体の製造方法。
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