JP2002177341A - 風船式寝返り装置 - Google Patents

風船式寝返り装置

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JP2002177341A
JP2002177341A JP2000376720A JP2000376720A JP2002177341A JP 2002177341 A JP2002177341 A JP 2002177341A JP 2000376720 A JP2000376720 A JP 2000376720A JP 2000376720 A JP2000376720 A JP 2000376720A JP 2002177341 A JP2002177341 A JP 2002177341A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な寝返りをさせることのできる安価な寝
たきり患者等の寝返り装置を提供することにある。 【解決手段】 仕切ゴム4に設けられる空気口7は、風
船固定素材1に近いものから順に径が小さくなってい
る。空気注入口8から空気を注入すると外側の風船表層
ゴム3の部分が膨れ、次に中間の風船表層ゴム3の部分
が膨れ、最後に中心部分の風船表層ゴム3の部分が膨
れ、扇型になる。このようにして、身体9を、仰向けの
状態から容易に横向きの状態へ、更に俯せの状態にまで
寝返らせることができる。反対の風船を同様に膨らませ
れば、逆の動作を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝床やベッドに寝
たきりの患者等の寝返りを容易に行うことを可能にする
寝返り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】病院や家庭における寝たきりの患者の介
護においては、床擦れ防止、身体の清潔確保、下着やオ
ムツ交換、食事、用足し等の目的のために、寝返りをさ
せることが必要となる。
【0003】寝たきりの患者には老齢者が多いが、特に
老夫婦の一人が寝たきりになり他の一人がその介護を行
うような場合に、寝返りをさせることは大きな負担を伴
うものである。
【0004】このような問題に対処するため、従来から
寝返りを支援する装置が提案されている。第1の従来技
術として、電動又は手動の機械的機構により、ベッドの
床を傾斜させるものが知られている。
【0005】第2の従来技術として、実公昭52−55
915号公報に見られるような、交互に配置された円錐
状のエアマットにより寝返りを支援するようなものが知
られている。
【0006】第3の従来技術として、特開平8−521
80号公報に見られるような、2系統の空気袋を用い
て、片方の空気袋に空気を送り膨張させることにより、
患者の身体を寝返らせるものが知られている。
【0007】第4の従来技術として、特開平11−76
318号公報に見られるように、マット本体を構成する
ように平面状に配置されたマットの長手方向に長い複数
の空気袋に、それぞれの空気圧を調整しながら空気を送
り込むことにより、患者の身体を寝返らせるものが知ら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の従来技
術は、ベッドの傾斜機構が複雑であるため、価格が高価
であるという問題点を有していた。
【0009】第2の従来技術は、円錐状のエアマットで
は、快適な寝返りをさせることが実質的に困難であると
いう問題点を有していた。第3の従来技術は、一定の位
置にある空気袋が膨張させられる構造となっているた
め、偏った位置に横たわっている患者等の寝返りをうま
くさせることができないという問題点を有している。
【0010】第4の従来技術は、偏った位置に横たわっ
ている患者等の寝返りをうまくさせることができるよう
に改良されているが、各空気袋の空気圧を制御するため
の複雑な制御装置が必要となり、価格が高価になってし
まうという問題点を有していた。
【0011】本発明の課題は、適切な寝返りをさせるこ
とのできる安価な寝返り装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベッド又は寝
床に固定され、それらに横たわる人間の寝返りをさせる
ための装置を前提とする。
【0013】本発明では、ベッド又は寝床の長手方向中
心線を境にした両側に寝返りをさせるための2つの風船
が形成される。一方の風船が膨らむときには、ベッド又
は寝床の短辺側からその長手方向に見た風船の断面形状
が上記中心線の位置を中心として略扇形に膨らむよう
に、風船固定素材、風船表層素材、風船内の複数枚の仕
切素材群、及び空気注入口が構成される。
【0014】このような構成により、2つの風船に注入
する空気の量を調整するだけで、偏った位置に横たわっ
ている患者等の寝返りもうまくさせることが可能な寝返
り装置が実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明の実施の形態の構成図である。
【0016】まず、ベッドの上部表面には、その長方形
状に合わせてそれを覆う長方形シーツ状の風船固定素材
1が設けられる(図1(b) )。この風船固定素材1は、
ベッドの2つの長辺両脇位置に設けられる1対の風船固
定素材留枠2と、それらの風船固定素材留枠2をベッド
の下を通して固定させるベルト6とによって、ベッドに
固定される。
【0017】また風船固定素材1の下には、必要に応じ
てクッション5(例えば波状風船)が設けられる。次
に、風船固定素材1の長手方向中心線A−Aで分割され
る風船固定素材1の2つの領域A−A−E−Eのうちの
第1の領域を形成する4辺に沿ってその風船固定素材1
に接着され、風船を形成する風船表層ゴム3が設けられ
る。
【0018】続いて、その風船が膨らんだときにベッド
の短辺側からその長手方向に見た該風船の断面形状が、
図2に示されるように、風船固定素材1の長手方向中心
線A−Aの位置を中心として略扇形になるように、風船
内に複数枚(図2では3枚)の幅の異なる長方形板状の
仕切ゴム4(A−A−B−B、A−A−C−C、A−A
−D−D)が設けられる。
【0019】図1(a) 及び図2に示されるように、仕切
ゴム4はそれぞれ風船内において、第1の長辺が風船固
定素材1の長手方向中心線A−Aに沿ってその風船固定
素材1に接着されるとともに、第2の長辺が、B−B、
C−C、D−Dのそれぞれの位置において風船表層ゴム
3に接着される。なお、線A−Bのみ、仕切ゴム4と風
船表層ゴム3とが直接接着される。
【0020】結局、中心A−Aにおいては、風船表層ゴ
ム3と3枚の仕切ゴム4の各第1の長辺がまとめて接着
されることになる。また、隣接する仕切ゴム4間の短辺
部分の風船表層ゴム3には、それが膨らんだときに略扇
型(A−B−C、A−C−D、A−D−E)が形成され
るように襠(余裕の襞)が設けられる。
【0021】更に、各仕切ゴム4にはそれぞれ、風船固
定素材1に近いもの(A−D)から遠いもの(A−B)
に向かって順次径の小さくなる空気口7が設けられる。
風船固定素材1に最も近い仕切ゴム4(A−D)と風船
固定素材1との間の風船表層ゴム3には、その間の第1
層に空気を注入するための空気注入口8が設けられる。
【0022】特には図示しないが、風船表層ゴム3の表
面全体には、フェルト生地等の感触を良くするための素
材が直接接着される。上述の第1の領域に対して構成さ
れる風船表層ゴム3、風船内の3枚の仕切ゴム4(それ
ぞれ空気口7を含む)、及び空気注入口8は、風船固定
素材1の長手方向中心線A−Aで分割される風船固定素
材1の2つの領域A−A−E−Eのうちの第2の領域に
対しても、もう1対が全く同様に構成される。即ち、中
心線A−Aを境にして、2つの風船が形成されることに
なる。
【0023】続いて、上述の構成を有する本発明の実施
の形態の動作について、図3に基づいて説明する。上述
したように、仕切ゴム4に設けられる空気口7は、風船
固定素材1に近いものから、A−D、A−C、A−Bの
順に、径が小さくなっている。このような構造のものに
対して、空気注入口8からコンプレッサ等によって空気
を注入すると、まず図3(c) に示されるように外側の風
船表層ゴム3の部分が膨れ、次に図3(b) に示されるよ
うに中間の風船表層ゴム3の部分が膨れ、最後に図3
(a) に示されるように中心部分の風船表層ゴム3の部分
が膨れる。
【0024】風船の各層が同圧になるとき、風船表層ゴ
ム3が全て膨らみ、仕切ゴム4は中心A−Aに向かって
引く力を有し、また風船表層ゴム3に設けられている襠
によって、図2に示されるように扇型に膨れる。
【0025】このようにして、身体9を、仰向けの状態
から容易に横向きの状態へ、更に俯せの状態にまで寝返
らせることができる。また、一方の風船をしぼませてか
ら反対側の風船を徐々に同様に膨らませることにより、
元の状態に戻すことも自由に行える。
【0026】また、途中の状態で止めることも空気の注
入を一時的にストップさせることにより、簡単に実現で
きる。以上のようにして、本発明に基づく風船器具とコ
ンプレッサという簡単な機構で、自由な寝返り動作を実
現させることができる。
【0027】以上説明した実施の形態では、風船表層素
材及び仕切素材としてゴム質のものを使用したが、ビニ
ール質のようなものでもよい。また、通気性のある素材
と組み合わせると好適である。
【0028】更に、コンプレッサの動作を自動化させる
機構を組み込むことにより、夜間等における自動寝返り
を実現することもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、寝たきり老人の介護等
において伴侶の一方が介護をするようなケースにおい
て、床擦れ防止、身体の清潔確保、下着やオムツ交換、
食事、用足し等のための寝返り動作、或いは、夜中の寝
返り動作等を、少ない労力で身体に手を添えることなく
自由に行うことが可能となる。
【0030】また機構が簡単なため、安価な寝返り装置
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成図(その1)であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の構成図(その2)であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の動作説明図である。
【符号の説明】
1 風船固定素材 2 風船固定素材留枠 3 風船表層ゴム 4 仕切ゴム 5 クッション 6 ベルト 7 空気口 8 空気注入口 9 身体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッド又は寝床に固定され、それらに横
    たわる人間の寝返りをさせるための装置であって、 固定素材によって前記ベッド又は寝床に固定され、その
    上部表面の長方形状に合わせてそれを覆う長方形シーツ
    状の風船固定素材と、 該風船固定素材の長手方向中心線で分割される該風船固
    定素材の2つの領域のうちの第1の領域を形成する4辺
    に沿って該風船固定素材に接着され、第1の風船を形成
    する第1の風船表層素材と、 該風船が膨らんだときに前記ベッド又は寝床の短辺側か
    らその長手方向に見た該風船の断面形状が前記風船固定
    素材の長手方向中心線の位置を中心として略扇形になる
    ように前記風船内に構成される複数枚の幅の異なる長方
    形板状の素材群であって、それぞれ、前記風船内におい
    て第1の長辺が前記風船固定素材の長手方向中心線に沿
    って該風船固定素材に接着されるとともに第2の長辺が
    前記風船表層素材に接着され、それぞれ、隣接する素材
    間の短辺部分の前記風船表層素材には前記略扇型が形成
    されるように襠が付けられ、それぞれ、前記風船固定素
    材に近いものから遠いものに向かって順次径の小さくな
    る空気口が設けられる複数枚の第1の仕切素材群と、 前記風船固定素材又は前記風船表層素材に設けられ前記
    風船固定素材に最も近い仕切素材と前記風船固定素材と
    の間に形成される第1層に空気を注入するための第1の
    空気注入口と、 前記第1の領域に対して構成される前記第1の風船表層
    素材、前記第1の仕切素材群、及び前記第1の空気注入
    口と同様にして前記風船固定素材の長手方向中心線で分
    割される該風船固定素材の2つの領域のうちの第2の領
    域に対して構成される第2の風船表層素材、第2の仕切
    素材群、及び第2の空気注入口と、 を含み、 前記第1又は第2の空気注入口から空気を適宜注入する
    ことにより、前記第1又は第2の風船表層素材上に横た
    わる身体の寝返りをさせる、 ことを特徴とする風船式寝返り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1413280A1 (de) * 2002-10-11 2004-04-28 Manfred Kretschmer Matratze
JP2014121442A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 France Bed Co Ltd 寝装用マット
KR20210126941A (ko) * 2020-04-13 2021-10-21 원포올 주식회사 욕창 방지 매트

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