JP2002176982A - ボツリヌス毒素遺伝子の検出及び定量方法 - Google Patents

ボツリヌス毒素遺伝子の検出及び定量方法

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JP2002176982A JP2000378793A JP2000378793A JP2002176982A JP 2002176982 A JP2002176982 A JP 2002176982A JP 2000378793 A JP2000378793 A JP 2000378793A JP 2000378793 A JP2000378793 A JP 2000378793A JP 2002176982 A JP2002176982 A JP 2002176982A
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seq
toxin gene
primer
dna
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凡 木村
Takeo Fujii
健夫 藤井
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Towa Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボツリヌス毒素遺伝子検出方法の提供。 【解決手段】 被検試料中のボツリヌス毒素遺伝子を定
量的PCRによって検出及び定量することを特徴とするボ
ツリヌス毒素遺伝子の検出・定量方法、ボツリヌス菌の
検出方法及びボツリヌス毒素の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボツリヌス毒素遺
伝子の検出及び定量用キット、それを用いるボツリヌス
毒素遺伝子の検出及び定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボツリヌス菌(Clostridium botulinu
m)は、グラム陽性の嫌気性桿菌で、ボツリヌス食中毒
の原因菌である。ボツリヌス食中毒は、ボツリヌス菌か
ら放出されるタンパク質性毒素(ボツリヌス毒素)によ
って引き起こされる。ボツリヌス菌は、毒素に対する血
清型からA〜Gの7つの型に分けられ、特にA、B及び
E型がヒトの食中毒の原因菌とされる。ボツリヌス毒素
は、神経毒タンパク質で、1〜2μgの量でヒトを死に
至らせる。毒素は通常80℃、30分間の熱処理によって不
活化されるが、食品の不十分な殺菌処理によって生き残
ったボツリヌス菌は、缶や袋等の嫌気的条件下で増殖し
て毒素を放出し得る。現在までに、欧米諸国では、肉
類、腸詰などの加工食品によるボツリヌス食中毒が、日
本では、ニシンのいずし、真空包装の辛子蓮根によるボ
ツリヌス食中毒が知られている。
【0003】ところで、1990年代に入り、世界規模での
食に対する新しい傾向として、消費者の嗜好が、素材の
自然な風味を生かし、可能な限り加熱処理をせず且つ食
品添加物を使用しない食品への移行が見られるようにな
っている。また、調理をせずに、すぐ食べることのでき
る調理済食品に対するニーズは増加しており、前記の傾
向と併せて、自然な風味を保持し且つ簡便な食品に対す
るニーズは高まる一方である。これらの食品は、変質を
抑えるために、熱処理を極力抑え、密封包装された形態
で提供される場合が多い。そのような状況の中、食品製
造業者にとって嫌気的条件下で増殖するボツリヌス菌の
汚染検査は極めて重要な検査項目となっている。
【0004】従来、食品のボツリヌス菌汚染検査は、ボ
ツリヌス毒素又はボツリヌス菌の検出によって行われて
きた。具体的には、ボツリヌス毒素の検出は、マウスを
用いる毒性試験及び毒素型を決定するための中和試験に
より行われ、ボツリヌス菌の検出は、嫌気条件下での培
養及び熟練者によるボツリヌス菌の同定により行われて
きた。しかし、これらの方法は、前者はマウスを維持管
理するための施設や人手が必要とされ、後者は、ボツリ
ヌス菌の検出に熟練と日数を要し、迅速に検出結果を下
すことは困難であった。
【0005】また、より迅速にボツリヌス毒素を検出す
る方法として、酵素結合イムノソルベントアッセイ(EL
ISA)を利用する方法や、ボツリヌス菌を検出する方法
として、PCRを用いる方法が開発されているが、前者
は、エンドポイントアッセイであるために、きめ細かな
リスク評価には適しておらず、後者はPCR増幅産物を通
常電気泳動によって検出するため、ゲルの調製、電気泳
動に要する時間、処理可能なサンプル数、発ガン性物質
のエチジウムブロマイドを使用する点など、操作上及び
安全性に問題があり、いずれも、簡便性、迅速性及び安
全性等の求められる食品検査現場のニーズには適してい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ボツリヌス
毒素遺伝子の検出及び定量用キット、それを用いるボツ
リヌス毒素遺伝子の検出及び定量方法に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、定量的PCRを採
用することによって、非常に特異的且つ高感度にボツリ
ヌス毒素遺伝子を検出及び定量することができることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、一方のプライマーが
配列番号2で、他方のプライマーが配列番号3で表され
る塩基配列からなるものであるボツリヌスA型毒素遺伝
子増幅用プライマーペア、及び配列番号4で表される塩
基配列中のチミンが5-プロピン-2'-デオキシウリジンで
置換されている塩基配列からなるボツリヌスA型毒素遺
伝子検出用標識プローブを含むボツリヌスA型毒素遺伝
子の検出及び定量用キットである。
【0009】さらに、本発明は、一方のプライマーが配
列番号6で、他方のプライマーが配列番号7で表される
塩基配列からなるものであるボツリヌスB型毒素遺伝子
増幅用プライマーペア、及び配列番号8で表される塩基
配列からなるボツリヌスB型毒素遺伝子検出用標識プロ
ーブを含むボツリヌスB型毒素遺伝子の検出及び定量用
キットである。
【0010】さらに、本発明は、一方のプライマーが配
列番号10で、他方のプライマーが配列番号11で表さ
れる塩基配列からなるものであるボツリヌスE型毒素遺
伝子増幅用プライマーペア、及び配列番号12で表され
る塩基配列からなるボツリヌスE型毒素遺伝子検出用標
識プローブを含むボツリヌスE型毒素遺伝子の検出及び
定量用キットである。
【0011】さらに、本発明は、上記のいずれかの検出
及び定量用キットに、さらに、配列番号13で表される
塩基配列からなるボツリヌスA型毒素mRNA逆転写用プラ
イマー、配列番号14で表される塩基配列からなるボツ
リヌスB型毒素mRNA逆転写用プライマー及び配列番号1
5で表される塩基配列からなるボツリヌスE型毒素mRNA
逆転写用プライマーのいずれかの逆転写用プライマーを
加えてなるボツリヌスA型、B型又はE型毒素mRNAの検
出及び定量用キットである。
【0012】さらに、本発明は、上記のいずれかの検出
及び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又は
E型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、
ボツリヌスA型、B型又はE型毒素遺伝子の検出及び定
量方法である。
【0013】さらに、本発明は、上記のいずれかの検出
及び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又は
E型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、
ボツリヌスA型、B型又はE型菌の増殖リスク評価方法
である。
【0014】さらに、本発明は、上記のいずれかの検出
及び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又は
E型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、
ボツリヌスA型、B型又はE型菌の検出方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、定量的PCRによるボツ
リヌス毒素遺伝子の検出及び定量方法である。ここで、
「定量的PCR」とは、反応系中に存在する所望のDNA又は
RNAをPCRを用いて検出及び定量することができる遺伝子
増幅技術をいう。定量的PCRとしては、以下の工程:
ボツリヌス毒素遺伝子増幅用プライマーペア、ボツリヌ
ス毒素遺伝子検出用標識プローブ及びDNAポリメラーゼ
存在下で、被検試料由来のDNAを鋳型として、ヌクレオ
チド鎖合成反応を行う工程、並びに得られる増幅産物
を検出・定量する工程を包含する方法を採用することが
でき、定量的PCRによるボツリヌス毒素遺伝子の検出
は、具体的には、以下のようにして行うことができる。
【0016】1.定量的PCRによるボツリヌス毒素遺伝
子の検出・定量 (1) 標的配列の選定 定量的PCRによってボツリヌス毒素遺伝子を検出・定量
するためには、まず、ボツリヌス毒素遺伝子上から、毒
素遺伝子に特異的な増幅反応用標的配列を選定する。ボ
ツリヌス毒素は、前述のように、A〜G型の7つの型に
分けられるが、この中で食品衛生上重要なのはA、B及
びE型である。これらの毒素をコードするDNAの塩基配
列は相違しており、標的配列としてこの相違部分を使用
することによって、ボツリヌス毒素遺伝子を型特異的に
検出及び定量することが可能である。
【0017】なお、ボツリヌスA型毒素、ボツリヌスB
型毒素及びボツリヌスE型毒素をコードするDNAの塩基
配列は公知であり、遺伝子データベースGenBankに、ボ
ツリヌスA型毒素遺伝子はアクセッション番号X52066と
して、ボツリヌスB型毒素遺伝子はアクセッション番号
M81186として、ボツリヌスE型毒素遺伝子はアクセッシ
ョン番号X62683として登録されており、当該技術分野に
属する者であれば、容易にその塩基配列を入手すること
が可能である。
【0018】標的配列は、特異性及び融点の高い領域で
あることが好ましい。例えば、本発明に使用することが
できるボツリヌスA型毒素遺伝子検出用の標的配列を配
列番号1に、ボツリヌスB型毒素遺伝子検出用の標的配
列を配列番号5に、ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用の
標的配列を配列番号9に示した。
【0019】(2) ボツリヌス毒素遺伝子検出用キット 上記(1)において選定された標的配列に基づき、以下の
ようにして、ボツリヌス毒素遺伝子検出用プローブ/プ
ライマーセットを作製する。すなわち、標的配列の5'末
端及び3'末端の配列に基づき順方向プライマー及び逆方
向プライマーを設計し、該両プライマーの設計に使用し
た配列の内側の配列に基づきプローブを設計する。ここ
で、標的配列へのプライマー及びプローブのハイブリダ
ーゼーションが互いに競合しないように、プローブの設
計に使用する配列はプライマーの設計に使用する配列と
は重複がなく且つ互いに離れた領域を使用することが好
ましい。ここで、ボツリヌス毒素遺伝子検出用のプロー
ブは、プライマーより少なくとも5℃以上のTm値を持
ち、且つ、Taq ポリメラーゼの伸長反応温度(72℃が最
適であるが、65℃付近まで低くすることは可能)でも標
的DNAと結合し続けることが可能なために十分な高いTm
値(少なくとも60℃以上)を有することが必要である。
本発明において、プライマーの長さは、15〜40mer、好
ましくは19〜30mer、最も好ましくは20〜28merであり、
プローブの長さは、15〜40mer、好ましくは20〜30mer、
最も好ましくは22〜27merである。なお、本発明におい
て使用することができるボツリヌス毒素遺伝子検出用プ
ライマー/プローブセットの塩基配列を標的配列ととも
に表1〜3に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】定量的PCRにおいて使用するボツリヌス毒
素遺伝子検出用プローブは、通常、フルオレセインイソ
チオシアネート(fluorescein isothiocyanate)、テト
ラメチルローダミンイソチオシアネート(tetramethylr
hodamin isothiocyanate)、ピレン(pyrene)等で蛍光
標識されたものを用いる。特に、定量的PCRとして、Taq
ManPCRを採用する場合には、プローブは、その5'末端を
リポーター色素で3'末端をクエンチャー色素で標識した
ものを使用する。前記リポーター色素は、前記クエンチ
ャー色素と同一のプローブに結合している状態では、蛍
光共鳴エネルギー転移によりその蛍光が抑制されている
が、プローブから遊離することにより蛍光が発生する。
ここで、リポーター色素としては、FAM(6-カルボキシフ
ルオレセイン)等のフルオレセイン系蛍光色素が好まし
く、クエンチャー色素としては、TAMRA(6-カルボキシテ
トラメチルローダミン)等のローダミン系蛍光色素が好
ましい。これらの色素は公知であり、容易に入手可能で
ある。プローブ上でのリポーター色素及びクエンチャー
色素の結合位置は、特に限定されないが、通常、プロー
ブの一端(好ましくは5'末端)にリポーター色素を、他
端にクエンチャー色素を結合させる。なお、プローブへ
の色素の結合は、当該技術分野で公知の手法[Noble et
al., Nuc. Acids Res. 12,3387-3403(1984);Iyer et a
l.,J. Am. Chem. Soc. 112,1253-1254 (1990)]により行
うことができる。また、プローブ中のチミンを5-プロピ
ン-2'-デオキシウリジンに置換することにより、プロー
ブの融点を人為的に高めることが可能である。
【0024】(3) 定量的PCRによるボツリヌス毒素遺伝
子の検出・定量 上記(2)のプライマー/プローブセットを用い、被検試
料由来のDNAを鋳型として定量的PCRを行うことにより、
ボツリヌス毒素遺伝子を特異的且つ定量的に検出するこ
とが可能である。定量的PCRとしては、TaqManPCR法、RT
-PCR、NASBA、ライトサイクラー等が挙げられる。被検試
料由来のDNAとしては、被検試料中に含まれる生物由来
のゲノムDNAやmRNAより調製したcDNA等が挙げられる。
なお、被検試料としては、食品衛生上、ボツリヌス菌汚
染検査を必要とするあらゆる食品(例えば、魚介類、水
産加工品、食肉・食肉製品、乳製品、穀類、野菜・果物、
農産加工品等)が挙げられる。被検試料からのDNAの調
製は、従来のゲノムDNAの調製の場合と同様の手法によ
り行うことができ、例えば、SDS溶解法、フェノール/
クロロホルム抽出、塩化セシウム密度勾配遠心法等を適
宜組合わせて行うことができる。以下、各定量的PCRに
よるボツリヌス毒素遺伝子の検出・定量方法について、
具体的に説明する。
【0025】TaqManPCRは、リポーター色素とクエンチ
ャー色素とが結合されたプローブの存在下でPCRを行
い、標的核酸の増幅に伴って増加する蛍光強度を測定す
ることにより、被検試料中の標的核酸を検出・定量する
技術である[Christian et al.,Genome Research 6: 986
-994(1996)]。当該技術は、増幅反応と蛍光強度の測定
とを同時に実施するものであり、鋳型にハイブリダイズ
した標識プローブの分解によって遊離する蛍光リポータ
ー色素をリアルタイムで検出し、検出器に連結したコン
ピューターで増幅産物を自動的に分析する。ボツリヌス
毒素遺伝子をTaqManPCRによって検出する場合、ボツリ
ヌス毒素遺伝子検出用プライマー/プローブ存在下で、
被検試料由来のDNAを鋳型として、PCRによる増幅反応を
行う。反応の具体的な条件は、下記実施例に詳述した通
りである。TaqManPCR用の装置は市販されており、本発
明においては、そのような市販の装置(例えば、ABI社製
PRISM 7700 Sequence Detector、ロッシュ・ダイアノス
ディックス社製Light CyclerSystem等)を用いることが
できる。
【0026】TaqManPCRにおいては、蛍光強度を測定し
ながらPCR反応を行う。被検試料中に標的配列を有するD
NAが含まれている場合、DNAの増幅が起こり、増幅産物
にハイブリダイズした蛍光標識プローブがDNAポリメラ
ーゼの作用により分解する。蛍光強度は、あるサイクル
数を過ぎると検出限界を超え、急激に増加する。そし
て、被検試料中の標的配列を有するDNAの量が多いほ
ど、少ないサイクル数で蛍光強度が、急に増加する。従
って、蛍光強度の急激な増加が始まるサイクル数を調べ
ることにより、被検試料中の被検試料中の標的配列を有
するDNAを定量することができる。具体的には、ボツリ
ヌス菌由来DNAの量を横軸に蛍光強度の急激な増加が検
出されたサイクル数を縦軸とし検量線を作成しておけ
ば、被検試料由来のDNAを鋳型としたときの、検出限界
を超えたときのサイクル数(検出限界サイクル数ともい
う)を調べることにより、被検試料中のボツリヌス毒素
遺伝子の量を調べることが可能である。被検試料中にボ
ツリヌス遺伝子が検出された場合、それは当該被検試料
中にボツリヌス菌が存在することを意味している。従っ
て、前記の手順によるボツリヌス毒素遺伝子の検出方法
は、ボツリヌス菌の検出方法として利用することが可能
である。さらには、ボツリヌス菌は通常、ボツリヌス毒
素を産生するので、ボツリヌス毒素遺伝子の検出方法
は、ボツリヌス毒素の検出方法として利用することも可
能である。そして、ボツリヌス菌の菌数と、各菌数のボ
ツリヌス菌から抽出されたDNAの量との関係を示すグラ
フを作成しておくことにより、得られたボツリヌス菌由
来DNAの量から、ボツリヌス菌の菌数を導き出すことも
可能である。
【0027】一方、被検試料中に標的配列を有するDNA
が含まれていない場合、DNAの増幅が起こらないので、
プローブはDNAにハイブリダイズせず、よってDNAポリメ
ラーゼによって加水分解されることもないので、リポー
ター色素からの蛍光は、クエンチャー色素により抑制さ
れたままであり、蛍光強度は増加しない。
【0028】2.ボツリヌス毒素遺伝子検出キット及び
ボツリヌス毒素mRNA発現定量キット 上記定量的PCRによるボツリヌス毒素遺伝子検出方法の
実施に必要な試薬類を、パッケージングし、キットとし
て供給することが可能である。より具体的には、例え
ば、以下の構成要素を含むものが挙げられる。 〔キットの構成要素〕 (a)順方向プライマー (b)逆方向プライマー (c)ボツリヌス毒素遺伝子検出用プローブ
【0029】上記キットには、必要に応じて、さらに酵
素反応に好適な条件を与える緩衝液、合成反応生成物の
検出のために必要な試薬類、その他サンプル中にPCR阻
害物質などが含まれている場合、サンプル中にボツリヌ
ス毒素遺伝子含まれているにも関わらず、陰性の結果が
得られてしまう場合がある。このような偽陰性の危険性
を回避するため、PCR反応溶液中に、反応系中にPCR反応
を阻害する物質が存在せずPCRが正常に進行し得ること
を示す内部標準(Internal Positive Control;以下、IPC
ともいう)を加えることが可能である。
【0030】また、上記キットにボツリヌス毒素mRNAを
逆転写するためのプライマーを加えることによって、ボ
ツリヌス毒素mRNA発現定量キットを作製することも可能
である。ここで、ボツリヌスA型毒素mRNA逆転写用のプ
ライマーとしては配列番号13で表されるものを、ボツ
リヌスB型毒素mRNA逆転写用のプライマーとしては配列
番号14で表されるものを、ボツリヌスE型毒素mRNA逆
転写用のプライマーとしては配列番号15で表されるも
のを使用することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示して具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。
【0032】〔実施例1〕 定量的PCR法によるボツリヌ
スA型毒素遺伝子の検出 (1) ボツリヌスA型毒素遺伝子検出用プローブ及びプラ
イマーの作製 以下のようにして、ボツリヌスA型毒素遺伝子検出用の
プローブ及びプライマーを作製した。すなわち、公知の
ボツリヌスA型毒素遺伝子の塩基配列に基づき、Primer
Express Version1.0(Applied Biosystems社製)を用い
て、特異性が高くかつTm値の最も高い場所として配列番
号1で表される塩基配列からなる領域を標的領域として
選択した。次いで、当該領域にハイブリダイズさせるボ
ツリヌスA型毒素遺伝子検出用プローブを、5'-tctgtagc
aaatttgcctgcacctaa-3'(配列番号4;Tm=65.5℃)の塩
基配列に基づいて設計合成した。ここで、プローブのTm
値をあげるため、プローブ配列の中の8箇所のチミジン
の全てを5-プロピン-2'-デオキシウリジンに置換した。
ここで、前記プローブには、5'末端にリポーター色素と
して6-カルボキシフルオレセイン(FAM)が、3'末端に
消光色素として6-カルボキシテトラメチルローダミン
(TAMRA)を結合させた。一方、標的領域の増幅用プラ
イマーとして、順方向プライマー:5'-ggagtcacttgaagt
tgatacaaatcc-3'(配列番号2;Tm=61.2℃)及び逆プラ
イマー:5'-tctaacccactcatttcataataggca-3'(配列番
号3;Tm = 61.8 ℃)を常法に従い、設計合成した。
【0033】(2) ボツリヌスA型毒素遺伝子の検出 ボツリヌスA型菌、ボツリヌスB型菌、ボツリヌスE型
菌及びその他の菌から、常法[Sambrook, J et al., Mol
ecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s(1989)]に従ってDNAを精製し、TaqManPCR法によりボツ
リヌスA型毒素遺伝子の検出を行った。すなわち、各菌
株のDNA(5ng/PCR)、各々5μlについて、配列番号2に
示すプライマー200nMと同量の配列番号3に示すプライ
マー、ならびに、配列番号4に基づいて設計合成したプ
ローブ(200nM)を用いて、MgCl25.0mMで、95℃、15秒
で増幅対象DNAを1本鎖とし、65℃、30秒でアニーリン
グおよび伸長反応をおこなう2ステップTaqMan PCR (40
サイクル)により,検出および定量を行った。検出結果を
表4に示した。表4から明らかなように、ボツリヌスA
型毒素遺伝子はいずれも25 サイクル以下のPCRで検出さ
れたのに対し、ボツリヌスB型毒素遺伝子、ボツリヌス
E型毒素遺伝子及びその他の菌由来の遺伝子は40サイク
ル以上のPCRにおいてさえも検出されなかった。
【0034】
【表4】
【0035】また、図1に、検出限界に達するまでのサ
イクル数とボツリヌスA型菌ゲノムDNAとの関係を示し
た。図1から明らかなように、前記サイクル数と前記ゲ
ノムDNAとの間には、高い相関性(R2=0.997)が認め
られた。以上より、本発明の検出方法により、ボツリヌ
スA型毒素遺伝子を特異的且つ定量的に検出可能である
ことが判明した。
【0036】〔比較例1〕 A型毒素のDNA検出 配列番号16で表される配列からなる公知のプライマー
と配列番号17で表される配列からなる公知のプライマ
ー[Takeshi, K. et al. Microbiol. Immunol.40: 5-11
、1996]の場合、電気泳動の結果は非特異的バンドやス
メアがあり、PCR増幅効率が低く、検出は可能であって
も、定量を目的とするには不適切である。
【0037】配列番号18で表される配列からなる公知
のプライマーと配列番号19で表される配列からなる公
知のプライマーを用いた報告例[Szabo, E. A. et al. A
ppl.Environ. Microbiol. 59: 3011-3020 (1993)]の場
合では、特異性が認められるものの、プライマーのTm値
がそれぞれ、48.2℃、41.8℃と低く、TaqMan定量PCR用
のプローブには不適である。
【0038】〔実施例2〕 定量的PCR法によるボツリヌ
スB型毒素遺伝子の検出 (1) ボツリヌスB型毒素遺伝子検出用プローブ及びプラ
イマーの作製 実施例1と同様に、まず特異性が高くかつTm値の最も高
い場所として配列番号5で表される塩基配列からなる領
域を標的領域として選択し、次いで以下のボツリヌスB
型毒素遺伝子検出用のプライマー及びプローブを作製し
た。 (ボツリヌスB型毒素遺伝子検出用プライマー) 順方向プライマー:5'-agacgtgttccactcgaagagttt-3'
(配列番号6;Tm=59℃) 逆方向プライマー:5'-gccttcccttgatgcaaaatg-3'(配列
番号7;Tm = 60℃) (ボツリヌスB型毒素遺伝子検出用プローブ) 5'-tcagtaatccaggagaagtggagcgaa-3'(配列番号8;Tm=6
6℃)
【0039】(2) ボツリヌスB型毒素遺伝子の検出 上記(1)のボツリヌスB型毒素遺伝子検出用プローブ及
びプライマーを用い、実施例1の同様の手順によりボツ
リヌスB型毒素遺伝子の検出を行った。検出結果を表5
に示した。表5から明らかなように、ボツリヌスB型毒
素遺伝子はいずれも25サイクル以下のPCRで検出された
のに対し、ボツリヌスA型毒素遺伝子、ボツリヌスE型
毒素遺伝子及びその他の菌由来の遺伝子は40サイクル以
上のPCRにおいてさえも検出されなかった。
【0040】
【表5】
【0041】また、図2に、検出限界に達するまでのサ
イクル数とボツリヌスB型菌ゲノムDNAとの関係を示し
た。図2から明らかなように、前記サイクル数と前記ゲ
ノムDNAとの間には、高い相関性(R2=0.999)が認め
られた。以上より、本発明の検出方法により、ボツリヌ
スB型毒素遺伝子を特異的且つ定量的に検出可能である
ことが判明した。
【0042】〔比較例2〕 B型毒素のDNA検出 配列番号20で表される配列からなる公知のプライマー
と配列番号21で表される配列からなる公知のプライマ
ー、配列番号22で表される配列からなる公知のプロー
ブを用いた報告例[Szabo et al., Appl. Environ. Micr
obiol. 58: 418-420, 1992]では、プローブを用いるこ
とで目的菌のみの検出が可能であったものの、電気泳動
の結果、他菌(A、C、D、E、F型tetani、sporogen
es、butyricum)にもバンドが検出された。従って、プ
ライマーの特異性が非常に低い。従って、検出は可能で
あっても、定量を目的とするには不適切である。
【0043】配列番号23で表される配列からなる公知
のプライマーと配列番号24で表される配列からなる公
知のプライマー、配列番号25で表される配列からなる
公知のプローブを用いた報告例[Takechi et al., Micro
biol. Immunol. 40: 5-11, 1996]では、電気泳動の結果
を見ると目的菌に対して非特異的バンドやスメアがかな
り見られたため、PCR増幅効率が低く、検出は可能であ
っても、定量を目的とするには不適切である。
【0044】〔実施例3〕 定量的PCR法によるボツリヌ
スE型毒素遺伝子の検出 (1) ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プローブ及びプラ
イマーの作製 実施例1と同様に、まず特異性が高くかつTm値の最も高
い場所として配列番号9で表される塩基配列からなる領
域を標的領域として選択し、次いで以下のボツリヌスB
型毒素遺伝子検出用のプライマー及びプローブを作製し
た。 (ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プライマー) 順方向プライマー:5'-gtgaatcagcacctggactttcag-3'
(配列番号10;Tm=66℃) 逆方向プライマー:5'-gctgcttgcacaggtttattga-3'(配
列番号11;Tm = 64.7℃) (ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プローブ) 5'-atgcacagaaagtgcccgaaggtga-3'(配列番号12)
【0045】(2) ボツリヌスE型毒素遺伝子の検出 上記(1)のボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プローブ及
びプライマーを用い、実施例1の同様の手順によりボツ
リヌスE型毒素遺伝子の検出を行った。検出結果を表5
に示した。表5から明らかなように、ボツリヌスE型毒
素遺伝子はいずれも25サイクル以下のPCRで検出された
のに対し、ボツリヌスA型毒素遺伝子、ボツリヌスB型
毒素遺伝子及びその他の菌由来の遺伝子は40サイクル以
上のPCRにおいてさえも検出されなかった。
【0046】
【表6】
【0047】また、図3に、検出限界に達するまでのサ
イクル数とボツリヌスE型菌ゲノムDNAとの関係を示し
た。図3から明らかなように、前記サイクル数と前記ゲ
ノムDNAとの間には、高い相関性(R2=0.978)が認め
られた。以上より、本発明の検出方法により、ボツリヌ
スE型毒素遺伝子を特異的且つ定量的に検出可能である
ことが判明した。
【0048】〔比較例3〕 E型毒素のDNA検出 配列番号26で表される配列からなる公知のプライマー
と配列番号27で表される配列からなる公知のプライマ
ーを用いた報告例[Franciosa et al, J. Clin.Microbio
l. 32:1911-1917, 1994]の場合、プライマーのTm値は4
3.4℃、49.8℃と低い。また、増幅産物が約780bpと長い
点と、アニーリング温度が50℃と低いことから、PCR定
量には不向きである。また、配列番号28に示す公知の
順方向プライマーと配列番号29に示す公知の逆方向プ
ライマーを用いた報告例[Szaboet al, Appl. Environ.
Microbiol. 59:3011-3020, 1993]のプライマーは予測T
m値が50.9℃と45.2℃と低いため、PCR定量には不向きで
ある
【0049】配列番号30で表される配列からなる公知
のプライマーと配列番号31で表される配列からなる公
知のプライマー、配列番号32で表される配列からなる
公知のプローブを用いた報告例[Takeshi et al., Micr
obiol. Immunol. 40:5-11, 1996]では、検出はサザン・
ハイブリダイゼーションを用いての検出であるが,泳動
写真によるとスメアが見られるため、PCR定量には不向
きであることがわかる。また、予測Tm値は58.9℃と48.2
℃と差が大きいことからも、PCR定量には不向きであ
る。
【0050】〔実施例4〕 ボツリヌスE型菌の食品で
の増殖リスク評価 (1) サンプルの調整 サンプルは、ボツリヌスE型菌のGAM液体培地培養液の
段階希釈液、もしくはマアジフィレー25gに5x102CFUの
ボツリヌスE型菌の胞子を植菌したものを用いた。GAM
液体培地培養液はボツリヌスE型菌を30℃で一昼夜嫌気
培養したものを用いた。マアジは植菌後、ただちに10℃
に移し、冷蔵保存した。冷蔵保存したマアジは1日毎に
1フィレーずつ取り出し、DNAの抽出に供した。
【0051】(2) サンプルからのDNAの抽出 サンプルからのDNAの抽出は、GAM液体培地培養液の段階
希釈液の場合にはその培養液1mlを、マアジフィレーの
場合には75mlの希釈水を加えホモジナイズした液1mlを
用いた。サンプル1mlを遠心分離し上澄みを除去、4Mの
グアニジンイソチオシアネートと2%Tween 20の混合液50
0μlにより菌体を溶菌させた。15000×gで10分間遠心分
離した後、上澄み400μlを別の新しいエッペンドルフチ
ューブに移した。これをイソプロパノール沈殿、塩の除
去をした後、160μlの滅菌蒸留水を加え、70℃3分で粗
抽出DNAを溶解した。更に遠心分離後、上澄み5μlを反
応に供した。
【0052】(3) PCR反応 PCR反応はTaqManTM PCR Core Reagent Kit(PE Applied
Biosystems)を用いて行った。PCR反応容量は50μlと
し、x10 TaqManバッファーAを5μl、5mM MgCl2、dATP,d
CTP,dGTPを各200μM、dUTPを400μM、プライマーペア
(配列番号10、11)各200nM、TaqManプローブ(配
列番号12)100nm、UNGを0.01units/μl、AmpliTaq Go
ld DNAポリメラーゼを0.5units/μl、サンプルを5μlの
組成で行った。PCR反応条件は50℃2分間、95℃10分間
の後、95℃15秒間の熱変成と65℃1分のアニーリングを
1サイクルとして、60サイクル行った。反応はABI PRIS
M 7700Sequence Detectorを用いて行った。この時、PCR
反応管中の蛍光をモニタリングした。
【0053】(4) 結果 培養液の段階希釈液を実験に供した結果、PCRチューブ
当たりの菌数と検出限界サイクル数(検出に必要なPCR
サイクル数)のプロットにおいて高い相関が得られた
(図4)。また、本法の感度は、3x100〜3x101CFU/PC
Rチューブでの検出が可能であった(図4)。図4で得ら
れた検量線を元に、純培養系において本法と培養法によ
る増殖曲線を比較した。その結果、両者で極めて類似し
た曲線が得られた(図5)。図5において、破線は培養
法により得られた増殖曲線、実線は本法により得られた
増殖曲線である。
【0054】また、マアジフィレー中での菌数を本法に
より測定し、従来法であるマウスアッセイでの毒化試験
の結果と比較した。その結果を図6に示した。図6のA
はボツリヌスE型菌を植菌しなかった場合の菌数を示し
た図であり、図6のBはボツリヌスE型菌を植菌した場
合の菌数を示した図である。ここで、図中の□は一般生
菌数、○はボツリヌスE型菌数、■及び●はマウスアッ
セイにおいて陽性であったものである。本菌以外の菌が
多数(107CFU/g)存在しているにも関わらず、本菌の増
殖をモニタリングすることが可能であった。さらに、マ
ウスアッセイによる毒化よりも早期の段階でのモニタリ
ングが可能であった。このことから、本法は実際の食品
を用いても本菌の定量が可能であり、増殖リスク評価へ
の応用が可能であることが判明した。
【0055】〔実施例5〕 ボツリヌスE型毒素遺伝子
の検出キット (1) キットの構成 以下の構成要素を含むボツリヌスE型毒素遺伝子の検出
キットを構築した。 〔キットの構成要素〕 (a)順方向プライマー:5'-gtgaatcagcacctggactttca
g-3'(配列番号10) (b)逆方向プライマー:5'-gctgcttgcacaggtttattga-
3'(配列番号11) (c)ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プローブ:5'-at
gcacagaaagtgcccgaaggtga-3'(配列番号12)
【0056】(2) サンプルからのDNAの粗抽出 サンプルは、ボツリヌスE型菌のGAM液体培地培養液の
段階希釈液、もしくは魚肉ホモジナイズ液(25gの魚肉
に225mlの希釈水を加えホモジナイズした液)にGAM液体
培地培養液の段階希釈液を加えたものを用いた。サンプ
ル1mlを遠心分離し上澄みを除去後、4Mのグアニジンイ
ソチオシアネートと2%Tween 20の混合液500μlより菌体
を溶菌させた。15000×gで10分間遠心分離した後、上澄
み400μlを別の新しいエッペンドルフチューブに移し
た。これをイソプロパノール沈殿、塩の除去をした後、
160μlの滅菌蒸留水を加え、70℃3分で粗抽出DNAを溶解
した。更に遠心分離後、上澄み5μlを反応に供した。
【0057】(3) PCR反応 PCR反応には、上記(1)のキット、TaqManTM PCR Core Rea
gent Kit(PE AppliedBiosystems)及びTaqManTM Exogeno
us Internal Positive Control Reagents(PEApplied Bi
osystems)を用いた。PCR反応容量は50μlにて行い、x10
TaqManバッファー Aを5μl、5mM MgCl2、dATP,dCTP,dG
TPを各200μM、dUTPを400μM、プライマーペア各200n
M、プローブ100nm、UNGを0.01units/μl、AmpliTaq Gol
d DNAポリメラーゼを0.5units/μl、x10 Exo IPC Mixを
5μl、Exo IPC DNAを4fg、サンプルを5μlの組成で行っ
た。ネガティブ・コントロールとして、サンプルの代わ
りに滅菌蒸留水を用いたもの(IPCのみ増幅するコント
ロール;NTC)と1% SDS溶液を用いたもの(増幅しないコ
ントロール;NAC)を各3つ以上同時にPCR反応に供し
た。PCR反応条件は実施例4に従って行った。全ての反
応はABI PRISM 7700 Sequence Detectorを用いて行っ
た。
【0058】(4) 蛍光測定と結果の判定 蛍光測定はPCR反応前と反応後の2回行った。このと
き、本菌の存在の有無を示す蛍光FAMとIPCによる増幅の
有無を示すVICの2つの蛍光値を測定し、PCR反応前と反
応後での蛍光増加量をそれぞれ求めた。上記(3)で述べ
たネガティブコントロールそれぞれについて標準偏差と
t検定により、99.7%の危険率で結果の判定を行った。FA
Mの蛍光が認められたサンプルは陽性、VICのみ蛍光が認
められたサンプルは陰性、どちらの蛍光も認められない
場合は再試験と判定した。
【0059】(5) 結果 培養液の段階希釈液を実験に供し、本法の感度を求めた
結果、1.2x101CFU/PCRチューブまでの検出が可能であっ
た(表7)。この結果はIPCを加えない系とほぼ同等の感
度を持つと考えられた。また、魚肉ホモジナイズ液混合
系においても1.2x101CFU/PCRチューブで検出可能であっ
た。また、IPCの増幅もNACを除く全てのサンプルにおい
て確認できた。この結果は本菌の胞子を用いても同様の
結果が得られた。
【0060】上記のことから、本法は食品製造現場での
検出において有用であると考えられた。従来のPCR検出
では反応後、電気泳動により増幅産物の有無を確認して
いたが、サンプル処理数が十数サンプルと少ない。しか
し本法では96穴の反応プレートから直接蛍光を測定し判
定するため、大量処理が可能である。本法は電気泳動の
ような実験者の主観的判定に頼ることなく結果を得るこ
とが可能であり、さらに、蛍光測定値は数値化されるた
め結果の文書化も容易である。しかも、従来本菌の検出
はマウスアッセイで行われていたため、コストと時間と
人件費を大幅に削減できると考えられる。
【0061】
【表7】
【0062】〔実施例6〕 ボツリヌスE型毒素mRNA発
現定量キット (1) キットの構成 以下の構成要素を含むボツリヌス毒素mRNA発現定量キッ
トを構築した。 〔キットの構成要素〕 (a)順方向プライマー:5'-gtgaatcagcacctggactttca
g-3'(配列番号10) (b)逆方向プライマー:5'-gctgcttgcacaggtttattga-
3'(配列番号11) (c)ボツリヌスE型毒素遺伝子検出用プローブ:5'-a
tgcacagaaagtgcccgaaggtga-3'(配列番号12) (d)逆転写用プライマーRT-717:5'-tgctgactctctccc
aagattga-3'(配列番号15) なお、逆転写(以下、RTともいう)反応を行うための逆
転写用プライマーRT-717は、PCR増幅領域の下流側か
ら、本毒素遺伝子の遺伝子配列に特異的な配列を使用し
た。
【0063】(2) 総RNAの抽出 GAMブイヨン(Gifu Anaerobic Medium Broth; Nissui, T
okyo, Japan)10mlをボツリヌスE型菌の培養に用い、30
℃嫌気培養にて本菌が対数増殖期から定常期に移る際の
菌体(O.D.660nmにて0.8前後)を実験に供した。本菌の
総RNAの抽出は、RNA抽出キットTRIZOL(Gibco BRL)の付
属説明書のプロトコールに準じた。すなわち、培養液10
mlを2190×gで5分間遠心分離した後、上澄みを除去し
た。これに1mlのTRIZOL液を加え、25G針付きディスポ
ーザブルシリンジ(テルモシリンジSS-01T2525; Terumo
Co. Ltd, Tokyo. Japan)を用いて十分に再懸濁し、室温
5分放置した。この懸濁液をエッペンドルフチューブに
移し、クロロホルム0.2mlを加え、室温2分放置した。1
2000×gで15分間遠心分離した後、水層を別のエッペン
ドルフチューブに移した。等量のイソプロパノールを加
え、室温10分間放置した後、12000×gで10分間遠心分離
した。上澄みを除去し、75%エタノールを加え塩の除去
をした後、12000×gで5分間遠心分離し、再び上澄みを
完全に除去した。このペレットにDEPC処理を行った滅菌
蒸留水88μlを加え、60℃10分間のヒートブロックによ
る加熱により完全に溶解した。さらに2μlのDNase(Nip
pon Gene)と付属のバッファーを10μl加え、室温30分放
置した。フェノール:クロロホルム,5:1混合(Nacalai
tesque,Inc. Kyoto, Japan.)溶液を用いてフェノール
・クロロホルム処理後エタノール沈殿によりRNAを精製
・回収した。この時、RNA溶液をDEPC処理を行った滅菌
蒸留水に溶解し吸光光度計Model UV-160 spectrometer
(Shimazu, Kyoto, Japan)により260nmの吸光度により濃
度を求めた。また、同時にRNA溶液はエッペンドルフチ
ューブに各5μlずつ小分けしておき、-80℃で冷凍保存
した。サンプルRNAは逆転写反応直前に溶解し、滅菌蒸
留水にて1000ng〜1pg/μlの濃度に段階希釈してから用
いた。
【0064】(3) RT及びPCR反応 RT及びPCR反応には、上記(1)のボツリヌスE型毒素mRNA
発現定量キット、TaqMan Gold RT-PCR kit(PE Applied B
iosystems)を用いた。RT反応組成及び反応条件はTaqMan
Gold RT-PCR kitの付属プロトコールに準じた。RT反応
容量は20μlにて行った。x10 RT バッファーを2μl; Mg
Cl2を5mM; dNTPsを各々500μM; 逆転写用プライマー(R
T-717)を各200nM; MultiScribe Reverse Transcriptas
eを1.25Units/μl; RNase Inhibitorを0.4Units/μl; S
ample RNA2μlにて反応を行った。RT反応は、48℃30分の
RT反応、95℃5分による逆転写酵素の不活化の条件で行
った。
【0065】PCR反応組成及び条件は実施例3に従って
行った。ただし、サンプルはRT反応後のサンプル2μlを
用いた。すべての反応はABI PRISM 7700 Sequence Dete
ctor(PE Applied Biosystems)にて行った。定量解析・
検量線の作成についても実施例3に従って行った。ただ
し検量線の作成はDNA量ではなくRT反応時に供した総RNA
量により検量線を作成した。
【0066】(5) 実験結果 RT-PCRの結果、2000ng〜2pgの総RNA量の範囲で検出・定
量可能であり、相関係数がほぼ1に近い検量線を得るこ
とに成功した(図7)。これはノザンブロットハイブリダ
イゼーションの感度を完全に上回るものであった。ノザ
ンブロットハイブリダイゼーションの場合、測定するた
めに必要な総RNA量はサンプル1つ当たり10〜30μgと多
く(中山広樹ら、バイオ実験イラストレイテッド.2遺
伝子解析の基礎、細胞工学別冊秀潤社、p.169)、これ
だけの総RNA量を得るためには、大量な抽出サンプルが
必要となってしまい、貴重なサンプルであった場合検出
が不可能である。一方、本法のmRNA定量法では10mlの培
養液から十分な実験量の総RNAが確保できる。このた
め、増殖しにくい培養条件であっても、少量のサンプル
が存在すれば定量が可能である。Competitive RT-PCRに
よる検出は少量のサンプルからの定量法として有用視さ
れているが[Gilliland et al., Proc. Natl. Acad.Sci.
USA, 87,2725-2729, 1990]、サンプル処理数とその手
間を考えると、本法が勝っていた。最終的に、本法を用
いて106copyの範囲で検量線を得ることが可能になり、
サンプル処理数が多くても毒素遺伝子発現量を比較検討
できる手段が確立できた。
【0067】
【発明の効果】本発明により、特異性が高く且つ迅速な
ボツリヌス毒素遺伝子の検出及び定量方法が提供され
る。本発明の方法は、食品工業における簡便なボツリヌ
ス菌汚染の検出に有用である。
【0068】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> HIROSHI GODA;TOWA KAGAKU Co. <120> A method of detection and quantitative determination of botulinum toxin gene <130> P00-0519 <160> 32 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 180 <212> DNA <213> Clostridium botulinum <400> 1 ggagtcactt gaagttgata caaatcctct tttaggtgca ggcaaatttg ctacagatcc 60 agcagtaaca ttagcacatg aacttataca tgctggacat agattatatg gaatagcaat 120 taatccaaat agggttttta aagtaaatac taatgcctat tatgaaatga gtgggttaga 180 <210> 2 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 2 ggagtcactt gaagttgata caaatcc 27 <210> 3 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 3 tctaacccac tcatttcata ataggca 27 <210> 4 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 4 tctgtagcaa atttgcctgc acctaa 26 <210> 5 <211> 195 <212> DNA <213> Clostridium botulinum <400> 5 agacgtgttc cactcgaaga gtttaacaca aacattgcta gtgtaactgt taataaatta 60 atcagtaatc caggagaagt ggagcgaaaa aaaggtattt tcgcaaattt aataatattt 120 ggacctgggc cagttttaaa tgaaaatgag actatagata taggtataca aaatcatttt 180 gcatcaaggg aaggc 195 <210> 6 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 6 agacgtgttc cactcgaaga gttt 24 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 7 gccttccctt gatgcaaaat g 21 <210> 8 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 8 tcagtaatcc aggagaagtg gagcgaa 27 <210> 9 <211> 280 <212> DNA <213> Clostridium botulinum <400> 9 gtgaatcagc acctggactt tcagatgaaa aattaaattt aactatccaa aatgatgctt 60 atataccaaa atatgattct aatggaacaa gtgatataga acaacatgat gttaatgaac 120 ttaatgtatt tttctattta gatgcacaga aagtgcccga aggtgaaaat aatgtcaatc 180 tcacctcttc aattgataca gcattattag aacaacctaa aatatataca tttttttcat 240 cagaatttat taataatgtc aataaacctg tgcaagcagc 280 <210> 10 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 10 gtgaatcagc acctggactt tcag 24 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 11 gctgcttgca caggtttatt ga 22 <210> 12 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 12 atgcacagaa agtgcccgaa ggtga 25 <210> 13 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 13 gcatcatgtc ccccaaatgt tct 23 <210> 14 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 14 aatgtatata gttcttctgc ctg 23 <210> 15 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 15 tgctgactct ctcccaagat tga 23 <210> 16 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 16 tgcaggacaa atgcaaccag t 21 <210> 17 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 17 tccaccccaa aatggtattc c 21 <210> 18 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 18 tatggaatag caattaatcc 20 <210> 19 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 19 gtgtaattta ccttaggtac 20 <210> 20 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 20 gatggaacca ccatttgcwa g 21 <210> 21 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 21 wacatcwata cawattcctg g 21 <210> 22 <211> 39 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 22 tattataagg ctttcaaaat aacagataga atttggata 39 <210> 23 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 23 cctccatttg cgagaggtac g 21 <210> 24 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 24 ctcttcgagt ggaacacgtc t 21 <210> 25 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 25 ccggaaagat atacttttgg a 21 <210> 26 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 26 aaaagtcata tctatggata 20 <210> 27 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 27 gtgttatagt atacattgta gtaatcc 27 <210> 28 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 28 tatatattaa accaggcgg 19 <210> 29 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 29 tagagaaata ttggaactg 19 <210> 30 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 30 caggcggttg tcaagaattt ta 22 <210> 31 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 31 attagctttt gacagttctt c 21 <210> 32 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 32 agtgatgaag aaaaggatag a 21
【0069】
【配列表フリーテキスト】配列番号2:合成DNA 配列番号3:合成DNA 配列番号4:合成DNA 配列番号6:合成DNA 配列番号7:合成DNA 配列番号8:合成DNA 配列番号10:合成DNA 配列番号11:合成DNA 配列番号12:合成DNA 配列番号13:合成DNA 配列番号14:合成DNA 配列番号15:合成DNA 配列番号16:合成DNA 配列番号17:合成DNA 配列番号18:合成DNA 配列番号19:合成DNA 配列番号20:合成DNA 配列番号21:合成DNA 配列番号22:合成DNA 配列番号24:合成DNA 配列番号25:合成DNA 配列番号26:合成DNA 配列番号28:合成DNA 配列番号29:合成DNA 配列番号30:合成DNA 配列番号31:合成DNA 配列番号32:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】ボツリヌスA型菌のゲノムDNA濃度と検出限界
サイクル数との関係を示した図である。
【図2】ボツリヌスB型菌のゲノムDNA濃度と検出限界
サイクル数との関係を示した図である。
【図3】ボツリヌスE型菌のゲノムDNA濃度と検出限界
サイクル数との関係を示した図である。
【図4】ボツリヌスE型菌の細胞数と検出限界サイクル
数との関係を示した図である。
【図5】培養法と本方法で得られたボツリヌスE型菌の
増殖曲線を示した図である。
【図6】本方法による魚肉(真アジ)中でのボツリヌス
E型菌の増殖モニタリングを示した図である。
【図7】総RNA量と検出限界サイクル数との関係を示し
た図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 健夫 東京都港区港南4−5−7 東京水産大学 内 Fターム(参考) 4B024 AA13 BA38 CA01 HA12 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ03 QQ06 QQ16 QQ17 QQ42 QR08 QR32 QR42 QR62 QS25 QS32 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方のプライマーが配列番号2で、他方
    のプライマーが配列番号3で表される塩基配列からなる
    ものであるボツリヌスA型毒素遺伝子増幅用プライマー
    ペア、及び配列番号4で表される塩基配列中のチミンが
    5-プロピン-2'-デオキシウリジンで置換されている塩基
    配列からなるボツリヌスA型毒素遺伝子検出用標識プロ
    ーブを含むボツリヌスA型毒素遺伝子の検出及び定量用
    キット。
  2. 【請求項2】 一方のプライマーが配列番号6で、他方
    のプライマーが配列番号7で表される塩基配列からなる
    ものであるボツリヌスB型毒素遺伝子増幅用プライマー
    ペア、及び配列番号8で表される塩基配列からなるボツ
    リヌスB型毒素遺伝子検出用標識プローブを含むボツリ
    ヌスB型毒素遺伝子の検出及び定量用キット。
  3. 【請求項3】 一方のプライマーが配列番号10で、他
    方のプライマーが配列番号11で表される塩基配列から
    なるものであるボツリヌスE型毒素遺伝子増幅用プライ
    マーペア、及び配列番号12で表される塩基配列からな
    るボツリヌスE型毒素遺伝子検出用標識プローブを含む
    ボツリヌスE型毒素遺伝子の検出及び定量用キット。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載のいずれかの検出及
    び定量用キットに、さらに、配列番号13で表される塩
    基配列からなるボツリヌスA型毒素mRNA逆転写用プライ
    マー、配列番号14で表される塩基配列からなるボツリ
    ヌスB型毒素mRNA逆転写用プライマー及び配列番号15
    で表される塩基配列からなるボツリヌスE型毒素mRNA逆
    転写用プライマーのいずれかの逆転写用プライマーを加
    えてなるボツリヌスA型、B型又はE型毒素mRNAの検出
    及び定量用キット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載のいずれかの検出及
    び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又はE
    型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、ボ
    ツリヌスA型、B型又はE型毒素遺伝子の検出及び定量
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4に記載のいずれかの検出及
    び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又はE
    型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、ボ
    ツリヌスA型、B型又はE型菌の増殖リスク評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4に記載のいずれかの検出及
    び定量用キットを用いて、ボツリヌスA型、B型又はE
    型毒素遺伝子を検出及び定量することを特徴とする、ボ
    ツリヌスA型、B型又はE型菌の検出方法。
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