JP2002176552A - 画像処理装置および画面処理プログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置および画面処理プログラムを記録した記憶媒体

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JP2002176552A
JP2002176552A JP2000373839A JP2000373839A JP2002176552A JP 2002176552 A JP2002176552 A JP 2002176552A JP 2000373839 A JP2000373839 A JP 2000373839A JP 2000373839 A JP2000373839 A JP 2000373839A JP 2002176552 A JP2002176552 A JP 2002176552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力画像データから画像属性に応じて分離生
成された複数のプレーン画像データに対して、それぞれ
を個別に解像度変換処理した後にこれらを合成して出力
する場合であっても、高速かつ高画質に合成を行って出
力することを可能とする。 【解決手段】 複数のプレーン画像データのうちの一つ
である選択画像データを多値化して多値選択画像データ
を生成する多値化手段14と、各プレーン画像データお
よび前記多値選択画像データをそれぞれ個別に解像度変
換する解像度変換手段15a,15b,15cと、解像
度変換後の多値選択画像データを基に、解像度変換後の
各プレーン画像データを合成し、一つの画像データを生
成する画像データ合成手段16とを備えて、画像処理装
置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公衆回線網やLA
N等を構成する通信回線を介して異機種装置間で高品質
に画像データを通信するための画像処理を行う画像処理
装置および画像処理プログラムを記録した記憶媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機のデジタル化の進展に伴い
ファクシミリ機能やプリンタ機能の複合化が促進され、
ネットワークを介して複数の複合デジタル複写機を接続
するシステムが出現している。また、最近では、これら
ネットワーク機器のカラー化も進み、カラーファクシミ
リやカラープリンタも主流となりつつある。このような
ネットワークシステムでは、例えば解像度が互いに異な
る異機種装置間での相互接続や、カラー複写機と白黒複
写機といったような色空間がそれぞれ異なる異機種装置
間での相互接続が可能である。
【0003】異機種装置間で画像データをやりとりする
場合、通常は、入力された原稿画像を1枚のプレーン画
像(一つの画像単位)として扱うのが一般的である。こ
のように扱うことで、原稿1枚分のプレーン画像に対し
ては、入力側機器でその原稿タイプを判別し、原稿タイ
プに適した画像処理をプレーン全体に施した後に、これ
を出力側機器へ送信する、といったことが行えるからで
ある。
【0004】ただし、原稿画像を1枚分のプレーン画像
として扱った場合、原稿画像が文字のみ、あるいは写真
のみといった、1種類の属性の画像データだけで構成さ
れるのであれば特に問題はないが、文字と写真が混在し
ているような複数の属性の画像データから構成されてい
ると、不都合が生じることになる。例えば、文字と写真
が混在している画像データを圧縮しようとした場合、1
枚分のプレーン画像に対してはその全体に同じ圧縮処理
を施すので、適用する圧縮手法によっては文字部あるい
は写真部のいずれかの圧縮率が低下するか、あるいはい
ずれかの画質が劣化してしまう。
【0005】これに対しては、例えば図7に示すよう
に、入力原稿の画像の特徴を判別し、判別結果から画像
を属性毎に分離して複数のプレーン画像に分けて扱う、
といった手法がある。この手法では、画像を属性毎に分
離するので、例えば文字部の形状データは分離情報プレ
ーンとして1プレーンを構成し、文字部の色情報は文字
色情報プレーンとして1プレーンを構成し、写真部のデ
ータは絵柄情報プレーンとして1プレーンを構成するこ
とになる。その結果、1枚分のプレーン画像として入力
された原稿画像であっても、計3プレーンの画像に分離
して画像処理することが可能になるので、各プレーンに
それぞれ適した圧縮手法を適用でき、圧縮率も向上し、
また画質劣化もそれほど目立たない。
【0006】さらに、これら複数のプレーン画像に対し
ては、それぞれ各プレーンに圧縮処理のみだけでなく解
像度変換処理をも施すことにより、圧縮処理だけを施し
た場合に比べ大幅にデータ量を削減して送信することも
可能となる。例えば、解像度=400dpiで入力され
た入力原稿の画像を3プレーンに分離する場合について
考えると、文字色情報プレーン解像度=100dpi、
分離情報プレーン解像度=400dpi、絵柄情報プレ
ーン解像度=200dpi等とすれば、分離情報プレー
ンの解像度を落とさないので、特に画質劣化の目立ち易
い文字線画部分であっても、その画質劣化を低減するこ
とができる。
【0007】また、このような手法の類似技術として、
例えば特開平8−186711号公報に開示されている
ように、カラー画像から文字情報を抽出し、抽出した文
字情報は可逆圧縮し、文字情報を除いた絵柄情報は解像
度変換して非可逆圧縮を施す、といった方法も提案され
ている。
【0008】ところで、上述したいずれの場合も、原稿
画像を属性毎に分離するので、画像の印刷出力または画
面表示にあたっては、各属性についての再合成を行うこ
とになる。特に、各属性別に異なる解像度変換を行って
いる場合には、それぞれを印刷機器または表示機器の解
像度に合わせることも必要である。
【0009】したがって、例えば図8に示すように、解
像度=400dpiで入力された入力原稿の画像を3プ
レーンに分離し、文字色情報プレーン解像度=100d
pi、分離情報プレーン解像度=400dpi、絵柄情
報プレーン解像度=200dpiとする解像度変換処理
を行った場合に、これら解像度変換された3プレーンの
合成後、入力原稿の解像度とは異なる解像度(例えば1
44dpi)の機器にて印刷または表示するのであれ
ば、全てのプレーンを入力原稿の解像度(=400dp
i)に一旦戻した上で、3つのプレーンを合成し、その
合成後の画像を出力機器または表示機器の解像度(=1
44dpi)に解像度変換して出力する、といった処理
が行われることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、複数プレーンから構成された画像データを合
成して一つの画像を復元する場合には、以下に述べるよ
うな問題点が生じてしまうことが考えられる。
【0011】すなわち、複数プレーンから一つの画像を
復元するためには、例えば図8に示す場合であれば、文
字色情報プレーンを100dpi→400dpiに変換
する解像度変換処理、絵柄情報プレーンを200dpi
→400dpiに変換する解像度変換処理、合成後の画
像を400dpi→144dpiに変換する解像度変換
処理、をそれぞれ行わなければならない。さらに、これ
らの解像度変換処理は、例えば文字色情報プレーンや絵
柄情報プレーンの色空間が、L***等といった輝度
色差空間であれば、文字色情報プレーンだけを取ってみ
てもL*成分、a*成分、b*成分それぞれに処理を施さ
なければならない。また、合成処理も入力原稿サイズの
400dpiで行わなければならないので、合成自体の
処理時間もかかる。したがって、図8のように、全ての
プレーンを入力原稿の解像度に一旦戻した上で合成する
手法は、処理時間の点を鑑みると好ましくない。
【0012】これに対しては、例えば図9に示すよう
に、各プレーンを直接出力機器または表示機器の解像度
(例えば144dpi)に解像度変換し、その解像度変
換後の各プレーン画像を合成して、一つの合成画像を生
成する手法も考えられる。この手法によれば、分離情報
プレーンの解像度変換処理が新たに加わるが、分離情報
プレーンは通常1画素当たり1ビットの画像データであ
るので、解像度変換処理時間は殆ど掛からない。また、
この手法では、合成後の画像データに対する解像度変換
処理の必要がなく、さらには合成処理も印刷または表示
用解像度(この場合144dpi)のサイズで行うの
で、上述した図8のような手法に比べて全体処理時間が
掛からない。
【0013】ところが、図9の手法においては、分離情
報プレーンの解像度変換処理を1画素当たり1ビットの
まま行っているので、例えば分離情報プレーンを単純間
引きにて解像度変換処理した場合には、同一文字内の文
字線画幅不均一、細線欠落、文字のつぶれ、ジャギー等
といった画質劣化が発生する可能性が高い。そのため、
このような分離情報プレーンの画質劣化に起因して、合
成後の画像にも画質劣化が発生してしまうおそれがあ
る。なぜなら、分離情報プレーンの文字線画形状が、そ
のまま合成後の画像データの文字線画形状となるからで
ある。
【0014】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためのものであり、分離情報プレーンを一旦多値化し
て多値分離情報プレーンを生成し、多値分離情報プレー
ンと文字色情報プレーンと絵柄情報プレーンをそれぞれ
直接出力機器または表示機器の解像度に解像度変換処理
し、解像度変換処理された各プレーンを合成すること
で、高速かつ高画質に画像を合成して出力機器または表
示機器に出力することを可能とする、画像処理装置およ
び画面処理プログラムを記録した記憶媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために案出された画像処理装置である。すなわ
ち、入力画像データから画像属性に応じて分離生成され
た複数のプレーン画像データを、当該プレーン画像デー
タのうちの一つである所定の二値選択画像データに基づ
いて、一つの画像データに合成する画像処理装置であっ
て、前記二値選択画像データを多値化して多値選択画像
データを生成する多値化手段と、前記二値選択画像デー
タを除く前記複数のプレーン画像データおよび前記多値
選択画像データをそれぞれ個別に解像度変換する解像度
変換手段と、前記解像度変換手段による解像度変換後の
多値選択画像データに基づいて、当該多値選択画像デー
タおよび前記解像度変換手段による解像度変換後の各プ
レーン画像データを合成し、前記一つの画像データを生
成する画像データ合成手段とを備えることを特徴とす
る。
【0016】また、本発明は、上記目的を達成するため
に案出された画面処理プログラムを記録した記憶媒体で
ある。すなわち、入力画像データから画像属性に応じて
分離生成された複数のプレーン画像データを、当該プレ
ーン画像データのうちの一つである所定の二値選択画像
データに基づいて、一つの画像データに合成するため
の、コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを
記録した記憶媒体であって、前記二値選択画像データを
多値化して多値選択画像データを生成し、前記二値選択
画像データを除く前記複数のプレーン画像データおよび
前記多値選択画像データをそれぞれ個別に解像度変換
し、解像度変換後の多値選択画像データに基づいて、当
該多値選択画像データおよび解像度変換後の各プレーン
画像データを合成し、前記一つの画像データを生成する
ことを特徴とする。
【0017】上記構成の画像処理装置または上記手順の
画像処理プログラムを記録した記憶媒体によれば、複数
のプレーン画像データを一つの画像データに合成するの
にあたって、先ず、そのプレーン画像データのうちの一
つである二値選択画像データを多値化して多値選択画像
データを生成する。ここで、複数のプレーン画像データ
としては、例えば、文字線画の形状を表す分離情報プレ
ーンについてのもの、文字線画の色情報を表す文字色情
報プレーンについてのもの、および、絵柄を表す絵柄情
報プレーンについてのもの等が挙げられる。また、二値
選択画像データとしては、2以上のプレーン画像データ
を合成する際に基となる分離情報プレーンについてのも
のが挙げられる。そして、二値選択画像データを除く各
プレーン画像データおよび多値選択画像データをそれぞ
れ個別に解像度変換した後、その解像度変換後の多値選
択画像データに基づいて、一つの画像データへの合成を
行う。したがって、それぞれ個別に行う解像度変換処理
において、各プレーン画像データおよび多値選択画像デ
ータを直接出力解像度に変換すれば、合成後の画像デー
タに対する解像度変換処理の必要がなくなる。しかも、
その際に解像度変換処理される多値選択画像データは、
多値化されているので、解像度変換を行っても各画素が
中間調を表現し得るようになり、合成後の画像データの
画質に大きな影響を与える文字線画の形状等が劣化して
しまうのを極力避けられるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明に係る
画像処理装置および画像処理プログラムを記録した記憶
媒体について説明する。
【0019】〔第1の実施の形態〕先ず、本発明の第1
の実施の形態について説明する。ここでは、請求項1〜
3,5,6に記載の発明の実施の形態を説明する。図1
は本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の機
能構成の一例を示すブロック図であり、図2はその画像
処理装置が用いられるシステム構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【0020】ここで、本実施形態における画像処理装置
の説明に先立ち、その画像処理装置が用いられるシステ
ム構成について説明する。本実施形態の画像処理装置
は、図2に示すようなネットワークシステムにおいて用
いられる。このネットワークシステムは、複数の送信機
器1a,1b…と、複数の受信機器2a,2b,2c…
とが、互いにネットワーク3を介して接続されて構成さ
れたものである。
【0021】各送信機器1a,1b…は、画像データを
ネットワーク3上に送信するためのものである。具体的
には、スキャナのように原稿画像から光学的に画像デー
タを取り込むものや、デジタルカメラのように被写体か
ら光学的に画像データを取り込むものや、あるいはコン
ピュータ装置のように電子文書の生成を通じて画像デー
タを生成するもの等が挙げられる。
【0022】各受信機器2a,2b,2c…は、ネット
ワーク3を介して各送信機器1a,1b…から送信され
てきた画像データを受信して出力するものである。具体
的には、プリンタのように画像データを紙等の記録媒体
に印刷出力するものや、ディスプレイ装置のように画像
データを画面上に表示出力するもの等が挙げられる。
【0023】ネットワーク3は、公衆回線網やLAN等
を構成する通信回線からなるものである。
【0024】なお、ここでは、理解を容易にするため、
送信機器1a,1b…と受信機器2a,2b,2c…と
がそれぞれ独立している場合を例示したが、これらは例
えば画像データの送受信機能を備えた複合機内に構築さ
れたものであってもよい。
【0025】本実施形態で説明する画像処理装置は、各
受信機器2a,2b,2c…に搭載されて用いられるも
のである。さらに詳しくは、図1に示すように、受信部
11と、画像フォーマット解釈部12と、伸張部13
a,13b,13cと、二値多値変換部14と、解像度
変換部15a,15b,15cと、合成部16と、色空
間変換部17と、を備えて構成されたものである。
【0026】受信部11は、ネットワーク3を介して各
送信機器1a,1b…から送信されてきた画像データを
受信するものである。
【0027】画像フォーマット解釈部12は、受信部1
1が受信した画像データの画像フォーマットを解釈する
ものである。画像フォーマットとしては、その一例とし
て、TIFF(Tagged Image File Format)等のフォー
マットが考えられる。画像フォーマット解釈部12で
は、そのフォーマットのヘッダ部分を解釈し、フォーマ
ットに含まれている分離情報プレーン、文字色情報プレ
ーン、絵柄情報プレーンを取り出すようになっている。
なお、各プレーンの説明については、従来と同様である
ことから省略する。
【0028】伸張部13a,13b,13cは、いずれ
も画像データの伸長処理を施すものである。伸張部13
aでは、画像フォーマット解釈部12で取り出された文
字色情報プレーンに対する伸長処理を行うようになって
いる。伸張部13bでは、画像フォーマット解釈部12
で取り出された分離情報プレーンに対する伸長処理を行
うようになっている。伸張部13cでは、画像フォーマ
ット解釈部12で取り出された絵柄情報プレーンに対す
る伸長処理を行うようになっている。
【0029】二値多値変換部14は、伸張部13bにて
伸長処理された1画素当たり1ビットの分離情報プレー
ンを、多値画像データ(例えば1画素当たり8ビット)
に変換するものである。
【0030】解像度変換部15a,15b,15cは、
いずれも画像データの解像度変換処理を施すものであ
る。解像度変換部15aは、伸張部13aで伸長処理さ
れた文字色情報プレーンに対する解像度変換処理を行う
ようになっている。解像度変換部15bは、二値多値変
換部14で多値化された分離情報プレーンに対する解像
度変換処理を行うようになっている。解像度変換部15
cは、伸張部13cで伸長処理された絵柄情報プレーン
に対する解像度変換処理を行うようになっている。
【0031】合成部16は、解像度変換部15aで解像
度変換処理された文字色情報プレーンと、解像度変換部
15bで解像度変換処理された分離情報プレーンと、解
像度変換部15cで解像度変換処理された絵柄情報プレ
ーンとを、それぞれ合成して一つの画像データを生成す
るものである。
【0032】色空間変換部17は、合成部16で合成処
理された後における一つの画像データを、出力態様の色
空間データに変換するものである。具体的には、画像デ
ータを印刷出力する場合であればC(サイアン)、M
(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の表色
系に変換し、画像データを表示出力する場合であればR
(赤)、G(緑)、B(青)の表色系に変換する、とい
ったことを行う。
【0033】なお、上述した各部11〜17は、例えば
所定プログラムを実行するマイクロコンピュータ等によ
りソフトウエア的に構成しても、あるいは所定機能を有
した電子回路等によりハードウエア的に構成してもよ
い。したがって、各部11〜17は、CD−ROM等の
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された画像
処理プログラムを、予めコンピュータ装置にインストー
ルしておくことで実現したり、あるいは必要に応じてそ
の都度読み出すことによって実現することが考えられ
る。
【0034】続いて、以上のように構成された画像処理
装置において、実際に画像データを受信してからこれを
印刷あるいは表示するまでの間における処理動作例につ
いて説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にお
ける画像処理装置の処理動作の一例を示すフローチャー
トである。
【0035】図例のように、ネットワーク3を介して各
送信機器1a,1b…から画像データが送信されてくる
と、画像処理装置では、受信部11がその画像データを
所定のプロトコルにより受信する(ステップ101、以
下ステップを「S」と略す)。このときの受信方法とし
ては、通常のカラーファクシミリ送受信制御手順に則っ
た方法でも良いし、また画像データを電子メールに添付
した形態にて受信するいわゆるインターネットファクシ
ミリのような受信方法でも良く、特に方法は限定されな
い。
【0036】そして、画像データを受信すると、画像処
理装置では、その受信した画像データのヘッダ部を画像
フォーマット解釈部12にて解釈し、各プレーンの画像
データを抽出する(S102)。ここでは、受信した画
像データが所定形式の画像フォーマットでパッケージさ
れていることを前提としており、それ以外の形式の画像
フォーマットは基本的には処理しない。ただし、インタ
ーネットファクシミリのような形態で電子メールに添付
されて送信されてきた場合には、例えば添付画像ファイ
ルの拡張子から画像フォーマット形式を判定し、いくつ
かの画像フォーマットに対応できるようにしても良い。
【0037】各プレーンの画像データを抽出したら、そ
の後は、伸張部13a,13b,13cで各プレーンを
伸長する(S103)。伸長方法は、送信側での圧縮方
法に依存し、予め決められた伸長方式をサポートするも
のとする。各プレーンをどの順番で伸長するかは特に限
定しないが、一般的には分離情報プレーンから伸長する
のが普通である。そして、3つのプレーンの伸長処理が
終了するまで、これらの伸長処理が続けられる(S10
4)。なお、ここでは、プレーン単位で処理が完了する
まで継続するようにしているが、例えば予めストライプ
に分割されているような画像であれば、所定ストライプ
サイズの文字色情報プレーン、分離情報プレーン、絵柄
情報プレーン単位で伸長処理が終了したら、伸長処理終
了したストライプについては次の解像度変換処理を開始
しても良い。また、一つのプレーンの伸長処理が終了し
たら、次のプレーンの伸長処理を開始すると同時に伸長
済みのプレーンの解像度変換処理を開始しても良い。
【0038】各プレーンの伸長処理が完了した後は、二
値多値変換部14が伸長処理済みの分離情報プレーンに
ついて、これを多値化して、多値画像データに変換する
(S105)。すなわち、二値画像データである分離情
報プレーンを多値化して、分離情報プレーンの多値画像
データを生成する。
【0039】ここでいう二値画像データとは、1画素当
たりのビット数=1(0〜1の二階調値を取り得る)の
画像データのことをいう。また、多値画像データとは、
例えば1画素当たりのビット数=8(0〜255の25
6階調値を取り得る)の画像データのことをいう。
【0040】二値多値変換部14は、例えば1画素1ビ
ットでの濃度値「0」を1画素8ビットでの濃度値
「0」に変換し、1画素1ビットでの濃度値「1」を1
画素8ビットでの濃度値「255」に変換することによ
って、二値→多値変換処理を行い、これにより1画素1
ビットの画像データを1画素8ビットの画像データに変
換する。この二値多値変換部14による変換後の分離情
報プレーンの各画素は、「0」あるいは「255」の値
しか持たないが、変換前とは異なり、1画素当たりのビ
ット数=8となる。なお、ここでは、変換後における1
画素当たりのビット数=8としているが、変換後のビッ
ト数は特に上述した例に限定されるものではない。
【0041】二値多値変換部14による分離情報プレー
ンの二値→多値変換処理が完了したら、その後は、解像
度変換部15a,15b,15cが、多値分離情報プレ
ーン、文字色情報プレーンおよび絵柄情報プレーンにつ
いて、それぞれ個別に解像度変換処理を行う(S10
6)。
【0042】このときに解像度変換部15a,15b,
15cが行う解像度変換処理は、画像処理装置が搭載さ
れた受信機器2a,2b,2c…における印刷解像度ま
たは表示解像度に依存するものとする。すなわち、解像
度変換処理における変倍率は、画像フォーマット解釈部
12で解釈された各レイヤの解像度情報と、受信機器2
a,2b,2c…における印刷解像度または表示解像度
とに応じて、各レイヤ毎に自動的に設定される。ただ
し、表示を行う場合等には、ユーザが任意の表示解像度
もしくは変倍率を指定するようにしてもよい。これらの
ことから、送信されてきた画像データの解像度によって
は、縮小解像度変換だけでなく拡大解像度変換となる場
合もあり得る。
【0043】また、解像度変換部15a,15cによる
解像度変換方法は、文字色情報プレーンに関してはそれ
に適した変倍アルゴリズム、絵柄情報プレーンに関して
は写真等に適した変倍アルゴリズムを用いるのが好まし
いが、全て同じ方法を用いるようにしても良い。
【0044】一方、解像度変換部15bによる解像度変
換方法、すなわち分離情報プレーンの解像度変換方法に
関しては、単純間引き法やニアレストネイバー法等のよ
うな方式は分離情報プレーンを多値化した意味がないの
で避けた方が良く、投影法や4点補間法等のように、所
定数の周辺画素を参照して濃度値を算出する方法が好ま
しい。つまり、解像度変換処理に際しては、周辺画素を
参照して濃度値を算出することによって、当該処理後の
各画素が中間調を表現し得るようにする。このようにす
ることで、解像度変換処理後の分離情報プレーンは、詳
細を後述するように、その文字線画エッジ近傍が滑らか
な濃度値(グラデーション)を採るようになるので、文
字線画の欠落あるいは文字線画幅の不均一等といった画
質劣化が大幅に低減することになる。なお、このような
解像度変換処理の詳細については、投影法や4点補間法
等の周知技術を利用することが考えられるため、ここで
はその詳細な説明を省略するものとする。
【0045】そして、各プレーンの解像度変換処理が完
了したら(S107)、続いては、合成部16が多値化
された分離情報プレーンに基づいて文字色情報プレーン
と絵柄情報プレーンを合成する(S108)。
【0046】ここで合成の方法としては、例えば、jラ
イン目i番目画素の分離情報プレーンの画素値=M[j]
[i]、そのときの文字色情報プレーンの輝度信号=F_
L*[j][i]、色差信号=F_a*[j][i],F_b*[j]
[i]、そのときの絵柄情報プレーンの輝度信号=B_L*
[j][i]、色差信号=B_a*[j][i],B_b*[j][i]、と
すると、以下の(1)式および(2)式のような演算式
を用いて合成する。
【0047】
【数1】
【0048】
【数2】
【0049】なお、ここでは、各レイヤの色空間がLa
b表色系(ITU−LabやCIE−Lab等)である
ものと仮定して処理する場合を例に挙げている。
【0050】各プレーンの合成処理が完了したら、その
後は、その合成処理によって生成された一つの画像デー
タについて、色空間変換部17が受信機器2a,2b,
2c…におけるの色空間に合うように色空間変換を行う
(S109)。例えば、合成後の画像データを印刷出力
する場合であれば、色空間変換部17は、Lab→CM
YK色空間に変換し、合成後の画像データを表示出力す
る場合であれば、Lab→RGB色空間に変換する。そ
して、色空間変換された画像データは、受信機器2a,
2b,2c…にて印刷出力または表示出力されることに
なる(S110)。
【0051】ここで、以上のような処理動作によって得
られる処理結果について詳しく説明する。図4は、解像
度変換処理前後における文字線画部分の一具体例を比較
する説明図である。図中(a)に示すように、解像度変
換処理前の文字線画部分21は、分離情報プレーンの画
素値M=255である。また、解像度変換処理前の背景
部分22は、分離情報プレーンの画素値M=0である。
ところが、解像度変換処理後においては、解像度変換処
理前のように文字線画部分21と背景部分22とが明確
に分かれるのではなく、図中(b)に示すように、所定
閾値thを境に、エッジ文字線画寄り部分(分離情報プレ
ーンの画素値M>所定閾値thの領域)23と、エッジ背
景寄り部分(分離情報プレーンの画素値M=所定閾値th
の領域)24とに分かれる。
【0052】(1)式はエッジ文字線画寄り部分23を
合成するための演算式であり、(2)式はエッジ背景寄
り部分24を合成するための演算式である。
【0053】エッジ文字線画寄り部分23を合成する際
には、文字線画の濃度や色情報を保持することを重視
し、分離情報プレーンの濃度値に応じた係数を文字色情
報プレーンの画素値にかけあわせた輝度信号/色差信号
を出力としている。色差信号a *とb*に関しては、無彩
色となる中心点がそれぞれ存在するため、中心からの濃
度差に対して分離情報プレーンの濃度値に応じた係数を
かけあわせ、これを中心濃度値に足し込むことで、予想
外の色変わり(例えば青→赤に変わってしまうなど)を
防いで滑らかな色合いの変化を実現している。
【0054】一方、エッジ背景寄り部分24を合成する
際には、例えば背景色が白色であれば(1)式をそのま
ま流用できる。ところが、背景色が何らかの色を持つ
時、(1)式を使って合成したのでは、合成後の文字線
画部と色背景の間に白などの低濃度画素が挿入されてし
まい、画質劣化が著しくなってしまう。したがって、エ
ッジ背景寄り部分24を合成する際には、色背景上の文
字線画であることも考慮し、絵柄情報プレーンの画素値
も用いる必要がある。そのため、エッジ背景寄り部分2
4については、背景色が絵柄情報プレーンの画像であり
ながら、エッジ文字線画寄り部分23に近づくに連れて
文字色情報プレーンの濃度値に近くなるようにしてい
る。ただし、色変わりがしないようにするため、輝度信
号L*についてのみ文字色情報プレーンの輝度信号F_
*と絵柄情報プレーンの輝度信号B_L*を分離情報プ
レーンの濃度値に応じた係数をかけて足し込む。色差信
号a*とb*に関しては、絵柄情報プレーンの画素値をそ
のまま利用する。このように演算することで、色背景上
の文字線画であっても、文字線画と色背景の間に白など
の低濃度画素が挿入されてしまうことなく、自然で滑ら
かな文字線画エッジが再現できる。
【0055】以上に述べたように、本実施形態によれ
ば、複数のプレーン画像データを一つの画像データに合
成するのにあたって、先ず、そのうちの一つである分離
情報プレーン、すなわち文字線画の形状を特定するため
の1画素当たり1ビットの二値画像データである分離情
報プレーンを、一旦1画素当たり8ビットの多値画像デ
ータに多値化した後に、解像度変換処理を施すようにな
っている。したがって、解像度変換処理を行うと、分離
情報プレーンの各画素が中間調(グラデーション)を表
現し得るようになり、合成後の画像データの画質に大き
な影響を与える文字線画の形状等が劣化してしまうのを
極力避けられるようになる。つまり、例えば分離情報プ
レーンを2値のまま単純間引きにて解像度変換処理した
場合とは異なり、中間調表現が可能になるので、同一文
字内の文字線画幅不均一、細線欠落、文字のつぶれ、ジ
ャギー等といった画質劣化が発生する可能性が低くな
り、分離情報プレーンの画質劣化に起因する合成後画像
の画質劣化も防げるようになる。
【0056】また、本実施形態では、複数のプレーン画
像データのうちの一つが、分離情報プレーンによって表
される文字線画部分の色情報に関する文字色情報プレー
ンであり、さらには多値化後の分離情報プレーンの濃度
値に応じて一つの画像データへの合成を行うことから、
その分離情報プレーンの中間調表現を可能にすることに
よって、合成後画像において色の濃度変化を滑らかに表
せるようになり、その中間調表現の特徴を最大限に生か
せるようになる。
【0057】しかも、本実施形態では、多値化後の分離
情報プレーン、文字色情報プレーンおよび絵柄情報プレ
ーンのそれぞれに対して解像度変換処理を施すのにあた
り、それぞれの解像度変換処理を個別に行うとともに、
いずれのプレーンについても印刷解像度または表示解像
度に依存して当該解像度変換処理を行うようになってい
る。すなわち、解像度変換処理にあたって、各プレーン
を直接その出力の際の解像度に変換するので(図9参
照)、合成後の一つの画像データに対する解像度変換処
理の必要がなく、さらには合成処理も印刷または表示用
解像度のサイズで行えるので、多くの処理時間を要して
しまうこともない。
【0058】つまり、本実施形態によれば、分離情報プ
レーンを一旦多値化して多値分離情報プレーンを生成
し、多値分離情報プレーンと文字色情報プレーンと絵柄
情報プレーンをそれぞれ直接出力機器または表示機器の
解像度に解像度変換処理し、解像度変換処理された各プ
レーンを合成するようになっているので、高速かつ高画
質に画像を合成して出力機器または表示機器に出力する
ことが可能になる。
【0059】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。ここでは、請求項4に
記載の発明の実施の形態を説明する。ただし、上述した
第1の実施の形態との相違点についてのみ説明をし、同
一の内容についてはその説明を省くものとする。図5
は、本発明の第2の実施の形態における画像処理装置の
機能構成の一例を示すブロック図である。
【0060】本実施形態における画像処理装置も、第1
の実施の形態の場合と同様に、図2に示すようなネット
ワークシステムにおいて、各受信機器2a,2b,2c
…に搭載されて用いられるものである。
【0061】ただし、本実施形態の画像処理装置では、
図5に示すように、第1の実施の形態で説明した受信部
11、画像フォーマット解釈部12、伸張部13a,1
3b,13c、二値多値変換部14、解像度変換部15
a,15b,15c、合成部16および色空間変換部1
7に加えて、判定部18と、セレクタ19と、が設けら
れている。
【0062】判定部18は、伸張部13bにて伸長処理
された分離情報プレーンについて、その分離情報プレー
ンを構成する複数の領域(例えば、後述するストライ
プ)毎に、その領域を二値多値変換部14で二値多値変
換するか否かを判定するものである。
【0063】セレクタ19は、判定部18での判定結果
に従いつつ、分離情報プレーンを構成する各領域毎に、
二値多値変換部14による二値多値変換後の多値分離情
報プレーンと、伸張部13bでの伸長処理がされたまま
の二値分離情報プレーンとのいずれか一方を、解像度変
換部15bへ選択的に送出するものである。
【0064】なお、判定部18およびセレクタ19も、
他の各部11〜17と同様に、例えば所定プログラムを
実行するマイクロコンピュータ等によりソフトウエア的
に構成しても、あるいは所定機能を有した電子回路等に
よりハードウエア的に構成してもよい。したがって、各
部11〜19は、CD−ROM等のコンピュータ読み取
り可能な記録媒体に記録された画像処理プログラムを、
予めコンピュータ装置にインストールしておくことで実
現したり、あるいは必要に応じてその都度読み出すこと
によって実現することが考えられる。
【0065】続いて、以上のように構成された画像処理
装置において、実際に画像データを受信してからこれを
印刷あるいは表示するまでの間における処理動作例につ
いて説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態にお
ける画像処理装置の処理動作の一例を示すフローチャー
トである。
【0066】本実施形態においても、ネットワーク3を
介して各送信機器1a,1b…から画像データが送信さ
れてくると、画像処理装置では、受信部11がその画像
データを所定のプロトコルにより受信した後(S20
1)、画像フォーマット解釈部12がその受信した画像
データのヘッダ部を解釈して、各プレーンの画像データ
を抽出する(S202)。そして、各プレーンの画像デ
ータを抽出したら、伸張部13a,13b,13cが各
プレーンを伸長し(S203)、3つのプレーンの伸長
処理を終了するまでその伸長処理を続ける(S20
4)。ここまでは、第1の実施の形態の場合と略同様で
ある。
【0067】その後、すなわち各プレーンの伸長処理の
完了後は、第1の実施の形態の場合と異なり、伸長処理
済みの分離情報プレーンを用いて、判定部18が所定の
ストライプ単位で分離情報プレーン上の文字画素数を計
算する(S205)。ここで、ストライプとは、分離情
報プレーンを構成する各領域のことをいう。例えば、予
めストライプ単位で分割されて送信されてきた画像デー
タであれば、そのストライプ単位で処理すれば良い。ま
た、例えば256ライン単位で画像データを区切って、
その256ラインのストライプ単位で処理しても良い。
つまり、一つのストライプの大きさは、送信されてきた
画像データや使用し得るメモリ領域等の都合に応じて、
適宜設定しておけば良い。
【0068】ストライプ単位での文字画素数の計算につ
いては、例えば、あるストライプに含まれる画素のう
ち、文字に相当する濃度値(例えば「1」)の画素がい
くつあるかを計数することによって行えばよい。そし
て、当該ストライプ内の文字画素数を計算したら、判定
部18は、その計算値が予め設定された所定閾値以上で
あるか否かを判定する(S206)。
【0069】この判定の結果、計算値が所定閾値以上で
あれば、判定部18は、当該ストライプには文字線画が
含まれていると判断する。そして、当該ストライプの分
離情報プレーンについては、二値多値変換部14に二値
→多値変換を行わせる(S207)。このときに、二値
多値変換部14が行う二値→多値変換は、その対象領域
の大きさを除けば、第1の実施の形態の場合と全く同様
である。
【0070】一方、当該ストライプ内の文字画素数の計
算値が所定閾値未満であれば、判定部18は、そのスト
ライプには文字線画が含まれていないと判断する。そし
て、当該ストライプについての二値多値変換部14によ
る二値→多値変換は行わずに、当該ストライプの分離情
報プレーンを二値(=1画素1ビット)のままとしてお
く。これは、文字線画が含まれていなければ、二値→多
値変換の有無に拘わらず、同一文字内の文字線画幅不均
一、細線欠落、文字のつぶれ、ジャギー等といった画質
劣化が発生する可能性は低いと考えられるからである。
【0071】したがって、分離情報プレーンについての
解像度変換部15bには、判定部18による判定処理を
経ることで、その分離情報プレーンを構成するストライ
プ毎に、二値多値変換部14による二値多値変換後の多
値分離情報プレーンと、伸張部13bでの伸長処理がさ
れたままの二値分離情報プレーンとのいずれか一方が、
セレクタ19によって選択的に送られてくることにな
る。
【0072】なお、ストライプに文字線画が含まれてい
るか否かの判断は、文字画素数の計算値を基にするので
はなく、例えばラベリング処理の結果を基に行うように
してもよい。ラベリング処理とは、文字に相当する濃度
値の互いに連結した画素群毎に識別ラベルを付す処理を
いう。このようなラベリング処理を行うことで、各画素
群の大きさがその座標値から認識でき、その認識結果か
ら各画素群が文字や線画に相当するか否かが判断可能と
なる。
【0073】その後は、第1の実施の形態の場合と略同
様に、解像度変換部15a,15b,15cによる各プ
レーンの解像度変換処理を行う(S208)。ただし、
本実施形態では、各プレーンの解像度変換処理が、いず
れの場合もストライプ単位で行われる。また、解像度変
換部15bが解像度変換処理を行う場合において、伸張
部13bでの伸長処理がされたままの二値分離情報プレ
ーンが送られてきた場合であれば、二値多値変換部14
による二値多値変換後の多値分離情報プレーンが送られ
てきた場合と異なり、単純間引きやニアレストネイバー
法等によって解像度変換処理を行うようにしても良い。
【0074】そして、各プレーンの解像度変換処理が完
了したら(S209)、続いては、合成部16がストラ
イプ単位で、多値化された分離情報プレーンまたは二値
化のままの二値分離情報プレーンのいずれかに基づい
て、文字色情報プレーンと絵柄情報プレーンを合成する
(S210)。このとき、二値分離情報プレーンを基に
する場合については、文字色情報プレーンあるいは絵柄
情報プレーンを選択して合成するだけなので、その詳細
な説明は省略する。また、多値分離情報プレーンを基に
する場合は、第1の実施の形態の場合と略同様に、
(1)式および(2)式を用いて演算処理を行うことに
なる。
【0075】このようなストライプ単位での各プレーン
の合成処理が一つの画像データの1ページ分、すなわち
一つの画像データを構成する全ストライプ分について完
了したら(S211)、その後は、第1の実施の形態の
場合と略同様に、色空間変換部17による色空間変換処
理を経て(S212)、その一つの画像データが受信機
器2a,2b,2c…にて印刷出力または表示出力され
ることになる(S213)。
【0076】以上に述べたように、本実施形態によれ
ば、ストライプ単位に分割される分離情報プレーンを必
要に応じて一旦多値化して多値分離情報プレーンを生成
し、多値分離情報プレーンと文字色情報プレーンと絵柄
情報プレーンをそれぞれ直接出力機器または表示機器の
解像度に解像度変換処理し、解像度変換処理された各プ
レーンを合成するようになっているので、第1の実施の
形態の場合と同様に、高速かつ高画質に画像を合成して
出力機器または表示機器に出力することが可能になる。
【0077】特に、本実施形態では、分離情報プレーン
のストライプ単位毎に、その分離情報プレーンを多値化
するか否かを判定し、多値化すると判定したストライプ
についてのみ二値→多値変換を行うようになっている。
つまり、画質劣化の発生防止に有効であるストライプに
のみ二値→多値変換を行う。したがって、画質劣化の発
生を確実に抑制しつつ、処理負荷の軽減をも実現できる
ので、より一層高速に高画質の合成画像を得ることが可
能になる。
【0078】なお、上述した第1および第2の実施の形
態では、分離情報プレーン、文字色情報プレーンおよび
絵柄情報プレーンの計3プレーンについて処理を行う場
合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。すなわち、文字線画の形状を特定するた
めの分離情報プレーンを含んでいれば、これと文字色情
報プレーンおよび絵柄情報プレーンのいずれか一方のみ
を処理対象とする場合であっても、あるいはさらに他の
プレーンを処理対象に加える場合であっても、本発明は
適用可能である。
【0079】ただし、さらに他のプレーンを処理対象に
加える場合、具体的には例えば複数種類の絵柄情報プレ
ーンを含む4プレーン以上について処理を行う場合に
は、これらを合成するために必要となる分離情報プレー
ンも複数種類存在することが考えられる。したがって、
この場合には、複数種類の分離情報プレーンそれぞれに
ついて、上述したような二値→多値変換等を行うことに
なる。つまり、本発明においては、二値→多値変換の対
象となる選択データが複数存在することもあり得る。
【0080】また、第1および第2の実施の形態では、
二値→多値変換処理後における1画素当たりのビット数
=8としているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、1画素当たりのビット数=2以上であれば中間調
表現が行えるので、上述したような画質劣化の抑制が可
能となる。
【0081】さらに、第1および第2の実施の形態で
は、処理の迅速化を目的として、各プレーンに対する解
像度変換処理を印刷解像度または表示解像度に依存して
行う場合、すなわち各プレーンを直接その出力解像度に
変換する場合を例に挙げて説明したが(図9参照)、本
発明はこれに限定されるものではない。例えば、印刷解
像度または表示解像度に依存せずに解像度変換処理を行
っても、本発明を適用することで、従来よりも画質劣化
の抑制が可能となり、結果として出力画像の高画質化が
期待できる。
【0082】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の画像処
理装置および画面処理プログラムを記録した記憶媒体に
よれば、複数のプレーン画像データのうちの一つである
選択画像データを多値化して多値選択画像データを生成
した後に、それぞれに対して個別に解像度変換処理を行
い、そして解像度変換処理された各プレーン画像データ
を合成するようになっている。したがって、多値化によ
る中間調表現の実現によって、出力画像の画質に大きな
影響を与える文字線画の形状等が劣化してしまうのを避
けられるようになり、結果として高速かつ高画質に画像
を合成して出力することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における画像処理
装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る画像処理装置が用いられるシス
テム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態における画像処理
装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】 解像度変換処理前後における文字線画部分の
一具体例を比較する説明図であり、(a)は解像度変換
処理前を示す図、(b)は解像度変換処理後を示す図で
ある。
【図5】 本発明の第2の実施の形態における画像処理
装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における画像処理
装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】 原稿画像を3プレーンに分離する概念を示す
模式図である。
【図8】 各プレーンの合成後に出力解像度に変換する
場合の処理手順の概要を示す模式図である。
【図9】 各プレーンの合成前に解像度変換を行ってか
ら各プレーンを合成する場合の処理手順の概要を示す模
式図である。
【符号の説明】
11…受信部、12…画像フォーマット解釈部、13
a,13b,13c…伸張部、14…二値多値変換部、
15a,15b,15c…解像度変換部、16…合成
部、17…色空間変換部、18…判定部、19…セレク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 邦和 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 久武 真之 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 関口 ゆみ 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 5B057 AA11 CA01 CA02 CA06 CA08 CA12 CA16 CB01 CB02 CB08 CB12 CB16 CC01 CD05 CE08 CE11 CH01 CH11 5C076 AA19 AA21 AA22 AA27 BA06 BB04 BB15 CB04 5C077 MP05 MP06 MP08 PP20 PP23 PP27 PP28 PP31 PP36 RR07 RR21 TT02 TT06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像データから画像属性に応じて分
    離生成された複数のプレーン画像データを、当該プレー
    ン画像データのうちの一つである所定の二値選択画像デ
    ータに基づいて、一つの画像データに合成する画像処理
    装置であって、 前記二値選択画像データを多値化して多値選択画像デー
    タを生成する多値化手段と、 前記二値選択画像データを除く前記複数のプレーン画像
    データおよび前記多値選択画像データをそれぞれ個別に
    解像度変換する解像度変換手段と、 前記解像度変換手段による解像度変換後の多値選択画像
    データに基づいて、当該多値選択画像データおよび前記
    解像度変換手段による解像度変換後の各プレーン画像デ
    ータを合成し、前記一つの画像データを生成する画像デ
    ータ合成手段とを備えることを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記二値選択画像データを除く前記複数
    のプレーン画像データのうちの少なくとも一つは、前記
    二値選択画像データによって表される画像部分の色情報
    に関するものであることを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記解像度変換手段は、前記二値選択画
    像データを除く前記複数のプレーン画像データおよび前
    記多値選択画像データを、いずれも前記一つの画像デー
    タを出力する際の解像度に変換することを特徴とする請
    求項2または3記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記二値選択画像データを前記多値選択
    画像データに変換するか否かを当該二値選択画像データ
    の領域毎に判定し、変換すると判定した領域についての
    み前記多値化手段による多値化を行わせる判定手段が設
    けられたことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記画像データ合成手段は、前記多値選
    択画像データの濃度値に応じて前記一つの画像データを
    生成することを特徴とする請求項1、2、3または4記
    載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 入力画像データから画像属性に応じて分
    離生成された複数のプレーン画像データを、当該プレー
    ン画像データのうちの一つである所定の二値選択画像デ
    ータに基づいて、一つの画像データに合成するための、
    コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録
    した記憶媒体であって、 前記二値選択画像データを多値化して多値選択画像デー
    タを生成し、 前記二値選択画像データを除く前記複数のプレーン画像
    データおよび前記多値選択画像データをそれぞれ個別に
    解像度変換し、 解像度変換後の多値選択画像データに基づいて、当該多
    値選択画像データおよび解像度変換後の各プレーン画像
    データを合成し、前記一つの画像データを生成すること
    を特徴とする画像処理プログラムを記録した記憶媒体。
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