JP2002174616A - ガスセンサ - Google Patents
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- JP2002174616A JP2002174616A JP2000372619A JP2000372619A JP2002174616A JP 2002174616 A JP2002174616 A JP 2002174616A JP 2000372619 A JP2000372619 A JP 2000372619A JP 2000372619 A JP2000372619 A JP 2000372619A JP 2002174616 A JP2002174616 A JP 2002174616A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多孔性触媒膜の多孔度が低くても酸素を安定
して第二電極に供給し、大気中あるいは燃焼機器や内燃
機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に一酸化炭素
を安定して応答良く検出するガスセンサを提供するこ
と。 【解決手段】 固体電解質1と、加熱手段4aおよび4
bと、第一および第二電極2aおよび2bと、酸素イオ
ン導電性を有する多孔性固体電解質膜5と、可燃性ガス
を酸化する多孔性触媒膜3と、第一電位差検出手段6a
を備えることにより、触媒のない側の第一電極2a上で
一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費され
た第一電極2a上の酸素を補うように第二電極2b上に
吸着した酸素が移動して減少し、多孔性触媒膜3から第
二電極2bへと多孔性固体電解質膜5中を酸素が移動す
るので、第二電極2bには常に十分な酸素が供給され、
被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出
することができる。
して第二電極に供給し、大気中あるいは燃焼機器や内燃
機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に一酸化炭素
を安定して応答良く検出するガスセンサを提供するこ
と。 【解決手段】 固体電解質1と、加熱手段4aおよび4
bと、第一および第二電極2aおよび2bと、酸素イオ
ン導電性を有する多孔性固体電解質膜5と、可燃性ガス
を酸化する多孔性触媒膜3と、第一電位差検出手段6a
を備えることにより、触媒のない側の第一電極2a上で
一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費され
た第一電極2a上の酸素を補うように第二電極2b上に
吸着した酸素が移動して減少し、多孔性触媒膜3から第
二電極2bへと多孔性固体電解質膜5中を酸素が移動す
るので、第二電極2bには常に十分な酸素が供給され、
被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出
することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気中あるいは燃焼
機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に
一酸化炭素を検出するガスセンサに関するものである。
機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に
一酸化炭素を検出するガスセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガスセンサとしては、例
えば、特開平10−31003号公報に記載されている
ようなものがあった。図7は、前記公報に記載された従
来のガスセンサを示すものである。
えば、特開平10−31003号公報に記載されている
ようなものがあった。図7は、前記公報に記載された従
来のガスセンサを示すものである。
【0003】図7において、1はイットリア安定化ジル
コニアなどから成る酸素イオン導電性を有する固体電解
質であり、2aおよび2bはそれぞれ固体電解質1の一
方の表面に形成した白金などの貴金属から成る面積の互
いに等しい第一および第二電極であり、3は第二電極2
bを覆うように形成した可燃性ガスを酸化する多孔性触
媒膜であり、4aおよび4bは固体電解質1を動作温度
に加熱保持する加熱手段であり、絶縁性を有する絶縁基
板4aの表面にヒーター電極膜4bが形成されている。
コニアなどから成る酸素イオン導電性を有する固体電解
質であり、2aおよび2bはそれぞれ固体電解質1の一
方の表面に形成した白金などの貴金属から成る面積の互
いに等しい第一および第二電極であり、3は第二電極2
bを覆うように形成した可燃性ガスを酸化する多孔性触
媒膜であり、4aおよび4bは固体電解質1を動作温度
に加熱保持する加熱手段であり、絶縁性を有する絶縁基
板4aの表面にヒーター電極膜4bが形成されている。
【0004】上記構成のガスセンサを一酸化炭素などの
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、加熱手段
により固体電解質1を所定の動作温度まで加熱したと
き、第一および第二電極2aおよび2bに到達する酸素
の量はそれぞれ等しいので、第一および第二電極2a−
2b間に電位差は発生しない。このとき第一および第二
電極2aおよび2b上では、それぞれ次式(1)で示し
た電極反応が生じ、平衡を保っている。
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、加熱手段
により固体電解質1を所定の動作温度まで加熱したと
き、第一および第二電極2aおよび2bに到達する酸素
の量はそれぞれ等しいので、第一および第二電極2a−
2b間に電位差は発生しない。このとき第一および第二
電極2aおよび2b上では、それぞれ次式(1)で示し
た電極反応が生じ、平衡を保っている。
【0005】Oad+2e−←→O2−・・・(1) ここでOadは第一および第二電極2aおよび2bの表
面に吸着した酸素原子を示す。
面に吸着した酸素原子を示す。
【0006】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一
酸化炭素を導入すると、多孔性触媒膜3の形成されてい
ない第一電極2a上では式(1)で示した電極反応に加
え、式(2)で示した電極反応が生じる。
酸化炭素を導入すると、多孔性触媒膜3の形成されてい
ない第一電極2a上では式(1)で示した電極反応に加
え、式(2)で示した電極反応が生じる。
【0007】CO+Oad→CO2 ・・・(2) 一方、多孔性触媒膜3の形成された第二電極2b上で
は、多孔性触媒膜3で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化さ
れ、一酸化炭素が第二電極2bの表面まで到達すること
ができず、式(1)で示した電極反応のみが生じる。し
たがって第一および第二電極2aおよび2bの間で吸着
する酸素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生
じ、第二電極2bから第一電極2aへ吸着酸素が酸素イ
オンとなり酸素イオン導電体である固体電解質1中を移
動し、第一および第二電極2a−2b間に電位差が発生
する。この電位差と一酸化炭素の濃度の関係はネルンス
トの式に従い、濃度が増加すれば電位差も増加する。し
たがって、この第一および第二電極2a−2b間の電位
差を測定することにより被検出気体中の一酸化炭素の濃
度を求めていた。
は、多孔性触媒膜3で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化さ
れ、一酸化炭素が第二電極2bの表面まで到達すること
ができず、式(1)で示した電極反応のみが生じる。し
たがって第一および第二電極2aおよび2bの間で吸着
する酸素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生
じ、第二電極2bから第一電極2aへ吸着酸素が酸素イ
オンとなり酸素イオン導電体である固体電解質1中を移
動し、第一および第二電極2a−2b間に電位差が発生
する。この電位差と一酸化炭素の濃度の関係はネルンス
トの式に従い、濃度が増加すれば電位差も増加する。し
たがって、この第一および第二電極2a−2b間の電位
差を測定することにより被検出気体中の一酸化炭素の濃
度を求めていた。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成では、多孔性触媒膜の多孔度が低い場合、ある
いは長時間の使用により、触媒が凝集するなどし、多孔
性が劣化した場合、多孔性触媒膜自体がガスの拡散抵抗
体となるので、多孔性触媒膜で覆う第二電極2bに供給
されるべき酸素の量が不足してしまい、第一および第二
電極間の電位差が減少したり、応答性が低下するなどの
課題を有していた。
来の構成では、多孔性触媒膜の多孔度が低い場合、ある
いは長時間の使用により、触媒が凝集するなどし、多孔
性が劣化した場合、多孔性触媒膜自体がガスの拡散抵抗
体となるので、多孔性触媒膜で覆う第二電極2bに供給
されるべき酸素の量が不足してしまい、第一および第二
電極間の電位差が減少したり、応答性が低下するなどの
課題を有していた。
【0009】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、多孔性触媒膜の多孔度が低くても酸素を安定して第
二電極に供給し、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定
して応答良く検出するガスセンサを提供することを目的
とする。
で、多孔性触媒膜の多孔度が低くても酸素を安定して第
二電極に供給し、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定
して応答良く検出するガスセンサを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明のガスセンサは、固体電解質と、加熱
手段と、第一および第二電極と、多孔性固体電解質膜
と、多孔性触媒膜と、第一電位差検出手段を備えたもの
である。
るために、本発明のガスセンサは、固体電解質と、加熱
手段と、第一および第二電極と、多孔性固体電解質膜
と、多孔性触媒膜と、第一電位差検出手段を備えたもの
である。
【0011】これによって、触媒のない側の第一電極上
で一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費さ
れた第一電極上の酸素を補うように第二電極上に吸着し
た酸素が第二電極から第一電極へと固体電解質中を移動
し、第二電極に吸着した酸素が減少するので、第二電極
および多孔性触媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多
孔性触媒膜から第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸
素が移動する。したがって、第二電極には常に十分な酸
素が供給され、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定し
て応答良く検出することができる。
で一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費さ
れた第一電極上の酸素を補うように第二電極上に吸着し
た酸素が第二電極から第一電極へと固体電解質中を移動
し、第二電極に吸着した酸素が減少するので、第二電極
および多孔性触媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多
孔性触媒膜から第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸
素が移動する。したがって、第二電極には常に十分な酸
素が供給され、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定し
て応答良く検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、酸素イ
オン導電性を有する固体電解質と、前記固体電解質を加
熱する加熱手段と、前記固体電解質の表面に形成した第
一および第二電極と、前記第二電極を覆うように形成し
た酸素イオン導電性を有する多孔性固体電解質膜と、前
記多孔性固体電解質膜に積層して形成した電子導電性を
有し、可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜と、前記第一
および第二電極間の第一電位差を検出する第一電位差検
出手段を備えることにより、触媒のない側の第一電極上
で一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費さ
れた第一電極上の酸素を補うように第二電極上に吸着し
た酸素が第二電極から第一電極へと固体電解質中を移動
し、第二電極に吸着した酸素が減少するので、第二電極
および多孔性触媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多
孔性触媒膜から第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸
素が移動する。したがって、第二電極には常に十分な酸
素が供給され、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定し
て応答良く検出することができる。
オン導電性を有する固体電解質と、前記固体電解質を加
熱する加熱手段と、前記固体電解質の表面に形成した第
一および第二電極と、前記第二電極を覆うように形成し
た酸素イオン導電性を有する多孔性固体電解質膜と、前
記多孔性固体電解質膜に積層して形成した電子導電性を
有し、可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜と、前記第一
および第二電極間の第一電位差を検出する第一電位差検
出手段を備えることにより、触媒のない側の第一電極上
で一酸化炭素の酸化反応が生じると、酸化反応で消費さ
れた第一電極上の酸素を補うように第二電極上に吸着し
た酸素が第二電極から第一電極へと固体電解質中を移動
し、第二電極に吸着した酸素が減少するので、第二電極
および多孔性触媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多
孔性触媒膜から第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸
素が移動する。したがって、第二電極には常に十分な酸
素が供給され、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定し
て応答良く検出することができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の加熱手段を、絶縁性を有する絶縁基板と、前記
絶縁基板の表面に形成したヒーター電極膜と、前記ヒー
ター電極膜に積層して形成した固体電解質を電気的に絶
縁する第一絶縁膜で構成することにより、加熱手段を小
型化することができ、絶縁基板の一方の面に積層して形
成するので、製造工程が簡便になる。さらに、固体電解
質との絶縁を絶縁基板でなく、熱容量の小さい第一絶縁
膜で確保するので、低消費電力化を図ることができ、経
済的であるばかりでなく、加熱手段を電池で駆動させる
ことができ、ACコンセントのない水回りや屋外でも被
検出気体の一酸化炭素の濃度を検出することができ、応
用範囲を拡大することができる。
に記載の加熱手段を、絶縁性を有する絶縁基板と、前記
絶縁基板の表面に形成したヒーター電極膜と、前記ヒー
ター電極膜に積層して形成した固体電解質を電気的に絶
縁する第一絶縁膜で構成することにより、加熱手段を小
型化することができ、絶縁基板の一方の面に積層して形
成するので、製造工程が簡便になる。さらに、固体電解
質との絶縁を絶縁基板でなく、熱容量の小さい第一絶縁
膜で確保するので、低消費電力化を図ることができ、経
済的であるばかりでなく、加熱手段を電池で駆動させる
ことができ、ACコンセントのない水回りや屋外でも被
検出気体の一酸化炭素の濃度を検出することができ、応
用範囲を拡大することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、特に請求項2に
記載の絶縁基板を石英ガラスとすることにより、ヒータ
ー電極膜は、熱容量が大きく、熱伝導度の低い石英ガラ
スを加熱するよりも早く固体電解質を加熱し、ガスセン
サを僅かな消費電力で瞬時に駆動させることができる。
記載の絶縁基板を石英ガラスとすることにより、ヒータ
ー電極膜は、熱容量が大きく、熱伝導度の低い石英ガラ
スを加熱するよりも早く固体電解質を加熱し、ガスセン
サを僅かな消費電力で瞬時に駆動させることができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、特に請求項1お
よび2に記載のガスセンサに絶縁基板の表面に形成した
断熱膜を備え、加熱手段を前記断熱膜の表面にヒーター
電極膜と、第一絶縁膜を形成して構成することにより、
絶縁基板として高価な石英ガラス基板を用いなくとも汎
用性のある安価なアルミナ基板などを用いることがで
き、コストダウンが図れるばかりでなく、絶縁基板の表
面に熱伝導度の低い断熱膜を形成するので、絶縁基板を
加熱するよりも早く固体電解質を加熱し、ガスセンサを
僅かな消費電力で瞬時に駆動させることができる。
よび2に記載のガスセンサに絶縁基板の表面に形成した
断熱膜を備え、加熱手段を前記断熱膜の表面にヒーター
電極膜と、第一絶縁膜を形成して構成することにより、
絶縁基板として高価な石英ガラス基板を用いなくとも汎
用性のある安価なアルミナ基板などを用いることがで
き、コストダウンが図れるばかりでなく、絶縁基板の表
面に熱伝導度の低い断熱膜を形成するので、絶縁基板を
加熱するよりも早く固体電解質を加熱し、ガスセンサを
僅かな消費電力で瞬時に駆動させることができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、特に請求項4に
記載の断熱膜を石英ガラスとすることにより、ヒーター
電極膜は、熱伝導度の低い石英ガラスを加熱するよりも
早く固体電解質を加熱し、ガスセンサを僅かな消費電力
で瞬時に駆動させることができる。
記載の断熱膜を石英ガラスとすることにより、ヒーター
電極膜は、熱伝導度の低い石英ガラスを加熱するよりも
早く固体電解質を加熱し、ガスセンサを僅かな消費電力
で瞬時に駆動させることができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、特に請求項1お
よび2に記載のガスセンサに第一絶縁膜に積層して形成
した加熱手段から発生するノイズを遮蔽するシールド膜
を備えることにより、ヒーター電極膜を交流電源などで
駆動した場合に発生するノイズをシールド膜が遮蔽する
ので、安定した正確な一酸化炭素の濃度を検出すること
ができるだけでなく、金属製の熱伝導のよいシールド膜
がヒーター電極膜の熱を均一に分散させ、ガスセンサの
温度分布による影響を抑えることができ、安定した出力
を確保することができる。
よび2に記載のガスセンサに第一絶縁膜に積層して形成
した加熱手段から発生するノイズを遮蔽するシールド膜
を備えることにより、ヒーター電極膜を交流電源などで
駆動した場合に発生するノイズをシールド膜が遮蔽する
ので、安定した正確な一酸化炭素の濃度を検出すること
ができるだけでなく、金属製の熱伝導のよいシールド膜
がヒーター電極膜の熱を均一に分散させ、ガスセンサの
温度分布による影響を抑えることができ、安定した出力
を確保することができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、特に請求項1お
よび6に記載のガスセンサにシールド膜に積層して形成
した固体電解質を電気的に絶縁する第二絶縁膜を備える
ことにより、シールド膜の電位が固体電解質に影響を与
えることを防止するので、安定して一酸化炭素の濃度を
検出することができる。
よび6に記載のガスセンサにシールド膜に積層して形成
した固体電解質を電気的に絶縁する第二絶縁膜を備える
ことにより、シールド膜の電位が固体電解質に影響を与
えることを防止するので、安定して一酸化炭素の濃度を
検出することができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、特に請求項1に
記載のガスセンサに多孔性触媒膜および第二電極間の第
二電位差を検出する第二電位差検出手段を備えることに
より、多孔性触媒膜および第二電極間の間で吸着する酸
素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じたと
き、多孔性触媒膜から第二電極へ吸着酸素が酸素イオン
となり酸素イオン導電体である多孔性固体電解質膜中を
移動し、多孔性触媒膜および第二電極間に第二電位差が
発生するが、この第二電位差と一酸化炭素の濃度の関係
はネルンストの式に従い、濃度が増加すれば第二電位差
も増加するので、第二電位差を測定することにより被検
出気体中の一酸化炭素の濃度を求めることができ、第一
および第二電位差を同時に検出し、安全性を二重に確認
するのでより信頼性の高いガスセンサを得ることができ
る。
記載のガスセンサに多孔性触媒膜および第二電極間の第
二電位差を検出する第二電位差検出手段を備えることに
より、多孔性触媒膜および第二電極間の間で吸着する酸
素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じたと
き、多孔性触媒膜から第二電極へ吸着酸素が酸素イオン
となり酸素イオン導電体である多孔性固体電解質膜中を
移動し、多孔性触媒膜および第二電極間に第二電位差が
発生するが、この第二電位差と一酸化炭素の濃度の関係
はネルンストの式に従い、濃度が増加すれば第二電位差
も増加するので、第二電位差を測定することにより被検
出気体中の一酸化炭素の濃度を求めることができ、第一
および第二電位差を同時に検出し、安全性を二重に確認
するのでより信頼性の高いガスセンサを得ることができ
る。
【0020】請求項9に記載の発明は、特に請求項1お
よび8に記載のガスセンサに第一電位差に対する第二電
位差の比から検出する可燃性ガスの濃度を算出する演算
手段を備えることにより、長時間ガスセンサを使用した
ときに発生する材料の凝集などによる劣化により第一お
よび第二電位差がそれぞれ減少しても、第一電位差に対
する第二電位差の比はほとんど変化しないので、この比
から一酸化炭素などの可燃性ガスの濃度を検出すること
ができ、耐久性に優れたガスセンサを得ることができ
る。
よび8に記載のガスセンサに第一電位差に対する第二電
位差の比から検出する可燃性ガスの濃度を算出する演算
手段を備えることにより、長時間ガスセンサを使用した
ときに発生する材料の凝集などによる劣化により第一お
よび第二電位差がそれぞれ減少しても、第一電位差に対
する第二電位差の比はほとんど変化しないので、この比
から一酸化炭素などの可燃性ガスの濃度を検出すること
ができ、耐久性に優れたガスセンサを得ることができ
る。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
ながら説明する。
【0022】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
おけるガスセンサの構成図を示すものである。
おけるガスセンサの構成図を示すものである。
【0023】図1において、1はイットリア安定化ジル
コニアなどから成る酸素イオン導電性を有する固体電解
質であり、2aおよび2bはそれぞれ固体電解質1の一
方の表面に形成した白金などの貴金属から成る面積の互
いに等しい第一および第二電極であり、5は酸素イオン
導電性を有する多孔性固体電解質膜であり、第二電極2
bの上に積層して形成されている。さらに、多孔性固体
電解質膜5の上には可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜
3が積層して形成されている。4aおよび4bは固体電
解質1を動作温度に加熱保持する加熱手段であり、絶縁
性を有する絶縁基板4aの表面にヒーター電極膜4bが
形成されている。6aは第一および第二電極2aおよび
2b間の第一電位差(V1)を検出する第一電位差検出
手段である。
コニアなどから成る酸素イオン導電性を有する固体電解
質であり、2aおよび2bはそれぞれ固体電解質1の一
方の表面に形成した白金などの貴金属から成る面積の互
いに等しい第一および第二電極であり、5は酸素イオン
導電性を有する多孔性固体電解質膜であり、第二電極2
bの上に積層して形成されている。さらに、多孔性固体
電解質膜5の上には可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜
3が積層して形成されている。4aおよび4bは固体電
解質1を動作温度に加熱保持する加熱手段であり、絶縁
性を有する絶縁基板4aの表面にヒーター電極膜4bが
形成されている。6aは第一および第二電極2aおよび
2b間の第一電位差(V1)を検出する第一電位差検出
手段である。
【0024】以上のように構成されたガスセンサについ
て、以下その製造方法を説明する。
て、以下その製造方法を説明する。
【0025】まず、十分に洗浄した絶縁性を有するアル
ミナなどからなる絶縁基板4aの表面にメタルマスクを
用いてヒーター電極膜4bとして良好なヒーター特性を
有する白金をスパッタリングにより形成した。そして、
絶縁基板4aのヒーター電極膜4bの形成されていない
表面に酸素イオン導電性を有するイットリア安定化ジル
コニアなどからなる固体電解質1をアルゴンと酸素の混
合気中でスパッタリングにより形成した後、イットリア
安定化ジルコニアの結晶構造を安定化させるため大気中
1,000℃で1時間焼成を行った。そして、固体電解
質1の上にメタルマスクを用いて第一および第二電極2
aおよび2bとして可燃性ガスの酸化特性に優れる貴金
属からなる白金をヒーター電極膜4bと同様にしてスパ
ッタリングにより形成した。
ミナなどからなる絶縁基板4aの表面にメタルマスクを
用いてヒーター電極膜4bとして良好なヒーター特性を
有する白金をスパッタリングにより形成した。そして、
絶縁基板4aのヒーター電極膜4bの形成されていない
表面に酸素イオン導電性を有するイットリア安定化ジル
コニアなどからなる固体電解質1をアルゴンと酸素の混
合気中でスパッタリングにより形成した後、イットリア
安定化ジルコニアの結晶構造を安定化させるため大気中
1,000℃で1時間焼成を行った。そして、固体電解
質1の上にメタルマスクを用いて第一および第二電極2
aおよび2bとして可燃性ガスの酸化特性に優れる貴金
属からなる白金をヒーター電極膜4bと同様にしてスパ
ッタリングにより形成した。
【0026】そして、第二電極2bの上に多孔性固体電
解質膜5として、イットリア安定化ジルコニアの微粉末
に樹脂を混合したペーストを印刷により形成し、70〜
80℃で1時間以上乾燥し、600℃で10時間以上か
けてゆっくりと焼成した。このように長時間かけて乾
燥、焼成することにより混合ペーストに含まれる有機成
分が完全に気化し、膜が多孔質となり、通気性のある良
好な多孔質固体電解質膜5が得られる。そして、多孔性
固体電解質膜5の上に多孔性触媒膜3として可燃性ガス
の酸化特性に優れる貴金属からなる白金を含む混合ペー
ストを印刷し、多孔質固体電解質膜5と同様にして乾燥
後、600℃で10時間以上かけてゆっくりと焼成し
た。そして、第一および第二電極2aおよび2b間の第
一電位差(V 1)を測定するためにリード線を接続し、
第一電位差検出手段6aを接続した。
解質膜5として、イットリア安定化ジルコニアの微粉末
に樹脂を混合したペーストを印刷により形成し、70〜
80℃で1時間以上乾燥し、600℃で10時間以上か
けてゆっくりと焼成した。このように長時間かけて乾
燥、焼成することにより混合ペーストに含まれる有機成
分が完全に気化し、膜が多孔質となり、通気性のある良
好な多孔質固体電解質膜5が得られる。そして、多孔性
固体電解質膜5の上に多孔性触媒膜3として可燃性ガス
の酸化特性に優れる貴金属からなる白金を含む混合ペー
ストを印刷し、多孔質固体電解質膜5と同様にして乾燥
後、600℃で10時間以上かけてゆっくりと焼成し
た。そして、第一および第二電極2aおよび2b間の第
一電位差(V 1)を測定するためにリード線を接続し、
第一電位差検出手段6aを接続した。
【0027】以上のようにして得たガスセンサについ
て、以下その動作、作用を説明する。
て、以下その動作、作用を説明する。
【0028】まず、このガスセンサを一酸化炭素などの
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、絶縁基板
4aの表面に形成したヒーター電極膜4bに電圧を印加
し、固体電解質1を350〜550℃(好ましくは45
0℃)まで加熱したとき、第一および第二電極2aおよ
び2bに到達する酸素の量はそれぞれ等しいので、第一
および第二電極2a−2b間に電位差は発生しない。
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、絶縁基板
4aの表面に形成したヒーター電極膜4bに電圧を印加
し、固体電解質1を350〜550℃(好ましくは45
0℃)まで加熱したとき、第一および第二電極2aおよ
び2bに到達する酸素の量はそれぞれ等しいので、第一
および第二電極2a−2b間に電位差は発生しない。
【0029】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一
酸化炭素を導入すると、多孔性固体電解質膜5および多
孔性触媒膜3の形成されていない第一電極2a上では一
酸化炭素が二酸化炭素に酸化される電極反応が生じる。
一方、多孔性固体電解質膜5および多孔性触媒膜3の形
成された第二電極2b上では、多孔性触媒膜3で一酸化
炭素が二酸化炭素に酸化され、一酸化炭素が第二電極2
bの表面まで到達することができないので、第一および
第二電極2aおよび2bの間で吸着する酸素量のバラン
スが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じ、第二電極2bから
第一電極2aへ吸着酸素が酸素イオンとなり酸素イオン
導電体である固体電解質1中を移動する。
酸化炭素を導入すると、多孔性固体電解質膜5および多
孔性触媒膜3の形成されていない第一電極2a上では一
酸化炭素が二酸化炭素に酸化される電極反応が生じる。
一方、多孔性固体電解質膜5および多孔性触媒膜3の形
成された第二電極2b上では、多孔性触媒膜3で一酸化
炭素が二酸化炭素に酸化され、一酸化炭素が第二電極2
bの表面まで到達することができないので、第一および
第二電極2aおよび2bの間で吸着する酸素量のバラン
スが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じ、第二電極2bから
第一電極2aへ吸着酸素が酸素イオンとなり酸素イオン
導電体である固体電解質1中を移動する。
【0030】そして、第二電極2bに吸着していた酸素
が減少するため、第二電極2bおよび多孔性触媒膜3の
間で吸着する酸素濃度に濃淡差が生じ、酸素イオン導電
性を有する多孔性固体電解質膜5中を酸素が多孔性触媒
膜3から第二電極2bへと移動する。したがって、第二
電極2bには常に十分な酸素が供給され、被検出気体の
一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出することがで
きる。
が減少するため、第二電極2bおよび多孔性触媒膜3の
間で吸着する酸素濃度に濃淡差が生じ、酸素イオン導電
性を有する多孔性固体電解質膜5中を酸素が多孔性触媒
膜3から第二電極2bへと移動する。したがって、第二
電極2bには常に十分な酸素が供給され、被検出気体の
一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出することがで
きる。
【0031】図2に本実施例のガスセンサの一酸化濃度
特性を示す。固体電解質1の温度が約450℃となるよ
うにヒーター電極膜4bに電圧を印加し、各種濃度の一
酸化炭素と空気を含むテストガスを10リットル毎分で
供給したとき、第一電位差検出手段6aにより測定した
第一電位差(V1)はネルンストの式従い、一酸化炭素
の濃度(CCO)の増加とともに増加した。なお、一酸化
炭素に対する出力の応答性は90%応答で1分以内であ
った。
特性を示す。固体電解質1の温度が約450℃となるよ
うにヒーター電極膜4bに電圧を印加し、各種濃度の一
酸化炭素と空気を含むテストガスを10リットル毎分で
供給したとき、第一電位差検出手段6aにより測定した
第一電位差(V1)はネルンストの式従い、一酸化炭素
の濃度(CCO)の増加とともに増加した。なお、一酸化
炭素に対する出力の応答性は90%応答で1分以内であ
った。
【0032】以上のように、本実施例において第二電極
2bと多孔性触媒膜3の間に酸素イオン導電性を有する
多孔性固体電解質膜5を備えることにより、酸化反応で
消費された第一電極2a上の酸素を補うように第二電極
2b上に吸着した酸素が第二電極2bから第一電極2a
へと固体電解質1中を移動し、さらに多孔性触媒膜3か
ら第二電極2bへと多孔性固体電解質膜5中を酸素が移
動するので、第二電極2bには常に十分な酸素が供給さ
れ、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く
検出することができる。
2bと多孔性触媒膜3の間に酸素イオン導電性を有する
多孔性固体電解質膜5を備えることにより、酸化反応で
消費された第一電極2a上の酸素を補うように第二電極
2b上に吸着した酸素が第二電極2bから第一電極2a
へと固体電解質1中を移動し、さらに多孔性触媒膜3か
ら第二電極2bへと多孔性固体電解質膜5中を酸素が移
動するので、第二電極2bには常に十分な酸素が供給さ
れ、被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く
検出することができる。
【0033】(実施例2)図3は、本発明の実施例2の
ガスセンサの構成図である。図3において、実施例1の
構成と異なるところは、石英ガラスからなる絶縁基板4
aの表面に形成したヒーター電極膜4bに固体電解質1
を電気的に絶縁する第一絶縁膜7aを積層して形成した
点である。
ガスセンサの構成図である。図3において、実施例1の
構成と異なるところは、石英ガラスからなる絶縁基板4
aの表面に形成したヒーター電極膜4bに固体電解質1
を電気的に絶縁する第一絶縁膜7aを積層して形成した
点である。
【0034】本実施例においては、絶縁基板4aとして
石英ガラスを用いることにより、ヒーター電極膜4b
が、熱容量が大きく、熱伝導度の低い石英ガラスからな
る絶縁基板4aを加熱するよりも早く固体電解質1を加
熱するので、ガスセンサを僅かな消費電力で瞬時に駆動
させることができる。
石英ガラスを用いることにより、ヒーター電極膜4b
が、熱容量が大きく、熱伝導度の低い石英ガラスからな
る絶縁基板4aを加熱するよりも早く固体電解質1を加
熱するので、ガスセンサを僅かな消費電力で瞬時に駆動
させることができる。
【0035】また、本実施例では、第一絶縁膜7aとし
て、絶縁性の高いアルミナを用い、スパッタリングによ
りヒーター電極膜4bの上に形成し、さらにその上に固
体電解質膜1を形成することにより、加熱手段を小型化
することができるだけでなく、絶縁基板4aの一方の面
に積層して形成するので、製造工程も簡便になる。さら
に、固体電解質1との絶縁を絶縁基板4aでなく、熱容
量の小さい第一絶縁膜7aで確保するので、低消費電力
化を図ることができ、経済的であるばかりでなく、加熱
手段を電池で駆動させることができるので、ACコンセ
ントのない水回りや屋外でも被検出気体の一酸化炭素の
濃度を検出することができ、応用範囲を拡大することが
できる。
て、絶縁性の高いアルミナを用い、スパッタリングによ
りヒーター電極膜4bの上に形成し、さらにその上に固
体電解質膜1を形成することにより、加熱手段を小型化
することができるだけでなく、絶縁基板4aの一方の面
に積層して形成するので、製造工程も簡便になる。さら
に、固体電解質1との絶縁を絶縁基板4aでなく、熱容
量の小さい第一絶縁膜7aで確保するので、低消費電力
化を図ることができ、経済的であるばかりでなく、加熱
手段を電池で駆動させることができるので、ACコンセ
ントのない水回りや屋外でも被検出気体の一酸化炭素の
濃度を検出することができ、応用範囲を拡大することが
できる。
【0036】(実施例3)図4は、本発明の実施例3の
ガスセンサの構成図である。図4において、実施例2の
構成と異なるところは、絶縁基板4aの表面に形成した
石英ガラスからなる断熱膜8を設けた点である。
ガスセンサの構成図である。図4において、実施例2の
構成と異なるところは、絶縁基板4aの表面に形成した
石英ガラスからなる断熱膜8を設けた点である。
【0037】本実施例においては、石英ガラスのからな
る断熱膜8を薄膜で形成することにより、絶縁基板4a
に高価な石英ガラス基板を用いなくとも汎用性のある安
価なアルミナ基板などを用いることができ、コストダウ
ンが図れるばかりでなく、絶縁基板4aの表面に熱伝導
度の低い石英ガラスからなる断熱膜8を形成するので、
絶縁基板4aを加熱するよりも早く固体電解質1を加熱
し、ガスセンサを僅かな消費電力で瞬時に駆動させるこ
とができる。
る断熱膜8を薄膜で形成することにより、絶縁基板4a
に高価な石英ガラス基板を用いなくとも汎用性のある安
価なアルミナ基板などを用いることができ、コストダウ
ンが図れるばかりでなく、絶縁基板4aの表面に熱伝導
度の低い石英ガラスからなる断熱膜8を形成するので、
絶縁基板4aを加熱するよりも早く固体電解質1を加熱
し、ガスセンサを僅かな消費電力で瞬時に駆動させるこ
とができる。
【0038】(実施例4)図5は、本発明の実施例4の
ガスセンサの構成図である。図5において、実施例3の
構成と異なるところは、加熱手段から発生するノイズを
遮蔽するシールド膜9と、シールド膜9に積層して形成
した固体電解質1を電気的に絶縁する第二絶縁膜7bを
設けた点である。
ガスセンサの構成図である。図5において、実施例3の
構成と異なるところは、加熱手段から発生するノイズを
遮蔽するシールド膜9と、シールド膜9に積層して形成
した固体電解質1を電気的に絶縁する第二絶縁膜7bを
設けた点である。
【0039】本実施例においては、第一絶縁膜7aに積
層して形成したヒーター電極膜4bから発生するノイズ
を遮蔽するシールド膜9を備えることにより、ヒーター
電極膜4bを交流電源などで駆動した場合に発生するノ
イズをシールド膜9が遮蔽するので、安定した正確な一
酸化炭素の濃度を検出することができるだけでなく、金
属製の熱伝導のよいシールド膜9がヒーター電極膜4b
の熱を均一に分散させるので、ガスセンサの温度分布に
よる影響を抑えることができ、安定した出力を確保する
ことができる。
層して形成したヒーター電極膜4bから発生するノイズ
を遮蔽するシールド膜9を備えることにより、ヒーター
電極膜4bを交流電源などで駆動した場合に発生するノ
イズをシールド膜9が遮蔽するので、安定した正確な一
酸化炭素の濃度を検出することができるだけでなく、金
属製の熱伝導のよいシールド膜9がヒーター電極膜4b
の熱を均一に分散させるので、ガスセンサの温度分布に
よる影響を抑えることができ、安定した出力を確保する
ことができる。
【0040】また、本実施例のシールド膜9に積層して
形成した固体電解質1を電気的に絶縁する第二絶縁膜7
bを備えることにより、シールド膜9の電位が固体電解
質1に影響を与えることを防止するので、安定して一酸
化炭素の濃度を検出することができる。
形成した固体電解質1を電気的に絶縁する第二絶縁膜7
bを備えることにより、シールド膜9の電位が固体電解
質1に影響を与えることを防止するので、安定して一酸
化炭素の濃度を検出することができる。
【0041】(実施例5)図6は、本発明の実施例5の
ガスセンサの構成図である。図6において、実施例4の
構成と異なるところは、多孔性触媒膜3および第二電極
2b間の第二電位差(V2)を検出する第二電位差検出
手段6bと、第一電位差(V1)に対する第二電位差
(V2)の比(V2/V1)から検出する可燃性ガスの濃
度を算出する演算手段10を設けた点である。
ガスセンサの構成図である。図6において、実施例4の
構成と異なるところは、多孔性触媒膜3および第二電極
2b間の第二電位差(V2)を検出する第二電位差検出
手段6bと、第一電位差(V1)に対する第二電位差
(V2)の比(V2/V1)から検出する可燃性ガスの濃
度を算出する演算手段10を設けた点である。
【0042】本実施例においては、多孔性触媒膜3およ
び第二電極2b間の第二電位差(V 2)を検出する第二
電位差検出手段6bを備えることにより、多孔性触媒膜
3および第二電極2b間の間で吸着する酸素量のバラン
スが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じたとき、多孔性触媒
膜3から第二電極2bへ吸着酸素が酸素イオンとなり酸
素イオン導電体である多孔性固体電解質膜5中を移動
し、多孔性触媒膜3および第二電極2b間に第二電位差
(V2)が発生するが、この第二電位差(V2)と一酸化
炭素の濃度の関係はネルンストの式に従い、濃度が増加
すれば第二電位差(V2)も増加するので、第二電位差
(V2)を測定することにより被検出気体中の一酸化炭
素の濃度を求めることができ、第一電位差(V1)およ
び第二電位差(V2)を同時に検出し、安全性を二重に
確認するのでより信頼性の高いガスセンサを得ることが
できる。
び第二電極2b間の第二電位差(V 2)を検出する第二
電位差検出手段6bを備えることにより、多孔性触媒膜
3および第二電極2b間の間で吸着する酸素量のバラン
スが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じたとき、多孔性触媒
膜3から第二電極2bへ吸着酸素が酸素イオンとなり酸
素イオン導電体である多孔性固体電解質膜5中を移動
し、多孔性触媒膜3および第二電極2b間に第二電位差
(V2)が発生するが、この第二電位差(V2)と一酸化
炭素の濃度の関係はネルンストの式に従い、濃度が増加
すれば第二電位差(V2)も増加するので、第二電位差
(V2)を測定することにより被検出気体中の一酸化炭
素の濃度を求めることができ、第一電位差(V1)およ
び第二電位差(V2)を同時に検出し、安全性を二重に
確認するのでより信頼性の高いガスセンサを得ることが
できる。
【0043】また、本実施例においては、第一電位差
(V1)に対する第二電位差(V2)の比(V2/V1)か
ら検出する可燃性ガスの濃度を算出する演算手段10を
備えることにより、長時間ガスセンサを使用したときに
発生する材料の凝集などによる劣化により第一電位差
(V1)および第二電位差(V2)がそれぞれ減少して
も、第一電位差(V1)に対する第二電位差(V2)の比
(V2/V1)はほとんど変化しないので、この比(V2
/V1)から一酸化炭素などの可燃性ガスの濃度を検出
する耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。
(V1)に対する第二電位差(V2)の比(V2/V1)か
ら検出する可燃性ガスの濃度を算出する演算手段10を
備えることにより、長時間ガスセンサを使用したときに
発生する材料の凝集などによる劣化により第一電位差
(V1)および第二電位差(V2)がそれぞれ減少して
も、第一電位差(V1)に対する第二電位差(V2)の比
(V2/V1)はほとんど変化しないので、この比(V2
/V1)から一酸化炭素などの可燃性ガスの濃度を検出
する耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜9に記載の発
明によれば、触媒のない側の第一電極上で一酸化炭素の
酸化反応が生じると、酸化反応で消費された第一電極上
の酸素を補うように第二電極上に吸着した酸素が第二電
極から第一電極へと固体電解質中を移動し、第二電極に
吸着した酸素が減少するので、第二電極および多孔性触
媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多孔性触媒膜から
第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸素が移動する。
したがって、第二電極には常に十分な酸素が供給され、
被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出
することができる。
明によれば、触媒のない側の第一電極上で一酸化炭素の
酸化反応が生じると、酸化反応で消費された第一電極上
の酸素を補うように第二電極上に吸着した酸素が第二電
極から第一電極へと固体電解質中を移動し、第二電極に
吸着した酸素が減少するので、第二電極および多孔性触
媒膜に吸着した酸素に濃淡差が生じ、多孔性触媒膜から
第二電極へと多孔性固体電解質膜中を酸素が移動する。
したがって、第二電極には常に十分な酸素が供給され、
被検出気体の一酸化炭素の濃度を安定して応答良く検出
することができる。
【図1】本発明の実施例1におけるガスセンサの構成図
【図2】同ガスセンサの一酸化炭素濃度特性図
【図3】本発明の実施例2におけるガスセンサの構成図
【図4】本発明の実施例3におけるガスセンサの構成図
【図5】本発明の実施例4におけるガスセンサの構成図
【図6】本発明の実施例5におけるガスセンサの構成図
【図7】従来のガスセンサの概略構成図
1 固体電解質 2a、2b 第一および第二電極 3 多孔性触媒膜 4a 絶縁基板 4b ヒーター電極膜 5 多孔性固体電解質膜 6a、6b 第一および第二電位差検出手段 7a、7b 第一および第二絶縁膜 8 断熱膜 9 シールド膜 10 演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渋谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BD04 BE12 BE13 BE22 BE23 BF04 BF05 BF07 BF08 BJ03 BL08 BL19 BM04
Claims (9)
- 【請求項1】 酸素イオン導電性を有する固体電解質
と、前記固体電解質を加熱する加熱手段と、前記固体電
解質の表面に形成した、第一電極および第二電極と、前
記第二電極を覆うように形成した酸素イオン導電性を有
する多孔性固体電解質膜と、前記多孔性固体電解質膜に
積層して形成した電子導電性と、可燃性ガスを酸化する
多孔性触媒膜と、前記第一電極と第二電極間の第一電位
差を検出する第一電位差検出手段とを備えたガスセン
サ。 - 【請求項2】 加熱手段は、絶縁性を有する絶縁基板
と、前記絶縁基板の表面に形成したヒーター電極膜と、
前記ヒーター電極膜に積層して形成した固体電解質を電
気的に絶縁する第一絶縁膜からなる請求項1記載のガス
センサ。 - 【請求項3】 絶縁基板は石英ガラスからなる請求項2
記載のガスセンサ。 - 【請求項4】 絶縁基板の表面に形成した断熱膜を備
え、加熱手段は、前記断熱膜の表面にヒーター電極膜と
第一絶縁膜を形成した請求項1又は2記載のガスセン
サ。 - 【請求項5】 断熱膜は石英ガラスからなる請求項4記
載のガスセンサ。 - 【請求項6】 第一絶縁膜に積層して形成した加熱手段
から発生するノイズを遮蔽するシールド膜を備えた請求
項1又は2記載のガスセンサ。 - 【請求項7】 シールド膜に積層して形成した固体電解
質を電気的に絶縁する第二絶縁膜を備えた請求項1〜6
のいずれか1項に記載のガスセンサ。 - 【請求項8】 多孔性触媒膜および第二電極間の第二電
位差を検出する第二電位差検出手段を備えた請求項1記
載のガスセンサ。 - 【請求項9】 第一電位差に対する第二電位差の比から
検出する可燃性ガスの濃度を算出する演算手段を備えた
請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000372619A JP2002174616A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000372619A JP2002174616A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | ガスセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002174616A true JP2002174616A (ja) | 2002-06-21 |
Family
ID=18842130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000372619A Pending JP2002174616A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | ガスセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002174616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018040715A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
-
2000
- 2000-12-07 JP JP2000372619A patent/JP2002174616A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018040715A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
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