JP2002174270A - ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置 - Google Patents

ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置

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JP2002174270A
JP2002174270A JP2000371472A JP2000371472A JP2002174270A JP 2002174270 A JP2002174270 A JP 2002174270A JP 2000371472 A JP2000371472 A JP 2000371472A JP 2000371472 A JP2000371472 A JP 2000371472A JP 2002174270 A JP2002174270 A JP 2002174270A
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pair
roller clutch
rollers
peripheral surface
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Takeo Okuma
健夫 大熊
Hiroshi Aida
博 相田
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転時にローラ15の姿勢が大きく傾く事を
防止する。 【解決手段】 上記ローラ15の転動面の軸方向両側部
分を押圧する、1対の押圧片27a、27aの撓み量の
最大値dを小さくする。これにより、運転時、これら1
対の押圧片27a、27aの撓み量に互いに大きな差が
生じない様にして、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用発
電機であるオルタネータの回転軸の端部に固定する従動
プーリ等として使用可能な、ローラクラッチ内蔵型回転
伝達装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の走行用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図2は、この公報に記載されたオルタネータ1を
示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の
転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。こ
の回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設け
ている。又、この回転軸3の一端部(図2の右端部)で
上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7
を固定している。エンジンへの組み付け状態では、この
従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクラ
ンクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とす
る。
【0003】上記従動プーリ7として従来一般的には、
単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用してい
た。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若
しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸
への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低
下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回
転を自在とする、ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置で
ある、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案さ
れ、一部で使用されている。例えば、特開昭56−10
1353号公報、特開平7−317807号公報、同8
−61443号公報、同8−226462号公報、特公
平7−72585号公報、フランス特許公報FR272
6059A1等に、上述の様な機能を有するローラクラ
ッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。
【0004】図3〜6は、これら各公報に記載される等
により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プー
リ装置の1例を示している。このローラクラッチ内蔵型
プーリ装置は、オルタネータ1の回転軸3(図2参照)
に外嵌固定自在な、回転部材であるスリーブ8を有す
る。又、このスリーブ8の周囲に、やはり回転部材であ
る従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配置して
いる。そして、これらスリーブ8の外周面と従動プーリ
7aの内周面との間に、1対のサポート軸受9、9とロ
ーラクラッチ10とを設けている。
【0005】上記スリーブ8は、全体を円筒状に形成し
ており、上記オルタネータ1の回転軸3の端部に外嵌固
定して、この回転軸3と共に回転自在である。この為に
図示の例では、上記スリーブ8の内周面中間部にねじ孔
部11を形成し、このねじ孔部11と上記回転軸3の先
端部外周面に設けた雄ねじ部とを螺合自在としている。
又、上記スリーブ8の外周面の中央部には、同じく両端
部よりも外径寸法の大きな大径部12を設けている。
【0006】一方、上記従動プーリ7aの外周面は、幅
方向に関する断面形状を波形として、ポリVベルトと呼
ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。そ
して、上記スリーブ8の外周面と上記従動プーリ7aの
内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に上記ロー
ラクラッチ10を、同じくこの空間の軸方向両端部でこ
のローラクラッチ10を軸方向両側から挟む位置に上記
サポート軸受9、9を、それぞれ配置している。このう
ちのサポート軸受9、9は、上記従動プーリ7aに加わ
るラジアル荷重を支承しつつ、この従動プーリ7aと上
記スリーブ8との相対回転を自在とする。図示の例で
は、これら各サポート軸受9、9として、それぞれ深溝
型の玉軸受を使用している。
【0007】又、上記ローラクラッチ10は、上記従動
プーリ7aが上記スリーブ8に対して所定方向に相対回
転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ7aと
スリーブ8との間での回転力の伝達を自在とする。この
様なローラクラッチ10は、クラッチ用内輪13と、ク
ラッチ用外輪14と、複数個のローラ15、15と、ク
ラッチ用保持器16と、複数個のばね17、17とから
成る。このうちのクラッチ用内輪13及びクラッチ用外
輪14は、それぞれ軸受鋼等の硬質金属製の板材又はS
CM415等の浸炭鋼の板材により全体を円筒状に形成
している。そして、上記クラッチ用内輪13を上記スリ
ーブ8の大径部12の外周面に、上記クラッチ用外輪1
4を上記従動プーリ7aの中間部内周面に、それぞれ締
り嵌めにより嵌合固定している。又、上記クラッチ用外
輪14の内周面のうち、少なくとも上記各ローラ15、
15と当接する中間部を、円筒面18としている。これ
と共に、上記クラッチ用内輪13の外周面をカム面19
としている。即ち、このクラッチ用内輪13の外周面に
それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部20、20
を、円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用
内輪13の外周面を上記カム面19としている。
【0008】そして、このカム面19と上記円筒面18
との間に、上記クラッチ用保持器16と、上記複数個ず
つのローラ15、15及びばね17、17とを設けてい
る。このうちのクラッチ用保持器16は、合成樹脂(例
えば、ポリアミド46等の合成樹脂にガラス繊維を20
%程度混入したもの)により籠型円筒状に一体形成した
もので、それぞれが円環状である1対のリム部21、2
1と、これら両リム部21、21の内側面内周縁寄り部
分同士を連結する柱部22、22とを備える。この様な
クラッチ用保持器16は、上記両リム部21、21の内
周面に形成した各突片29、29を上記カム面19を構
成する各凹部20、20に係合させる事により、上記ロ
ーラクラッチ用内輪13に対する相対回転を不能にして
いる。これと共に、軸方向端部(図3の左端部)内周面
に形成した凸部30を、上記スリーブ8の大径部12の
端部に全周に亙り形成した外向フランジ状の鍔部31と
上記クラッチ用内輪13との間で挟持する事により、軸
方向に関する位置決めを図っている。
【0009】又、上記両リム部21、21の内側面で上
記各柱部22、22の円周方向中間部に整合する部分に
は、それぞれ両端側支持板部23、23を、上記各柱部
22、22の外周側面から直径方向外方に突出する状態
で形成している。これに対して、上記各柱部22、22
の中央部には、中央側支持板部24を、これら各柱部2
2、22の外周側面から直径方向外方に突出する状態で
形成している。そして、上記両リム部21、21と円周
方向に隣り合う2組の上記各支持板部23、24とによ
り四方を囲まれる部分を、それぞれポケット25、25
とし、これら各ポケット25、25内に上記各ローラ1
5、15を、転動並びに円周方向に関する若干の変位自
在に設けている。
【0010】又、上述の様な両端側支持板部23、23
と中央側支持板部24とは、円周方向に関して互いに少
しずらせた状態で設けている。そして、次述する様に、
これら両端側支持板部23、23の円周方向片側面(図
4〜5の左側面、図6の上面)と中央側支持板部24の
円周方向他側面(図4〜5の右側面、図6の下面)との
間に、前記各ばね17、17の基部26を挟持自在とし
ている。これら各ばね17、17は、SUS304等の
ステンレス鋼製の板材(弾性金属板)に折り曲げ加工を
施す事により形成している。即ち、上記各ばね17、1
7は、上記基部26の両端部を円周方向に関して同方向
に鋭角に折り曲げる事により、この基部26の両端部に
1対の押圧片27、27を設けて成る。又、後述する様
に前記各ローラ15、15の転動面と当接する部位であ
る、上記各押圧片27、27の先端部には、これら各押
圧片27、27の先端部を上記基部26側に折り曲げる
事により、それぞれが非尖鋭端である押圧部32、32
を形成している。そして、この様に各押圧部32、32
を非尖鋭端とする事により、これら各押圧部32、32
を当接させる上記各ローラ15、15の転動面に、エッ
ジロードに基づく摩耗が生じるのを防止している。
【0011】上述の様な各ばね17、17は、上記基部
26の両端部片側面を上記両端側支持板部23、23の
円周方向片側面に、この基部26の中央部他側面を上記
中央側支持板部24の円周方向他側面に、それぞれ弾性
的に当接させる事により、上記クラッチ用保持器16の
円周方向複数個所に係止している。又、図示の例では、
上記各中央側支持板部24、24の先端縁に係止突片2
8を、これら各中央側支持板部24、24の他側面側に
突出する状態で形成している。そして、この係止突片2
8を上記基部26の中央部外周縁に係合させる事によ
り、上記各ばね17、17が直径方向外方に変位するの
を防止している。
【0012】上述の様に各ばね17、17をクラッチ用
保持器16に係止した状態では、図6に示す様に、これ
ら各ばね17、17を構成する1対の押圧片27、27
の先端部に設けた各押圧部32、32が、それぞれ上記
各ローラ15、15の転動面の軸方向両側部分に弾性的
に当接する。これにより、上記各ばね17、17を構成
する1対の押圧片27、27により、上記各ローラ1
5、15を、前記円筒面18とカム面19との間の径方
向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方
向に弾性的に押圧自在となる。この結果、後述する運転
時に、上記ローラクラッチ10のロック状態とオーバラ
ン状態との切り換えを迅速に行なえる様になる。
【0013】尚、上述の様なローラクラッチ10を構成
する場合、上記各ローラ15、15と当接する上記円筒
面18及びカム面19は、それぞれ前記従動プーリ7a
の内周面及び上記スリーブ8の外周面に直接形成する場
合もある。又、上記円筒面18と上記カム面19との径
方向に関する配置は、上述した構造と逆にする場合もあ
る。
【0014】上述の様に構成するローラクラッチ内蔵型
プーリ装置の作用は、次の通りである。先ず、前記クラ
ッチ用内輪13を嵌合固定した上記スリーブ8に対し
て、前記クラッチ用外輪14を嵌合固定した上記従動プ
ーリ7aが、上記各ばね17、17による上記各ローラ
15、15の押圧方向と同方向に回転する場合には、上
記円筒面18及びカム面19から上記各ローラ15、1
5に、上記押圧方向と同方向の力が作用する。この結
果、上記各ローラ15、15が上記円筒面18と上記カ
ム面19との間の径方向に関する幅の狭い部分に向け変
位し、当該部分にくさび状に食い込む。この結果、上記
従動プーリ7aと上記スリーブ8との間で回転力の伝達
が自在(ロック状態)となり、これら両部材7a、8が
同期して回転する様になる。
【0015】これに対し、上記スリーブ8に対して上記
従動プーリ7aが上記押圧方向と反対方向に回転する場
合には、上記円筒面18から上記各ローラ15、15
に、上記押圧方向と反対方向の力が作用する。この結
果、上記各ローラ15、15が上記円筒面18と上記カ
ム面19との間の径方向に関する幅の広い部分に向け変
位する傾向となる。又、この際に上記各ローラ15、1
5は、図6に二点鎖線で示す様に、上記各ばね17、1
7を構成する押圧片27、27を撓ませる。そして、上
述の様に幅の広い部分に向け変位した各ローラ15、1
5は、当該部分で転動並びに若干の変位自在となる。こ
の結果、上記従動プーリ7aと上記スリーブ8との間で
回転力の伝達が不能(オーバラン状態)となり、これら
両部材7a、8が相対回転する様になる。
【0016】上述の様な構成を有するローラクラッチ内
蔵型プーリ装置を使用する理由は、次の2通りである。
先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命を延長する為で
ある。例えば、自動車の駆動用エンジンがディーゼルエ
ンジンや直噴式のガソリンエンジンであった場合、アイ
ドリング時等の低回転時には、クランクシャフトの回転
角速度の変動が大きくなる。この結果、このクランクシ
ャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡した無端ベ
ルトの走行速度も細かく変動する事になる。一方、この
無端ベルトにより従動プーリを介して回転駆動されるオ
ルタネータ1の回転軸3(図2)は、この回転軸3並び
にこの回転軸3に固定したロータ5等の慣性質量に基づ
き、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プー
リを回転軸に対し単に固定した場合には、クランクシャ
フトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルトと従動
プーリとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、こ
の従動プーリと擦れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる
方向の応力が作用して、この無端ベルトと従動プーリと
の間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルト
の寿命が短くなったりする原因となる。
【0017】そこで、この様な従動プーリとして、上記
ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、
上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にあ
る場合には、上記従動プーリから上記回転軸3への回転
力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度
が低下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸
3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの
走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの
回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よりも遅くし
て、上記無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ
合う事を防止する。この様にして、従動プーリと無端ベ
ルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、
この無端ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生した
り、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を防止す
る。
【0018】第二の理由は、前記オルタネータ1の発電
効率を向上させる為である。このオルタネータ1のロー
タ5を固定した回転軸3は、自動車の駆動用エンジンに
より、無端ベルトと従動プーリとを介して回転駆動す
る。固定式の従動プーリを使用すると、上記駆動用エン
ジンの回転速度が急激に低下した場合に、上記ロータ5
の回転速度も急激に低下して、上記オルタネータ1によ
る発電量も急激に減少する。これに対し、上記オルタネ
ータ1に付属の従動プーリとして、上記ローラクラッチ
内蔵型プーリ装置を使用すれば、上記駆動用エンジンの
回転速度が急激に低下した場合でも、上記ロータ5の回
転速度が慣性力により徐々に低下して、その間も発電を
続ける。この結果、固定式の従動プーリを使用した場合
に比べ、上記回転軸3及びロータ5の運動エネルギを有
効に利用して、上記オルタネータ1の発電量の増大を図
れる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来のロ
ーラクラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、前記ローラ
クラッチ10のロック状態とオーバラン状態との切り換
えを、迅速且つ的確に行なえなくなる可能性がある。こ
の理由に就いて、以下に説明する。一般的な使用状態で
あれば、ローラクラッチ10のロック時は勿論オーバラ
ン時でも、各ローラ15、15は円筒面18及びカム面
19に拘束若しくは案内される為、これら各ローラ1
5、15の中心軸と、上記円筒面18及びカム面19の
中心軸とが非平行になる(スキューする)事はない。但
し、上記ローラクラッチ10がオーバラン状態からロッ
ク状態に移行する際には、従動プーリ7aとスリーブ8
との相対回転方向が逆向きに変化する。そして、これに
伴い、上記各ローラ15、15が上記円筒面18と上記
カム面19との間の幅の狭い部分に向け変位する傾向と
なり、当該部分にくさび状に食い込む。一方、オルタネ
ータ等に組み込むローラクラッチ内蔵型プーリ装置の場
合には、上述の様な従動プーリ7aとスリーブ8との相
対回転方向の変化が、急激に行なわれる。この為、この
様に相対回転方向が逆向きに変化する際に上記各ローラ
15、15の姿勢が何らかの原因で大きく傾く可能性が
ある。
【0020】そして、従来構造の場合には、上述の様に
して各ローラ15、15の姿勢が大きく傾く事が、図7
に示す様に、前記各ばね17を構成する1対の押圧片2
7、27の撓み量に互いに大きな差δが生じる事により
許容される。この為、上記各ばね17、17を構成する
1対の押圧片27、27の弾力に基づいて上記各ローラ
15、15の姿勢が正常な状態に修正される以前に、即
ち、これら各ローラ15、15の姿勢が大きく傾いたま
ま、これら各ローラ15、15が上記幅の狭い部分に向
け変位する可能性がある。
【0021】この結果、上記各ローラ15、15が上記
幅の狭い部分に食い込みにくくなって、上記オーバラン
状態からロック状態への切り換えを迅速に行なえなくな
る可能性がある。これに対して、上記各ローラ15、1
5の姿勢が大きく傾いたまま、これら各ローラ15、1
5が上記幅の狭い部分に食い込んだ場合には、これら各
ローラ15、15と上記円筒面18及びカム面19との
当接圧が過度に上昇する。この結果、上記各ローラ1
5、15と上記円筒面18及びカム面19との係合状態
が解除されにくくなって、上記ロック状態からオーバラ
ン状態への切り換えを迅速に行なえなくなったり、著し
い場合には、この切り換えを行なえなくなる可能性があ
る。
【0022】又、上述の様に各ローラ15、15の姿勢
が大きく傾いた場合に、図7に示す様にして、これら各
ローラ15、15の軸方向端縁(図7の左端縁)が上記
押圧片27の根元部分に強く当接すると、この根元部分
が塑性変形して当該押圧片27の機能を損なう可能性が
ある。従って、この様な観点からも、運転時に上記各ロ
ーラ15、15の姿勢が大きく傾く事は、好ましくな
い。本発明のローラクラッチ内蔵型回転伝達装置は、上
述の様な事情に鑑みて、運転時に上記各ローラ15、1
5の姿勢が大きく傾くのを防止できる構造を実現すべく
発明したものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のローラクラッチ
内蔵型回転伝達装置は、互いに同心に配置した1対の回
転部材と、これら両回転部材の互いに対向する周面同士
の間の一部に設けられ、これら両回転部材同士が所定方
向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら両回転
部材同士の間で回転力の伝達を自在とするローラクラッ
チと、これら両回転部材の互いに対向する周面同士の間
の他部に設けられ、これら両回転部材同士の間に加わる
ラジアル荷重を支承しつつこれら両回転部材同士の相対
回転を自在とするサポート軸受とを備える。又、上記ロ
ーラクラッチは、上記1対の回転部材のうちの一方の回
転部材の周面若しくはこの周面に嵌合固定した部材の周
面に形成された、円周方向に関する凹凸であるカム面
と、同じく他方の回転部材の周面若しくはこの周面に嵌
合固定した部材の周面に形成された円筒面と、この円筒
面と上記カム面との間の円筒状隙間内に設けられた複数
本のローラと、上記カム面を形成された部材に対する回
転を不能として上記円筒状隙間内に支持され、上記複数
本のローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自
在に保持する保持器と、それぞれがこの保持器と上記各
ローラとの間に設けられ、それぞれこれら各ローラの転
動面の軸方向両側部分を円周方向に関し同方向に弾性的
に押圧自在な1対の押圧片を備える複数個のばねとから
成る。特に、本発明のローラクラッチ内蔵型回転伝達装
置に於いては、上記各ばねを上記ローラクラッチに組み
付けた状態での、これら各ばねを構成する1対の押圧片
の円周方向に関する撓み量の最大値を小さくする事によ
り、運転時にこれら1対の押圧片の撓み量同士の間に大
きな差が生じない様にしている。この為に例えば、上記
各ばねを構成する1対の押圧片の先端部で上記各ローラ
と反対側の面を、上記保持器の一部に近接対向させる。
【0024】
【作用】上述の様に構成する、本発明のローラクラッチ
内蔵型回転伝達装置の場合には、オーバラン状態で、各
ローラにこれら各ローラの姿勢を傾かせる方向の力が作
用し、これら各ローラの姿勢が傾く傾向となった場合で
も、これら各ローラの転動面を押圧する1対の押圧片に
より、これら各ローラの姿勢が大きく傾く事を阻止でき
る。即ち、本発明の場合には、これら各ローラの転動面
を押圧する1対の押圧片の撓み量同士の間に大きな差が
生じないので、これら各ローラの姿勢が大きく傾く事は
ない。この結果、オーバラン状態で各ローラの姿勢を正
常な(大きく傾かない)状態に維持でき、オーバラン状
態とロック状態との切り換えを、迅速且つ的確に行なえ
る。又、各ローラの姿勢が大きく傾く事がない為、これ
ら各ローラの軸方向端縁により押圧片の一部が押し潰さ
れると言った不都合が生じる事はない。更に、1対の押
圧片の撓み量を小さくしている為、これら各押圧片を含
んで構成するばねがへたりにくくなり、このばねの耐久
性を十分に確保できる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、複数個のローラ
15の転動面を弾性的に押圧する、ばね17a及びその
設置部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用
は、前述した従来構造の場合と同様であるから、同等部
分には同一符号を付して、重複する部分の図示並びに説
明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を
中心に説明する。
【0026】本例の場合、上記ばね17aを構成する1
対の押圧片27a、27aの中間部を、このばね17a
を構成する基部26側に鈍角に折り曲げている。そし
て、この様に折り曲げた部分の凸面側部分を、それぞれ
上記ローラ15の転動面に当接自在な非尖鋭端である、
押圧部32、32としている。これと共に、これら各押
圧部32、32よりも先端側の部分を、それぞれストッ
パ部33、33としている。図1に鎖線で示す様に、上
記各押圧片27a、27aを上記基部26側に撓ませた
状態で、上記各ストッパ部33、33の先端縁は、クラ
ッチ用保持器16に設けた中央側支持板部24の前面
(図1の上面)に当接自在である。又、上記各ストッパ
部33、33の先端縁が上記中央側支持板部34の前面
に当接した状態で、上記各押圧片27a、27aは、上
記ローラ15に加わる、このローラ15を傾斜させよう
とするモーメント程度の力では、それ以上実質的に撓む
事はない。又、上記各ストッパ部33、33の先端縁が
上記中央側支持板部24の前面に当接した状態で、上記
各押圧部32、32は、これら各ストッパ部33、33
の先端縁よりも円周方向前方(図1の上方)に位置す
る。
【0027】従って、本例の場合には、上記各ストッパ
部33、33の存在に基づいて、上記各ばね17aをロ
ーラクラッチに組み付けた状態での、上記1対の押圧片
27a、27aの、ロック状態(図1に実線で示した状
態)からの撓み量の最大値dを、同じく従来構造の最大
値D(図6参照)に比べて、十分に小さく(d<D)で
きる。尚、本例の場合、上記1対の押圧片27a、27
aのロック状態からの撓み量の最大値dの大きさは、こ
れら各押圧片27a、27aの中間部の折り曲げ角度や
上記各ストッパ部33、33の長さを変える事により、
或る程度調節自在である。何れにしても、本例の場合に
は、上述の様に1対の押圧片27a、27aの撓み量の
最大値dを小さくしている為、運転中、これら1対の押
圧片27a、27aの撓み量同士の間に大きな差が生じ
る事はない。
【0028】上述の様に構成する本例のローラクラッチ
内蔵型回転伝達装置の場合には、オーバラン状態で、上
記各ローラ15にこれら各ローラ15の姿勢を傾かせる
方向の力が作用し、これら各ローラ15の姿勢が傾く傾
向となった場合でも、これら各ローラ15の転動面を押
圧する1対の押圧片27a、27aにより、これら各ロ
ーラ15の姿勢が大きく傾く事を阻止できる。即ち、本
発明の場合には、これら各ローラ15の転動面を押圧す
る1対の押圧片27a、27aの撓み量同士の間に大き
な差が生じないので、これら各ローラ15の姿勢が大き
く傾く事はない。この結果、オーバラン状態で上記各ロ
ーラ15の姿勢を正常な(大きく傾かない)状態に維持
でき、オーバラン状態とロック状態との切り換えを、迅
速且つ的確に行なえる。又、上記各ローラ15の姿勢が
大きく傾く事がない為、これら各ローラ15の軸方向端
縁により、上記押圧片27aの一部が押し潰されると言
った不都合が生じる事もない。更に、本例の場合には、
上記1対の押圧片27a、27aの撓み量を小さくして
いる為、これら各押圧片27a、27aを含んで構成す
るばね17aがへたりにくくなり、このばね17aの耐
久性を十分に確保できる。
【0029】尚、本発明のローラクラッチ内蔵型回転伝
達装置を実施する場合、各ローラの姿勢の傾きを修正し
易くする観点から、1対の押圧片によるこれら各ローラ
の転動面の押圧位置は、これら各ローラの軸方向両端縁
にできるだけ近い方が好ましい。又、上記1対の押圧片
を含んで構成するばねの耐久性を確保する観点から、こ
のばねを構成する弾性金属板の硬さは、HV410〜56
0(より好ましくは、HV430〜500)の範囲に設定
するのが好ましい。
【0030】又、上述した例では、ローラクラッチの両
側に1対のサポート軸受を設ける場合(図3参照)に就
いて示したが、サポート軸受をローラクラッチの片側に
1個のみ設ける事も可能である。又、上述した例では、
本発明をオルタネータ用プーリに適用した例に就いて示
したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、本
発明を自動車用補機の駆動装置の駆動軸となるクランク
軸、或は従動軸となるコンプレッサ、ウォータポンプ、
冷却ファンの回転軸に組み付ける事も可能である。又、
外径側の回転部材として、プーリに代えて歯車を使用す
る事も可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明のローラクラッチ内蔵型回転伝達
装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、オーバ
ラン状態とロック状態との切り換えを迅速且つ的確に行
なえると共に、耐久性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図6と同
様の図。
【図2】オルタネータの1例を示す断面図。
【図3】従来構造の1例を示す断面図。
【図4】ローラクラッチのみを取り出した状態で示す、
図3のA−A断面図。
【図5】クラッチ用保持器及びばねのみを取り出した状
態で示す部分斜視図。
【図6】クラッチ用保持器及びばね及びローラのみを取
り出して、その一部を径方向外方から見た略図。
【図7】ローラの中心軸が傾いた状態で示す、図6と同
様の図。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a 従動プーリ 8 スリーブ 9 サポート軸受 10 ローラクラッチ 11 ねじ孔部 12 大径部 13 クラッチ用内輪 14 クラッチ用外輪 15 ローラ 16 クラッチ用保持器 17、17a ばね 18 円筒面 19 カム面 20 凹部 21 リム部 22 柱部 23 両端側支持板部 24 中央側支持板部 25 ポケット 26 基部 27、27a 押圧片 28 係止突片 29 突片 30 凸部 31 鍔部 32 押圧部 33 ストッパ部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同心に配置した1対の回転部材
    と、これら両回転部材の互いに対向する周面同士の間の
    一部に設けられ、これら両回転部材同士が所定方向に相
    対回転する傾向となる場合にのみ、これら両回転部材同
    士の間で回転力の伝達を自在とするローラクラッチと、
    これら両回転部材の互いに対向する周面同士の間の他部
    に設けられ、これら両回転部材同士の間に加わるラジア
    ル荷重を支承しつつこれら両回転部材同士の相対回転を
    自在とするサポート軸受とを備え、上記ローラクラッチ
    は、上記1対の回転部材のうちの一方の回転部材の周面
    若しくはこの周面に嵌合固定した部材の周面に形成され
    た、円周方向に関する凹凸であるカム面と、同じく他方
    の回転部材の周面若しくはこの周面に嵌合固定した部材
    の周面に形成された円筒面と、この円筒面と上記カム面
    との間の円筒状隙間内に設けられた複数本のローラと、
    上記カム面を形成された部材に対する回転を不能として
    上記円筒状隙間内に支持され、上記複数本のローラを転
    動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持する保
    持器と、それぞれがこの保持器と上記各ローラとの間に
    設けられ、それぞれこれら各ローラの転動面の軸方向両
    側部分を円周方向に関し同方向に弾性的に押圧自在な1
    対の押圧片を備える複数個のばねとから成るものである
    ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置に於いて、これら各
    ばねを上記ローラクラッチに組み付けた状態での、これ
    ら各ばねを構成する1対の押圧片の円周方向に関する撓
    み量の最大値を小さくする事により、運転時にこれら1
    対の押圧片の撓み量同士の間に大きな差が生じない様に
    した事を特徴とするローラクラッチ内蔵型回転伝達装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003067128A1 (fr) 2002-01-21 2003-08-14 Nsk Ltd. Dispositif de transmission de rotation de type a roue libre et demarreur

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003067128A1 (fr) 2002-01-21 2003-08-14 Nsk Ltd. Dispositif de transmission de rotation de type a roue libre et demarreur
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