JP2002173621A - 記録液、インクジェット記録方法及び記録用機器 - Google Patents

記録液、インクジェット記録方法及び記録用機器

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JP2002173621A JP2000372258A JP2000372258A JP2002173621A JP 2002173621 A JP2002173621 A JP 2002173621A JP 2000372258 A JP2000372258 A JP 2000372258A JP 2000372258 A JP2000372258 A JP 2000372258A JP 2002173621 A JP2002173621 A JP 2002173621A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 保存安定性、耐水性、耐滲み性、高信頼性、
耐目詰まり性に優れた顔料インク、記録紙への定着性を
改善された記録方法、および記録用カートリッジを提供
する。 【解決手段】 色材として表面処理を施された顔料、水
溶性有機溶剤と水を含有し、A、B、Cを含有する記録
液;A)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2
−アミノメチル−1,3−プロパンジオール又はグッド
緩衝剤の1つ以上の有機pH緩衝剤、B)第4級アルキ
ルアンモニウム水酸化物、第4級アルキルホスホニウム
水酸化物又はアルカノールアミンの塩基性有機化合物か
らなるpH調整剤、C)燐酸又は炭素数5以下の有機酸
の酸性化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用に適した記録液、特に、所謂普通紙に対する画像形
成に有用な記録液に関し、水性筆記用具、記録計、ペン
プロッター用水性インク組成物に応用される。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターにおい
て普通紙への印字適正、特に耐水・耐光性について堅牢
性を向上させる目的での種種の検討がなされてきてい
る。特に、色材として顔料を用いたインクを用いたイン
クジェットプリンター、プロッターが上市されている
が、染料インクに比べ目詰まりの発生等信頼性の問題が
あった。また、特に濡れ性等を制御する目的で浸透性の
高い溶剤を添加しようとすると、分散剤の特性変化によ
り顔料の凝集が発生する場合があった。そこでUSP5
571311号明細書、特表平10−510862号公
報には、カーボンブラックをジアゾニウム基を有する化
合物で表面処理を施しカルボン酸、スルホン酸を官能基
として導入し、再分散性、分散安定性を向上し信頼性を
向上したインクが提案されている。さらに、このものを
用いて間欠試験における1滴目の吐出安定性を改良する
ために、トリメチロールプロパン、尿素誘導体等を添加
したインクがUSP5976233号明細書、特開平1
0−3300665号公報等に開示されている。また、
カラー用の有機顔料についてもUSP5571311号
明細書等記載技術の場合と同様にして、表面処理により
カルボン酸、スルホン酸基の導入された顔料がUSP5
922118号明細書に開示されている。またスルファ
ミン酸により酸化処理された有機顔料を用いることが、
特開平10−273606号公報に開示されており、ス
ルホン化剤によるFriedel−Crafts反応に
より、スルホン酸基の導入された有機顔料を用いること
が特開平11−246807号公報に開示されている。
【0003】これら顔料は、分散剤を使用しなくとも分
散安定性が得られるが、高分子分散剤等を用いないため
記録紙への定着性が問題となる。この点を改善するた
め、界面活性剤の添加により、耐擦過性の良いインクが
特開平11−181340号公報に開示されている。こ
のインクではノズル目詰まり性及び対腐食性を改善する
目的でグッド緩衝剤であるN,N−ビス(ヒドロキシエ
チル)−2−アミノエタンスルホン酸とNaOHの添加
によりpHを7.5〜8.9に調整している。また、水
可溶化性基が導入された顔料の対イオンをナトリウムか
ら第4級アンモニウムに置換するとともに、不純物の精
製を限外濾過法により施したインクが特開平11−22
2573号公報に記載されている。これらにより信頼が
改善されたインクが検討されてきたが、表面処理を施し
た顔料特有の高温度放置におけるpHの低下による吐出
特性や保存性の変化については十分に検討されていなか
った。熱エネルギーを介して吐出するインクにおいての
熱素子の長期駆動の耐久性やシリコンやガラス部材及び
/またはニッケル、SUS等の金属部材からなる液室・
供給部を有するヘッドへの接液性については温度変化に
よる著しいpHの低下といったインクそのものの劣化が
あり、さらに腐食・侵食が発生し、吐出特性等に悪影響
を及ぼしていた。
【0004】一方、染料系インクでは発熱素子の腐食・
コゲーションの防止に対して燐酸塩等の添加がUSP5
0623892号明細書、USP5389131号明細
書や特開平7−268665号公報に開示されており、
硫酸塩を0.1〜1重量%、水酸化物が0.1〜1重量
%含むことで防止するものが特開平7−102389号
公報に開示されている。しかしながら、顔料系にこれら
を単純に適用すると顔料の凝集が起こる等の問題があっ
た。また、特定の染料との組み合わせでpH安定性の問
題を解決するために、pH緩衝剤として硼酸ナトリウ
ム、N−トリス(ヒドロキシ)メチル−2アミノエタン
スルホン酸、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)グリシ
ン、トリエタノールアミン及びトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノエタンを添加するインクが特開平4−226
175号公報に開示されている。また、2−(シクロヘ
キシルアミノ)エタンスルホン酸、3−N−シクロヘキ
シルアミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−
N−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸及びグリ
シンから選ばれる少なくとも1種の化合物とアルカリ金
属水酸化物または炭酸化物を含有しpHを9.5−9.
8に調整し、60℃1週間放置後もpH低下が少ないイ
ンクが特開平8−41398号公報に開示されている。
しかしながら、これらの公報では特定の染料についての
pH安定性に関わり、染料そのものも緩衝作用をある程
度有している。また、染料と有機性弱塩基性物質として
2−アミノ−1,3−プロパンジオール誘導体を含有
し、pH8〜10に調整されたインクが特開平9−26
8267号公報に開示されている。これら染料にも緩衝
性があり、60℃保存後もpHを9〜9.3に保つこと
を可能としている。
【0005】これらに対して表面処理を施した顔料では
イオン強度が高くなると凝集することがあるため、でき
るだけ解離基を有する低分子化合物を限外濾過等の方法
で除去することにより安定性を確保している。また、分
散剤を使用する顔料インクについて、特開平4−149
286号公報にpH6以下のカーボンブラックを用いて
緩衝液を使用してインクpHを6より高く8未満とした
インクが開示されている。分散剤分散のカーボンブラッ
クでは、自己分散顔料に比べ再分散性が悪いといった問
題があった。また、初期充填性を改良する目的や溶存気
体の温度変化による発泡を抑える目的でカートリッジに
脱気したインクが用いられているが、ヘッド接液部材へ
の耐久性を含めた検討は十分に検討なされていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、色材として表面処理を施された顔料を含有するイン
クでの保存安定性を向上し、プリンターシステム内での
接液する部材の耐久性を向上することを目的とする。本
発明の第2の目的は、色材として表面処理を施された顔
料を含有するインクで、特に大気開放された場合でも、
安定したインク物性を有するインクをヘッドに供給でき
るインク処方を提供することにある。本発明の第3の目
的は、特に好ましいインク添加物の態様を示すことで顔
料の環境変化による凝集が発生しにくい顔料インクを提
供することにある。本発明の第4の目的は、特に好まし
い表面処理顔料の態様を示すことで耐水性が良好で文字
滲み、カラー境界の滲みが少ない高信頼性の顔料インク
を提供することにある。本発明の第5の目的は、耐目詰
まり性に優れ、かつヘッド内部のフルター等の寿命を長
期にわたって維持可能な顔料インクを提供することにあ
る。本発明の第6の目的は、吐出特性を安定にするため
の好ましい粘度調整用のインク添加物を開示することに
ある。本発明の第7の目的は、記録紙への濡れ性を改善
しスミヤーの発生を抑え定着性を改善する添加物を開示
することにある。本発明の第8の目的は、普通紙等への
高速高画質を行える記録方法を提供することにある。本
発明の第9の目的は、該インクを収容し安定に装置に供
給する記録用カートリッジを提供することにある。本発
明の第10の目的は、該インクを用いて普通紙等へ高速
高画質のカラー画像が供給できる記録方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「色材として表面処理を施された顔料を含有し、
これを分散する水溶性有機溶剤と水を含有し、下記A)
より選択された有機pH緩衝剤と下記B)、C)から選
ばれた少なくとも1つの化合物を含有することを特徴と
する記録液; A)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−ア
ミノメチル−1,3−プロパンジオール及びグッド緩衝
剤から選ばれる少なくとも1つの有機pH緩衝剤 B)第4級アルキルアンモニウム水酸化物、第4級アル
キルホスホニウム水酸化物、アルカノールアミンから選
ばれた一つの塩基性有機化合物からなるpH調整剤 C)燐酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる1つの
酸性化合物」、(2)「インクの溶存空気量が20℃、
1気圧において0.0001ml/ml−0.02ml
/mlであり、該インクのpHが8〜11であることを
特徴とする前記第(1)項記載の記録液」、(3)「ア
ルキルアンモニウム、アルキルホスホニウムが下記式
(I)であることを特徴とする前記第(1)項または第
(2)項に記載の記録液;
【0008】
【化2】 (L:窒素またはリン、R1〜R4:水素、炭素数1〜4
のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アル
キル基)」、(4)「表面処理した顔料がカルボン酸基
が導入された自己分散型カーボンであり、含有量が0.
1〜10重量%であることを特徴とする前記第(1)項
乃至第(3)項の何れか1に記載の記録液」、(5)
「前記第(4)項に記載の自己分散型カーボンの粒径が
10〜300nmに分布を持ち数平均粒子径が15〜1
10nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(4)項の何れか1に記載の記録液」、(6)「記録液
の水溶性有機溶剤がグリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−
ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
ール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグ
リコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれる少なくと
も一つ以上の水溶性有機溶剤を含有することを特徴とす
る請求項1乃至5の何れか1に記載の記録液」、(7)
「記録液がさらにポリオキシエチレンアルキルエーテル
酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アセチレングリコ
ール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リエチレン−ポリプロピレン共重合体、フッ素系界面活
性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有し
たことを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何
れか1に記載の記録液」、(8)「記録液がさらに炭素
数6以上のジオールとアルキルエーテルを含有したこと
を特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れか1
に記載の記録液」により達成される。
【0009】また、上記課題は、本発明の(9)「前記
第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の記録液にエ
ネルギーを与えて、記録液を滴化させ飛翔させて記録を
行なうことを特徴とするインクジェット記録方法」、
(10)「前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記
載の記録液に熱エネルギーを作用させて、記録液を吐出
することを特徴とする請求項6記載のインクジェット記
録方法」、(11)「前記第(1)項乃至第(8)項の
何れかに記載の記録液に機械エネルギーを作用させて記
録液を吐出することを特徴とする前記第(6)項に記載
のインクジェット記録方法」により達成される。
【0010】さらにまた、上記課題は、本発明の(1
2)「記録液を収容した記録液収容部を備えた記録液カ
ートリッジにおいて、前記記録液が前記第(1)項乃至
第(8)項の何れか1に記載の記録液であることを特徴
とする記録液カートリッジ」、(13)「記録液を収容
した記録液収容部あるいは記録液カートリッジ、該記録
液を熱エネルギーの作用により滴化し吐出させるための
ヘッド部あるいは記録ユニットを備えたインクジェット
記録装置において、前記記録液が前記第(1)項乃至第
(8)項の何れか1に記載の記録液であることを特徴と
する記録装置」により達成される。
【0011】本発明では、従来の分散剤分散型顔料イン
クに比べ、信頼性の改善された表面処理の施された顔料
を用いる際の不具合を解消し、高耐久性のインクジェッ
トシステムを提供することを可能とするインク処方を提
供することに関する。本発明のインクは、PZTによる
圧力を用いたもの、静電気力により撓ませた振動板によ
り吐出するもの、膜沸騰を利用したバブルジェット(登
録商標)方式のドロップオンディマンドインクジェット
プリンターはもとより、インクを荷電するとともにPZ
Tで振動させるいわゆる荷電制御方式のいずれのプリン
ターにも良好に使用できる。特に信頼性の高さから20
μm以下のノズル径の小さなものでも安定に吐出でき
る。
【0012】本発明者らは、表面処理の施された顔料に
ついて検討してきたところ、従来の分散剤タイプの顔料
に比べ、空気中の炭酸ガスの影響がなくともインクpH
が低下し易いという問題点があることを見い出し、さら
に、この点について、下記(A)から(B)群の化合物
の添加により分散安定性を損なうことなく改善できるこ
とを見出した。ここで、「表面処理の施された顔料」と
は、強酸化剤で表面処理し、改ざんした顔料、スルホン
化処理を施した顔料、ジアゾ化合物等の負極性物質の強
制付着処理を施した顔料、プラズマ処理、イオン打ち込
み処理、強制陽極酸化処理、空気中での高周波処理、負
極性物質のプレーティング処理のような表面処理を施し
た顔料を意味し、従って、本明細書でいう「表面処理の
施された顔料」は、一般的に、イオン結合、共有結合等
の化学結合と、吸着、収着等の付着とがその比率にして
併存しており、かつ処理の際に発生または随伴する不純
物を強く付着していることもあると思われる。pH低下
の原因は、カーボンブラックを用いたものの場合は、カ
ーボンの不純物由来の酸等や未反応物の影響が考えられ
るが解明はされていない。このpH低下は、温度が高い
と著しく発生し、輸送時で高温となることを考慮する
と、接液部材の耐久性を落とす酸発生が問題とされる。
そこで、インク中への酸発生によるpH低下を緩衝剤に
て抑えようとした場合、従来から知られる硼酸塩の添加
ではイオン吸着のためによると思われるζ電位の低下に
よる凝集が発生してしまう。そこで、顔料表面への吸着
が少なくpH緩衝性を付与する必要がある。種々の緩衝
剤を検討したところ、顔料の分散性を損なわない緩衝剤
として(A)群の化合物が好ましいことが明らかとなっ
た。
【0013】(A)群、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン、2−アミノメチル-1,3−プロパンジオ
ール及びグッド緩衝剤から選ばれる少なくとも1つの有
機pH緩衝剤。 グッド緩衝剤 ACES:化学名 N−(2−Acetamido)−
2−aminoethanesulfonic aci
【0014】
【化3】 H2NCOCH2NHCH2CH2SO3H ――――(1) ADA:化学名 N−(2−Acetamido)im
inodiaceticacid
【0015】
【化4】 H2NCOCH2N(CH2COOH)2 ――――(2) BES:化学名 N,N−Bis(2−hydroxy
ethyl)−2−aminoethanesulfo
nic acid
【0016】
【化5】(HOCH2CH22NCH2CH2SO3H Bicine:化学名 N,N−Bis(2−hydr
oxyethyl)glycine
【0017】
【化6】 (HOCH2CH22NCH2COOH ―――――(3) Bis−Tris:化学名 Bis(2−hydrox
yethyl)iminotris(hydroxym
ethyl)methane
【0018】
【化7】 (HOCH23CN(CH2CH2OH)2 ―――――(4) CAS:化学名 N−Cyclohexyl−3−am
inopropanesulfonic acid
【0019】
【化8】 CAPSO:化学名 N−Cyclohexyl−2−
hydroxy−3−aminopropanesul
fonic acid
【0020】
【化9】 CHES:化学名 N−Cyclohexyl−2−a
minoethanesulfonic acid
【0021】
【化10】 DIPSO:化学名 3−[N,N−Bis(2−hy
droxyethyl)amino]−2−hydro
xypropanesulfonic acid
【0022】
【化11】 EPPS:化学名 3−[4−(2−Hydroxye
thyl)−1−piperazinyl]propa
nesulfonic acid
【0023】
【化12】 HEPES:化学名 2−[4−(2−Hydroxy
ethyl)−1−piperazinyl]etha
nesulfonic acid
【0024】
【化13】 HEPPSO:化学名 2−Hydroxy−3−[4
−(2−hydroxyethyl)−1−piper
azinyl]propanesulfonicaci
d, monohydrate
【0025】
【化14】 MES:化学名 2−Morpholinoethan
esulfonic acid, monohydra
te
【0026】
【化15】 MOPS:化学名 3−Morpholinoprop
anesulfonicacid
【0027】
【化16】 MOPSO:化学名 2−Hydroxy−3−mor
pholinopropanesulfonic ac
id
【0028】
【化17】 PIPES:化学名 Piperazine−1,4−
bis(2−ethanesulfonic aci
d)
【0029】
【化18】 POPSO:化学名 Piperazine−1,4−
bis(2−hydroxy−3−propanesu
lfonic acid), dihydrate
【0030】
【化19】 TAPS:化学名 N−Tris(hydroxyme
thyl)methyl−3−aminopropan
esulfonic acid
【0031】
【化20】 (HOCH23CNHCH2CH2CH2SO3H ――――(17) TAPSO:化学名 2−Hydroxy−N−tri
s(hydroxymethyl)methyl−3−
aminopropanesulfonic acid
【0032】
【化21】 TES:化学名 N−Tris(hydroxymet
hyl)methyl−2−aminoethanes
ulfonic acid
【0033】
【化22】 (HOCH23CNHCH2CH2SO3H ――――――(19) Tricine:化学名 N−[Tris(hydro
xymethyl)methyl]glycine
【0034】
【化23】 (HOCH23CNHCH2COOH ―――――(20)
【0035】これら(A)群の成分、即ちトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン、2−アミノメチル−1,
3−プロパンジオール及びグッド緩衝剤から選ばれる少
なくとも1つの有機pH緩衝剤について説明すると、少
なくとも1つの水酸基を有し、置換アミノ基を有する炭
素数5以上の塩基性有機化合物であるトリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン、2−アミノメチル−1,3−
プロパンジオールは単酸性塩基としてインク中への炭酸
ガスの溶解による炭酸の増加によるpH低下と、顔料表
面からのアニオン性解離基の脱離によるpH低下を押さ
えることができる作用があり、グッド緩衝剤は両性イオ
ン性アミノ酸及び、少なくとも1つの水酸基を有し、置
換アミノ基を有する炭素数5以上の塩基性有機化合物と
して同様の効果を有しpH低下を押さえることができる
効果があり、アニオン解離基を直接または原子団を介し
て導入された顔料インクのpH低下防止剤として機能す
る。これらの化合物で特に好ましい化合物としては、そ
の使用するプリンターヘッドを構成する部材にもよる
が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、CAP
S、CAPSO、CHESが挙げられる。これらの添加
量は0.05〜10重量%、より好ましくは0.15〜
5重量%添加される。0.05重量%以下ではpH低下
防止効果が少なく、保存性が悪くなり、5重量%以上で
は粘度上昇が認められる場合がある。
【0036】次に、本発明における(B)群のpH調整
剤について説明すると、アルカリ性にするためには、通
常はpH調整剤として、水酸化ナトリウム等のアルカリ
金属水酸化物が添加されるが、本発明においては(B)
群の下記(I)式で示される第4級アンモニウム、第4
級ホスホニウム及びアルカノールアミンを添加すること
で、(A)群の有機pH緩衝剤の機能発揮を損なうこと
なく、顔料表面のイオン吸着によるζ電位変化による分
散破壊を抑えることができることを見出した。
【0037】これら(B)群のpH調整剤、即ち第4級
アルキルアンモニウム水酸化物、第4級アルキルホスホ
ニウム水酸化物、アルカノールアミンから選ばれた一つ
の塩基性有機化合物は、インクのpHを高くする際に顔
料分散を阻害することなくpH調整できる塩基性pH調
整剤であり、金属部材をインク接液部に用いた場合に、
腐食を押さえる目的で添加され、腐食防止材としての機
能がある。これらの中で特に好ましい化合物としては、
水酸基を少なくとも1つ含んだ第4級アンモニウム、よ
り具体的にはI−2の化合物やI−4の化合物が好まし
い。また、色材の種類によっては、I−8の化合物が金
属部材の侵食防止効果があり好ましい。トリエタノール
アミンを用いることも好ましい。これらの添加量は所望
のpH、また用いるインク組成により異なるが、インク
中のアニオンモル数に対して30%以上添加されると腐
食に効果があり、インク中の組成によるが、0.001
〜1重量%の範囲で添加される。1重量%以上ではイン
クの皮膚感作性に影響が出る場合がある。
【0038】
【化24】 (L:窒素またはリンR1〜R4:水素、炭素数1〜4の
アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキ
ル基)
【0039】
【表1】
【0040】更に、本発明における(C)群の化合物と
して、燐酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる1つ
の酸性化合物有機酸としてはより具体的には酢酸、リン
ゴ酸、乳酸、しゅう酸が挙げることができる。本発明に
おいては、これら(C)群の成分は、前記(A)群の成
分、(B)群の成分の機能に悪影響を与えることなく、
本発明の記録液の変質を長期に亘って防ぐことができ
る。
【0041】これら(C)群の化合物、即ち燐酸及び炭
素数5以下の有機酸から選ばれる1つの酸性化合物は、
インクのpHを低くする際に顔料分散を阻害することな
くpH調整できる酸性pH調整剤であり、好ましくは炭
素数5以下の好ましい有機酸としては水酸機を有する乳
酸、りんご酸等を用いると保存性が高い。また、粘度上
昇が少ない点から酢酸を用いることも好ましい。これら
の添加量は、所望のpHまた用いるインク組成により異
なるが、インク中に0.001から1重量%の範囲で添
加される。0.001未満では溶出防止効果がなかった
り、1重量%以上では画像特性に影響がでてくる場合が
ある。特に、これら酸性pH調整剤はアルカリ側で溶解
するシリコン部材等をインク排液部に用いた場合に、侵
食を押さえる目的でpHを低下する目的で添加され、腐
食防止機能がある。
【0042】一般的に、インクジェット記録装置はその
用途によりインク液室や供給路、インクタンクを構成す
る部材が異なり、特にヘッド据え置き型でインクタンク
のみ交換するタイプでは部材の劣化・インク変質等によ
る信頼性低下が問題となる。そこでそのインク記録装置
の構成により、所望のpHが異なるため、本発明におい
ては、例えば、アルカリ側で溶解するポリエステル等の
樹脂部材を使用する場合は、pH6−8の中性域近傍で
安定するようにインクを調整する必要があり、また、金
属部材を用いる場合はpHを8−13、Ni等を使用す
る場合は通常pHを9〜12に調整することが好まし
い。また、色材の種類によっても腐食特性、侵食特性が
異なり、特に本発明におけるアニオン基を有する官能基
が表面に結合した顔料を用いる場合は、スルホン酸等の
脱離による接液性への影響を押さえる必要がある。次表
に、本発明を実施する上で一応の目安となるpH範囲の
ための化合物例を示す。
【0043】
【表2−1】
【0044】
【表2−2】 なお、所望のpHに調整する際にpKaがその範囲にあ
る化合物を添加することで保存安定性を高くすることが
できる。
【0045】(A)群の添加剤で好ましいものとして
は、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが
挙げられる。また、(B)群の添加剤で、インクの保存
時の物性変化からは、少なくとも水酸基を有する第4級
アンモニウム水酸化物として、I−2、I−4の化合物
等が好ましく用いられる。(C)群の添加剤について説
明すると、燐酸または酢酸が熱素子を用いるタイプのサ
ーマルインクジェット方式の吐出性から好ましく、保存
性からは乳酸の使用が好ましい。
【0046】本発明のインク中の顔料の添加量はその使
用目的にもよるが、0.1〜20重量%、好ましくは、
0.2〜8重量%の範囲で使用される。0.1以下では
淡色インクに用いた場合でも着色力がなく、20%以上
では粘度が高く吐出することが難しい。
【0047】本発明で用いられる顔料としては、有機顔
料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン
系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペ
リレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、ア
ゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラッ
ク等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、
炭酸カルシウム硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バ
リウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエ
ロー、金属粉が挙げられる。より具体的には、黒用顔料
として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチ
レンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラッ
ク(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化
物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、若
しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.
I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げること
ができる。
【0048】カラーインク用顔料としては黄色インク用
でC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエロー
G),3,12(ジスアゾイエローAAA),13,1
4,17,23,24,34,35,37,42(黄色
酸化鉄),53,55,74,81,83(ジスアゾイ
エローHR),95,97,98,100,101,1
04,108,109,110,117,120,12
8,138,150,153;マゼンタ用で、C.I.
ピグメントレッド1,2,3,5,17,22(ブリリ
アントファーストスカーレット),23,31,38,
48:2(パーマネントレッド2B(Ba)),48:
2(パーマネントレッド2B (Ca)),48:3
(パーマネントレッド2B(Sr)),48:4(パー
マネントレッド2B(Mn)),49:1,52:2,
53:1,57:1(ブリリアントカーミン6B),6
0:1,63:1,63:2,64:1,81(ローダ
ミン6Gレーキ),83,88,92,101(べんが
ら),104,105,106,108(カドミウムレ
ッド),112,114,122(ジメチルキナクリド
ン),123,146,149,166,168,17
0,172,177,178,179,185,19
0,193,209,219;シアン用で、C.I.ピ
グメントブルー1,2,15(銅フタロシアニンブルー
R),15:1,15:2,15:3(フタロシアニン
ブルーG),15:4,15:6(フタロシアニンブル
ーE),16,17:1,56,60,63;等を使用
することができる。また中間色としては、レッド、グリ
ーン、ブルー用として下記顔料単独もしくは混合して用
いることができる。C.I.ピグメントレッド177,
194,224、C.I.ピグメントオレンジ43、
C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,3
7、C.I.ピグメントグリーン7,36。
【0049】黒としてはカーボンブラックとしては、フ
ァーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラック
で、1次粒子が15nmから40nm、BET吸着法に
よる比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が
40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10
%、pH2〜9を有するものが使用され、特にpH6以
下の酸性カーボンブラックが高濃度で好ましい。また次
亜塩素酸化処理したカーボンブラックやスルホン化剤処
理したカーボンブラック、ジアゾニュウム化合物にて処
理してスルホン酸、カルボン酸等のアニオン性解離基を
導入したカーボンブラックがさらに好ましい。イエロー
顔料としてはベンチジン骨格を含まないC.I.ピグメ
ントイエロー74,128,138が好ましい。マゼン
タ顔料としてはキナクリドン系のC.I.ピグメントレ
ッド122,209が好ましい。シアンはフタロシアニ
ン化合物であるC.I.ピグメントブルー15:3やア
ルミ配位フタロシアニン、無金属フタロシアニンが好ま
しい。これらカラー有機顔料も表面処理によりスルホン
酸基、カルボン酸基が導入された顔料はさらに分散安定
性が優れ、分散剤なしに分散安定性が得られるものは自
己分散顔料として好適に用いることができる。また、表
面をカプセル化した顔料やポリマーをグラフトした顔料
等も分散安定性に優れ信頼性の高いインクとすることが
できる。
【0050】参考例1 次亜塩素酸処理したカーボンブ
ラック1 市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット
社製 商品名モナーク1300)300gを水1000
ミリリットルに良く混合した後に、次亜塩素酸ソーダ
(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜
105℃で8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソ
ーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散
機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に
希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.
2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度
15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理によ
り粗大粒子を除き、さらに1ミクロンのナイロンフィル
ターで濾過しカーボンブラック分散液1とした。Fe,
Ca,Siの含有量の総計がICPの測定により100
ppm以下であった。また塩素イオン濃度も10ppm
以下とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒
子径(D50%)は95nmであった
【0051】参考例2 スルホン化剤処理したカーボン
ブラック2 市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製「プリンテッ
クス#85」)150gをスルホラン400ml中に良
く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを
添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られ
たスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、1
2000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブ
ラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウ
エットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散
し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜によ
り脱塩濃縮し、顔料濃度10重量%のカーボンブラック
分散液とした。このものを1ミクロンのナイロンフィル
ターで濾過しカーボンブラック液2とした。Fe,C
a,Siの含有量の総計はICPの測定により100p
pm以下であった。また硫酸イオン濃度も100ppm
以下であった。平均粒子径は80nmであった。
【0052】参考例3 ジアゾ化合物処理したカーボン
ブラック分散液3 表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/1
00gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N
−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに
硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50
gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加
え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に
希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノール
アミンにて調整しpH8−9とし、限外濾過膜にて脱塩
濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とし
た。このものをポリプロピレンの0.5μmフィルター
にてカーボンブラック分散液3とした。Fe,Ca,S
iの含有量の総計はICPの測定により100ppm以
下であった。また硝酸イオン濃度は10ppm以下であ
った。平均粒子径は99nmであった。
【0053】参考例4 ジアゾ化合物処理したカーボン
ブラック分散液4 例1−カーボンブラック生産品の調製 2リットルの水と43gのスルファニル酸を含む約75℃
の溶液を、撹拌しながら、230m2/gの表面積と7
0ml/100gのDBPAを有する202gのカーボ
ンブラックに添加した。この混合物を撹拌しながら室温
まで冷やし、26.2gの濃硝酸を添加した。水中の亜
硝酸ナトリウムの20.5gの溶液を添加した。4−ス
ルホベンゼンジアゾニウム水酸化物内部塩を作製し、こ
れをカーボンブラックと反応させた。発生した泡立ちが
停止するまで分散系を撹拌した。得られたスラリーを希
釈し、水酸化リチウムにてpHを調整しpH8−9とし
て粗大粒子を遠心処理にて除き、引き続いて限外濾過膜
にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散
液とした。このものをポリプロピレンの1μmフィルタ
ーにて濾過しカーボンブラック分散液4とした。Fe,
Ca,Siの含有量の総計はICPの測定により100
ppm以下であった。また硝酸イオン濃度は50ppm
以下であった。平均粒子径は95nmであった。
【0054】参考例5 表面化学処理したカラー顔料分
散液(イエロー分散液1、マゼンタ分散液1、シアン分
散液1) イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128
を低温プラズマ処理し、カルボン酸基を導入した顔料を
作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外
濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のイエロー顔料分
散液1とした。平均粒子径70nm、Fe,Ca,Si
の含有量の総計は100ppm以下であった。同様にマ
ゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を
用いて顔料濃度15%のマゼンタ顔料分散液1を作製し
た。平均粒子60nm、Fe,Ca,Siの含有量の総
計は100ppm以下であった。同様にシアン顔料とし
てC.I.ピグメントシアン15:3を用いて顔料濃度
15%のシアン顔料分散液1を作製した。平均粒子径8
0nm、Fe,Ca,Siの含有量の総計は100pp
m以下であった。
【0055】本発明のインクには上記着色剤、溶媒の他
に従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、
ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オ
キサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロ
ロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。本発
明では、界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性
を改善することができる。好ましい界面活性剤として
は、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、
ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げ
られる。より具体的には、アニオン系界面活性剤として
はポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩である一
般式(II)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したア
ルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸である一般式
(III)を用いることで、普通紙特性も改善されさらに
着色剤の溶解・分散安定性が得られる。
【0056】
【化25】 R−O−(CH2CH2O)mCH2COOM …(II) R:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、m:
3〜12、M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン。
【0057】
【化26】 5、R6:炭素数5〜7の分岐したアルキル基、 M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級
ホスホニウム、アルカノールアミン。 さらに、本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウム
イオン、及び下記一般式で示される第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤
が優れた溶解安定性を示す。
【0058】好ましい非イオン系の界面活性剤として、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである下
記一般式(IV)、アセチレングリコール系界面活性剤で
ある下記一般式(V)の活性剤があげられる。これらを
併用することにより、さらに相乗効果として浸透性があ
げられ、これにより色境界にじみが低減され、また文字
にじみも少ないインクが得られる。
【0059】
【化27】 Rは分岐しても良い6〜14の炭素鎖、 k:5〜1
2。
【0060】
【化28】 p,qは0〜40。
【0061】なお、このインクのpHを6以上にするこ
とにより、インクの保存安定性が得られ、また、オフィ
スで使用されているコピ−用紙や用箋等はpHが5〜6
のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μm
の微細な吐出口より吐出し重量が3ng〜50ngの液
滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を
1.5g/m2から30g/m2としてJIS P−81
22試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の所謂
普通紙に記録することにより、高画質、高解像の記録画
像を形成する記録方式を提供することができる。ただ
し、pHが9以上では保存時に(III)の活性剤では分
解による物性変化が起こりやすいため上記式(III)を
用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
【0062】本発明に用いることができる一般式(I
I)、一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)の添
加量は、0.05〜10重量%の間でプリンターシステ
ムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性をあ
たえることが可能である。ここで0.05%以下では、
いずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、
10重量%以上添加する場合は化合物自体が低温で析出
しやすことがあり信頼性が悪くなる。
【0063】次に、本発明に用いる界面活性剤の一般式
(II)、(III)を具体的に遊離酸型で示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】本発明のインクは、水を液媒体として使用
するものであるが、インクを所望の物性にするため、イ
ンクの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の
溶解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機
溶媒を使用することができる。エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3
ブタンジオール、2,3ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサン
ジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブ
タントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テト
ラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアル
キルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエー
テル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多
価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε
−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等
のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオ
ジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。こ
れらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して
用いられる。
【0067】これらの中で特に好ましいものは、ジエチ
レングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリ
コール200〜600、トリエチレングリコール、グリ
セロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,
4−ブタントリオール、ペトリオール、1,3ブタンジ
オール、2,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリ
ドン、1,3ジメチルイミダゾリジノンであり、これら
を用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発に
よる噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られ
る。特に、本発明において着色剤の分散安定性を得るの
に好ましい溶剤として、N−ヒドロキシエチル2−ピロ
リドン等のピロリドン誘導体が挙げられる。
【0068】また、本発明の界面活性剤の一般式(I)
〜(V)以外で表面張力を調整する目的で添加される浸
透剤としては、ジエチレングリコールモノフェニルエー
テル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチ
レングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テ
トラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多
価アルコールのアルキル及びアりールエーテル類、2−
エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2、4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、2,2ジメチル1,
3プロパンジーオール等のジオール類、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系
界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級ア
ルコール類が挙げられるが、特に好ましいのは多価アル
コールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−ト
リメチル1,3ペンタンジオールである。
【0069】本発明において、インクの表面張力とは紙
への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒
以下の短い時間での動的表面張力を測定することが、イ
ンクの浸透性と対応する。飽和時間で測定される静的表
面張力とは異なる。測定法としては、特開昭63−31
237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動
的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用で
きる。表面張力の値は50mN/m以下が好ましく、よ
り好ましくは40mN/m以下とすると優れた乾燥性が
得られる。これに対してインクの吐出安定性からは動的
な表面張力が低下しすぎると粒子化が不安定となりやす
い。安定に吐出できる動的な表面張力は1m秒において
好ましくは40mN/m以上である。
【0070】粘度の範囲としては1mPa・sから10
mPa・sの間で吐出方式により適宜選定される。イン
ク中の顔料粒子径範囲としては10nm〜300nmの
ものを用い、平均粒子径が60nm〜120nmとする
ことが好ましい。インク中の固形分両は1〜25重量
%、水分量は25〜93重量%の範囲、より好ましくは
50〜80重量%の範囲である。本発明では、インク中
の顔料インクの粒子表面のζ電位等の関係から分散安定
性を損なわない電導度範囲として、1ms/cm〜6m
s/cmの範囲とすると顔料の凝集等の発生を起さず長
期に渡って粒子径の変化の少ない信頼性の高いインクと
することができる。分散を阻害しない電導度調整剤を添
加することもできる。好ましい電導度調整剤としては、
テトラメチルアンモニウム塩化物等の第4級アンモニウ
ム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0071】本発明の着色剤としては必要に応じて他の
着色剤と混合して用いることができる。用いられる水溶
性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染
料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に
分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられ
る。これらは効果が疎外されない範囲で添加される。こ
れら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料と
して、 C.I.アシッド.イエロー 17,23,42,4
4,79,142、 C.I.アシッド.レッド 1,8,13,14,1
8,26,27,35,37,42,52,82,8
7,89,92,97,106,111,114,11
5,134,186,249,254,289、 C.I.アシッド.ブルー 9,29,45,92,2
49、 C.I.アシッド.ブラック 1,2,7,24,2
6,94、 C.I.フード.イエロー 3,4、 C.I.フード.レッド 7,9,14、 C.I.フード.ブラック 1,2。
【0072】直接性染料として、 C.I.ダイレクト.イエロー1,12,24,26,
33,44,50,86 ,120,132,142,
144、 C.I.ダイレクト.レッド 1,4,9,13,1
7,20,28,31,39,80,81,83,8
9,225,227、 C.I.ダイレクト.オレンジ 26,29,62,1
02、 C.I.ダイレクト.ブルー 1,2,6,15,2
2,25,71,76,79,86,87,90,9
8,163,165,199,202、 C.I.ダイレクト.ブラック 19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77,154,1
68,171。
【0073】塩基性染料として、 C.I.ベーシック.イエロー 1,2,11,13,
14,15,19,21,23,24,25,28,2
9,32,36,40,41,45,49,51,5
3,63,64,65,67,70,73,77,8
7,91、 C.I.ベーシック.レッド 2,12,13,14,
15,18,22,23,24,27,29,35,3
6,38,39,46,49,51,52,54,5
9,68,69,70,73,78,82,102,1
04,109,112、 C.I.ベーシック.ブルー 1,3,5,7,9,2
1,22,26,35,41,45,47,54,6
2,65,66,67,69,75,77,78,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,147,155、 C.I.ベーシック.ブラック 2,8。
【0074】反応性染料として、 C.I.リアクティブ.ブラック 3,4,7,11,
12,17、 C.I.リアクティブ.イエロー 1,5,11,1
3,14,20,21,22,25,40,47,5
1,55,65,67、 C.I.リアクティブ.レッド 1,14,17,2
5,26,32,37,44,46,55,60,6
6,74,79,96,97、 C.I.リアクティブ.ブルー 1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,95 等が使用できる。特に酸性染料及び直接性染料が好まし
く用いることができる。本発明のインクには上記着色
剤、溶媒の他に従来より知られている添加剤を加えるこ
とができる。
【0075】例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸
ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ
ール1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、
ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等
が本発明に使用できる。pH調整剤としては、調合され
るインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整で
きるものであれば、任意の物質を使用することができ
る。pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を
およぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、
任意の物質を使用することができる。その例として、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、
第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸
化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0076】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。
【0077】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジ
イソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタ
エリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラ
イト等がある。その他目的に応じて水溶性紫外線吸収
剤、水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
【0078】
【発明の実施の形態】次に、上記した本発明の水性顔料
インクを用いて記録を行なうのに好適な、本発明のイン
クジェット記録装置の一例を以下に説明する。先ず、熱
エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部
であるヘッド構成の一例を図1に示す。 図1は、イン
ク流路に沿ったヘッド(13)の断面図であり、ヘッド
(13)はインクを通す流路(ノズル)(14)を有す
るガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等
と発熱素子基板(15)とを接着して得られる。発熱素
子基板(15)は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シ
リコン等で形成される保護層(16)、アルミニウム、
金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極(17−
1)及び(17−2)、HfB2、TaN、TaAl等
の高融点材料から形成される発熱抵抗体層(18)、熱
酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層
(19)、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム
等の放熱性のよい材料で形成される基板(20)よりな
っている。
【0079】上記ヘッド(13)の電極(17−1)及
び(17−2)にパルス状の電気信号が印加されると、
発熱素子基板(15)のnで示される領域が急速に発熱
し、この表面に接しているインク(21)に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス(23)が突出し、インク
(21)がヘッドのノズル(14)を通して吐出し、吐
出オリフィス(22)よりインク小滴(24)となり、
被記録材(25)に向かって飛翔する。
【0080】図2に、このヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図2において、(61)
はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は
ブレード保持部材によって保持固定されており、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード(61)は、記録ヘッド
(65)による記録領域に隣接した位置に配置され、
又、本例の場合、記録ヘッド(65)の移動経路中に突
出した形態で保持される。
【0081】(62)は記録ヘッド(65)の突出口面
のキャップであり、ブレード(61)に隣接するホーム
ポジションに配置され、記録ヘッド(65)の移動方向
と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キ
ャッピングを行なう構成を備える。更に、(63)はブ
レード(61)に隣接して設けられるインク吸収体であ
り、ブレード(61)と同様、記録ヘッド(65)の移
動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード
(61)、キャップ(62)及びインク吸収体(63)
によって吐出回復部(64)が構成され、ブレード(6
1)及びインク吸収体(63)によって吐出口面に水
分、塵埃等の除去が行なわれる。(65)は、吐出エネ
ルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向
する被記録材にインクを吐出して記録を行なう記録ヘッ
ド、(66)は記録ヘッド(65)を搭載して記録ヘッ
ド(65)の移動を行なうためのキャリッジである。キ
ャリッジ(66)はガイド軸(67)と摺動可能に係合
し、キャリッジ(66)の一部はモーター(68)によ
って駆動されるベルト(69)と接続している。これに
よりキャリッジ(66)はガイド軸(67)に沿った移
動が可能となり、記録ヘッド(65)による記録領域及
びその隣接した領域の移動が可能となる。(51)は被
記録材を挿入するための紙給部、(52)は不図示のモ
ーターにより駆動される紙送りローラーである。これら
の構成により記録ヘッドの(65)吐出口面と対向する
位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排
紙ローラー(53)を配した排紙部へ排紙される。以上
の構成において記録ヘッド(65)が記録終了してホー
ムポジションへ戻る際、吐出回復部(64)のキャップ
(62)は記録ヘッド(65)の移動経路から退避して
いるが、ブレード(61)は移動経路中に突出してい
る。その結果、記録ヘッド(65)の吐出口がワイピン
グされる。
【0082】なお、キャップ(62)が記録ヘッド(6
5)の吐出面に当接してキャッピングを行なう場合、キ
ャップ(62)は記録ヘッドの移動経路中に突出するよ
うに移動する。記録ヘッド(65)がホームポジション
から記録開始位置へ移動する場合、キャップ(62)及
びブレード(61)は上記したワイピングの時の位置と
同一の位置にある。この結果、この移動においても記録
ヘッド(65)の吐出口面はワイピングされる。上述の
記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時
や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために
記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接し
たホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワ
イピングが行われる。
【0083】図3は、記録ヘッドにインク供給部材、例
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジの一例を示す図である。ここで(4
0)は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、
インク袋であり、その先端にはゴム製の栓(42)が設
けられている。この栓(42)に針(不図示)を挿入す
ることにより、インク袋(40)中のインクをヘッドに
供給可能にする。(44)は廃インクを受容するインク
吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面
がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されている
ものが好ましい。本発明で使用されるインクジェット記
録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリ
ッジとが別体となったものに限らず、図4に示すような
それらが一体になったものにも好適に用いられる。図4
において、(70)は記録ユニットであり、この中には
インクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体
が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複
数オリフィスを有するヘッド部(71)から液滴として
吐出される構成になっている。インク吸収体の材料とし
てはポリウレタン、セルロース、ポリビニルアセテート
又はポリオレフィン系樹脂を用いることが本発明にとっ
て好ましい。又、インク吸収体を用いず、インク収容部
が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造で
もよい。(72)はカートリッジ内部を大気に連通させ
るための大気連通口である。この記録ユニット(70)
は、図2に示す記録ヘッド(65)に換えて用いられる
ものであって、キャリッジ(66)に対して着脱自在に
なっている。
【0084】次に、力学的エネルギーを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズ
ルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置さ
れる圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この
圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧に
より圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズル
から吐出させるオンデマンドインクジェット記録装置を
挙げることができる。その記録装置の主要部である記録
ヘッドの構成の一例を図5に示す。ヘッドは、図示され
ていないインク室に連通したインク流路(80)と、所
望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレー
ト(81)と、インクに直接圧力を作用させる振動板
(82)と、この振動板(82)に接合され、電気信号
により変位する圧電素子(83)と、オリフィスプレー
ト(81)、振動板(82)等を支持固定するための基
板(84)とから構成されている。
【0085】図5において、インク流路(80)は、感
光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート(81)
は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工
による穴あけ等により吐出口(85)が形成され、表面
にPTFEニッケルの共析メッキ等の撥インク層が設け
られている。振動板(82)はステンレス、ニッケル、
チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形
成され、圧電素子(83)は、チタン酸バリウム、PZ
T等の誘電体材料で形成される。以上のような構成の記
録ヘッドは、圧電素子(83)にパルス状の電圧を与
え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子
(83)に接合された振動板を変形させ、インク流路
(80)内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)
をオリフィスプレート(81)の吐出口(85)より吐
出して記録を行なうように動作する。このような記録ヘ
ッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録
装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置
の細部の動作は、先述と同様に行なうもので差しつかえ
ない。
【0086】次に、他の力学的エネルギーを利用したイ
ンクジェット記録装置の好ましい一例として静電アクチ
ュエータを用いたインクジェットを示す。図6は本発明
を適用したインクジェットヘッドの断面図であり、これ
らの図に示すように、インクジェッドヘッド(1)は、
シリコン基板(2)を挟み、上側に同じくシリコン製の
ノズルプレート(3)、下側にシリコンと熱膨張率が近
いホウ珪酸ガラス基板(4)がそれぞれ積層された3層
構造となっている。中央のシリコン基板(2)には、そ
れぞれ独立した複数のインク室(5)、これらに共通に
設けられた共通インク室(6)及びこの共通インク室
(6)を複数のインク室(5)にそれぞれ接続している
インク供給路(7)としてそれぞれ機能する溝が、その
表面(図中、上面)からエッチングを施すことにより形
成されている。これらの溝がノズルプレート(3)によ
って塞がれて、各部分(5)、(6)、(7)が区画形
成されている。
【0087】ノズルプレート(3)には、各インク室
(5)の先端側の部分に対応する位置に、インクノズル
(11)が形成されており、これらが各インク室(5)
に連通している。また、ノズルプレート(3)には共通
インク室(6)に連通するインク供給口が形成されてい
る。インクは、外部の図示しないインクタンクから、イ
ンク供給口を通って共通インク室(6)に供給される。
共通インク室(6)に供給されたインクは、インク供給
路(7)を通って、互いに独立したインク室(5)にそ
れぞれ供給される。
【0088】インク室(5)は、その底壁(8)が図1
の上下方向に弾性変位可能なダイヤフラムとして機能す
るように薄肉に形成されている。したがって、この底壁
(8)の部分を、以後の説明の都合上、ダイヤフラム
(8)と称して説明することもある。
【0089】次に、シリコン基板(2)の下面に接して
いるガラス基板(4)においては、その上面、即ちシリ
コン基板(2)との接合面には、シリコン基板(2)の
各インク室(5)に対応した位置に、浅くエッチングさ
れた凹部(9)が形成されている。したがって、各イン
ク室(5)の底壁(8)は、非常に僅かの隙間を隔て
て、ガラス基板(4)の凹部(9)の表面(92)と対
峙している。なお、ガラス基板(4)の凹部(9)はイ
ンク室(5)の底壁(8)に対向しているので、振動板
対向壁あるいは単に対向壁(91)と称する。
【0090】ここで、各インク室(5)の底壁(8)
は、それぞれ電荷を蓄えるための電極として機能する。
そして、各インク室(5)の底壁(8)に対峙するよう
に、ガラス基板(4)の凹部表面(92)には、セグメ
ント電極(10)が形成されている。各セグメント電極
(10)の表面は無機ガラスからなる厚さ(G0)の絶
縁層により覆われている。このように、セグメント電極
(10)と各インク室底壁(8)とは、絶縁層(15)
を挟んで互いに対向電極(電極間距離をGとする)を形
成している。
【0091】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。 (実施例1)下記組成物を用いて混合し1日放置後、具
体例(I−1)の化合物でpHを9.4にして0.5μ
mポリプロピレンフィルターにて濾過しブラックインク
1とした。 カーボン分散液1 5重量% トリスヒドロキシメチルアミノメタン 1.5重量% 具体例(I−1)の化合物 0.2重量% 燐酸 0.2重量% グリセロール 15重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% 2−エチル−1,3ヘキサンジオール 1重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% 高純水(10MΩ) 残量
【0092】(実施例2)下記組成物を用いる以外は実
施例1と同様にし、具体例(I−3)の化合物にてpH
9.5にしてブラックインク2を調整した。 カーボン分散液2 4重量% Bicine 1.2重量% 1,2,6−ヘキサントリオール 8重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 2−ピロリドン 8重量% 具体例(II−3)の活性剤 1.0重量% 具体例(III−1)の活性剤 1.2重量% 具体例(I−3)25%水溶液 1.2重量% 尿素 5重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% 高純水(10MΩ) 残量
【0093】(実施例3)下記組成物を用いる以外は実
施例1と同様にして、具体例(I−3)の化合物で1
0.5にしてブラックインク3を調整した。 カーボン分散液3 4.5重量% CAPS 1重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセロール 5重量% 2−ピロリドン 5重量% スチレンアクリル酸重合体 0.5重量% (I−2)の界面活性剤 1重量% (IV)の活性剤 R:C919 k:12 1重量% 具体例(I−3)25%水溶液 0.2重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0094】(実施例4)下記組成物を用いて混合し1
日放置後、具体例(I−1)の化合物でpHを9.4に
して0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過しブ
ラックインク4とした。 カーボン分散液4 5重量% TAPS 1.5重量% 具体例(I−1)の化合物 0.2重量% 燐酸 0.2重量% グリセロール 15重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% 2−エチル−1,3ヘキサンジオール 1重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% 高純水(10MΩ) 残量
【0095】(実施例5)下記組成物を用いる以外は実
施例1と同様にし、具体例(I−3)の化合物にてpH
9.5にしてブラックインク5を調整した。 カーボン分散液2 4重量% Bicine 1.2重量% 1,2,6−ヘキサントリオール 8重量% 1,4−ブタンジオール 8重量% 2−ピロリドン 8重量% 具体例(II−3)の活性剤 1.0重量% 具体例(III−1)の活性剤 1.2重量% 具体例(I−3)25%水溶液 1.2重量% 尿素 5重量% 2−ピリジンチオール1−オキサイドナトリウム 0.2重量% 高純水(10MΩ) 残量
【0096】(実施例6)下記組成物を用いる以外は実
施例1と同様にして、具体例(I−3)の化合物で1
0.5にしてブラックインク6を調整した。 カーボン分散液3 4.5重量% CAPS 1重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセロール 5重量% 2−ピロリドン 8重量% スチレンアクリル酸重合体 0.5重量% (I−2)の界面活性剤 1重量% (IV)の活性剤 R:C919 k:12 1重量% 具体例(I−3)25%水溶液 0.2重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0097】(実施例7)下記組成物を用いる以外は実
施例1と同様にして、pHを具体例(I−3)の化合物
にて9.1にしてイエローインク1を調整した。 イエロー分散液1 4重量% TAPS 1重量% 2−ピロリドン 8重量% グリセロール 7重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量% 具体例(I−1)の活性剤 1重量% (V)活性剤 p+q=15 0.5重量% (V)活性剤 p+q=0 0.5重量% 具体例(I−7)25%水溶液 2重量% ヒドロキシエチル尿素 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0098】下記組成物を用いる以外は実施例1と同様
にして、pHを具体例(I−3)の化合物に9.1にし
てマゼンタインク2を調整した。 <マゼンタインク1> マゼンタ分散液1 4重量% TAPS 3重量% 2−ピロリドン 8重量% グリセロール 7重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量% 具体例(I−1)の活性剤 1重量% (V)活性剤 p+q=15 0.5重量% (V)活性剤 p+q=0 0.5重量% 具体例(I−7)25%水溶液 2重量% 乳酸 0.1重量% ヒドロキシエチル尿素 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0099】下記組成物を用いる以外は実施例1と同様
にして、pHを具体例(I−3)の化合物に9.1にし
てシアンインク2を調整した。 <シアンインク1> シアン分散液1 4重量% TAPS 2重量% 2−ピロリドン 8重量% グリセロール 7重量% 1,3ブタンジオール 5重量% 具体例(I−1)の活性剤 1重量% リンゴ酸 0.1重量% (V)活性剤 p+q=15 0.5重量% (V)活性剤 p+q=0 0.5重量% 具体例(I−7)25%水溶液 2重量% ヒドロキシエチル尿素 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0100】(比較例1)実施例1でトリスヒドロキシ
メチルアミノメタンと燐酸を除いた以外は同様にしてp
H9.4のブラックインク7を作製した。
【0101】(比較例2)実施例2においてBicin
eを除いた以外は同様にしてpH9.5のブラックイン
ク8を作製した。
【0102】(比較例3)実施例3においてCAPSを
除いた以外は同様にしてpH10.5のブラックインク
9を作製した。
【0103】(比較例4)実施例4においてTAPSと
燐酸を除いた以外は同様にしてpH9.4のブラックイ
ンク10を作製した。
【0104】(比較例5)実施例5においてBicin
eを除いた以外は同様にしてpH9.5のブラックイン
ク11を作製した。
【0105】(比較例6)実施例6においてCAPSを
除いた以外は同様にしてpH10.5のブラックインク
12を作製した。
【0106】(比較例7)実施例7のイエローインク1
のTAPSを除いた以外は同様にしてpH9.1のイエ
ローインク2を作製した。実施例7のマゼンタインク1
のTAPSを除き、乳酸を除いた以外は同様にしてpH
9.1のマゼンタインク2を作製した。実施例7のシア
ンインク1のTAPSを除き、リンゴ酸を除いた以外は
同様にしてpH9.1のシアンインクを作製した。
【0107】(比較例8)下記組成となるようにカーボ
ン樹脂分散体を用いインクを作製し、0.8ミクロンポ
リプロピレンフィルターにてろ過しブラックインク7と
した。 <ブラックインク7> カーボンブラック プリンテックス#85(デグサ製) 5重量% スチレン−マレイン酸ハーフエステル −無水マレイン酸共重合体 1.5重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% トリエタノールアミン 1重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% エチレングリコール 1.2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% イオン交換水 残量
【0108】同様にして下記組成のイエローインク2、
マゼンタインク2、シアンインク2を作製した。 <イエローインク2> C.I.ピグメントイエロー74 4重量% スチレン−マレイン酸ハーフエステル −無水マレイン酸共重合体 1.5重量% トリエタノールアミン 1重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% エチレングリコール 1.2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% イオン交換水 残量
【0109】 <マゼンタインク2> C.I.ピグメントレッド122 4重量% スチレン−マレイン酸ハーフエステル −無水マレイン酸共重合体 1.5重量% トリエタノールアミン 1重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% エチレングリコール 1.2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% イオン交換水 残量
【0110】 <シアンインク2> C.I.ピグメントブルー15:3 3重量% スチレン−マレイン酸ハーフエステル −無水マレイン酸共重合体 1.5重量% トリエタノールアミン 1重量% 具体例(II−2)の活性剤 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量% エチレングリコール 1.2重量% ジエチレングリコール 15重量% グリセロール 5重量% イオン交換水 残量
【0111】次に、実施例1〜7及び比較例7のインク
について下記の試験を行なった。 1)連続印字試験 サーマルインクジェット方式の各色ノズル径18μm、
600dpiピッチの300ノズルを有するインクジェ
ットプリンター及び積層PZTを液室流路の加圧に使用
した各色ノズル径28μm、200dpiピッチの30
0ノズルを有するインクジェットプリンター、静電アク
チュエーターを液室流路の加圧に使用した各色300ノ
ズルを有するインクジェットプチンターの各々カートリ
ッジにインクを充填し、各色Duty5%のチャートで
連続印字を行ない50枚毎に2色重ね部境界の滲み、画
像滲み、色調、画像濃度を評価し400枚まで行なっ
た。なお、PZT、静電アクチュエータを有するヘッド
のプリンターのカートリッジ図3にはインクは脱気操作
を行ない、溶解空気量が20℃、1気圧において0.0
01ml/ml以下となるようにしてプリンターにセッ
トした。サーマルインクジェット用のカートリッジ図4
には脱気操作を実施しないでインク充填したもので溶存
空気量が0.02ml/mlのものを用いた。 画像特性の劣化等がないものを◎ 抜け等画像乱れが発生するが通常の回復動作で復帰する
ものは○ 回復動作を繰り返し復帰するもの△ カートリッジ交換が必要となるものは× で表わす。
【0112】2)保存安定性 2−1)pH緩衝性評価 インクを脱気後、図3のカートリッジに充填し60℃で
2週間放置後のpHを測定。また、未脱気インクについ
ても同様にカートリッジに充填し60℃で2週間後のp
Hを測定。 2−2)各インクをポリエチレン容器に入れ、−20
℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月
保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈澱物析出、粒
子径の変化の有無を調べた。どの条件で保存しても、物
性等の変化が少なく、変化率5%以内ものを◎、10%
以内のものを○、20%以内のものを△、これ以上のも
のを×とした。
【0113】3)印字休止時信頼性 ノズル径30μm128ノズルを有するPZTで駆動す
るヘッドを有するプリンターを使用し、動作中にキャッ
プ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字、休止
しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向
がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでそ
の信頼性を評価した結果を表に示す。 特に問題なし○、 滴重量の変化小、 噴曲がり小△、 顕著な目詰まり発生×
【0114】
【表5−1】
【0115】
【表5−2】
【0116】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な発明から明らか
なように、本発明によれば色材として表面処理を施され
た顔料を含有するインクでの保存安定性を向上し、プリ
ンターシステム内での接液する部材の耐久性を向上する
ことで耐候性に優れた高画質なカラープリントを高速で
安定して印字可能とすることができ、色材として表面処
理を施された顔料を含有するインクで特に大気開放され
た場合でも安定したインク物性を有するインクをヘッド
に供給できるインク処方を提供することでサーマルイン
クジェット方式のような未脱気インクでも品質安定性の
高い顔料インクを提供することができ、好ましいインク
添加物の態様を示すことで顔料の環境変化による凝集が
発生しにくい顔料インクを提供することで輸送時におい
てのトラブルの発生のない顔料インクを提供することが
でき、表面処理顔料の態様を示すことで耐水性が良好で
文字滲み、カラー境界の滲みが少ない高信頼性の顔料イ
ンクを提供することができ、耐目詰まり性に優れ、かつ
ヘッド内部のフルター等の寿命を長期にわたって維持可
能な顔料インクを提供することができ、吐出特性を安定
にするための好ましい粘度調整用のインク添加物を開示
することで種種の印字システムに適用可能となり市場性
の高い顔料インクを提供することができ、記録紙への濡
れ性を改善しスミヤーの発生を抑え定着性を改善する添
加物を開示することで高速印字を行え、高品位で生産性
の高いプリンターシステムを提供することができ、該顔
料インクにて普通紙等への高速高画質を行える記録方法
を提供することで従来の染料系インクに比べ高耐候性の
カラー画像出力を安価で容易に提供することができ、イ
ンクを収容し安定に装置に供給する記録用カートリッジ
を提供することができ、長期保後も画質が安定して印字
することを可能にでき、該インクを用いて普通紙等へ高
速高画質のカラー画像が供給できる記録方法を提供する
ことができ、インクジェットプリンターをさらに広い分
野に適用することができるという極めて優れた効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの断面
図である。
【図2】図1のヘッドを組み込んだインクジェット記録
装置の一例を示した図である。
【図3】チューブを介して供給されるインクを収容した
インクカートリッジの一例を示す図である。
【図4】本発明で使用されるヘッドとインクカートリッ
ジとが一体になったインクジェット記録装置を示した図
である。
【図5】本発明における記録ヘッドの構成の一例を示し
た図である。
【図6】本発明を適用したインクジェットヘッドの断面
図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 シリコン基板 3 ノズルプレート 4 ガラス基板 5 インク室 6 共通インク室 7 インク供給路 8 タイヤクラム 8a 肉薄部 8b 底壁 9 凹部 10 セグメント電極 11 インクノズル 12 絶縁層 13 ヘッド 14 流路(ノズル) 15 発熱素子基板 16 保護層 17−1 電極 17−2 電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 インク小滴 25 被記録材 40 インク収容部(インク袋) 42 栓 44 インク吸収体 45 カートリッジケース 51 紙給部 52 紙送りローラー 53 排紙ローラー 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モーター 69 ベルト 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 連通口 80 インク流路 81 オリフィスプレート 82 振動板 83 圧電素子 84 基板 85 吐出口 91 対向壁 92 凹部の表面
フロントページの続き (72)発明者 長田 延崇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 有田 均 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA13 EA21 FC01 FC02 2H086 BA02 BA52 BA53 BA59 BA60 4J039 AD01 AE07 BA04 BA19 BC05 BC07 BC09 BC10 BC11 BC12 BC13 BC16 BC19 BC33 BC35 BC50 BC51 BC54 BC56 BC73 BC77 BC79 BD02 BE01 BE12 BE22 BE30 CA06 EA38 EA41 EA43 EA44 EA46 EA47 GA24 GA26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材として表面処理を施された顔料を含
    有し、これを分散する水溶性有機溶剤と水を含有し、下
    記A)より選択された有機pH緩衝剤と下記B)、C)
    から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することを
    特徴とする記録液; A)トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−ア
    ミノメチル−1,3−プロパンジオール及びグッド緩衝
    剤から選ばれる少なくとも1つの有機pH緩衝剤 B)第4級アルキルアンモニウム水酸化物、第4級アル
    キルホスホニウム水酸化物、アルカノールアミンから選
    ばれた一つの塩基性有機化合物からなるpH調整剤 C)燐酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる1つの
    酸性化合物。
  2. 【請求項2】 インクの溶存空気量が20℃、1気圧に
    おいて0.0001ml/ml−0.02ml/mlで
    あり、該インクのpHが8〜11であることを特徴とす
    る請求項1記載の記録液。
  3. 【請求項3】 アルキルアンモニウム、アルキルホスホ
    ニウムが下記式(I)であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の記録液。 【化1】 (L:窒素またはリン、R1〜R4:水素、炭素数1〜4
    のアルキル基、 ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基)
  4. 【請求項4】 表面処理した顔料がカルボン酸基が導入
    された自己分散型カーボンであり、含有量が0.1〜1
    0重量%であることを特徴とする請求項1乃至3の何れ
    か1に記載の記録液。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の自己分散型カーボンの
    粒径が10〜300nmに分布を持ち数平均粒子径が1
    5〜110nmであることを特徴とする請求項1乃至4
    の何れか1に記載の記録液。
  6. 【請求項6】 記録液の水溶性有機溶剤がグリセリン、
    エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
    レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
    グリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタ
    ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
    ジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレン
    グリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−
    2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、
    1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサン
    トリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−
    メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−
    ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
    から選ばれる少なくとも一つ以上の水溶性有機溶剤を含
    有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記
    載の記録液。
  7. 【請求項7】 記録液がさらにポリオキシエチレンアル
    キルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アセ
    チレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンア
    ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
    エーテル、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、フ
    ッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活
    性剤を含有したことを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    か1に記載の記録液。
  8. 【請求項8】 記録液がさらに炭素数6以上のジオール
    とアルキルエーテルを含有したことを特徴とする請求項
    1乃至7の何れか1に記載の記録液。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の記録液
    にエネルギーを与えて、記録液を滴化させ飛翔させて記
    録を行なうことを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8の何れかに記載の記録
    液に熱エネルギーを作用させて、記録液を吐出すること
    を特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至8の何れかに記載の記録
    液に機械エネルギーを作用させて記録液を吐出すること
    を特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方
    法。
  12. 【請求項12】 記録液を収容した記録液収容部を備え
    た記録液カートリッジにおいて、前記記録液が請求項1
    乃至8の何れか1に記載の記録液であることを特徴とす
    る記録液カートリッジ。
  13. 【請求項13】 記録液を収容した記録液収容部あるい
    は記録液カートリッジ、該記録液を熱エネルギーの作用
    により滴化し吐出させるためのヘッド部あるいは記録ユ
    ニットを備えたインクジェット記録装置において、前記
    記録液が請求項1乃至8の何れか1に記載の記録液であ
    ることを特徴とする記録装置。
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