JP2002173585A - ポリエステルフィルム及びその識別方法 - Google Patents

ポリエステルフィルム及びその識別方法

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JP2002173585A
JP2002173585A JP2000368189A JP2000368189A JP2002173585A JP 2002173585 A JP2002173585 A JP 2002173585A JP 2000368189 A JP2000368189 A JP 2000368189A JP 2000368189 A JP2000368189 A JP 2000368189A JP 2002173585 A JP2002173585 A JP 2002173585A
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polyester film
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film
dimethyl terephthalate
compound
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Nobuo Minobe
信夫 見延
Tomoyuki Kishino
友行 岸野
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルフィルムが、リサイクル樹脂を
使用していることが容易に識別可能で、パラキシレンか
ら生産されたテレフタル酸ジメチルからなるポリアルキ
レンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリエス
テルフィルム及びその識別方法を提供する。 【解決手段】 識別化合物としての無機化合物をテレフ
タル酸ジメチルに対し1〜500重量ppm含有するポ
リエステルフィルム及びその識別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、識別化合物として
無機化合物を含有するテレフタル酸ジメチル組成物から
なるポリエステルフィルム及びその識別方法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、ポリアルキレン
テレフタレートを解重合し、メタノールでエステル化さ
れたテレフタル酸ジメチルに識別化合物として無機化合
物を添加したテレフタル酸ジメチル組成物(以下、原料
リサイクルDMTと略記する)からなるポリエステルフ
ィルムであり、パラキシレンを原料として生産されたテ
レフタル酸ジメチル(以下、バージンDMTと略記す
る)からなるポリエステルフィルムと、容易に識別可能
であり、更にバージンDMTからなるポリエステルフィ
ルムと同等の品質を有するポリエステルフィルムに関す
る。
【0003】
【従来の技術】現在、ポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する)は、繊維、樹脂、包装材料、フ
ィルム、その他成形体として広く世の中で使用されてい
るが、使用済材料、特に、PETボトルの処分について
近年大きな問題となっている。ここ数年で、使用済PE
Tボトルは、回収した後、粉砕処理、他の材料との分離
処理及び洗浄処理を経て、繊維やシートなどに再加工さ
れるマテリアルリサイクルの循環ループが出来、機能し
始めている。
【0004】しかし、このシステムで処理された材料
は、再加工設備及び条件に制約があり、且つ、再加工樹
脂製品の品質低下の問題もあり、その用途も制約されて
いる。また、マテリアルリサイクル再加工樹脂製品とバ
ージン材料からなる樹脂の樹脂製品とを容易に識別する
ことも出来ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リサイクル
樹脂を使用していることが容易に識別でき、更にバージ
ン樹脂使用フィルムとの品質差の少ないポリエステルフ
ィルム及びその識別方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術に鑑み、鋭意検討を行った結果、本発明を完成する
に到った。
【0007】すなわち、本発明の目的は、識別化合物と
しての無機化合物をテレフタル酸ジメチルに対し1〜5
00重量ppm含有するポリエステルフィルムによって
達成される。
【0008】更に、本発明の他の目的は、ポリエステル
フィルムを製造するに際し、ルテニウム、ロジウム、パ
ラジウム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金から
なる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成さ
れる単体及び/或いは無機化合物からなる識別化合物
を、1〜500重量ppm含有するテレフタル酸ジメチ
ル組成物を使用することを特徴とする、ポリエステルフ
ィルムの識別方法によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の識別方法においては、まず、識別
化合物となる無機化合物が必要である。無機化合物の中
でも、貴金属であるルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金からなる群
から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成される単
体及び/或いは無機化合物であることが好ましい。更に
この中でも、分析方法が容易で検知しやすいこと、フィ
ルム中にて表面欠点となる粗大粒子が含まれない微粉末
状にしやすいこと、化学的に安定であること、及び毒性
の低いことを性質として持つ化合物が望ましく、例え
ば、ルテニウム、酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、ロ
ジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウム、パラジウム、酸
化パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸
パラジウム、銀、酸化銀、塩化銀、臭化銀、硫化銀、硝
酸銀、オスニウム、イリジウム、酸化イリジウム、塩化
イリジウム、硫化イリジウム、白金、酸化白金、金から
なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物から構成さ
れるものが特に好ましい。
【0011】該無機化合物の添加量はテレフタル酸ジメ
チルに対して、1〜500重量ppm、好ましくは1〜
50重量ppmが好ましい。1重量ppm未満である
と、分析による識別が困難で、500重量ppmを超え
るとフィルム中で粗大粒子を形成し表面欠点が発生す
る、熱安定性、成形性に影響を与える為、好ましくな
い。
【0012】次に、ポリエステルを既知の解重合触媒存
在下、EG中で解重合反応させる。ここでポリエステル
とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレートが好ましく挙げられる。解
重合反応で得られた混合物は必要であれば、解重合反応
で用いた過剰なEGを抜出し、その後MeOHと共に反
応器内へ導入し、置換エステル化反応、及び冷却晶析に
より、粗テレフタル酸ジメチルを得る。更にこの得られ
た粗テレフタル酸ジメチルを蒸留精製することにより、
高純度のテレフタル酸ジメチルを得ることができる。
【0013】以上の工程を経て得られた高純度の回収テ
レフタル酸ジメチルを140〜170℃の溶融状態に保
ち、既知の方法で無機化合物を添加することができ、回
分式と連続式、どちらでも問題なく採用することができ
る。例えば、無機化合物を添加する時の形態としては、
無機化合物の微粉末状態、あるいは、例えばメタノール
に代表される有機溶媒のスラリー状態とし、添加した
後、攪拌や液循環によりテレフタル酸ジメチルに均一に
分散させる方法により原料リサイクルDMTが得られ
る。
【0014】本発明のポリエステルフィルムは、識別化
合物としての無機化合物をポリアルキレンテレフタレー
トを構成するテレフタル酸ジメチル単位に対し1〜50
0重量ppm含有するポリエステルフィルムである。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは、テレフ
タル酸単位とジオ−ル単位からなる熱可塑性ポリエステ
ルであり、テレフタル酸単位を全酸成分の80モル%以
上の成分とすることが好ましい。テレフタル酸単位は、
エステル誘導体に由来しており、誘導体として、メチル
エステルであるテレフタル酸ジメチルが好ましい。
【0016】上述のテレフタル酸ジメチルは、ポリアル
キレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合
し、次いでメタノールでエステル交換反応して得られた
テレフタル酸ジメチルに前述の識別化合物としての無機
化合物を1〜500重量ppm、さらに好ましくは1〜
50重量ppm添加されたテレフタル酸ジメチルである
ことが好ましい。
【0017】全酸成分の20モル%未満の範囲で、例え
ば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
1,7−ナフタレンジカルボン酸、その他のナフタレン
ジカルボン酸の異性体、イソフタル酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニ
ルエ−テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等のごとき芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の如きオキシ酸
等の二官能性カルボン酸から選ばれる少なくとも1種以
上の酸成分を共重合できる。
【0018】また、ポリエステルフィルムを構成するジ
オール成分としては、例えば、エチレングリコ−ル、ト
リメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ヘ
キサメチレングリコ−ル、デカメチレングリコ−ル、ネ
オペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,1
−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)スルホン等のジオールの1種以上である
ことができる。
【0019】本発明において、ポリエステルフィルムに
は、3官能以上の化合物が2%以下の範囲で共重合され
ていても差し支えない。
【0020】本発明のフィルムは、その成形過程及び、
化工工程を円滑に行うため、本発明の目的である原料リ
サイクルDMT使用ポリエステルフィルムの識別を妨げ
ない範囲で、不活性微粒子を存在させることが一般的で
ある。
【0021】本発明における不活性微粒子は、フィルム
の成型、加工工程を円滑にする目的のため、滑り性を向
上できるものなら特に限定されず、例えば、(1)シリ
コーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリ
エステルなどの耐熱性ポリマーからなる粒子、(2)三
二酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸
化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸
化ジルコニウムなどの金属酸化物からなる粒子、(3)
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの金属の炭酸塩
からなる粒子、(4)硫酸カルシウム、硫酸バリウムな
どからなる金属の硫酸塩からなる粒子、(5)カーボン
ブラック、グラファイト、ダイアモンドなどの炭素から
なる粒子、および、(6)カオリン、クレー、ベントナ
イトなどの粘土鉱物からなる粒子など、有機化合物およ
び無機化合物からなる粒子が挙げられる。
【0022】本発明における不活性粒子の平均粒径は
0.01〜4μmの範囲が好ましく、更に好ましくは
0.02〜3μm、特に好ましくは0.05〜3μmの
範囲である。この平均粒径が0.01μm未満では走行
性や耐ブロッキング性の向上効果が得られ難く、一方、
4μm以上ではフィルムの表面平坦性が得られ難いため
好ましくない。不活性粒子のポリエステル樹脂組成物製
造時の含有量は0.01〜10重量%であり、好ましく
は0.03〜3重量%である。この含有量が0.01重
量%未満ではポリマーとして生産性が低く非効率であ
る。一方、10重量%を超えると、ポリエステル中ので
分散が不十分となる。
【0023】また、本発明のフィルムは、少なくとも二
層以上からなる積層フィルムで、一つ以上の層として積
層されても差し支えない。
【0024】次に、本発明のポリエステルフィルムの識
別方法につき説明する。本発明のポリエステルフィルム
の識別方法は、上記の識別化合物としての無機化合物を
含有するテレフタル酸ジメチル及びジオ−ルとを含む原
料を、エステル交換触媒の存在下のエステル交換反応さ
せ、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ−ト及び
/又はそのオリゴマ−を形成させ、その後、重縮合触媒
及び安定剤の存在下で高温減圧下に溶融重縮合を行い、
ポリエステル樹脂組成物を得る。前述のポリエステル樹
脂組成物またはそれを他のポリエステル樹脂と混合した
ものを溶融押出し、急冷して未延伸フィルムとし、該未
延伸フィルムを2軸方向に延伸し、熱固定し必要であれ
ば弛緩熱処理することによって、ポリエステルフィルム
を得る事により達成できる。
【0025】エステル交換触媒としては、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜
鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく使用される。重
縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化
合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物等が知
られている。
【0026】又、安定剤としては、トリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイ
ト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル
類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、トリ
エチルホスフォノアセテート、リン酸、亜リン酸、次亜
リン酸、ポリリン酸等のリン化合物が好ましい。
【0027】エステル交換反応触媒の供給は、原料調製
時の他、エステル交換反応の初期の段階において行うこ
とができる。また、安定剤の供給は、重縮合反応初期ま
でに行うことが出来るが、エステル交換反応終了時に添
加することが好ましい。さらに、重縮合触媒は重縮合反
応工程の初期までに供給することができる。エステル交
換反応時の反応温度は、通常200〜260℃であり、
反応圧力は常圧〜0.3MPaである。また、重縮合時
の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧力
は通常60〜0.1kPaである。この様なエステル交
換反応及び重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に
分けて行っても良い。
【0028】ポリエステル樹脂に不活性微粒子を存在さ
せる方法としては、ジオール成分であるエチレングリコ
ールのスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコ
ールを所定のジカルボン酸成分と重合せしめるのが好ま
しい。また、不活性微粒子単体及び/又は水スラリーを
直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント式二
軸混練押し出し機を用いてポリエステル樹脂に練り込む
方法が知られている。この様にして得られるポリマー
は、極限粘度が通常0.4〜0.90dl/gであり、
常法によりチップ化される。ポリマ−チップの平均粒径
は、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.
0mmの範囲とされる。
【0029】また、フィルム製膜工程において、熱固定
の際または熱固定の後、必要であれば弛緩熱処理を施し
ても良い。そして、フィルムへ成形する際の延伸条件な
どの製造条件は、目的とするフィルムの表面特性、密
度、熱収縮率等の物性に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、前出の未延伸フィルムを一軸方向(縦方向また
は横方向)に[Tg−10]〜[Tg+60]℃の温度
(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移点温度)で
2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次
いで上記延伸方向と直角方向にTg〜[Tg+70]℃
の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延
伸させるのが好ましい。更に必要に応じて縦方向および
または横方向に再度延伸してもよい。縦方向と横方向の
延伸倍率を掛けた面積延伸倍率は、9倍以上が好まし
く、12〜35倍が更に好ましく、15〜30倍が特に
好ましい。さらにまた熱固定は、[Tg+70]〜[T
m−10]℃の温度(但し、Tm:ポリエステルの融
点)、例えば180〜250℃の温度で行うのが好まし
く、その際の熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
【0030】添加した無機化合物は、蛍光X線分析、原
子吸光分析、誘導結合プラズマ(以下、ICPと略すこ
とがある。)発光分析等で金属成分を検知できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるも
のではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定し
た。 1)固有粘度:オルソクロロフェノール溶液中35℃で
測定した値から求めた。 2)不活性粒子の平均粒径:株式会社島津製作所製、商
品名「SACP−4L型セントリフュグル パーティク
ル サイズ アナライザー(Centrifugal
ParticleSize Analyser)」を用
い測定する。得られる遠心沈降曲線を基に計算した各粒
径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパー
セントに相当する粒径「等価球直径」を読み取り、この
値を上記平均粒径とする(単行本「粒度測定技術」日刊
工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参
照)。 3)識別化合物としての無機化合物の識別方法:フィル
ム中の識別化合物の金属成分は、蛍光X線分析装置(理
学電機工業(株)製、System3270)を使用し
て定性及び定量を行った。 4)中心面平均粗さ WRa:WYKO株式会社製の非
接触三次元粗さ計、商品名「TOPO−3D」を用い
て、測定倍率40倍、測定面積242μm×239μm
(0.058mm2)の条件にて測定を行い、表面粗さ
のプロフィル(オリジナルデータ)を得る。同粗さ計内
蔵ソフトによる表面解析により、WRaは以下の式によ
り計算されアウトプットされた値を用いる。
【0032】
【数1】
【0033】また、Zjkは、測定方向(242μ
m)、それと直交する方向(239μm)をそれぞれM
分割、N分割したときの各方向のj番目、k番目の位置
における三次元粗さチャート上の高さである。 5)フライスペック:フィルムを偏光下で顕微鏡下で観
察し、偏光のかかる箇所に粒子単独及び/或は1次粒子
が凝集した5μm以上の粒子が存在するものをフライス
ペックとして次の様に判定した。 1級:フライスペックが20個/50cm2未満であ
る。 2級:フライスペックが20〜50個/50cm2未満
である。 3級:フライスペックが50個/50cm2以上であ
る。
【0034】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
をエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールで
エステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチル
に、識別化合物として、塩化銀を10重量ppm添加し
たテレフタル酸ジメチル(以下、原料リサイクルDMT
と略記する)100重量部、およびエチレングリコ−ル
(以下、「EG」と略記)70重量部を、酢酸マンガン
・4水和物を触媒として常法通りエステル交換せしめた
後、安定剤としてトリメチルホスフェートを添加して、
エステル交換反応を終了せしめ、エチレングリコール
(以下EGと略す)90重量部に、炭酸カルシウム微粒
子(平均粒径0.6μm)10部を添加し分散させたス
ラリーを3重量部(炭酸カルシウム微粒子:0.3重量
%対原料リサイクルDMT)を撹拌下添加した。
【0035】その後、重合触媒として三酸化アンチモン
を添加し、高真空下で常法通りの重縮合反応を行い極限
粘度0.620のポリエチレンテレフタレートを得た。
更に得られたポリエステルを180℃で乾燥後、溶融製
膜によりシート化し、続いて90℃で縦延伸倍率3.5
倍、横延伸倍率4.0倍に2軸延伸し、更に200℃で
熱固定して厚さ15μmのフィルムとした。
【0036】得られたポリエステルフィルム物性は、下
記の通りである。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:20nm フライスペック:1級
【0037】[参考例1]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例1と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:20nm フライスペック:1級
【0038】[比較例1]識別化合物の添加量を100
0ppmとする以外は実施例1と同様に行い、厚さ15
μmのフィルムを得た。得られたポリエステルフィルム
物性は、下記の通りである。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、700重量
ppm 中心面平均粗さ:22nm フライスペック:3級
【0039】[実施例2]ポリエステルフィルムに添加
する微粒子を真球状シリカ(平均粒径0.50μm)、
添加量を0.25重量%対原料リサイクルDMTとする
以外は実施例1と同様に行い、厚さ15μmのフィルム
を得た。得られたポリエステルフィルム物性は、下記の
通りである。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:18nm フライスペック:1級
【0040】[参考例2]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例2と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:17nm フライスペック:1級
【0041】[実施例3]ポリエステルフィルムに添加
する微粒子をカオリン(平均粒径1.0μm)、添加量
を0.4重量%対原料リサイクルDMTとする以外は実
施例1と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:27nm フライスペック:2級
【0042】[参考例3]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例3と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:27nm フライスペック:2級
【0043】[実施例4]ポリエステルフィルムに添加
する微粒子を多孔質シリカ(平均粒径2.5μm)、添
加量を0.05重量%対原料リサイクルDMTとする以
外は実施例1と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを
得た。得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通
りである。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:21nm フライスペック:2級
【0044】[参考例4]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例4と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:21nm フライスペック:2級
【0045】[実施例5]ポリエステルフィルムに添加
する微粒子を球状シリコーン(平均粒径0.6μm)、
添加量を0.15重量%対原料リサイクルDMTとする
以外は実施例1と同様に行い、厚さ15μmのフィルム
を得た。得られたポリエステルフィルム物性は、下記の
通りである。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:19nm フライスペック:1級
【0046】[参考例5]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例5と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.56 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:19nm フライスペック:1級
【0047】[実施例6]ポリエチレンテレフタレート
をエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールで
エステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチル
に、識別化合物として、塩化銀を10重量ppm添加し
たテレフタル酸ジメチル(以下、原料リサイクルDMT
と略記する)100重量部、およびエチレングリコ−ル
(以下、「EG」と略記)70重量部を、酢酸マンガン
・4水和物を触媒として常法通りエステル交換せしめた
後、安定剤としてトリメチルホスフェートを添加して、
エステル交換反応を終了せしめ、EG90重量部に、三
二酸化アルミニウム(アルミナ)微粒子(平均粒径0.
3μm)10部を添加し分散させたスラリーを10重量
部(三二酸化アルミニウム(アルミナ):1.0重量%
対原料リサイクルDMT)を撹拌下添加した。その後、
重合触媒として三酸化アンチモンを添加し、高真空下で
常法通りの重縮合反応を行い極限粘度0.620のポリ
エチレンテレフタレートを得た。
【0048】得られたポリエステル10重量部と実施例
1にて得られたポリエステル90重量部を混合し180
℃で乾燥後、溶融製膜によりシート化し、続いて90℃
で縦延伸倍率3.5倍、横延伸倍率4.0倍に2軸延伸
し、更に200℃で熱固定して厚さ15μmのフィルム
とした。得られたポリエステルフィルム物性は、下記の
通りである。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、7重量pp
m 中心面平均粗さ:19nm フライスペック:1級
【0049】[参考例6]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)とする以外は実
施例6と同様に行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルム物性は、下記の通りであ
る。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、0重量pp
m 中心面平均粗さ:19nm フライスペック:1級
【0050】[実施例7]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンDMT(識別化合物なし)100重量部、
およびエチレングリコ−ル(以下、「EG」と略記)7
0重量部を、酢酸マンガン・4水和物を触媒として常法
通りエステル交換せしめた後、安定剤としてトリメチル
ホスフェートを添加して、エステル交換反応を終了せし
め、重合触媒として三酸化アンチモンを添加し、高真空
下で常法通りの重縮合反応を行い極限粘度0.620の
ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0051】得られたポリエステル50重量部と実施例
1にて得られたポリエステル50重量部を混合し180
℃で乾燥後、溶融製膜によりシート化し、続いて90℃
で縦延伸倍率3.5倍、横延伸倍率4.0倍に2軸延伸
し、更に200℃で熱固定して厚さ15μmのフィルム
とした。得られたポリエステルフィルム物性は、下記の
通りである。 固有粘度:0.55 銀含有量:テレフタル酸ジメチルに対して、3重量pp
m 中心面平均粗さ:14nm フライスペック:1級
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンテレフ
タレートを解重合し、メタノールでエステル化されたテ
レフタル酸ジメチルに識別化合物としての無機化合物を
添加したテレフタル酸ジメチル組成物を使用したポリエ
ステルフィルムであり、更にバージンDMTからなるポ
リエステルフィルムと同等の品質を有するポリエステル
フィルム及びその識別方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA43 AA45 AB01 AB07 AH19 BB07 BC01 BC16 4J002 CF051 CF061 CF071 CF141 DA076 DA116 DE096

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別化合物としての無機化合物をテレフ
    タル酸ジメチルに対し1〜500重量ppm含有するポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 無機化合物が、ルテニウム、ロジウム、
    パラジウム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成
    される単体及び/或いは無機化合物である請求項1記載
    のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムを製造するに際
    し、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスニウ
    ム、イリジウム、白金、金からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の貴金属から構成される単体及び/或いは無
    機化合物からなる識別化合物を、1〜500重量ppm
    含有するテレフタル酸ジメチル組成物を使用することを
    特徴とする、ポリエステルフィルムの識別方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023038138A1 (ja) * 2021-09-13 2023-03-16 三菱ケミカル株式会社 リサイクルプラスチックフィルム、プラスチックフィルムのリサイクル原料としての使用、リサイクル原料用プラスチックフィルム及びリサイクルプラスチックフィルムの製造方法
WO2023074591A1 (ja) 2021-10-29 2023-05-04 三菱ケミカル株式会社 情報生成方法、リサイクル方法、情報生成装置、およびリサイクル装置

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