JP2002167496A - ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法 - Google Patents

ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法

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JP2002167496A
JP2002167496A JP2000366860A JP2000366860A JP2002167496A JP 2002167496 A JP2002167496 A JP 2002167496A JP 2000366860 A JP2000366860 A JP 2000366860A JP 2000366860 A JP2000366860 A JP 2000366860A JP 2002167496 A JP2002167496 A JP 2002167496A
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polyalkylene terephthalate
terephthalate resin
acid
ppm
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Minoru Suzuki
稔 鈴木
Hironori Nagano
博紀 長野
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を
樹脂成形体に加工する際に容易に識別可能で、バージン
のテレフタル酸ジメチルからなるポリアルキレンテレフ
タレート樹脂と同等の品質を有するポリアルキレンテレ
フタレート樹脂組成物及びその識別方法を提供するこ
と。 【解決手段】 識別化合物として無機化合物をテレフタ
ル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、識別化合物として
無機化合物を含有するテレフタル酸ジメチル組成物から
なるポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその
識別方法に関するものであり、更に詳しくは、ポリアル
キレンテレフタレートを解重合し、メタノールでエステ
ル化されたテレフタル酸ジメチルに識別化合物として無
機化合物を添加したテレフタル酸ジメチル組成物(以
下、原料リサイクルDMTと略記する)からなるポリア
ルキレンテレフタレート樹脂組成物を樹脂成形体に加工
する際に容易に識別可能で、バージンのテレフタル酸ジ
メチルからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂と同
等の品質を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂組
成物及びその識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する。)は、繊維、樹脂、包装材料、
フィルム、その他成形体として広く世の中で使用されて
いるが、使用済材料、特に、PETボトルの処分につい
て近年大きな問題となっている。ここ数年で、使用済P
ETボトルは、回収した後、粉砕処理、他の材料との分
離処理及び洗浄処理を経て、繊維やシートなどに再加工
されるマテリアルリサイクルの循環ループが出来、機能
し始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このシステム
で処理された材料は、再加工設備及び条件に制約があ
り、且つ、再加工樹脂製品の品質低下の問題もあり、そ
の用途も制約されている。また、マテリアルリサイクル
再加工樹脂製品とバージン材料からなる樹脂の樹脂製品
とを容易に識別することも出来ていない。
【0004】本発明は、識別が容易で、バージン樹脂製
品との品質差の少ないポリアルキレンテレフタレート樹
脂組成物及びその識別方法を提供することを課題とし、
これを用いた中空成形体、熱成形容器、シート、射出成
形品等の樹脂成形体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに
到った。
【0006】すなわち、本発明の目的は、識別化合物と
しての無機化合物をテレフタル酸ジメチルに対し1〜1
000重量ppm含有するポリアルキレンテレフタレー
ト樹脂組成物によって達成することができる。
【0007】さらに、本発明の他の目的は、ポリアルキ
レンテレフタレート樹脂組成物を製造するに際し、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスニウム、イリ
ジウム、白金、金からなる群から選ばれた少なくとも1
種の貴金属から構成される単体及び/或いは無機化合物
からなる識別化合物を、1〜1000重量ppm含有す
るテレフタル酸ジメチル組成物を使用することを特徴と
する、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別
方法によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の識別方法においては、まず、識別
化合物となる無機化合物が必要である。無機化合物の中
でも、貴金属であるルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金からなる群
から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成される単
体及び/或いは無機化合物であることが好ましい。更に
この中でも、分析方法が容易で検知しやすいこと、微粉
末状にしやすいこと、化学的に安定であること、及び毒
性の低いことを性質として持つ化合物が望ましく、例え
ば、ルテニウム、酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、ロ
ジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウム、パラジウム、酸
化パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸
パラジウム、銀、酸化銀、塩化銀、臭化銀、硫化銀、硝
酸銀、オスニウム、イリジウム、酸化イリジウム、塩化
イリジウム、硫化イリジウム、白金、酸化白金、金から
なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物から構成さ
れるものが特に好ましい。該無機化合物の添加量はテレ
フタル酸ジメチルに対して、1〜1000重量ppm、
好ましくは1〜50重量ppmが好ましい。1重量pp
m未満であると、分析による識別が困難で、1000重
量ppmを超えると樹脂組成物の透明性、熱安定性、成
形性に影響を与える為、好ましくない。
【0010】次に、ポリエステルを既知の解重合触媒存
在下、EG中で解重合反応させる。ここでポリエステル
とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレートが好ましく挙げられる。解
重合反応で得られた混合物は必要であれば、解重合反応
で用いた過剰なEGを抜出し、その後MeOHと共に反
応器内へ導入し、置換エステル化反応、及び冷却晶析に
より、粗テレフタル酸ジメチルを得る。更にこの得られ
た粗テレフタル酸ジメチルを蒸留精製することにより、
高純度のテレフタル酸ジメチルを得ることができる。
【0011】以上の工程を経て得られた高純度の回収テ
レフタル酸ジメチルを140〜170℃の溶融状態に保
ち、既知の方法で無機化合物を添加することができ、回
分式と連続式、どちらでも問題なく採用することができ
る。例えば、無機化合物を添加する時の形態としては、
無機化合物の微粉末状態、あるいは、例えばメタノール
に代表される有機溶媒のスラリー状態とし、添加した
後、攪拌や液循環によりテレフタル酸ジメチルに均一に
分散させる方法により原料リサイクルDMTが得られ
る。
【0012】本発明のポリアルキレンテレフタレート樹
脂組成物は、識別化合物としての無機化合物をポリアル
キレンテレフタレートを構成するテレフタル酸ジメチル
単位に対し1〜1000重量ppm含有するポリアルキ
レンテレフタレート樹脂組成物である。
【0013】本発明のポリアルキレンテレフタレート
は、テレフタル酸単位とジオ−ル単位からなる熱可塑性
ポリエステルであり、テレフタル酸単位を全酸成分の8
5モル%以上の成分とすることが好ましい。テレフタル
酸単位は、エステル誘導体に由来しており、誘導体とし
て、メチルエステルであるテレフタル酸ジメチルが好ま
しい。
【0014】上述のテレフタル酸ジメチルは、ポリアル
キレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合
し、次いでメタノールでエステル交換反応して得られた
テレフタル酸ジメチルに前述の識別化合物としての無機
化合物を1〜1000重量ppm、さらに好ましくは1
〜50重量ppm添加されたテレフタル酸ジメチルであ
ることが好ましい。
【0015】全酸成分の15モル%未満の範囲で、例え
ば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
1,7−ナフタレンジカルボン酸、その他のナフタレン
ジカルボン酸の異性体、イソフタル酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニ
ルエ−テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等のごとき芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の如きオキシ酸
等の二官能性カルボン酸から選ばれる少なくとも1種以
上の酸成分を共重合できる。
【0016】また、ポリアルキレンテレフタレートを構
成するジオール成分としては、例えば、エチレングリコ
−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ
−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、デカメチレングリコ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、1,1−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビス(4’−β−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)スルホン等のジオールの1種
以上であることができる。
【0017】本発明において、ポリアルキレンテレフタ
レートには、3官能以上の化合物が2%以下の範囲で共
重合されていても差し支えない。
【0018】次に、本発明のポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂組成物の識別方法につき説明する。本発明のポ
リアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法は、
上記の識別化合物としての無機化合物を含有するテレフ
タル酸ジメチル及びジオ−ルとを含む原料を、エステル
交換触媒の存在下のエステル交換反応させ、ビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレ−ト及び/又はそのオリ
ゴマ−を形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存
在下で高温減圧下に溶融重縮合を行って、ポリアルキレ
ンテレフタレート樹脂組成物を得ることにより達成され
る。
【0019】エステル交換触媒としては、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜
鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく使用される。
【0020】重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合
物、錫化合物等が知られている。又、安定剤としては、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフ
ェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の
亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン
酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン
酸等のリン化合物が好ましい。
【0021】エステル交換反応触媒の供給は、原料調製
時の他、エステル交換反応の初期の段階において行うこ
とができる。また、安定剤の供給は、重縮合反応初期ま
でに行うことが出来るが、エステル交換反応終了時に添
加することが好ましい。さらに、重縮合触媒は重縮合反
応工程の初期までに供給することができる。エステル交
換反応時の反応温度は、通常200〜260℃であり、
反応圧力は常圧〜0.3MPaである。また、重縮合時
の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧力
は通常60〜0.1kPaである。この様なエステル交
換反応及び重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に
分けて行っても良い。この様にして得られるポリマー
は、極限粘度が通常0.4〜0.90dl/gであり、
常法によりチップ化される。ポリマ−チップの平均粒径
は、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.
0mmの範囲とされる。
【0022】次に、上記の様に溶融重縮合により得られ
たポリマーは、固相重合しても良い。固相重合に供され
るポリマーチップは、予め固相重合を行う温度より低い
温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に供さ
れる。予備結晶化工程は、非晶状態のポリマーチップ
を、チップ結晶化発熱での融着が起こらないように常に
流動状態下で一段もしくは二段で結晶化させる。次の固
相重合工程は、少なくとも一段からなり、通常そのポリ
マ−の融着温度以下の重合温度で、0.05〜5kPa
の真空下、もしくは常圧〜0.1MPaの条件下で窒
素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス流通下で実施
される。固相重合時間は、温度が高いほど短時間でよい
が、通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、更に
好ましくは10〜25時間である。
【0023】本発明のポリアルキレンテレフタレートの
固有粘度は、好ましくは0.5〜1.6、更に好ましく
は、0.6〜1.3である。固有粘度が0.5未満であ
ると衝撃強度が低下したり、延伸成形性が低下するなど
の物性低下があり好ましくない。固有粘度が1.6を超
えると生産性が悪く、射出成形性や延伸成形性が低下し
て好ましくない。
【0024】添加した無機化合物は、蛍光X線分析、原
子吸光分析、誘導結合プラズマ(以下、ICPと略すこ
とがある。)発光分析等で金属成分を検知できる。
【0025】本発明の方法により製造されたポリエステ
ル樹脂組成物は、各種成形体に成形することが出来る。
成形には、一般の成形方法、例えば中空成形体の場合、
射出ブロー成形、配向ブロー、押出ブロー、ダイレクト
ブロー、インジェクションブロー法などが適用され、そ
の他成形体に従い、射出成形法、シート成形法、インフ
レーション成形法、熱成形法、各種多層成形法などを適
用することができる。
【0026】第1に射出成形は、ポリアルキレンテレフ
タレート樹脂組成物の溶融温度以上に加熱することによ
り溶融し、溶融樹脂を金型へ流し込み冷却固化させるこ
とで実施される。この際、金型は、該ポリアルキレンテ
レフタレート樹脂組成物に適正な温度に加熱あるいは冷
却される。さらに、ランナー部分も必要に応じて加熱
(ホットランナー)しても良いし、加熱無(コールドラ
ンナー)でも良い。本発明のポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂組成物は、流動性、結晶性など良好な成形性を
有する。
【0027】第2に、配向ブロー法による成形は、例え
ば次のように行うことができる。まずポリアルキレンテ
レフタレート樹脂組成物を、適当な形状の中空円筒有底
状のプリフォーム(非晶成形品)に射出成形する(例え
ば、長さ11cm、内径1.5cm,外径2.3cm、
胴部平均厚み4mm)。引き続き、これをそのポリマー
のガラス転移点(Tg)以上に予熱し、その容器の胴部
相当部分の表面積を約1.5〜16倍程度まで延伸させ
る。なお、容器の熱処理は適宜に行なうことができる。
本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を用
いて成形した中空成形体は、その透明性を厚み300μ
mでヘーズで好ましくは3%以下、さらに好ましくは2
%以下とすることができ、良好な外観と透明性を得るこ
とができる。
【0028】第3に、熱成形による各種形状の包装材料
は、例えば次のように行うことが出来る。まず、ポリア
ルキレンテレフタレート樹脂組成物を押出機にて押出
し、シート状に引き取る。引き続き、そのガラス転移温
度以上に加熱し、圧空又は真空成形により、例えば、ト
レ−など適正な形状に成形することが出来、良好な外観
と透明性を得ることが出来る。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが本発明はこれによって何ら限定を受けるもの
ではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。 1)極限粘度(以下、IVと略記する):チップ及び成
形体から切り出した試料を一定量計量し、o−クロロフ
ェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃
にて測定した。 2)ヘーズ:成形体(ボトル胴部、シートなど)より5
0mm×50mmの大きさに切り出した試料について、
日本電色工業製Color and color di
ference meter(MODEL1001D
P)にて測定した。 3)識別化合物としての無機化合物の識別方法:樹脂組
成物中の標識化合物の金属成分は、蛍光X線分析装置
(理学電機工業(株)製、System3270)を使
用して定性及び定量を行った。 4)アセトアルデヒド含有量(以下、AAと略記す
る):AA含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶
に仕込み、150℃×60分保持し、日立製ヘッドスペ
ースガスクロマトグラフィーにて測定した。 5)ジエチレングリコール含有量(以下、DEGと略記
する):サンプルをヒドラジンにて分解し、ガスコロマ
トグラフィーにて測定した 6)Col−b:サンプルを一定容量定量し、カラーマ
シン社製CM−7500型カラーマシンで測定する。
【0030】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
をエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールで
エステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチル
に、識別化合物として、塩化銀を10重量ppm添加し
たテレフタル酸ジメチル(以下、原料リサイクルDMT
と略記する)100重量部、およびエチレングリコ−ル
(以下、「EG」と略記)64重量部を、エステル交換
反応触媒としてテトラ−t−ブトキシチタンを用い、副
生するメタノールを系外に留去しつつ、エステル交換反
応を実施する。さらに、重合触媒として二酸化ゲルマニ
ウムを添加し、250℃まで加熱昇温しながらエステル
交換反応させ、メタノールの留去がほぼ終了した段階
で、安定剤として正リン酸を添加して、エステル交換反
応を終了せしめた。
【0031】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮
合反応させて,固有粘度0.60のポリマ−を得た。引
き続き、固相固相重合し、固有粘度0.83、Col−
b=2、DEG=1.8wt%、AA=2ppmのポリ
アルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、ポ
リアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物中の銀は、テレ
フタル酸ジメチルに対して、7重量ppmであった。
【0032】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹
脂組成物を乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、
第1に、射出成形機(名機製作所社製「M−100D
M」)にて、シリンダー温度275℃、スクリュー回転
数160rpm、1次圧時間3.0秒、金型温度10
℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19m
m、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォ
ームを射出成形した。得られたプリフォームの固有粘度
は0.77で、外観は良好で、射出成形性も良好であっ
た。引き続いて、プリフォームの表面温度約110℃に
赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/c
2、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延
伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約
1.5リットルのボトルを成形し、ボトルのヘーズは、
0.9%で延伸性も良好であった。
【0033】第2に、ベント付2軸押出機にて膜厚0.
5mmのシートを得、引き続き、シート表面温度100
℃に加熱して、圧空にてトレ−に熱成形し、トレーのヘ
ーズは1.0%で、その成形性も良好であった。
【0034】[参考例1]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物な
し)とする以外は実施例1と同様に行った。固有粘度
0.82、Col−b=2、DEG=1.8wt%、A
A=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成
物を得た。
【0035】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフ
ォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形
性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成
形し、ボトルのヘーズは、0.9%で延伸性も良好であ
った。
【0036】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形
し、トレーのヘーズは1.1%で、その成形性も良好で
あった。
【0037】[実施例2]識別化合物として、塩化銀を
8重量ppm含有する原料リサイクルDMT95重量
部、イソフタル酸ジメチル5重量部およびエチレングリ
コ−ル(以下、「EG」と略記)64重量部を、エステ
ル交換反応触媒として酢酸マンガン、整色剤として酢酸
コバルトを用い、副生するメタノールを系外に留去しつ
つ、エステル交換反応を実施する。さらに、重合触媒と
して三酸化アンチモンを添加し、250℃まで加熱昇温
しながらエステル交換反応させ、メタノールの留去がほ
ぼ終了した段階で、安定剤として正リン酸を添加して、
エステル交換反応を終了せしめた。
【0038】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮
合反応させて,固有粘度0.60のポリマ−を得た。引
き続き、固相固相重合し、固有粘度0.83、Col−
b=1、DEG=1.3wt%、AA=2ppmのポリ
アルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、ポ
リアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物中の銀は、テレ
フタル酸ジメチルに対して、5重量ppmであった。
【0039】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフ
ォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形
性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成
形し、ボトルのヘーズは、1.2%で延伸性も良好であ
った。
【0040】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形
し、トレーのヘーズは1.2%で、その成形性も良好で
あった。
【0041】[参考例2]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物な
し)とする以外は実施例3と同様に行った。固有粘度
0.83、Col−b=1.8、DEG=1.3wt
%、AA=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹
脂組成物を得た。
【0042】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフ
ォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形
性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成
形し、ボトルのヘーズは、1.2%で延伸性も良好であ
った。
【0043】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形
し、トレーのヘーズは1.2%で、その成形性も良好で
あった。
【0044】[実施例3]識別化合物として、塩化銀を
10重量ppm添加した原料リサイクルDMT100重
量部、およびテトラメチレングリコ−ル(以下、「TM
G」と略記)65重量部を、エステル交換反応触媒とし
てテトラ−t−ブトキシチタンを用い、副生するメタノ
ールを系外に留去しつつ、210℃まで加熱昇温しなが
らエステル交換反応させ、次いで、反応生成物を高温高
真空下で重縮合反応させて固有粘度0.70のポリマー
を得た。引き続き、固相重合し、固有粘度1.20、C
ol−b=−2.0のポリアルキレンテレフタレ−ト樹
脂組成物を得た。ポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組
成物中の銀は、テレフタル酸ジメチルに対して、7重量
ppmであった。
【0045】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹
脂組成物を乾燥機にて乾燥させた後、射出成形機(名機
製作所社製「M−100DM」)にて、シリンダー温度
260℃で、10cm×10cm×厚み2mmのプレー
トを成形した。プレートの成形性(可塑性、流動性)及
び外観は良好であった。
【0046】[参考例3]テレフタル酸ジメチルを帝人
製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物な
し)とする以外は実施例5と同様に行った。固有粘度
1.20、Col−b=−2.3のポリアルキレンテレ
フタレ−ト樹脂組成物を得た。
【0047】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹
脂組成物を乾燥機にて乾燥させた後、射出成形機(名機
製作所社製「M−100DM」)にて、シリンダー温度
260℃で、10cm×10cm×厚み2mmのプレー
トを成形した。プレートの成形性(可塑性、流動性)及
び外観は良好であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンテレフ
タレートを解重合し、メタノールでエステル化されたテ
レフタル酸ジメチルに識別化合物としての無機化合物を
添加したテレフタル酸ジメチル組成物からなるポリアル
キレンテレフタレート樹脂組成物を樹脂成形体に加工す
る際に容易に識別可能で、バージンのテレフタル酸ジメ
チルからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等
の品質を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成
物及びその識別方法を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別化合物としての無機化合物をテレフ
    タル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm含有する
    ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機化合物が、ルテニウム、ロジウム、
    パラジウム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成
    される単体及び/或いは無機化合物である請求項1のポ
    リアルキレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成
    物を製造するに際し、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
    ム、銀、オスニウム、イリジウム、白金、金からなる群
    から選ばれた少なくとも1種の貴金属から構成される単
    体及び/或いは無機化合物からなる識別化合物を、1〜
    1000重量ppm含有するテレフタル酸ジメチル組成
    物を使用することを特徴とする、ポリアルキレンテレフ
    タレート樹脂組成物の識別方法。
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