JP2002173560A - ポリオレフィン樹脂組成物及びそのフィルム - Google Patents
ポリオレフィン樹脂組成物及びそのフィルムInfo
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Abstract
ブロッキング性、さらに滑り性、耐傷つき性、二次加工
性および目視外観(ちらつき感)に優れ、これらの物性
のバランスが向上したポリオレフィン系樹脂組成物及び
その組成物からなるフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂(A)および天然
鉱物を紛砕・焼成して得られ、体積平均粒径が1〜5μ
であり、かつ体積粒径分布において該体積平均粒径の
1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合が30〜40重
量%であり、粒径22μを超える粒子の割合が1.0重
量%未満であるアンチブロッキング剤(B)からなり、
そのアンチブロッキング剤(B)の配合濃度が500〜
15000重量ppmであるポリオレフィン系樹脂組成
物。
Description
樹脂組成物およびその組成物からなるフィルムに関する
ものである。更に詳しくは、本発明は、透明性、透視
感、耐ブロッキング性、さらに滑り性、耐傷つき性、二
次加工性および目視外観(ちらつき感)に優れ、これら
の物性のバランスが向上したポリオレフィン系樹脂組成
物及びその組成物からなるフィルムに関するものであ
る。
フィルムの製膜加工性が良いこと、加工機の汚染が起り
にくいこと等に関係する耐加工機汚染性が優れること等
が要求され、包装用フィルムには、内容物が明瞭に見え
ること等に関係するフィルムの透明性に優れ、目視での
ちらつき感が少ないこと、フィルムの製袋等の二次加工
時に取り扱いやすいこと、得られた袋に内容物を充填す
る時、特に自動充填時に、袋の口が開き易いこと等に関
係するフィルムの耐ブロッキング性、滑り性等に優れる
こと、輸送時にフィルム同士の摩擦による傷の発生が起
りにくいこと等に関係する耐傷付き性に優れること等が
要求される。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体が好適に用いられるが、フィルムの耐ブロ
ッキング性、滑り性の問題から、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体を単独で使用することは困難であるので、
エチレン−α−オレフィン共重合体とアンチブロッキン
グ剤、滑剤等からなるポリオレフィン系樹脂が包装用フ
ィルムの材料として用いられている。
は、ポリオレフィン系樹脂、平均粒径が1〜10μであ
る実質的に球状のアンチブロッキング剤、および、天然
鉱物を粉砕・焼成して得られ、平均粒径が1〜5μであ
り、かつ該平均粒径の1.5倍以上の粒径を有する粒子
の割合が10〜40重量%であるアンチブロキング剤か
らなるポリオレフィン系樹脂組成物が記載されている
が、フィルムの透視感及び目視外観(ちらつき感)に関
しては、さらに改良が求められていた。
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、重量に基づ
く粒度分布において実質的に2つ以上の極大値を示し、
該極大値を与える最も大きい粒子径と最も小さい粒子径
の差が3.0μ以上であるアンチブロッキング剤0.0
1〜2.0重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成
物が記載されているが、透視感及び目視外観(ちらつき
感)に関しては、さらに改良が求められていた。
た場合、透明性、透視感、耐ブロッキング性、さらに滑
り性、耐傷つき性、二次加工性および目視外観(ちらつ
き感)に優れ、これらの物性のバランスが向上した材料
が望まれていた。
ルムに用いた場合、透明性、透視感、耐ブロッキング
性、さらに滑り性、耐傷つき性、二次加工性および目視
外観(ちらつき感)に優れ、これらの物性のバランスが
向上したポリオレフィン系樹脂組成物及びその組成物か
らなるフィルムを提供することにある。
状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明が上記課題を解決
できることを見出し、本発明を完成させるに至った。す
なわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)および
天然鉱物を紛砕・焼成して得られ、体積平均粒径が1〜
5μであり、かつ体積粒径分布において該体積平均粒径
の1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合が30〜40
重量%であり、粒径22μを超える粒子の割合が1.0
重量%未満であるアンチブロッキング剤(B)からな
り、そのアンチブロッキング剤(B)の配合濃度が50
0〜15000重量ppmであるポリオレフィン系樹脂
組成物に係るものである。
(A)、天然鉱物を紛砕・焼成して得られ、体積平均粒
径が1〜5μであり、かつ体積粒径分布において該体積
平均粒径の1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合が3
0〜40重量%であり、粒径22μを超える粒子の割合
が1.0重量%未満であるアンチブロッキング剤(B)
および有機アミド化合物(C)からなり、そのアンチブ
ロッキング剤(B)の配合濃度が500〜15000重
量ppmであり、その有機アミド化合物(C)の配合濃
度が200〜5000重量ppmであるポリオレフィン
系樹脂組成物に係るものである。さらに、本発明は、上
記のポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムに係
るものである。
ン樹脂(A)とは、炭素数2〜10のオレフィンから誘
導される少なくとも1種の構造単位を50〜100重量
%含む熱可塑性樹脂である。
えば、エチレンまたはα−オレフィンの単独重合体、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オ
レフィン共重合体、エチレン−プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレンとα−オレフィンおよび/また
は共役ジエンや非共役ジエン等の多不飽和化合物との共
重合体等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、少
なくとも2種を併用しても良い。
しくは、エチレンまたはα−オレフィンの単独重合体、
エチレン−α−オレフィン共重合体、または、これらの
混合物である。
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペン
テン、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙
げられ、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1であり、さらに好ましくはブテン−
1、ヘキセン−1である。
ンゼン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9
−デカジエン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロヘキ
セン、エチリデンノルボルネン等が挙げられ、好ましく
はジビニルベンゼン、ノルボルナジエン、ジシクロペン
タジエンである。
れる単独重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1
等が挙げられ、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピ
レンである。
はエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−
1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合
体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オク
テン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体等が
挙げられ、好ましくは、エチレン−ブテン−1共重合
体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチ
レン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1
共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体である。
ては、プロピレン−4−メチルペンテン−1共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体等が挙げられ、好まし
くは、プロピレン−ブテン−1共重合体である。
重合体としては、エチレン−プロピレン−ブテン−1共
重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン−1共重合体
等が挙げられ、好ましくは、エチレン−プロピレン−ブ
テン−1共重合体である。
共役ジエンや非共役ジエン等の多不飽和化合物との共重
合体としては、エチレン−プロピレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ノルボルナジエン
共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエ
ン共重合体等が挙げられ、好ましくは、エチレン−プロ
ピレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
て用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体のα−
オレフィンの含有量として、好ましくは0.5〜30重
量%であり、より好ましくは1.0〜20重量%であ
る。
として、好ましくは880〜970kg/m3であり、
より好ましくは890〜940kg/m3であり、さら
に好ましくは910〜930kg/m3である。
オレフィンのメルトフローレート(MFR)として、好
ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましく
は0.2〜20g/10分であり、さらに好ましくは
0.3〜5g/10分である。
シレン可溶部(CXS)(重量%)として、好ましくは
下記式(1)の範囲を満足するものである。 1.5×10-4×(d/1000)-125×MFR0.5+0.3≧CXS 式(1)
系樹脂(A)として、上記の単独重合体および共重合体
以外に、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステル化物や酸
無水物との共重合体やエチレンと酢酸ビニル等のビニル
エステル類との共重合体が挙げられる。さらに、これら
の共重合体のエチレンをプロピレンに替えた共重合体も
挙げられる。具体的には、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレ
イン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙
げられる。
(A)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公
知の方法を用いることができる。例えば、チーグラー・
ナッタ触媒系、メタロセン触媒系、バナジウム触媒系等
の存在下で行うイオン重合法または配位重合法、あるい
はパーオキサイド化合物等の存在下で行うラジカル重合
法等が挙げられる。また、重合方法としても、特に限定
されるものではなく、公知の重合方法を用いることがで
きる。例えば、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重
合法、高圧重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましく
は、バルク重合法、溶液重合法、高圧重合法、気相重合
法である。
(B)は、天然鉱物を紛砕・焼成して得られ、体積平均
粒径が1〜5μであり、かつ体積粒径分布においてその
体積平均粒径の1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合
が30〜40重量%であり、粒径22μを超える粒子の
割合が1.0重量%未満であるアンチブロッキング剤で
ある。
径は1〜5μであり、好ましくは2〜5μである。体積
平均粒径が1μ未満である場合、フィルムの耐ブロッキ
ング性が劣ることがあり、5μを超えた場合、フィルム
の透明性が劣ることがある。
布において体積平均粒径の1.5倍以上の粒径を有する
粒子の割合は30〜40重量%であり、好ましくは33
〜40重量%である。上記の割合が30重量%未満であ
る場合、二次加工性が劣ることがあり、40重量%を超
えた場合、フィルムの透明性が劣ることがある。
する粒子の体積粒径分布における粒径22μを超える粒
子の割合は1.0重量%未満であり、好ましくは0.5
重量%未満である。粒径22μを超える粒子の割合が
1.0重量%以上である場合、フィルムの目視外観(ち
らつき感)が劣ることがある。
(B)における天然鉱物としては、二酸化珪素、クレ
ー、タルク、珪藻土、長石、ゼオライト、カオリナイ
ト、ウォラストナイト、セリサイト等が挙げられ、好ま
しくは、六角板状又は不整六角板状のカオリナイトであ
る。
(B)における天然鉱物を粉砕・焼成するということは
天然鉱物を工業的に精製することを意味する。粉砕と
は、得られた天然鉱物を本発明の要件である体積平均粒
径、体積粒径分布を有する粉体にすることであり、ま
た、本発明の要件である体積平均粒径、体積粒径分布を
有する粉体を得るために行う分級、捕集等の作業をも含
む。粉砕の方法としては、特に制限はないが、例えば、
ボールミル、チューブミル、ハンマーミル等を用いる方
法が挙げられ、また、粉砕の方法は乾式法、湿式法のど
ちらを用いても構わない。焼成とは、得られた天然鉱物
を200℃から800℃の温度で加熱することであり、
天然鉱物中の結晶中に含まれる構造水を取り除くことを
意味する。焼成の温度は、フィルム成形時の発泡現象や
フィルム端面の黒ずみ現象を防止する観点から、好まし
くは500℃以上である。上記のような方法で得られ
た、好ましいアンチブロッキング剤(B)成分として、
上記の六角板状又は不整六角板状の焼成カオリナイトが
挙げられる。
上記のポリオレフィン系樹脂(A)に上記のアンチブロ
ッキング剤(B)を、その濃度が500〜15000重
量ppmになるように配合したものであり、アンチブロ
ッキング剤(B)の濃度として、好ましくは1000〜
10000重量ppmである。アンチブロッキング剤
(B)の濃度が500重量ppm未満の場合、フィルム
の耐ブロッキング性が不充分であることがあり、150
00重量ppmを超えた場合、フィルムの透明性や透視
感等の光学的性質が悪化することがある。
ては、ポリオレフィン系樹脂(A)およびアンチブロッ
キング剤(B)に加えて、有機アミド化合物(C)を配
合して用いることが好ましい。有機アミド化合物(C)
の配合濃度は、フィルムの滑り性、耐傷付き性及び耐ブ
ロッキング性の観点から、好ましくは200〜5000
重量ppmであり、より好ましくは500〜3000重
量ppmである。
(C)としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂
肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビス
アミド等をあげることができ、これらは単独で用いても
よく、二種以上を併用してもよい。
ミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、べへニン酸アミ
ド等が挙げられ、不飽和脂肪酸アミドとしては、例え
ば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられ
る。飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチレン
ビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、へキサメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げ
られ、不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチ
レンビスオレイン酸アミド、へキサメチレンビスオレイ
ン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミド等が
挙げられる。好ましくは、ステアリン酸アミド、オレイ
ン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン
酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドであり、これ
らは単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
造方法としては、本発明で用いられるポリオレフィン系
樹脂(A)およびアンチブロッキング剤(B)、また
は、ポリオレフィン系樹脂(A)、アンチブロッキング
剤(B)および有機アミド化合物(C)を均一に混合す
る方法が挙げられる。混合方法としては、特に制限はな
く、上記の名成分の所定量を公知の方法で混合するが挙
げられ、例えば、タンブラーブレンダー、へンシェルミ
キサー等の混合機を用いてドライブレンドする方法、混
合後更に単軸押出機、多軸押出機等を用いて溶融混練造
粒する方法、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミ
ル等を用いて溶融混練後造粒する方法等が挙げられる。
上記の各成分の混合は、それらを一度に混合してもよ
く、それらの一部をあらかじめ混合した後、残りの部分
と更に混合してもよい。
は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、公知の配
合剤を配合してもよい。配合剤としては、例えば、耐候
安定剤、酸化防止剤、中和剤、防曇剤、離型剤、顔料、
難燃剤、無機または有機の充填剤等が挙げられる。
なるフィルムは、特に制限はないが、フィルムの厚さと
しては、通常、5〜200μである。また、本発明のポ
リオレフィン系樹脂組成物からなる単独のフィルムでも
よく、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物からなる層
および他の熱可塑性樹脂組成物からなる層を有する二層
以上の多層フィルムでもよく、また、本発明のポリオレ
フィン系樹脂組成物を基材にラミネー卜したラミネート
フィルムでもよい。
フィン系樹脂組成物からなる層が最外層の両側又は片側
であるものが好ましい。また、多層フィルムに用いられ
る他の熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリアミド、ポリエステルおよびこれらの混合物等が挙
げられる。ラミネートフィルムに用いられる基材として
は、例えば、プラスチックフィルム、アルミ箔、板紙、
紙等が挙げられる。
なるフィルムの成形法としては、公知の成形法が挙げら
れ、例えば、空冷インフレーション成形法、水冷インフ
レーション成形法、キャスト成形法等が挙げられる。さ
らに、これらの成形法を用いて、本発明のポリオレフィ
ン系樹脂組成物を単独で成形する方法や、他の熱可塑性
樹脂組成物と積層成形する方法等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂組成物と上記の他の樹脂を共押出
インフレーション成形する方法または共押出キャスト成
形する方法等が挙げられる。また、本発明のポリオレフ
ィン系樹脂組成物を単独又は共押出で成形した後、延伸
又は無延伸のポリプロピレン、ポリエステルフィルム、
ポリアミド等のフィルム、アルミ箔、セロハン、紙およ
びそれらの複合フィルム等とドライラミネーション又は
サンドイッチラミネーションする方法等が挙げられる。
発明のポリオレフィン系樹脂組成物を上記の基材に対し
て押出コーティング又は共押出コーティングする方法等
が挙げられる。
なるフィルムは、透明性、透視感、耐ブロッキング性、
さらに滑り性、耐傷つき性、二次加工性および目視外観
(ちらつき感)に優れ、これらの物性のバランスが向上
したものであり、その優れた特徴を生かして、例えば、
食品、繊維、医薬品、肥料、雑貨品、工業部品等の包装
用フィルムとして、またゴミ袋、規格袋用フィルムとし
て、さらに農業用被覆材及び建築用被覆材として、最適
に使用できる。
体的に説明するが、本発明は、これらによって限定され
るものではない。本実施例および比較例で使用した材料
を以下に示した。
製、スミカセン L FS150、メルトフローレー
ト:1.0g/10分、密度:921kg/m3、冷キ
シレン可溶部(CXS):4.2重量%) (1−2)PO−2 ポリエチレン(住友化学工業(株)製、スミカセン F
200−0、メルトフローレート:2.0g/10分、
密度:923kg/m3) (PO−1は、チーグラー系触媒を用い、気相イオン重
合法で製造されたものであり、PO−2は、ラジカル重
合法により製造されたものである。メルトフローレート
(MFR、単位:g/10分)および密度(d、単位:
kg/m3)は、JIS K 6760に従って測定さ
れたものであり、冷キシレン可溶部(CXS、単位:重
量%)は、米国のCode of federal r
egulations,Food and Drugs
Administrationの§175.1520
に規定された方法に従って測定されたものである。)
(B)は、以下に示したものを使用した。 (2−1)ABA−1 焼成カオリナイト粉末(水沢化学工業社製、体積平均粒
子径:2.55μm、平均粒子径の1.5倍以上の粒子
径である粒子の割合:35.3重量%、粒子径が22μ
mを超える粒子の割合:0.38重量%) (2−2)ABA−2 焼成カオリナイト粉末(水沢化学工業社製、インシュラ
イトMC−6、体積平均粒子径:3.17μm、平均粒
子径の1.5倍以上の粒子径である粒子の割合:36.
5重量%、粒子径が22μmを超える粒子の割合:1
1.8重量%) (2−3)ABA−3 珪酸アルミニウム粉末(水澤化学工業社製、シルトンJ
C−30、体積平均粒子径:3.11μm、平均粒子径
の1.5倍以上の粒子径である粒子の割合:25.1重
量%、粒子径が22μmを超える粒子の割合:0重量
%) (2−4)ABA−4 珪酸アルミニウム粉末(水澤化学工業社製、シルトンJ
C−50、体積平均粒子径:6.49μm、平均粒子径
の1.5倍以上の粒子径である粒子の割合:16.2重
量%、粒子径が22μmを超える粒子の割合:0.52
重量%)
チの製造及びアンチブロッキング剤のポリオレフィン系
樹脂への配合 アンチブロッキング剤マスターバッチは、各アンチブロ
ッキング剤をポリオレフィン系樹脂に加えて、アンチブ
ロッキング剤の濃度を10重量%に調整して、バンバリ
ーミキサーを用いて溶融混練して製造した。アンチブロ
ッキング剤のポリオレフィン系樹脂への配合は、上記マ
スターバッチの配合量を調整することにより各アンチブ
ロッキング剤の配合濃度を調整して行った。
の製造及び有機アミド化合物のポリオレフィン系樹脂へ
の配合 有機アミド化合物として、エルカ酸アミドとエチレンビ
スステアリン酸アミドを4:1の重量割合で混合した脂
肪酸アミド化合物を用いた。脂肪酸アミド化合物のマス
ターバッチは、上記脂肪酸アミド化合物をポリオレフィ
ン系樹脂に加えて、上記脂肪酸アミド化合物の濃度を
2.0重量%に調整して、バンバリーミキサーを用い溶
融混練して製造した。脂肪酸アミド化合物のポリオレフ
ィン系樹脂への配合は上記マスターバッチの配合量を調
整することにより、脂肪酸アミド化合物の配合濃度を調
整して行った。
記の方法に従って測定した。 アンチブロッキング剤(B)の体積平均粒径及び体積粒
径分布 日機装株式会社製マイクロトラックFRAを使用した。
メタノール中にサンプルを投入し2分間超音波分散させ
た試料溶液を測定レンジ0.12〜704μm、粒径分
布50区分で測定した。得られた体積粒径分布曲線の累
積50%径を試料の体積平均粒径とした。 (6)へイズ(透明性、単位:%) ASTM D1003−61に準拠して測定した。
間以上状態調整後、東洋精機社製LSI試験機を用い、
±0.4〜1.2°の散乱透過光を測定し、透視感の尺
度とした。数値が小さい方が透視感が優れることを示
す。
さ)×80mm(幅)の試料フィルムを傾斜板上に載置
し、下面に試料フィルムを取付けた100mm(長さ)
×65mm(幅)の1kgのスレッドを置いた。傾斜上
昇速度2.7°/秒でスレッドが動き始めた角度θを測
定し、tanθで表示した。数値が小さい方が滑り性が
良好であることを示す。
0g/cm2の重量下、7日間密着させた後、クロスヘ
ッド速度一定型引張試験機にて引張速度200mm/m
inの条件で、フィルム面積500cm2をせん断的に
引き剥がすのに要する最大応力を測定し、耐ブロッキン
グ性の尺度とした。数値が小さい方が耐ブロッキング性
が優れることを示す。
%) 成形フィルムを23±2℃、50±5%RHで24時間
以上状態調整後、成形フィルムを二枚重ねにし、一方を
フィルムが傷付かないような軟質材の上に弛みや皺のな
いように取り付け、シェー力ー(TAITEC社、Re
copro Shaker R−10)上に固定した
(傷付き性測定用試料)。他方を金属パイプにシリコン
ゴムを張り付けた棒を介して固定し、振幅40mm、振
とう速度60回/分の条件で1分間フィルム同志を擦り
合わせた。擦り合わせた前後の成形フィルムのへイズを
ASTMD1003−61に準拠して測定し、その差を
△へイズとし、フィルムの耐傷つき性の尺度とした。数
値が小さい方が耐傷付き性が優れることを示す。
を400m巻取り、40℃に調整されたオーブン中で3
日間状態調整後、西村製作所製NSTC100型スリッ
ターを使用し、ライン速度20m/min、巻出ブレー
キ力15kg・mの条件で巻き換えを行い、ガイドロー
ルの汚れを観察し、二次加工性の尺度とした。下記の基
準に従って評価した。 ◎:ガイドロールに汚れはみられなかった。(二次加工
性が非常に優れる。) ○:ガイドロールに僅かに汚れがみられたが、問題とな
らなかった。(二次加工性が良好である。) △:ガイドロールに汚れがみられ問題となった。(二次
加工性が劣る。) ×:ガイドロールに汚れがみられ、時々ロールに付着し
た汚れ物がフィルムに転写した。(二次加工性が非常に
劣る。)
用い、複数のパネラーによって、ちらつき感(50〜1
00μm程度のグレインの多少)について目視観察し、
フィルムの外観として、下記の基準に従って総合的に判
定し、目視外観の尺度とした。 ◎:パネラー全員が外観について良好と判定した。(目
視外観が非常に優れる。) ○:ほぼパネラー全員が外観について良好と判定した。
(目視外観が良好である。) △:パネラーの半数以上が外観について不満と判定し
た。(目視外観が劣る。) ×:パネラー全員が外観について不満と判定した。(目
視外観が非常に劣る。)
性、二次加工性(ロール汚れ性)及び目視外観の結果か
ら、フィルムの外観と実用物性のバランスを、下記の基
準に従って、総合評価として示した。 ○:外観と実用物性とのバランスが良好であった。 △:外観と実用物性とのバランスがやや悪いものであっ
た。 ×:外観と実用物性とのバランスが悪く、実用に供せな
いものであった。
系樹脂組成物の成分及びそれらの量を表1に示した。各
ポリオレフィン系樹脂組成物は、タンブラーミキサーを
用いてドライブレンドして得られた。得られた各ポリオ
レフィン系樹脂組成物を、50mmφ単軸押出機からな
るプラコー製インフレーションフィルム成形機を用い
て、25kg/hrの押出量、200℃のダイ設定温度
BUR1.8の条件で、厚みが20μmまたは80μm
である単層フィルムに成形した。得られたフィルムの評
価結果を表2に示した。ヘイズ、LSI、目視外観は、
厚みが80μmであるフィルムを用いて評価し、ブロッ
キング、摩擦角、耐傷つき性は厚みが20μmであるフ
ィルムを用いて評価した。
性、透視感、耐ブロッキング性、さらに滑り性、耐傷つ
き性、二次加工性および目視外観(ちらつき感)に優
れ、これらの物性のバランスが向上したものであること
が分かる。これに対して、本発明の要件であるアンチブ
ロッキング剤(B)を用いなかった比較例1は、耐ブロ
ッキング性、滑り性、ロール汚れ性が不充分なものであ
る。アンチブロッキング剤(B)が体積粒径分布におい
て粒径22μmを超える粒子を1.0重量%以上含有す
るため、本発明の要件を満足しない比較例2は、透明
性、目視外観が不充分なものである。本発明の要件であ
る体積粒径分布においてアンチブロッキング剤(B)の
体積平均粒径の1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合
を満足しない比較例3は、ロール汚れ性が不充分なもの
である。本発明の要件であるアンチブロッキング剤
(B)の体積平均粒径、体積粒径分布における体積平均
粒径の1.5倍以上の粒径を有する粒子の割合を満足し
ない比較例4は、耐傷つき性、ロール汚れ性が不充分な
ものである。
フィルムに用いた場合、透明性、透視感、耐ブロッキン
グ性、さらに滑り性、耐傷つき性、二次加工性および目
視外観(ちらつき感)に優れ、これらの物性のバランス
が向上したポリオレフィン系樹脂組成物およびその組成
物からなるフィルムが提供される。また、本発明のフィ
ルムは、優れた特性を生かして、例えば食品、繊維、医
薬品、肥料、雑貨品、工業用部品などの包装用材料とし
て、また農業用被覆材および建築用被覆材として最適に
使用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂(A)および天然鉱
物を紛砕・焼成して得られ、体積平均粒径が1〜5μで
あり、かつ体積粒径分布において該体積平均粒径の1.
5倍以上の粒径を有する粒子の割合が30〜40重量%
であり、粒径22μを超える粒子の割合が1.0重量%
未満であるアンチブロッキング剤(B)からなり、該ア
ンチブロッキング剤(B)の配合濃度が500〜150
00重量ppmであることを特徴とするポリオレフィン
系樹脂組成物。 - 【請求項2】アンチブロッキング剤(B)の天然鉱物が
カオリナイトであることを特徴とする請求項1記載のポ
リオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成
物のポリオレフィン系樹脂(A)およびアンチブロッキ
ング剤(B)に加えて、有機アミド化合物(C)を含有
し、該有機アミド化合物(C)の配合濃度が200〜5
000重量ppmであることを特徴とする請求項1記載
のポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレ
フィン系樹脂組成物からなるフィルム。
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WO2013031788A1 (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-07 | 住友化学株式会社 | 樹脂組成物、樹脂ペレット、樹脂ペレットの製造方法及び太陽電池封止材 |
JP2013064115A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-04-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 樹脂組成物、樹脂ペレット、樹脂ペレットの製造方法及び太陽電池封止材 |
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