JP2002173459A - 2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法 - Google Patents
2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法Info
- Publication number
- JP2002173459A JP2002173459A JP2001296390A JP2001296390A JP2002173459A JP 2002173459 A JP2002173459 A JP 2002173459A JP 2001296390 A JP2001296390 A JP 2001296390A JP 2001296390 A JP2001296390 A JP 2001296390A JP 2002173459 A JP2002173459 A JP 2002173459A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- trialkylbenzaldehyde
- trialkylbenzene
- reaction
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 1,2,4−トリアルキルベンゼンから種々
の化学製品の中間体、特に無水ピロメリット酸の原料と
して有用な2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒド
を安価かつ安全に製造する方法を提供する。 【解決手段】 1,2,4−トリアルキルベンゼンを触
媒の存在下で一酸化炭素によりカルボニル化反応して
2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドを製造する
方法であって、該触媒は、トリフルオロメタンスルホン
酸を必須とするものである2,4,5−トリアルキルベ
ンズアルデヒドの製造方法。
の化学製品の中間体、特に無水ピロメリット酸の原料と
して有用な2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒド
を安価かつ安全に製造する方法を提供する。 【解決手段】 1,2,4−トリアルキルベンゼンを触
媒の存在下で一酸化炭素によりカルボニル化反応して
2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドを製造する
方法であって、該触媒は、トリフルオロメタンスルホン
酸を必須とするものである2,4,5−トリアルキルベ
ンズアルデヒドの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,4,5−トリ
アルキルベンズアルデヒドの製造方法に関する。より詳
しくは、種々の化学製品の中間体、特に無水ピロメリッ
ト酸の原料として有用な2,4,5−トリアルキルベン
ズアルデヒドの製造方法に関する。
アルキルベンズアルデヒドの製造方法に関する。より詳
しくは、種々の化学製品の中間体、特に無水ピロメリッ
ト酸の原料として有用な2,4,5−トリアルキルベン
ズアルデヒドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族アルデヒド類は、種々の化学製品
の中間体として有用な化合物であり、中でもトリアルキ
ルベンズアルデヒドは芳香族ポリカルボン酸の前駆体と
して工業的に重要な中間体である。特に、2,4,5−
トリアルキルベンズアルデヒドは、耐熱性樹脂、可塑
剤、エポキシ樹脂用硬化剤等として、近年ますますその
重要性が高まっている無水ピロメリット酸の原料とし
て、非常に重要な化合物と言える。
の中間体として有用な化合物であり、中でもトリアルキ
ルベンズアルデヒドは芳香族ポリカルボン酸の前駆体と
して工業的に重要な中間体である。特に、2,4,5−
トリアルキルベンズアルデヒドは、耐熱性樹脂、可塑
剤、エポキシ樹脂用硬化剤等として、近年ますますその
重要性が高まっている無水ピロメリット酸の原料とし
て、非常に重要な化合物と言える。
【0003】トリアルキルベンズアルデヒドの製造法と
しては、テトラアルキルベンゼンの液相酸化による方
法、トリアルキルベンゼンの一酸化炭素によるカルボニ
ル化反応等が知られている。
しては、テトラアルキルベンゼンの液相酸化による方
法、トリアルキルベンゼンの一酸化炭素によるカルボニ
ル化反応等が知られている。
【0004】中でもトリアルキルベンゼンの一酸化炭素
によるカルボニル化反応は、収率も良く産業上好ましい
方法であると言える。しかしながら、従来知られている
方法では、反応圧が高く、設備費等が高価なものとな
る、また、反応原料に対し大過剰の触媒を使用する等、
工業的には改善する余地があった。更に、触媒としてH
F−BF3系を用い、少ない触媒量で、かつ、低温、低
圧での反応により比較的高い収率で、トリアルキルベン
ゼンからトリメチルベンズアルデヒドが得られる方法も
知られている。これについて化学工学、50
によるカルボニル化反応は、収率も良く産業上好ましい
方法であると言える。しかしながら、従来知られている
方法では、反応圧が高く、設備費等が高価なものとな
る、また、反応原料に対し大過剰の触媒を使用する等、
工業的には改善する余地があった。更に、触媒としてH
F−BF3系を用い、少ない触媒量で、かつ、低温、低
圧での反応により比較的高い収率で、トリアルキルベン
ゼンからトリメチルベンズアルデヒドが得られる方法も
知られている。これについて化学工学、50
〔9〕(1
986)小松、p.614−618には、芳香族アルデ
ヒド製造プロセスの合成過程に関し、プソイドキュメン
(1,2,4−トリメチルベンゼン)と一酸化炭素との
反応においてHF−BF3を触媒として行うことが開示
されている。しかしながら、触媒であるHF、BF3は
いずれも毒性、腐食性が高くかつ常温では気体でありそ
の取り扱いには細心の注意が必要となる。
986)小松、p.614−618には、芳香族アルデ
ヒド製造プロセスの合成過程に関し、プソイドキュメン
(1,2,4−トリメチルベンゼン)と一酸化炭素との
反応においてHF−BF3を触媒として行うことが開示
されている。しかしながら、触媒であるHF、BF3は
いずれも毒性、腐食性が高くかつ常温では気体でありそ
の取り扱いには細心の注意が必要となる。
【0005】ところで、無水ピロメリット酸の原料等と
して用いられる2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを製造する場合には、原料となるトリアルキルベン
ゼンの3つのアルキル基の置換位置は1,2,4位であ
る必要があり、なおかつ5位に選択的なカルボニル化反
応を行うことが必要である。すなわち1,2,4−トリ
アルキルベンゼンの5位が選択的にカルボニル化される
必要があり、その他の部位がカルボニル化された2,
3,5−トリメチルベンズアルデヒドや2,3,6−ト
リメチルベンズアルデヒドが多く生成した場合には目的
物の収率が低下することになる。また、国際特許公開第
00/15594号パンフレット(2000)の実施例
17〜19に記載されているような1,2,4−トリア
ルキルベンゼンの不均化反応が生じた場合はさらに多種
の副生成物が生じ収率が低下する。従って、不均化反応
を生じることなく高選択的に1,2,4−トリアルキル
ベンゼンの5位をカルボニル化することができる技術が
望まれている。
して用いられる2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを製造する場合には、原料となるトリアルキルベン
ゼンの3つのアルキル基の置換位置は1,2,4位であ
る必要があり、なおかつ5位に選択的なカルボニル化反
応を行うことが必要である。すなわち1,2,4−トリ
アルキルベンゼンの5位が選択的にカルボニル化される
必要があり、その他の部位がカルボニル化された2,
3,5−トリメチルベンズアルデヒドや2,3,6−ト
リメチルベンズアルデヒドが多く生成した場合には目的
物の収率が低下することになる。また、国際特許公開第
00/15594号パンフレット(2000)の実施例
17〜19に記載されているような1,2,4−トリア
ルキルベンゼンの不均化反応が生じた場合はさらに多種
の副生成物が生じ収率が低下する。従って、不均化反応
を生じることなく高選択的に1,2,4−トリアルキル
ベンゼンの5位をカルボニル化することができる技術が
望まれている。
【0006】J.Org.Chem.50
〔9〕(19
85)(米)p.1483には、基質として1,3,5
−トリアルキルベンゼンを用い、過酸触媒としてCF3
SO3Hを用いてカルボニル化反応を行う技術が開示さ
れている。しかしながら、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンについては記載がなく、2,4,5−トリアルキ
ルベンズアルデヒドを効率よく製造するための工夫の余
地があった。
85)(米)p.1483には、基質として1,3,5
−トリアルキルベンゼンを用い、過酸触媒としてCF3
SO3Hを用いてカルボニル化反応を行う技術が開示さ
れている。しかしながら、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンについては記載がなく、2,4,5−トリアルキ
ルベンズアルデヒドを効率よく製造するための工夫の余
地があった。
【0007】国際公開第00/15593号パンフレッ
ト(2000)には、アルキル芳香族アルデヒドを得る
ために、高沸点のカルボニル化触媒の存在下、一酸化炭
素でアルキル芳香族化合物を反応する方法に関し、高沸
点のカルボニル化触媒としての炭素数2〜18の過フル
オロアルキルスルホン酸が開示され、国際公開第00/
15594号パンフレット(2000)には、アルキル
芳香族アルデヒドを得るために、酸性イオン性液体の存
在下、一酸化炭素でアルキル芳香族化合物を反応する方
法が開示されている。また、特開昭64−75442号
公報には、超強酸中、銅(I)又は銀カルボニル触媒の
存在下、芳香族化合物と一酸化炭素を反応させる芳香族
アルデヒドの製造方法が開示され、特公平6−2109
3号公報には、フルオロ硫酸−五フッ化アンチモン系等
の特定の超強酸中、銅(I)又は銀カルボニル触媒の存
在下、芳香族化合物と一酸化炭素を反応させる芳香族ア
ルデヒドの製造方法が開示されている。
ト(2000)には、アルキル芳香族アルデヒドを得る
ために、高沸点のカルボニル化触媒の存在下、一酸化炭
素でアルキル芳香族化合物を反応する方法に関し、高沸
点のカルボニル化触媒としての炭素数2〜18の過フル
オロアルキルスルホン酸が開示され、国際公開第00/
15594号パンフレット(2000)には、アルキル
芳香族アルデヒドを得るために、酸性イオン性液体の存
在下、一酸化炭素でアルキル芳香族化合物を反応する方
法が開示されている。また、特開昭64−75442号
公報には、超強酸中、銅(I)又は銀カルボニル触媒の
存在下、芳香族化合物と一酸化炭素を反応させる芳香族
アルデヒドの製造方法が開示され、特公平6−2109
3号公報には、フルオロ硫酸−五フッ化アンチモン系等
の特定の超強酸中、銅(I)又は銀カルボニル触媒の存
在下、芳香族化合物と一酸化炭素を反応させる芳香族ア
ルデヒドの製造方法が開示されている。
【0008】しかしながら、これらの技術でも、高選択
的に1,2,4−トリアルキルベンゼンの5位にカルボ
ニル化反応を行うことにより、2,4,5−トリアルキ
ルベンズアルデヒドを安価かつ安全に製造するための工
夫の余地があった。
的に1,2,4−トリアルキルベンゼンの5位にカルボ
ニル化反応を行うことにより、2,4,5−トリアルキ
ルベンズアルデヒドを安価かつ安全に製造するための工
夫の余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、1,2,4−トリアルキル
ベンゼンから2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒ
ドを安価かつ安全に製造する方法を提供することを目的
とするものである。
鑑みてなされたものであり、1,2,4−トリアルキル
ベンゼンから2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒ
ドを安価かつ安全に製造する方法を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のト
リアルキルベンズアルデヒドの製造方法を検討するう
ち、トリアルキルベンゼンの一酸化炭素によるカルボニ
ル化反応による方法にまず着目した。このような方法の
場合、例えば、無水ピロメリット酸の原料を得るという
目的からは、カルボニル化の位置選択性が重要であり、
1,2,4−トリアルキルベンゼンの5位が選択的にカ
ルボニル化される必要があり、その他の部位がカルボニ
ル化された2,3,5−トリメチルベンズアルデヒドや
2,3,6−トリメチルベンズアルデヒドが多く生成し
た場合には目的物の収率が低下して目的を達成できなく
なるが、トリフルオロメタンスルホン酸を必須とする触
媒を用いることにより、極めて高選択的に1,2,4−
トリアルキルベンゼンの5位をカルボニル化して2,
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドが得られること
を見いだし、上記課題をみごとに解決することができる
ことに想到し、本発明に到達したものである。
リアルキルベンズアルデヒドの製造方法を検討するう
ち、トリアルキルベンゼンの一酸化炭素によるカルボニ
ル化反応による方法にまず着目した。このような方法の
場合、例えば、無水ピロメリット酸の原料を得るという
目的からは、カルボニル化の位置選択性が重要であり、
1,2,4−トリアルキルベンゼンの5位が選択的にカ
ルボニル化される必要があり、その他の部位がカルボニ
ル化された2,3,5−トリメチルベンズアルデヒドや
2,3,6−トリメチルベンズアルデヒドが多く生成し
た場合には目的物の収率が低下して目的を達成できなく
なるが、トリフルオロメタンスルホン酸を必須とする触
媒を用いることにより、極めて高選択的に1,2,4−
トリアルキルベンゼンの5位をカルボニル化して2,
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドが得られること
を見いだし、上記課題をみごとに解決することができる
ことに想到し、本発明に到達したものである。
【0011】すなわち本発明は、1,2,4−トリアル
キルベンゼンを触媒の存在下で一酸化炭素によりカルボ
ニル化反応して2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを製造する方法であって、上記触媒は、トリフルオ
ロメタンスルホン酸を必須とするものである2,4,5
−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法である。以
下に、本発明を詳述する。
キルベンゼンを触媒の存在下で一酸化炭素によりカルボ
ニル化反応して2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを製造する方法であって、上記触媒は、トリフルオ
ロメタンスルホン酸を必須とするものである2,4,5
−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法である。以
下に、本発明を詳述する。
【0012】本発明の2,4,5−トリアルキルベンズ
アルデヒドの製造方法は、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンを触媒の存在下で一酸化炭素によりカルボニル化
反応する工程を含む。このような工程においては、1,
2,4−トリアルキルベンゼンを反応原料として2,
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドを製造すること
になる。上記反応原料としては、1,2,4−トリアル
キルベンゼン以外の化合物等を含んでいても含んでいな
くてもよいが、1,2,4−トリアルキルベンゼンのみ
をカルボニル化反応(2,4,5−トリアルキルベンズ
アルデヒドの製造)に付することが好ましい。なお、
1,2,4−トリアルキルベンゼンは、1種を用いても
よく、2種以上を用いてもよい。
アルデヒドの製造方法は、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンを触媒の存在下で一酸化炭素によりカルボニル化
反応する工程を含む。このような工程においては、1,
2,4−トリアルキルベンゼンを反応原料として2,
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドを製造すること
になる。上記反応原料としては、1,2,4−トリアル
キルベンゼン以外の化合物等を含んでいても含んでいな
くてもよいが、1,2,4−トリアルキルベンゼンのみ
をカルボニル化反応(2,4,5−トリアルキルベンズ
アルデヒドの製造)に付することが好ましい。なお、
1,2,4−トリアルキルベンゼンは、1種を用いても
よく、2種以上を用いてもよい。
【0013】上記1,2,4−トリアルキルベンゼンが
有するアルキル基としては、特に限定されないが、得ら
れた2,4,5−トリアルキルベンゼンを無水ピロメリ
ット酸原料として供するには、アルキル基の炭素数は小
さい事が望まれ、炭素数が1〜3の範囲が好ましく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基等が挙げられる。また、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンの3つのアルキル基は、同一のものであってもよ
く、異なっていてもよい。
有するアルキル基としては、特に限定されないが、得ら
れた2,4,5−トリアルキルベンゼンを無水ピロメリ
ット酸原料として供するには、アルキル基の炭素数は小
さい事が望まれ、炭素数が1〜3の範囲が好ましく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基等が挙げられる。また、1,2,4−トリアルキルベ
ンゼンの3つのアルキル基は、同一のものであってもよ
く、異なっていてもよい。
【0014】本発明の製造方法において、上記触媒は、
トリフルオロメタンスルホン酸を必須とするものであ
る。すなわち本発明において用いる触媒は、トリフルオ
ロメタンスルホン酸以外の化合物等の1種又は2種以上
を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
トリフルオロメタンスルホン酸を必須とするものであ
る。すなわち本発明において用いる触媒は、トリフルオ
ロメタンスルホン酸以外の化合物等の1種又は2種以上
を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0015】上記触媒として用いるトリフルオロメタン
スルホン酸の使用形態としては特に限定されず、そのま
ま用いてもよく、担体に担持する等して固定化して用い
てもよい。触媒を固定化することにより反応液と触媒と
の分離が容易になる等、工業的に有利となる。担体とし
ては特に限定されず、例えば、ケイ素、アルミニウム、
チタン、ジルコニウム、セリウム、スズ、タングステ
ン、ニオブ等の金属の酸化物、炭化物、窒化物等及びこ
れらの混合物、ゼオライト、シリカ−アルミナ、チタニ
ア−シリカ、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩等の無機化
合物、又は、イオン交換樹脂、ポーラスポリマー等の有
機化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
スルホン酸の使用形態としては特に限定されず、そのま
ま用いてもよく、担体に担持する等して固定化して用い
てもよい。触媒を固定化することにより反応液と触媒と
の分離が容易になる等、工業的に有利となる。担体とし
ては特に限定されず、例えば、ケイ素、アルミニウム、
チタン、ジルコニウム、セリウム、スズ、タングステ
ン、ニオブ等の金属の酸化物、炭化物、窒化物等及びこ
れらの混合物、ゼオライト、シリカ−アルミナ、チタニ
ア−シリカ、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩等の無機化
合物、又は、イオン交換樹脂、ポーラスポリマー等の有
機化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0016】本発明におけるカルボニル化反応における
反応条件としては、特に限定されるものではないが、例
えば、モル比で1,2,4−トリアルキルベンゼンの1
〜10倍のトリフルオロメタンスルホン酸の存在下に、
一酸化炭素圧(CO分圧)が0.01〜10MPa、反
応温度が−50〜50℃となるようにすることが好まし
い。触媒量は1,2,4−トリアルキルベンゼンの転化
率や反応速度に影響するが、1,2,4−トリアルキル
ベンゼンの6倍モルのトリフルオロメタンスルホン酸を
使用することにより93mol%の収率が得られ、10
倍モルより多く加えても効果の向上は少ないと考えられ
る。また、CO分圧も反応速度や転化率に影響を及ぼ
し、0.1MPa以下の場合は転化率が極めて小さくな
るおそれがあるが、それ以上とすると反応速度や転化率
が向上することとなる。CO分圧を10MPaより高め
ても、反応上問題はないが設備が高価になるおそれがあ
る。反応温度を高めることは、反応速度の向上させる
が、同時に副生成物も増加させることになる。トリフル
オロメタンスルホン酸の使用量としては、より好ましく
は、モル比で1,2,4−トリアルキルベンゼンの2〜
8倍であり、CO分圧としては、より好ましくは、0.
2〜10MPaであり、反応温度としては、より好まし
くは、−20〜30℃である。
反応条件としては、特に限定されるものではないが、例
えば、モル比で1,2,4−トリアルキルベンゼンの1
〜10倍のトリフルオロメタンスルホン酸の存在下に、
一酸化炭素圧(CO分圧)が0.01〜10MPa、反
応温度が−50〜50℃となるようにすることが好まし
い。触媒量は1,2,4−トリアルキルベンゼンの転化
率や反応速度に影響するが、1,2,4−トリアルキル
ベンゼンの6倍モルのトリフルオロメタンスルホン酸を
使用することにより93mol%の収率が得られ、10
倍モルより多く加えても効果の向上は少ないと考えられ
る。また、CO分圧も反応速度や転化率に影響を及ぼ
し、0.1MPa以下の場合は転化率が極めて小さくな
るおそれがあるが、それ以上とすると反応速度や転化率
が向上することとなる。CO分圧を10MPaより高め
ても、反応上問題はないが設備が高価になるおそれがあ
る。反応温度を高めることは、反応速度の向上させる
が、同時に副生成物も増加させることになる。トリフル
オロメタンスルホン酸の使用量としては、より好ましく
は、モル比で1,2,4−トリアルキルベンゼンの2〜
8倍であり、CO分圧としては、より好ましくは、0.
2〜10MPaであり、反応温度としては、より好まし
くは、−20〜30℃である。
【0017】また反応条件としては、攪拌速度を高める
等、COガスと反応原料や触媒等が含まれる反応液との
接触効率を高めることも有効である。工業的実施におい
ては、これら要素を組み合わせて経済的に最適な反応条
件が設定されることが好ましい。例えば、触媒量やCO
分圧を抑えて、低転化率で反応を行うことも触媒費や装
置建設費を削減する上で有効である。また、逆に触媒
量、CO分圧、反応温度を高め、装置を小型化すること
が有効な場合も考えられる。例えば、トリフルオロメタ
ンスルホン酸を1,2,4−トリアルキルベンゼンの4
倍量として、CO圧力を1MPa程度に抑えた条件は、
トリフルオロメタンスルホン酸を1,2,4−トリアル
キルベンゼンの6倍量以上、CO圧を6MPa以上使用
する条件より2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒ
ドの収率が低下するのは明白であるが、触媒回収費や装
置コストの面から優位になる場合もある。
等、COガスと反応原料や触媒等が含まれる反応液との
接触効率を高めることも有効である。工業的実施におい
ては、これら要素を組み合わせて経済的に最適な反応条
件が設定されることが好ましい。例えば、触媒量やCO
分圧を抑えて、低転化率で反応を行うことも触媒費や装
置建設費を削減する上で有効である。また、逆に触媒
量、CO分圧、反応温度を高め、装置を小型化すること
が有効な場合も考えられる。例えば、トリフルオロメタ
ンスルホン酸を1,2,4−トリアルキルベンゼンの4
倍量として、CO圧力を1MPa程度に抑えた条件は、
トリフルオロメタンスルホン酸を1,2,4−トリアル
キルベンゼンの6倍量以上、CO圧を6MPa以上使用
する条件より2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒ
ドの収率が低下するのは明白であるが、触媒回収費や装
置コストの面から優位になる場合もある。
【0018】上記カルボニル化反応により生成した2,
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドと触媒とを分離
する方法としては特に限定されず、例えば、触媒と生成
物の沸点差を利用して反応後混合物を直接蒸留して触媒
を回収する方法や反応混合物に水を加えた後溶剤で抽出
し、触媒を水相に生成物を油相に回収する等の方法を適
用することが出来る。また、固定化した触媒を使用した
場合は、濾過する等公知の方法によって、生成物と触媒
とを分離することができる。
4,5−トリアルキルベンズアルデヒドと触媒とを分離
する方法としては特に限定されず、例えば、触媒と生成
物の沸点差を利用して反応後混合物を直接蒸留して触媒
を回収する方法や反応混合物に水を加えた後溶剤で抽出
し、触媒を水相に生成物を油相に回収する等の方法を適
用することが出来る。また、固定化した触媒を使用した
場合は、濾過する等公知の方法によって、生成物と触媒
とを分離することができる。
【0019】本発明の製造方法では、上述したように
1,2,4−トリアルキルベンゼンの一酸化炭素による
カルボニル化反応を行う際に、触媒としてトリフルオロ
メタンスルホン酸を用いることにより、2,4,5−ト
リアルキルベンズアルデヒドを安価かつ安全に製造する
ことができる。本発明により製造されてなる2,4,5
−トリアルキルベンズアルデヒドは、芳香族ポリカルボ
ン酸の前駆体等のように化学製品の中間体や、耐熱性樹
脂、可塑剤、エポキシ樹脂用硬化剤等として有用な化合
物であり、特に、無水ピロメリット酸の原料として好適
なものである。
1,2,4−トリアルキルベンゼンの一酸化炭素による
カルボニル化反応を行う際に、触媒としてトリフルオロ
メタンスルホン酸を用いることにより、2,4,5−ト
リアルキルベンズアルデヒドを安価かつ安全に製造する
ことができる。本発明により製造されてなる2,4,5
−トリアルキルベンズアルデヒドは、芳香族ポリカルボ
ン酸の前駆体等のように化学製品の中間体や、耐熱性樹
脂、可塑剤、エポキシ樹脂用硬化剤等として有用な化合
物であり、特に、無水ピロメリット酸の原料として好適
なものである。
【0020】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0021】実施例1 100mlのオートクレーブに、1,2,4−トリメチ
ルベンゼン6.7gをとり、ここにトリフルオロメタン
スルホン酸50gを徐々に加えた後、内部をCOで置換
した後CO圧5MPa、反応温度0℃で90分間反応を
行った。反応終了後、反応混合物を氷水中に注ぎ、生成
物をエチルエーテルで抽出した。得られたエーテル溶液
をガスクロマトグラフイーで分析した結果、2,4,5
−トリメチルベンズアルデヒドが93モル%収率で得ら
れた。転化した1,2,4−トリメチルベンゼンに対す
る2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの選択率は
98%であった。GC、NMRによる分析の結果、位置
異性体および不均化反応由来の副生成物は検出されなか
った。微量の副生成物ピークが2つ存在したが、マスス
ペクトル分析から2,3量体に近い高分子量の物質であ
り、目的生成物との分離は容易であった。
ルベンゼン6.7gをとり、ここにトリフルオロメタン
スルホン酸50gを徐々に加えた後、内部をCOで置換
した後CO圧5MPa、反応温度0℃で90分間反応を
行った。反応終了後、反応混合物を氷水中に注ぎ、生成
物をエチルエーテルで抽出した。得られたエーテル溶液
をガスクロマトグラフイーで分析した結果、2,4,5
−トリメチルベンズアルデヒドが93モル%収率で得ら
れた。転化した1,2,4−トリメチルベンゼンに対す
る2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの選択率は
98%であった。GC、NMRによる分析の結果、位置
異性体および不均化反応由来の副生成物は検出されなか
った。微量の副生成物ピークが2つ存在したが、マスス
ペクトル分析から2,3量体に近い高分子量の物質であ
り、目的生成物との分離は容易であった。
【0022】実施例2〜11 実施例1の反応温度、トリフルオロメタンスルホン酸と
1,2,4−トリメチルベンゼンの比率、CO圧力、反
応時間、攪拌速度を各々表1に記載するように変更して
反応を行った。結果を表1に示した。
1,2,4−トリメチルベンゼンの比率、CO圧力、反
応時間、攪拌速度を各々表1に記載するように変更して
反応を行った。結果を表1に示した。
【0023】表1中の数値は、以下の計算式により計算
した値である。 触媒/原料=[トリフルオロメタンスルホン酸の仕込み
量(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼンの
仕込み量(モル数)] 転化率=[反応した1,2,4−トリメチルベンゼン量
(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼンの仕
込み量(モル数)]×100 収率=[2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの生
成量(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼン
の仕込み量(モル数)]×100 選択率=[2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの
生成量(モル数)]/[反応した1,2,4−トリメチ
ルベンゼン(モル数)]×100
した値である。 触媒/原料=[トリフルオロメタンスルホン酸の仕込み
量(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼンの
仕込み量(モル数)] 転化率=[反応した1,2,4−トリメチルベンゼン量
(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼンの仕
込み量(モル数)]×100 収率=[2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの生
成量(モル数)]/[1,2,4−トリメチルベンゼン
の仕込み量(モル数)]×100 選択率=[2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの
生成量(モル数)]/[反応した1,2,4−トリメチ
ルベンゼン(モル数)]×100
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明は、上述のような構成よりなるた
め、芳香族ポリカルボン酸の前駆体等のように化学製品
の中間体や、耐熱性樹脂、可塑剤、エポキシ樹脂用硬化
剤等として有用であり、特に、無水ピロメリット酸の原
料として好適な2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを安価かつ安全に製造することができる。
め、芳香族ポリカルボン酸の前駆体等のように化学製品
の中間体や、耐熱性樹脂、可塑剤、エポキシ樹脂用硬化
剤等として有用であり、特に、無水ピロメリット酸の原
料として好適な2,4,5−トリアルキルベンズアルデ
ヒドを安価かつ安全に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大軒 康夫 東京都千代田区内幸町一丁目1番1号 株 式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC45 BA52 BC10 BC11 BC34 BE40 4H039 CA62 CF10 CF30
Claims (2)
- 【請求項1】 1,2,4−トリアルキルベンゼンを触
媒の存在下で一酸化炭素によりカルボニル化反応して
2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドを製造する
方法であって、該触媒は、トリフルオロメタンスルホン
酸を必須とするものであることを特徴とする2,4,5
−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法。 - 【請求項2】 前記2,4,5−トリアルキルベンズア
ルデヒドの製造方法は、モル比で1,2,4−トリアル
キルベンゼンの1〜10倍のトリフルオロメタンスルホ
ン酸の存在下に、一酸化炭素圧が0.01〜10MP
a、反応温度が−50〜50℃の反応条件により行われ
ることを特徴とする請求項1記載の2,4,5−トリア
ルキルベンズアルデヒドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296390A JP2002173459A (ja) | 2000-09-28 | 2001-09-27 | 2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297105 | 2000-09-28 | ||
JP2000-297105 | 2000-09-28 | ||
JP2001296390A JP2002173459A (ja) | 2000-09-28 | 2001-09-27 | 2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002173459A true JP2002173459A (ja) | 2002-06-21 |
Family
ID=26600998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001296390A Pending JP2002173459A (ja) | 2000-09-28 | 2001-09-27 | 2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002173459A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7887786B2 (en) | 2002-12-17 | 2011-02-15 | L'oreal | Care and/or make-up cosmetic composition structured with silicone polymers |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001296390A patent/JP2002173459A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7887786B2 (en) | 2002-12-17 | 2011-02-15 | L'oreal | Care and/or make-up cosmetic composition structured with silicone polymers |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101529403B1 (ko) | 3,4-디알킬비페닐디카르복실산 화합물, 3,4-디카르보알콕시비페닐-3'',4''-디카르복실산 및 상당하는 산무수물, 그리고 이들의 제조 방법 | |
JP7291142B2 (ja) | 1-アシルオキシ-2-メチル-2-プロペンの製造方法 | |
JPH11140019A (ja) | ハイドロキノンジエステル誘導体及びその製造方法 | |
US20070110701A1 (en) | Acyloxyacetic acid polymer and process for producing the same | |
EP1193238B1 (en) | Process for producing 2,4,5-trialkylbenzaldehydes | |
JP2002173459A (ja) | 2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドの製造方法 | |
JP4066679B2 (ja) | アラルキルケトン類の製造方法とその触媒 | |
JPH01113341A (ja) | カルボン酸メチルエステルの製造法 | |
JP5076313B2 (ja) | 精製2,2−ジメチル−3−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法およびその中間体 | |
JP7384049B2 (ja) | カルボニル化合物の製造方法 | |
US20180362420A1 (en) | Preparing unsaturated carbocyclic compounds | |
JPH11240852A (ja) | ヘテロポリ酸触媒の分離回収方法 | |
JPS61267538A (ja) | 2−アルキル−6−アシルナフタリンの製造法 | |
JP2004352636A (ja) | ラクトン類又はエステル類の製造方法 | |
JP3529876B2 (ja) | 3−メチル−3−メトキシブタン酸。 | |
JPS5833849B2 (ja) | フホウワエステルノセイゾウホウ | |
JP2001206883A (ja) | 3,4−メチレンジオキシマンデル酸の製造法 | |
JPH11255707A (ja) | トリメチルハイドロキノン類の製造法 | |
JP2009001518A (ja) | α−メチレン−β−アルキル−γ−ブチロラクトン類の製造方法 | |
JPH1059958A (ja) | テトラメチルグリコリドの製造方法 | |
JPS6340178B2 (ja) | ||
JP2019142842A (ja) | カルボニル化合物の製造方法 | |
JP2010264366A (ja) | 金属担持固体酸触媒 | |
JPH0449261A (ja) | 2―アルコキシシクロヘキサノールの製造方法 | |
JPS6242939A (ja) | 2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエンの製造法 |