JP2002173318A - 微細シリカの製造方法及びこれによって得られる微細シリカ - Google Patents
微細シリカの製造方法及びこれによって得られる微細シリカInfo
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Abstract
水蒸気を発生する可燃性ガスと、遊離酸素を含有するガ
スとの混合ガスを、バーナーを通して反応室に供給し、
上記オルガノハロシランを火炎加水分解して、更に酸化
反応を経て、微細シリカを製造するに当り、上記燃焼し
て水蒸気を発生する可燃性ガスの混合量を、該可燃性ガ
ス燃焼後の水蒸気量が化学等量の1〜6倍であり、オル
ガノハロシラン1モルに対して1/2〜9モルの割合と
なるようにし、かつ上記バーナーとして多重管バーナー
を使用し、上記混合ガスを該バーナーの中心管ガス出口
線速が標準状態換算で50〜120m/secとなるよ
うに該バーナーの中心管に供給することを特徴とする微
細シリカの製造方法。 【効果】 本発明によれば、オルガノハロシランを原料
とする微細シリカ製造において、比表面積が100〜4
00m2/gであり、1次粒子の粒度分布が狭い、シリ
コーン成型物としての透明性に優れる微細シリカを製造
することができる。
Description
方法及びこれによって得られる微細シリカに関する。
水分解法によって得られる微細シリカは、微粒子、高純
度、高分散であることから、以下の目的に使用される。 液体の増粘、沈降防止、分散助剤。 エラストマー、ポリマーの補強充填剤。 粉体の固結防止、流動性改善剤。
は、先述の微細シリカの特徴が有効に作用し、必要不可
欠の材料となっている。
クロロシランを水素、空気と予混合し、燃焼して製造す
ることが一般的である(特公昭47−46274号公報
等)が、シリコーンメーカーにとっては、テトラクロロ
シランの代わりに、ジメチルジクロロシラン等の合成で
副生するメチルトリクロロシラン等のオルガノハロシラ
ンを原料にできれば都合がよい。
カを合成する方法(特公昭56−38526号公報、特
公昭58−54085号公報、特許第2889202号
等)も知られている。しかし、これらの特許にも記載さ
れている通り、オルガノハロシランを原料とした場合、
条件を整えないと、カーボンが残留し、黒ずんだシリカ
しか得られない。
可燃物であり、火炎が長くなると同時に火炎温度分布に
ばらつきを生じるため、シリカ粒子のばらつきが大きく
なったり巨大粒が発生し易くなる。このような微細シリ
カをシリコーンゴムの充填剤として用いた場合、意外な
ことに成型物のゴム強度などゴム物性に顕著な影響を及
ぼさない。しかし、成型物とした際の透明性が悪くな
る。シリコーンゴムの場合、透明性のような外観は商品
価値として重要なポイントである。
ーボン残留による黒ずみのない比表面積が100〜40
0m2/gの微細シリカを合成できることを記載してい
るが、比表面積が100〜400m2/gであり、1次
粒子の粒度分布が狭い、シリコーン成型物にした際の透
明性に優れるシリカの合成方法には言及されていない。
で、ガス状オルガノハロシランを、燃焼して水蒸気を発
生する可燃性ガスと遊離酸素含有ガスで火炎加水分解
し、微細シリカを合成するに当り、比表面積が100〜
400m2/gで、1次粒子径の対数標準偏差が0.5
以下という粒度分布の狭い、シリコーンゴムに配合した
場合透明性に優れる微細シリカを得ることができる製造
方法及びこれによって得られる微細シリカを提供するこ
とを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ガス状オルガノハロシラン、特に金属珪素とメチル
クロライドによるジメチルジクロロシラン合成で副生さ
れるメチルトリクロロシラン等のメチルクロロシラン類
を、水素ガス等の燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガス
及び空気等の遊離酸素含有ガスを反応室に供給するに際
し、上記燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガスの混合量
を、該可燃性ガス燃焼後の水蒸気量が下記式(I)にお
ける化学等量の1〜6倍となるようにし、かつ上記バー
ナーとして多重管バーナーを使用し、上記混合ガスを該
バーナーの中心管ガス出口線速が標準状態換算で50〜
120m/secとなるように該バーナーの中心管に供
給することにより、微細シリカの比表面積が100〜4
00m2/gであり、1次粒子径の対数標準偏差が0.
5以下という粒度分布の狭い、シリコーン成型物として
の透明性に優れる微細シリカが得られることを知見し
た。またこの場合、式R4-nSiXn(CiHjSi
On/2)からSiO2を合成するに必要な酸素等量と上記
可燃性ガスの燃焼に必要な酸素等量の合計に対して1.
0〜2.0倍の量となるだけの酸素を含有した遊離酸素
含有ガスを混合することがより好ましいことを知見し、
本発明をなすに至った。
水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基、Xはハ
ロゲン原子を示し、nは1〜3の整数であるが、Rがフ
ェニル基の場合、nは3である。)で示される少なくと
も1種のオルガノハロシランのガスと、燃焼して水蒸気
を発生する可燃性ガスと、遊離酸素を含有するガスとの
混合ガスを、バーナーを通して反応室に供給し、上記オ
ルガノハロシランを下記式(I) R4-nSiXn+(n/2)H2O → R4-nSiOn/2+nHX (I) (R,X,nは上記と同様である。)で示されるように
火炎加水分解して、更に下記式(II) CiHjSiOn/2+{(2i+j/2)/2+(2−n/2)/2}O2 → iCO2+j/2H2O+SiO2 (II) (CiHjはR4-nの一般形であり、Rが水素原子、メチ
ル基、エチル基又はフェニル基に応じてi=0〜6、j
=1〜15の値となり、nは上記と同様であるが、Rが
フェニル基の場合、nは3である。)で示される酸化反
応を経て、微細シリカを製造するに当り、上記燃焼して
水蒸気を発生する可燃性ガスの混合量を、該可燃性ガス
燃焼後の水蒸気量が上記式(I)における化学等量の1
〜6倍であり、オルガノハロシラン1モルに対して1/
2〜9モルの割合となるようにし、かつ上記バーナーと
して多重管バーナーを使用し、上記混合ガスを該バーナ
ーの中心管ガス出口線速が標準状態換算で50〜120
m/secとなるように該バーナーの中心管に供給する
ことを特徴とする微細シリカの製造方法を提供する。ま
た、本発明は、かかる方法で製造された比表面積が10
0〜400m2/gであり、1次粒子径の対数標準偏差
が0.5以下である微細シリカを提供する。
本発明の微細シリカの製造方法は、ガス状オルガノハロ
シランと、燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガス、及
び、遊離酸素を含有するガスを予混合し、これを反応室
に供給し、火炎加水分解するものである。この場合、燃
焼して水蒸気を発生する可燃性ガスの量と、バーナー形
状と、予混合ガスのバーナー噴出速度が一定の条件を満
たすことが必要であり、可燃性ガスに対する酸素の量、
バーナー形状をある一定の範囲に調整することが好まし
い。オルガノハロシランを原料とした微細シリカの製造
にあたっては、かかる条件を満たすことにより、比表面
積が100〜400m2/gであり、1次粒子の粒度分
布が狭い、透明性に優れたシリコーン成型物となり得る
微細シリカが得られる。
記式 R4-nSiXn (式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、又はフェ
ニル基を示し、Xは塩素等のハロゲン原子を示し、nは
1〜3の整数を示すが、Rがフェニル基の場合、nは3
である。)で示されるものであれば特に制限はないが、
ガス化してバーナーに供給する必要があるため、沸点が
250℃以下のものが好ましく、具体的にはメチルトリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、トリメチルクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン等のオルガノハロシ
ランが例示される。特に金属珪素とメチルクロライドと
によってジメチルジクロロシランを合成する際の副生物
が有利に用いられる。
る可燃性ガスとしては、水素が好適に用いられるが、メ
タン、プロパン、及びガス状メタノールなども用いられ
る。一方、遊離酸素を含むガスとしては、空気が経済上
から好ましい。
しては、多重管バーナーが用いられる。具体的には、図
1に示すようなオルガノハロシランと、燃焼して水蒸気
を生成する可燃性ガス、遊離酸素を含有するガスを予混
合したガスが供給される中心管1を、内側より外側に向
けて順次取り囲む、遊離酸素を含有するガス供給管2、
可燃性ガス供給管3、遊離酸素を含有するガス供給管4
からなる4重管バーナーを用いることができるが、遊離
酸素を含有するガス供給管4の無い3重管バーナー、可
燃性ガス供給管3も無い2重管バーナーも使用できる。
スは空気が好適に用いられ、3重管目の可燃性ガスは水
素が好適に用いられ、4重管目の遊離酸素を含有するガ
スは空気が好適に用いられる。
ンのガスと、燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガスと、
遊離酸素を含有するガスとの混合ガスを、バーナーを通
して反応室に供給し、上記オルガノハロシランを下記式
(I) R4-nSiXn+(n/2)H2O → R4-nSiOn/2+nHX (I) (R,X,nは上記と同様である。)で示されるように
火炎加水分解して、更に下記式(II) CiHjSiOn/2+{(2i+j/2)/2+(2−n/2)/2}O2 → iCO2+j/2H2O+SiO2 (II) (CiHjはR4-nの一般形であり、Rが水素原子、メチ
ル基、エチル基、フェニル基である種類に応じてi=0
〜6、j=1〜15となる。nは上記と同様である。)
で示される酸化反応を経て、微細シリカを製造する。
ムに配合した場合、透明性に優れる微細シリカを得るに
は、この中心管に供給する先述の混合ガスを、前述の多
重管バーナーの中心管へ供給し、この中心管のガス出口
の線速が50〜120m/s(標準状態換算)となるよ
うに反応室へ供給することである。
細シリカを合成している公知の値に比べて著しく大き
い。例えば先述の特公昭56−38526号公報に記載
されている実施例1では17.6m/s、実施例2では
0.6m/s、実施例3では9.5m/s、実施例4で
は10.5m/sである(各々標準状態換算)。
の場における速度勾配を大きくし、乱れを大きくすると
共に渦スケールを小さくすることにあると考えられる。
この乱れの増加は伝播火炎面積を増大させ、燃焼速度を
増加させる。このため火炎中でのオルガノハロシランの
加水分解が促進され、粒度分布の巾の少ないシリカが合
成されるのではないかと考えられる。
中心管から噴出される混合ガスとその外側を取り巻く2
重管目から噴出される空気には速度勾配を持たせること
が好ましく、その比率は、2重管目のガス出口線速が中
心管ガスの出口線速の10〜80%とすることがよい。
〜400m2/gで、1次粒子径の対数標準偏差が0.
5以下という粒度分布の狭い微細シリカが得られること
が判明した。なお、ここでいう比表面積はBET法によ
るものである。
子顕微鏡で撮影した写真から求めた。粉粒体では粒子径
の対数をとって頻度分布曲線を描けば、ほぼ正規分布に
なることが知られており、下記式によって得られる対数
標準偏差(=σ)が小さいほど、粒子径が揃っているこ
とを意味する。
燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガスの割合を、燃焼後
の水蒸気として(n/2)の1.0〜6.0倍モル、好
ましくは1.0〜2.0倍モル混合する過程を経ること
である。 R4-nSiXn+(n/2)H2O → R4-nSiOn/2+nHX (I) これは、上述の式(I)からわかるように可燃性ガスか
ら発生する水蒸気を、オルガノハロシランが加水分解す
るのに十分な量を供給する必要があることを示してい
る。例えばオルガノハロシランからシリカを合成する場
合の量論式として、メチルトリクロロシランの場合は次
のように表すことができる。 CH3SiCl3+2O2 → SiO2+CO2+3HCl
シリカ合成において、量論上水蒸気は必要ないことを示
している。事実シリカを合成するだけならば式(I)で
示されるほど十分な水蒸気を発生させる可燃性ガスは必
要ではない。しかし、1次粒子径のばらつきが少ない微
細シリカを得るにはオルガノハロシランの加水分解を考
慮した水蒸気量が必要である。これはオルガノハロシラ
ンの官能基である炭化水素などの燃焼によって発生する
水蒸気は、この燃焼速度が遅いためオルガノハロシラン
の加水分解に寄与しづらい、逆に言うとバーナー出口近
傍では加水分解に必要な水蒸気が欠乏するために粒子の
粗大化が起こるのではないかとと考えられる。従って、
燃焼速度の速い水素が好適に使用される。また、この水
蒸気はシリカ表面に活性なOH基を持たせることにも寄
与している。可燃性ガスの存在は安定した火炎形成を助
ける役目もする。
SiOn/2からSiO2を合成するのに要な酸素等量と上
記可燃性ガスの燃焼に必要な酸素等量の合計の1〜2倍
の量となるだけの酸素を含んだ遊離酸素含有ガスを混合
する。
由来するカーボンの残留を防止するのに十分な遊離酸素
を含有するガスの量を、混合する必要があると共に、火
炎温度を調節する役目を果たしている。特に、微細シリ
カの比表面積は火炎温度と相関があることは知られてお
り、オルガノハロシランと可燃性ガスの燃焼によって発
生する発熱量と、遊離酸素を含有するガス、一般的には
空気の量によって火炎温度を調節し、目的とする比表面
積の微細シリカを合成している。
によりオルガノハロシランの火炎加水分解によって微細
シリカ(微細シリカ)を製造することができ、火炎加水
分解の条件等については公知の条件を採用し得る。
から使用されているいずれの用途にも好適に用いられる
ものであるが、特に透明性に優れたシリコーン成型物を
与える充填剤として好適である。
原料とする微細シリカ製造において、比表面積が100
〜400m2/gであり、1次粒子の粒度分布が狭い、
シリコーン成型物としての透明性に優れる微細シリカを
製造することができる。
てその処理方法が問題となっていた、金属珪素とメチル
クロライドによるジメチルジクロロシラン合成で副生さ
れるメチルトリクロロシランなどの副生物を有利に使用
し、シリコーンゴムに配合した際透明性に優れたシリコ
ーン成型物となり得る微細シリカを得られる。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記の例において部は重量部を示
す。
使用した。メチルトリクロロシランを45kg/h、水
素を15Nm3/h、乾燥空気を124Nm3/h予め混
合したガスを、バーナーの中心管に供給した。なお、メ
チルトリクロロシランは蒸発器で加熱し、ガスとして供
給した。この混合ガスの噴出し速度は82m/s(標準
状態換算)である。乾燥空気を13.7Nm3/h、空
気供給管2に供給した。水素を6.6Nm3/h、水素
供給管3に供給した。乾燥空気を13.7Nm3/h、
空気供給管4に供給した。上記以外に乾燥空気を99.
8Nm3/h、反応室に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は210m2/gであった。この微細シリカの電子顕微
鏡写真を図2に示す。これから1次粒子径を測定し、粒
度分布並びに対数標準偏差を計算した。この粒度分布を
表2に示す。対数標準偏差は0.33であった。この微
細シリカを次の配合処方でシリコーンゴム組成物とし
た。
て(CH3)2SiO単位99.85モル%、(CH3)
(CH2=CH)SiO単位0.15モル%からなり、
分子鎖末端が(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2単位
で封鎖された重合度が約7,000のメチルビニルポリ
シロキサン生ゴムを使用した。上記メチルビニルポリシ
ロキサン生ゴム100部、(B)成分の補強性シリカと
して上記で合成した微細シリカ40部、分散剤として分
子鎖両末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサン
(重合度10)8部をニーダー中で均一に混合し、17
0℃で2時間熱処理を行った。
成分の硬化剤として2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−2,5−ジメチルヘキサン0.5部を加えた後、
厚さ10mmのプレス板で170℃×10分間プレスキ
ュアしてシート状の成型物を得た。
日立製作所製、U−3400形)で可視光領域における
透過率を測定したところ以下の通りであり、透明なシリ
コーン成型物が得られた。 500nm 22%、600nm 36%、700nm 47% [実施例2]図1に示す4重管バーナーを使用した。メ
チルトリクロロシランを50kg/h、水素を11.3
Nm3/h、乾燥空気を125Nm3/h予め混合したガ
スを、バーナーの中心管に供給した。なお、メチルトリ
クロロシランは蒸発器で加熱し、ガスとして供給した。
この混合ガスの噴出し速度は50m/s(標準状態換
算)である。乾燥空気を13.7Nm3/h、空気供給
管2に供給した。水素を6.6Nm3/h、水素供給管
3に供給した。乾燥空気を13.7Nm3/h、空気供
給管4に供給した。上記以外に実施例1と同様に乾燥空
気を反応室に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は215m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この粒度分
布を表2に示す。対数標準偏差は0.45であった。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 18%、600nm 33%、700nm 46% 得られたシリコーンゴム組成物の透明性は実施例1とほ
ぼ同等であった。
使用した。メチルジクロロシランを38kg/h、水素
を11.3Nm3/h、乾燥空気を140Nm3/h予め
混合したガスを、バーナーの中心管に供給した。なお、
メチルジクロロシランは蒸発器で加熱し、ガスとして供
給した。この混合ガスの噴出し速度は、90m/s(標
準状態換算)である。乾燥空気を13.7Nm3/h、
空気供給管2に供給した。水素を6.6Nm3/h、水
素供給管3に供給した。乾燥空気を13.7Nm3/
h、空気供給管4に供給した。上記以外に実施例1と同
様に乾燥空気を反応室に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は215m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この粒度分
布を表2に示す。対数標準偏差は0.41であった。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 20%、600nm 36%、700nm 45% 得られたシリコーンゴム組成物の透明性は実施例1とほ
ぼ同等であった。
使用した。メチルトリクロロシランを50kg/h、水
素を15Nm3/h、乾燥空気を128Nm3/h予め混
合したガスを、バーナーの中心管に供給した。なお、メ
チルトリクロロシランは蒸発器で加熱し、ガスとして供
給した。この混合ガスの噴出し速度は、21m/s(標
準状態換算)である。乾燥空気を13.7Nm3/h、
空気供給管2に供給した。水素を6.6Nm3/h、水
素供給管3に供給した。乾燥空気を13.7Nm3/
h、空気供給管4に供給した。上記以外に乾燥空気を9
5.8Nm3/h、バーナー周囲に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は215m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この電子顕
微鏡写真を図3に、粒度分布を表2に示す。対数標準偏
差は0.60であった。図2の写真に比べて粗粒の割合
が多いことがわかる。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 6%、600nm 15%、700nm 26% 得られたシリコーンゴム組成物の透明性は実施例1より
劣っていた。
使用した。メチルトリクロロシランを50kg/h、水
素を7.5Nm3/h、乾燥空気を97.8Nm3/h予
め混合したガスを、バーナーの中心管に供給した。な
お、メチルトリクロロシランは蒸発器で加熱し、ガスと
して供給した。この混合ガスの噴出し速度は64m/s
(標準状態換算)である。乾燥空気を13.7Nm3/
h、空気供給管2に供給した。水素を6.6Nm3/
h、水素供給管3に供給した。乾燥空気を13.7Nm
3/h、空気供給管4に供給した。上記以外に乾燥空気
を164.8Nm3/h、バーナー周囲に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は220m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この電子顕
微鏡写真を図4に、粒度分布を表2に示す。対数標準偏
差は0.77であった。図2の写真に比べて粗粒の割合
が多くしかも巨大粒が存在している。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 1%、600nm 3%、700nm 10% 得られたシリコーンゴム組成物の透明性は実施例1より
明らかに劣っていた。
使用した。メチルトリクロロシランを50kg/h、水
素を15Nm3/h、乾燥空気を132Nm3/h予め混
合したガスを、バーナーの中心管に供給した。なお、メ
チルトリクロロシランは蒸発器で加熱し、ガスとして供
給した。この混合ガスの噴出し速度は87m/s(標準
状態換算)である。乾燥空気を13.7Nm3/h、空
気供給管2に供給した。水素を6.6Nm3/h、水素
供給管3に供給した。乾燥空気を13.7Nm3/h、
空気供給管4に供給した。上記以外に乾燥空気を91.
8Nm3/h、バーナー周囲に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は305m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この粒度分
布を表2に示す。対数標準偏差は0.45であった。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 42%、600nm 52%、700nm 58% [実施例5]合成量の増加に伴う影響をみるため、装置
スケールを大きくして実施した。図1に示す4重管バー
ナーを使用した。メチルトリクロロシランを125kg
/h、水素を37.4Nm3/h、乾燥空気を320N
m3/h予め混合したガスを、バーナーの中心管に供給
した。なお、メチルトリクロロシランは蒸発器で加熱
し、ガスとして供給した。この混合ガスの噴出し速度は
50m/s(標準状態換算)である。乾燥空気を13.
7Nm3/h、空気供給管2に供給した。水素を9.4
Nm3/h、水素供給管3に供給した。乾燥空気を1
3.7Nm3/h、空気供給管4に供給した。上記以外
に乾燥空気を反応室に供給した。
られた。BET法により測定した微細シリカの比表面積
は205m2/gであった。実施例1と同様の方法によ
り、粒度分布並びに対数標準偏差を求めた。この粒度分
布を表2に示す。対数標準偏差は0.30であった。
mmの成型物を得た。同様の方法により透過率を測定し
たところ以下の通りであった。 500nm 22%、600nm 37%、700nm 48% 得られたシリコーンゴム組成物の透明性は実施例1とほ
ぼ同等であり、装置スケールを大きくしても合成される
微細シリカの物性に影響がなかった。実施例及び比較例
を以下の表1にまとめる。
る。
(倍率×50K)である。
(倍率×50K)である。
(倍率×50K)である。
Claims (10)
- 【請求項1】 式R4-nSiXn(Rは水素原子、メチル
基、エチル基又はフェニル基、Xはハロゲン原子を示
し、nは1〜3の整数であるが、Rがフェニル基の場
合、nは3である。)で示される少なくとも1種のオル
ガノハロシランのガスと、燃焼して水蒸気を発生する可
燃性ガスと、遊離酸素を含有するガスとの混合ガスを、
バーナーを通して反応室に供給し、上記オルガノハロシ
ランを下記式(I) R4-nSiXn+(n/2)H2O → R4-nSiOn/2+nHX (I) (R,X,nは上記と同様である。)で示されるように
火炎加水分解して、更に下記式(II) CiHjSiOn/2+{(2i+j/2)/2+(2−n/2)/2}O2 → iCO2+j/2H2O+SiO2 (II) (CiHjはR4-nの一般形であり、Rが水素原子、メチ
ル基、エチル基又はフェニル基に応じてi=0〜6、j
=1〜15の値となり、nは上記と同様であるが、Rが
フェニル基の場合、nは3である。)で示される酸化反
応を経て、微細シリカを製造するに当り、上記燃焼して
水蒸気を発生する可燃性ガスの混合量を、該可燃性ガス
燃焼後の水蒸気量が上記式(I)における化学等量の1
〜6倍であり、オルガノハロシラン1モルに対して1/
2〜9モルの割合となるようにし、かつ上記バーナーと
して多重管バーナーを使用し、上記混合ガスを該バーナ
ーの中心管ガス出口線速が標準状態換算で50〜120
m/secとなるように該バーナーの中心管に供給する
ことを特徴とする微細シリカの製造方法。 - 【請求項2】 上記遊離酸素含有ガスの混合量を酸素換
算で、上記式(II)のCiHjSiOn/2からSiO2を
合成するに必要な酸素等量と上記可燃性ガスの理論燃焼
に必要な酸素等量の合計に対して1.0〜2.0倍の量
となるようにした請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 オルガノハロシランが、金属珪素とメチ
ルクロライドによるジメチルジクロロシラン合成で副生
されるメチルトリクロロシランである請求項1又は2記
載の製造方法。 - 【請求項4】 燃焼して水蒸気を発生する可燃性ガスが
水素である請求項1、2又は3記載の製造方法。 - 【請求項5】 遊離酸素を含有するガスが空気である請
求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。 - 【請求項6】 多重管バーナーが4重管であり、中心管
にガス状オルガノハロシランと、燃焼して水蒸気を発生
する可燃性ガスと、遊離酸素を含有するガスとの混合ガ
スを供給し、中心管を取り囲むように配置された2重管
目に遊離酸素を含有するガスを供給し、2重管目を取り
囲むように配置された3重管目に可燃性ガスを供給し、
3重管目を取り囲むように配置された4重管目に遊離酸
素を含有するガスを供給する請求項1乃至5のいずれか
1項記載の方法。 - 【請求項7】 多重管バーナーが3重管であり、中心管
にガス状オルガノハロシランと、燃焼して水蒸気を発生
する可燃性ガスと、遊離酸素を含有するガスとの混合ガ
スを供給し、中心管を取り囲むように配置された2重管
目に遊離酸素を含有するガスを供給し、2重管目を取り
囲むように配置された3重管目に可燃性ガスを供給する
請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項8】 多重管バーナーが2重管であり、中心管
にガス状オルガノハロシランと、燃焼して水蒸気を発生
する可燃性ガスと、遊離酸素を含有するガスとの混合ガ
スを供給し、中心管を取り囲むように配置された2重管
目に遊離酸素を含有するガスを供給する請求項1乃至5
のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項9】 2重管目のガス出口線速を中心管ガスの
出口線速の10〜80%とした請求項6、7又は8記載
の方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項記載の
方法で製造された比表面積が100〜400m2/gで
あり、1次粒子径の対数標準偏差が0.5以下である微
細シリカ。
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