JP2002172671A - 竪型射出成形機の安全装置 - Google Patents

竪型射出成形機の安全装置

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JP2002172671A
JP2002172671A JP2000374782A JP2000374782A JP2002172671A JP 2002172671 A JP2002172671 A JP 2002172671A JP 2000374782 A JP2000374782 A JP 2000374782A JP 2000374782 A JP2000374782 A JP 2000374782A JP 2002172671 A JP2002172671 A JP 2002172671A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定部に対して可動部を上下動させる直線移
動機構に回転駆動装置から動力を伝達する伝動機構のベ
ルトの異常を、直接検出する高価なセンサーを使用せず
に容易に検出でき、かつ、可動部の落下を確実に防止す
る。 【解決手段】 型締装置の固定盤の上方に設けた射出装
置の加熱筒保持プレート(可動部)26に支持された1
対のナット45a,45bに、可動盤(固定部)5上に
回転自在に支持した1対のねじ軸30a,30bがねじ
合わされ、それらに固定したプーリ34a,34bが個
別のタイミングベルト(ベルト)39a,39bで減速
機付電動機(回転駆動装置)のプーリ38に連結されて
いる。減速機付電動機の回転で各ねじ軸30a,30b
を介して加熱筒保持プレート26が上下動する。タイミ
ングベルト39a,39bが1本破断しても残りの1本
で駆動力が1本のねじ軸に伝達されて射出装置Bの落下
が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出装置と型締装
置が縦方向に配置された竪型射出成形機の安全装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、型締装置とその可動盤上に設けた
射出装置とを縦方向に配置した竪型射出成形機におい
て、サーボモータにより1つの駆動プーリと1本の伝達
ベルトと1つの従動プーリとからなる伝動機構を介して
1つのボールねじ軸を回転させ、該ボールねじ軸にねじ
合わせたボールナットを移動させてトグル機構を上下に
伸縮させ、このトグル機構の伸縮運動によりタイバーを
介して該タイバーの上端に固定された可動盤を、該可動
盤の下方に位置してマシンベッドに固定された固定盤に
対して上下動させ、固定盤に固定された固定金型と可動
盤に固定された可動金型との型開閉、型締めを行うよう
にした型締装置に対し、前記伝達ベルトの近傍に伝達ベ
ルトの有無を検出するベルトセンサーを設けると共に、
前記従動プーリの近傍に従動プーリの回転を検出する回
転センサーを設けて、前記ベルトセンサーで伝達ベルト
が検出されなくなったり、回転センサーで従動プーリの
回転が検出されなくなったりしたことにより、前記伝達
ベルトに異常が発生したことを検出することができるよ
うにした安全装置を備えたものが知られている(特開2
000−6222号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記安
全装置では1本の伝達ベルトでサーボモータの駆動力を
1本のねじ軸に伝達するものであるから、1本の伝達ベ
ルトが完全に破断した場合には可動盤や射出装置の重量
を支えることができなくなるので、他に機械的なストッ
パを設けなければならず、また、ベルトセンサーや回転
センサーは、高感度を有して高価であり、電源がONに
なっていないと動作せず、各センサー自体が故障した場
合には伝達ベルトの異常が検出できないという問題があ
る。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、固定部に対して可動部を上下動させる直線移
動機構に回転駆動装置から動力を伝達する伝動機構のベ
ルトの異常を、その異常を直接的に検出する高価なセン
サーを使用することなく、容易に検出でき、かつ、可動
部の落下を確実に防止することができる竪型射出成形機
の安全装置を提供することを目的とする。また、本発明
の他の目的は、構造が簡単で、実施が容易な竪型射出成
形機の安全装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下の点を特徴としている。すなわち、
請求項1に係る竪型射出成形機の安全装置は、固定盤に
対し可動盤を型締機構を介して上下動させて金型の開
閉、型締を行う型締装置と、該型締装置の可動盤に支持
されフィード機構により可動盤に対して上下動される射
出装置とを備え、前記型締機構とフィード機構のうちの
少なくとも一方が、回転駆動装置からプーリとベルトに
より伝達された回転運動を直線運動に変換して可動部を
固定部に対して移動させる直線移動機構を有する竪型射
出成形機の安全装置において、前記直線移動機構は複数
個備えられており、それらの各々に設けられたプーリ
が、1つの回転駆動装置に設けられたプーリとの間に個
別に巻き掛けられたベルトによって回転されるようにな
っていることを特徴とする。
【0006】上記竪型射出成形機の安全装置において
は、回転駆動装置の回転がプーリとベルトを介して直線
移動機構に伝達され、該直線移動機構により直線運動に
変換され、この直線運動によって前記型締装置の型締機
構または射出装置のフィード機構が作動されて型開閉、
型締が行われ、または、射出ノズルのノズルタッチとそ
の解除が行われる。前記型開閉の動作時もしくは型開状
態での停止時に、または、前記ノズルタッチ時もしくは
その解除が行われて射出装置が停止している時に、前記
ベルトの少なくとも1本を残して他のベルトが不意に破
断するといった故障が発生した場合には、破断しないベ
ルトにより回転駆動装置の駆動力が直線移動機構に伝達
されて、可動部に作用する荷重を支えるので、前記ベル
トの一部本数の破断により前記可動部が不用意に落下す
るといった事態が確実に防止され、装置の破損が避けら
れるとともに、安全が確保される。
【0007】請求項2に係る竪型射出成形機の安全装置
は、請求項1に記載の装置において、直線移動機構は、
固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたね
じ軸と、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ね
じ軸にねじ合わされているナットとを備え、前記各ねじ
軸にプーリが固定されている備えていることを特徴とす
る。
【0008】請求項3に係る竪型射出成形機の安全装置
は、請求項1に記載の装置において、直線移動機構が、
固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたナ
ットと、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ナ
ットにねじ合わされているねじ軸とを備え、前記各ナッ
トにプーリが固定されていることを特徴とする。請求項
2、3に係る竪型射出成形機の安全装置においては、固
定部や可動部にまたはそれらの周辺に付設される装置の
設置状態に応じて直線移動機構の態様を適宜に選択して
構成し得る。
【0009】請求項4に係る竪型射出成形機の安全装置
は、請求項2または3に記載の装置において、固定部が
型締装置の可動盤であり、可動部が可動盤の上方に位置
され該可動盤の上面に立設されたガイドロッドに案内さ
れて上下動する射出装置の加熱筒保持プレートであるこ
とを特徴とする。この竪型射出成形機の安全装置におい
ては、射出装置全体の重量がフィード機構として作動す
る直線移動機構に付加荷重として作用するが、該直線移
動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確
実に行われるので、射出装置が不用意に落下して射出ノ
ズルやその他の部分が破損する等の事態が防止され、安
全が確保される。
【0010】請求項5に係る竪型射出成形機の安全装置
は、請求項2または3に記載の装置において、前記固定
部はマシンボディに固定された固定盤であり、前記可動
部は型締装置の可動盤を固定盤に対して移動させるトグ
ル機構のクロスヘッドであることを特徴とする。この竪
型射出成形機の安全装置においては、型締装置や射出装
置の全体重量がトグル機構を介してそのクロスヘッドを
作動する直線移動機構に付加荷重として作用するが、該
直線移動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が
常時確実に行われるので、型締装置の可動盤や射出装置
が不用意に落下してそれらが破損する等の事態が防止さ
れ、安全が確保される。
【0011】請求項6に係る竪型射出成形機の安全装置
は、請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、回
転駆動装置は電動機からなり、その駆動電流が監視され
て設定電流を超えたときに、電動機の作動が停止される
ようになっていることを特徴とする。この竪型射出成形
機の安全装置によれば、回転駆動装置から直線移動機構
へ駆動力を伝達するベルトのうちのいずれか1つでも破
断したときは、電動機の駆動電流の変化によりベルトの
破断が検出されて、電動機の作動が停止されるので、電
動機が過負荷電流が流れて故障するといった事態が防止
され、安全である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る竪型射出成形
機の安全装置の一実施の形態を添付図面を参照して説明
する。図1において、1は型締装置Aとその上の射出装
置Bとを縦方向に配置した竪型射出成形機である。前記
型締装置Bは、マシンボディ2の上面に固定された固定
盤(固定部)3と、該固定盤3とマシンボディ2を貫通
して上下方向に延長された3本(図1では2本のみ図
示)のタイバー4の上端に固定され、前記固定盤3の上
方に位置して設けられた可動盤5と、前記タイバー4の
下端に固定されて固定盤3の下方に位置されているエン
ドプレート6と、該エンドプレート6と前記固定盤3と
の間に設けられた上下に伸縮自在のトグル機構8と、マ
シンボディ2に取り付けられ前記トグル機構(型締機
構)8を伸縮作動させて前記エンドプレート6と前記タ
イバー4と介して前記可動盤5を上下方向に移動させる
駆動装置7とを備えている。
【0013】前記トグル機構8は、固定盤3の下面にピ
ン9で上下に回動自在に連結されたトグルリンク10,
10と、一端をエンドプレート6の上面にピン11で上
下に回動自在に連結され他端をピン12で前記トグルリ
ンク10に連結されたトグルリンク13と、一端をピン
14で前記トグルリンク10に上下に回動自在に連結さ
れたトグルピース15の他端にピン16で連結されたク
ロスヘッド(可動部)17とを備えている。該クロスヘ
ッド17にはボールナット18,18(図1では1個の
み図示)が固定されており、該ボールナット18には、
上端を前記固定盤3に、下端を前記マシンボディ2にそ
れぞれ回転自在に支持されたボールねじ軸19がねじ合
わされている。前記ボールナット18とボールねじ軸1
9は前記駆動装置7における第1の直線移動機構C1を
構成している。
【0014】ボールねじ軸19a,19bの下端に固定
されたプーリ20は、マシンボディ2に取り付けられた
電動サーボモータ(回転駆動装置)21に固定したプー
リ22にタイミングベルト(ベルト)23を介して連結
され、前記電動サーボモータ21の回転でボールねじ軸
19が回転されて、前記トグル機構8が伸縮されるよう
になっている。そして、該トグル機構8の伸縮によりタ
イバー4を介して可動盤5が上下動して、可動盤5に固
定した可動金型K1と固定盤3に固定した固定金型K2
とが型開閉、型締めが行われるようになっている。前記
プーリ20,22、タイミングベルト23は前記駆動装
置7における第1の伝動機構D1を構成している。な
お、前記クロスヘッド17は、上下端部を前記固定盤3
とマシンボディ2とに固定した一対のガイドロッド24
に案内されて円滑に上下動するようになっている。
【0015】また、前記射出装置Bは、加熱筒25を固
定した加熱筒保持プレート(可動部)26を備えてい
る。該加熱筒保持プレート26は、前記可動盤(射出装
置Bに対して固定部)5の上面に立設された左右各2本
(合計4本)のガイドロッド27に上下動自在に案内支
持されている。なお、射出装置Bには前記加熱筒25内
に挿入されている射出スクリュ29を回転させると共に
軸方向に前後進させる駆動装置Eが設けられ、該駆動装
置Eはガイドロッド27の上端部に案内されて加熱筒保
持プレート26と一緒に上下動する移動プレートHに支
持されている。
【0016】前記可動盤5の上面には、図3〜図5に示
すように、前記左右2本のガイドロッド27,27の
間に位置して一対の軸受筒28a,28bが軸受カバー
29を介してボルト29aにより固定されており、該ガ
イドロッド27,27の間にそれらと平行にして上下に
延長した1対のねじ軸30a,30bが、下端を前記軸
受筒28a,28bに固定した軸受31に支持されて軸
回りに回転自在に設けられている。各ねじ軸30a,3
0bの上端部は、前記加熱筒保持プレート26に上下に
貫通してあけられた穴26a、26bに挿通され、加熱
筒保持プレート26の上方において各ガイドロッド2
7,27に固定取付された軸受サポート32a,32b
に、軸受33a,33bで周方向に回転自在に支持され
ている。
【0017】また、各ねじ軸30a,30bの下端部に
おける軸受筒28a,28bの上方近くには、それぞ
れ、プーリ34a,34bがキーと軸受ナット35で固
定されており、各プーリ34a,34bは、可動盤5の
後面側(図4で上方側、図5で右側)に固定されたブラ
ケット36に取り付けた1つの減速機付電動機(回転駆
動装置)37の出力軸に固定したプーリ38に、個別に
掛け渡して設けたタイミングベルト(ベルト)39a,
39bにより連動連結されている。該タイミングベルト
39a,39bは、それぞれ、1本でも加熱筒保持プレ
ート26から上方の射出装置Bの重量を支えるに必要な
駆動力を伝達するだけの強度を有している。なお、図示
しないが、前記減速機付電動機37の駆動回路には、こ
の電動機37の駆動電流を電流検出器で監視してその電
流値が所定値を超えとき、減速機付電動機37の作動が
停止させ、必要に応じて、警報ランプやブザー等の警報
器を作動させて、タイミングベルトの破断を報知する制
御器が備えられている。
【0018】前記ブラケット36の上面には、アイドラ
プーリ40a,40bを回転自在に支軸41a,41b
で支持している一対のプレート42a,42bが取り付
けられている。各プレート42a,42bは、各アイド
ラプーリ40a,40bを各タイミングベルト39a,
39bの走行方向に直角な方向に移動調節して各タイミ
ングベルト39a,39bの張力を調整できるようにな
っている。その移動調節を行うための調整ボルト43
a,43bが、アイドラプーリ40a,40bを間にし
てタイミングベルト39a,39bの反対側に位置し
て、前記ブラケット36に固定した支持板44にねじ合
わされている。前記プーリ34a,34b,38、タイ
ミングベルト39a,39b、アイドラプーリ40a,
40b等が減速機付電動機37の回転を各ねじ軸30
a,30bに伝達する第2の伝動機構D2を構成してい
る。
【0019】前記ねじ軸30a,30bの上部の台形ね
じ、角ねじ、ボールねじ等からなるねじ部30c,30
dには、それぞれ、台形ねじ、角ねじ、ボールねじ等か
らなるナット45a,45bがねじ合わされており、各
ナット45a,45bは、その円筒部をナット支持板4
6a,46bの中央穴に下から挿通して下端フランジを
介してボルト47でナット支持板46a,46bに固定
されている。各ナット支持板46a,46bは、それら
の前後端側(図5で左右端側)にあけた一対の軸穴4
8,48に下から挿通されて前記加熱筒保持プレート2
6に固定した一対のばねガイド49,49に沿って上下
方向にのみ移動可能に支持されている。そして、ばねガ
イド49,49の下端にはボルト50でばね受プレート
51が固定されており、該ばね受プレート51の上面と
各ナット支持板46a,46bの下面との間には、各ば
ねガイド49,49に装着された圧縮ばね52が設けら
れ、常時、該圧縮ばね52によってナット支持板46
a,46bが上方に付勢されている。
【0020】これにより、ナット45a,45bは、各
ナット支持板46a,46bの下面が前記ばねガイド4
9,49の中間部における段部49a,49aに当接す
る位置まで、上下方向にのみ一定の範囲だけ相対移動が
可能なように加熱筒保持プレート26に支持されてい
る。前記ねじ軸30a,30b、ナット45a,45
b、ナット支持板36a,36b等が第2の伝動機構D
2からの回転を直線運動に変換して前記加熱筒保持プレ
ート26を上下動させる第2の直線移動機構C2を構成
している。
【0021】前記減速機付電動機37と、第2の伝動機
構D2と、第2の直線移動機構C2とで射出装置Bのフ
ィード機構Fを構成し、減速機付電動機37が回転して
ねじ軸30a,30bが回転すると、加熱筒保持プレー
ト26がナット45a,45bを介してねじ軸30a,
30bの軸方向に上下動して、射出装置Bに前進、後退
移動が与えられ、その加熱筒25における射出ノズルの
可動金型K1に対するノズルタッチが前記圧縮ばね52
の弾力を介して弾性的に行われ、また、そのノズルタッ
チの解除が行われるようになっている。
【0022】次に、前記のように構成された竪型射出成
形機の安全装置の作用について説明する。成形に際し
て、電動サーボモータ21が正回転しプーリ22,タイ
ミングベルト23,プーリ20を介してボールねじ軸1
9が回転すると、ボールナット18を介してクロスヘッ
ド17が下方に移動してトグル機構8が伸長されるの
で、前記エンドプレート7が下降する。これにより、前
記可動盤5が下降して固定盤3に固定された固定金型K
2と可動盤5に固定された可動金型K1とが型閉じされ
た後型締めされる。この型締めが完了されると、減速機
付電動機37が作動され、プーリ38、タイミングベル
ト39a、プーリ34aを介して一方のねじ軸30a
が、また、プーリ38、タイミングベルト39b、プー
リ34bを介して他方のねじ軸30bがそれぞれ同期し
て回転し、各ねじ軸30a,30bにねじ合わされてい
るナット45a,45bを介して前記加熱筒保持プレー
ト26が下降する。
【0023】加熱筒保持プレート26が所定ストローク
だけ下降すると、射出装置Bの加熱筒25の射出ノズル
25aが可動金型K1に当接してノズルタッチが行われ
る。このノズルタッチ時に、各ねじ軸30a,30bが
慣性で回転して各ナット45a,45bを下降させて
も、該ナット45a,45bは圧縮ばね52の弾力に抗
して下降するだけで前記加熱筒保持プレート26を下降
させることはないので、射出ノズル25aは前記圧縮ば
ね52により緩衝されて可動金型K1に当接して、その
圧縮力にもとづくノズルタッチが維持されると共に、前
記ナット45a,45bの駆動系に無理な力が作用する
ことがない。
【0024】前記ノズルタッチが終了すると、予め加熱
筒25内の前端側(下端側)に計量されていた溶融樹脂
が、射出スクリュの前進移動(下降)により射出ノズル
25aを通して金型K(K1,K2)のキャビティ内に
射出される。該金型Kに成形された成型品が冷却されて
固化すると、前記減速機付電動機37が逆転することに
より、第2の伝動機構D2を介してねじ軸30a,30
bが逆転してナット45a,45bが上昇し、これによ
り、ナット支持板46a,46bを介して加熱筒保持プ
レート26が上昇されて加熱筒25の射出ノズル25a
が可動金型K1から離れてノズルタッチが解除され、射
出装置Bは所定の上昇端位置(後退端位置)まで移動さ
れる。
【0025】また、電動サーボモータ21が逆転するこ
とにより、第1の伝動機構D1を介してボールねじ軸1
9が逆転してボールナット18が上昇し、これにより、
クロスヘッド17が上昇してトグル機構8が収縮しエン
ドプレート6が上昇するので、タイバー4,4を介して
可動盤5が上昇して固定盤3から離れ、金型Kの型開き
が行われると共に、図示しないエジェクタ装置により成
型品が金型K外へ突き出される。
【0026】前記射出装置Bが下降、上昇してノズルタ
ッチとその解除が行われる際には、1つの減速機付電動
機(回転駆動装置)37の出力軸に固定したプーリ38
と、2つのねじ軸30a,30bに固定されたプーリ3
4a,34bとに個別に掛け渡した2つのタイミングベ
ルト39a,39bによって、各ねじ軸30a,30b
を同期して回転されて加熱筒保持プレート(可動部)2
6が昇降するようになっているので、長期間の使用によ
る劣化等によって、万一、一方のタイミングベルト39
a(39b)が突然に破断されて一方のねじ軸30a
(30b)の回転が停止した場合は、他方のタイミング
ベルト39b(39a)によって減速機付電動機37の
駆動力が他方のねじ軸30b(30a)に伝達され、こ
れにより、加熱筒保持プレート26とその上方にある射
出装置Bの重量が支持されることになる。
【0027】しかし、一方のねじ軸30a(30b)の
回転が停止した場合には、各ねじ軸30a,30bに作
用する射出装置Bの重量バランスが崩れるので、他方の
ねじ軸30b(30a)の回転も停止し、その停止位置
で加熱筒保持プレート26が保持される。このとき、減
速機付電動機37の電流値が増大するので、この電流値
が電流検出器で監視されて所定値を超えていれば、前記
減速機付電動機37の作動が停止され、必要に応じて警
報器によってタイミングベルトの破断が報知される。
【0028】したがって、第2の伝動機構D2における
一本のタイミングベルトが破断しても、減速機付電動機
37から加熱筒保持プレート(可動部)26を移動させ
る直線移動機構C2への駆動力が完全に断たれることが
防止されるので、射出装置Bが不用意に落下するおそれ
が無くなる。2本のタイミングベルトが同時に破断する
確率は極めて低いので、2本のタイミングベルトにより
直線移動機構C2へ駆動力を伝達する構成により安全が
良好に確保される。しかも、タイミングベルトの破断を
検出する高価なセンサーを使用しなくて済むので、安価
で実施が容易であり、センサーの故障を懸念する必要が
なく、保守も容易に行うことができる。
【0029】なお、前記実施の形態においては、前記ね
じ軸30a,30bを可動盤(固定部)5に回転自在に
支持し、ナット45a,45bを加熱筒保持プレート
(可動部)26に回転不可に支持して、固定部5に設け
た回転駆動装置37で第2の伝動機構D2を介して前記
ねじ軸30a,30bを回転させて可動部26を上下動
するようにしたが、固定部5にナット45a,45bを
回転不可に支持し、ねじ軸30a,30bを可動部26
に回転自在に支持して、それらを可動部26に設けた回
転駆動装置37で回転させるようにしてもよい。また、
固定部5にねじ軸30a,30bを固定し、可動部26
にナット45a,45bを回転自在に支持して、それら
を可動部26に設けた回転駆動装置37で回転させるよ
うにしてもよい。さらに、可動部26にねじ軸30a,
30bを固定し、固定部5にナット45a,45bを回
転自在に支持して、それらを固定部5に設けた回転駆動
装置37で回転させるようにしてもよい。
【0030】なお、前記実施の形態においては、前記射
出装置Bを上下動してその加熱筒25の射出ノズル25
aを金型Kにノズルタッチを行わせるフィード機構Fに
本発明を適用したが、これに限らず、金型Kを開閉、型
締めする型締装置Aに適用してもよい。すなわち、図2
の鎖線で示すように、前記トグル機構8のクロスヘッド
(可動部)17に2個のボールナット18a,18bを
取り付けて、これらのボールナット18a,18bにね
じ合わせた2本のボールねじ軸19a,19bを前記固
定盤(固定部)3とマシンボディ2に支持し、各ボール
ねじ軸19a,19bの下端に固定した各プーリ20
a,20bを個別にタイミングベルト(ベルト)23
a,23bによって前記電動サーボモータ(回転駆動装
置)21のプーリ22に掛け渡すようにする。この場
合、各タイミングベルト23a,23bは可動盤5,可
動金型K1、射出ユニット6等の重量を十分に支えるに
必要な駆動力を伝達するだけの強度を有するものとされ
る。
【0031】この安全装置によれば、電動サーボモータ
21の回転により、プーリ22、タイミングベルト23
a,23b、プーリ20a,20bを介して各ボールね
じ軸19a,19bが回転してクロスヘッド17が上下
動すると、トグル機構8が伸縮してタイバー4を介して
可動盤5が昇降するが、その際、いずれか一方のタイミ
ングベルト23a(23b)が突然に破断しても、可動
盤5と可動金型K1および射出装置Bの重量が破断して
ない1本のタイミングベルト23b(23a)により支
えられるので、型開状態にある可動金型K1が可動盤5
と一緒に不用意に落下して型閉するといった事態を防止
することができ、安全が確保される。
【0032】また、前記実施の形態においては、第2の
直線移動機構C2を、2本のねじ軸30a,30bにそ
れぞれナット45a,45bをねじ合わせたものとして
2個設けた構成になっているので、射出装置Bのよう
に、装置の中央に加熱筒25等の部材がある場合、該部
材の両側に前記ねじ軸30a,30bをバランスよく配
置することができて好ましいが、第2の直線移動機構C
2は、ねじ軸を2本設けたものに限らず、3本以上の複
数本設けたものであってもよい。
【0033】さらに、前記実施の形態においては、第2
の直線移動機構C2をねじ軸30a,30bにナット4
5a,45bをねじ合わせてねじ軸30a,30bの回
転でナット45a,45bに取り付けた加熱筒保持プレ
ート(可動部)26を移動させる構成のものとしたが、
これに変えてクランク軸に連接棒を連結して、クランク
軸をプーリにベルトを掛け渡した伝動機構を介して回転
させて連接棒により可動部を往復動させる構成とするこ
ともできる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の優れた効果を奏する。請求項1に係る竪型射出成形
機の安全装置によれば、固定部に対して可動部を上下移
動させる直線移動機構に回転駆動装置の回転を伝達する
伝動機構のベルトの少なくとも1本を残して他のベルト
が不意に破断するといった故障が発生した場合でも、破
断しないベルトにより回転駆動装置の駆動力が直線移動
機構に伝達されて、可動部に作用する荷重を支えること
ができるので、前記ベルトの一部本数の破断により前記
可動部が不用意に落下するといった事態を確実に防止す
ることができ、装置の破損を避けることができると共
に、安全を確保することができる。しかも、ベルトの破
断を検出する高価なセンサーを使用しなくて済むので、
安価で実施が容易であり、センサーの故障を懸念する必
要がなく、保守も容易に行うことができる。
【0035】請求項2、3に係る竪型射出成形機の安全
装置においては、固定部や可動部にまたはそれらの周辺
に付設される装置の設置状態に応じて直線移動機構を適
宜に選択した態様によって容易に構成することができ
る。請求項4に係る竪型射出成形機の安全装置において
は、射出装置全体の重量がフィード機構として作動する
直線移動機構に付加荷重として作用しても、該直線移動
機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確実
に行われるので、射出装置が不用意に落下して射出ノズ
ルやその他の部分が破損する等の事態を未然に防止する
ことができて、安全を確保することができる。
【0036】請求項5に係る竪型射出成形機の安全装置
においては、型締装置や射出装置の全体重量がトグル機
構を介してそのクロスヘッドを作動する直線移動機構に
付加荷重として作用しても、該直線移動機構へのプーリ
とベルトによる駆動力の伝達が常時確実に行われるの
で、型締装置の可動盤や射出装置が不用意に落下してそ
れらが破損する等の事態を未然に防止することができ
て、安全を確保することができる。
【0037】請求項6に係る竪型射出成形機の安全装置
においては、回転駆動装置から直線移動機構へ駆動力を
伝達するベルトのうちのいずれか1つでも破断したとき
には、電動機の駆動電流の変化によりベルトの破断が検
出されて、電動機の作動が停止されるので、電動機が過
負荷電流が流れて故障するといった事態を確実に防止す
ることができ、安全が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 竪型射出成形機の正面図である。
【図2】 図1のイ矢視図である。
【図3】 本発明を竪型射出成形機の射出装置のフィー
ド機構に適用した一実施の形態の正面図である。
【図4】 図3のロ−ロ断面図である。
【図5】 図3のハ矢視図である。
【符号の説明】
1 竪型射出成形機 2 マシンボディ 3 固定盤(固定部) 4 タイバー 5 可動盤(固定部) 8 トグル機構
(型締機構) 17 クロスヘッド(可動部) 18 ボールナッ
ト 19 ボールねじ軸 21 電動サーボモータ(回転駆動装置) 20,22,34a,34b,38 プーリ 23,23a,23b,39a,39b タイミングベ
ルト(ベルト) 25 加熱筒 26 加熱筒保持
プレート(可動部) 27 ガイドロッド 28 軸受筒 30a,30b ねじ軸 37 減速機付電
動機(回転駆動装置) 45a,45b ナット 46a,46b
ナット支持板 A 型締装置 B 射出装置 C1,C2 直線移動機構 D1,D2 伝動
機構 F フィード機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定盤に対し可動盤を型締機構を介して
    上下動させて金型の開閉、型締を行う型締装置と、該型
    締装置の可動盤に支持されフィード機構により可動盤に
    対して上下動される射出装置とを備え、前記型締機構と
    フィード機構のうちの少なくとも一方が、回転駆動装置
    からプーリとベルトにより伝達された回転運動を直線運
    動に変換して可動部を固定部に対して移動させる直線移
    動機構を有する竪型射出成形機の安全装置において、 前記直線移動機構は複数個備えられており、それらの各
    々に設けられたプーリが、1つの回転駆動装置に設けら
    れたプーリとの間に個別に巻き掛けられたベルトによっ
    て回転されるようになっていることを特徴とする竪型射
    出成形機の安全装置。
  2. 【請求項2】 前記直線移動機構は、固定部と可動部の
    うちの一方に回転自在に支持されたねじ軸と、固定部と
    可動部のうちの他方に固定され前記ねじ軸にねじ合わさ
    れているナットとを備え、前記各ねじ軸に前記プーリが
    固定されていることを特徴とする請求項1に記載の竪型
    射出成形機の安全装置。
  3. 【請求項3】 前記直線移動機構は、固定部と可動部の
    うちの一方に回転自在に支持されたナットと、固定部と
    可動部のうちの他方に固定され前記ナットにねじ合わさ
    れているねじ軸とを備え、前記各ナットに前記プーリが
    固定されていることを特徴とする請求項1に記載の竪型
    射出成形機の安全装置。
  4. 【請求項4】 前記固定部は型締装置の可動盤であり、
    前記可動部は可動盤の上方に位置され該可動盤の上面に
    立設されたガイドロッドに案内されて上下動する射出装
    置の加熱筒保持プレートであることを特徴とする請求項
    2または3に記載の竪型射出成形機の安全装置。
  5. 【請求項5】 前記固定部はマシンボディに固定された
    固定盤であり、前記可動部は型締装置の可動盤を固定盤
    に対して移動させるトグル機構のクロスヘッドであるこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載の竪型射出成形
    機の安全装置。
  6. 【請求項6】 前記回転駆動装置は電動機からなり、そ
    の駆動電流が監視されて設定電流を超えたときに、電動
    機の作動が停止されるようになっていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の竪型射出成形機の安
    全装置。
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