JP4524723B2 - 竪型射出成形機の安全装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出装置と型締装置が縦方向に配置された竪型射出成形機の安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、型締装置とその可動盤上に設けた射出装置とを縦方向に配置した竪型射出成形機において、サーボモータにより1つの駆動プーリと1本の伝達ベルトと1つの従動プーリとからなる伝動機構を介して1つのボールねじ軸を回転させ、該ボールねじ軸にねじ合わせたボールナットを移動させてトグル機構を上下に伸縮させ、このトグル機構の伸縮運動によりタイバーを介して該タイバーの上端に固定された可動盤を、該可動盤の下方に位置してマシンベッドに固定された固定盤に対して上下動させ、固定盤に固定された固定金型と可動盤に固定された可動金型との型開閉、型締めを行うようにした型締装置に対し、前記伝達ベルトの近傍に伝達ベルトの有無を検出するベルトセンサーを設けると共に、前記従動プーリの近傍に従動プーリの回転を検出する回転センサーを設けて、前記ベルトセンサーで伝達ベルトが検出されなくなったり、回転センサーで従動プーリの回転が検出されなくなったりしたことにより、前記伝達ベルトに異常が発生したことを検出することができるようにした安全装置を備えたものが知られている(特開2000−6222号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記安全装置では1本の伝達ベルトでサーボモータの駆動力を1本のねじ軸に伝達するものであるから、1本の伝達ベルトが完全に破断した場合には可動盤や射出装置の重量を支えることができなくなるので、他に機械的なストッパを設けなければならず、また、ベルトセンサーや回転センサーは、高感度を有して高価であり、電源がONになっていないと動作せず、各センサー自体が故障した場合には伝達ベルトの異常が検出できないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、固定部に対して可動部を上下動させる直線移動機構に回転駆動装置から動力を伝達する伝動機構のベルトの異常を、その異常を直接的に検出する高価なセンサーを使用することなく、容易に検出でき、かつ、可動部の落下を確実に防止することができる竪型射出成形機の安全装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、構造が簡単で、実施が容易な竪型射出成形機の安全装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る竪型射出成形機の安全装置は、固定盤に対し可動盤を型締機構を介して上下動させて金型の開閉、型締を行う型締装置と、該型締装置の可動盤に支持されフィード機構により可動盤に対して上下動される射出装置とを備え、前記型締機構とフィード機構のうちの少なくとも一方が、回転駆動装置からプーリとベルトにより伝達された回転運動を直線運動に変換して可動部を固定部に対して移動させる直線移動機構を有する竪型射出成形機の安全装置において、
前記直線移動機構は複数個備えられており、それらの各々に設けられたプーリが、1つの回転駆動装置に設けられたプーリとの間に個別に巻き掛けられたベルトによって回転されるようになっていることを特徴とする。
【0006】
上記竪型射出成形機の安全装置においては、回転駆動装置の回転がプーリとベルトを介して直線移動機構に伝達され、該直線移動機構により直線運動に変換され、この直線運動によって前記型締装置の型締機構または射出装置のフィード機構が作動されて型開閉、型締が行われ、または、射出ノズルのノズルタッチとその解除が行われる。前記型開閉の動作時もしくは型開状態での停止時に、または、前記ノズルタッチ時もしくはその解除が行われて射出装置が停止している時に、前記ベルトの少なくとも1本を残して他のベルトが不意に破断するといった故障が発生した場合には、破断しないベルトにより回転駆動装置の駆動力が直線移動機構に伝達されて、可動部に作用する荷重を支えるので、前記ベルトの一部本数の破断により前記可動部が不用意に落下するといった事態が確実に防止され、装置の破損が避けられるとともに、安全が確保される。
【0007】
請求項2に係る竪型射出成形機の安全装置は、請求項1に記載の装置において、直線移動機構は、固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたねじ軸と、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ねじ軸にねじ合わされているナットとを備え、前記各ねじ軸にプーリが固定されている備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る竪型射出成形機の安全装置は、請求項1に記載の装置において、直線移動機構が、固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたナットと、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ナットにねじ合わされているねじ軸とを備え、前記各ナットにプーリが固定されていることを特徴とする。
請求項2、3に係る竪型射出成形機の安全装置においては、固定部や可動部にまたはそれらの周辺に付設される装置の設置状態に応じて直線移動機構の態様を適宜に選択して構成し得る。
【0009】
請求項4に係る竪型射出成形機の安全装置は、請求項2または3に記載の装置において、固定部が型締装置の可動盤であり、可動部が可動盤の上方に位置され該可動盤の上面に立設されたガイドロッドに案内されて上下動する射出装置の加熱筒保持プレートであることを特徴とする。
この竪型射出成形機の安全装置においては、射出装置全体の重量がフィード機構として作動する直線移動機構に付加荷重として作用するが、該直線移動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確実に行われるので、射出装置が不用意に落下して射出ノズルやその他の部分が破損する等の事態が防止され、安全が確保される。
【0010】
請求項5に係る竪型射出成形機の安全装置は、請求項2または3に記載の装置において、前記固定部はマシンボディに固定された固定盤であり、前記可動部は型締装置の可動盤を固定盤に対して移動させるトグル機構のクロスヘッドであることを特徴とする。
この竪型射出成形機の安全装置においては、型締装置や射出装置の全体重量がトグル機構を介してそのクロスヘッドを作動する直線移動機構に付加荷重として作用するが、該直線移動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確実に行われるので、型締装置の可動盤や射出装置が不用意に落下してそれらが破損する等の事態が防止され、安全が確保される。
【0011】
請求項6に係る竪型射出成形機の安全装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、回転駆動装置は電動機からなり、その駆動電流が監視されて設定電流を超えたときに、電動機の作動が停止されるようになっていることを特徴とする。
この竪型射出成形機の安全装置によれば、回転駆動装置から直線移動機構へ駆動力を伝達するベルトのうちのいずれか1つでも破断したときは、電動機の駆動電流の変化によりベルトの破断が検出されて、電動機の作動が停止されるので、電動機が過負荷電流が流れて故障するといった事態が防止され、安全である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る竪型射出成形機の安全装置の一実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1において、1は型締装置Aとその上の射出装置Bとを縦方向に配置した竪型射出成形機である。前記型締装置Bは、マシンボディ2の上面に固定された固定盤(固定部)3と、該固定盤3とマシンボディ2を貫通して上下方向に延長された3本(図1では2本のみ図示)のタイバー4の上端に固定され、前記固定盤3の上方に位置して設けられた可動盤5と、前記タイバー4の下端に固定されて固定盤3の下方に位置されているエンドプレート6と、該エンドプレート6と前記固定盤3との間に設けられた上下に伸縮自在のトグル機構8と、マシンボディ2に取り付けられ前記トグル機構(型締機構)8を伸縮作動させて前記エンドプレート6と前記タイバー4と介して前記可動盤5を上下方向に移動させる駆動装置7とを備えている。
【0013】
前記トグル機構8は、固定盤3の下面にピン9で上下に回動自在に連結されたトグルリンク10,10と、一端をエンドプレート6の上面にピン11で上下に回動自在に連結され他端をピン12で前記トグルリンク10に連結されたトグルリンク13と、一端をピン14で前記トグルリンク10に上下に回動自在に連結されたトグルピース15の他端にピン16で連結されたクロスヘッド(可動部)17とを備えている。該クロスヘッド17にはボールナット18,18(図1では1個のみ図示)が固定されており、該ボールナット18には、上端を前記固定盤3に、下端を前記マシンボディ2にそれぞれ回転自在に支持されたボールねじ軸19がねじ合わされている。
前記ボールナット18とボールねじ軸19は前記駆動装置7における第1の直線移動機構C1を構成している。
【0014】
ボールねじ軸19a,19bの下端に固定されたプーリ20は、マシンボディ2に取り付けられた電動サーボモータ(回転駆動装置)21に固定したプーリ22にタイミングベルト(ベルト)23を介して連結され、前記電動サーボモータ21の回転でボールねじ軸19が回転されて、前記トグル機構8が伸縮されるようになっている。そして、該トグル機構8の伸縮によりタイバー4を介して可動盤5が上下動して、可動盤5に固定した可動金型K1と固定盤3に固定した固定金型K2とが型開閉、型締めが行われるようになっている。前記プーリ20,22、タイミングベルト23は前記駆動装置7における第1の伝動機構D1を構成している。
なお、前記クロスヘッド17は、上下端部を前記固定盤3とマシンボディ2とに固定した一対のガイドロッド24に案内されて円滑に上下動するようになっている。
【0015】
また、前記射出装置Bは、加熱筒25を固定した加熱筒保持プレート(可動部)26を備えている。該加熱筒保持プレート26は、前記可動盤(射出装置Bに対して固定部)5の上面に立設された左右各2本(合計4本)のガイドロッド27に上下動自在に案内支持されている。なお、射出装置Bには前記加熱筒25内に挿入されている射出スクリュ29を回転させると共に軸方向に前後進させる駆動装置Eが設けられ、該駆動装置Eはガイドロッド27の上端部に案内されて加熱筒保持プレート26と一緒に上下動する移動プレートHに支持されている。
【0016】
前記可動盤5の上面には、図3〜図5に示すように、前記左右2本のガイドロッド27,27の間に位置して一対の軸受筒28a,28bが軸受カバー29を介してボルト29aにより固定されており、該ガイドロッド27,27の間にそれらと平行にして上下に延長した1対のねじ軸30a,30bが、下端を前記軸受筒28a,28bに固定した軸受31に支持されて軸回りに回転自在に設けられている。各ねじ軸30a,30bの上端部は、前記加熱筒保持プレート26に上下に貫通してあけられた穴26a、26bに挿通され、加熱筒保持プレート26の上方において各ガイドロッド27,27に固定取付された軸受サポート32a,32bに、軸受33a,33bで周方向に回転自在に支持されている。
【0017】
また、各ねじ軸30a,30bの下端部における軸受筒28a,28bの上方近くには、それぞれ、プーリ34a,34bがキーと軸受ナット35で固定されており、各プーリ34a,34bは、可動盤5の後面側(図4で上方側、図5で右側)に固定されたブラケット36に取り付けた1つの減速機付電動機(回転駆動装置)37の出力軸に固定したプーリ38に、個別に掛け渡して設けたタイミングベルト(ベルト)39a,39bにより連動連結されている。
該タイミングベルト39a,39bは、それぞれ、1本でも加熱筒保持プレート26から上方の射出装置Bの重量を支えるに必要な駆動力を伝達するだけの強度を有している。
なお、図示しないが、前記減速機付電動機37の駆動回路には、この電動機37の駆動電流を電流検出器で監視してその電流値が所定値を超えとき、減速機付電動機37の作動が停止させ、必要に応じて、警報ランプやブザー等の警報器を作動させて、タイミングベルトの破断を報知する制御器が備えられている。
【0018】
前記ブラケット36の上面には、アイドラプーリ40a,40bを回転自在に支軸41a,41bで支持している一対のプレート42a,42bが取り付けられている。各プレート42a,42bは、各アイドラプーリ40a,40bを各タイミングベルト39a,39bの走行方向に直角な方向に移動調節して各タイミングベルト39a,39bの張力を調整できるようになっている。その移動調節を行うための調整ボルト43a,43bが、アイドラプーリ40a,40bを間にしてタイミングベルト39a,39bの反対側に位置して、前記ブラケット36に固定した支持板44にねじ合わされている。
前記プーリ34a,34b,38、タイミングベルト39a,39b、アイドラプーリ40a,40b等が減速機付電動機37の回転を各ねじ軸30a,30bに伝達する第2の伝動機構D2を構成している。
【0019】
前記ねじ軸30a,30bの上部の台形ねじ、角ねじ、ボールねじ等からなるねじ部30c,30dには、それぞれ、台形ねじ、角ねじ、ボールねじ等からなるナット45a,45bがねじ合わされており、各ナット45a,45bは、その円筒部をナット支持板46a,46bの中央穴に下から挿通して下端フランジを介してボルト47でナット支持板46a,46bに固定されている。各ナット支持板46a,46bは、それらの前後端側(図5で左右端側)にあけた一対の軸穴48,48に下から挿通されて前記加熱筒保持プレート26に固定した一対のばねガイド49,49に沿って上下方向にのみ移動可能に支持されている。そして、ばねガイド49,49の下端にはボルト50でばね受プレート51が固定されており、該ばね受プレート51の上面と各ナット支持板46a,46bの下面との間には、各ばねガイド49,49に装着された圧縮ばね52が設けられ、常時、該圧縮ばね52によってナット支持板46a,46bが上方に付勢されている。
【0020】
これにより、ナット45a,45bは、各ナット支持板46a,46bの下面が前記ばねガイド49,49の中間部における段部49a,49aに当接する位置まで、上下方向にのみ一定の範囲だけ相対移動が可能なように加熱筒保持プレート26に支持されている。
前記ねじ軸30a,30b、ナット45a,45b、ナット支持板36a,36b等が第2の伝動機構D2からの回転を直線運動に変換して前記加熱筒保持プレート26を上下動させる第2の直線移動機構C2を構成している。
【0021】
前記減速機付電動機37と、第2の伝動機構D2と、第2の直線移動機構C2とで射出装置Bのフィード機構Fを構成し、減速機付電動機37が回転してねじ軸30a,30bが回転すると、加熱筒保持プレート26がナット45a,45bを介してねじ軸30a,30bの軸方向に上下動して、射出装置Bに前進、後退移動が与えられ、その加熱筒25における射出ノズルの可動金型K1に対するノズルタッチが前記圧縮ばね52の弾力を介して弾性的に行われ、また、そのノズルタッチの解除が行われるようになっている。
【0022】
次に、前記のように構成された竪型射出成形機の安全装置の作用について説明する。
成形に際して、電動サーボモータ21が正回転しプーリ22,タイミングベルト23,プーリ20を介してボールねじ軸19が回転すると、ボールナット18を介してクロスヘッド17が下方に移動してトグル機構8が伸長されるので、前記エンドプレート7が下降する。これにより、前記可動盤5が下降して固定盤3に固定された固定金型K2と可動盤5に固定された可動金型K1とが型閉じされた後型締めされる。この型締めが完了されると、減速機付電動機37が作動され、プーリ38、タイミングベルト39a、プーリ34aを介して一方のねじ軸30aが、また、プーリ38、タイミングベルト39b、プーリ34bを介して他方のねじ軸30bがそれぞれ同期して回転し、各ねじ軸30a,30bにねじ合わされているナット45a,45bを介して前記加熱筒保持プレート26が下降する。
【0023】
加熱筒保持プレート26が所定ストロークだけ下降すると、射出装置Bの加熱筒25の射出ノズル25aが可動金型K1に当接してノズルタッチが行われる。
このノズルタッチ時に、各ねじ軸30a,30bが慣性で回転して各ナット45a,45bを下降させても、該ナット45a,45bは圧縮ばね52の弾力に抗して下降するだけで前記加熱筒保持プレート26を下降させることはないので、射出ノズル25aは前記圧縮ばね52により緩衝されて可動金型K1に当接して、その圧縮力にもとづくノズルタッチが維持されると共に、前記ナット45a,45bの駆動系に無理な力が作用することがない。
【0024】
前記ノズルタッチが終了すると、予め加熱筒25内の前端側(下端側)に計量されていた溶融樹脂が、射出スクリュの前進移動(下降)により射出ノズル25aを通して金型K(K1,K2)のキャビティ内に射出される。該金型Kに成形された成型品が冷却されて固化すると、前記減速機付電動機37が逆転することにより、第2の伝動機構D2を介してねじ軸30a,30bが逆転してナット45a,45bが上昇し、これにより、ナット支持板46a,46bを介して加熱筒保持プレート26が上昇されて加熱筒25の射出ノズル25aが可動金型K1から離れてノズルタッチが解除され、射出装置Bは所定の上昇端位置(後退端位置)まで移動される。
【0025】
また、電動サーボモータ21が逆転することにより、第1の伝動機構D1を介してボールねじ軸19が逆転してボールナット18が上昇し、これにより、クロスヘッド17が上昇してトグル機構8が収縮しエンドプレート6が上昇するので、タイバー4,4を介して可動盤5が上昇して固定盤3から離れ、金型Kの型開きが行われると共に、図示しないエジェクタ装置により成型品が金型K外へ突き出される。
【0026】
前記射出装置Bが下降、上昇してノズルタッチとその解除が行われる際には、1つの減速機付電動機(回転駆動装置)37の出力軸に固定したプーリ38と、2つのねじ軸30a,30bに固定されたプーリ34a,34bとに個別に掛け渡した2つのタイミングベルト39a,39bによって、各ねじ軸30a,30bを同期して回転されて加熱筒保持プレート(可動部)26が昇降するようになっているので、長期間の使用による劣化等によって、万一、一方のタイミングベルト39a(39b)が突然に破断されて一方のねじ軸30a(30b)の回転が停止した場合は、他方のタイミングベルト39b(39a)によって減速機付電動機37の駆動力が他方のねじ軸30b(30a)に伝達され、これにより、加熱筒保持プレート26とその上方にある射出装置Bの重量が支持されることになる。
【0027】
しかし、一方のねじ軸30a(30b)の回転が停止した場合には、各ねじ軸30a,30bに作用する射出装置Bの重量バランスが崩れるので、他方のねじ軸30b(30a)の回転も停止し、その停止位置で加熱筒保持プレート26が保持される。このとき、減速機付電動機37の電流値が増大するので、この電流値が電流検出器で監視されて所定値を超えていれば、前記減速機付電動機37の作動が停止され、必要に応じて警報器によってタイミングベルトの破断が報知される。
【0028】
したがって、第2の伝動機構D2における一本のタイミングベルトが破断しても、減速機付電動機37から加熱筒保持プレート(可動部)26を移動させる直線移動機構C2への駆動力が完全に断たれることが防止されるので、射出装置Bが不用意に落下するおそれが無くなる。2本のタイミングベルトが同時に破断する確率は極めて低いので、2本のタイミングベルトにより直線移動機構C2へ駆動力を伝達する構成により安全が良好に確保される。しかも、タイミングベルトの破断を検出する高価なセンサーを使用しなくて済むので、安価で実施が容易であり、センサーの故障を懸念する必要がなく、保守も容易に行うことができる。
【0029】
なお、前記実施の形態においては、前記ねじ軸30a,30bを可動盤(固定部)5に回転自在に支持し、ナット45a,45bを加熱筒保持プレート(可動部)26に回転不可に支持して、固定部5に設けた回転駆動装置37で第2の伝動機構D2を介して前記ねじ軸30a,30bを回転させて可動部26を上下動するようにしたが、固定部5にナット45a,45bを回転不可に支持し、ねじ軸30a,30bを可動部26に回転自在に支持して、それらを可動部26に設けた回転駆動装置37で回転させるようにしてもよい。また、固定部5にねじ軸30a,30bを固定し、可動部26にナット45a,45bを回転自在に支持して、それらを可動部26に設けた回転駆動装置37で回転させるようにしてもよい。さらに、可動部26にねじ軸30a,30bを固定し、固定部5にナット45a,45bを回転自在に支持して、それらを固定部5に設けた回転駆動装置37で回転させるようにしてもよい。
【0030】
なお、前記実施の形態においては、前記射出装置Bを上下動してその加熱筒25の射出ノズル25aを金型Kにノズルタッチを行わせるフィード機構Fに本発明を適用したが、これに限らず、金型Kを開閉、型締めする型締装置Aに適用してもよい。
すなわち、図2の鎖線で示すように、前記トグル機構8のクロスヘッド(可動部)17に2個のボールナット18a,18bを取り付けて、これらのボールナット18a,18bにねじ合わせた2本のボールねじ軸19a,19bを前記固定盤(固定部)3とマシンボディ2に支持し、各ボールねじ軸19a,19bの下端に固定した各プーリ20a,20bを個別にタイミングベルト(ベルト)23a,23bによって前記電動サーボモータ(回転駆動装置)21のプーリ22に掛け渡すようにする。この場合、各タイミングベルト23a,23bは可動盤5,可動金型K1、射出ユニット6等の重量を十分に支えるに必要な駆動力を伝達するだけの強度を有するものとされる。
【0031】
この安全装置によれば、電動サーボモータ21の回転により、プーリ22、タイミングベルト23a,23b、プーリ20a,20bを介して各ボールねじ軸19a,19bが回転してクロスヘッド17が上下動すると、トグル機構8が伸縮してタイバー4を介して可動盤5が昇降するが、その際、いずれか一方のタイミングベルト23a(23b)が突然に破断しても、可動盤5と可動金型K1および射出装置Bの重量が破断してない1本のタイミングベルト23b(23a)により支えられるので、型開状態にある可動金型K1が可動盤5と一緒に不用意に落下して型閉するといった事態を防止することができ、安全が確保される。
【0032】
また、前記実施の形態においては、第2の直線移動機構C2を、2本のねじ軸30a,30bにそれぞれナット45a,45bをねじ合わせたものとして2個設けた構成になっているので、射出装置Bのように、装置の中央に加熱筒25等の部材がある場合、該部材の両側に前記ねじ軸30a,30bをバランスよく配置することができて好ましいが、第2の直線移動機構C2は、ねじ軸を2本設けたものに限らず、3本以上の複数本設けたものであってもよい。
【0033】
さらに、前記実施の形態においては、第2の直線移動機構C2をねじ軸30a,30bにナット45a,45bをねじ合わせてねじ軸30a,30bの回転でナット45a,45bに取り付けた加熱筒保持プレート(可動部)26を移動させる構成のものとしたが、これに変えてクランク軸に連接棒を連結して、クランク軸をプーリにベルトを掛け渡した伝動機構を介して回転させて連接棒により可動部を往復動させる構成とすることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係る竪型射出成形機の安全装置によれば、固定部に対して可動部を上下移動させる直線移動機構に回転駆動装置の回転を伝達する伝動機構のベルトの少なくとも1本を残して他のベルトが不意に破断するといった故障が発生した場合でも、破断しないベルトにより回転駆動装置の駆動力が直線移動機構に伝達されて、可動部に作用する荷重を支えることができるので、前記ベルトの一部本数の破断により前記可動部が不用意に落下するといった事態を確実に防止することができ、装置の破損を避けることができると共に、安全を確保することができる。しかも、ベルトの破断を検出する高価なセンサーを使用しなくて済むので、安価で実施が容易であり、センサーの故障を懸念する必要がなく、保守も容易に行うことができる。
【0035】
請求項2、3に係る竪型射出成形機の安全装置においては、固定部や可動部にまたはそれらの周辺に付設される装置の設置状態に応じて直線移動機構を適宜に選択した態様によって容易に構成することができる。
請求項4に係る竪型射出成形機の安全装置においては、射出装置全体の重量がフィード機構として作動する直線移動機構に付加荷重として作用しても、該直線移動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確実に行われるので、射出装置が不用意に落下して射出ノズルやその他の部分が破損する等の事態を未然に防止することができて、安全を確保することができる。
【0036】
請求項5に係る竪型射出成形機の安全装置においては、型締装置や射出装置の全体重量がトグル機構を介してそのクロスヘッドを作動する直線移動機構に付加荷重として作用しても、該直線移動機構へのプーリとベルトによる駆動力の伝達が常時確実に行われるので、型締装置の可動盤や射出装置が不用意に落下してそれらが破損する等の事態を未然に防止することができて、安全を確保することができる。
【0037】
請求項6に係る竪型射出成形機の安全装置においては、回転駆動装置から直線移動機構へ駆動力を伝達するベルトのうちのいずれか1つでも破断したときには、電動機の駆動電流の変化によりベルトの破断が検出されて、電動機の作動が停止されるので、電動機が過負荷電流が流れて故障するといった事態を確実に防止することができ、安全が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 竪型射出成形機の正面図である。
【図2】 図1のイ矢視図である。
【図3】 本発明を竪型射出成形機の射出装置のフィード機構に適用した一実施の形態の正面図である。
【図4】 図3のロ−ロ断面図である。
【図5】 図3のハ矢視図である。
【符号の説明】
1 竪型射出成形機 2 マシンボディ
3 固定盤(固定部) 4 タイバー
5 可動盤(固定部) 8 トグル機構(型締機構)
17 クロスヘッド(可動部) 18 ボールナット
19 ボールねじ軸
21 電動サーボモータ(回転駆動装置)
20,22,34a,34b,38 プーリ
23,23a,23b,39a,39b タイミングベルト(ベルト)
25 加熱筒 26 加熱筒保持プレート(可動部)
27 ガイドロッド 28 軸受筒
30a,30b ねじ軸 37 減速機付電動機(回転駆動装置)
45a,45b ナット 46a,46b ナット支持板
A 型締装置 B 射出装置
C1,C2 直線移動機構 D1,D2 伝動機構
F フィード機構

Claims (6)

  1. 固定盤に対し可動盤を型締機構を介して上下動させて金型の開閉、型締を行う型締装置と、該型締装置の可動盤に支持されフィード機構により可動盤に対して上下動される射出装置とを備え、前記型締機構とフィード機構のうちの少なくとも一方が、回転駆動装置からプーリとベルトにより伝達された回転運動を直線運動に変換して可動部を固定部に対して移動させる直線移動機構を有する竪型射出成形機の安全装置において、
    前記直線移動機構は複数個備えられており、それらの各々に設けられたプーリが、1つの回転駆動装置に設けられたプーリとの間に個別に巻き掛けられたベルトによって回転されるようになっていることを特徴とする竪型射出成形機の安全装置。
  2. 前記直線移動機構は、固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたねじ軸と、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ねじ軸にねじ合わされているナットとを備え、前記各ねじ軸に前記プーリが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の竪型射出成形機の安全装置。
  3. 前記直線移動機構は、固定部と可動部のうちの一方に回転自在に支持されたナットと、固定部と可動部のうちの他方に固定され前記ナットにねじ合わされているねじ軸とを備え、前記各ナットに前記プーリが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の竪型射出成形機の安全装置。
  4. 前記固定部は型締装置の可動盤であり、前記可動部は可動盤の上方に位置され該可動盤の上面に立設されたガイドロッドに案内されて上下動する射出装置の加熱筒保持プレートであることを特徴とする請求項2または3に記載の竪型射出成形機の安全装置。
  5. 前記固定部はマシンボディに固定された固定盤であり、前記可動部は型締装置の可動盤を固定盤に対して移動させるトグル機構のクロスヘッドであることを特徴とする請求項2または3に記載の竪型射出成形機の安全装置。
  6. 前記回転駆動装置は電動機からなり、その駆動電流が監視されて設定電流を超えたときに、電動機の作動が停止されるようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の竪型射出成形機の安全装置。
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