JP2002172455A - 金型用冷却装置 - Google Patents

金型用冷却装置

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JP2002172455A
JP2002172455A JP2001275468A JP2001275468A JP2002172455A JP 2002172455 A JP2002172455 A JP 2002172455A JP 2001275468 A JP2001275468 A JP 2001275468A JP 2001275468 A JP2001275468 A JP 2001275468A JP 2002172455 A JP2002172455 A JP 2002172455A
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mold
air
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fluid flow
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Masayuki Minemoto
方幸 峰本
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JFT KK
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  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型冷却装置の小型・軽量化を図りつつ、冷
却液の送給・停止の応答性を向上させ、しかも冷却作用
に伴う金型(特にピン部外表面)の終結温度を効率良く
最適値に安定させる。 【解決手段】 金型64に設けられた流体流通路65aに対
して冷却液を送給するポンプ部1のエアによる駆動と、
前記流体流通路65aに対するエアの送給とを行わせるエ
ア給排回路22を備える。鋳造品64xの有孔凸状部53xの外
径相当寸法をDx、金型64のピン部65の外径をD1、前記ピ
ン部65の外周肉厚をt1とし、且つ、−5.103+(0.621×D
x)−(1.068×D1)+(3.61×t1)をT1として、金型64への
溶湯の流し込み完了後に前記流体流通路65aに冷却液を
送給する時間Tを、T1−0.5秒≦T≦T1+0.5秒の関係を
満たすように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト鋳造等に使
用される金型の冷却装置に関し、特に金型に設けられた
冷却用の流体流通路に対して効率良く流体を送給するた
めの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ダイカスト鋳造等に使用
される金型においては、鋳造品の所定箇所に孔を形成す
ることを目的として、キャビティの所定箇所に中子ピン
等のピン部を挿入することが行われる。この種の金型に
は、ピン部に対して冷却を行うための冷却装置が付設さ
れるのが通例である。
【0003】この冷却装置は、ピン部の内部に形成した
流体流通路と、この流体流通路に液源からの冷却液を送
給するポンプ部と、このポンプ部を駆動するための流体
給排回路とを備えている。そして、鋳造工程の実行に際
しては、キャビティへの溶湯の流し込み完了後に、ピン
部の流体流通路に冷却液を送給し、溶湯が固化して適度
に冷却された時点で、型開きをして鋳造品を取り出すこ
とが行われる。
【0004】この場合、先行する鋳造工程が終了して1
ロットの鋳造品が成型された際に、ピン部の流体流通路
に冷却液が残存していたのでは、後続の鋳造工程の実行
時に支障が生じるばかりでなく、流体流通路に腐食が発
生する原因となる。そこで、1ロット毎の鋳造工程それ
ぞれの終了時には、ピン部の流体流通路に対して極めて
短時間エアを圧送して流体流通路内の冷却液を外部に排
出する所謂エアパージが施される。
【0005】また、この種の冷却装置のポンプ部として
は、シリンダ室内に往復動可能に保持されたピストン
が、何れか一方に移動する際にのみ冷却液を送給する所
謂片押しタイプのものが使用され、したがって冷却液は
ピン部の流体流通路側に間欠的に送給されるのが通例で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように片押しポンプを使用して冷却液を間欠的に送給す
る手法では、多量の冷却液を連続的に均一圧力でピン部
の流体流通路に送給することが困難であるため、鋳造品
に対する冷却作用を行うに際して実行・停止の迅速化が
阻害され、応答性の悪化を招く。また、このような手法
は、バッチ処理の実行が有利となるに過ぎず、これに則
してバッチ処理を行うには、ポンプの大型化や冷却液源
を含む流体給排回路の大型化等を招き、冷却装置のコス
トが高騰するという問題が生じる。
【0007】更に、従来においては、ポンプの能力を高
めるために、油圧によるポンプの駆動が行われている
が、このような手法では、冷却液をピン部に対して送給
する冷却液給排回路以外に、ポンプ駆動用の油圧源を含
む油圧給排回路と、ピン部の流体流通路にエアパージを
施すためのエア源を含むエア給排回路とが必要になり、
これによっても冷却装置の大型化やコストの高騰を招
く。
【0008】一方、従来の鋳造工程実行時におけるピン
部外表面(及び鋳造品の孔内表面)の温度管理は、ピン
部の流体流通路に送給される冷却液のみに依存して行わ
れているのが実情であった。そして、このピン部外表面
の終結温度が高過ぎる場合には、後続の鋳造工程実行の
ためにピン部外表面に塗布されるべき離型剤がその外表
面ではじかれて、適量の離型剤を塗布することができな
くなる。また、ピン部外表面の終結温度が低過ぎる場合
には、離型剤が流下して付着せず、この場合にも適量の
離型剤を塗布することができなくなる。
【0009】したがって、ピン部外表面の終結温度は、
高品質の鋳造品を成型する上で極めて重要となるが、従
来においては、その温度管理を既述のように冷却液の送
給に依存していたことに起因して、ピン部外表面を適切
な終結温度に安定させることが極めて困難とされてい
た。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、金型用冷却装置の小型・軽量化を図りつつ、冷
却液の送給・停止の応答性を向上させ、しかも冷却作用
に伴う金型(特にピン部外表面)の終結温度を効率良く
最適値に安定させることを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るためになされた本発明は、金型に設けられた流体流通
路に対して冷却液を送給するポンプ部を備えた金型用冷
却装置において、前記ポンプ部のエアによる駆動と、前
記流体流通路に対するエアの送給とを行わせるエア給排
回路を備え、前記ポンプ部から前記流体流通路側に対し
て冷却液を連続送給可能に構成したことに特徴づけられ
る。
【0012】このような構成によれば、ポンプ部の駆動
がエアにより行われるため、このポンプ部駆動用のエア
給排回路と、金型の流体流通路にエアを送給するエア給
排回路との部分的共通化が図られ、例えば単一のエア源
及びこれに通じる単一のメインエア通路を共用できるこ
とになる。これにより、ポンプ部駆動を油圧により行う
場合のように、ポンプ部駆動用と金型に対するエア送給
用との別系統の流体給排回路を設ける必要がなくなり、
流体給排回路のコンパクト化ひいては金型用冷却装置の
低コスト化を図ることが可能となる。
【0013】しかも、ポンプ部は、金型の流体流通路側
に対して冷却液を連続送給することが可能であるため、
流体流通路の手前側(上流側)に、調圧弁等により所要
圧力とされた冷却液を常時蓄えておくことが可能とな
る。これにより、冷却液が間欠的に送給される場合のよ
うな冷却液不足や液圧の不均一等が生じなくなり、流体
流通路への冷却液送給の実行・停止が応答性良く行われ
る。また、このように冷却液を連続送給する手法によれ
ば、ポンプ部は一挙に多量の冷却液を送給する能力を有
している必要がなく、したがってポンプ部の小型・軽量
化ひいては液源を含む冷却液給排回路のコンパクト化を
図ることが可能となる。
【0014】前記ポンプ部の具体的構造は、同軸上に直
列配置された第一シリンダ室及び第二シリンダ室と、前
記両シリンダ室にそれぞれ配設された第一ピストン及び
第二ピストンと、前記両ピストンを相互に連結するピス
トンロッドとを備え、前記第一シリンダ室へのエアの給
排に伴う前記両ピストンの往動時及び復動時の両時期
に、前記第二シリンダ室から前記金型の流体流通路側に
冷却液を送給するように構成されていることが好まし
い。
【0015】このように構成すれば、ピストンの往動時
のみならず復動時においても冷却液が金型の流体流通路
に送給されて、その送給動作が連続的に行われるため、
冷却液の送給にロスが生じなくなる。詳述すると、ピス
トンの往動時にのみ間欠的に冷却液が送給される場合と
比較して、ピストンの一回の往復動に付き、約二倍の量
の冷却液を金型側に送給することが可能となる。したが
って、ポンプ部の大型化を招くことなく、充分な量の冷
却液を送給することが可能となり、金型に対する冷却作
用が効率良く行われる。
【0016】この場合、前記金型は、前記流体流通路が
内部に形成されたピン部とその外周側を包囲するキャビ
ティ部との間で、鋳造品の有孔凸状部を成型するように
構成されると共に、前記ピン部の外表面及びこれに接す
る前記有孔凸状部の孔内表面の温度調整は、前記流体流
通路に対する冷却液の送給と、前記冷却液の送給停止直
後における前記流体流通路に対するエアの送給に伴う復
熱作用とに基づいて行うように構成されていることが好
適である。ここで、「有孔凸状部」とは、例えばボス部
等のように孔が形成された凸状部を意味するが、この有
孔凸状部は、孔の中心軸線方向に凸となる隆起部であっ
てもよく、或いは孔の中心軸線と直交する方向に凸とな
る張り出し部であってもよい。そして、有孔凸状部の外
周部はキャビティ部によって成型され、孔はピン部によ
って成型される。
【0017】このように構成すれば、鋳造工程実行時に
キャビティ部内に流し込まれた溶湯は、先ずピン部内の
流体流通路に送給される冷却液によってピン部との接触
面つまり孔内表面が温度降下するが、この温度降下と略
同程度の勾配でピン部外表面も温度降下する。この段階
において、ピン部外表面の温度は、有孔凸状部の孔内表
面の温度に比して、かなりの差をもって低い状態となっ
ている。そして、冷却液の送給が後述する所定時間の経
過後に停止し、この直後に、ピン部内の流体流通路にエ
アが送給される。このエアが送給された直後に、エアの
復熱作用によってピン部外表面温度が有孔凸状部の孔内
表面温度と略一致するまで上昇し、この後に時間が経過
しても両者の温度は前記復熱作用により略一定温度に安
定する。すなわち、エアの復熱作用によって、有孔凸状
部の孔内表面温度の降下が阻止された上で、この孔内表
面温度とこれに略等しくなったピン部外表面温度とが略
一定値に落ち着き、時間が経過してもその両者には温度
変化が殆ど生じなくなる。これにより、ピン部外表面温
度と有孔凸状部の孔内表面温度との温度管理を効率良く
且つ適正に行うことが可能となる。
【0018】この場合、前記ピン部内の流体流通路に対
する冷却液の送給に関しては、前記鋳造品の有孔凸状部
の外径相当寸法をDx、前記ピン部の外径をD1、前記ピン
部の外周肉厚をt1とし、且つ、−5.103+(0.621×Dx)−
(1.068×D1)+(3.61×t1)をT1として、前記金型への溶
湯の流し込み完了後に前記流体流通路に冷却液を送給す
る時間Tを、T1−0.5秒≦T≦T1+0.5秒の関係を満たす
ように設定することが好ましい。なお、冷却液の送給開
始時は、金型への溶湯の流し込み開始時から0.3〜0.7
秒、好ましくは0.5秒程度の経過後とするのが好適であ
る。ここで、「外径相当寸法」とは、有孔凸状部が円筒
形状または部分的に円筒形状であれば、その全体的な円
筒部を想定した場合の外径が、外径相当寸法であり、有
効凸状部の軸直角断面の外郭が矩形、多角形、楕円等の
ように真円形でない場合には、有孔凸状部の肉部の軸直
角断面積と同一の軸直角断面積を有する仮想円筒の外径
が、外径相当寸法となる。
【0019】上記の式から判断すれば、冷却液送給時間
の指標となる時間T1は、有孔凸状部の外径相当寸法Dxが
長尺になれば長時間となり、ピン部の外径D1つまり有孔
凸状部の孔の内径が長尺になれば短時間となり、ピン部
の外周肉厚t1が厚くなれば長時間となることが伺える。
この式中、−5.103、0.621、1.068、及び3.61の各数値
は、本発明者等が、多数種のDxを有する有孔凸状部、並
びに多数種のD1、t1を有するピン部について、多数回に
わたって冷却液とエアとを送給する実験を行うことによ
り、高品質の有孔凸状部が得られる冷却液送給時間であ
って且つピン部外表面が後述する離型剤を塗布する上で
最適な温度となる冷却液送給時間を、前記多数種全ての
場合について採取し、これらの冷却液送給時間と、Dx、
D1、t1の各値とに基づいて、所定の演算を行うことによ
り得られた数値である。そして、本発明者等は、この式
に則して、冷却液送給の指標となる時間T1を算出し、こ
の時間T1だけ冷却液を送給し且つその直後にエアを送給
する実験を、上記とは条件が異なる多数種の場合につい
て多数回にわたって行った結果、何れにおいても、高品
質の有孔凸状部が得られると同時に、ピン部外表面に離
型剤を適正に塗布できることが判明した。また、この指
標T1の±0.5秒の範囲内であれば、上記と同等の有孔凸
状部が得られ、且つ上記と同等のピン部外表面に対する
離型剤の塗布性が得られることも実験により判明した。
したがって、ピン部内の流体流通路に冷却液を送給する
時間Tは、T=T1であることが最適であるものの、T1−
0.5秒≦T≦T1+0.5秒の関係を満たすならば、良質の鋳
造品が得られると共に、鋳造工程を支障なく円滑に行う
ことができる。
【0020】また、エアの送給に関しては、前記流体流
通路への冷却液の送給停止直後に、前記流体流通路にエ
アを5秒以上送給することが好ましい。すなわち、この
エアの送給が5秒未満であれば、充分な復熱作用が行わ
れないことから、ピン部外表面温度と有孔凸状部の孔内
表面温度とが略一定値に安定した状態とはならず、両者
の温度にばらつきが生じる虞れがある。したがって、エ
アの送給を5秒以上としておけば、鋳造工程終了後の型
開き時間にばらつきが生じた場合であっても、或いは先
行する鋳造工程終了時から後続の鋳造工程開始時までの
時間間隔が長くなっても、前記両者の温度を略一定値に
安定させることができる。なお、このエアの送給時間
は、過度に長くなれば前記両者の温度を略一定値に安定
して維持できなくなることを勘案して、15秒以下、好
ましくは10秒程度とされる。
【0021】そして、前記流体流通路へのエアの送給に
より前記ピン部の外表面温度を200〜250℃の温度
範囲内に終結させることが好適である。このような範囲
内にピン部の外表面温度を終結させた場合には、有孔凸
状部の孔内表面温度も必然的に200〜250℃の温度
範囲内に終結する。このようにすれば、先行する鋳造工
程が終了して後続の鋳造工程の開始前に、ピン部の外表
面に適量の粘性流体でなる離型剤を確実に塗布すること
ができる。この場合、ピン部外表面温度が200℃未満
であると、離型剤の大半がピン部外表面から流下してし
まい、ピン部外表面には離型剤が乗らず、またピン部外
表面温度が250℃を超えると、離型剤の大半がピン部
外表面ではじかれてしまい、この場合にもピン部外表面
には離型剤が乗らなくなる。
【0022】また、前記ピン部内の流体流通路からのエ
アの排出通路には、その排出通路を開閉する開閉弁を設
置することが好ましい。このようにすれば、鋳造工程の
終了時、具体的には流体流通路へのエアの送給時間が5
秒以上経過してピン部外表面温度及び孔内表面温度が2
00〜250℃の範囲内に安定した後に、エアの送給が
維持された状態で、開閉弁がエアの排出通路を閉鎖する
ことにより、流体流通路からエアの漏出が生じているか
否か、つまりピン部に割れ等の破損が生じているか否か
を把握することができる。すなわち、ピン部は高温状態
と低温状態との温度変化の影響を繰り返し受けるため、
鋳造工程が多数回にわたって実行された場合には、割れ
等の破損が生じることになるが、この破損は、発生初期
の段階、つまり流体流通路からの冷却液漏れが鋳造品の
質低下を生じない段階で、ピン部の取り換えをすること
が好ましい。そこで、鋳造工程の終了時にエアの漏出が
生じていることを最初に検知した時点で、ピン部を取り
換えるようにすれば、製品歩留まりを効率良く高めるこ
とができる。なお、開閉弁を閉じる時期は、1ロットの
鋳造工程が実行される度に行っても良いが、数ロットの
鋳造工程の実行に対して一回行うことが好ましい。ま
た、エアの漏出の検知は、作業者の視覚や聴覚を通じて
行うこともできるが、ピン部内の流体流通路に通じる通
路に設置された圧力検出手段(例えば圧力計或いは圧力
スイッチ)を使用することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金
型冷却装置の構成要素であるポンプ部を示す縦断正面
図、図2は、本発明の実施形態に係る金型冷却装置の構
成要素である流体給排回路を示す概略図、図3及び図4
は、本発明の実施形態に係る金型冷却装置の冷却構造を
示す縦断正面図である。
【0024】図1に示すように、ポンプ部1は、同軸上
に直列配置された第一シリンダ室2と第二シリンダ室3
とを有し、この第一シリンダ室2及び第二シリンダ室3
にはそれぞれ第一ピストン4及び第二ピストン5が配設
されると共に、この両ピストン4、5はピストンロッド
6の両端にそれぞれ固定されている。
【0025】この場合、第一シリンダ室2のシリンダ径
すなわち第一ピストン4のピストン径は、第二シリンダ
室3のシリンダ径すなわち第二ピストン5のピストン径
よりも大径とされている。なお、ピストンロッド6は、
第一シリンダ室2と第二シリンダ室3とを仕切る仕切壁
体7の貫通孔に、ブッシュ(軸受)8とシール部材9と
を介して軸方向摺動自在に嵌挿されている。
【0026】第一シリンダ室2における第一ピストン4
のヘッド側(左側)及びロッド側(右側)には、ヘッド
側エア室10及びロッド側エア室11がそれぞれ形成される
と共に、第二シリンダ室3における第二ピストン5のヘ
ッド側(右側)及びロッド側(左側)には、ヘッド側液
室12及びロッド側液室13がそれぞれ形成されている。
【0027】第一シリンダ室2のヘッド側端部を封止す
る第一端壁体14には、ヘッド側エア室10に通じるヘッド
側エア出入口15が形成されると共に、仕切壁体7には、
ロッド側エア室11に通じるロッド側エア出入口16が形成
されている。また、第二シリンダ室3のヘッド側端部を
封止する第二端壁体17には、ヘッド側液室12に通じるヘ
ッド側液出入口18が形成されると共に、前記仕切壁体7
には、ロッド側液室13に通じるロッド側液出入口19が形
成されている。
【0028】なお、ポンプ部1は、その軸芯が水平方向
に沿うように、第一端壁体14及び第二端壁体17にそれぞ
れ取付けられたブラケット20、21を介して基台あるいは
床面等に固定設置される。
【0029】図2は、金型冷却装置におけるエア及び冷
却液の給排回路を例示するものである。同図に示すよう
に、エア給排回路22は、ポンプ部1における第一シリン
ダ室2のヘッド側エア出入口15及びロッド側エア出入口
16にそれぞれ通じるヘッド側エア通路23及びロッド側エ
ア通路24と、エア源25に通じるメインエア通路26とを備
えると共に、ヘッド側及びロッド側エア通路23、24とメ
インエア通路26との連通状態を二位置で切換える電磁弁
でなるエア通路切換弁27を備えている。このエア通路切
換弁27は、ヘッド側エア通路23をメインエア通路26に連
通させ且つロッド側エア通路24を大気に開放させる位置
と、ロッド側エア通路24をメインエア通路26に連通させ
且つヘッド側エア通路23を大気に開放させる位置(図示
の位置)とを取るように構成されている。
【0030】メインエア通路26からは、金型(金型冷却
部)28に通じる温調用エア通路29が分岐され、この温調
用エア通路29の途中には、当該通路29を開閉する電磁弁
でなる温調用エア開閉弁30が設置されている。なお、メ
インエア通路26における温調用エア通路29との分岐部よ
りも上流側部位には、上流側から順に、エアフィルタ31
と、加圧力調整用の第一減圧弁32と、圧力計33とが設置
され、またメインエア通路26における温調用エア通路29
との分岐部よりも下流側で且つエア通路切換弁27よりも
上流側部位には、加圧力調整用の第二減圧弁34が設置さ
れている。
【0031】一方、冷却液給排回路35は、液源(この実
施形態では上水道)36に通じるメイン液導入通路37が下
流側の途中で分岐して、ヘッド側の液導入分岐通路38と
ロッド側の液導入分岐通路39とに分流されると共に、金
型冷却部28に通じるメイン液送給通路40が上流側の途中
で分岐して、ヘッド側の液送給分岐通路41とロッド側の
液送給分岐通路42とに分流されている。
【0032】そして、ヘッド側及びロッド側の両液導入
分岐通路38、39には、液源36側を逆方向とする第一逆止
弁43、44がそれぞれ設置されると共に、ヘッド側及びロ
ッド側の両液送給分岐通路41、42には、金型冷却部28側
を順方向とする第二逆止弁45、46がそれぞれ設置されて
いる。
【0033】さらに、ヘッド側の液導入分岐通路38の下
流端とヘッド側の液送給分岐通路41の上流端とは、合流
してヘッド側液出入口18に連通すると共に、ロッド側の
液導入分岐通路39の下流端とロッド側の液送給分岐通路
42の上流端とは、合流してロッド側液出入口19に連通し
ている。
【0034】また、金型冷却部28からは、エアと冷却液
とを排出するエア液排出通路54が連通して引き出され、
このエア液排出通路54上には、当該通路54を開閉する電
磁弁でなる排出エア用開閉弁55が設置されている。
【0035】なお、メイン液導入通路37の上流側端部に
は液体用フィルタ47が設置されている。また、メイン液
送給通路40の途中には当該通路40を開閉する液送給用開
閉弁48が設置され、この液送給用開閉弁48の開閉時間と
りわけ開時間は、タイマーにより設定される。さらに、
メイン液送給通路40の液送給用開閉弁48よりも上流側か
らは、可変オリフィス49が設置された補助液通路50が分
岐形成され、この補助液通路50の可変オリフィス49より
も下流側には、圧力計51と圧力スイッチ52とが設置され
ている。この圧力スイッチ52は、メイン液送給通路40内
の冷却液の圧力すなわち金型冷却部28への冷却液の送給
圧力が所定値以下になった時に、所定の信号が発せられ
るようになっている。
【0036】図3及び図4は、金型冷却部28の詳細構造
を例示するものである。なお、図3及び図4において、
先端側とは、図面における右側を指し、基端側とは、図
面における左側を指す。
【0037】図3に示すように、金型冷却部28は、内パ
イプ62の外周に外パイプ63を同芯状に配置し、内パイプ
62及び外パイプ63のそれぞれの先端開口部を金型64のピ
ン部(中子ピン)65の有底冷却穴66に連通させた構成と
される。そして、内パイプ62の先端は、有底冷却穴66の
先端に存する底面67に接近した位置に開口し、外パイプ
63の先端は、有底冷却穴66の基端側の端部位置に開口し
ている。したがって、内パイプ62の内部通路68は、内パ
イプ62と有底冷却穴66との相互間に存する冷却穴内通路
69を介して、内パイプ62と外パイプ63との相互間に存す
るパイプ間通路70に連通している。
【0038】そして、内パイプ62の内部通路68に、既述
のメイン液送給通路40と温調用エア通路29とが合流して
連通し、パイプ間通路70に、既述のエア液排出通路54が
連通している。したがって、中子ピン65の内部の流体流
通路65aは、内パイプ62の内部通路68と、冷却穴内通路6
9と、パイプ間通路70とから構成されている。この中子
ピン65は、金型64に形成されたキャビティ部53に挿入さ
れ、このキャビティ部53と中子ピン65とによって、アル
ミ鋳造品の有孔凸状部が成型される。すなわち、この金
型64のキャビティ全体によって、図5に示すアルミ鋳造
品としてのハウジング64xが成型されると共に、前記キ
ャビティ部53と中子ピン65とによって、孔65xを有する
有孔凸状部としての円筒状のボス部53xが成型される。
【0039】この場合、図3に示すように、内パイプ62
は,外パイプ63の先端面および基端面に対して先端側お
よび基端側にそれぞれ突出している。外パイプ63の先端
部外周には、一または複数(図例では二個)のOリング
71でなるシール部材が装着され、これにより有底冷却穴
66の冷却穴内通路69が中子ピン65の外部に対してシール
されている。
【0040】図4に示すように、外パイプ63および内パ
イプ62の基端部は、ホース接続用の接続ヘッド72に装着
され、この接続ヘッド72が金型64の基端側に設けられた
押さえ板73に当接して、両パイプ62、63の有底冷却穴66
からの抜けが防止されている。外パイプ63の基端部外周
には雄ネジ部74が形成され、接続ヘッド72に形成された
パイプ用雌ネジ部75に外パイプ63の雄ネジ部74が螺合さ
れている。接続ヘッド72における外パイプ63との螺合部
の基端側には、パイプ用雌ネジ部75に連接する液室76が
形成され、この液室76を内パイプ62が貫通している。
【0041】接続ヘッド72には、液室76に通じるストレ
ートジョイント77が装着され、このストレートジョイン
ト77に形成された雄ネジ部78が、接続ヘッド72に形成さ
れた第一配管用雌ネジ部(排水口)79に螺合されてい
る。そして、ストレートジョイント77の一端部には排出
管80が着脱自在に装着され、この排出管80の内部通路が
既述のエア液排出通路54とされている。また、この排出
管80には、既述の排出エア開閉弁55が装着されている。
なお、第一配管用雌ネジ部19は、両パイプ62、63の軸芯
と直交する方向に沿って形成されている。
【0042】内パイプ62の基端部外周には、基端面に内
部通路68が開口するように鍔部81が固着一体化され、接
続ヘッド72に形成された係合凹部82に、基端側から係脱
可能に鍔部81が係合している。接続ヘッド72の液室76と
係合凹部82との間の肉部には、内パイプ62がシール部材
等によりシールされた状態で抜き挿し可能に嵌合する嵌
合孔83が形成されている。接続ヘッド72には、内部通路
68の基端部に通じるL字形のエルボージョイント84が装
着され、このエルボージョイント84に形成された雄ネジ
部85が、接続ヘッド72に形成された第二配管用雌ネジ部
(給水口)86に螺合されている。また、エルボージョイ
ント84の一端部にはホース87が着脱自在に装着されてお
り、このエルボージョイント84へのホース87の接続方向
と上述のストレートジョイント77への排出管80の接続方
向とは平行になるように設定されている。
【0043】そして、この金型64を使用して鋳造品(例
えば図5に示すハウジング64x)を成型するに際して
は、金型64のキャビティ部53を含むキャビティ全体に溶
湯を流し込んだ後、中子ピン65の流体流通路65aに対し
て冷却液とエアとが送給されるが、この冷却液とエアと
の送給タイミングは、以下のように設定されている。
【0044】すなわち、図3に示す中子ピン65の外径を
D1、中子ピン65の外周肉厚をt1、図5に示すハウジング
64xのボス部53xの外径をDxとして、−5.103+(0.621×D
x)−(1.068×D1)+(3.61×t1) の演算結果であるT1を
求める。そして、このT1を指標として、キャビティ部53
を含むキャビティ全体への溶湯の流し込み完了後に中子
ピン65の流体流通路65aに冷却液を送給する時間Tが、T
1−0.5秒≦T≦T1+0.5秒の範囲内に設定されている。
さらに、冷却液液が送給されて時間Tが経過した時点で
その送給を停止し、停止直後における5秒以上で15秒
以下、好ましくは10秒程度の時間内において中子ピン
65の流体流通路65aにエアが送給されるようになってい
る。
【0045】上記T1を求める式中、−5.103、0.621、1.
068、及び3.61の各数値は、本発明者等が、多数種のDx
を有するボス部53x、並びに多数種のD1、t1を有する中
子ピン65について、多数回にわたって冷却液とエアとを
送給する実験を行うことにより、高品質のボス部53xが
得られる冷却液送給時間であって且つ中子ピン65外表面
が離型剤を塗布する上で最適な温度となる冷却液送給時
間を、前記多数種のボス部53x及び多数種の中子ピン65
について採取し、これらの冷却液送給時間と、Dx、D1、
t1の各値とに基づいて、所定の演算を行うことにより得
られた数値である。
【0046】そして、金型冷却部28においては、エルボ
ージョイント24から内パイプ2の内部通路68に送給され
た冷却液が、内パイプ62の先端開口部から吐出されて有
底冷却穴66の底面67付近に至った後、内パイプ62の外周
側に存する冷却穴内通路69及びパイプ間通路70を通過し
て液室76に至り、ストレートジョイント77を通じて流出
するようになっている。また、エルボージョイント24か
ら内パイプ2の内部通路68に送給されたエアも、上述の
冷却液と同一の経路を流れた後、ストレートジョイント
77を通じて流出するようになっている。
【0047】以上の構成によれば、エア給排回路22のエ
ア通路切換弁27が所定の周期で図2に示す位置と他方の
位置とに亘って交互に切り換えられることにより、第
一、第二ピストン4、5が往復動して、液源36から第二シ
リンダ室3に導入された冷却液が金型冷却部28側(金型
64の流体流通路65a側)に送給される。
【0048】詳述すると、エア通路切換弁27が図2に示
す位置から他方の位置に切り換えられた場合には、エア
源25からメインエア通路26に導かれた加圧エアが、ヘッ
ド側エア通路23から第一シリンダ室2のヘッド側エア室
10に流入すると共に、ロッド側エア室11はロッド側エア
通路24を介して大気に開放された状態になる。これによ
り、第一、第二ピストン4、5が往動(右方向移動)し
て、第二シリンダ室3のヘッド側液室12から冷却液がヘ
ッド側の液送給分岐通路41を介してメイン液送給通路40
に吐出される。なお、ヘッド側液室12からヘッド側の液
導入分岐通路38に向かって流れようとする冷却液は、第
一逆止弁43によってその流れが阻止される。
【0049】また、このように第一、第二ピストン4、5
が往動した場合には、液源36からメイン液導入通路37に
至った冷却液が、ロッド側の液導入分岐通路39を通過し
て第二シリンダ室3のロッド側液室13に吸入される。こ
の場合、金型冷却部28からメイン液送給通路40を経てロ
ッド側の液送給分岐通路42を逆流しようとする冷却液
は、第二逆止弁46によってその逆流が阻止される。
【0050】一方、第一、第二ピストン4、5が往動端に
達して、エア通路切換弁27が図2に示す位置に切り換わ
った場合には、エア源25からメインエア通路26に導かれ
た加圧エアが、ロッド側エア通路24から第一シリンダ室
2のロッド側エア室11に流入すると共に、ヘッド側エア
室10はヘッド側エア通路23を介して大気に開放された状
態になる。これにより、第一、第二ピストン4、5が復動
(左方向移動)して、第二シリンダ室3のロッド側液室
13から冷却液がロッド側の液送給分岐通路42を介してメ
イン液送給通路40に吐出される。なお、ロッド側液室13
からロッド側の液導入分岐通路39に向かって流れようと
する冷却液は、第一逆止弁44によってその流れが阻止さ
れる。
【0051】また、このように第一、第二ピストン4、5
が復動した場合には、液源36からメイン液導入通路37に
至った冷却液が、ヘッド側の液導入分岐通路38を通過し
て第二シリンダ室3のヘッド側液室12に吸入される。こ
の場合、金型冷却部28からメイン液送給通路40を経てヘ
ッド側の液送給分岐通路41を逆流しようとする冷却液
は、第二逆止弁45によってその逆流が阻止される。
【0052】以上のような動作が繰り返し実行されるこ
とにより、第一,第二ピストン4、5の往動時及び復動時
の何れの場合にも、第二シリンダ室3からメイン液送給
通路40に冷却液が送給される。これにより、金型冷却部
28側への冷却液の送給動作が連続的に行われ、冷却液の
送給にロスが生じなくなり、充分な量の冷却液が金型冷
却部28側に送給される。
【0053】この実施形態に係る金型冷却装置のポンプ
部の能力についての測定結果は、下記の(1)〜(4)に示す
通りである。なお、測定に際しては、第二ピストン5の
ピストン径が100mmであって、1往復での水(冷却
液)の吐出量が3.15リットルのポンプ部を使用し
た。 (1)作動時間が1秒の場合:第二ピストン5の往復回数
が0.2回、上水道の水消費量が0.6リットル。 (2)作動時間が10秒の場合:第二ピストン5の往復回
数が2回、上水道の水消費量が6.3リットル。 (3)作動時間が30秒の場合:第二ピストン5の往復回
数が6回、上水道の水消費量が19リットル。 (4)作動時間が60秒の場合:第二ピストン5の往復回
数が12.4回、上水道の水消費量が40リットル。
【0054】この場合、メイン液送給通路40上の液送給
用開閉弁48は、金型64のキャビティ全体への溶湯の流し
込み開始時から約0.5秒が経過した時点、つまり溶湯の
流し込み完了後における安全性を考慮した所定時間が経
過した時点で開弁し、これにより金型64の流体流通路65
aに冷却液が送給される。そして、液送給用開閉弁48
は、開弁時から上述のT1秒またはT1±0.5秒が経過した
時点で閉弁し、これにより金型64の流体流通路65aへの
冷却液の送給が停止する。
【0055】一方、温調用エア通路29上の温調用エア開
閉弁30は、液送給用開閉弁48の閉弁直後または閉弁と略
同時に開弁し、これにより金型64の流体流通路65aにエ
アが送給される。そして、温調用エア開閉弁30は、開弁
時から5秒以上で15秒以下、好ましくは10秒程度の
時間が経過した時点で閉弁し、これにより金型64の流体
流通路65aへのエアの送給が停止する。
【0056】次に、上述のように金型64の流体流通路65
aに冷却液とエアとを送給する動作を、図6に示すグラ
フに基づいて説明する。なお、このグラフに点線で示す
曲線Aは、鋳造品の有孔凸状部(ボス部53x)における
孔65xの内表面温度の時間変化を示し、実線で示す曲線
Bは、ピン部(中子ピン65)の外表面温度の時間変化を
示す。また、このグラフは、ボス部53xの外径Dxが20
mm、中子ピン65の外径D1が10mm、中子ピン65の外
周肉厚t1が1.8mmについての各温度特性を示すもの
である。
【0057】このグラフに示すように、金型64のキャビ
ティ部53を含むキャビティ全体に溶湯の流し込みを開始
した時点を0秒として、約0.5秒が経過した時点で流体
流通路65aに冷却液が送給され、この時点を境に中子ピ
ン65の外表面温度が徐々に低下すると共に、これと略同
程度の勾配でボス部53xの孔65x内表面温度も徐々に低下
する。この温度低下段階においては、孔65x内表面温度
が中子ピン65外表面温度よりもかなりの温度差(図例で
は約80℃)をもって高くなっている。
【0058】この冷却液の送給は、送給開始時から、上
述の式に則して算出したT1すなわち6.24秒が経過し
た時点で停止し、その停止直後に、流体流通路65aにエ
アが送給される。この結果、流体流通路65a内でエアの
復熱作用が営まれることに起因して、緩やかに低下して
いた孔65x内表面温度が230℃程度に安定し、時間経
過に伴う温度低下が生じなくなると共に、同じく緩やか
に低下していた中子ピン65外表面温度が上昇して孔65x
内表面温度と略等しくなり、その温度が230℃程度に
安定する。このエアの送給は、約10秒間行われ、その
後に型開きが実行される。
【0059】この型開きを行った後に、中子ピン65の外
表面に粘性流体でなる離型剤を塗布するが、中子ピン65
の外表面温度が230℃程度であれば、適量の離型剤が
中子ピン65の外表面に付着するため、次回の鋳造工程が
適正に行われる。
【0060】また、1ロットの鋳造工程を行う度、或い
は数ロットの鋳造工程に一回の割合で、流体流通路65a
に対する上述のエアの送給が所定時間行われた後に、エ
アの送給を維持した状態でエア液排出通路54上の排出エ
ア用開閉弁55が閉じられる。これにより、流体流通路65
aからエアが漏出しているか否か、つまり中子ピン65に
割れ等の破損が生じているか否かを把握することができ
る。
【0061】なお、上述の実施形態では、金型64の構成
要素であるピン部としての中子ピン65を、金型本体とは
別体として構成したが、この中子ピン65は、金型本体に
一体形成されるピン部であってもよい。
【0062】図7は、本発明に係る金型用冷却装置の第
二の実施形態を例示し、この第二の実施形態が上述の実
施形態と相違する点は、メイン液送給通路40を補助液通
路50の分岐部よりも下流側で分岐させて、二本のメイン
液送給分岐通路40aを形成し、各メイン液送給分岐通路4
0aの下流端をそれぞれ、二つの金型冷却部28に連通させ
た点と、温調用エア通路29を分岐させて、二本の補助エ
ア分岐通路29aを形成し、各補助エア分岐通路29aの下流
端をそれぞれ二つの金型冷却部28に連通させた点とであ
る。この場合、メイン液送給分岐通路40aの下流端と補
助エア分岐通路29aの下流端とは、合流して金型冷却部2
8の流体流通路65aに通じている。なお、図7において、
上述の図2に示す実施形態と共通の構成要件について
は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】この第二の実施形態によれば、単一のポン
プ部1からさらに二つの金型冷却部28に冷却液が送給さ
れ、ポンプ機能の有効利用が図られる。なお、メイン液
送給分岐通路40a及び補助エア分岐通路29aをそれぞれ三
本以上形成するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明に係る金型冷却装置
によれば、金型に設けられた流体流通路に対して冷却液
を送給するポンプ部のエアによる駆動と、前記流体流通
路に対するエアの送給とを行わせるエア給排回路を備え
たから、エア給排回路の部分的共通化が図られ、例えば
単一のエア源及びこれに通じる単一のメインエア通路を
共用できることになる。これにより、流体給排回路のコ
ンパクト化ひいては金型用冷却装置の低コスト化を図る
ことが可能となる。また、ポンプ部は、金型の流体流通
路側に対して冷却液を連続送給することが可能であるた
め、冷却液が間欠的に送給される場合のような冷却液不
足や液圧の不均一等が生じなくなり、流体流通路への冷
却液送給の実行・停止が応答性良く行われる。しかも、
ポンプ部は一挙に多量の冷却液を送給する能力を有して
いる必要がなく、したがってポンプ部の小型・軽量化ひ
いては液源を含む冷却液給排回路のコンパクト化を図る
ことが可能となる。
【0065】前記ポンプ部の具体的構造として、同軸上
に直列配置された第一シリンダ室及び第二シリンダ室
と、前記両シリンダ室にそれぞれ配設された第一ピスト
ン及び第二ピストンと、前記両ピストンを相互に連結す
るピストンロッドとを備え、前記第一シリンダ室へのエ
アの給排に伴う前記両ピストンの往動時及び復動時の両
時期に、前記第二シリンダ室から前記金型の流体流通路
側に冷却液を送給するように構成すれば、ピストンの往
動時のみならず復動時においても冷却液が金型の流体流
通路に送給されて、その送給動作が連続的に行われるた
め、冷却液の送給にロスが生じなくなる。
【0066】また、前記金型を、前記流体流通路が内部
に形成されたピン部とその外周側を包囲するキャビティ
部との間で、鋳造品の有孔凸状部を成型するように構成
し、前記ピン部の外表面及びこれに接する前記有孔凸状
部の孔内表面の温度調整を、前記流体流通路に対する冷
却液の送給と、前記冷却液の送給停止直後における前記
流体流通路に対するエアの送給に伴う復熱作用とに基づ
いて行うように構成すれば、冷却液の送給停止直後にお
けるエアの復熱作用を利用して、ピン部外表面温度と有
孔凸状部の孔内表面温度との温度管理を効率良く且つ適
正に行うことが可能となる。
【0067】更に、前記鋳造品の有孔凸状部の外径相当
寸法をDx、前記ピン部の外径をD1、前記ピン部の外周肉
厚をt1とし、且つ、−5.103+(0.621×Dx)−(1.068×D
1)+(3.61×t1)をT1として、前記金型への溶湯の流し込
み完了後に前記流体流通路に冷却液を送給する時間T
を、T1−0.5秒≦T≦T1+0.5秒の関係を満たすように設
定すれば、ピン部外表面の温度を離型剤の塗布に適した
温度に安定させることができ、高品質の鋳造品を得るこ
とが可能となる。
【0068】また、前記流体流通路への冷却液の送給停
止直後に、前記流体流通路にエアを5秒以上送給すれ
ば、鋳造工程終了後の型開き時間にばらつきが生じた場
合であっても、或いは先行する鋳造工程終了時から後続
の鋳造工程開始時までの時間間隔が長くなっても、ピン
部外表面温度と鋳造品の孔内表面温度とを略一定値に安
定させることが可能となる。
【0069】更に、前記流体流通路へのエアの送給によ
り前記ピン部の外表面温度を200〜250℃の温度範
囲内に終結させれば、先行する鋳造工程が終了して後続
の鋳造工程の開始前に、ピン部の外表面に適量の離型剤
を確実に塗布することが可能となる。
【0070】また、前記ピン部内の流体流通路からのエ
アの排出通路に、その排出通路を開閉する開閉弁を設置
すれば、流体流通路からエアの漏出が生じているか否
か、つまりピン部に割れ等の破損が生じているか否かを
適時に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置の
ポンプ部を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置の
エア給排回路及び冷却液給排回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置の
金型冷却部を示す断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置の
金型冷却部の一部を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置に
より成型される鋳造品の一例を示す要部正面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る金型冷却装置の
時間経過に伴う温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る金型冷却装置の
エア給排回路及び冷却液給排回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ポンプ部 2 第一シリンダ室 3 第二シリンダ室 4 第一ピストン 5 第二ピストン 6 ピストンロッド 10 ヘッド側エア室 11 ロッド側エア室 12 ヘッド側液室 13 ロッド側液室 15 ヘッド側エア出入口 16 ロッド側エア出入口 18 ヘッド側液出入口 19 ロッド側液出入口 22 エア給排回路 25 エア源 28 金型冷却部 29 温調用エア通路 30 温調用エア開閉弁 37 メイン液導入通路 38 ヘッド側の液導入分岐通路 39 ロッド側の液導入分岐通路 40 メイン液送給通路 41 ヘッド側の液送給分岐通路 42 ロッド側の液送給分岐通路 43 第一逆止弁(液源側を逆方向とする逆止弁) 44 第一逆止弁(液源側を逆方向とする逆止弁) 45 第二逆止弁(金型側を順方向とする逆止弁) 46 第二逆止弁(金型側を順方向とする逆止弁) 48 液送給用開閉弁 53 キャビティ部 64 金型 65 中子ピン(ピン部) 65a 流体流通路 54 エア液排出通路 55 排出エア用開閉弁(開閉弁)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型に設けられた流体流通路に対して冷
    却液を送給するポンプ部を備えた金型用冷却装置におい
    て、 前記ポンプ部のエアによる駆動と、前記流体流通路に対
    するエアの送給とを行わせるエア給排回路を備え、前記
    ポンプ部から前記流体流通路側に対して冷却液を連続送
    給可能に構成したことを特徴とする金型用冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ部は、同軸上に直列配置され
    た第一シリンダ室及び第二シリンダ室と、前記両シリン
    ダ室にそれぞれ配設された第一ピストン及び第二ピスト
    ンと、前記両ピストンを相互に連結するピストンロッド
    とを備え、前記第一シリンダ室へのエアの給排に伴う前
    記両ピストンの往動時及び復動時の両時期に、前記第二
    シリンダ室から前記金型の流体流通路側に冷却液を送給
    するように構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の金型冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記金型は、前記流体流通路が内部に形
    成されたピン部とその外周側を包囲するキャビティ部と
    の間で、鋳造品の有孔凸状部を成型するように構成され
    ると共に、前記ピン部の外表面及びこれに接する前記有
    孔凸状部の孔内表面の温度調整は、前記流体流通路に対
    する冷却液の送給と、前記冷却液の送給停止直後におけ
    る前記流体流通路に対するエアの送給に伴う復熱作用と
    に基づいて行うように構成されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の金型用冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記ピン部の外径をD1、前記ピン部の外
    周肉厚をt1、前記鋳造品の有孔凸状部の外径相当寸法を
    Dxとし、且つ、−5.103+(0.621×Dx)−(1.068×D1)+
    (3.61×t1)をT1として、 前記金型への溶湯の流し込み完了後に前記流体流通路に
    冷却液を送給する時間Tを、T1−0.5秒≦T≦T1+0.5秒
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項
    1〜3の何れかに記載の金型用冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記流体流通路への冷却液の送給停止直
    後に、前記流体流通路にエアを5秒以上送給するように
    構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の金型用冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記流体流通路へのエアの送給により前
    記ピン部の外表面温度を200〜250℃の温度範囲内
    に終結させることを特徴とする請求項3〜5の何れかに
    記載の金型用冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記流体流通路からのエアの排出通路
    に、前記排出通路を開閉する開閉弁を設置したことを特
    徴とする請求項1〜6の何れかに記載の金型用冷却装
    置。
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