JP3138892U - 離型剤噴霧制御装置 - Google Patents

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忍武 永井
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Abstract

【課題】金型に噴霧する離型剤の噴出量を調整制御することにより、該離型剤を金型に正確かつ安定して塗布し得る離型剤噴霧制御装置を提供する。
【解決手段】油圧ポンプ4の駆動による油圧シリンダ装置2の油圧ピストン11の往復作動に伴って、該油圧ピストン11とピストン棒12を介して連結した離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧ピストン16を往復作動することにより、該吐圧ピストン16により容積変化する可変容積室17内の離型剤を、その噴出量を調整制御してノズル7から噴霧するようにした装置1である。この装置1によれば、ノズル7から噴霧する離型剤の噴出量と噴出力とを精度良くかつ安定して調整制御することができ、金型に離型剤を均一に塗布することができ得る。
【選択図】図2

Description

本考案は、金型に離型剤を噴霧するための離型剤噴霧制御装置に関する。
鋳造や鍛造に用いられる金型には、成形品を容易に離脱でき且つ焼き付きやかじり等を防ぐために、離型剤が塗布される。この鋳造や鍛造の装置を設けた製造ラインにあって、同じ金型で連続して複数個成形する場合には、該鋳造や鍛造の装置に金型を配設した状態で、離型剤を塗布するようにしている。これは、所定個数を成形する毎に離型剤を塗布することによって、成形品が容易に離脱できる効果を充分に発揮でき、前記した焼き付けなどを防ぐ効果を適正に発揮できるようにするためである。このように製造ラインの稼動中に実施される離型剤の塗布作業には、金型から成形品を取り出す際の、該金型の開放から閉鎖までに要する比較的短時間で、離型剤を金型に均一かつ安定して塗布することが求められている。
上述のように、製造ライン内で金型に離型剤を塗布する手段として、通常、離型剤を霧状に噴射して吹き付けるようにしたものが用いられており、例えば特許文献1に、離型剤を噴霧する装置が提案されている。この従来構成の装置は、加圧したエアを離型剤と混合して、該エアの圧力によってノズルから噴霧するようにした構成である。
特開2004−17115号公報
ところで、上記した従来構成の装置のように、加圧したエアにより離型材を噴霧するようにした構成の場合、通常、エアコンプレッサやエアポンプから加圧したエアを供給したり、工場内に設けられたエア配管から供給するようにしている。ここで、離型材を噴霧する際の噴出量や噴出力などは、エアの圧力と流量とに従う。そのため、離型材を金型に安定して噴霧するには、エアの圧力と流量とを制御することが必要である。
しかし、エアは圧縮や膨張し易いことや外部要因に影響を受け易いことから、その圧力や流量の制御には限界があり、エアを正確かつ安定して供給することが難しい。例えば、エアコンプレッサやエアポンプは、エアの圧力や流量を緻密に制御することができず、安定供給することも難しい。また、工場内のエア配管からエアを得る場合、他の機械にもエアを供給するようにしていることから、他の機械への供給量が変化したり停止した際に圧力変化が生じ、安定した供給ができない。このようにエア供給が不安定であると、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量も安定しないために、金型に塗布した離型剤にムラなどを生じ易く、また、塗布作業毎に離型剤の噴出量が変わってしまうことともなり得る。
また、離型剤は、比較的高い圧力により噴出することにより、細かい粒状にすることができると共に、ノズルから広範囲に均一に噴霧することができ得る。ところが、上記したエアを用いる場合、該エアを加圧するエアコンプレッサやエアポンプでは充分に強い加圧力を発生することができないことから、離型剤の細粒化や噴出力にも限界がある。特に、噴出力が弱いと、ノズルを金型に近づけて噴霧することを要する。そして、ノズルと金型との距離が近くなるに従って、離型剤にムラが生じ易く、均一に離型剤を塗布することが難しくなる。さらに、ノズルから噴霧する範囲が狭くなってしまうため、金型に離型剤を塗布する時間が長くなる傾向にあり、製造ラインにおける金型の開閉時間を短縮化することを阻害する要因ともなり得る。
また、離型剤を噴出するために、エアシリンダを用いることも考えられるが、該エアシリンダには、通常、上記したエアコンプレッサやエアポンプを用いてエアを供給することとなる。そのため、エアシリンダへエアを安定して供給できないため、エアシリンダの駆動や停止を正確かつ安定して制御できない。さらに、上述したように充分な加圧力を発生することもできないため、離型剤の噴出力にも限界がある。したがって、エアシリンダを用いても、上述した問題点が同様に生ずる。
本考案は、離型剤に作用する圧力を正確かつ安定して制御することにより、離型剤の噴出量や噴出力を調整制御して噴霧する離型剤噴霧制御装置を提案するものである。
本考案にかかる第一の考案は、油圧ポンプから流入する作動オイルにより往復作動する油圧ピストンが摺動可能に設けられた油圧シリンダ装置と、シリンダ部内に、一端が油圧ピストンに連結され且つ他端が当該シリンダ部内に延出されたピストン棒の、その他端に連結された、油圧ピストンと連動して往復作動する吐圧ピストンを備えると共に、シリンダ部に、その内部の吐圧ピストンにより容積変化する可変容積室と、該可変容積室内へ所定濃度に調整された離型剤を注入する注入部と、離型剤を噴霧するノズルに連通する吐出部とを備えた、注入部から可変容積室内に注入した離型剤を吐出する離型剤吐出用シリンダ装置と、油圧ポンプを駆動制御することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御する噴出量調整制御手段とを備えたものであることを特徴とする離型剤噴霧制御装置である。
かかる構成にあっては、油圧ポンプを駆動制御することにより、油圧シリンダ装置の油圧ピストンを介して離型剤吐出用シリンダ装置の吐圧ピストンを作動制御して、該離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部の可変容積室を正確かつ安定して容積変化することができる。このように可変容積室の容積変化を制御できることから、該可変容積室を減少する制御を行うことにより、可変容積室内の離型剤に作用する加圧力を正確かつ安定して制御することができる。これにより、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量と噴出力とを安定して調整することができ、金型に均一に離型剤を塗布することができ得る。
尚、油圧ポンプに用いられる作動オイルにあっては、エアに比して圧縮や膨張を生じ難く、外部の影響も受け難い。そのため、油圧ポンプは、上記したエアポンプなどに比して、作動オイルの流量や圧力を正確かつ安定して制御することが可能である。これにより、上記した可変容積室の容積変化を精度良く制御でき得る。
また、油圧ポンプは、上記したエアポンプなどに比して大きな圧力を発生することができるため、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量や噴出力を増大することができる。そのため、金型から適正な距離を置いてノズルを位置して離型剤を噴霧できると共に、離型剤を微粒化して噴霧できることができるから、該離型剤を比較的広い範囲に均一に塗布することができる。さらに、金型に離型剤を噴霧するために要する時間も短縮することができ、製造ラインの稼動時に充分に対応可能である。
本考案にかかる第二の考案は、油圧ポンプから流入する作動オイルにより往復作動する油圧ピストンが摺動可能に設けられた油圧シリンダ装置と、シリンダ部内に、一端が油圧ピストンに連結され且つ他端が当該シリンダ部内に延出された、シリンダ部内面に接触しない長尺状の可動柱体を備えると共に、シリンダ部に、その内部に延出した可動柱体により容積変化する可変容積室と、該可変容積室内へ所定濃度に調整された離型剤を注入する注入部と、離型剤を噴霧するノズルに連通する吐出部とを備えた、注入部から可変容積室内に注入した離型剤を吐出する離型剤吐出用シリンダ装置と、油圧ポンプを駆動制御することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御する噴出量調整制御手段とを備えたものであることを特徴とする離型剤噴霧制御装置である。
かかる構成にあっては、油圧シリンダ装置の油圧ピストンと共に可動柱体が往復作動することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室内に延出する可動柱体の延出長さが変化することから、この延出長さに従って、可変容積室を正確かつ安定して容積変化することができる。ここで、この第二考案の構成は、上述した第一考案の構成と異なり、可変容積室が、シリンダ部内の、可動柱体を除く領域として構成されている。このように、第二考案の構成にあっても、可動容積室の容積変化を精度良くかつ安定して制御することができるため、上述した第一考案の構成と同様に、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量と噴出力とを安定して調整することができ、金型に均一に離型剤を塗布することができ得る。
この第二考案の構成は、可動柱体が離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部の内周面と接触しないことから、可動柱体の往復作動によってシリンダ部の内周面に、該可動柱体から直接的な負荷が作用しない。そのため、可動柱体の往復作動を繰り返し実行することによる耐久性が向上するという利点を有する。
上述した離型剤噴霧制御装置にあって、所定濃度に調整された離型剤が貯留された貯留槽と、該貯留槽内の離型剤を貯留用シリンダへ圧送するための供給用ポンプと、該供給用ポンプと離型剤噴出用シリンダ装置のシリンダ部の注入部との間に設けられた逆止弁とを備えてなり、供給用ポンプにより貯留槽内の離型剤を圧送することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部の可変容積室内で離型剤を加圧保持するようにした離型剤供給装置を備えている構成が提案される。
かかる構成にあっては、油圧ポンプを駆動制御して離型剤吐出用シリンダ装置の可変容積室を増加した際に、離型剤供給装置の貯留槽から離型剤を該可変容積室内に注入して供給するようにしている。ここで、可変容積室を増加した際には、可変容積室の内圧が減圧するが、供給ポンプにより離型剤を圧送するようにしていることから、可変容積室の内圧が供給ポンプによる加圧力に従って加圧保持される。そのため、可変容積室が増加していく際に、吐出部から離型剤が逆流することを抑制し、吐出部からノズルへ向かう流路内に離型剤を保持しておくことができる。これにより、次に可変容積室を減少する作動を実行した場合に、該可変容積室の減少開始時点から離型剤に所望の圧力を作用させることができ、上述したように、ノズルから噴霧する離型剤の噴出圧と噴出量とを正確かつ安定して制御することができる。
また、供給ポンプと離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部の注入部との間には、逆止弁を設けていることから、可変容積室を減少する作動を実行した際にも、該可変容積室内の離型剤が供給ポンプ側へ逆流せず、吐出部からノズルへ向かって流動する。そのため、可変容積室の減少により生ずる圧力が、離型剤に安定して作用し、上述したように、離型剤をノズルから噴霧することができる。
本考案の第一考案は、上述したように、油圧シリンダ装置の油圧ピストンとピストン棒を介して連結した吐圧ピストンの往復作動に従って容積変化する可変容積室を、シリンダ部内に備えた離型剤吐出用シリンダ装置を備えてなり、噴出量調整制御手段により油圧ポンプを駆動制御することによって、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、該可変容積室と連通するノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御するようにした装置である。この構成にあっては、油圧シリンダ装置の油圧ピストンに従って離型剤吐出用シリンダ装置の吐圧ピストンを作動制御することにより、可変容積室を正確かつ安定して容積変化できることから、可変容積室を減少する作動を実行する際に、該可変容積室内の離型剤をノズルから所望の噴出量と噴出力とに調整して噴霧することができる。そのため、金型に離型剤を均一に塗布することができる。また、充分な噴出力により噴霧できることから、離型剤を微粒化できると共に比較的広範囲に均一に噴霧することができるため、製造ラインにあって金型の開放から閉鎖までの比較的短時間で、離型剤を均一かつ安定して塗布することができ得る。
本考案の第二考案は、上述したように、油圧シリンダ装置の油圧ピストンに連結した可動柱体の往復作動に従って容積変化する可変容積室を、シリンダ部内に備えた離型剤吐出用シリンダ装置を備えてなり、噴出量調整制御手段により油圧ポンプを駆動制御することによって、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、該可変容積室と連通するノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御するようにした装置である。この構成にあっても、上述した第一考案と同様の作用効果を発揮することができる。さらに、可動柱体が、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内周面と接触しないように設けられていることから、繰り返し使用による耐久性が向上するという利点を有する。
また、離型剤を貯留する貯留槽から、該離型剤を、供給用ポンプにより逆止弁を介して離型剤噴出用シリンダ装置のシリンダ部の可変容積室内に圧送することによって、該可変容積室内で離型剤を加圧保持するようにした離型剤供給装置を備えた構成にあっては、吐圧ピストンを作動して可変容積室を増加することにより、吐出部からの逆流を抑えつつ、注入部から離型剤を供給することができる。そのため、可変容積室内と吐出部からノズルへ向かう流路内とを離型剤で充填した状態で維持できることから、次に吐圧ピストンを作動して可変容積室を減少した際に、その作動開始時点から、所望の噴出量と噴出力とにより離型剤を噴霧することができ、離型剤を均一に安定して塗布する効果が一層向上する。
本考案にかかる実施例1,2を添付図面を用いて詳述する。
図1は、本考案にかかる実施例1の離型剤噴霧制御装置1を示す説明図であり、図2は、離型剤噴霧制御装置1を構成する油圧シリンダ装置2および離型剤吐出用シリンダ装置3を詳細に示す説明図である。この離型剤噴霧制御装置1は、油圧シリンダ装置2と離型剤吐出用シリンダ装置3の他に、油圧ポンプ4、噴出量調整制御装置5、離型剤供給装置6、ノズル7を備えた構成である。
上記した油圧ポンプ4は、所定の作動オイルを貯留するタンク(図示省略)から汲み上げて流動するためのものであり、該作動オイルの流量や圧力を制御することができる。この油圧ポンプ4には、従来から使用されている構成のものを適用することができる。
また、上記した油圧シリンダ装置2は、油圧ポンプ4から流入した作動オイルに従って駆動するものであり、作動オイルが流入する油圧シリンダ部10と該油圧シリンダ部10内で往復作動する油圧ピストン11とを備えている。ここで、油圧ピストン11には、その往復作動方向(図2の左右方向)に沿って、油圧シリンダ部10外に延出するピストン棒12が連結されている。油圧シリンダ部10には、油圧ピストン11側のヘッド側領域10aとピストン棒12側のロッド側領域10bとに作動オイルを夫々に流入出するためのオイル流動管14a,14bが夫々に接続されている。そして、このオイル流動管14a,14bは、ソレノイドバルブ13に接続しており、該ソレノイドバルブ13が上記した油圧ポンプ4と作動オイルを貯留するオイルタンク41に夫々連通している。このソレノイドバルブ13は、ヘッド側領域10aかロッド側領域10bのいずれか一方を油圧ポンプ4と連通し、他方をオイルタンク41と連通するように変換するものである。すなわち、ソレノイドバルブ13を駆動して、ヘッド側領域10aと油圧ポンプ4とを連通し、かつロッド側領域10bとタンクとを連通するようにした場合には、ヘッド側領域10aに作動オイルを流入して、ヘッド側領域10aが増大するように油圧ピストン11が往動(図2で左方向へ作動)する。この時、ロッド側領域10b内の作動オイルはオイルタンク41へ流出する。逆に、ロッド側領域10bと油圧ポンプ4とを連通し、かつヘッド側領域10aとオイルタンク41とを連通するようにした場合には、ロッド側領域10bを増大するように油圧ピストン11が復動(図2で右方向へ作動)する。
また、上記した離型剤吐出用シリンダ装置3は、吐圧シリンダ部15と吐圧ピストン16とを備えてなり、該吐圧シリンダ部15が、上記した油圧シリンダ装置2の油圧シリンダ部10に、油圧ピストン11の往復作動方向に沿った直列状に連結されている。そして、吐圧シリンダ部15内には、油圧ピストン11と連結したピストン棒12が延出しており、該ピストン棒12が吐圧ピストン16と連結している。このように、吐圧ピストン16と油圧ピストン11とは、ピストン棒12の両端に連結されて一体的に設けられており、上記のように油圧ピストン11が油圧シリンダ部10内で往復作動することに従って、吐圧ピストン16も吐圧シリンダ部15内で往復作動する。
この吐圧シリンダ部15内には、吐圧ピストン16で区画された可変容積室17が形成されている。この可変容積室17は、いわゆるヘッド側領域により構成されており、吐圧ピストン16の往復作動に従って容積変化する。上述したように、吐圧ピストン16は、油圧ピストン11に従って往復作動することから、その往動(図2で左方向への作動)により可変容積室17の容積を減少し、また、復動(図2で右方向への作動)により可変容積室17の容積を増加するようになっている。そして、吐圧ピストン16の往動により可変容積室17を減少することにより、該可変容積室17内に充填した離型剤を加圧することができ、さらに、吐圧ピストン16の往動する速度および往動する距離により、離型剤の加圧力を調整制御することができる。
ここで、吐圧ピストン16には、その外周端にOリング(図示省略)が外嵌されており、吐圧シリンダ部15内で摺動可能とすると共に、可変容積室17内に流入した離型剤が吐圧シリンダ部15内のロッド側領域(図示省略)に流入しないようにしている。同様に、油圧ピストン11には、その外周端にOリングが外嵌されており、ヘッド側領域10aとロッド側領域10bとの間で作動オイルが流通しないようにしている。
吐圧シリンダ部15と油圧シリンダ部10とは、ピストン棒12が挿通する挿通孔(図示省略)により通じているが、この挿通孔には、ピストン棒12が往復作動できるOリングが配設されており、吐圧シリンダ部15と油圧シリンダ部10とを区画し、油圧シリンダ部10内の作動オイルが吐圧シリンダ部15内へ流入しないようになっている。
また、上記した吐圧シリンダ部15には、上記した離型剤供給装置6から離型剤を可変容積室17内へ注入するための注入部18と、可変容積室17内からノズル7へ離型剤を吐出するための吐出部19とが夫々に設けられている。この注入部18には、離型剤供給装置6と連通する供給管24が接続されている。また、この吐出部19には、先端にノズル7が連結された吐出管23が接続されており、該吐出管23のノズル7寄り部位にリリーフ弁22が配設されている。可変容積室17とノズル7とは、リリーフ弁22を介して連通するように設けられている。ここで、リリーフ弁22は、予め設定されている設定圧力以上の圧力が作用すると開放作動し、該設定圧力より低い圧力となると閉鎖作動するものであり、設定圧力未満では閉鎖状態に維持される。すなわち、油圧ポンプ4の駆動により油圧ピストン11に従って吐圧ピストン16が往動して、可変容積室17が減少すると、該可変容積室17内の離型剤が加圧され、この圧力によってリリーフ弁22が開放作動して、ノズル7から離型剤が噴霧するようになっている。
上記したノズル7は、離型剤を比較的広範囲に噴霧するように、多数の微細な噴出孔(図示省略)が設けられた構成となっている。
また、上記した噴出量調整制御装置5は、当該離型剤噴霧制御装置1を統括的に制御処理するものである。そして、この噴出量調整制御装置5により、上記した油圧ポンプ4を駆動制御しており、該油圧ポンプ4から油圧シリンダ部10へ流入する作動オイルの流量や圧力を制御する。このように油圧ポンプ4を駆動制御することにより、油圧シリンダ装置2の油圧ピストン11と離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧ピストン16との往復作動を制御できることから、該離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15の可変容積室17を精度良く且つ安定して容積変化することができる。そして、この可変容積室17を減少するように吐圧ピストン16を作動制御することにより、該可変容積室17内の離型剤に作用する加圧力を調整制御でき、ノズル7から噴霧する離型剤の噴出量と噴出力とを正確且つ安定して制御するようにしている。このように、噴出量調整制御装置5によって、ノズル7から噴霧する離型剤の噴出量と噴出力とを調整制御する。
この噴出量調整制御装置5は、上記したソレノイドバルブ13の変換作動も制御しており、所定の電流をソレノイドバルブ13に通電することにより、油圧ポンプ4を油圧シリンダ部10のヘッド側領域10aまたはロッド側領域10bのいずれかと連通するように変換する。
尚、噴出量調整制御装置5には、図示しないディスプレイや作動パネルなどが設けられており、油圧ポンプ4による作動オイルの流量や圧力を表示すると共に、これら流量や圧力を適宜設定することができるようになっている。
この噴出量調整制御装置5により、本考案にかかる噴出量調整制御手段が構成されている。尚、噴出量調整制御装置5は、後述するように、当該離型剤噴霧制御装置1を統括的に制御することから、離型剤供給装置6を構成するものともなっている。また、吐圧シリンダ部15により、本考案にかかる離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部を構成している。
一方、上記した離型剤供給装置6は、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15の可変容積室17内へ離型剤を供給するためのものであり、所定濃度に調整された離型剤を貯留する貯留槽31と、離型剤の原液と水とを混合して濃度調整するための調整槽32とを備えている。ここで、調整槽32は、離型剤の原液を保管しているタンク33とポンプ34を介して連通し、また、離型剤の原液を希釈するための水を供給する水源ともポンプ35を介して連通している。これらポンプ34,35は、上記した噴出量調整制御装置5により駆動制御されており、離型剤の原液と水との流入量を夫々に制御している。さらに、この調整槽32には、図示しない攪拌装置が設けられており、調整槽32内に流入した離型剤の原液と水とを混ぜ合わせ、所定濃度に希釈した離型剤を生成する。また、この調整槽32には、ヒータ36が設けられており、調整槽32内を所定温度で保持するようにしている。
上記した調整槽32と貯留槽31とは、移送ポンプ38を介して連通しており、移送ポンプ38を駆動することによって、調整槽32内で所定濃度に調整された離型剤を貯留槽31へ移送する。この貯留槽31にも、図示しない攪拌装置とヒータ40とが配設されており、貯留槽31内で貯留する離型剤を、所定濃度と温度とで保管するようにしている。
この貯留槽31内には、上記した供給管24が供給ポンプ27を介して配設されている。この供給ポンプ27の駆動により、貯留槽31内の離型剤を供給管24を通じて、上記した離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15の可変容積室17内へ供給できるようになっている。また、この供給管24の、吐圧シリンダ部15の注入部18寄り部位には、逆止弁26が配設されている。この逆止弁26により、吐圧シリンダ部15の可変容積室17内の離型剤が加圧された場合にも、該離型剤が貯留槽31へ逆流しないようにしている。
このような離型剤供給装置6は、その供給ポンプ27、ポンプ34、ポンプ35、ヒータ36、移送ポンプ38、ヒータ40、撹拌装置(図示省略)を、上述した噴出量調整制御装置5により駆動制御されている。そして、噴出量調整制御装置5により、所定濃度の離型剤を生成して貯留槽31内に所定量貯留するようにしている。また、供給ポンプ27にあっては、当該離型剤噴霧制御装置1を駆動している際には、常時、所定の流量の離型剤を吐圧シリンダ部15へ向けて供給するように駆動し、該離型剤に所定圧力を作用した状態で維持している。尚、噴出量調整制御装置5は、離型剤供給装置6を制御するものとして、該離型剤供給装置6を構成するものともなっている。
次に、上述した離型剤噴霧制御装置1の作動態様について説明する。
ここで、離型剤噴霧制御装置1は、鋳造により製品を成形する製造ラインに配設されており、図示しない鋳造装置に配設した金型に離型剤を塗布するように用いられる。すなわち、離型剤噴霧制御装置1のノズル7は、図示しないロボットアームによって移動するように設けられており、鋳造装置が鋳造した後に金型を開放すると、ノズル7を該金型に対向する位置へ移動して離型剤を噴霧するようになっている。ここで、ロボットアームの作動についても、上記した噴出量調整制御装置5により制御しており、ノズル7から離型剤を噴霧する制御と連動するようにしている。そして、ノズル7の移動制御と離型剤を噴霧する作動制御とを、製造ラインの稼動速度に応じて、鋳造装置による金型の開放から閉鎖までの比較的短時間で実行されるように制御している。
離型剤噴霧制御装置1を駆動開始すると、離型剤供給装置6により、貯留槽31内で、離型剤の原液を水により希釈して所定濃度の離型剤を生成し、当該離型剤を移送ポンプ38により貯留槽31に移送して貯留する。そして、供給ポンプ27を駆動し、貯留槽31内の離型剤を、供給管24を通じて、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15の可変容積室17へ向けて圧送する。尚ここで、予め可変容積室17を広い容積とするように、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15を、油圧シリンダ部10寄りの位置としておく。これにより、供給管24を通じて可変容積室17内に離型剤が流入していき、さらに、吐出部19から吐出管23内まで流入する。これにより、可変容積室17と、吐出管23のリリーフ弁22までの領域とに離型剤が充填される。供給ポンプ27が常時駆動していることから、該供給ポンプ27による加圧力が可変容積室17内や吐出管23内の離型剤に作用している状態で維持される。この供給ポンプ27による圧力状態は、リリーフ弁22を開放する設定圧力に比して低いことから、リリーフ弁22は閉鎖した状態で維持される。
製造ラインの稼動に伴い、鋳造装置で金型が開放されて製品が搬送されると、噴出量制御装置6により、図示しないロボットアームを駆動制御して、ノズル7を金型に対向する位置へ移動する。そして、ソレノイドバルブ13を駆動して油圧シリンダ部10のヘッド側領域10aと油圧ポンプ4とを連通し、該油圧ポンプ4を駆動する。これにより、ヘッド側領域10aに、所定流量と圧力により作動オイルを流入し、油圧シリンダ装置2の油圧ピストン11を往動する。これに伴って、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧ピストン16を往動し、可変容積室17を減少することにより、該可変容積室17内の離型剤を加圧する。尚、可変容積室17の減少作動により離型剤に作用する圧力は、油圧ポンプ4による作動オイルの流量と圧力とによって、吐圧ピストン16の往動距離と往動速度とを制御することにより精度良く調整している。
このように可変容積室17の減少により離型剤が加圧されると、該可変容積室17と連通する吐出管23内の離型剤も加圧され、リリーフ弁22が開放して、離型剤がノズル7から金型に向かって噴霧される。これにより、金型に離型剤を塗布することができる。ここで、油圧ポンプ4により作動オイルの流量と圧力とを制御していることにより、吐圧ピストン16を安定して往動し、可変容積室17を徐々に減少するようにしていることから、可変容積室17内の離型剤に所定圧力が安定して作用する。これにより、離型剤をノズル7から所定の噴出力により安定して噴霧でき、該離型剤を金型に均一に塗布することができる。
そして、噴出量調整制御装置5により、油圧ポンプ4を、その駆動開始から所定時間経過すると駆動停止する。これにより、吐圧ピストン16が往動停止し、離型剤に作用する圧力が瞬時に低下するため、リリーフ弁22が閉鎖してノズル7からの噴霧が停止する。ここで、油圧ポンプ4により作動オイルの流量と圧力とを制御していることから、吐圧ピストン16の往動距離が定まり、可変容積室17の容積減少量も定まる。これにより、ノズル7から噴霧する離型剤の噴出量を正確かつ安定して制御することができる。そして、金型に所定量の離型剤を安定して塗布できることから、この離型剤を金型に塗布してなる離型剤層を、所定の層厚みに安定して形成できる。
上記のように油圧ポンプ4の駆動を停止すると、図示しないロボットアームによりノズル7を金型から離間するように移動する。その後、鋳造装置が金型を閉鎖することにより、次の鋳造を実施する。
鋳造装置が鋳造を実行している間には、適宜、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15内の可変容積室17へ離型剤を供給する作動を行う。すなわち、噴出量調整制御装置5は、ソレノイドバルブ13を駆動して、油圧シリンダ部10のロッド側領域10bと油圧ポンプ4とが連通する位置に変換すると共に、油圧ポンプ4を駆動することにより、作動オイルをロッド側領域10bへ流入する。これにより、油圧シリンダ部10内で油圧ピストン11が復動し、これに伴い離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15内で吐圧ピストン16が復動する。この復動に従って吐圧シリンダ部15の可変容積室17が増加していくことから、上記した離型剤供給装置6から所定濃度の離型剤が可変容積室17内に流入する。ここで、離型剤供給装置6は、上述したように、供給ポンプ27により離型剤を常に圧送していることから、吐圧ピストン16の復動に伴って注入部18から離型剤が流入する。このように離型剤を供給することによって、離型剤吐出用シリンダ装置3の可変容積室17内に充填され、該可変容積室17内とリリーフ弁22に至るまでの吐出管23内とに存在する離型剤が、供給ポンプ27の駆動により作用する圧力で維持される。これにより、次回、上述したように離型剤をノズル7から噴出する際に、吐圧ピストン16の往動開始時から離型剤を加圧して、離型剤の噴出量を正確に制御でき得る。
尚、噴出量調整制御装置5は、油圧ピストン11を復動する際にも、油圧ポンプ4による作動オイルの流量と圧力とを制御し、駆動開始から所定時間経過すると、油圧ポンプ4を駆動停止する。これにより、吐圧ピストン16を吐圧シリンダ部15内の所定位置で正確に停止することができるため、可変容積室17の容積が定まり、所定量の離型剤を可変容積室17内に留めることができる。
上述したように、本実施例1の離型剤噴霧制御装置1は、離型剤を金型に噴霧するための作動を、製造ライン上で鋳造装置による金型の開放作動から閉鎖作動までの間で実行し、該金型に、離型剤を均一に塗布することができ、さらにこの離型剤の塗布を繰り返し安定して実行することができ得る。ここで、離型剤をノズル7から噴霧する作動は、噴出量調整制御装置5による油圧ポンプ4の駆動制御に従って行っていることから、上記のように、離型剤吐出用シリンダ装置3の吐圧シリンダ部15内で往復作動する吐圧ピストン16の往動距離と往動速度とを正確かつ迅速に制御することができる。これにより、鋳造装置による金型の開口作動かた閉鎖作動までの間に合わせて、該金型に離型剤を均一に安定して塗布することができ得る。また、離型剤を可変容積室17内に注入する作動にあっては、油圧ポンプ4の駆動制御に従って行っていると共に、離型剤供給装置6から離型剤を常時圧送するようにしていることから、可変容積室17内と吐出管23内とに離型剤を充填した状態で保持することができる。これにより、離型剤の噴霧量を正確かつ安定する作用効果が一層向上している。
実施例2の離型剤噴霧制御装置51は、図3のように、油圧シリンダ装置52と離型剤吐出用シリンダ装置53とを備えてなる。また、上述した実施例1と同様に、油圧ポンプ4、噴出量調整制御装置5、離型剤供給装置6などを備えてなる。
この油圧シリンダ装置52には、上述した実施例1と同様に、油圧シリンダ部60内に油圧ピストン61が摺動可能に配設されていると共に、油圧シリンダ部60のヘッド側領域60aとロッド側領域60bとにオイル流動管14a,14bが夫々に接続されている。そして、油圧ピストン61には、長尺状の可動柱体62が連結されている。この可動柱体62は、油圧ピストン61に比して僅かに小径であり、油圧シリンダ部60の内周面に接触しない太径円柱状である。すなわち、可動柱体62は、上述した実施例1のピストン棒12に比してかなり太径となっている。
油圧シリンダ装置52の油圧シリンダ部60には、可動柱体62の往復作動方向に沿って離型剤吐出用シリンダ装置53の吐圧シリンダ部65が直列状に連結されている。そして、吐圧シリンダ部65内に、可動柱体62が延出している。すなわち、この可動柱体62は、その一端が油圧ピストン61と連結し、他端が吐圧シリンダ部65に延出するように設けられている。また、可動柱体62は、吐圧シリンダ部65の内周面と接触しない。この可動柱体62は、油圧ピストン61と共に往復作動し、該往復作動に従って吐圧シリンダ部65内に延出する部分(以下、延出部分)の延出長さが変動する。
この吐圧シリンダ部15の内部領域により、本考案にかかる可変容積室67が構成されている。この可変容積室67内に、上記した可動柱体62が延出しており、その延出部分の延出長さが往復作動に従って変動することにより、可変容積室67を容積変化する。この可動柱体62は、油圧ピストン61と共に往動(図3で左方向への作動)することにより、可変容積室67の容積を減少し、また、油圧ピストン61と共に復動(図3で右方向への作動)することにより、可変容積室67の容積を増加する。そして、上述した実施例1と同様に、可動柱体62の往動により可変容積室67を減少して、該可変容積室17内に充填した離型剤を加圧することができ、可動柱体62の往動する速度および往動する距離により、離型剤の加圧力を調整制御することができる。
尚、本実施例2にあっても、可動柱体62が油圧シリンダ部60と吐圧シリンダ部65とを挿通する挿通孔(図示省略)により通じているが、この挿通孔には、可動柱体62が往復作動できるOリングが配設されており、吐圧シリンダ部65と油圧シリンダ部60とを区画し、作動オイルや離型剤が互いに流入しないようにしている。
本実施例2にあっては、油圧シリンダ装置52の油圧ピストン61に連結した可動柱体62を、離型剤吐出用シリンダ装置53の吐圧シリンダ部65内に延出するようにした以外は、上述した実施例1と同様の構成であり、同じ構成には同じ符号を記し、その説明を省略している。
実施例2の離型剤噴霧制御装置51にあっても、上述した実施例1と同様に、噴霧量調整制御装置5により油圧ポンプ4から油圧シリンダ装置52へ流入する作動オイルの流量と圧力とを制御しており、これに従って可動柱体62の往復作動を精度良くかつ安定して制御している。そして、実施例1と同様に、鋳造により製品を成形する製造ラインに配設されて、金型に離型剤を塗布する作動を実施することができ得る。
この離型剤噴霧制御装置51は、可動柱体62の往動距離を制御することによって、可変容積室67の容積減少量を制御できることから、ノズル7から噴霧する離型剤の噴出量を正確かつ安定して制御することができる。そして、金型に所定量の離型剤を安定して塗布できることから、この離型剤を金型に塗布してなる離型剤層を、所定の層厚みに安定して形成できる。また、可動柱体62を復動する場合にあっても、同様に、可変容積室67内に離型剤を充填し、該可変容積室67内とリリーフ弁22に至るまでの吐出管23内とに存在する離型剤が、供給ポンプ27の駆動により作用する圧力で維持される。これにより、次回に離型剤をノズル7から噴出する際に、可動柱体62の往動開始時から離型剤を加圧して、離型剤の噴出量を正確に制御でき得る。このように、本実施例2の離型剤噴霧制御装置51は、上述した実施例1の構成と同様の作用効果を発揮でき得る。
また、実施例2の構成は、可動柱体62が、離型剤吐出用シリンダ装置53の吐圧シリンダ部65の内周面と接触しないことから、繰り返し往復作動を実行しても、該吐圧シリンダ部65が可動柱体62から直接的に負荷を受けない。そのため、吐圧シリンダ部65や可動柱体62の耐久性が向上するという優れた利点も有する。
一方、上述した本実施例1,2にあっては、例えば、ノズル7から噴出する離型剤の圧力を4〜6kg/cmとするように設定している。このような噴出力を得るためには、油圧ポンプ4のよる圧力を少なくとも10〜20kg/cm程度に設定する必要がある。油圧ポンプ4は、このような比較的大きな圧力を安定して出力制御できる。このように離型剤の噴出力を比較的強く設定できることから、ノズル7から噴出する離型剤を細粒化できると共に、噴出する勢いを高めることができる。そのため、ノズル7を金型とある程度離した位置として離型剤を噴霧しても、比較的広範囲に均一に塗布することができ、ムラなどを生じ難い。
ここで、油圧ポンプの代わりにエアポンプを用いた場合を考えると、エアポンプは油圧ポンプに比して出力が小さく、一般的には最大で4〜5kg/cm程度の圧力しか出せない。そのため、離型剤の噴出力も小さいことから、ノズルを金型に近づける必要がある。このように近い位置から離型剤を噴霧すると、噴霧する範囲が狭く、また、噴出力が小さいことから、ムラを生じ易い。さらに、離型剤の塗布する領域が比較的狭い範囲である場合には、離型剤を塗布する際に、ノズルを移動させたり、該移動する距離を比較的長くする必要が生じるため、ムラを生じ易くなる。一方、エアポンプによりエアシリンダを駆動制御するようにした場合には、エアポンプから流入するエアの圧縮や膨張などを生じるために、エアシリンダで往復作動するピストンの作動や停止位置が不安定となりやすい。そのため、離型剤の塗布量を正確に設定できないと共に、該塗布量を安定させることも難しいことから、金型表面に離型剤を塗布して形成する離型剤層を所望の厚みに安定して形成できない。このように、エアポンプやエアシリンダを用いても、本考案にかかる上述した作用効果を達成することができず、本考案の離型剤噴霧制御装置1,51の有用性は極めて高い。
一方、上述した本実施例1,2にあっては、離型剤吐出用シリンダ装置3,53にノズル7を一つ設けた構成であるが、その他の構成として、吐圧シリンダ部に複数の吐出部を設け、各吐出部毎にノズルを夫々に連通する構成とすることもできる。これにより、複数の金型に同時並行して離型剤を塗布することができ得る。また、離型剤吐出用シリンダ装置、油圧シリンダ装置、油圧ポンプを複数セット並設し、それぞれが複数の金型に離型剤を塗布する構成とすることもできる。この場合には、複数の金型に同時並行して離型剤を塗布できると共に、複数の金型が開閉するタイミングが異なっている場合にもそれぞれに合わせて離型剤を塗布することができる。
本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内で適宜用いることができる。
実施例1の離型剤噴霧制御装置1を示す説明図である。 同上の離型剤噴霧制御装置1を構成する油圧シリンダ装置2と離型剤吐出用シリンダ装置3とを示す説明図である。 実施例2の離型剤噴霧制御装置51を構成する油圧シリンダ装置52と離型剤吐出用シリンダ装置53とを示す説明図である。
符号の説明
1,51 離型剤噴霧制御装置
2,52 油圧シリンダ装置
3,53 離型剤吐出用シリンダ装置
4 油圧ポンプ
5 噴出量調整制御装置
6 離型剤供給装置
7 ノズル
11,61 油圧ピストン
12 ピストン棒
15,65 吐圧シリンダ部(シリンダ部)
16 吐圧ピストン
17,67 可変容積室
18 注入部
19 吐出部
26 逆止弁
27 供給ポンプ
31 貯留槽
62 可動柱体

Claims (3)

  1. 油圧ポンプから流入する作動オイルにより往復作動する油圧ピストンが摺動可能に設けられた油圧シリンダ装置と、
    シリンダ部内に、一端が油圧ピストンに連結され且つ他端が当該シリンダ部内に延出されたピストン棒の、その他端に連結された、油圧ピストンと連動して往復作動する吐圧ピストンを備えると共に、シリンダ部に、その内部の吐圧ピストンにより容積変化する可変容積室と、該可変容積室内へ所定濃度に調整された離型剤を注入する注入部と、離型剤を噴霧するノズルに連通する吐出部とを備えた、注入部から可変容積室内に注入した離型剤を吐出する離型剤吐出用シリンダ装置と、
    油圧ポンプを駆動制御することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御する噴出量調整制御手段と
    を備えたものであることを特徴とする離型剤噴霧制御装置。
  2. 油圧ポンプから流入する作動オイルにより往復作動する油圧ピストンが摺動可能に設けられた油圧シリンダ装置と、
    シリンダ部内に、一端が油圧ピストンに連結され且つ他端が当該シリンダ部内に延出された、シリンダ部内周面に接触しない長尺状の可動柱体を備えると共に、シリンダ部に、その内部に延出した可動柱体により容積変化する可変容積室と、該可変容積室内へ所定濃度に調整された離型剤を注入する注入部と、離型剤を噴霧するノズルに連通する吐出部とを備えた、注入部から可変容積室内に注入した離型剤を吐出する離型剤吐出用シリンダ装置と、
    油圧ポンプを駆動制御することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部内の可変容積室を容積変化して、ノズルから噴霧する離型剤の噴出量を調整制御する噴出量調整制御手段と
    を備えたものであることを特徴とする離型剤噴霧制御装置。
  3. 所定濃度に調整された離型剤が貯留された貯留槽と、該貯留槽内の離型剤を貯留用シリンダへ圧送するための供給用ポンプと、該供給用ポンプと離型剤噴出用シリンダ装置のシリンダ部の注入部との間に設けられた逆止弁とを備えてなり、供給用ポンプにより貯留槽内の離型剤を圧送することにより、離型剤吐出用シリンダ装置のシリンダ部の可変容積室内で離型剤を加圧保持するようにした離型剤供給装置を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の離型剤噴霧制御装置。
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