JP2002170501A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP2002170501A
JP2002170501A JP2000362941A JP2000362941A JP2002170501A JP 2002170501 A JP2002170501 A JP 2002170501A JP 2000362941 A JP2000362941 A JP 2000362941A JP 2000362941 A JP2000362941 A JP 2000362941A JP 2002170501 A JP2002170501 A JP 2002170501A
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JP
Japan
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electron beam
ray tube
grid
color cathode
cathode ray
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Application number
JP2000362941A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Ueno
博文 上野
Tsutomu Takegawa
勉 武川
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質化の対応で、電子ビームのスポットサ
イズを小さくするために、主レンズを形成する第3−2
グリッドの筒状の対向電極部を長くすると、負の4極子
界が発生するので、この負の4極子界に対処するため、
電子ビーム通過孔を垂直方向に長い楕円形にしていた
が、新たに8極子界が発生し、このために滲みが発生し
て画質を劣化させていたが、この滲みの発生を抑制した
カラー陰極線管を提供する。 【解決手段】 電子銃19の主レンズを形成する第3−
2グリッドG3−2と第4グリッドG4の少なくとも一
方の第3−2グリッドG3−2を、筒状の電極部21と
板状の電極部22で構成し、この板状の電極部22に穿
設される電子ビーム通過孔32を、垂直方向に形成され
た第1の開口部37と、水平方向に形成され第1の開口
部37と交差する第2の開口部38から形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体スクリーン
周辺における電子ビームのスポットの滲みを軽減し、良
好な画質が得られるカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般的にカラーテレビジョン受像
機やカラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー
陰極線管は、図8に示すように、画面が略矩形状を呈す
るフェースパネル51と、このフェースパネル51に一
体的に接合されたファンネル52を有する外囲器を備え
ており、このフェースパネル51の内面には、赤、青、
緑に発光する3色蛍光体層を有する蛍光体スクリーン5
3が形成されている。
【0003】このような蛍光体スクリーン53は、写真
印刷法を用いてマトリクス状またはストライプ状の光吸
収層の間隙部に3色蛍光体層が埋め込まれたブラックマ
トリクス形、またはブラックストライプ形の蛍光体スク
リーン53が用いられる。
【0004】また、外囲器内には、この蛍光体スクリー
ン53に対向して、センタービーム54G及び一対のサ
イドビーム54R,54Bからなる電子ビーム54が通
過し色選別を行うためのシャドウマスク55が配置さ
れ、このシャドウマスク55は、マスクフレーム56に
固定されると共に、このマスクフレーム56は、フェー
スパネル51の内側面にスタッドピン57を介して取着
され、このマスクフレーム56には、ファンネル52内
を蛍光体スクリーン53とは反対方向に延在する磁気シ
ールド板58が固定されている。
【0005】更に、ファンネル52のネック59内に
は、電子ビーム54を放出する一列に水平方向に配列さ
れたインライン型の電子銃60が配設されており、この
電子銃60から放出された電子ビーム54を、ファンネ
ル52の外側に装着された偏向ヨーク61の発生する磁
界によって偏向し、電子ビーム54にて蛍光体スクリー
ン53を水平、垂直方向に走査することにより、蛍光体
スクリーン53上にカラー画像を再生表示している。
【0006】この偏向ヨーク61には、水平偏向コイル
62にて発生する水平偏向磁界をピンクッション型に、
垂直偏向コイル63にて発生する垂直偏向磁界をバレル
型とする非斉一磁界を構成することで、3電子ビーム5
4を自己集中するセルフコンバーゼンス方式が使用され
ている。
【0007】また、上記インライン型の電子銃60とし
ては、各種の方式のものが採用されているが、その一つ
にBPF(Bi−Potential Focus)型
ダイナミックフォーカス(Dynamic Astig
matism Correction and Foc
us)方式と称されている方式があり、また、電子銃6
0の主レンズを形成する方式についても各種の方式があ
るが、その一種に拡張電界型主レンズ方式と称されてい
るものがある。
【0008】このBPF型ダイナミックフォーカス方式
で、且つ拡張電界型主レンズ方式を採用した電子銃60
の構成を図9に示す。
【0009】この電子銃60は、一列配置の互いに独立
して同一平面上に水平配置された3個のカソードKと、
この3個のカソードKから所定間隔離れて同軸上に配置
され、3個のカソードKに共通する電子ビーム54を制
御するための板状の電極からなる第1グリッドG1、及
びこの第1グリッドG1による電界の変化を遮蔽するた
めの板状の電極からなる第2グリッドG2、更には電子
ビーム54を加速する複数に分割されたカップ状の電極
からなる第1の第3−1グリッドG3−1、及び筒状電
極部64と板状電極部65,66との組合せからなる第
2の第3−2グリッドG3−2から構成される第3グリ
ッドG3、そして電子ビーム54を集束する第4グリッ
ドG4を有し、夫々第1グリッドG1乃至第4グリッドG
4は、ガラス材からなる絶縁支持体(図示せず)によっ
て保持され、一体構造化されている。
【0010】そして、第1グリッドG1乃至第3−1グリ
ッドG3−1と、第3−2グリッドG3−2の第3−1グ
リッドG3−1と向い合う電極面には、一列配置の3個
のカソードKに対応して3個の電子ビーム通過孔67〜
71が夫々穿設されている。
【0011】上記第3−2グリッドG3−2と第4グリッ
ドG4とが対向する電極面には、夫々3電子ビーム54
が通過する3個の電子ビーム通過孔72,73が形成さ
れた板状電極部66,74が配置され、第4グリッドG
4の反対面側にも、3個の電子ビーム通過孔75が形成
された板状電極部76が配置され、これら板状電極部6
5と72、及び74と76とは、夫々筒状電極部64及
び77で所定の位置に保持するように構成されている。
【0012】この電子銃60では、カソードKに約15
0Vの電圧が印加され、第1グリッドG1は接地されて
おり、また第2グリッドG2には約600Vの電圧が印
加されると共に、第3−1グリッドG3−1には、約6
KVの電圧が印加される。そして第3−2グリッドG3
−2にも、約6KVのパラボラ状電圧が印加されると共
に、第4グリッドG4には、約26KVの高電圧が印加
される。
【0013】この結果、カソードK、第1グリッドG1
及び第2グリッドG2によって電子ビーム54を発生
し、主レンズに対する物点を形成する三極部が構成され
る。また、第2グリッドG2と第3−1グリッドG3−1
間には、プリフォーカスレンズが形成され、このプリフ
ォーカスレンズは、上記三極部から放出される電子ビー
ム54を予備集束させる働きを行い、第3−2グリッド
G3−2と第4グリッドG4によって、この予備集束さ
れた電子ビーム54を最終的に蛍光体スクリーン53上
に集束させる拡張電界型の主レンズを形成する。
【0014】一方、偏向ヨーク61によって蛍光体スク
リーン53の周辺に電子ビーム54が偏向される場合に
は、その偏向距離に応じて第3−2グリッドG3−2に
は、電子ビーム54が蛍光体スクリーン53中心に位置
する場合に最も低く、蛍光体スクリーン53のコーナー
に電子ビーム54が位置するように偏向される場合に、
最も高くなる所定のパラボラ電圧が印加されている。
【0015】従って、第3−2グリッドG3−2と第4グ
リッドG4間の電位差は、電子ビーム54が蛍光体スク
リーン53のコーナー部分に偏向された場合が最も小さ
くなり、このため主レンズ強度が最も弱くなる反面、第
3−1グリッドG3−1と第3−2グリッドG3−2とで
4極子レンズが形成され、この4極子レンズは最も強く
なる。
【0016】この4極子レンズは、水平方向が集束、垂
直方向が発散を形成するように設定されており、これに
よって、電子銃60と蛍光体スクリーン53の距離が離
れて像点が遠くなることに対応して、主レンズ強度を弱
くすることで焦点位置を補償し、また偏向ヨーク61の
ピンクッション型水平偏向磁界とバレル型垂直偏向磁界
により発生する偏向収差を、4極子レンズで補償するこ
とができる。
【0017】ところで、最近の高画質化の要求に対応す
るために、カラー陰極線管の画質を良好にするために
は、蛍光体スクリーン53上での電子ビーム54スポッ
トを滲みのない状態にし、且つスポットサイズを小さく
することが必要である。
【0018】一般に、インライン型のカラー陰極線管に
おいては、図10に破線にて示すような画面周辺部にお
ける偏向収差に基づく電子ビーム54スポットの滲みが
問題となるが、前述のダイナミックフォーカス方式の主
レンズを形成する低電圧側電極部分を、第3−1グリッ
ドG3−1と第3−2グリッドG3−2のように複数に
分割し、電子ビーム54の偏向に応じて4極子レンズを
発生させて偏向収差を補償すれば、図11に示すように
滲みの発生を解消することができる。
【0019】更に、第3−2グリッドG3−2と第4グリ
ッドG4の対向する部分を、板状電極部66,74が筒
状電極部64,77の内側に位置させることによって、
対向部分に筒状の対向電極部78,79を設けて拡張電
界型主レンズを構成することで、レンズ口径を大きくす
ることが可能となり、この結果、電子ビーム54のスポ
ットサイズを小さくすることができる。
【0020】しかしながら、最近のコンピュータ用等の
カラー陰極線管においては、益々多くの情報表示機能が
要求されるようになってきており、これに対応する高密
度表示を達成するためには、電子ビーム54サイズを、
より小さくして対応する必要がある。
【0021】この電子ビーム54のサイズを、より小さ
くするための方策としては、拡張電界型主レンズのレン
ズ口径を、更に大きく形成することで達成可能である。
この主レンズ口径を更に大きくするためには、図12
(a)に示すように、主レンズを形成する第3−2グリ
ッドG3−2及び第4グリッドG4の対向電極部78,
79を、軸方向に更に長く形成することで可能である。
【0022】通常、この対向電極部78,79の水平方
向の口径をaとし、垂直方向の口径をbとした場合、そ
の軸方向の長さcを、c/b≦0.45の関係に設定さ
れており、例えば、cを4mm程度以下の長さに設定さ
れている。この対向電極部78,79を更に長くする
と、形成された主レンズは、電子ビーム54の水平方向
と垂直方向を共に集束する作用に加えて、電子ビーム5
4の垂直方向が集束し、水平方向が発散する前述の4極
子レンズを正とした場合に、これとは反対の作用をする
負の4極子レンズが形成される。
【0023】この現象は、対向電極部78,79の形状
が、図12(a)に示すように、水平方向に横長に形成
されていることに基因している。この対向電極部78,
79を長く形成することに基因して発生する負の4極子
レンズ作用を補償する方法としては、低電圧側の第3−
2グリッドG3−2の筒状電極部64の内側に設置され
た板状電極部66に形成する3個の電子ビーム通過孔7
2を、図12(b)に示すように、垂直方向に縦長の楕
円形とすることで、各電子ビーム54の水平方向で集
束、垂直方向で発散の作用をもつ正の4極子レンズとし
て構成することが可能となる。
【0024】あるいは、第3−2グリッドG3−2に対
して高電圧側の第4グリッドG4の板状電極部74に形
成される電子ビーム通過孔73を、水平方向に横長の楕
円形として構成することでも、補償することができる。
【0025】しかしながら、この方法で反対作用の4極
子レンズを組合せて電子レンズを形成すると、図13に
示すような8極子界が発生してしまう。この8極子界
は、電子ビーム54断面を蛍光体スクリーン53側から
見ると、水平方向と垂直方向に集束力が作用し、水平方
向と垂直方向の間に位置する斜め方向で、発散力が作用
するようになる。
【0026】この8極子界の作用を受けた電子ビーム5
4が、蛍光体スクリーン53上に到達した際の電子ビー
ム54スポットの形状は、図14に示すように、破線で
示すような滲みを伴うものとなり、画質の劣化を招くと
いう新たな問題が発生する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】このようにカラー陰極
線管においては、高密度で滲みのない良好な画質が望ま
れており、高密度化のためには、電子ビーム54のスポ
ットサイズを小さくすることが必要であり、そのために
は、主レンズの口径を大きくすることが有効である。
【0028】この口径を大きくするためには、筒状の対
向電極部78,79の軸方向への長さを長く取ることで
達成可能であるが、この対向電極部78,79を長くす
ると、その反対に負の4極子界が発生する不都合が生じ
ていた。この負の4極子界も、筒状電極部64,77内
に設置する板状電極部66,74に形成する電子ビーム
通過孔72,73の形状を、垂直方向に長い楕円形とす
ることで、反対の作用を呈する正の4極子界を発生させ
て、補償することが可能である。
【0029】しかしながら、この方法で反対作用の4極
子界を組合せると、新たに8極子界が発生してしまい、
蛍光体スクリーン53上で電子ビーム54スポットに滲
みを発生させる要因となっていた。このために、小さな
電子ビーム54スポットが得られる反面、新たに滲みが
発生してしまい、良好な画質を得ることが困難という新
規な問題が発生していた。
【0030】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、蛍光体スクリーン全面にわたり電子
ビームスポットサイズが小さく、且つ滲みの発生を抑制
することで、蛍光体スクリーン全面で良好なフォーカス
性能を呈するカラー陰極線管を提供することを目的とす
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、略矩形状のフ
ェースパネルと、このフェースパネルに連接するファン
ネルと、このファンネルのネック内に配置され電子ビー
ムを集束する主レンズを構成する少なくとも複数の電極
を備えた水平方向に一列配置されたインライン型の電子
銃と、この電子銃と対向するフェースパネル内面に形成
された蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリーンに対
向して配置されたシャドウマスクとを有するカラー陰極
線管において、電子銃の主レンズを形成する複数の電極
のうちの一方は、筒状電極部と板状電極部から構成さ
れ、この板状電極部に3電子ビームを夫々通過させる電
子ビーム通過孔が穿設されるとともに、この電子ビーム
通過孔は、垂直方向に形成された第1の開口部と、この
第1の開口部と交差する水平方向に連通して形成された
第2の開口部から構成している。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】図1は、本発明に係るカラー陰極線管の一
部切欠斜視図であって、画面が略矩形状を呈するフェー
スパネル11と、このフェースパネル11に一体的に接
合されたファンネル12を有する外囲器を備えており、
このフェースパネル11の内面には、赤、青、緑に発光
する3色蛍光体層を有する蛍光体スクリーン13が形成
されている。
【0034】このような蛍光体スクリーン13は、写真
印刷法を用いてマトリクス状またはストライプ状の光吸
収層14の間隙部に3色蛍光体層が埋め込まれたブラッ
クマトリクス形、またはブラックストライプ形の蛍光体
スクリーン13を構成している。
【0035】また、外囲器内には、この蛍光体スクリー
ン13に対向して、センタービーム15G及び一対のサ
イドビーム15R,15Bからなる電子ビーム15が通
過し色選別を行うためのシャドウマスク16が配置さ
れ、このシャドウマスク16は、マスクフレーム17に
固定されると共に、このマスクフレーム17は、フェー
スパネル11の内側面に取着されている。
【0036】更に、ファンネル12のネック18内に
は、電子ビーム15を放出する一列に水平方向に配列さ
れたインライン型のBPF型ダイナミックフォーカス方
式で拡張電界型主レンズ方式を採用した電子銃19が配
設されており、この電子銃19から放出された電子ビー
ム15を、ファンネル12の外側に装着された偏向ヨー
ク20の発生する磁界によって偏向し、電子ビーム15
にて蛍光体スクリーン13を水平、垂直方向に走査する
ことにより、蛍光体スクリーン13上にカラー画像を再
生表示している。
【0037】この偏向ヨーク20は、水平偏向磁界をピ
ンクッション型に、垂直偏向磁界をバレル型とする非斉
一磁界を発生するように構成され、3電子ビーム15
R,15G,15Bを自己集中するセルフコンバーゼン
ス方式として構成されている。
【0038】また電子銃19は、図2に示すように、一
列配置の互いに独立して同一平面上に水平配置された3
個のカソードKと、この3個のカソードKから所定間隔
離れて同軸上に配置され、3個のカソードKに共通する
電子ビーム15を制御するための板状の電極からなる第
1グリッドG1、及びこの第1グリッドG1による電界
の変化を遮蔽するための板状の電極からなる第2グリッ
ドG2、更には電子ビーム15を加速する複数に分割さ
れたカップ状の電極からなる第1の第3−1グリッドG
3−1、及び筒状電極部21と板状電極部22,23と
の組合せからなる第2の第3−2グリッドG3−2から
構成される第3グリッドG3、そして電子ビーム15を
集束する筒状電極部24と板状電極部25,26との組
合せからなる第4グリッドG4を有し、夫々第1グリッ
ドG1乃至第4グリッドG4は、蛍光体スクリーン13
方向に順次配置され、ガラス材からなる絶縁支持体(図
示せず)によって保持された一体構造として構成されて
いる。
【0039】そして、第1グリッドG1乃至第3−1グリ
ッドG3−1と、第3−2グリッドG3−2の第3−1グ
リッドG3−1と向い合う電極面には、一列配置の3個
のカソードKに対応して3個の電子ビーム通過孔27〜
31が夫々穿設されている。
【0040】上記第3−2グリッドG3−2と第4グリッ
ドG4とが対向する電極面には、3個の電子ビームが夫
々通過する3個の電子ビーム通過孔32,33が形成さ
れた板状電極部22,25が配置され、第4グリッドG
4の反対面側にも3個の電子ビーム通過孔34が形成さ
れた板状電極部26が配置され、これら板状電極部22
と23、及び25と26は、夫々筒状電極部21及び2
4で保持するように構成されている。
【0041】このうち、第3−2グリッドG3−2と第
4グリッドG4の互いに対向する板状電極部22と25
は、筒状電極部21,24の端面から所定の距離だけ内
側に入った箇所に配置され、この板状電極部22,25
と筒状電極部21,24端面との間に、筒状の対向電極
部35,36を形成する。
【0042】この電子銃19では、カソードKに約15
0Vの電圧が印加され、第1グリッドG1は接地されて
おり、また第2グリッドG2には、約600Vの電圧が
印加されると共に、第3−1グリッドG3−1には、約
6KVの一定電圧が印加される。そして第3−2グリッ
ドG3−2には、最も低い電圧を約6KVに設定し、最
も高い電圧として6.6KVに設定された6KV〜6.
6KVの間で変化するパラボラ状電圧が印加されると共
に、第4グリッドG4には、約26KVの高電圧が印加
される。
【0043】これによって、カソードK、第1グリッド
G1及び第2グリッドG2によって電子ビーム15を発
生し、主レンズに対する物点を形成する三極部が構成さ
れる。また、第2グリッドG2と第3−1グリッドG3−
1間では、プリフォーカスレンズが形成され、このプリ
フォーカスレンズは、上記三極部から放出される電子ビ
ーム15を予備集束させる働きを行い、第3−2グリッ
ドG3−2と第4グリッドG4によって、この予備集束
された電子ビーム15を最終的に蛍光体スクリーン13
上に集束させる拡張電界型の主レンズを形成する。
【0044】一方、偏向ヨーク20によって蛍光体スク
リーン13の周辺に電子ビーム15が偏向される場合
に、その偏向距離に応じて第3−2グリッドG3−2に
は、電子ビーム15が蛍光体スクリーン13中心に位置
する場合に最も低く、蛍光体スクリーン13のコーナー
に電子ビーム15が位置するように偏向される場合に最
も高くなる、所定のパラボラ電圧が印加される。
【0045】従って、第3−2グリッドG3−2と第4グ
リッドG4間の電位差は、電子ビーム15が蛍光体スク
リーン13のコーナー部分に偏向された場合が最も小さ
くなり、このため主レンズ強度が最も弱くなる反面、第
3−1グリッドG3−1と第3−2グリッドG3−2とで
4極子レンズが形成され、この4極子レンズは最も強く
なる。
【0046】また、第3−1グリッドG3−1の第3−
2グリッドG3−2側には、4極子レンズを形成する垂
直方向に縦長の電子ビーム通過孔30が形成されてお
り、第3−2グリッドG3−2の第3−1グリッドG3
−1側には、4極子レンズを形成する図1にも示すよう
に、水平方向に横長の電子ビーム通過孔311が形成さ
れる。
【0047】更にまた、第3−2グリッドG3−2の筒
状電極部21の内側中間部分の所定の位置には、8極子
界を形成するために、図3(a)に示すように、対向電
極部35の水平方向の口径をaとし、垂直方向の口径を
bとした場合、その軸方向の長さ、即ち対向電極部35
の長さcを、c/b>0.45の関係を満足するよう
に、例えばcを5mm以上の長さに設定して、レンズ口
径を拡大させるとともに、筒状の対向電極部35端部、
即ち筒状電極部21の内側中間部分に取着される板状電
極22を、図3(b)に示すように、垂直方向に縦長の
楕円形状の第1の開口部37と、この第1の開口部37
と交差する水平方向に横長の楕円形状の第2の開口部3
8が設けられ、この水平方向と垂直方向の中間部分に、
斜め方向内側に突出する膨出部39を設けて、電子ビー
ム通過孔32の斜め方向の開口径を小さくした電子ビー
ム通過孔32が穿設された板状電極部22を第3−2グ
リッドG3−2の第4グリッドG4と向い合う側に配置
している。
【0048】この板状電極部22に穿設された電子ビー
ム通過孔32は、第1の開口部37の垂直方向の最大径
をAで、且つ中心点Oから最も離れた端部をX点とし、
また第2の開口部38の水平方向の最大径をBとして、
中心点Oから最も離れた端部をY点とする。このX点と
Y点とを結ぶ楕円の面積は、一般には次式から求めるこ
とができる。
【0049】X/(A/2)+Y/(B/2)=1 上記膨出部39は、この式から求められる楕円の面積よ
りも小さな面積となるように、垂直方向と水平方向の中
間位置である斜め方向の位置で、開口側に突出するよう
に配置しているもので、電子ビーム通過孔32を単純な
楕円形の開口よりも、全体面積を小さくなるように設定
している。
【0050】この結果、図4に示すように、従来の図1
3に示す主レンズ内に形成される8極子界と反対の作用
を呈する8極子界を形成することができる。
【0051】そして、第3−2グリッドG3−2と対向
する第4グリッドG4にも同様に、c/b>0.45の
関係を満足するような長さcに設定された筒状の対向電
極部36が形成される。この第3−2グリッドG3−2
と第4グリッドG4の対向電極部35,36を含めた筒
状電極部21、24の全体の長さは、従来の筒状電極部
64,77の長さと同じであり、対向電極部35,36
部分の長さcのみを変更しているものである。
【0052】上記の4極子レンズは、水平方向が集束、
垂直方向が発散を形成するように設定されており、これ
によって電子銃19と蛍光体スクリーン13の距離が離
れ、像点が遠くなることに対応して主レンズ強度を弱く
することで補償し、また偏向ヨーク20のピンクッショ
ン型水平偏向磁界とバレル型垂直偏向磁界によって発生
する偏向収差を、4極子レンズで補償することができ
る。
【0053】そして、カソードK及び第2グリッドG2
で発生した電子ビーム15は、第2グリッドG2及び第3
−1グリッドG3−1で主レンズに対する予備集束作用
を受け、拡張電界型主レンズで最終的に集束作用を受
け、蛍光体スクリーン13上に電子ビーム15スポット
を作る。
【0054】この拡張電界型主レンズは、対向電極部3
5,36をc/b>0.45に設定することで、レンズ
口径を大きく形成することができるばかりでなく、主レ
ンズ内に形成される8極子界を、板状電極部22の電子
ビーム通過孔32で形成した反対方向の作用を呈する8
極子界で相殺することによって、8極子界の補償が成さ
れており、蛍光体スクリーン13上の電子ビーム15ス
ポットは、図5に示すように、小さく滲みのない画像状
態を再現することができる。
【0055】また、偏向ヨーク20によって、蛍光体ス
クリーン13周辺に電子ビーム15が偏向された場合に
おいて、第3−1グリッドG3−1と第3−2グリッドG
3−2の間に形成される4極子レンズで、偏向収差によ
って発生する滲みをなくすことができ、更に、蛍光体ス
クリーン13上の電子ビーム15スポットを小さくする
ことが可能であるばかりでなく、滲みの発生も抑制する
ことができるものである。
【0056】なお、板状電極部22に形成する電子ビー
ム通過孔32の形状は、上記実施形態に限定されること
なく、他の形態も採り得る。例えば、図6に示す構成
は、板状電極部22に穿設する電子ビーム通過孔32の
斜め方向に配置される膨出部39を、複数の角部40,
41を有するように、その先端を平坦状に形成した場合
を示しており、このように形成することによって、変形
しにくい、換言すれば、安定した電子ビーム通過孔32
として形成することができる。
【0057】更に、図7に示すように、膨出部39を全
て連続した曲線で、その先端を湾曲状に形成することに
よって、膨出部39からエッジ部分をなくし、不要なエ
ミッションが発生しにくい形状とすることも可能とな
り、耐電圧特性の改善に寄与することができる等、上記
実施形態での効果も併せ持ちながら、且つ特有の効果を
発揮させることが可能となる。
【0058】また、本発明は、これら実施形態に限定さ
れることなく、例えば、更に多くのグリッドを有する電
子銃構成とすることも可能であり、その他種々の応用や
変形が可能なことはいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】本発明は、充分大きなレンズ口径を備
え、且つ8極子界による蛍光体スクリーン上に発生する
滲みをなくし、高密度表示を可能にする小さな電子ビー
ムスポットを実現することができ、高画質のカラー陰極
線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管を示す一部切欠斜
視図。
【図2】本発明のカラー陰極線管を構成するインライン
型電子銃の構成を示す断面図。
【図3】同じく電子銃の第3−2グリッドG3−2を構
成する対向電極部と板状電極部を示す斜視図及び正面
図。
【図4】同じく電子銃で形成される8極子界を示す説明
図。
【図5】本発明のカラー陰極線管の画面状態を示す説明
図。
【図6】本発明に係るカラー陰極線管を構成する板状電
極部の電子ビーム通過孔の他の構成例を示す平面図。
【図7】同じく電子ビーム通過孔の更に他の構成例を示
す平面図。
【図8】従来のカラー陰極線管を示す断面図。
【図9】従来のカラー陰極線管を構成するインライン型
電子銃の構成を示す断面図。
【図10】従来のカラー陰極線管の画面状態の一例を示
す説明図。
【図11】従来のカラー陰極線管の対策を施した画面状
態を示す説明図。
【図12】従来のカラー陰極線管を構成する電子銃の第
3−2グリッドG3−2を構成する対向電極部と板状電
極部を示す斜視図及び正面図。
【図13】従来のカラー陰極線管の電子銃で形成される
8極子界を示す説明図。
【図14】従来のカラー陰極線管の画面状態を示す説明
図。
【符号の説明】
11:フェースパネル 12:ファンネル 13:蛍光体スクリーン 15,15R,15G,15B:電子ビーム 17:シャドウマスク 18:ネック 19:電子銃 21:筒状電極部 22:板状電極部 32:電子ビーム通過孔 37:第1の開口部 38:第2の開口部 39:膨出部 G3−2:第2の第3グリッド G4:第4グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武川 勉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5C041 AA03 AA10 AB07 AC05 AC11 AC35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形状のフェースパネルと、 このフェースパネルに連接するファンネルと、 このファンネルのネック内に配置され電子ビームを集束
    する主レンズを構成する少なくとも複数の電極を備えた
    水平方向に一列配置されたインライン型の電子銃と、 この電子銃と対向する前記フェースパネル内面に形成さ
    れた蛍光体スクリーンと、 この蛍光体スクリーンに対向して配置されたシャドウマ
    スクとを有するカラー陰極線管において、 前記電子銃の主レンズを形成する複数の電極のうちの一
    方は、筒状電極部と板状電極部から構成され、この板状
    電極部に3電子ビームを夫々通過させる電子ビーム通過
    孔が穿設されるとともに、この電子ビーム通過孔は、垂
    直方向に形成された第1の開口部と、この第1の開口部
    と交差する水平方向に連通して形成された第2の開口部
    から構成されていることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記電子ビーム通過孔は、垂直及び水平
    方向に互いに交差するように形成された2つの楕円状の
    開口から構成されていることを特徴とする請求項1記載
    のカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記電子ビーム通過孔は、第1の開口部
    の垂直方向の最大径がAで、且つ中心点Oから最も離れ
    た端部をX点とし、前記第2の開口部の水平方向の最大
    径がBで、且つ中心点Oから最も離れた端部をY点とし
    たときに、両地点XYを結ぶ楕円面積を求める数式のX
    /(A/2)+Y/(B/2)=1の値よりも小さ
    くなるように、垂直方向と水平方向の中間の斜め方向開
    口側に、前記板状電極部の一部を突出させた膨出部を配
    置したことを特徴とする請求項1または2記載のカラー
    陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記膨出部は、その開口側先端部分を平
    坦状に形成したことを特徴とする請求項3記載のカラー
    陰極線管。
  5. 【請求項5】 前記膨出部は、その開口側先端部分を湾
    曲状に形成したことを特徴とする請求項3記載のカラー
    陰極線管。
  6. 【請求項6】 前記一方の電極は、筒状電極部の水平方
    向の口径をa、垂直方向の口径をb、筒状電極部端面か
    ら板状電極部までの長さをcとしたときに、c/b>
    0.45を満足する位置に板状電極部を配置し、筒状電
    極部にcの長さを有する筒状の対向電極部を設置したこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の
    カラー陰極線管。
  7. 【請求項7】 前記複数の電極のうち、前記一方の電極
    と対向する他方の電極にも、c/b>0.45を満足す
    る対向電極部を形成したことを特徴とする請求項6記載
    のカラー陰極線管。
  8. 【請求項8】 前記一方の電極を、主レンズを形成する
    複数の電極の低電圧側としたことを特徴とする請求項6
    または7に記載のカラー陰極線管。
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