JP2002167688A - 摺動部材用高速めっき被膜の製造方法 - Google Patents

摺動部材用高速めっき被膜の製造方法

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JP2002167688A
JP2002167688A JP2000363307A JP2000363307A JP2002167688A JP 2002167688 A JP2002167688 A JP 2002167688A JP 2000363307 A JP2000363307 A JP 2000363307A JP 2000363307 A JP2000363307 A JP 2000363307A JP 2002167688 A JP2002167688 A JP 2002167688A
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Etsuo Tamegai
悦夫 為貝
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Nippon Piston Ring Co Ltd
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Nippon Piston Ring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき成長速度を早く保ちつつ、チャンネル
ポーラスを多く形成することにより、耐摩耗性及び耐ス
カッフ性を高く保つことのできる摺動部材用高速めっき
被膜の製造方法の提供。 【解決手段】 被めっき材を陰極、対極を陽極として電
流を流し、被めっき材の表面にめっき被膜を形成する。
この工程において、電流は、リップル率5%乃至45%
の周期変動電流となるようにする。図1に、被めっき材
と対極との間に流される電流を示す。ここで、リップル
とは、直流電源出力に含まれる交流分をいい、リップル
率とは、この交流分について「最大電流または最小電流
と平均電流との差(β)」/「平均電流(α)」×10
0(%)を言う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速めっきの製造方法に
関し、特に摺動部材用の高速めっき被膜の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関用摺動部品には、硬質チ
ャンネルポーラスクロムめっきが使用されてきた。従来
の硬質チャンネルポーラスクロムめっきでは、硬質クロ
ムめっき成長時において、過度に生じた内部応力を自己
開放することにより、めっき被膜内に発生した亀裂(チ
ャンネルポーラス)を、潤滑油溜まりとして利用し、被
膜の耐摩耗性、耐スカッフ性を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の硬質チ
ャンネルポーラスクロムめっきでは、めっき成長速度が
遅く生産効率が低かったため、摺動部材の低コストへの
要請が強まる中において、生産コスト低減に対する著し
い障害となっていた。
【0004】従来の硬質チャンネルポーラスクロムめっ
きにおいて、めっき成長速度が遅い理由は、電流効率が
大変低いことである。電流効率が低い原因は、供給され
る電気エネルギーが、被めっき材表面への金属析出に費
やされると同時に、水溶液の電気分解により多く費やさ
れることである。しかし、ここで、めっき析出速度を上
げることを目的として、電流密度を大きくすると、めっ
き液槽内の電圧も高くなり、めっき被膜を構成する金属
の析出電位を上回ってしまい、めっき被膜を形成するこ
とが不可能となってしまう。
【0005】そこで、めっき成長速度を速め、生産効率
を高める方法として、めっき液と被めっき材表面との擦
過速度を速め、電流効率を高める方法が知られている。
【0006】しかし、このような高速クロムめっきで
は、電流効率が増加する分だけクロムめっき被膜中にお
ける水素吸蔵量が減少するため、チャンネルポーラスが
減少し、摺動部材として必要とされる耐摩耗性、耐スカ
ッフ性を十分確保することができなくなる。
【0007】そこで本発明は、めっき成長速度を早く保
ちつつ、チャンネルポーラスを多く形成することによ
り、耐摩耗性及び耐スカッフ性を高く保つことのできる
摺動部材用高速めっき被膜の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、めっき液に浸漬させた被めっき材と対極
との間に、電流を流すことにより被めっき材の表面にめ
っき被膜を形成するめっき被膜の製造方法において、リ
ップル率5%乃至45%の周期変動電流を流すことを特
徴とする摺動部材用高速めっき被膜の製造方法を提供し
ている。
【0009】ここで、めっき液と被めっき材表面との擦
過速度を30cm/秒乃至500cm/秒にするのが好
ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による摺動部
材用高速めっき被膜の製造方法について説明する。本実
施の形態の摺動部材用高速めっき被膜の製造方法におい
ては、被めっき材表面に、クロム、ニッケル、ニッケル
合金等の金属を被膜する。
【0011】まず、トリクロロエチレン等の有機溶剤の
蒸気により、被めっき材表面の油脂分を洗浄する脱脂を
行う。
【0012】つぎに、被めっき材を30℃乃至80℃に
加熱された塩酸中に15秒乃至300秒浸漬し、被めっ
き材表面の酸化物等を除去し、被めっき材下地を露出さ
せる酸洗浄を行う。
【0013】さらに、被めっき材表面に、セラミックス
等の硬質粒子を懸濁溶解した水溶液を、2kg/mm
乃至10kg/mm程度の圧力で均一に圧力噴流する
液体ホーニングを行う。この工程により、表面を梨地状
にしてめっき被膜と被めっき材表面との密着強度向上を
図ることができる。
【0014】そして、被めっき材及び対極をめっき浴に
浸漬し、被めっき材を陽極、対極を陰極として、20A
/dm乃至100A/dm電流密度で10秒乃至1
20秒印加する電解研磨を行う。
【0015】次に、被めっき材と対極の極性を反転し、
被めっき材を陰極、対極を陽極として、被めっき材表面
とめっき液の間の擦過速度を30cm/秒乃至500c
m/秒に保ちつつ、被めっき材表面における電流密度が
20A/dm乃至300A/dmとなる電流を、1
0秒乃至200秒間流すめっき工程を行う。電流を流す
時間を調整することにより、予め設定されためっき層厚
さが析出するようにする。この工程において、電流は、
リップル率5%乃至45%の周期変動電流となるように
する。
【0016】図1に、本実施の形態のめっき工程におい
て被めっき材と対極との間に流される電流を示す。図の
縦軸は電流(A)、横軸は時間(秒)である。電流値
は、周期的に変動している。ここで、リップルとは、直
流電源出力に含まれる交流分をいい、リップル率とは、
この交流分について「最大電流または最小電流と平均電
流との差(β)」/「平均電流(α)」×100(%)
を言う。また、被めっき材表面における電流密度とは、
「平均電流」/「被めっき材の表面積」を言う。
【0017】本実施の形態では、リップル率を所望の範
囲内にするために、めっき工程において使用される回路
中の整流器として、小型で出力電流の調整がスムーズ
な、サイリスタ方式を用いる。また、この方式を用いた
整流では、交流分(リップル)が増大する傾向があるた
め、リップルを小さくするために、整流器の出力側に平
滑回路を入れて対応する。従って、リップルを小さくす
るには、この平滑回路の精度を良くして対応し、リップ
ルを大きくするには、平滑回路の精度を悪くするか、平
滑回路を入れないようにする。
【0018】その後、被めっき材と対極の極性を再び反
転し、被めっき材を陽極、対極を陰極として、被めっき
材表面における電流密度が20A/dm乃至100A
/dmとなる電流を、10秒乃至200秒間流す逆電
工程を行う。この工程において、電流を流す時間を調整
することにより、予め設定されためっき層厚さを残すよ
うにめっき被膜を溶出させる。
【0019】このようにして母材直上の第1層めっきが
形成される。本実施の形態では、この後さらに上記めっ
き工程及び逆電工程を複数回繰返すことにより、積層構
造を有するめっき被膜を所望の被膜厚さに形成する。こ
のようにしてめっき被膜を積層構造にすることにより、
めっき被膜内部にまでチャンネルポーラスが形成され、
めっき被膜表面が摩耗しても、常に表面にチャンネルポ
ーラスが露出している状態が保たれるため、チャンネル
ポーラスを潤滑油溜まりとして利用でき、耐摩耗性及び
耐スカッフ性を高く保つことができる。
【0020】擦過速度及びリップル率の数値範囲を上述
のように限定した根拠について説明する。めっき液の電
気分解により被めっき材表面に発生する水素は、金属め
っき被膜を構成する金属結晶格子内に固溶される。これ
により、金属結晶格子が著しく歪み、めっき被膜の硬度
が高まる。さらに、めっき被膜自体に限界を超える引っ
張り応力が加わることで、被膜内に微細亀裂が発生し、
同時にそれが自己開放され、その上にめっき被膜が成長
する。これにより、チャンネルポーラスが形成される。
【0021】従って、めっき速度を速めるため電流効率
を向上し、水溶液の電気分解により生じる水素の量を減
少させると、被めっき材表面に発生する水素分子の量が
減少し、ひいては金属結晶内に固溶される水素量が減少
し、金属結晶格子の歪みが減少し、めっき被膜の硬度が
低下する。また、めっき被膜自体の引っ張り応力も低下
するため、被膜内の微細亀裂発生数量も低下する。これ
により、耐摩耗性、耐スカッフ性が低下し、摺動部材用
めっき被膜としての適用性を甚だしく欠くこととなる。
【0022】本実施の形態では、周期変動するめっき電
流を流しているので、めっき被膜を構成する結晶格子内
に多くの水素を固溶することができる。即ち、周期変動
するめっき電流を流すと、大きい電流が流れているとき
にめっき被膜が速い成長速度で析出し、小さい電流が流
れているときにめっき被膜がゆっくり成長することによ
り、被めっき材表面とめっき液の間のめっき反応界面に
おける反応層の厚さが変動する。この変動に起因して、
被めっき材表面にて発生した水素分子を、被めっき材表
面に停滞せしめることができる。こうして、被めっき材
表面からの水素原子の乖離を妨げることにより、めっき
被膜中に多くの水素を固溶することができるのである。
【0023】非めっき材表面とめっき液間の擦過速度を
30cm/秒乃至500cm/秒に維持して金属めっき
を行い、反応層を擦過速度ゼロの状態に比べ著しく薄く
すると、被めっき材表面における金属イオンの還元反
応、即ち金属層析出反応の効率が向上する。このとき、
金属イオン析出量が増加するのに伴い、電解により発生
する水素分子の量が減少するため、被めっき材表面に発
生する水素分子の量が減少してしまう。しかし、上述の
ように、周期変動するめっき電流を流していれば、めっ
き反応界面付近における反応層の厚さが変動するため、
被めっき材表面からの水素原子の乖離を妨げることがで
きる。これにより、被めっき材表面に発生した水素分子
のうち、被めっき材表面にそのまま滞留する水素分子の
割合が増加し、擦過速度を大きくしたことによるめっき
液中の水素分子の発生量自体が減少しても、被めっき材
表面に滞留する水素分子の量を、相対的に減少させずに
すむ。
【0024】ここで、リップル率5%未満では、被めっ
き材表面にて発生した水素原子を滞留せしめ、被めっき
材表面からの乖離を妨げることにより、めっきを構成す
る結晶格子内に水素を固溶するには十分でない。一方
で、リップル率45%以上では、電流の実効効率が低下
するために、めっき被膜の析出を阻害してしまい、生産
効率の向上を図ることができなくなる。
【0025】また、被めっき材表面とめっき液間の擦過
速度を30cm/秒乃至500cm/秒に維持しつつ金
属めっきを行うと、擦過速度ゼロの場合と比較して、め
っき反応界面において反応層が著しく薄くなるととも
に、めっき反応界面における金属イオン濃度がゼロとな
ってしまう限界電流が大きくなる。そのため、イオン還
元反応、即ち金属の析出反応の効率が向上する。また、
大きなめっき電流を流すことができ、結果としてめっき
析出速度を高速化することができる。
【0026】この場合、被めっき材とめっき液との間の
擦過速度が30cm/秒未満では、生産的効率に寄与し
うる大電流を流すことができない。一方で、擦過速度が
500cm/秒よりも速いと、被めっき材表面とめっき
液間に乖離が生じ、めっき被膜形成が不可能となる。た
だし、単に被めっき材表面とめっき液間の擦過速度を適
正にしたのみでは、金属結晶格子内に固溶される水素量
を減少させることになり、これだけでは摺動部材被膜と
しての硬質金属めっきの生産性を向上することはできな
い。リップル率5%乃至45%の周期変動電流を流しつ
つ、擦過速度を適正にすることにより、金属めっきの硬
度を適正に保ちつつ、めっき被膜の生産性をさらに向上
することができる。
【0027】リップル率、擦過速度、電流密度を変化さ
せて種々のめっき被膜を形成し、めっき速度を測定する
と共に、摩耗試験及びスカッフ試験を行った。摩耗試験
及びスカッフ試験の概略を図2に示す。
【0028】摩耗試験は、アムスラー型摩耗試験機を使
用し、回転片(相手材)1のほぼ半分を油に浸漬し、固
定片(試料片)2を接触させ、荷重を負荷して行った。
試験の具体的条件は以下の通りである。 相手材 FC25(HRB98) 潤滑油 タービン油(#100) 油温 80℃ 周速 1m/秒(478rpm) 荷重 80kg 時間 7時間 摩耗量測定 粗さ計による段差プロフィールにて摩耗
量(μm)を測定
【0029】また、スカッフ試験は、アムスラー型摩耗
試験機を使用し、回転片(相手材)1に油を付着させ、
固定片(試料片)2にスカッフが発生するまで、線形連
続に増加する荷重を負荷させ、スカッフにより負荷信号
が発生したときの荷重をスカッフ荷重として行った。試
験の具体的条件は以下の通りである。 相手材 FC25(HRB98) 潤滑油 2号スピンドル油 周速 1m/秒(478rpm) 荷重 10kg/分の割合で線形連続に増加
【0030】図3にめっき速度のリップル率依存性を、
図4に摩耗性指数及びスカッフ性指数のリップル率依存
性を、図5にめっき速度の擦過速度依存性を、図6に摩
耗性指数及びスカッフ性指数の擦過速度依存性を、図7
にめっき速度の電流密度依存性を、図8に摩耗性指数及
びスカッフ性指数の擦過速度依存性を示す。図4、図
6、図8に示す菱形(◆)は耐摩耗性指数を表し、四角
(■)は耐スカッフ性指数を示す。
【0031】なお、耐摩耗性指数およびスカッフ性指数
は、電流密度60A/dm、陰極表面擦過速度0cm
/秒、リップル率0%でめっき速度1μm/分となるよ
うに形成された単層のめっきの摩耗性指数及びスカッフ
性指数を100として示す。
【0032】図3、図4の試験材料のめっき被膜は、被
めっき材表面における電流密度300A/dm、陰極
表面擦過速度200cm/秒、積層数20層で形成し
た。また、図5、図6の試験材料のめっき被膜は、被め
っき材表面における電流密度300A/dm、リップ
ル率15%、積層数20層で形成した。また、図7、図
8の試験材料のめっき被膜は、陰極表面擦過速度200
cm/秒、リップル率15%、積層数20層で形成し
た。
【0033】図4からわかるように、リップル率5%未
満では耐摩耗性指数が高く、耐スカッフ性指数が低い。
摺動部材の被膜としては、耐摩耗性指数が低く、耐スカ
ッフ性指数が高いのが好ましいから、摺動部材の被膜と
して好適とは言えない。一方で、図3からわかるよう
に、リップル率が45%を超えると、所望のめっき速度
を得ることができない。従って、リップル率は5%乃至
45%とするのが好適な範囲と言える。
【0034】また、図5からわかるように、擦過速度3
0cm/秒未満では、2.00μm/分のめっき速度を
得ることができず、めっき速度の高速化が十分でない。
一方で、擦過速度が300cm/秒よりも大きい場合に
ついては図示しないが、擦過速度が500cm/秒まで
の範囲では、擦過速度が上昇すればするほどめっき速度
を上げることができる。しかし、擦過速度が500cm
/秒よりも大きいと、被めっき材表面とめっき液との間
に乖離が生じ、めっき被膜形成が不可能となる。従っ
て、擦過速度は30cm/秒乃至500cm/秒とする
のが好適な範囲と言える。
【0035】また、図7、図8より、被めっき材表面に
おける電流密度は、60A/cm乃至450A/cm
の範囲内では、高ければ高いほどめっき速度が速く、
耐摩耗性指数が低く、耐スカッフ性指数が高い。従っ
て、摺動部材用めっき被膜を形成するには、被めっき材
表面における電流密度が高ければ高いほど好ましいこと
がわかる。
【0036】また、積層数1層で、その他は図3乃至図
8の試験材料と同様の条件で作成しためっき被膜を形成
した試験材料についての、めっき速度、耐摩耗性指数及
び耐スカッフ性指数を図9乃至図14に示す。図3と図
9、図5と図11、図7と図13をそれぞれ比較するこ
とにより、単層の被膜の方が積層状の被膜よりもめっき
速度は速いことがわかる。一方で、図4と図10、図6
と図12、図8と図14をそれぞれ比較することによ
り、積層状の被膜の方が単層の被膜よりもわずかに耐摩
耗性指数が低く、耐スカッフ性指数が高いことがわか
る。従って、単層の被膜よりも、積層状の被膜の方が、
摺動部材用の被膜としては好ましいことがわかる。
【0037】本発明による摺動部材用高速めっき被膜の
製造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請
求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能であ
る。例えば、上記実施の形態では積層構造のめっき被膜
を形成したが、めっき被膜は単層でもよい。
【0038】また、上記実施の形態のめっき被膜は、ピ
ストンリングの摺動面に形成することが考えられるが、
この他、ライナー内周摺動面、ロッカーアーム摺動面、
カムシャフトカム外周及びジャーナル部等に適用するこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の摺動部材用高速めっき被
膜の製造方法によれば、めっき液に浸漬させた被めっき
材と対極との間に、電流を流すことにより被めっき材の
表面にめっき被膜を形成するめっき被膜の製造方法にお
いて、リップル率5%乃至45%の周期変動電流を流す
ので、めっき成長速度を早く保ちつつ、チャンネルポー
ラスを多く形成することにより、耐摩耗性及び耐スカッ
フ性を高く保つことのできる摺動部材用高速めっき被膜
を形成することができる。
【0040】請求項2記載の摺動部材用高速めっき被膜
の製造方法によれば、めっき液と被めっき材表面との擦
過速度を30cm/秒乃至500cm/秒にするので、
めっき速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のめっき工程において被めっき材
と対極との間に流される電流を示す図。
【図2】摩耗試験及びスカッフ試験の概略図。
【図3】積層状めっき被膜のめっき速度のリップル率依
存性を示す図。
【図4】積層状めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数のリップル率依存性を示す図。
【図5】積層状めっき被膜のめっき速度の擦過速度依存
性を示す図。
【図6】積層状めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数の擦過速度依存性を示す図。
【図7】積層状めっき被膜のめっき速度の電流密度依存
性を示す図。
【図8】積層状めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数の擦過速度依存性を示す図。
【図9】単層めっき被膜のめっき速度のリップル率依存
性を示す図。
【図10】単層めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数のリップル率依存性を示す図。
【図11】単層めっき被膜のめっき速度の擦過速度依存
性を示す図。
【図12】単層めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数の擦過速度依存性を示す図。
【図13】単層めっき被膜のめっき速度の電流密度依存
性を示す図。
【図14】単層めっき被膜を形成した試験片の摩耗性指
数及びスカッフ性指数の擦過速度依存性を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき液に浸漬させた被めっき材と対極
    との間に、電流を流すことにより被めっき材の表面にめ
    っき被膜を形成するめっき被膜の製造方法において、リ
    ップル率5%乃至45%の周期変動電流を流すことを特
    徴とする摺動部材用高速めっき被膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 めっき液と被めっき材表面との擦過速度
    を30cm/秒乃至500cm/秒にすることを特徴と
    する請求項1記載の摺動部材用高速めっき被膜の製造方
    法。
JP2000363307A 2000-11-29 2000-11-29 摺動部材用高速めっき被膜の製造方法 Pending JP2002167688A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283054A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hoya Corp スパッタリングターゲット、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法、並びに反射型マスクの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283054A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hoya Corp スパッタリングターゲット、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法、並びに反射型マスクの製造方法

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