JP3423702B2 - 金属めっき方法 - Google Patents

金属めっき方法

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JP3423702B2 JP2001242227A JP2001242227A JP3423702B2 JP 3423702 B2 JP3423702 B2 JP 3423702B2 JP 2001242227 A JP2001242227 A JP 2001242227A JP 2001242227 A JP2001242227 A JP 2001242227A JP 3423702 B2 JP3423702 B2 JP 3423702B2
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    • C25D5/615Microstructure of the layers, e.g. mixed structure
    • C25D5/617Crystalline layers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス電解による
電気めっきによって、めっき液内に浸漬した被めっき体
の表面に、クロムなどの金属を析出させる金属めっき方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から高耐蝕性硬質めっきを得るた
め、クロムめっきを行っている。このとき、被めっき体
の表面に直接クロムめっきを施すとクラックが生じやす
いため、被めっき体の表面にニッケルめっきを施して当
該被めっき体表面を均一にした後に、クロムめっきを施
している。すなわち、一般の高耐蝕性硬質クロムめっき
は、ニッケルとクロムの2層構造となっている。
【0003】上記クロムの析出は、めっき槽内のめっき
液に被めっき体を浸漬した状態で直流電流で通電してク
ロム層をめっき面に析出することで行われる。電解は、
一般的には、10〜60A/dm2 の直流電流を連続通
電して行われる。また、めっき液の浴温は40〜60℃
程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記電気めっき方法で
は、得られるクロム層の膜厚が10μm程度以下と薄く
せざるを得ず、膜厚を厚くしようとするとクラックが生
じて耐蝕性が不足するおそれがある。また、めっき皮膜
の光沢も余り良くないという問題もある。
【0005】上記クラックは、クロムの電解析出と同時
に発生する水素による応力によって発生する。すなわ
ち、還元析出する際に、クロム1原子に対して8〜10
個程度の水素が発生するが、上記従来例では、金属イオ
ンがシャワーのように被めっき体表面にそそがれるの
で、還元してから格子組み込みまでの時間が十分にとれ
ない。このため、析出するクロム層が原子密度の低い結
晶格子として成長すると共に、クロム層に水素がとり込
まれる。したがって、膜厚を厚くするほど、クラックが
発生しやすくなる。
【0006】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、光沢が良く且つ耐食性、耐摩耗性に優
れた金属めっき皮膜を得る金属めっき方法を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した発明は、周期的に
通電するパルス電解にてパルスめっきする金属めっき方
法であって、パルス電解の条件として、格子高さに対す
る1パルス当たりの析出格子量の比が0.28以下とな
るパルス周波数及び電流密度とし、そのパルス周波数の
ヂューティ比を0.5以下とし、パルス波形の歪により
発生する完全休止時間を、電流中断時間の2分の1以上
とすることを特徴とするものである。
【0008】ここで、上記「格子高さに対する1パルス
当たりの析出格子量の比」は、無次元数である。ここで
いう「格子高さ」とは、結晶面配向が原子密度の最も高
い(111)面に配向したときの格子高さを指す。な
お、「格子高さに対する1パルス当たりの析出格子量の
比」とは、「(1パルス当たりの析出格子量)/格子高
さ」であって、本明細書中にあっては、「格子高さに対
する1パルス当たりの析出格子量の比」を単に析出格子
量比率と記載する場合もある。
【0009】また、上記ヂューティ比とは、ti /(t
i + to )を言う(図2を参照)。ここで、 ti :パルス通電時間 to :電流中断時間 である。
【0010】また、パルス波形が理想の波形であれば、
電流中断時間to が電極間に電流が流れていない時間と
なるが、波形の歪によって実際に電流が流れていない時
間が異なる。この実際に電流の流れていない非通電時間
を、上記完全休止時間tk と呼ぶ。本発明によれば、電
流中断時間to に水素は離散してめっき皮膜への水素の
取り込みが抑えられると共に、1パルス当たりの還元原
子量を制御することで、析出された金属の結晶面が制御
され、クラックの無いめっきをすることが可能となる。
なお、上記1パルス当たりの還元原子量の制御は、電流
密度と周波数によって行うことができる。
【0011】また、パルス電解法による電気めっきとし
て、陰極界面から放出された水素を界面から遠方に離散
させて、クロムの結晶粒子内に水素が吸蔵される確率を
小さくし、且つ高エネルギー面の優先方位配列が現れ、
クラックの発生を防止すると共に皮膜の耐摩耗性、延
性、硬さなどが向上する。体心立方格子であるクロムの
めっきの場合には、結晶面配向が、原子密度の最も高い
(111)面に配向され、本発明の条件にすることでそ
の配向率を95%以上とすることができる。
【0012】本発明の数値限定について説明する。後述
のように、パルスの周波数をパラメータとして、1パル
ス当たりの析出格子量とクラックの有無との関係を求め
たところ、析出格子量比率が0.28以下(700Hz
以上)では、クラックが発生しないことを確認したため
(表1参照)、析出格子量比率を0.28以下(700
Hz以上)とした。
【0013】なお、通常金属めっきで使用される電流密
度が10〜1200A/dm2 の範囲では、電流密度を
一定に設定すると、析出格子量比率とパルスの周波数と
の関係はほぼ同じである。そして、上記析出格子量比率
が約0.28で700Hzであり、また、上記析出格子
量比率が約0.22で900Hzである。さらに、後述
のように、周波数を900Hz以上とすることでめっき
皮膜の表面粗さ等が安定して向上するので、好ましく
は、析出格子量比率を約0.22以下とすることが好ま
しい。
【0014】また、ヂューティ比を0.5にした場合
で、安定してクラックの発生が無かったので、ヂューテ
ィ比を0.5以下とした。なお、ヂューティ比が小さい
程、通電の休止時間の割合が長くなる。また、同じ電流
密度では、周波数を高くするほど、1パルス当たりの通
電の休止時間は短くなるが、1パルス当たりの電解量も
減少する。ここで、ヂューティ比の下限値に限定はな
い。ただし、当該ヂューティ比を小さくするほど、通電
しない休止時間が長くなって、発生した水素の離散には
有効であるが、その分めっき時間が長くなる。
【0015】また、電流密度を高くするほどパルス波形
に歪を生じ易くなり、理想波形における電流の休止時間
(電流中断時間)よりも、実際に電流が流れない時間
(完全休止時間)が短くなる。これに鑑み、電流中断時
間と完全休止時間との関係を求めたところ、完全休止時
間が電流中断時間の2分の1未満ではクラックが発生し
たため、本発明では、完全休止時間を電流中断時間の2
分の1以上と規定している。
【0016】次に、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に対し、パルス周波数を900Hz以
上とすることを特徴とするものである。本発明によれ
ば、上述のように、パルス周波数を900Hz以上に設
定することで、安定して結晶粒径が小さくなり、且つ表
面粗さが向上する(図5及び図7参照)。
【0017】次に、請求項3に記載した発明は、請求項
1又は請求項2に記載した構成に対し、被めっき体に接
触するめっき液を0.04(m/秒)以上の流速で
該被めっき体の表面に沿って流れるように流動させた状
態でパルスめっきを行うことを特徴とするものであ
る。めっき液を被めっき体の表面に沿って流動させるこ
とで、発生した水素の離散が促進されて、より水素の取
り込みが抑えられる。
【0018】そして、めっき液の流速とめっき皮膜の結
晶粒径との関係を求めたところ、0.04(m/秒)以
上の流速とすることで、安定して結晶の微細化及び上記
高エネルギー面の配向率が向上したため(図3及び図4
参照)、流速を0.04(m/秒)以上と規定してい
る。なお、流速の上限は限定されないが、めっき液の組
成や粘性、メッキ槽内のめっき液の流路などから、流動
するめっき液に被めっき体近傍で渦などの乱流が発生し
ない程度の速度に抑えることが好ましい。
【0019】次に、請求項4に記載した発明は、請求項
3に記載した構成に対し、パルス周波数を900Hz以
上とすると共に、析出格子量比率をY、パルス周波数を
X(Hz)とした場合に、下記式を満足するように、パ
ルス周波数及び電流密度を制御することを特徴とするも
のである。 Y ≦ −0.0932×ln(X) + 0.8376 このような範囲に規定することで、高温下での耐食性も
向上する(図15参照)。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る
めっき装置を示す構成図である。なお、本実施形態は、
金属めっきとしてクロムめっきを例に説明する。符号1
は、めっき電解槽1であって、軸を上下にした円筒状の
めっき槽本体2の内径面に沿ってめっき槽本体2と同軸
に円筒状の陽極板3が配置されている。上記めっき槽本
体2の中心には、陰極棒4に連通した被めっき体5が配
置されている。本実施形態では、被めっき体5の外形面
であるめっき面が円筒形状の場合とする。
【0021】図1中、符号6及び7はカラーを、符号8
はセンタポールを、符号9はセンタガイド台を表してい
る。被めっき体5と陽極板3との間にはシールド筒10
が配置されて、挿入時やめっき時に、被めっき体5が陽
極板3に干渉することを防止している。上記めっき槽本
体2の下端面は、めっき液タンク11にポンプを介して
連通して、めっき液がめっき液タンク11からめっき槽
本体2内に圧送されるようになっている。
【0022】また、上記めっき槽本体2の上端部には、
オーバーフロー槽12が連通し、そのオーバーフロー槽
12に流れ込んだめっき液が上記めっき液タンク11に
流れ、これによって、めっき液が循環する。図1中、矢
印がめっき液の流動方向を示す。上記構成のめっき電解
槽1では、めっき液が下側から上方に向けて流動し、被
めっき体5の表面に沿って平行に且つ周方向全周に一様
に流れる。
【0023】また、上記陰極棒4と陽極板3とはパルス
発振器13に接続されて、両者4,3の間に周期的にパ
ルス電流を供給可能となっている。ここで、上記めっき
液は、従来使用されているめっき液が使用される。例え
ば、めっき液を、クロム酸と硫酸及び添加剤の混合液か
ら構成し、めっき槽本体2内での浴温を75℃程度とす
る。
【0024】なお、上記めっき槽本体2に挿入する被め
っき体5は、従来と同様に、予め表面研磨及びアルカリ
脱脂などの前処理が施されている。そして、めっき液タ
ンク11内のめっき液を0.04(m/秒)以上の流速
でめっき槽本体2に送り込みつつ、パルスめっきの条件
として、ヂューティ比を0.5、周波数を1500H
z、電流密度を50A/dm2 に設定してパルス電解を
施して、膜厚15μmのクロムめっきを施す。なお、め
っき時間は約30分となる。
【0025】上記のようなめっき装置でクロムめっきを
施すと、被めっき体5に予めニッケルめっきを施してお
かなくても、クラックの無いクロムめっきを施すことが
できる。しかも、水素の取り込みも抑えられクラックの
発生が無く且つ結晶密度も高いので、膜厚を厚く設定す
ることができ、しかも、形成されためっき皮膜に光沢も
ある。
【0026】上記めっき電解槽1は、被めっき体5の表
面に沿って、周方向全周均一な速度でめっき液を流すこ
とができるので、被めっき体5のめっき面全域に亘っ
て、均一に発生した水素の離散が図られて、めっき面全
域での光沢、表面粗度、延性などが向上する。ここで、
上記実施形態では、めっき液を流動させながら電気めっ
きを行っているが、めっき液を流動させないで電気めっ
きを実施しても良い。但し、上記0.04(m/秒)の
流速でめっき液を流動させながらめっきを行った方が、
析出されたクロム層の結晶の緻密化及びを微細化を図る
ことができる。
【0027】また、本実施形態では、パスル周波数を1
500Hzとしているが、これに限定しない。900H
z以上であって、析出格子量比率が0.28以下となる
ように制御することで、安定して結晶粒子が小さくな
り、且つ、表面粗さが向上する。すなわち、緻密で均質
のめっき膜が形成され、且つ光沢が増す。次に、第2実
施形態について説明する。本実施形態の基本構成は、上
記第1実施形態と同様である。
【0028】但し、パルス周波数を900Hz以上に設
定すると共に、析出格子量比率をY、パルス周波数をX
(Hz)とした場合に、下記式を満足するように、パル
ス周波数に応じて電流密度を制御した点が異なる。 Y ≦ −0.0932×ln(X) + 0.837
6 ここで、上記析出格子量比率は、パルス周波数や電流密
度を変化させることで変化させることができる。但し、
浴温によっても変化するので、当該浴温の変動による変
動量を見込んで本願範囲となるようにパルス周波数や電
流密度を設定すればよい。
【0029】本実施形態のめっき皮膜は、当該めっき皮
膜を施した被めっき体を高温下(160℃)の環境で使
用しても、当該めっき皮膜にクラックが発生しない。つ
まり、めっき皮膜の耐食性が向上する。その他の作用効
果は、上記第1実施形態と同様である。
【0030】
【実施例】
第1実施例:「1パルス当たりの析出格子量について」 上記構成の電気めっき装置で、周波数をパラメータとし
て膜厚20μmのクロムを被めっき体5に析出させた際
の、めっき皮膜にクラックの発生の有無、及びそのとき
の析出格子量比率を計算して求めた。但し、電流密度を
175A/dm 2 と一定に設定し、また、めっき液の流
動は行っていない。
【0031】その結果を、表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】この表1から分かるように、周波数を70
0H以上に設定すれば、つまり、格子高さに対する析出
格子量の比が0.28以下になれば、膜厚が20μmと
厚く且つ下地としてニッケルめっきを施しておかなくて
も、クラックの無いクロムめっきを施せることが分か
る。なお、上記表1は、電流密度が50A/dm2 等で
あっても同様な結果を得ることを確認している。
【0034】第2実施例:「流速について」 次に示す電気めっきの条件にて、流動させるめっき液の
速度をパラメータとして、析出されたクロム層の結晶粒
径を求めてみたところ、表2に示す結果を得た。 めっき条件 周波数:1500Hz 電流密度:250A/dm2 めっき槽本体2内の浴温:75℃ 通電量:280A・分 陰極:S45C研磨材 陽極:鉛 粒径の測定条件 X線回折にて下記シェラーの式により算出 D=κ・λ/β・cosθ ここで、D:結晶粒径 λ:測定X線波長=1.5405(CuKα) β:半値幅(ラジアン) θ:回折線のブラッグ角 κ:シェラー定数=0.94 である。
【0035】
【表2】
【0036】表2に基づき流速と結晶粒径との関係を求
めてみると、図3となる。この図3から分かるように、
流速を0.04(m/秒)以上にすることで、安定して
結晶粒径を小さくすることができる。また、面配向率に
ついて求めてみたところ、図4に示す結果を得た。この
図4から分かるように、流速を0.04(m/秒)以上
に設定することで、(111)面配向率を96%以上に
することができ、クロム層が緻密化していることが分か
る。この緻密化という観点を加味すると、流速は0.0
67(m/秒)以上とすることが好ましい。
【0037】第3実施例 次に示す電気めっきの条件にて、周波数をパラメータと
して、析出されたクロム層の結晶粒径を求めてみたとこ
ろ、表3に示す結果を得た。
【0038】
【表3】
【0039】条件 周波数:330〜5000Hz 電流密度:175A/dm2 めっき槽内の浴温:75℃ 通電量:520A・分 陰極:S45C研磨材 陽極:白金 めっき液は流動させず、エア攪拌する。
【0040】粒径の測定条件 X線回折にて下記シェラーの式により算出 D=κ・λ/β・cosθ ここで、D:結晶粒径 λ:測定X線波長=1.5405(CuKα) β:半値幅(ラジアン) θ:回折線のブラッグ角 κ:シェラー定数=0.94 上記表3に基づき周波数と結晶粒径との関係を求めてみ
ると、図5となる。
【0041】この表3及び図5から分かるように、周波
数を700Hz以上とすることで、析出したクロム層の
粒径を12.3(nm)以下と制御することができる。
特に周波数を900Hz以上とすることで、安定して結
晶粒径を、約10(nm)以下にすることができること
が分かる。さらに、表面粗さについて、調べたところ、
表4に示す結果を得た。
【0042】
【表4】
【0043】なお、測定には、小坂研究所製SE350
0を使用し、測定条件をカットオフ:0.25mm、測定
長さ:1.25mm、N:5とした。上記表4に基づき表
面粗さと周波数の関係を図示すると、図6及び図7とな
る。この図6及び図7から分かるように、周波数が90
0Hz以上とすることで、下地としてのニッケルめっき
をほどこさなくても、急激に表面粗さが向上することが
分かる。
【0044】ここで、各周波数における、析出されたク
ロム層表面の状態、及びそのときのパルス波形につい
て、図8〜図11に示す。この図からも、周波数を高く
するほど表面の光沢が向上することが分かる。さらに、
(111)面配向率について調査したところ、図12に
示す結果を得た。この図12から分かるように、周波数
を700Hz以上、つまり析出格子量比率を0.28以
下にすることで、(111)面配向率を98%以上にで
きる。
【0045】さらにまた、周波数と皮膜硬さについて求
めたところ、表5に示す結果を得た。
【0046】
【表5】
【0047】測定は、アカシ製MVK−H3型微小硬さ
試験器を使用し、測定荷重245mN、N=5にて測定
したものである。図13及び図14に、表5をグラフ化
したものを示す。一般に800(Hv)以上の硬さが要
求されるが、周波数を900Hz以上とすることで、下
地としてニッケルめっきを施さなくても、要求される硬
さが確保されることが分かる。
【0048】次に、第4実施例について説明する。上記
第2実施形態(請求項4)の効果を確認すべく、図1に
示す構成の電気めっき装置を使用して、次に掲げるめっ
き条件にて被めっき体5にクロムを析出させた。このと
き、表6に示すように、各パスル周波数において、電流
密度の設定を変更することで析出格子量比率を変更して
複数の供試体(被めっき体)を作成した。
【0049】上記めっき工程終了後に、被めっき体を1
60℃で加熱した状態で1時間保持し、その後、自然冷
却させた。その後の被めっき体5のめっき皮膜について
クラック発生の有無を調査(以下、耐熱性評価試験と呼
ぶ)した。なお、浴温の温度によっても上記析出格子量
比率は変動する。その結果を、表6に併記すると共に、
図15に示す。
【0050】条件 周波数:1000〜5000Hz 電流密度:130〜300A/dm2 めっき槽内の浴温:75〜78℃ 通電量:2330A・分 陰極:S45C研磨材 陽極:鉛 めっき液の流動:0.07m/s
【0051】
【表6】
【0052】図15から分かるように、析出格子量比率
が0.28未満であって、且つ所定の境界ラインAより
も上方の領域にあっては、めっき直後に被めっき体5の
めっき皮膜にはクラック発生は無いものの、耐熱性評価
試験後において、めっき皮膜にクラックが発生している
供試体が確認できた。一方、本願請求項4に基づき、上
記境界ラインAよりも下側の領域にあっては、めっき直
後に被めっき体5のめっき皮膜にクラック発生は無く、
しかも、耐熱性評価試験後においても、めっき皮膜にク
ラックの発生が認められなかった。つまり、高温環境下
における耐食性が高いことが分かる。
【0053】そして、上記境界ラインAについて、析出
格子量比率をY、パルス周波数をX(Hz)とおくと、 Y = −0.0932×ln(X) + 0.837
6 に近似できる。このように、本願請求項4に係る発明に
基づいてめっき皮膜を形成すれば、めっき後の被めっき
体を160℃の高温環境下で使用しても、めっき皮膜に
対するクラック発生を抑えつつ高い耐食性を維持し続け
ることができることが分かる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明を採用
すると、必ずしも下地めっき処理を施さなくても、耐食
性に優れた金属めっきを施すことができるという効果が
ある。このとき、請求項2に係る発明を採用すると、安
定して結晶粒径が小さくなると共に表面粗さが向上する
結果、めっき皮膜が緻密で均一になり、且つ光沢が増す
という効果がある。
【0055】また、請求項3に係る発明を採用する場合
にあっても、安定して結晶粒径が小さくなると共に表面
粗さが向上する結果、めっき皮膜が緻密で均一になり、
且つ光沢が増すという効果がある。特に、請求項2と併
用することで、この効果が一層大きくなる。また、請求
項4に係る発明を採用すると、高温環境下における耐食
性も高くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係るめっき装置の構
成を示す概略図である。
【図2】パルス波形の説明図であり、(a)は理想的な
パルス波形を、(b)は歪が生じた状態のパルス波形の
一例を示す。
【図3】流速と結晶粒径との関係を示す図である。
【図4】流速と面配向率との関係を示す図である。
【図5】周波数と結晶粒径との関係を示す図である。
【図6】周波数と表面粗さとの関係を示す図である。
【図7】周波数と表面粗さとの関係を示す図である。
【図8】周波数が1000Hzでの状態を示すもので、
(a)が表面の状態を示す図を、(b)がパルス波形を
それぞれ示す。
【図9】周波数が900Hzでの状態を示すもので、
(a)が表面の状態を示す図を、(b)がパルス波形を
それぞれ示す。
【図10】周波数が800Hzでの状態を示すもので、
(a)が表面の状態を示す図を、(b)がパルス波形を
それぞれ示す。
【図11】周波数が700Hzでの状態を示すもので、
(a)が表面の状態を示す図を、(b)がパルス波形を
それぞれ示す。
【図12】周波数と面配向率との関係を示す図である。
【図13】周波数とヌープ硬さを示す図である。
【図14】周波数とマイクロビッカース硬さを示す図で
ある。
【図15】第4実施例における1パルス当たりの析出格
子量及び周波数と耐熱性との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 めっき電解槽 2 メッキ槽本体 3 陽極板 4 陰極棒 5 被めっき体 6、7 カラー 8 センタポール 9 センタガイド台 11 めっき液タンク 12 オーバーフロー槽 13 パルス発振器 ti パルス通電時間 tO 電流中断時間 tk 完全休止時間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−35551(JP,A) 特開 昭59−159996(JP,A) 特開2000−199095(JP,A) 特開2002−47595(JP,A) PLATING & SURFACE FINISHING,VOL.87,N O.9,P.80−82,85−87 PLATING & SURFACE FINISHING,VOL.78,N O.9,P.66−69 「第36回X線材料強度に関するシンポ ジウム講演論文集」(平成12年9月)、 第65−70頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 5/18 C25D 5/08 C25D 21/10 C25D 21/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的に通電するパルス電解にてパルス
    めっきする金属めっき方法であって、パルス電解の条件
    として、格子高さに対する1パルス当たりの析出格子量
    の比が0.28以下となるパルス周波数及び電流密度と
    し、そのパルス周波数のヂューティ比を0.5以下と
    し、パルス波形の歪により発生する完全休止時間を、電
    流中断時間の2分の1以上とすることを特徴とする金属
    めっき方法。
  2. 【請求項2】 パルス周波数を900Hz以上とするこ
    とを特徴とする請求項1に記載した金属めっき方法。
  3. 【請求項3】 被めっき体に接触するめっき液を0.
    04(m/秒)以上の流速で当該被めっき体の表面に沿
    って流れるように流動させた状態でパルスめっきを行
    うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した金
    属めっき方法。
  4. 【請求項4】 パルス周波数を900Hz以上とすると
    共に、格子高さに対する1パルス当たりの析出格子量の
    比をY、パルス周波数をX(Hz)とした場合に、下記
    式を満足するように、パルス周波数及び電流密度を制御
    することを特徴とする請求項3に記載した金属めっき方
    法。 Y ≦ −0.0932×ln(X) + 0.8376
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