JP2002167494A - 耐熱難燃性組成物 - Google Patents

耐熱難燃性組成物

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JP2002167494A
JP2002167494A JP2000365747A JP2000365747A JP2002167494A JP 2002167494 A JP2002167494 A JP 2002167494A JP 2000365747 A JP2000365747 A JP 2000365747A JP 2000365747 A JP2000365747 A JP 2000365747A JP 2002167494 A JP2002167494 A JP 2002167494A
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heat
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JP2000365747A
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Hiroshi Koyanagi
宏史 小柳
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時にハロゲン系ガスや煙等を発生せず、
かつ高度の難燃性、耐熱性を有し、成形加工性を低下さ
せることなく難燃剤を高充填したノンハロゲン耐熱難燃
性組成物を提供する. 【解決手段】 a成分の水添ブロック共重合体として知
られるスチレン系エラストマーを主成分とし、b成分の
パラフィン系オイルを添加アロイ化することによって柔
軟性、成形性を改善し、c成分のプロピレンと炭素数2
〜8のα−オレフィンとの共重合体、d成分のプロピレ
ン系熱可塑性エラストマーを添加アロイ化することによ
って耐熱性、耐傷つき性、成形性を改善し、材料単価の
低減化を実現し、e成分のエチレン−α−オレフィン共
重合体ゴムを添加アロイ化することによって成形性、柔
軟性を付与し、f成分の難燃剤を添加アロイ化すること
によって難燃性を付与し、g成分の界面活性剤を添加ア
ロイ化することによって機械強度、難燃剤の分散を向上
させる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時にハロゲン
系ガスや煙等を発生せず、かつ高度の難燃性、耐熱性を
有し、成形加工性を低下させることなく難燃剤を高充填
したノンハロゲン耐熱難燃性組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、火災時の安全性の面から、難燃電
線、難燃ケーブル、難燃プラグのノンハロゲン化、すな
わち、煙の発生が少なく、ハロゲン化水素ガスなどの有
害ガスが発生しない電線・ケーブル・プラグの開発が進
められ、最近は材料のリサイクルを含む環境保護対策の
面からも、このようなノンハロゲン化への期待が高まっ
ている。このため、ハロゲンを含まない有機ポリマーを
ベースとしたノンハロゲン難燃性組成物の開発が盛んに
行われており、その代表的なものとして、VA含有量の
高いEVA樹脂を用いたり、水酸化アルミニウムや水酸
化マグネシウムなどの金属水酸化物を多量に添加して難
燃化したものが知られている。しかしながら、このよう
な組成物はVA含有量の高いEVA樹脂を用いたり、金
属酸化物の多量の添加により、難燃性が向上する一方
で、成形外観、機械強度に乏しいという難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、燃焼
時にハロゲン系ガスや煙等を発生せず、かつ高度の難燃
性、耐熱性を有し、成形加工性を低下させることなく難
燃剤を高充填したノンハロゲン耐熱難燃性組成物を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々の研究を
進めた結果、a成分の水添ブロック共重合体として知ら
れるスチレン系エラストマーを主成分とし、b成分のパ
ラフィン系オイルを添加アロイ化することによって柔軟
性、成形性を改善し、c成分のプロピレンと炭素数2〜
8のα−オレフィンとの共重合体、d成分のプロピレン
系熱可塑性エラストマーを添加アロイ化することによっ
て耐熱性、耐傷つき性、成形性を改善し、材料単価の低
減化を実現し、e成分のエチレン−α−オレフィン共重
合体ゴムを添加アロイ化することによって成形性、柔軟
性を付与し、f成分の難燃剤を添加アロイ化することに
よって難燃性を付与し、g成分の界面活性剤を添加アロ
イ化することによって機械強度、難燃剤の分散を向上さ
せるという配合設計思想で、燃焼時にハロゲン系ガスや
煙等を発生せず、かつ高度の難燃性、耐熱性を有し、成
形加工性を低下させることなく難燃剤を高充填したノン
ハロゲン電源コード用プラグを得ることを見いだし、本
発明を完成するに至ったものである。
【0005】即ち本発明は、下記の請求項に記載の成分
a、b、c、d、e、f、gを溶融混練してペレット化
した、ノンハロゲン電源コード用プラグに好適な燃焼時
にハロゲン系ガスや煙等を発生しない耐熱難燃性組成物
を提供するものである。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体でスプリング硬度(JIS K6253) が99以下のも
の 100重量部 (b)パラフィン系オイル 5〜150重量部 (c)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体 0〜100重量部 (d)触媒を用いる多段重合法により製造された(イ)
プロピレンと炭素数3〜30のα−オレフィンとの共重
合体及び(ロ)エチレンとプロピレンとの共重合体から
なるプロピレン系熱可塑性エラストマー 0〜100重
量部 (e)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム 5〜1
00重量部 (f)難燃剤 200〜〜400重量部 (g)HLBが10以下の界面活性剤 0.1〜10重
量部 好ましくは、難燃剤が脂肪酸または脂肪酸金属塩で表面
処理された水酸化マグネシウムと表面処理されていない
金属水酸化物とを0:10〜4:6の重量比で混合した
ものであり、表面処理されていない金属水酸化物が表面
処理されていない水酸化マグネシウムであるか、表面処
理されていない水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウ
ムの混合物である前期耐熱難燃性組成物である。好まし
くは、HLBが10以下の界面活性剤が非イオン系でグ
リセリン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステ
ルである耐熱難燃性組成物である。また本発明は、上記
耐熱難燃性組成物をバッチ式混練機で充填率が70%〜
95%の範囲内で混練する耐熱難燃性組成物の製造方法
である。また本発明は、上記耐熱難燃性組成物を使用し
た電源コード用プラグである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明のa成分として用いる水添ブロック共重合
体は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られるものであり、
下記一般式で示される構造を有するビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加された
ものである。 A−(B−A)n (1≦n≦5) この水添ブロック共重合体は、水添ブロック共重合体エ
ラストマー組成物を得るために硬度99以下、好適には
90以下のものを使用する必要があるので、ビニル芳香
族化合物を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%含み、さらにブロック構造について言及すると、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする末端重合体Aが、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物
を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する
ビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物
との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに、水
素添加された共役ジエン化合物を主体とする中間重合体
ブロックBが、水素添加された共役ジエン化合物重合体
ブロック、または水素添加された共役ジエン化合物を5
0重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する水素
添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との
共重合体ブロックの構造を有するものである。また、ビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック及び水素
添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックは
それぞれが同一構造でもよく、異なる構造であっても良
い。
【0007】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また水素添加された共役ジエン化合物を構
成する水添前の共役ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン、イソプレン、2.3−ジメチル−1.3−ブタ
ジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好
ましい。さらに水添ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状或いはこれらの任意の組み合わせ
のいずれであっても良い。a成分の配合量としては、1
00重量部である。
【0008】本発明のb成分として用いるパラフィン系
オイルは、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を与
える作用を持つ必須成分である。一般にゴムの軟化、増
容、加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエク
ステンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳
香族環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組み合わさ
った混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の
50%以上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテ
ン環炭素数が30から45%のものがナフテン系、芳香
環炭素数が30%を越えるものが芳香族系とされる。本
発明の成分bとして用いられるオイルは上記区分でパラ
フィン系のものが好ましく、ナフテン系、芳香族系のも
のは分散性、溶解性の点で好ましくない。パラフィン系
ゴム用軟化剤の性状は37.8℃における動粘度はが2
0〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引
火点が170〜300℃を示す。b成分のパラフィン系
オイルの配合量は5〜150重量部であり、好ましくは
5〜100重量部である。b成分の配合量が150重量
部を越えた配合では、耐折り曲げ白化性、耐熱老化性が
低下する。
【0009】本発明の成分cとして用いるプロピレンと
炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体は、得られ
る組成物の加工性、耐熱性向上に有効であり、例えばプ
ロピレンと他の少量のα−オレフィンのランダムまたは
及びブロック共重合体、具体的にはプロピレン−エチレ
ン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロ
ピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、及びポリ4
−メチル−1−ペンテン、ポリブテン−1等があげら
れ、なかでもエチレン−プロピレンブロック共重合体が
好ましく、その中でもエチレン含有量が2〜30重量%
のものが好ましい。さらに高温老化試験、耐候性試験で
の物性の変化を抑えるために造核剤が添加されているこ
とが好ましい。このプロピレンと炭素数2〜8のα−オ
レフィンとの共重合体のメルトフローレート(ASTM-D-1
238L条件、230℃)は0.1〜60g/10min特に
0.5〜50g/10minの範囲のものが好適に使用
できる。メルトフローレートが0.1g/10min未
満では、成形時の流動性が悪化し、60g/10min
より大きいと耐熱性が低下するので好ましくない。c成
分の配合量としては、0〜100重量部であり、好まし
くは0〜60重量部である。c成分の配合量が100重
量部を越えると、柔軟性、耐折り曲げ白化性が低下す
る。
【0010】本発明で成分dとして用いるプロピレン系
熱可塑性エラストマーは、得られる組成物の加工性、耐
熱性向上、−40℃でのエアバッグ展開性、耐傷つき性
を改善し、低グロスと材料単価の低減化に有効であり、
製法については触媒を用いた多段重合法(特開平1−2
97408号公報等)が用いられる。このプロピレン系
エラストマーのメルトフローレート(ASTM−D−1
238L条件、230℃)は0.5〜40g/10mi
nが好ましく、さらには1〜30g/10minの範囲
のものがより好ましい。メルトフローレートが0.5g
/min未満では成形時の流動性が悪化し、40g/m
inを越えると耐熱性が低下するので好ましくない。d
成分の配合量としては、0〜100重量部であり、好ま
しくは0〜60重量部である。d成分の配合量が100
重量部を超えると、柔軟性、耐折り曲げ白化性が低下す
る。
【0011】本発明のe成分で用いるエチレン−α−オ
レフィン共重合体ゴムは、例えばエチレン−エチルアク
リレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルメタ
クリレート(EVA)、エチレン−プロピレン共重合体
(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)等であり、及びこれらの混合物を挙げるこ
とができる。好ましくはエチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体(EMMA)である。e成分の配合量として
は、5〜100重量部であり、好ましくは5〜60重量
部である。e成分の配合量が100重量部を超えると、
耐折り曲げ白化性、耐熱老化性が低下する。
【0012】本発明のf成分で用いる表面処理されてい
ない金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムまたは
水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの混合物であ
ることが好ましい。水酸化アルミニウムの混合量は、表
面処理されていない金属水酸化物全量に対する混合比で
1/2以下が好ましく、さらに好ましくは1/3以下で
ある。水酸化アルミニウムの混合比が1/2を超える
と、混練時の温度上昇による発泡により、成形外観が悪
化する。また表面処理された水酸化マグネシウムの表面
処理剤としては、脂肪酸または脂肪酸金属塩が用いられ
好ましくはオレイン酸等で処理されたものである。脂肪
酸または脂肪酸金属塩で処理された水酸化マグネシウム
と表面処理されていない金属水酸化物の混合比は、0:
10〜4:6であることが好ましい。混合比が4:6よ
り大きくなりと引張伸びが高くなるが、引張強度が極端
に低下する。また耐熱老化特性で強度、伸びの変化率が
大きくなり製品化できない。また金属水酸化物の平均粒
径としては5μm以下が好ましく、さらに好ましくは2
μm以下が好ましい。平均粒径が5μmを上回ると、最
終的な耐熱難燃性組成物の難燃性が不十分となるばかり
でなく、べたとき性がひどくなり、成形外観が悪くな
る.f成分の配合量としては、200〜400重量部で
あり、好ましくは250〜350重量部である。f成分
の配合量が200重量部未満では、最終的な耐熱難燃性
組成物の難燃性が不十分であり、400重量部を超える
と、成形性、成形外観が悪くなる。
【0013】本発明のg成分で用いるHLBが10以上
の界面活性剤は、主に成形性を向上させるともに、引張
破断伸びを向上させるために添加されるもので特に制限
されるものではないが、非イオン系界面活性剤のものが
好ましい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ペン
タエリスリトール脂肪酸エステル、エチレングリコール
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン、ショ糖の高次脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコールの高級アルコールまたは高級脂肪
酸の付加体(ポリエチレングリコール鎖が短いもの)、
アルキルグルコシド、アルキルマルトシド等がある。さ
らにシリコーン系のHLBが10以下である非イオン系
界面活性剤としては、特に制限されるものではなく、例
えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン類、ポ
リエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン類、ポリ
エーテル変性メチルハイドロジェンポリシロキサン類、
ジメチルポリシロキサンポリアルキレングリコール共重
合体類、メチルフェニルポリシロキサンポリアルキレン
グリコール共重合体類、メチルハイドロジェンポリシロ
キサンポリアルキレングリコール共重合体類等が上げら
れる。本発明ではこれら非イオン系界面活性剤の中から
1種または2種以上を用いることができる。
【0014】ここで用いられるHLB値は、以下の式で
算出された値である。 HLB=20×Mn/M M:界面活性剤の分子量 Mn:親水基部分の分子量 HLBが10以下、好ましくは7以下、さらに好ましく
は5以下の界面活性剤が有効に働き、添加量も少なくて
済む。この系においてHLBが10を超えると、金属水
酸化物を十分に分散できず、成形加工性、引張破断伸び
等の特性へ十分な効果を発現できない。親水性のポリオ
キシエチレン鎖等はできるだけ短くするか、または、含
まないほうが好ましい。長いポリオキシエチレン鎖があ
るとHLBが大きくなるため、金属水酸化物を分散する
能力がなく、引張破断伸びを向上することができない。
また、界面活性剤自体に、吸水性がある場合は、成形後
の吸水により機械特性や耐衝撃特性が悪化することがあ
るので、吸水性の低いまたは吸水性の無い界面活性剤を
用いるのが好ましい。また、非イオン性界面活性剤の分
子量は、300〜10000が好ましく、さらに好まし
くは分子量が500〜5000、最も好ましくは700
〜2000である。界面活性剤の分子量が300未満で
は、成形後ブリードしたり、成形温度で揮発する可能性
があることから好ましくない。また、分子量が1000
0を超えるとインテグラルブレンド時、樹脂フィラー界
面に十分に配置できず、引張破断伸びが改善されない。
以上より、ある程度の分子量を持ち、HLBが低い非イ
オン系界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、糖類などの脂肪酸エステル
等が好ましく、さらに好ましくは、グリセリン、ソルビ
タン、糖類等の高次脂肪酸エステルであり、最も好まし
くは、グリセロールモノステアレート、トリオレイン酸
ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタンである。g成
分の配合量としては、0.1〜10重量部であり、好ま
しくは0.1〜5重量部である。f成分の配合量が0.
1重量部未満では、成形加工性、引張破断伸びが十分向
上しない。また、10重量部を超えると、成形後界面活
性剤がブリードしたり、難燃性が低下するなどの不具合
を生ずる。本発明においては、界面活性剤の添加方法と
して、熱可塑性樹脂と金属水酸化物を混練時に同時に界
面活性剤をインテグラルブレンドする方法が好ましい。
これは、本発明で言及する界面活性剤を用いれば、界面
活性剤で金属水酸化物を表面処理してから樹脂に配合し
なくても、熱可塑性樹脂と金属水酸化物の混練時に界面
活性剤を同時添加すれば本発明の期待する効果が十分発
現するからである。これは、製造コストが多少高くなる
ことを無視すれば、金属水酸化物を事前に界面活性剤で
処理してから用いても、物性には差し支えない。ただ
し、この場合は、工程を1つ多く含むことからコストの
面で不利に成ることになる。HLBが10以下の界面活
性剤の添加効果については、詳細な機構は明らかではな
いが、樹脂と金属水酸化物との混練時に速やかにフィラ
ーと樹脂の界面に移行し樹脂と金属水酸化物のなじみを
よくするとともに、界面活性剤の立体障害効果等によ
り、金属水酸化物粒子同士の局所的な凝集を互いに防ぐ
ことで、全体として金属水酸化物が十分分散したため、
局所的欠陥が無くなり、非常に優れた成形加工性と引張
破断伸びをしめしたと推定される。
【0015】本発明の耐熱難燃性組成物は、以上の各成
分をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等の通常のバッ
チ式混練機を用いて均一に混合することにより、容易に
製造することができるがバッチ式混練機への原料の投入
量はバッチ式混練機の容量に対して70%〜95%の範
囲の充填率にする必要があり、好ましくは85〜95%
である。ここでいう充填率とは下記式で求められるもの
である。 充填率(%)=原料投入量(kg)/真比重/バッチ式
混練機有効容量(リットル) 充填率が70%未満または95%を超えると難燃剤の分
散が悪くなり凝集物となり外観が損なわれる。本発明の
耐熱難燃性組成物は、射出成形機を使用して電源コード
プラグができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。以下に示す実施例及び比較例において配合した
各成分は以下の通りである。 <成分a>クラレ製セプトン4033 <成分b>出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−3
80 <成分c>モンテルエスディーケーサンライズ製ジェイ
アロマーPM802A <成分d>モンテルエスディーケーサンライズ製キャタ
ロイCA1133A <成分e>住友化学製アクリフトWH102 <成分f>協和化学製キスマ5、協和化学製キスマ5B <成分g>日本油脂製エレガンN−1100
【0017】実施例1及び比較例9は表に示した配合割
合のものを加圧ニーダーで5分混練し、オープンロール
でシート状にしたものを、シートペレザイザーで粉砕
し、これを射出成形して所定の厚みに調整した。 (1)難燃性:上記テストピース(肉厚3mm)で燃焼
試験(UL1581準拠:V−0)を実施した。 (2)耐折り曲げ白化性:上記テストピースを1分間9
0°曲げて、戻したときの表面の白化性を目視にて判定
した。白化がほとんど見られないものを○、白化が激し
いものを×とした。 (1)成形性:射出成形時の離形性、成形サイクルなど
考慮して、自動成形が可能を思われるものを○、自動成
形が不可と思われるものを×とした。 (4)成形外観:成形品表面を目視にて判定した。成形
品表面が平滑なときは○、無機物の凝集物、凹凸、ブリ
ード、ブルーム等が確認されたものは×とした。 (5)耐熱老化性:老化条件136℃×168時間で熱
処理を行い処理後の引張強度と伸びを測定し常態の値か
ら残率を求める。引張強度の残率70%以上かつ伸びの
残率65%以上のものを○、それ以外のものを×とし
た。
【0018】結果を実施例1〜5および比較例1〜9に
示した。
【0019】
【表1】 1) 重量部
【0020】
【発明の効果】本発明の組成物により、燃焼時にハロゲ
ン系ガスや煙等を発生せず、かつ高度の難燃性、耐熱性
を有し、成形加工性を低下させることなく難燃剤を高充
填したノンハロゲン耐熱難燃性組成物を得ることが可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 23/08 C08L 23/08 23/16 23/16 91/00 91/00 C09K 21/02 C09K 21/02 H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B Fターム(参考) 4F070 AA08 AA16 AA32 AA63 AB08 AB11 AC14 AC15 AC43 AC92 AE07 FA17 FB06 FC03 4F071 AA12 AA13 AA15 AA20 AA67 AA75 AB18 AC10 AF47 AH12 BA01 BB05 BC07 4H028 AA10 AA12 AA42 AB04 BA03 BA06 4J002 AE05X BB07U BB08U BB14Y BB14Z BB15U BB15Z BG04U BG05U BP01W BP02Y CP035 DE076 DE147 EH048 FB086 FD02X GQ00 5E087 EE10 KK03 QQ03 RR31 RR47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)〜(g)からなる耐熱難燃性
    組成物。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
    る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
    ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
    ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
    共重合体でスプリング硬度(JIS K6253) が99以下のも
    の 100重量部 (b)パラフィン系オイル 5〜150重量部 (c)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
    共重合体 0〜100重量部 (d)触媒を用いる多段重合法により製造された(イ)
    プロピレンと炭素数3〜30のα−オレフィンとの共重
    合体及び(ロ)エチレンとプロピレンとの共重合体から
    なるプロピレン系熱可塑性エラストマー 0〜100重
    量部 (e)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム 5〜1
    00重量部 (f)難燃剤 200〜400重量部 (g)HLBが10以下の界面活性剤 0.1〜10重
    量部
  2. 【請求項2】 難燃剤が脂肪酸または脂肪酸金属塩で表
    面処理された水酸化マグネシウムと表面処理されていな
    い金属水酸化物とを0:10〜4:6の重量比で混合し
    たものである請求項1記載の耐熱難燃性組成物。
  3. 【請求項3】 表面処理されていない金属水酸化物が表
    面処理されていない水酸化マグネシウムである請求項2
    記載の耐熱難燃性組成物。
  4. 【請求項4】 表面処理されていない金属水酸化物が表
    面処理されていない水酸化マグネシウムと水酸化アルミ
    ニウムの混合物である請求項2記載の耐熱難燃性組成
    物。
  5. 【請求項5】 HLBが10以下の界面活性剤が非イオ
    ン系でグリセリン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪
    酸エステルである請求項1〜4記載の耐熱難燃性組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の耐熱難燃性組成物を
    バッチ式混練機で充填率70%〜95%の範囲内で混練
    することを特徴とする耐熱難燃性組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5記載の耐熱難燃性組成物を
    使用した電源コード用プラグ。
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