JP2002167346A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールaの製造方法

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英昭 中村
Tatsuki Matsushita
達己 松下
Toshihiro Takai
敏浩 高井
Toshiyuki Sakata
敏幸 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸とチオール化合物との存在下に、フェノール
とアセトンから得られるビスフェノールAの加熱溶融時
の着色が少なく、しかも低コストで高品質なビスフェノ
ールAの製造方法を提供するものである。 【解決手段】固体酸およびチオール化合物の存在下、フ
ェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを
製造する方法において、反応温度60〜100℃、アセ
トンに対するチオール化合物のモル比を0.01〜0.
1で反応を行い、該反応で得られた反応混合物を水の存
在下で晶析し、フェノールとビスフェノールAの付加物
結晶を得ることを特徴とするビスフェノールAの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
の製造方法に関するものである。より詳しくは、酸およ
びチオール化合物の存在下、フェノールとアセトンを反
応させてビスフェノールAを製造する方法において、加
熱溶融時の着色が少なく低コストなビスフェノールAの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA[2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン]は通常、フェノールと
アセトンとを酸触媒の存在下に反応させることにより製
造されている。反応混合物はビスフェノールAのほか
に、未反応アセトン、未反応フェノール、反応生成水お
よび他の反応副生物を含む。副生物の主な成分は、2−
(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下o,p’−BPA)であり、他
にトリスフェノール、ポリフェノール化合物、クロマン
化合物、および着色不純物等がある。
【0003】触媒として使用される酸としては、塩酸、
硫酸等の均一酸、または、陽イオン交換樹脂等の固体酸
が用いられるが、塩酸等の均一酸触媒は反応混合物中か
ら触媒を除去、または中和する工程が必要であり、操作
が煩雑となる。また、反応液中に酸が均一に溶解するこ
とから装置等の腐食をもたらし、そのため、反応装置に
高価な耐食材料を用いなければならず経済的ではない。
【0004】固体酸触媒としては、主にスルホン酸型陽
イオン交換樹脂が用いられる。固体酸触媒は均一酸触媒
のような触媒分離工程または中和工程が不要であり、ま
た装置等の腐食が少ない点で有利であるが、均一酸と比
較して活性が低い。これを改善するために、チオール基
を含有する化合物を反応系内に共存させることにより、
触媒活性および選択率が向上することが知られている。
【0005】具体的には、スルホン酸型陽イオン交換樹
脂のスルホン酸基の一部とチオール化合物を共有結合で
結合させる方法、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスル
ホン酸基の一部とチオール化合物をイオン結合で結合さ
せる方法(特公昭46−19953号)、スルホン酸型
陽イオン交換樹脂を充填した固定床反応器に原料である
フェノールおよびアセトンと共にアルキルメルカプタン
等の遊離型のチオール化合物を流通させる方法(特公昭
45−10337号)等がある。
【0006】スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン
酸基の一部にチオール化合物を共有結合させる方法は、
チオール化合物の損失が少ない、チオール化合物を回収
する必要がない等の利点がある。しかしながらこの方法
は、スルホン酸基の一部にチオール化合物を結合させる
ための工程が煩雑であり、チオール基の被毒による活性
低下が観察される。
【0007】スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン
酸基の一部とチオール化合物をイオン結合で結合させる
方法は、スルホン酸基の一部にチオール化合物を結合さ
せるための工程は簡便ではあるが、チオール基の被毒お
よびチオール化合物の脱離等による触媒活性の劣化があ
る。
【0008】一方、スルホン酸型陽イオン交換樹脂を充
填した固定床反応器に原料であるフェノールおよびアセ
トンと共にアルキルメルカプタン等の遊離型のチオール
化合物を流通させる方法は、反応系に常に一定量のチオ
ール化合物を存在させることができるため、スルホン酸
型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部に共有結合ま
たはイオン結合でチオール化合物を固定する方法と比較
して、触媒劣化がはるかに小さいという利点がある。し
かしながら上記方法は、反応混合物中のチオール化合物
濃度が高く、製品ビスフェノール中にチオール化合物由
来の硫黄化合物が混入し、ビスフェノールAの着色原因
となる恐れがある。
【0009】これを改善する方法として、反応温度60
〜100℃、フェノール/アセトン(モル比)6〜1
3、アセトン/メルカプタン(モル比)13〜25の条
件で反応させ、反応器出口の、該アルキルメルカプタン
を除く有機硫黄化合物濃度を生成したビスフェノールA
に対して3,000重量ppm以下に保持するビスフェ
ノールAの製造方法(特開2000−128817)、
および反応混合物から未反応アセトン、副生水及び助触
媒のアルキルメルカプタンを蒸留除去し、さらに過剰の
フェノールを蒸留除去した晶析原料中の有機硫黄化合物
濃度を200重量ppm以下に保持するビスフェノール
Aの製造方法(特開2000−128819)が提案さ
れている。
【0010】上記方法では、反応における転化率および
選択率は十分であるが、反応中のメルカプタン濃度が高
く、製造コストに占めるメルカプタンの原材料費が高く
なり経済的ではない。また、前記のいずれの方法も反応
混合物を蒸留し、未反応アセトンおよび生成水と共にア
ルキルメルカプタンを蒸留塔の塔頂より除去している
が、このような条件で蒸留除去できるアルキルメルカプ
タン等のチオール化合物は蒸気圧が高いためビスフェノ
ールAの製造設備外に散逸し易い。チオール化合物は一
般的に臭気が強く、ビスフェノールA製造設備外への散
逸は絶対に避けなければならない。上記のような蒸気圧
の高いチオール化合物をビスフェノールA製造設備外へ
散逸するのを防ぐためには、製造設備から発生する排ガ
ス処理設備が必要であり、また運転管理においても十分
な注意が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸とチオー
ル化合物との存在下に、フェノールとアセトンを反応さ
せてビスフェノールAを製造する方法において、十分な
触媒活性とビスフェノールA選択率を維持し、かつ加熱
溶融時の着色が少ない、低コストかつ高品質なビスフェ
ノールAの製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、ビスフェノールAの
合成反応の際に、アセトンに対するチオール化合物のモ
ル比が特定の範囲であれば、ビスフェノールAとして回
収されない化合物の量が最小となり、かつ製品中に混入
するチオール化合物由来の硫黄化合物量を低減し、高温
溶解時の着色を防ぐことができることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、固体酸およびチオール
化合物の存在下、フェノールとアセトンとを反応させて
ビスフェノールAを製造する方法において、反応温度6
0〜100℃、アセトンに対するチオール化合物のモル
比を0.01〜0.1で反応を行い、該反応で得られた
反応混合物を水の存在下で晶析し、フェノールとビスフ
ェノールAの付加物結晶を得ることを特徴とするビスフ
ェノールAの製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で原料として用いられるフ
ェノールとしては、通常入手できる工業用フェノールが
使用可能である。工業用フェノールには、クメン法また
はトルエン酸化法等で製造されたものがあり、いずれの
方法で製造されたものでも良い。一般的に、純度98%
以上のフェノールが市販されている。このような工業用
フェノールをそのままビスフェノールA合成反応に使用
しても良いが、ビスフェノールA製造工程における他の
工程で使用した後のフェノールを使用しても良い。例え
ば、反応液を冷却し、ビスフェノールAとフェノールの
付加物を生成させた後、該結晶と母液を分離した後の母
液中に含まれるフェノール、ビスフェノールAとフェノ
ールの付加物結晶を洗浄した後の洗浄排液に含まれるフ
ェノール、または、ビスフェノールAとフェノールの付
加物を熱分解して得られるフェノール等が挙げられる。
【0015】また、反応を実施する前のいずれかの段階
で、フェノールを強酸型陽イオン交換樹脂と連続式また
は回分式で、処理温度50〜120℃、接触時間5分〜
10時間で処理しても良い。さらには、フェノールを前
記のように強酸型陽イオン交換樹脂と接触処理した後、
大気圧〜10mmHgの減圧下、温度70〜200℃で
蒸留処理を行っても良い。
【0016】本発明で用いるアセトンには特に制限はな
く、通常入手できる市販の工業用アセトンが使用可能で
ある。一般的には純度99%以上のものが入手可能であ
る。
【0017】ビスフェノールAはアセトンと過剰のフェ
ノールを酸触媒の存在下に脱水縮合反応させて得ること
ができる。反応器に供給されるアセトンとフェノールの
モル比は4〜20、好ましくは6〜15である。アセト
ンに対するフェノールのモル比が4以上であれば不純物
の生成が少なくなる。また、モル比が20以下であれ
ば、未反応のフェノールの循環量が少なくなるので、反
応器および晶析器等の機器が小さくなり、また循環に要
する動力、加熱および冷却に要するエネルギー等が低減
され経済的である。
【0018】本発明のビスフェノールAを製造する触媒
については固体酸触媒であれば特に制限はないが、入手
が容易で長期間活性が安定しているスルホン酸型強酸性
イオン交換樹脂が好ましい。スルホン酸型強酸性イオン
交換樹脂としては特に制限は無いが、架橋度が2〜8%
のゲル型イオン交換樹脂が活性および選択率が高いので
好ましい。
【0019】反応器の形式としては、固定床、懸濁床ま
たは流動床等、いずれの形式でも良いが、反応混合物と
触媒の分離が容易な固定床型反応器が好ましい。
【0020】反応温度は50〜100℃、好ましくは6
0〜90℃である。反応温度が50℃未満であると生成
したビスフェノールAが析出し、100℃以上であると
回収不能な不純物の副生が増加し製造コストが増大す
る。
【0021】上記固体酸触媒の活性を向上させるため
に、反応器にチオール化合物を供給する。チオール化合
物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタ
ン、プロピルメルカプタンおよびブチルメルカプタン等
のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸および3
−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸
類、メルカプトメタノール、2−メルカプトエタノー
ル、3−メルカプトプロパノール等のメルカプトアルコ
ール類またはチオフェノール等のいずれも用いることが
できるが、0.101MPaにおける沸点が100℃以
上のチオール化合物が臭気が比較的少なく好ましい。こ
れらチオール化合物の中でも、チオグリコール酸、3−
メルカプトプロピオン酸および2−メルカプトエタノー
ルが容易に入手でき、経済的である。
【0022】チオール化合物はアセトンに対するモル比
で0.01〜0.1、好ましくは0.01〜0.06、
さらに好ましくは0.01以上0.4未満となるように
反応器に供給する。アセトンに対するチオール化合物の
モル比が0.01未満であると触媒活性が十分でなく、
また、異性化やアルカリ開裂等で回収されないクロマン
化合物等の副生物が増加し、ビスフェノールAの収率が
低下する。また、アセトンに対するチオール化合物のモ
ル比が0.1より大きくても、触媒活性の向上効果およ
びビスフェノールA選択率向上効果はわずかであり、チ
オール化合物のロスが増大する。さらには、製品ビスフ
ェノールA中に混入するチオール化合物由来の硫黄化合
物量が増加し品質に悪影響をもたらす。
【0023】上記のような条件で得られた反応混合物か
ら触媒を分離し、さらに、触媒分離後の反応混合物を晶
析し、ビスフェノールAとフェノールの付加物であるア
ダクト結晶を生成させる。アダクト結晶を生成させる際
に反応混合物中に水が存在していると、アダクト結晶中
のチオール化合物量が低減されるので好ましい。水はフ
ェノールとアセトンとの反応で生成する水を反応混合物
から除去せずに使用しても良い。また、反応混合物を晶
析する前に、反応混合物に添加しても良いし、晶析器に
直接水を添加しても良い。また、その他アダクト結晶を
生成させる前に、未反応アセトン、水およびフェノール
の一部を蒸留等により除去しても良いが、この場合は、
晶析器に導入する前の反応混合物に、または晶析器に直
接水を添加すればよい。
【0024】要するに、これら晶析に際して如何なる方
法を採ろうとも、反応混合物を晶析してフェノールとビ
スフェノールAの付加物であるアダクト結晶を得るに際
しては、水の存在下に晶析することを必須とするもので
ある。
【0025】しかして、晶析における水の濃度は0.3
重量%〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、
さらに好ましくは0.7〜5重量%である。水の濃度が
0.3重量%未満であるとアダクト結晶中のチオール化
合物由来の硫黄化合物量を低減する効果が十分でなく、
20重量%を超えるとフェノールに対するビスフェノー
ルAの溶解度が大きくなり、アダクト結晶の回収率が低
下する。
【0026】このようにして得られたアダクト結晶は分
離され、さらにアダクト結晶からフェノールを除去して
ビスフェノールAが得られる。このビスフェノールAは
チオール化合物由来の硫黄含有量が少なく、加熱溶融時
の着色が少ない高品質なビスフェノールAである。ま
た、本発明によるビスフェノールAの製造方法は、ビス
フェノールA生産時のチオール化合物の使用量を少なく
でき、かつ高転化率、高選択率で反応を実施することが
でき経済的である。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下の実施例では異性体であるop’−B
PAは異性化やアルカリ開裂反応等で回収できるので、
このop’−BPAとビスフェノールAを足し合わせて
回収可能有価物とした。
【0028】本願における着色が少なく品質が良好なビ
スフェノールAのAPHAの目安を30以下とした。な
お、溶融ビスフェノールAの測定は以下の方法で実施し
た。
【0029】内径22mmの比色管にビスフェノールA
110gを仕込み、175℃に加熱したアルミニウムブ
ロックバスにより窒素雰囲気下で溶解し、完全に溶解し
てから2.5h後の色相をAPHA標準液と比較し測定
した。
【0030】実施例1 内径50mm、高さ500mmの反応器に架橋度2%の
スルホン酸型陽イオン交換樹脂を充填し、フェノール/
アセトン(モル比)=12、チオール化合物として3−
メルカプトプロピオン酸(以下、3−MPAと略記す
る)を3−MPA/アセトン(モル比)=0.033、
水濃度0.1wt%である原料を、反応温度75℃、L
HSV=0.75h-1で通液した。このときのアセトン
転化率は90%であり、回収可能有価物の選択率は9
7.4%であった。得られた反応液の水濃度は1.2%
であり、この反応液をそのまま43℃に冷却し、アダク
ト結晶を析出させた。さらに、固液分離を行い、得られ
たアダクト結晶をフェノールで溶解後再結晶し、得られ
たアダクト結晶を薄膜蒸発器により、温度200℃、真
空度2Torrでフェノールを除去してビスフェノールAを
得た。得られたビスフェノールAを175℃で溶融し、
2.5時間経過した時点で色相を測定したところ、25
APHAであった。
【0031】実施例2 3−MPA/アセトン(モル比)を0.015とした他
は実施例1と同様にしてビスフェノールAを製造した。
このときのアセトン転化率は78%、回収可能有価物の
選択率は97.0%であり、反応混合物の水濃度は1.
0wt%であった。得られたビスフェノールAを実施例1
と同様にして色相の測定を行ったところ、25APHAであ
った。
【0032】実施例3 3−MPA/アセトン(モル比)を0.08とした他は
実施例1と同様にしてビスフェノールAを製造した。こ
のときのアセトン転化率は92%であり、回収可能有価
物の選択率は97.5%であり、反応混合物の水濃度は
1.2wt%であった。得られたビスフェノールAを実施
例1と同様にして色相の測定を行ったところ、30APHA
であった。
【0033】比較例1 3−MPA/アセトン(モル比)を0.15とした他は
実施例1と同様にしてビスフェノールAを製造した。こ
のときのアセトン転化率は93%であり、回収可能有価
物の選択率は97.5%であり、反応混合物の水濃度は
1.2wt%であった。得られたビスフェノールAを実施
例1と同様にして色相の測定を行ったところ、45APHA
であった。3−MPAの添加量を増加したのにもかかわ
らず、実施例3と比較してアセトン転化率および回収可
能有価物選択率の向上はほとんど認められなく、得られ
たビスフェノールAの色相が悪化することがわかる。
【0034】比較例2 3−MPA/アセトン(モル比)を0.005とした他
は実施例1と同様にしてビスフェノールAを製造した。
このときのアセトン転化率は60%であり、回収可能有
価物の選択率は95.5%であり、反応混合物の水濃度
は1.2wt%であった。得られたビスフェノールAを実
施例1と同様にして色相の測定を行ったところ、25AP
HAであった。ビスフェノールAの色相には問題無いが、
転化率および回収可能有価物の選択率は大幅に低下し
た。
【0035】比較例3 実施例1と同様に反応を行い、得られた反応混合物から
大気圧下、185℃で水および未反応アセトンを除去し
た(この時の水濃度は800wtppmであった。)
後、43℃に冷却してアダクト結晶を析出させた以外は
実施例1と同様にしてビスフェノールAを得た。得られ
たビスフェノールAを実施例1と同様にして色相の測定
を行ったところ、35APHAであった。
【0036】実施例4 反応混合物から水および未反応アセトンの除去後、アダ
クト結晶を析出させる前に、水濃度が1.2%になるよ
うに反応混合物に水を添加した他は比較例3と同様にし
てビスフェノールAを得た。得られたビスフェノールA
を実施例1と同様にして色相の測定を行ったところ、2
5APHAであった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、加熱溶融時の着色の少
ない高品質なビスフェノールAが得られ、しかも高転化
率かつ高選択率で経済的なビスフェノールAの製造方法
を提供することができ、産業上優位である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 敏浩 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 坂田 敏幸 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC42 AD15 BA52 BA68 BA72 BC10 BC11 BC31 FC52 FE13 4H039 CA60 CG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体酸およびチオール化合物の存在下、フ
    ェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを
    製造する方法において、反応温度60〜100℃、アセ
    トンに対するチオール化合物のモル比を0.01〜0.
    1で反応を行い、該反応で得られた反応混合物を水の存
    在下で晶析し、フェノールとビスフェノールAの付加物
    結晶を得ることを特徴とするビスフェノールAの製造方
    法。
  2. 【請求項2】チオール化合物が、0.101MPaにお
    ける沸点が100℃以上である請求項1記載のビスフェ
    ノールAの製造方法。
  3. 【請求項3】チオール化合物が、3−メルカプトプロピ
    オン酸、チオグリコール酸および2−メルカプトエタノ
    ールから選ばれる1種以上である請求項2記載のビスフ
    ェノールAの製造方法。
  4. 【請求項4】晶析における水濃度が0.3〜20重量%
    である請求項1記載のビスフェノールAの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004085357A1 (ja) * 2003-03-27 2006-06-29 三井化学株式会社 ビスフェノールaの製造方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004085357A1 (ja) * 2003-03-27 2006-06-29 三井化学株式会社 ビスフェノールaの製造方法
JP4652229B2 (ja) * 2003-03-27 2011-03-16 三井化学株式会社 ビスフェノールaの製造方法

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