JP2002165581A - 茹で卵の製造方法 - Google Patents

茹で卵の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】硫化黒変がなく、凝固卵白がソフトで卵黄の凝
固程度を好みに応じて調節できる茹で卵の製造方法を提
供すること。 【解決手段】茹で卵の製造方法において、加熱条件が少
なくとも第一段階目の加熱温度T(℃)が93≦T
110、かつ、加熱時間m1(分)が60/(T−8
3)<m1<145/(T−83)であり、第二段階目
の加熱温度T2(℃)が60≦T2≦90、かつ、加熱時
間m2(分)が5≦m2≦20とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫化黒変がなく、
凝固卵白が柔らかく、卵黄の凝固程度を好みに応じ調節
できる茹で卵の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】卵は、栄養価が高く、古くから親しまれ
ている食品であり、特に茹で卵は手軽に卵を食べる手段
として親しまれている。茹で卵と一言で言っても様々な
状態の卵、例えば、温泉卵、半熟茹で卵、完熟茹で卵等
があり、人の好みも様々である。しかし、茹で卵は加熱
管理が難しく、加熱し過ぎると卵白の硫黄分が析出し、
卵黄の鉄分と反応して、卵白と接している卵黄表面の一
部に硫化黒変が発生し、更に進むと、卵黄の表面全体に
硫化黒変が発生する。また、加熱により卵内部が膨張し
殻が割れてしまうこともある。そして、卵黄が流動性の
ある状態から、完全に凝固してほぐれ易い状態等、ある
一定の好みの状態に調節した茹で卵を作ることは難し
く、特に、工業的に大量に生産するには、加熱管理がさ
らに難しくなる。一方、工業的に大量生産するには、機
械による殻剥き工程があり、卵白の凝固具合も調節する
必要がある。凝固卵白が硬くなる程、機械による殻剥き
はし易くなるものの、食感が硬く感じられる傾向とな
り、特に、工業製品の場合には、消費者が食するまでに
時間を要し、調味液等の影響を受けて、凝固卵白がさら
に硬化し、硬く感じられる場合がある。そこで、作りた
てのようにソフトな食感の凝固卵白の茹で卵が求められ
ている。しかしながら、凝固卵白が柔らかすぎると手で
殻を剥くことは可能であっても、機械では卵白部が割れ
たりしてきれいには剥けないので、ソフトな食感で、か
つ機械剥きに可能な適度な硬さの凝固卵白に調節できる
ことが必要とされる。また、卵中にサルモネラが内在し
ていた場合に、卵黄が半熟状態の茹で卵であると、サル
モネラ陽性となり、食中毒の原因となる恐れがあった。
卵内部の膨張による割れを防ぐ茹で卵の製造方法とし
て、特開平11−253133には、1kg/cm2以上加
圧下で95〜101℃で5〜7分間蒸気加熱後、100
℃以下で15分間蒸気加熱する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法(特開平11−253133)で得られた茹で卵
は、卵の殻が割れてしまったり、卵の殻がきれいに剥け
ないことは解決しているが、硫化黒変が卵黄の表面に生
じる場合がある。そこで、本発明は、卵黄の表面部に発
生する硫化黒変を防止し、大量生産による機械の殻剥き
ができ、しかもソフトな凝固卵白であり、加熱された卵
黄が流動性のある状態から、凝固してほぐれやすい状態
まで好みに応じて調節することができ、また、殻付生卵
の状態でサルモネラが内在していたとしても、卵黄が流
動性のある状態でも、サルモネラ陰性である茹で卵を製
造することができる方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するために種々検討した結果本発明に到達した。す
なわち、本発明は、(1)茹で卵の製造方法において、
加熱条件が少なくとも、第一段階目の加熱温度T
(℃)が93≦T≦110、かつ、加熱時間m
1(分)が60/(T−83)<m1<145/(T
83)であり、第二段階目の加熱温度T2(℃)が60≦
T2≦90、かつ、加熱時間m2(分)が5≦m2≦20であ
ることを特徴とする茹で卵の製造方法、(2)第一段階
目の加熱と第二段階目の加熱の間に、冷却工程を含む
(1)記載の茹で卵の製造方法、(3)茹で卵の加熱に
使用する熱媒体が水である(1)又は(2)記載の茹で
卵の製造方法、を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳述する。なお、本発明に
おいて「%」は「質量%」を意味する。本発明におい
て、茹で卵とは、卵白が熱変性により凝固し、殻剥き後
でも卵の形を保つものをいう。卵白は殻を剥くことがで
きる程度に凝固していればよく、卵黄の凝固具合は問わ
ない。卵黄は流動性のある液状から凝固してほぐれやす
い状態にまで、加熱されているものを含むものである。
なお、本発明の製造方法により得られる茹で卵の卵白の
硬さとしては、特に限定はないが、ゲル強度80g以上
程度であるとより望ましい。ゲル強度が80g以上程度
であると、茹で卵の機械による殻剥きがよりし易くな
る。また、卵白の硬さは、ゲル強度115g以下程度で
あるとより望ましい。ゲル強度が115g以下程度であ
ると、卵白がソフトに感じられ、美味しいからである。
ただし、ここで茹で卵のゲル強度は、茹で卵の鋭端部を
30mmカットし、不動工業(株)製レオメーターにて
直径5mmの球形プランジャーを用いて、上昇速度6c
m/分で、卵白を5mm押したときにプランジャーにか
かる荷重を測定したものである。
【0006】発明の実施に当たって、まず、殻付き生卵
を用意する。殻付き生卵は必要に応じ、卵殻表面に付着
した糞等を除去するために卵殻表面を洗浄するとよい。
次に、第一段階目の加熱として、殻付き生卵を、加熱温
度T(℃)が93≦T ≦110の条件で加熱する。後
記の試験例で詳しく述べるが、95≦T≦108であ
るとより望ましい。93℃より低い温度であると、卵白
の熱変性による凝固が充分でなく、卵殻に卵白が付着し
たり、殻剥きするときに卵白に傷がつきやすくなり、1
10℃より高い温度であると、卵黄の周辺部に硫化黒変
が発生し易くなるからである。そして、加熱時間m
1(分)が、60/(T−83)<m1<145/(T
−83)となるような条件下で加熱する。m1が長すぎる
と卵黄まで熱がかかり卵黄周辺部に硫化黒変が発生し易
くなり、m1が短かすぎると卵白の熱変性による凝固が充
分でない場合があるからである。
【0007】第二段階目の加熱として、第一段階目の加
熱を終えた殻付き卵を、加熱温度T2(℃)が60≦T2
90で加熱する。このとき60℃より低い温度である
と、卵黄中心部に充分熱が伝わらず、サルモネラが内在
する卵の場合、サルモネラ陽性となる場合がある。ま
た、90℃より高い温度であると、硫化黒変が発生する
場合がある。そして、加熱時間m2(分)が5≦m2≦20
となるように加熱を行う。加熱時間m2が5分より短い
と、卵黄中心部まで充分熱が伝わらず、サルモネラが内
在する卵の場合、サルモネラ陽性となる場合があり、2
0分より長いと卵白に熱がかかりすぎ、硫化黒変が発生
する場合がある。なお、第二段階目の加熱における加熱
温度T2(℃)と加熱時間m2は、温度が高くなると、気に
するほどではないが硫化黒変が若干生じる場合があるの
で、60≦T2<70の場合5≦m2≦20、70≦T2<8
0の場合5≦m2≦15、80≦T2≦90の場合5≦m2
10であるとより望ましい。第二段階目の加熱条件によ
り卵黄の状態を調節することができ、温度と時間による
加熱量が少ない場合には、卵黄が流動性のある状態であ
り、加熱量が多くなるに従って、粘度が上昇し、糊状か
ら、しっとりとした練餡状態、そして、卵黄蛋白が凝固
して球状蛋白となったほぐれやすい状態等の茹で卵を得
ることができる。また、本発明における茹で卵の製造方
法によれば、卵黄の色は、加熱の度合いによって生の状
態の黄色から、少し赤みがかったような鮮やかなオレン
ジ色等にすることができる。そして、得られた茹で卵
は、硫化黒変がなく、卵白は柔らかいながらも殻剥きが
よいものである。また、サルモネラが内在している殻付
生卵を使用したとしても、卵黄が流動性のある状態で
も、本発明の製造方法により得られる茹で卵は、サルモ
ネラ陰性の茹で卵を確実に調製することができる。
【0008】第一段階目と第二段階目の加熱の間で、一
度茹で卵を冷却するとより望ましい。卵黄の中心部の温
度が60℃以下となればよい。茹で卵を冷却することに
よって、茹で卵が余熱で凝固するのを防ぎ、第二段階目
の加熱で卵黄の状態を調節し易くなるからである。茹で
卵の冷却の方法は、冷蔵庫による冷却でもよいが、冷却
効率の点から水冷が望ましい。水冷の方法としては、冷
水に浸漬、冷水のシャワーなどがある。水冷時の水の温
度は、冷却効率から考えると、0℃以上30℃以下で、
30秒以上30分以下程度が望ましく、生産効率から考
えると0℃以上15℃以下で、30秒以上10分間以下
がより望ましい。
【0009】本発明の茹で卵の加熱に用いる熱媒体は、
水が望ましい。水は、容易に入手することができ、温度
管理が容易で、扱いやすく、水による加熱であると、茹
で卵が安定して製造することができる。具体的な加熱方
法としては、湯中加熱、蒸気加熱、シャワー式加熱が望
ましい。
【0010】茹で卵は、加熱温度を二段階以上に分けず
に長時間茹でると、卵黄の表面部に硫化黒変を生じ、卵
白は硬くなってしまう場合があり、逆に短時間である
と、卵白が柔らかすぎて殻剥きがしにくくなり、サルモ
ネラが内在していた卵の場合、卵黄の中心まで熱が伝わ
らずサルモネラ陽性となる可能性がある。しかし、本発
明の製造方法により得られる茹で卵は、加熱を二段階以
上に分けることによって、硫化黒変がなく、しかも、卵
白が柔らかいながらも殻剥けがよい茹で卵を安定して製
造することができ、さらには、卵黄を流動性のある状態
から、ほぐれやすい状態まで調節することができ、サル
モネラ陰性である。なお、本発明の茹で卵の製造方法に
おいては、加熱温度を高温から低温に多段階にわけて行
うことで卵白と卵黄を別々に凝固させることができるた
め、加熱温度のT、T2は、第一段階目と第二段階目の
それぞれの加熱温度の範囲で、温度を変化させてもよ
い。本発明の製造方法によって得られる茹で卵は、卵黄
の色が鮮やかで、硫化黒変がなく凝固した卵白がソフト
であるので、卵黄の色が引き立つ卵スプレッドやラーメ
ンなどの具材として好適である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例と試験例を述べる。 実施例1 殻付き生卵(MSサイズ)1920個用意した。殻付き
生卵を95℃の熱湯槽に10分間入れて第一段階目の湯
中加熱を行った。次いで、80℃の熱湯槽に移して8.
5分間の湯中加熱し第二段階目の加熱を行った。最後に
茹であがった卵を4℃の冷水にて冷却し、本発明の製造
方法による茹で卵を得た。得られた茹で卵は、卵白は柔
らかくて食感がよく、そして殻剥けもよく、硫化黒変も
発生しておらず、卵黄は、外側がしっとりとした練餡
状、中心部が粘りのある糊状、卵黄の色は少し赤みがか
った色鮮やかなオレンジ色の茹で卵であった。
【0012】実施例2 殻付き生卵(MSサイズ)5760個を108℃(圧力
0.6kg/cm2)のスチームにて5分間第一段階目の
蒸気加熱を行い、その後4℃の冷水に3分間浸漬し、茹
で卵の卵黄の温度が55℃となるまで冷却を行った。次
いで、80℃のスチームにて15分間第二段階目の蒸気
加熱を行い、最後に茹であがった卵を4℃の冷水にて冷
却し、本発明の製造方法による茹で卵を得た。得られた
茹で卵は、卵白は柔らかくて食感がよく、そして、殻剥
けもよく、硫化黒変も発生しておらず、また、卵黄は、
外側がほぐれ易く中心部がしっとりした練餡状態で、卵
黄の中心部の色調は生の状態と変わらないくらい鮮やか
な黄色を呈す茹で卵であった。
【0013】実施例3 殻付き生卵(MSサイズ)5760個を93℃の熱湯槽
に入れて10分間第一段階目の湯中加熱を行い、その後
4℃の冷水に3分間浸漬し、茹で卵の卵黄の温度が50
℃になるまで冷却を行った。次いで、60℃の熱湯槽に
入れ、15分間第二段階目の湯中加熱を行い、最後に茹
であがった卵を4℃の冷水にて冷却し、本発明の製造方
法による茹で卵を得た。得られた茹で卵は、卵白は柔ら
かくて食感がよく、そして殻剥けもよく、卵黄は、糊状
であり、卵黄の色は生の黄色より明るい黄色であった。
【0014】実施例4 殻付き生卵(MSサイズ)5760個を108℃(圧力
0.6kg/cm2)のスチームで5分間蒸気加熱後、9
5℃のスチームで1分間蒸気加熱し、第一段階目の加熱
を行った。次いで、80℃の熱湯槽に入れ、15分間第
二段階目の湯中加熱を行った。最後に茹であがった卵を
4℃の冷水シャワーで5分間冷却し、本発明の製造方法
による茹で卵を得た。得られた茹で卵は、卵白は柔らか
くて食感がよく、そして殻剥けもよく、卵黄は、ほぐれ
易い状態であり、硫化黒変も全く発生していない茹で卵
であった。
【0015】試験例1 殻付き生卵を用意し、第一段階目と、第二段階目の加熱
温度と、加熱時間を表1の通りにし、茹で卵(1)〜(1
0)を1000個ずつ調製した。このときの加熱方法は
熱水によるものであり、加熱後は4℃の冷水にて冷却し
たものである。なお、茹で卵(9)の加熱条件は先行技
術(特開平11−253133)にならって圧力をかけ
たものであり、茹で卵(6)(7)(8)は、一段階目の
加熱時に108℃、110℃、115℃の温度にするた
めに必要な圧力をかけ、一段階目と二段階目の加熱の間
に4℃の冷水に3分間浸漬し、冷却したものである。 <判定方法>硫化黒変は、茹で卵の硫化黒変の程度によ
って目視判定した。ゲル強度は、茹で卵の鋭端部を30
mmカットし、不動工業(株)製レオメーターにて直径
5mmの球形プランジャーを用いて、上昇速度6cm/
分に設定し、卵白を5mm押したときのプランジャーに
かかる荷重を測定したものである。剥けやすさについて
は、殻剥き機にて、茹で卵の殻を剥くときに茹で卵の卵
白が剥げたり、傷ついたりすることなく、きれいに殻を
剥くことができた割合を調べたものである。食感につい
ては、よく訓練された10名のパネラーに茹で卵を試食
してもらい、比較した10個の茹で卵のうち柔らかくて
おいしいと感じたものに印をつけ、各茹で卵についた印
の数によってA、B、Cと評価したものである。
【0016】
【表1】
【0017】注)表中の記号は以下の通りである。 硫化黒変 A 卵黄に硫化黒変がみられない B 卵黄の表面部の1/3程度に硫化黒変がみられる C 卵黄の表面部の半分程度に硫化黒変がみられる 剥けやすさ A 95%以上、B 90%以上95%未満、C 90%未満 食感 A 10〜9票、B 8〜6票、C 5票以下
【0018】表1より、加熱方法を二段階に分けない製
造方法による茹で卵(1)と(2)の場合、剥け易くなる
と硫化黒変ができ、硫化黒変の発生を抑えるために加熱
温度を下げると剥け難くなることが理解できる。第二段
階目の加熱温度が90℃を越える製造方法による茹で卵
(9)は、剥けやすさは非常によいものの、硫化黒変が
発生し、食感も柔らかくておいしいと感じる人は少ない
ことが理解できる。第一段階目の加熱が93℃より低
く、第二段階目の加熱が90℃を越える製造方法による
茹で卵(10)は、剥けやすさは非常によいものの、硫化
黒変が発生してしまうことが理解できる。第一段階目の
加熱温度が93℃より低い製造方法による茹で卵(3)
は剥け難くなり、第一段階目の加熱温度が110℃を越
える製造方法による茹で卵(8)は食感が柔らかくてお
いしいと感じる人が少ないことが理解できる。これに対
し、第一段階目の加熱温度T(℃)が93≦T≦11
0、かつ、加熱時間m1(分)が60/(T−83)<m
1<145/(T−83)であり、第二段階目の加熱温
度T2(℃)が60≦T2≦90、かつ、加熱時間m2(分)
が5≦m2≦20という本発明の製造方法により得られる
茹で卵(4)(5)(6)(7)は、硫化黒変の発生も少な
く、殻が剥けやすく、卵白が柔らかくておいしい茹で卵
であることがわかる。さらに、表にはあらわれていない
が、第一段階の加熱温度T(℃)の条件が95≦T
108である製造方法により得られる茹で卵(5)と
(6)は、特に、剥けやすいながらも硫化黒変の発生が
抑えられ、食感が柔らかくておいしいと感じる人が多い
ものであった。
【0019】試験例2 殻付き生卵を準備し、サルモネラ・エンテリティディス
(S.E.)を殻付き生卵の卵黄内に人工的に接種した。
接種は、殻付き生卵にドリル直径1mmの穴を開け、殻
付き生卵1個当たり2.3×106/mlのS.E.懸濁
液を注射器で1ml注入した。接種した生卵は、アルコ
ールで殺菌した後、セメダインで封をした。接種した殻
付き生卵を10℃で5日間保管後、以下の条件にて茹で
卵を調整した。
【0020】接種した殻付き生卵を、第一段階目、第二
段階目の加熱温度、及び加熱時間を表の通りにし、茹で
卵A、B、Cを調製した。このときの加熱方法は熱水に
よるものであり、加熱後は4℃の冷水にて冷却したもの
である。それぞれの製造方法により得られた茹で卵A、
B、Cについてのサルモネラの消長について確認試験を
行った。その確認方法は、公定法に基づいて、それぞれ
の加熱処理を施した殻付き卵4個ずつを一個のグループ
として、ストマッカー袋に、卵殻を除いた中身を入れ、
ストマッカー処理を行った後、そのうち25gのサンプ
リングをした。その後、常法により、EEM培地とラバ
ポート培地による増菌を行い、XLD培地による画線に
より行った。+はS.E.陽性、−は陰性である。
【0021】
【表2】
【0022】表2より、二段階の加熱条件であっても、
第一段階目の加熱温度が低すぎたり、第二段階目の加熱
時間が少ない製造方法により得られる茹で卵A、及び、
二段階に加熱を分けない製造方法により得られる茹で卵
Bは、サルモネラ陽性であることが理解できる。本発明
の製造方法により得られる茹で卵Cは、流動性のある卵
黄を保ちつつ、サルモネラ陰性にすることができ、安全
な茹で卵であることが理解できる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製法により
得られる茹で卵は、卵黄の表面部に硫化黒変が発生せ
ず、卵白が柔らかいながらも殻剥けがよく、卵黄の凝固
状態を調節することができ、また、卵黄が流動性のある
状態であるときに心配されているサルモネラが陰性であ
る茹で卵を製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】茹で卵の製造方法において、加熱条件が少
    なくとも、第一段階目の加熱温度T(℃)が93≦T
    ≦110、かつ、加熱時間m1(分)が60/(T−8
    3)<m1<145/(T−83)であり、第二段階目
    の加熱温度T2(℃)が60≦T2≦90、かつ、加熱時間
    m2(分)が5≦m2≦20であることを特徴とする茹で卵
    の製造方法。
  2. 【請求項2】第一段階目の加熱と第二段階目の加熱の間
    に、冷却工程を含む請求項1記載の茹で卵の製造方法。
  3. 【請求項3】茹で卵の加熱に使用する熱媒体が水である
    請求項1又は請求項2記載の茹で卵の製造方法。
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