JP2002164187A - 無電極放電ランプ点灯装置および流体処理装置 - Google Patents

無電極放電ランプ点灯装置および流体処理装置

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JP2002164187A JP2000356938A JP2000356938A JP2002164187A JP 2002164187 A JP2002164187 A JP 2002164187A JP 2000356938 A JP2000356938 A JP 2000356938A JP 2000356938 A JP2000356938 A JP 2000356938A JP 2002164187 A JP2002164187 A JP 2002164187A
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洋幸 土井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無電極放電ランプに近接してインピーダンス整
合回路を配設する必要が無く、したがってコストダウン
を図れる無電極放電ランプ点灯装置およびこれを用いた
流体処理装置を提供する。 【解決手段】無電極放電ランプ1、励起コイル2、励起
コイル2に一端を接続した平衡電力伝送路5、平衡電力
伝送路5の他端に接続した共振回路6、共振回路6を介
して平衡電力伝送路5に接続した不平衡電力伝送路7、
および不平衡電力伝送路7の他端に接続した高周波電源
8を具備している。不平衡電力伝送路5の長さは、動作
周波数における波長の1/10以下の長さであれば、伝
送損失が少なくて済む。平衡電力伝送路5を一対の第1
の同軸ケーブル5a、5bにより構成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離間した高周波電源
から高周波電力の供給を受けるのに好適で取扱いの容易
な無電極放電ランプ点灯装置およびこれを用いた流体処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−310291号公報には、高
周波電源と電球形の無電極放電ランプとを離間してその
間を同軸ケーブルで接続するとともに、同軸ケーブルの
両端にそれぞれインピーダンス整合回路を設け、無電極
ランプ側のインピーダンス整合回路を負荷側ユニットに
収納した無電極放電ランプ点灯装置がその図4および関
連記述に示されている(従来技術1)。
【0003】従来技術1には、同軸ケーブルの両端に2
個のインピーダンス整合回路を用いることにより、負荷
側ユニットと電源側ユニットとを別個にインピーダンス
整合の調整を行えるようにできる旨記載されている。
【0004】一方、近時細長い放電容器を備えた無電極
放電ランプを水などの被処理流体中に浸漬して、したが
って内照形の構成によって、流体の殺菌などの処理が行
われている。(従来技術2) この目的に用いられる無
電極放電ランプ点灯装置は、以下の構成を備えている。
すなわち、高周波電源を陸上の被処理流体から離間した
位置に設置する。第1のインピーダンス整合回路を処理
槽に近接した位置に設置する。処理槽中に液密構造の灯
器を浸漬する。灯器内には、無電極放電ランプを第2の
インピーダンス整合回路とともに収納している。なお、
灯器内で第2のインピーダンス整合回路は、無電極放電
ランプの励起コイルに接続している。そして、高周波電
源の出力端と第1のインピーダンス整合回路との間を第
1の同軸ケーブルにより接続する。第1のインピーダン
ス整合回路と灯器内の第2のインピーダンス整合回路と
の間を防水構造の第2の同軸ケーブルにより接続してい
る。
【0005】そうして、従来技術2によれば、第2のイ
ンピーダンス整合回路を灯器内に収納したことにより、
第1のインピーダンス整合回路と無電極放電ランプとの
位置関係にかかわらず、励起コイルのインピーダンスが
配線の影響を受けないで整合を良好にとることができる
ようになった。なお、従来技術1においては、インピー
ダンス整合回路を負荷側ユニットに収納する旨述べられ
ているが、インピーダンス整合回路と無電極放電ランプ
との具体的位置関係および構造については開示がなく、
従来技術1を適用しても励起コイルのインピーダンスが
配線の影響を受けるという問題を解決することができな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術2
においては、第2のインピーダンス整合回路を無電極放
電ランプと一緒に液密構造の灯器に収納するため、第2
のインピーダンス整合回路は、無電極放電ランプが点灯
により発生する熱による高温に曝され、その寿命確保が
困難であった。これに加えて、無電極放電ランプが放射
する紫外線によりオゾンが発生し、電子部品、封止用の
樹脂や配線が高濃度のオゾンと紫外線に曝され、これら
の寿命確保が困難であった。このため、特殊環境下で部
品の長期信頼性を立証したり、劣悪な環境に耐える特殊
な部品を開発したりしなければならないため、コストア
ップ要因になっている。
【0007】また、流体中に浸漬して使用される電気設
備は、安全配慮の観点から、受電端の対地電圧が低い方
が好ましい。電気設備基準によれば、水中照明装置にお
ける水中灯具の受電端対地電圧は、150V以下でなけ
ればならない旨規定されている。この規定の趣旨に準じ
て、無電極放電ランプ点灯装置も、その励起コイルの対
地電圧が150V以下になるのは望ましいことである。
【0008】さらに、無電極放電ランプの作動状態に応
じて、無電極放電ランプに供給する高周波の周波数を制
御することにより、負荷の初期および経時のばらつきを
小さく抑えるための精密な定数調整用のインピーダンス
整合回路が不要になる。このため、励起コイルの対地電
圧を低減させるのにも都合がよい。高周波の周波数を制
御する場合、相対的に高い周波数の発振を行なう発振源
およびこの発振源の発振出力を増幅する電力増幅器の第
1の組と、相対的に低い周波数の発振を行なう発振源お
よびこの発振源の発振出力を増幅する電力増幅器の第2
の組とを並列接続して、スイッチを介してそれらを無電
極放電ランプに対して択一的に切り換え可能に接続する
のが一般的である。ところが、機械的スイッチでは高周
波の通電中にこれを遮断するのが実現困難であり、また
電気的スイッチでは電力増幅器間の高周波の回り込みを
遮断するのが困難である。
【0009】本発明は、無電極放電ランプに近接してイ
ンピーダンス整合回路を配設する必要が無く、したがっ
てコストダウンを図れる無電極放電ランプ点灯装置およ
びこれを用いた流体処理装置を提供することを目的とす
る。
【0010】本発明は、無電極放電ランプの励起コイル
の対地電圧が低く、したがってより安全で、流体中に浸
漬するのに好適な無電極放電ランプ点灯装置およびこれ
を用いた流体処理装置を提供することを他の目的とす
る。
【0011】本発明は、高周波電源の出力周波数を効率
よく電気的に切り換えることができ、したがってインピ
ーダンス制御回路の簡素化を図れる無電極放電ランプ点
灯装置およびこれを用いた流体処理装置を提供すること
をさらに他の目的とする。
【0012】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の無電極
放電ランプ点灯装置は、内部に放電媒体を封入した放電
容器を備えている無電極放電ランプと;無電極放電ラン
プに封入された放電媒体を励起して放電を生起させる励
起コイルと;励起コイルに一端を接続した平衡電力伝送
路と;平衡電力伝送路の他端に接続して励起コイルと共
振する共振回路と;共振回路を介して平衡電力伝送路に
一端を接続した不平衡電力伝送路と;不平衡電力伝送路
の他端に接続した高周波電源と;を具備していることを
特徴としている。
【0013】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0014】<無電極放電ランプについて>無電極放電
ランプは、少なくとも放電媒体を封入した放電容器を備
えて構成される。
【0015】放電容器は、透光性、耐火性および気密性
を備えた材料たとえば石英ガラス、透光性セラミックス
などを用いて形成することができる。そして、放電容器
の内部に放電媒体を封入し、外側に励起コイルを配設し
て放電容器の軸方向に高周波磁界を生成させて放電媒体
を励起させるので、放電は放電容器の横断面において、
ドーナッツ状に生起する。したがって、放電容器は、ド
ーナッツ状の放電を包囲する形状に構成すればよい。単
一の励起コイルを用いる場合には、扁平なボール状の形
状が好適である。また、複数の励起コイルを並列接続す
る場合には、細長い形状を採用することができる。な
お、ドーナッツ状の放電の軸心近傍は放電に寄与しない
から、細長い放電容器の場合、放電容器を軸方向に沿っ
て中空に形成することができる。
【0016】放電媒体は、所要の放電を生起するために
必要な種々の媒体を用いることができる。たとえば放電
によって波長235.7nmの紫外線を発生させたい場
合は、水銀およびアルゴンなどの希ガスを数百Pa封入
する。そして、低圧水銀蒸気放電となるような蒸気圧と
なるように放電条件を設定する。また、キセノンを封入
して、その共鳴線である波長147nm、172nmの
紫外線を放射させることもできる。しかし、本発明は可
視光を発生する場合にも適応する。この場合には、たと
えば放電容器の内面側に蛍光体層を配設して、放電によ
り放射された紫外線を蛍光体層に照射することにより、
蛍光体を励起して可視光を発生させることができる。ま
た、放電により可視光を放射する放電媒体たとえばネオ
ンなどを封入してもよい。さらに、低圧蒸気またはガス
放電だけでなく、高圧蒸気またはガス放電を行なわせる
ように構成することもできる。
【0017】<励起コイルについて>励起コイルは、無
電極放電ランプの外側に配設されて、放電容器の内部に
封入された放電媒体を励起して放電を生起させる手段で
あり、一般に数ターン程度のターン数とされるが、要す
れば1ターンであってもよいし、また10ターン程度の
ターン数であってもよい。さらに、励起コイルは、その
単一または複数を放電容器の長手方向に分散させて配設
することができる。複数の励起コイルを用いる場合は、
細長い放電容器の長手方向のほぼ全体にわたって放電を
生起させるのに効果的である。
【0018】また、複数の励起コイルを並列的に用いる
場合、励起コイルに対する配線構造に関して、配線導体
入力端子から励起コイルまでの間を接続している配線導
体を正負非対称形にするとともに、配線導体入力端子か
ら各励起コイルまでの配線導体の距離を全て遠くするよ
うに構成することができる。さらに加えて、入力端子か
ら各励起コイルまでの配線導体長をほぼ等しくすること
ができる。したがって、本発明においては、励起コイル
と平衡電力伝送路との間に、配線導体入力端子および配
線導体が介在することが許容される。
【0019】ところで、励起コイルの中点を接地すれ
ば、対地電圧を小さくすることができる。しかし、たと
えば水などの流体中に浸漬して使用する場合のように、
この手段を採用することが不利なときがある。このよう
な場合、本発明においては、励起コイルをその近傍で接
地しないで、後述する平衡電力伝送路の高周波電源側に
接地点を設けることができ、したがって励起コイルを接
地しないので、これを正負非対称形の配線導体構造に構
成することができる。すなわち、正負非対称形の配線導
体構造の励起コイルを用いても、高周波電流を接地線に
流さないで済む。なお、正負非対称形の配線導体構造を
備えた励起コイルを無電極放電ランプの軸方向に分散し
て配置すると、管軸方向の光出力を均一化できる。
【0020】<平衡電力伝送路について>平衡電力伝送
路は、一対の伝送線を備えていて、本発明においては無
電極放電ランプを付勢するための高周波電力を平衡伝送
するもので、その一端が励起コイルに接続し、他端が後
述する共振回路に接続する。また、平衡電力伝送路は、
その一対の伝送線を同軸ケーブルの内部導体をもって構
成することができる。さらに、平衡電力伝送路は、高周
波の波長の1/10以下の適当な長さに設定することが
でき、この範囲内であれば伝送損失は少なくて済む。
【0021】<共振回路について>共振回路は、励起コ
イルのインダクタンスと適度に共振して、励起コイルに
適正な高周波電力を供給する手段であり、少なくともコ
ンデンサを含んで構成されている。また、所要により、
インダクタンスを含むことができる。そして、その回路
構成は自由である。また、共振回路は、適当なケース内
にその回路要素を収納して構成することができる。さら
に、共振回路は、無電極放電ランプを水などの流体中に
浸漬して用いる場合であっても、無電極放電ランプとの
間に平衡電力伝送路が介在するので、これを流体中に浸
漬する必要がない。
【0022】<不平衡電力伝送路について>不平衡電力
伝送路は、単一の伝送線を備えていて、本発明において
は無電極放電ランプを付勢するための高周波電力を不平
衡伝送するもので、その一端が共振回路に接続し、他端
が後述する高周波電源に接続する。また、不平衡電力伝
送路は、その伝送線を同軸ケーブルの内部導体をもって
構成することができる。さらに、不平衡電力伝送路の場
合、伝送損失が少ないので、その長さは特に制限されな
い。このため、高周波電源の設置位置と無電極放電ラン
プの設置位置との関係に応じて適当な長さ設定すること
ができる。
【0023】<高周波電源について>高周波電源は、所
要の周波数で、かつ所要電力の高周波を負荷に供給でき
ればどのような構成であってもよい。しかし、数MHz
以上の高周波を高い電力変換効率で発生するには、特定
周波数を発振する発振器のような発振源からの発振出力
を増幅する狭帯域の電力増幅器からなる構成が好適であ
る。また、高周波電源は、その出力周波数が固定形でも
よいし、可変形であってもよい。後者の場合、たとえば
無電極放電ランプの始動を13.56MHZの周波数で
行い、始動後に周波数を2MHzに下げて安定点灯を行
なうように構成することができる。
【0024】<その他の構成について>本発明におい
て、必須構成要件ではないが、以下の構成を必要に応じ
て適宜採用することができる。
【0025】1.保護管について 保護管は、無電極放電ランプおよび励起コイルがたとえ
ば直接被処理流体に接触しないようにするなどを目的と
して、これらの部材を保護するもので、無電極放電ラン
プおよび励起コイルを流体など外部雰囲気に対してシー
ルするために、無電極放電ランプおよび励起コイルを包
囲する。被処理流体が液体の場合、シールは液密であ
る。また、被処理流体が気体の場合、シールは気密であ
る。また、透光性保護管は、少なくとも主要部が放射透
過性である。これは、保護管の全体が放射透過性である
必要はなく、所望部分から所望方向へ放射を透過させた
い場合に、当該部分において所望方向に対して放射を透
過するものであればよく、しかも、無電極放電ランプの
放射のうち所望波長帯の放射を透過するものであればよ
いことを意味する。
【0026】保護管の構成としては、一般的には、放射
透過性の円筒体および円筒体の両端を閉塞する金属また
は合成樹脂の端板からなり、円筒体と端板との間にパッ
キンを介在させて両者を固定することにより、流体に対
してシールされた保護管を構成することができる。上記
と異なる構成としては、放射透過性の有底筒体の開口端
にパッキンを介して金属または合成樹脂の端板を固定す
ることによることもできる。
【0027】2.ガードについて 保護管または無電極放電ランプを機械的に保護するため
に、無電極放電ランプまたは保護管の周囲にガードを配
設することができる。ガードは、たとえば金網状体や多
数の金属棒を無電極放電ランプの周囲に配置することに
より、これを構成することができる。また、円筒体の両
端をこれより一回り大径の一対の端板またはおよびパッ
キングをそれらの間に介在させて閉塞し、かつ円筒体の
周囲に複数の金属棒を配列し、金属棒の両端を一対の端
板に固着することで、液密または気密にシールされた保
護管を形成するとともに、上記金属棒でガードを構成す
ることもできる。
【0028】<本発明の作用について>本発明において
は、高周波電源から不平衡電力伝送路を経由して所望位
置まで高周波電力を高い伝送効率で伝送し、さらに無電
極放電ランプに比較的近い位置で共振回路および平衡電
力伝送路を介して無電極放電ランプの励起コイルに接続
することによって、バランを用いることなしにそれと類
似の作用を共振回路および平衡電力伝送路に行なわせる
ことが可能になる。したがって、平衡電力伝送路による
平衡電力伝送により無電極放電ランプを点灯することが
できるので、インピーダンス整合回路を無電極放電ラン
プの近傍に配設する必要がない。なお、平衡電力伝送路
は、短くてよいので伝送損失が少なくて済む。
【0029】また、共振回路、平衡電力伝送路および励
起コイルにより励起コイルのインダクタンスと共振回路
とを共振させることにより、平衡電力伝送路の高周波電
源側で接地することが許容される。したがって、励起コ
イルの中点または励起コイルの近傍で接地することなし
に、励起コイルの対地電圧を所要の値以下に低減するこ
とができる。しかし、要すれば、輻射ノイズへの対応な
ど対地電圧低減以外の目的で接地することは許容され
る。
【0030】以上説明した作用に基づいて、無電極放電
ランプ点灯装置のコストダウンを図ることができる。ま
た、無電極放電ランプの励起コイルの対地電圧が低くな
るので、安全であり、流体中に浸漬して使用するような
態様に好適となる。
【0031】請求項2の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、内部に放電媒体を封入した放電容器を備えている
無電極放電ランプと;無電極放電ランプに封入された放
電媒体を励起して放電を生起させる励起コイルと;一端
をそれぞれ励起コイルの端部に接続した並行して平衡電
力伝送を行なう一対の第1の同軸ケーブルと;一対の第
1の同軸ケーブルの他端間に接続して励起コイルと共振
する共振回路と;共振回路を介して一対の同軸ケーブル
に一端を接続した単一の第2の同軸ケーブルと;第2の
同軸ケーブルの他端に接続した高周波電源と;を具備し
ていることを特徴としている。
【0032】本発明は、無電極放電ランプの励起コイル
と共振回路との間を一対の同軸ケーブルからなる第1の
同軸ケーブルを用いて平衡電力伝送を行なう構成を規定
している。すなわち、第1の同軸ケーブルを構成する一
対の同軸ケーブルを平衡電力伝送路として用いるととも
に、励起コイルと第1の同軸ケーブルとの間にインピー
ダンス整合回路が介在していないので、第1の同軸ケー
ブの部分は不整合状態で電力伝送が行なわれることにな
る。その結果、第1の同軸ケーブルの入出力端間に電位
差を生じる。この電位差を利用してバランのような作用
を行なわせることができる。上記の電位差を生じやすく
するには、一対の同軸ケーブルの外部導体を、たとえば
入出力端間においてそれぞれ相互にのみ接続したり、入
力端間においては相互にのみ接続しかつ出力端間におい
てそれぞれ相手方の内部導体に接続したりすることがで
きる。
【0033】また、これらの接続構造により一対の同軸
ケーブルの間にトランス作用を奏させて、同軸ケーブル
の損失を少なくし、同軸ケーブルの温度上昇を相対的に
低減することも可能になる。
【0034】請求項3の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、請求項2記載の無電極放電ランプ点灯装置におい
て、一対の第1の同軸ケーブルは、その内部導体がそれ
ぞれ励起コイルの端部に接続し、外部導体が高周波電源
側において相互に接続しているとともに、励起コイル側
において相手方の内部導体に接続していることを特徴と
している。
【0035】本発明は、第1の同軸ケーブルにおける一
対の同軸ケーブルにおける相互間の接続態様の好適な構
成を規定している。すなわち、本発明の構成によれば、
一対の同軸ケーブル間の平衡降圧式のトランス作用によ
り伝送損失が低減して、ケーブル温度の上昇が小さくな
る。
【0036】請求項4の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、請求項2ないし4のいずれか一記載の無電極放電
ランプ点灯装置において、一対の第1の同軸ケーブル
は、動作周波数における波長の1/10以下の長さであ
ることを特徴としている。
【0037】本発明は、第1の同軸ケーブルによる平衡
電力伝送を行なう場合に、伝送損失の少ない範囲で使用
するための許容される距離を動作周波数における波長の
関数として規定している。
【0038】請求項5の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の無電極放電
ランプ点灯装置において、励起コイルは、その両端の対
地電圧が両端間電圧より低いことを特徴としている。
【0039】本発明は、上記の条件を満足すれば、励起
コイルの対地電圧を低減するための励起コイルの両端間
電圧と両端における対地電圧との関係を規定している。
したがって、励起コイルの両端のいずれか一方の対地電
圧が両端間電圧より大きI場合には、対地電圧が高いの
で、不可である。
【0040】請求項6の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の無電極放電
ランプ点灯装置において、高周波電源は、第1の周波数
を中心として発振する第1の発振源および第1の発振源
に縦属接続した第1の電力増幅器を備えている第1の高
周波発生系統と、第2の周波数を中心として発振する第
2の発振源および第2の発振源に縦属接続した第2の電
力増幅器備えている第2の高周波発生系統と、第1およ
び第2の高周波発生系統の出力を、それらが互いに逆流
することなしに合成して出力する出力合成手段と、を含
んでいることを特徴としている。
【0041】本発明は、周波数可変形の高周波電源の好
適な構成を規定している。すなわち、本発明の高周波電
源は、第1の周波数および第2の周波数を選択的に切り
換え可能であり、そのために第1の高周波発生系統と、
第2の高周波発生系統とのそれぞれの高周波出力を、出
力合成手段により、それらが互いに逆流することなしに
合成する。したがって、第1の周波数の高周波出力を生
じさせるためには、第1の高周波発生系統を動作させ、
第2の高周波発生系統の動作を停止させればよい。そう
すれば、第1の高周波発生系統の高周波出力は、出力合
成手段に入力してその出力端へと通過する。そして、第
2の高周波発生系統へは回り込まない。同様に、第2の
高周波発生系統からの第2の周波数の高周波出力は、第
1の高周波発生系統へは回り込まないで、出力合成手段
に入力してその出力端へと通過する。
【0042】第1および第2の発振源としては、種々の
発振器を用いることができる。
【0043】第1および第2の電力増幅器としては、た
とえば狭帯域増幅器を用いることができる。
【0044】出力合成手段としては、たとえば両端を入
力端とし、中点を出力端としたインダクタにより構成す
ることができる。この場合、一端に第1の電力増幅器の
出力端を接続し、他端に第2の電力増幅器の出力端を接
続する。
【0045】そうして、本発明においては、第1および
第2の高周波発生系統間の高周波電力の回り込みが生じ
ないことにより、第1および第2の高周波発生系統の切
り換えを電気的に容易に行なうことができる。しかも、
第1および第2の高周波発生系統の切り換えに伴う電力
損失が実質的に発生しないので、電力変換効率を高い状
態に維持することができる。
【0046】また、本発明は、始動時に高い周波数を出
力することで、共振により高周波電圧を高くし、したが
って励起コイルに高いる高周波電圧を印加することによ
って無電極放電ランプの始動を容易にすることができる
ので、高圧放電タイプの無電極放電ランプに好適であ
る。しかし、本発明は、低圧放電タイプの無電極放電ラ
ンプに対しても効果的である。しかも、請求項1ないし
5の発明に付加して実施することにより、先行する各発
明の実施が容易になるという格別の利点をも有してい
る。なお、要すれば、請求項1ないし5の発明に付加す
ることなく、単独に実施しても本発明の作用効果を奏す
る。
【0047】請求項7の発明の無電極放電ランプ点灯装
置は、請求項1ないし6のいずれか一記載の無電極放電
ランプ点灯装置において、高周波電源は、第1の周波数
を中心として発振する第1の発振源、第1の発振源に縦
属接続した第1の電力増幅器および第1の電力増幅器に
縦属接続した第1の周波数フィルタを備えている第1の
高周波発生系統と、第2の周波数を中心として発振する
第2の発振源、第2の発振源に縦属接続した第2の電力
増幅器および第2の電力増幅器に縦属接続した第2の周
波数フィルタを備えている第2の高周波発生系統と、を
含んでいることを特徴としている。
【0048】本発明は、第1および第2の電力増幅器の
後段にそれぞれ周波数フィルタを配設して、高周波の回
り込みを防止する構成を規定している。すなわち、周波
数フィルタとしては、バンドパスフルタまたはハイパス
フルタおよびローパスフィルタの組み合わせなどを用い
ることができる。
【0049】バンドパスフルタを用いる場合には、第1
の高周波発生系統のバンドパスフィルタとして第1の周
波数を中心とするバンドパス特性を有するフィルタを用
いる。また、第2の高周波発生系統のバンドパスフィル
タとして第2の周波数を中心とするバンドパス特性を有
するフィルタを用いる。
【0050】ハイパスフルタおよびローパスフィルタの
組み合わせを用いる場合には、第1の周波数f1が第2
の周波数f2より高いと仮定した場合、第1の高周波発
生系統にはハイパスフィルタを用いる。そして、ハイパ
スフルタのカットオフ周波数f10を第1の周波数f1
より低く設定する。第2の高周波発生系統にはローパス
フィルタを用いる。そして、ローパスフルタのカットオ
フ周波数f20を第2の周波数f2より高く設定する。
【0051】そうして、第1の高周波発生系統の高周波
出力は、その周波数が第1の周波数f1であるから、自
己の系統内にハイパスフルタを通過できる。これに対し
て、第2の高周波発生系統の高周波出力は、その周波数
が第1の周波数f1より低い第2の周波数f2であるか
ら、第1の系統内のハイパスフルタを通過することがで
きない。すなわち、回り込みができない。同様に、第2
の高周波発生系統の高周波出力は、その周波数が第2の
周波数f2であるから、自己の系統内のローパスフルタ
を通過できる。これに対して、第1の高周波発生系統の
高周波出力は、その周波数が第2の周波数f2より高い
第1の周波数f1であるから、第2の系統内のローパス
フルタを通過することができない。すなわち、回り込み
ができない。
【0052】また、本発明においては、第1および第2
の高周波発生系統間の高周波電力の回り込みが生じない
ことにより、第1および第2の高周波発生系統の切り換
えを電気的に容易に行なうことができる。しかも、切り
換えに伴う電力損失が実質的に発生しないので、電力変
換効率を高い状態に維持することができる。
【0053】また、本発明は、始動時に高い周波数を出
力することで、共振により高周波電圧を高くし、したが
って励起コイルに高いる高周波電圧を印加することによ
って無電極放電ランプの始動を容易にすることができる
ので、高圧放電タイプの無電極放電ランプに好適であ
る。しかし、本発明は、低圧放電タイプの無電極放電ラ
ンプに対しても効果的である。しかも、請求項1ないし
6の発明に付加して実施することにより、先行する各発
明の実施が容易になるという格別の利点をも有してい
る。なお、要すれば、請求項1ないし6の発明に付加す
ることなく、単独に実施しても本発明の作用効果を奏す
る。また、本発明の実施に際しては、請求項6の発明の
出力合成手段を付加することができる。
【0054】請求項8の発明の流体処理装置は、請求項
1ないし7のいずれか一記載の無電極放電ランプ点灯装
置と;流体の流入口および流出口を備え、内部に通流す
る被処理流体に無電極放電ランプの放射が照射されるよ
うに構成された処理槽と;を具備していることを特徴と
している。
【0055】処理槽は、流体の流入口および流出口を備
え、無電極放電ランプの放射が処理槽中を流れる非処理
流体に照射されるのであれば、その他の構成は制限され
ない。たとえば、(1)無電極放電ランプが被処理流体
中に浸漬される、いわゆる内照形の構成、(2)被処理
流体の外部から無電極放電ランプの放射が照射される、
いわゆる外照形の構成などを採用することができる。
(1)の構成は、さらに被処理流体の流通路の途中に処
理槽を介挿する態様や、被処理流体のプール中に処理槽
を浸漬する態様などに分かれるが、そのいずれであって
もよい。前者の態様は、流通路中を流れる被処理流体の
全体を無電極放電ランプの周りを流れる際に光照射によ
る処理を行なう場合に好適である。また、後者の態様
は、無電極放電ランプに比較して大量の被処理流体を滞
留しながら光照射による処理を行なう場合に好適であ
る。
【0056】また、無電極放電ランプおよび励起コイル
が被処理流体に接触することにより、腐食したり、漏電
したり、あるいは熱的に所要の条件を保持できなくなる
ことがないように、保護管内に無電極放電ランプおよび
励起コイルを収納することが好ましい。(2)の構成
は、さらに無電極放電ランプおよび励起コイルが被処理
流体の上方から光照射する態様や非処理流体を放射透過
性の容器内を通流させて、その容器の外部に無電極放電
ランプおよび励起コイルを配設する態様などに分かれ
る。この場合には、無電極放電ランプおよび励起コイル
を露出状態で用いてもよいが、要すれば保護管に収納し
た状態で用いるようにしてもよい。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0058】図1は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第1の実施形態を示す回路ブロック図である。
【0059】図2は、同じく共振回路、平衡電力伝送路
および励起コイルを示す回路図である。
【0060】図3は、同じく配線導体入力端子、配線導
体および励起コイルの接続を示す回路図である。
【0061】各図において、1は無電極放電ランプ、2
は励起コイル、3a、3bは一対の配線導体、4a、4
bは一対の配線導体入力端子、5は平衡電力伝送路、6
は共振回路、7は不平衡電力伝送路、8は高周波電源、
9は保護管、ASは交流電源、WLは流体面である。
【0062】無電極放電ランプ1は、放電容器1aおよ
びその内部に封入した放電媒体からなる。放電容器1a
は、紫外線透過性のガラスたとえば石英ガラスからな
り、細長く形成されている。放電媒体は、水銀およびア
ルゴンガスからなる。そして、本実施形態の無電極放電
ランプ1は、主として波長253.7nmの紫外線を放
射する。
【0063】励起コイル2は、図3に示すように、その
複数が一対の配線導体3a、3b間に並列接続される。
【0064】一対の配線導体3a、3bは、その一端が
一対の配線導体入力端子4a、4bに接続し、他端が励
起コイル2に接続しているが、各励起コイル2に対する
長さがほぼ等しくなるように引き回しが配慮されてい
る。
【0065】一対の配線導体入力端子4a、4bは、平
衡電力伝送路5の一端に接続する。
【0066】なお、以上の無電極放電ランプ1、励起コ
イル2、一対の配線導体3a、3bおよび一対の配線導
体入力端子4a、4bは、保護管9内に流体シールされ
て収納された状態で、流体中に浸漬されて使用される。
WLは流体面である。
【0067】平衡電力伝送路5は、図2に示すように、
一対の同軸ケーブル5a、5bからなる。各同軸ケーブ
ル5a、5bは、それぞれ内部導体5a1、5b1およ
び外部導体5a2、5b2を同軸に備えている。内部導
体5a1、5b1の一端は、配線導体入力端子4a、4
bに接続し、他端は後述する共振回路6の出力端に接続
する。外部導体5a2の励起コイル側の一端は、同軸ケ
ーブル5bの内部導体5b1に接続し、外部導体5b2
の同じく一端は、同軸ケーブル5aの内部導体5a1に
接続する。すなわち、両同軸ケーブル5a、5bの励起
コイル側の一端は、外部導体5a1、5b1が内部導体
5b1、5a1に襷がけ接続する。これに対して、外部
導体5a2、5b2の共振回路6側の他端は、相互に接
続する。
【0068】共振回路6は、コンデンサCsH、Cs
L、Cpの回路網からなり、平衡電力伝送路5側の端部
を出力端とし、不平衡電力伝送路7側の端部を入力端と
呼ぶ。コンデンサCsHおよびCsLの一端は出力端を
構成する。コンデンサCsH側の出力端は、同軸ケーブ
ル5aの内部導体5a1の他端に接続している。コンデ
ンサCsL側の出力端は、同軸ケーブル5bの内部導体
5b1に接続している。コンデンサCpの両端は入力端
を構成するとともに、コンデンサCsH、CsLの他端
に接続している。コンデンサCsH側の入力端は、不平
衡電力伝送路7の内部導体7aに接続し、コンデンサC
sL側の入力端は、同じく外部導体7bに接続するとと
もに、接地している。
【0069】不平衡電力伝送路7は、単一の同軸ケーブ
ルからなり、その一端が共振回路6の入力端に接続し、
他端が後述する高周波電源8の出力端に接続する。
【0070】高周波電源8は、整流化直流電源部および
高周波発生部を備え、その入力端が交流電源ASに接続
する。
【実施例】使用回路:図2 共振回路:CsH=3000pF、CsL=6000p
F、Cp=2500pF 平衡電力伝送路:RG−143形同軸ケーブル1.5m
を2本にて構成 励起コイル:7ターン×4個並列接続、励起コイルの電
圧は、両端端子電圧=178V、図の上側対地電圧=9
5.2V、下側対地電圧=87.6V 次に、図4および図5を参照して共振回路6の構成を変
形した第2および第3の実施形態を説明する。各図にお
いて、図2と同一部分については同一符号を付して説明
は省略する。
【0071】図4は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第2の実施形態における共振回路、平衡電力伝送路
および励起コイルを示す回路図である。
【0072】本実施形態は、図2との比較においてコン
デンサCsLが省略されている点で異なる。
【0073】図5は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第3の実施形態における共振回路、平衡電力伝送路
および励起コイルを示す回路図である。
【0074】本実施形態は、図2との比較においてコン
デンサCsLが省略されているとともに、平衡電力伝送
路5の外部導体5a2、5b2の接続が異なる。すなわ
ち、外部導体5a2、5b2は、その励起コイル側の一
端においても相互に接続されている。
【0075】以下、図6ないし図10を参照して高周波
電源の構成を変形した本発明の第4ないし第7の実施形
態を説明する。各図において、図1と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0076】図6は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第4の実施形態を示す回路図である。
【0077】本実施形態は、高周波電源8は、第1およ
び第2の高周波発生系統8a、8bおよび出力合成手段
8cを備えている。
【0078】第1および第2の高周波発生系統8a、8
bは、それぞれ第1および第2の発振源8a1、8b1
と、これに縦属接続された第1および第2の電力増幅器
8a2、8b2を備えている。
【0079】出力合成手段8cは、その一対の入力端か
ら第1および第2の高周波発生系統8a、8bの高周波
出力が入力される。入力された高周波出力は、それぞれ
他方の高周波発生系統に回り込まないで出力端から出力
する。
【0080】図7は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第4の実施形態における励起コイルの印加電圧波形
を示す波形図である。
【0081】図において、f1で示す始動時には、第1
の高周波発生系統8aから相対的に高い周波数f1で電
圧も高い高周波電圧が励起コイルに印加される。このと
き、第2の高周波発生系統8bは作動していない。ま
た、f2で示す点灯時には、第2の高周波発生系統8b
から相対的に低い周波数で電圧も低い高周波電圧が励起
コイルに印加される。このとき、第1の高周波発生系統
8aは作動していない。
【0082】図8は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第5の実施形態を示す回路図である。
【0083】本実施形態は、出力合成手段8cが異な
る。すなわち、出力合成手段8cは、インダクタLおよ
び抵抗器Rからなる。インダクタLは、その両端が第1
および第2の高周波発生系統8a、8bの出力端に接続
し、中点に合成出力が現れる。抵抗器Rは、インダクタ
Lに並列接続している。
【0084】図9は、本発明の無電極放電ランプ点灯装
置の第6の実施形態を示す回路図である。
【0085】本実施形態は、第1および第2の高周波発
生系統8a、8bが異なる。すなわち、第1および第2
の高周波発生系統8a、8bは、電力増幅器8a2、8
b2の出力端にバンドパスフィルタBPFa、BPFb
が縦属接続している。バンドパスフィルタBPFaは、
周波数f1を中心とする周波数帯域を通過する。バンド
パスフィルタBPFbは、周波数f2を中心とする周波
数帯域を通過する。
【0086】図10は、本発明の無電極放電ランプ点灯
装置の第7の実施形態を示す回路図である。
【0087】本実施形態は、第1および第2の高周波発
生系統8a、8bが異なる。すなわち、第1の高周波発
生系統8aは、電力増幅器8a2の出力端にハイパスフ
ィルタHPFが縦属接続している。ハイパスフィルタH
PFは、そのカットオフ周波数f10が第1の周波数f
1より低く、第2の周波数f2より高い。これに対し
て、第2の高周波発生系統8bは、電力増幅器8b2の
出力端にローパスフィルタLPFが縦属接続している。
ローパスフィルタLPFは、そのカットオフ周波数f2
0が第2の周波数f2より高く、第1の周波数f1より
低い。
【0088】図11は、本発明の流体処理装置の一実施
形態を示す概念的断面図である。
【0089】図12は、同じく無電極放電ランプ装置を
示す断面図である。
【0090】各図において、図3と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。11は処理槽、12
は無電極放電ランプ装置である。
【0091】処理槽11は、処理槽本体11a、隔壁1
1b、流入口11cおよび流出口11dを備えている。
処理槽本体11aは、箱状をなしている。隔壁11b
は、処理槽本体11aの内部を下部で連通した2室A、
Bに区分している。流入口11cは、処理槽本体11a
の壁面上部を部分的に開口して形成され、室A内に被処
理流体を外部から吸入する。流入口11dは、処理槽本
体11aの反対側の壁面上部を部分的に開口して形成さ
れ、室B内の被処理流体を外部へ排出する。そして、流
体が処理槽11内の室Bを通流する間に後述する無電極
放電ランプ装置12から放射される紫外線によって殺菌
される。
【0092】無電極放電ランプ装置12は、無電極放電
ランプ1、励起コイル2および配線導体3a、3bを保
護管12a内に収納して構成されている。また、保護管
12aの外周には、ガード12bが配設されている。保
護管12aは、図12に示すように、石英ガラス管12
a1、端板12a2、12a3および金属棒ボルト12
a4からなる。すなわち、石英ガラス管12a1の下部
開口端に端板12a2を、また上部開口端に端板12a
3をそれぞれ当接して、石英ガラス管12a1の周囲に
複数配置された金属棒ボルト12a4によって、パッキ
ングを介して両端板12a2、12a3を締め付けるこ
とにより、保護管12aが流体に対してシールされて形
成されている。また、複数の金属棒ボルト12a4は、
保護管12aの外側を囲むように配置されてガード12
bを構成する。なお、端板12a3は、2重構造になっ
ていて、外側部分に防水カバー13がシールを介して装
着され、その内部には平衡電力伝送路(図示しない。)
が挿通するとともに、平衡電力伝送路の端部に一対の配
線導体3a、3bが接続している。
【0093】
【発明の効果】請求項1ないし7の各発明によれば、無
電極放電ランプ、励起コイル、励起コイルに一端を接続
した平衡電力伝送路、平衡電力伝送路の他端に接続した
共振回路、共振回路を介して平衡電力伝送路に接続した
不平衡電力伝送路、および不平衡電力伝送路の他端に接
続した高周波電源を具備していることにより、インピー
ダンス整合回路を無電極放電ランプの近傍に配設する必
要がないので、コストダウンを図るとともに、励起コイ
ルの中点または励起コイルの近傍で接地することなし
に、励起コイルの対地電圧を所要の値以下に低減するこ
とができるので、流体中に浸漬して使用する場合であっ
ても安全な無電極放電ランプ点灯装置を提供することが
できる。
【0094】請求項2の発明によれば、加えて平衡電力
伝送路を一対の第1の同軸ケーブルにより構成し、その
外部導体を適切に接続することにより、一対の同軸ケー
ブルの両端部間に電位差を生じさせて、バランのような
作用を行なわせる無電極放電ランプ点灯装置を提供する
ことができる。
【0095】請求項3の発明によれば、加えて平衡電力
伝送路を構成する一対の第1の同軸ケーブルの内部導体
がそれぞれ励起コイルに接続し、外部導体が高周波電源
側で相互に接続し、励起コイル側でそれぞれ相手方の内
部導体に接続していることにより、一対の同軸ケーブル
間に平衡降圧式のトランス作用が生じて平衡電力伝送の
伝送損失が低減して、ケーブル温度の上昇が小さくなる
無電極放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0096】請求項4の発明によれば、加えて一対の第
1の同軸ケーブルが、動作周波数における波長の1/1
0以下の長さであることにより、平衡電力伝送の伝送損
失が少ない無電極放電ランプ点灯装置を提供することが
できる。
【0097】請求項5の発明によれば、加えて励起コイ
ルの両端の対地電圧が両端間電圧より低いことにより、
励起コイルの対地電圧が低減して安全な無電極放電ラン
プ点灯装置を提供することができる。
【0098】請求項6の発明によれば、加えて第1およ
び第2の高周波発生系統の高周波出力を高周波電力の回
り込みが生じない出力合成手段を介して取り出すことに
より、第1および第2の高周波発生系統の切り換えを電
気的に容易に行なうことができ、しかも、回り込みによ
る電力損失が実質的に発生しないので、電力変換効率を
高い状態に維持する無電極放電ランプ点灯装置を提供す
ることができる。
【0099】請求項7の発明によれば、加えて第1およ
び第2の高周波発生系統に周波数フィルタを配設してい
ることにより、高周波出力を高周波電力の回り込みが生
じないので、第1および第2の高周波発生系統の切り換
えを電気的に容易に行なうことができ、しかも、回り込
みに夜電力損失が実質的に発生しないで、電力変換効率
を高い状態に維持する無電極放電ランプ点灯装置を提供
することができる。
【0100】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
7の無電極放電ランプ点灯装置および処理槽を具備して
いることにより、請求項1ないし8の効果を有する流体
処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第1の実
施形態を示す回路ブロック図
【図2】同じく共振回路、平衡電力伝送路および励起コ
イルを示す回路図
【図3】同じく配線導体入力端子、配線導体および励起
コイルの接続を示す回路図
【図4】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第2の実
施形態における共振回路、平衡電力伝送路および励起コ
イルを示す回路図
【図5】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第3の実
施形態における共振回路、平衡電力伝送路および励起コ
イルを示す回路図
【図6】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態を示す回路図
【図7】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態における励起コイルの印加電圧波形を示す波形図
【図8】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第5の実
施形態を示す回路図
【図9】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第6の実
施形態を示す回路図
【図10】本発明の無電極放電ランプ点灯装置の第7の
実施形態を示す回路図
【図11】本発明の流体処理装置の一実施形態を示す概
念的断面図
【図12】同じく無電極放電ランプ装置を示す断面図
【符号の説明】
1…無電極放電ランプ 1a…放電容器 2…励起コイル 3a…配線導体 3b…配線導体 5…平衡電力伝送路 6…共振回路 7…不平衡電力伝送路 8…高周波電源 9…保護管 AS…交流電源 WL…流体面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺井 孝 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊也 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 土井 洋幸 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA16 4G075 AA15 BB10 CA15 CA33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に放電媒体を封入した放電容器を備え
    ている無電極放電ランプと;無電極放電ランプに封入さ
    れた放電媒体を励起して放電を生起させる励起コイル
    と;励起コイルに一端を接続した平衡電力伝送路と;平
    衡電力伝送路の他端に接続して励起コイルと共振する共
    振回路と;共振回路を介して平衡電力伝送路に一端を接
    続した不平衡電力伝送路と;不平衡電力伝送路の他端に
    接続した高周波電源と;を具備していることを特徴とす
    る無電極放電ランプ装置。
  2. 【請求項2】内部に放電媒体を封入した放電容器を備え
    ている無電極放電ランプと;無電極放電ランプに封入さ
    れた放電媒体を励起して放電を生起させる励起コイル
    と;一端をそれぞれ励起コイルの端部に接続した並行し
    て平行電力伝送を行なう一対の第1の同軸ケーブルと;
    一対の第1の同軸ケーブルの他端間に接続して励起コイ
    ルと共振する共振回路と;共振回路を介して一対の同軸
    ケーブルに一端を接続した単一の第2の同軸ケーブル
    と;第2の同軸ケーブルの他端に接続した高周波電源
    と;を具備していることを特徴とする無電極放電ランプ
    装置。
  3. 【請求項3】一対の第1の同軸ケーブルは、その内部導
    体がそれぞれ励起コイルの端部に接続し、外部導体が高
    周波電源側において相互に接続するとともに、励起コイ
    ル側において相手方の内部導体に接続していることを特
    徴とする請求項2記載の無電極放電ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】一対の第1の同軸ケーブルは、動作周波数
    における波長の1/10以下の長さであることを特徴と
    する請求項2ないし4のいずれか一記載の無電極放電ラ
    ンプ点灯装置。
  5. 【請求項5】励起コイルは、その両端の対地電圧が両端
    間電圧より低いことを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか一記載の無電極放電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】高周波電源は、第1の周波数を中心として
    発振する第1の発振源および第1の発振源に縦属接続し
    た第1の電力増幅器を備えている第1の高周波発生系統
    と、第2の周波数を中心として発振する第2の発振源お
    よび第2の発振源に縦属接続した第2の電力増幅器備え
    ている第2の高周波発生系統と、第1および第2の高周
    波発生系統の出力を、それらが互いに逆流することなし
    に合成して出力する出力合成手段と、を含んでいること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の無電
    極放電ランプ点灯装置。
  7. 【請求項7】高周波電源は、第1の周波数を中心として
    発振する第1の発振源、第1の発振源に縦属接続した第
    1の電力増幅器および第1の電力増幅器に縦属接続した
    第1の周波数フィルタを備えている第1の高周波発生系
    統と、第2の周波数を中心として発振する第2の発振
    源、第2の発振源に縦属接続した第2の電力増幅器およ
    び第2の電力増幅器に縦属接続した第2の周波数フィル
    タを備えている第2の高周波発生系統と、を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の
    無電極放電ランプ点灯装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか一記載の無電
    極放電ランプ点灯装置と;流体の流入口および流出口を
    備え、内部に通流する被処理流体に無電極放電ランプの
    放射が照射されるように構成された処理槽と;を具備し
    ていることを特徴とする流体処理装置。
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