JP2002163623A - Icカード - Google Patents
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- JP2002163623A JP2002163623A JP2000357180A JP2000357180A JP2002163623A JP 2002163623 A JP2002163623 A JP 2002163623A JP 2000357180 A JP2000357180 A JP 2000357180A JP 2000357180 A JP2000357180 A JP 2000357180A JP 2002163623 A JP2002163623 A JP 2002163623A
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Abstract
に対して確実に印画を行うことが可能であり、かつ補強
板によってICチップが確実に保護された信頼性の高い
ICカードを提供する。 【解決手段】 絶縁性基板1上に搭載されたICチップ
5、ICチップ5を覆う封止樹脂7及び封止樹脂7上に
設けられた補強板9を備えたICモジュール11と、2
枚の外装フィルム15,16上に塗布された接着剤層1
8間にICモジュール11を封止してなる樹脂製のカー
ド基体13と、カード基体13の少なくとも一方の表面
に設けられた可逆性表示層20とを備えたICカードに
おいて、補強板9は、ICチップ5の最も長尺寸法値を
直径とした略円形をなし、ビッカース硬度300以上で
かつ580未満の材料からなると共に、30μm〜10
0μm厚みを有することを特徴としている。
Description
証明書)、会員証、プリペイドカード、キャッシュカー
ド、定期券、などに用いられる情報記録媒体を有する情
報記録カードに関するものであって、更に詳しくは電子
データによる記録情報とその可視情報とを併せ持つ情報
記録非接触ICカードに関する。
報記録カードにおいては、磁気あるいは光学的読み取り
を行う方法が広く用いられてきた。しかしながら、技術
の大衆化によってデータの改ざんや偽造カードが出回る
ようになり、実際に偽造カードによって被害を受ける人
が増加するなど、個人情報の秘匿に関して社会問題化し
ている。このため近年では、樹脂製のカード基体中にI
Cチップを内蔵したICカードが、情報容量の大きさや
暗号化データを載せられるという点から個人データを管
理するものとして注目を集めている。
処理装置との情報交換のために、電気的かつ機械的に接
合するための接続端子を有していた。そのため、IC回
路内部の気密性の確保、静電気破壊対策、端子電極の電
気的接続不良、読み書き装置の機構が複雑、等々様々な
問題を有していた。また、ICカードを読み書き装置に
挿入または装着するという人による動作が結局は必要と
なり、利用分野によっては効率が悪く煩雑であるため、
手間が要らず携帯状態で使用できるような遠隔データ処
理装置との情報交換が可能な非接触ICカードの出現が
望まれていた。
するためのアンテナとメモリや演算機能を具備したIC
チップとを備えている非接触ICカードが開発された。
これはリーダーライタからの外部電磁波によってカード
気体内のアンテナに励起された誘導起電力でICを駆動
しようというものであり、バッテリー電源をカード内部
にもつ必要がなく、アクティビティに優れたカードを提
供することができる。アプリケーションによってはペー
パーバッテリーなどの薄型電池を内部に設けて、距離を
飛ばせるようにしたり、高い周波数帯を利用するという
動きもあるが、コストやアプリケーションの観点から、
バッテリーレスのものが多く望まれている。
に記録可能なICチップを設けることにより、デジタル
記録が行われている。ところで、これらカードは情報記
録内容を表示、或いは確認する場合においては、専用の
読み取り装置で記録情報の読み込み処理を行う必要があ
り、一般のユーザーが確認する手段は無い。たとえば会
員カードなど、会員に対しプレミア及びポイント等を設
けることがあるが、カードへの記録のみの場合、別に案
内状などでの紹介が必要となる。そこで、こうした情報
記録内容の簡易的な表示への要求が高まりつつある。
インダー中に有機低分子を分散させ、白濁−透明のコン
トラストにより表示を行う高分子/低分子タイプの可逆
性表示層(例えば可逆性感熱記録層、以下、単に感熱記
録層と記す)をカード基体の表面に設ける技術が開発さ
れている。高分子/低分子タイプの可逆性表示媒体は、
プラスチックシート等の支持体/着色層/記録(高分子
/低分子)層/保護層等から構成されている。
ンテナとICチップとの接合電極部をシート状の絶縁性
基板上に設け、直接ICチップを実装するベアチップ実
装方式も試みられている。この場合は、ICチップの回
路形成面にある電極部にバンプと呼ばれる突起物をはん
だや金などで設け、バンプを通して電極部と接続するフ
ェイスダウン方式をとっている。接続には、異方性導電
フィルムや異方性導電樹脂のような導電粒子を含んだ樹
脂や、アンダーフィルのようにICチップ回路面と絶縁
性基板の間を埋めることを目的としたものがある。
ては、ICチップの動作信頼性を確保するために、カー
ド基体とは異なる硬度を持った封止樹脂にてICチップ
を保護している。また、ICチップが機械的に破壊され
るとすべてのデータが失われてしまうことから、折り曲
げや、点衝撃などの点圧に対して、機械的強度をいかに
上げるかが課題となっている。そこで、ICチップの接
合部、あるいはICチップ自体の破壊を防ぐために、封
止樹脂上に補強板を配備する構成が考えられる。
造方法は、以下のような手順で行われる。まず白色のポ
リ塩化ビニル(PVC)シートをカード基材とし、その
カード基材にオフセット印刷、グラビア印刷、スクリー
ン印刷等公知の印刷方法で印刷を施し、その両面に保護
シートとして透明性の高いPVCシートを積層してカー
ド支持体を作製する。次いで、カード支持体間にICモ
ジュールを挟み込んだ状態で加熱プレス機で熱融着によ
って一体化させ、所定サイズの金型で打ち抜いてカード
形状にする。その後カードには、エンボス文字と呼ばれ
る浮き文字加工されて使用者に供せられる。
うな補強剤を設けた構成のICカードにおいては、次の
ような課題が生じる。すなわち、補強板と、硬化収縮作
用のある封止樹脂とを共に用いた場合、封止樹脂の硬化
収縮に伴って補強板が変形する。このため、封止樹脂で
覆われたICチップ上に補強板を配置してなるICモジ
ュールを、基体樹脂中に挟み込んでカード基体を形成す
る際、このような補強板の変形をカード基体で十分に吸
収することができず、カード基体の表面に凹凸が生じる
場合がある。
ている場合、感熱記録層への印画操作時に、感熱記録層
とサーマルヘッドとの間にスペーシングが生じ、感熱記
録層を十分に加熱できず、画像の記録抜けが生じやすく
なってしまうという課題があった。
を確保し、これによってカード基体の表面に設けられた
可逆性表示層に対して確実に印画を行うことが可能であ
り、かつ補強板によってICチップが確実に保護された
信頼性の高いICカードを提供することを目的とする。
るための本発明のICカードは、ICモジュールと、2
枚の外装フィルム上に塗布された接着剤層間にICモジ
ュールを封止してなる樹脂製のカード基体と、このカー
ド基体の少なくとも一方の表面に設けられた可逆性表示
層とを備えたICカードであり、ICモジュールは絶縁
性基板上に搭載されたICチップ、このICチップを覆
う封止樹脂及び当該封止樹脂上に設けられた補強板を備
え、この補強板がICチップの最も長尺寸法値を直径と
した略円形をなしている。そして特に、補強板は、ビッ
カース硬度300以上でかつ580未満の材料からなる
と共に30μm〜100μm厚みを有するものである
か、または、ビッカース硬度200以上でかつ580未
満の材料からなると共に50μm〜100μm厚みを有
するものであることとする。
脂上に設けた補強板の硬度、厚み及び大きさを上述した
各値に規定したことによって、補強板によるICチップ
の保護機能を十分に確保しながらも、封止樹脂の変形に
よる補強板の変形が小さく抑えられるようになる。つま
り、ビッカース硬度が580以上の材料を用いた場合、
補強板が脆くなる。このため、JIS規格に納めるため
の補強板の厚み100μm以下の範囲では、ICチップ
の保護機能を十分に得ることができない。また、ビッカ
ース硬度が200未満の材料を用いた場合、補強剤の弾
性が乏しくなる。このため、JIS規格に納めるための
補強板の厚み100μm以下の範囲では、封止樹脂の変
形に伴って補強板が大きく変形するのである。
寸法値を直径とした略円形をなしているため、上記のよ
うに補強板のビッカース硬度及び厚みを規定すること
で、封止樹脂上に設けられた補強板の表面高低差を20
μm以下に抑えることができる。したがって、2枚の外
装フィルム上に塗布された接着剤層間にICモジュール
を挟み込んでカード基体を成形する際、この補強板の変
形を十分に吸収することができ、カード基体やその表面
に設けられる感熱記録層の表面平坦性が確保され、しか
も補強板によるICチップの保護機能を十分に得ること
ができる。
基づいて詳細に説明する。図1は本発明のICカードの
一例を示す断面図であり、先ずこの図を用いて実施形態
のICカードの構成を説明する。
にアンテナ等を構成する導電パターン3が形成され、こ
の導電パターン3に接続させる状態でICチップ5が実
装されている。そして、ICチップ5を覆う状態で封止
樹脂7が設けられ、この封止樹脂7の上部に、ICチッ
プ5上を覆う状態で補強板9を配置してICモジュール
11が構成されている。そして、このICモジュール1
1が、カード基体13中に封止されている。カード基体
13は、2枚の外装フィルム15,16と、これらの外
装フィルム15,16間に充填された接着剤層18とか
らなる樹脂製のものである。また、カード基体13の一
方の表面(ここでは外装フィルム15表面)には、可逆
性表示層20が設けられている。
装フィルム15,16上に接着剤層18を塗布し、接着
剤層18間にICモジュール11を挟む状態でこれらを
圧着して成形されたものであることとする。
て、各部材の詳しい構成を説明する。
Cチップ5の最も長尺寸法値を直径とした円以上の大き
さの円形、略円形に成形されているものであることとす
る。この補強板9は、ビッカース硬度200以上580
未満の材料を用いて構成されている。ビッカース硬度は
JIS−Z2244の測定方法によって得られ、JIS
−B7725基準のビッカース硬さ試験機を使用して測
定される値であることとする。
材料としては、非鉄金属材料としてはCu−Sn−P、
Ni−Cu−Zn、Cu−Be−Ni−Co−Fe、ニ
ッケル・合金系材料としてNi−Co、Ni−Cr、N
i−Mo−Cu、ニッケル・鉄合金系材料としてNi−
Fe、またチタン、モリブデン、ステンレス系としてS
US304、SUS301、SUS316、SUS31
6、SUSS631、ASL350、SUS430、S
US420、炭素鋼としてSK材などが上げられ、これ
ら材料の熱処理により更に硬度を増したものが使用可能
である。
00以上の材料を用いている場合には、その厚みを30
μm以上、好ましくは厚み50μm以上であり、厚みの
上限は100μmであることが望ましい。一方、補強板
9として、ビッカース硬度が200以上の材料を用いて
いる場合には、その厚みは50μm以上必要であり、上
限は100μmであることが望ましい。このように補強
板9の厚みの上限を100μmとすることで、ICカー
ドの全厚がISO規格範囲内(760±80μm)に収
まるようにする。
図2に示す通りである。この図に示すように、ICカー
ドの回路構成は、アンテナコイル21と同調用コンデン
サ22とからなる共振回路に、整流用ダイオード23、
平滑用コンデンサ24及びICチップ5を接続してな
る。ここで、図3に示すように、アンテナコイル21
は、絶縁性基板1上に形成した導電パターン3によって
構成されるが、上述した同調用コンデンサ(22)、整
流用ダイオード(23)及び平滑用コンデンサ(24)
は、導電パターン3によって構成されるか、またはIC
チップ5内に搭載されている場合もある。
構成材料としては、ポリイミド、ポリエステル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
のポリエステル類、プロピレンなどのポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロールジアセテー
トなどのセルロース類、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポ
リスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸メ
チル、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリエチルメタクリレート、酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコールなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート類
などの単体、あるいは混合物からなり、絶縁性の有機材
料であれば何ら問題なく使用できる。
導電パターン3は、メッキや蒸着等の手法によって、
銅、アルミニウム、金、銀等の導電性材料層を絶縁性基
板1上に形成し、この導電性材料層をパターンエッチン
グすることによって得られる。またこの他にも、導電性
粒子または導電性金属により処理された粒子や箔状粒子
を多量に含み、これらを固定する有機高分子/有機低分
子やそれらの反応性物や、無機接着性物質(水ガラスや
シリコン系など)により導体パターンを印刷法(スクリ
ーン印刷法、オフセット印刷法など)などによりパター
ン形成してなるものであっても良い。
て線状の導電パターン3を貼り付けたり、接着剤を用い
て貼り付けた導電性材料箔をパターンエッチングするこ
とで導電パターン3としても良い。この場合に用いられ
る接着剤としては、高分子有機物/低分子有機物、或は
及びこれらの複合体樹脂が用いられ、例えばポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、
アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、ポリアクリル酸メチル、ポリメチル
メタクリレート、ポリアクリル酸エチル、ポリエチルメ
タクリレート、酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなど
のビニル系樹脂、ポリカーボネート類などの様な熱可塑
性樹脂の単体、或は混合物を使用することが出来る。更
に従来公知の結合剤樹脂として、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂なども使
用することができる。また、反応性の有機低分子剤とし
ては、イソシアネート(NCO)を少なくとも1分子中に
2つ以上有する化合物や、或はエポキシ系官能基を有す
る化合物などを用いることができ、これら反応性官能基
を有する化合物と反応性を有する官能基、例えば水酸
基、アミノ機などを有する化合物を混合して使用しても
何ら問題ない。
に、例えば回路形成面に突起電極41を設けてなるもの
で、この突起電極41を導電パターン3に接続させる状
態で、異方性導電接着層43を介して絶縁性基板1に対
してフェイスダウン実装されている。異方性導電接着層
43は、接着剤樹脂中に導電性粒子を分散させてなるも
のであり、厚み方向にのみ導電性を得ることができる。
しては、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン
樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、
アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、ポリアクリル酸メチル、ポリメチル
メタクリレート、ポリアクリル酸エチル、ポリエチルメ
タクリレート、酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなど
のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹
脂などを単体あるいはそれらの混合体、複合体として使
用できる。
性粒子としては、金(Au)、ニッケル(Ni)、アル
ミニウム(Al)、スズ(Sn)、あるいは非導電性の
粒子、中空粒子、箔片の表面に導電性処理(Au、N
i、Al、Snなどによる物理的、あるいは化学的処
理)をした粒子を用いることができる。これらの導電性
粒子は、その表面に有機物などの非導電性処理を施した
状態で接着剤樹脂中に分散させても良い。このような非
導電性処理を施した粒子は、ICチップ5の実装時に、
ICチップ5を加圧さらには加熱保持することで、粒子
表面の非導電性処理層が破壊されて導電性表面が露出
し、ICチップ5と導電パターン3との電気的な接続が
図られる。
れた封止樹脂7は、絶縁性基板1上に実装されたICチ
ップ5の周囲を覆う様に流れ込ませてある。封止樹脂7
としては、エポキシ系、シリコン系、フェノール系など
の熱硬化性の樹脂が使用できる。この封止樹脂7中に
は、熱硬化反応により体積収縮が生じてICチップ5に
応力が加わるのを抑える為に、フィラーや中空粒子、箔
片を単体あるいは複合化させたものが分散されている。
フィラーや中空粒子、箔片は収縮による応力の発生を抑
制するために、大きさや粒度、混合割合を適度に調製さ
れたものが使用されることとする。そして、この封止樹
脂7の上部にICチップ5を覆う状態で、この封止樹脂
7が硬化する前に、補強板9が配備されるのである。
成する外装フィルム15,16は、ポリイミド、ポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートなどのポリエステル類、プロピレンなどのポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
ルジアセテートなどのセルロース類、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチ
レン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
アクリル酸メチル、ポリメチルメタクリレート、ポリア
クリル酸エチル、ポリエチルメタクリレート、酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコールなどのビニル系樹脂、ポリカ
ーボネート類などの単体、あるいは混合物から材料であ
れば何ら問題なく使用できる。これらの外装フィルム1
5,16は、それぞれ同一材料からなるものであって
も、異なる材料からなるものであっても良い。
に充填された接着剤層18は、熱可塑性樹脂、硬化性樹
脂、さらにはこれらの樹脂を混合した樹脂からなり、こ
れらの樹脂中に粒状物質を分散させて用いても良い。そ
して特に、接着剤層18を構成する樹脂としては、塩素
を含有しない樹脂を用いることとする。従来、カードの
素材としては主にポリ塩化ビニル(PVC)樹脂や塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体が用いられて、特にポリ塩
化ビニル樹脂が一般的に使用されている。ポリ塩化ビニ
ル樹脂は物理的な特性、機械的な特性、そして文字部の
エンボス適性などが優れており、カードの素材としては
申し分なく最適な素材として現在も広く用いられてい
る。しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は物性や加工
性、経済性が優れる反面、使用後廃棄する際、特に焼却
時の塩化水素ガスを発生させ焼却炉を傷めて炉そのもの
の寿命を縮めたり、環境ホルモンの一つとして騒がれて
いるダイオキシンとの関連性が疑われているという問題
があり、これらの問題でドイツ、北欧などをはじめ各国
で脱PVCの動きが活発になってきており、国内でも建
材分野や産業資材分野、包装材分野では塩化ビニル以外
の樹脂を用いる同様な流れになってきている。以上のこ
とから、接着剤層18を構成する樹脂としては、非塩素
含有材料を用いることとする。
うち、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ビ
ニル系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
系樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂など)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリウレタン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂を単体、あるい
は複合系にて用いることが出来る。
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、ケイ素系樹脂、尿
素系樹脂、アルキド系樹脂を単体または複数用いること
ができる。
物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、硫酸バリウム
などの従来公知の顔料を用いることが出来る。このよう
な粒状物質を分散させることで、ICカードの隠蔽性や
カード基体13の弾性率を向上させることができる。
可逆性表示層20は、可逆性表示層20上で印画ヘッド
を走査させることによって印画操作が行われるものであ
り、例えば可逆性感熱記録層(以下、単に感熱記録層と
記す)であることとする。
イプとロイコ化合物タイプの何れかを選択し使用するこ
とができ、印刷法、コーティング法等により膜厚4μm
〜20μm程度で設けられることとする。
脂母材(マトリクス)に分散された有機低分子物質の結
晶状態の変化によって白濁・透明が可逆的に変化する。
このような感熱記録層において、感熱記録層中に分散さ
れる有機低分子物質としては脂肪酸、脂肪酸誘導体また
は脂環式有機酸が挙げられ、さらに詳しくは、飽和また
は不飽和のもの、あるいはジカルボン酸、ミリスチン
酸、ペンタデカン酸、パルミチル酸、ヘプタデカン酸、
ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸
等が挙げられ、また、不飽和脂肪酸の具体例としては、
オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、ソルビン酸、
ステアロール酸等が挙げられる。尚、脂肪酸、脂肪酸誘
導体または脂環式有機酸は、これ等のものに限定される
ものではなく、かつ、これ等の内の一種類または二種類
以上を混合させて適用することも可能である。
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セ
ルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、
塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂の単独、混合あるいは共重合物
が用いられる。一方、可逆性感熱記録部の透明化温度範
囲を制御するため、樹脂の可塑剤、高沸点溶剤等を樹脂
母材に対し、0.1%から20%重量%添加することが
できる。さらに、感熱記録層20の繰り返し印画消去耐
性を向上するため、樹脂母材に対応した三次元架橋する
硬化剤、架橋材等を樹脂母材に対し、0.5%から10
%重量%添加することができる。
0は、樹脂母材(マトリックス)中に分散されたロイコ
化合物と顕滅色剤の可逆的な発色反応を利用している。
このような感熱記録層20中に用いられる通常無色ない
し淡色のロイコ化合物としては、一般的に感圧記録紙、
感熱記録紙、感光記録紙、通電感熱記録紙、感熱転写紙
等に用いられるものに代表され、ラクトン、サルトン、
スピロピラン等の部分骨格を有するキサンテン、スピロ
ピラン、ラクトン、フルオラン、サルトン系等が用いら
れるが、特に制限されるものではない。
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3
−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル
−5)−ジメチルアミノフタリド、3−ジメチルアミノ
−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル
−n−ニトリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(n−エチル−n−テトラヒドロ
フリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
等が挙げられ、単独或いは混合して用いられる。
よりプロトンを可逆的に放出してロイコ化合物に対し顕
色作用と滅色作用を併せ持つ化合物である。すなわち、
フェノール性水酸基またはカルボキシル基から成る酸性
基とアミノ基から成る塩基性基の双方を有し、熱エネル
ギーの違いにより酸性または塩基性となって上記ロイコ
化合物を発色、消色させるものである。塩基性基は官能
基として存在していても良いし化合物の一部として存在
していても良い。また、顕滅色剤の酸性基、或いは塩基
性基の何れか一方の官能基を有する顕滅色剤は、例え
ば、アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、4−アミノ
−3−メチル安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香
酸、2−アミノ−5−エチル安息香酸、3−アミノ−4
−ブチル安息香酸、4−アミノ−3−メトキシ安息香
酸、3−アミノ−4−エトキシ安息香酸、2−アミノ−
5−クロロ安息香酸、4−アミノ−3−ブロモ安息香
酸、2−アミノ−2−ニトロ安息香酸、4−アミノ−3
−ニトロ安息香酸、3−アミノ−4−ニトリル安息香
酸、アミノサリチル酸、ジアミノ安息香酸、2−メチル
−5−アミノナフトエ酸、3−エチル−4−アミノナフ
トエ酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、2−メチルニコ
チン酸、6−クロロニコチン酸等がある。また、塩基性
基を塩化合物の一部として有するものには、フェノール
性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物とアミノ
基を有する化合物の塩または錯塩であり、例えばヒドロ
キシ安息香酸類、ヒドロキシサリチル酸類、没食子酸
類、ビスフェノール酢酸等の酸と、脂肪族アミン類、フ
ェニルアルキルアミン類、トリアリルアルキルアミン類
等の塩基との塩または錯塩が挙げられる。この具体例と
してはp−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、p
−ヒドロキシ安息香酸−フェニルアルキルアミン塩、m
−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、p−ヒドロ
キシ安息香酸メチル−アルキルアミン塩、p−ヒドロキ
シ安息香酸ステアリル−アルキルアミン塩、ビスフェノ
ール酢酸−アルキルアミン、ビスフェノール酢酸オクチ
ル−アルキルアミン塩等が挙げられ、単独或いは混合し
て用いられる。尚、ロイコ化合物及び顕滅色剤はこれら
のものに限定されるものではなく、且つ、これらの内の
一種類又は二種類以上を混合させて適用することも可能
である。
脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウ
レア、メラミン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルブチラール等の樹脂の単独、混合或い
は共重合体が用いられる。更に、感熱記録層20部の繰
り返し印字消去耐性を向上するため、樹脂母材に対応し
た三次元架橋する硬化剤、架橋剤などを樹脂母材に対し
0.5%から10%重量%添加することができる。ま
た、耐性を向上させるためにロイコ化合物と比較的相溶
性の高い紫外線吸収剤を添加することができる。
する方法としては、例えば特開平9−131856に開
示されているロール・シート方式等を適用することがで
きる。この方法は、先ず、2枚の外装フィルム15,1
6のそれぞれの上面に塗布形成された接着剤層18のう
ちのいずれか一方に、ICモジュール11を張り込み、
次いで他方の1枚の外装フィルム15,16の接着剤層
18でICモジュール11を挟み込む。これによって、
外装フィルム15,16間に充填された接着剤層18中
にICモジュール11を封止する。このようなロール・
シート方式によるICカードの製造は、加熱プレス方式
(バッチ式)と比較すると、カード化の材料設置などに
よる設備停止状態がなく、連続的にカード成形が可能で
あり、設備稼働に無駄が少なく生産可能とすることがで
きる。
用する場合、予め、外装フィルム15,16における一
方の面に印刷法、コーティング法等により膜厚4μm〜
20μm程度の感熱記録層(すなわち可逆性表示層2
0)を設けておくこととする。また、必要に応じて、外
装フィルム15,16の感熱記録層20が設けられない
部分に、従来の紙、プラスチックの場合と同じ方法、す
なわち、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビ
ア印刷法等の公知の印刷法で文字或いは絵柄を印刷して
おく。そして、外装フィルム15,16において、可逆
性表示層20や印刷層が設けられていない面上に、接着
剤層18を塗布形成する。
モジュール11を挟み込んだ後、ロール・シート方式に
より作製されたカード基体13を、片刃またはオス−メ
スの金型による打ち抜きでカード形状に打ち抜く。その
後、必要に応じてエンボッサーにより浮き文字をエンボ
スし、その文字の上に熱転写箔によりティッピングして
色付けしたり、磁気ストライプに磁気情報をエンコード
したり、場合によっては顔写真やバーコード等を転写し
てICカードを仕上げる。
絵柄印刷層の摩耗等の耐性を向上させる目的で保護層を
設けても良く、さらに、接触式ICチップを設ける為に
カード基体13の表面を凹状に切削加工した後、接着剤
を用いてこの凹状内に接触式ICチップを埋め込み、非
接触IC(すなわちICチップ5)と接触式ICの両方
を有するコンビ、あるいはハイブリッドなカードを作成
することもできる。
止樹脂7上に設けた補強板9を、ICチップ5の最も長
尺寸法値を直径とした略円形に形成し、ビッカース硬度
300以上でかつ580未満の材料からなる場合には3
0μm〜100μm厚みを有し、ビッカース硬度200
以上でかつ580未満の材料からなる場合には50μm
〜100μm厚みを有するものとしたことで、補強板9
によるICチップ5の保護機能を十分に確保しながら
も、封止樹脂7の硬化収縮変形による補強板9の変形を
小さく抑えることが可能になる。
料を用いた場合、補強板9が脆くなる。このため、JI
S規格に納めるための補強板9の厚み100μm以下の
範囲では、ICチップ5の保護機能を十分に得ることが
できない。また、ビッカース硬度が200未満の材料を
用いた場合、補強剤9の弾性が乏しくなる。このため、
JIS規格に納めるための補強板9の厚み100μm以
下の範囲では、封止樹脂の変形に伴って補強板9が大き
く変形するのである。
長尺寸法値を直径とした略円形をなしているため、上記
のように補強板9のビッカース硬度及び厚みを規定する
ことで、封止樹脂7上に設けられた補強板9の表面高低
差を20μm以下に抑えることができる。したがって、
2枚の外装フィルム15,16上に塗布された接着剤層
18間にICモジュール11挟み込んでカード基体13
を成形する際、この補強板9の変形を十分に吸収するこ
とができ、カード基体13やその表面に設けられた感熱
記録層20の表面平坦性を確保できる。
作を行う際に印字ヘッドとの間のスペーシングを小さく
して確実に印画を行うことが可能であり、かつ補強板9
によってICチップ5が確実に保護されて機械的な強度
が得られ、ICカードの信頼性の向上を図る事が可能に
なる。
カード基材13の構成材料として非塩素含有材料を用い
ているため、焼却処理時に塩化水素やダイオキシン等が
発生することを回避できる。
示したように、ICチップ5側におけるカード基体13
の表面に感熱記録層(可逆性表示層)20を設けた構成
のICカードを説明した。しかし、本発明のICカード
は、図5に示すように、ICチップ5と反対側における
カード基体13の表面に可逆性表示層20を設けた構成
であっても良い。この場合、可逆性表示層20が設けら
れていない側のカード基体13表面に、封止樹脂7の硬
化収縮にともなう補強板9の変形の影響(すなわち凹
凸)が生じることになる。しかし、可逆性表示層20に
対して印画操作を行う場合、ICカードをその厚み方向
から挟み込んだ状態で、可逆性表示層20に対して印画
ヘッドを摺動させるため、可逆性表示層20が設けられ
ていない面の凹凸形状も、印画特性に影響を及ぼすこと
になる。
おいても、図1を用いて説明したと同様に補強板9を構
成することで、同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、ICチップ5と反対側の絶縁性基板
1面上に、封止樹脂61を介して補強板62を設けた構
成であっても良い。ただし、補強板62は、ICチップ
5上の補強板9と背中合わせの位置に設けられることと
する。また、封止樹脂61は、ICチップ5を封止する
封止樹脂7と同様のものであり、ここでは補強板62を
固定するための接着剤として用いられていることとす
る。さらに補強板62は、ICチップ5側に設けられた
補強板9と同様の材質、形状及び厚みであることとす
る。
Cチップ5が裏面側からも保護されることになり、図1
及び図5を用いて説明したICカードと比較して、チッ
プ5実装部分の機械的強度をさらに向上させることが可
能になる。
したような、1枚の絶縁性基板1上にICチップ5と導
電パターン3の全部分とを設けた構成に限定されること
はなく、例えば、図7に示すように、ICチップ5を実
装する絶縁性基板1と、アンテナ等を構成する導電性パ
ターン3を設けた絶縁性基板1’を個別に設け、ICチ
ップ5に接続された絶縁性基板1側の導電性パターン
と、絶縁性基板1’側の導電性パターン3とをワイヤー
ボンディング等にて接続した構成であっても良い。ま
た、図8に示すように、絶縁性基板1から外側に延設さ
れる導電性材料(アンテナコイルなど)3’を設けた構
成であっても良い。
の図7、図8を用いて説明したICカードの構成と、図
1、図5、図6を用いて説明したICカードの構成とを
組み合わせることもでき、同様の効果を得ることができ
る。
及び裏面の少なくとも一方に、可逆性表示層20や外装
シート16表面を保護するための保護層を設けた構成の
ものであっても良い。
びこれらの実施例に対する比較例1〜8、さらにはこれ
らの評価結果を説明する。ここでは、下記表1に示すよ
うに、可逆性表示層をICチップの実装面(IC実装
面)側に設けた場合と、可逆性表示層をICチップの非
実装面側に設けた場合について、補強板の材質(ビッカ
ース硬度)及び厚み、さらにIC非実装面に対する補強
板の設置状態をファクタとして各評価サンプル(すなわ
ち実施例1〜16及び比較例1〜7の各ICチップ)を
作製し、これらの評価サンプルについて、可逆性表示層
への印画性、静荷重強度、及び曲げ試験の評価を行っ
た。
は、図1に示す構成のICカードを評価サンプルとして
作製した。
作製した。ポリエチレンテレフタレート(厚み=50μ
m)からなる絶縁性基板1上にアルミニウム箔(20μ
m)を貼り付け、このアルミニウム箔上にレジスト剤に
よりアンテナパターンを形成した。その後に、アルミニ
ウム箔をエッチング処理することによって、ポリエチレ
ンテレフタレート上にアルミニウムからなるアンテナパ
ターン(導体パターン3)を形成してなるアンテナモジ
ュール(図3参照)を用意した。このアンテナモジュー
ルに異方性導電膜(厚み=30μm)を介してICチッ
プ(縦4mm×横4mm×厚さ180μm)5をフェイ
スダウン実装し、このICチップ5をエポキシ系の封止
樹脂7で封止して上部に補強板9を設けた。補強板9
は、直径7mmの円形にした。その後、110℃にて封
止樹脂7を硬化させてICモジュール11を作製した。
は、表1に示すような材料を用いて各厚みに成形した。
すなわち、ビッカース硬度300以上でかつ580未満
の材料であれば、30μm〜100μmの範囲で選択さ
れた各厚みを有するものを用い、ビッカース硬度200
以上でかつ580未満の材料であれば、50μm〜10
0μmの範囲で選択された各厚みのものを用いた。尚、
表1において、補強板材質は、JIS規格記号で示し
た。
後、補強板9の表面高さを非接触式表面形状測定機(三
鷹光器製)により測定した。この際、ICチップ5をそ
の中央付近を通って横断するように、補強板9の両端に
亘って直径方向に測定方向を移動させて測定を行った。
そして、測定された表面高さの最大高低差を、表面高低
差として表1に合わせて示した。
作製した。白色ポリエチレンテレフタレート(厚み=1
00μm)からなるロール・シート状の外装フィルム1
5を用意し、この表面上に着色層として真空蒸着法によ
りアルミニウム層(約5nm)を形成し、その上に樹脂
中に分散された有機低分子からなる感熱記録塗料をグラ
ビア法を用いて乾燥温度120℃、塗布厚10μmで塗
布して感熱記録層20を設けた。更にこの上に保護層と
してグラビア印刷法により保護層(図示省略)を塗布厚
3μmで塗布した。次にこの外装フィルム15の裏面に
接着剤塗料をグラビア法により乾燥温度100℃、塗布
厚3μmで塗布し可逆性感熱記録シートを得た。
を作製した。膜厚100μmの白色ポリエチレンテレフ
タレート(酸化チタン合有)のロール・シートを外装フ
ィルム16として用意した。このロール・シートの片面
へスクリーン印刷法とオフセット印刷法により絵柄・文
字を印刷し、裏面カード基材とした。
った。先ず、にて作製した可逆感熱記録シートの外装
フィルム15の裏面側(感熱記録層20のない面側)
へ、炭酸カルシウム含有エポキシ樹脂とアミン系硬化剤
を混合した接着剤を塗布して接着剤層18を形成した。
そして、にて作製したICモジュール11を、ICチ
ップ5を設けた側を着剤層18側に対向させる状態で貼
り付けた。一方、同時進行的に、にて作製した裏面カ
ード基材の外装フィルム16の裏面側(印刷のない面
側)へも、同様の接着剤を塗布して接着剤層18を形成
した。その後、接着剤層18を設けた面を対向させる状
態で、可逆感熱記録シートと裏面カード基材とを合わせ
て一体化した。次いで、加熱炉を経てエポキシ樹脂を硬
化させた後、カード形状に打ち抜き、これによって感熱
記録層20を有する各実施例1〜6のICカードを作製
した。
は、図6に示す構成のICカードを評価サンプルとして
作製した。ここでは、実施例1〜6の製造方法におい
て、ICモジュールを作製する際、絶縁性基板1の裏面
側(ICチップ5が設けられていない側)にも、ICチ
ップ5を覆う封止樹脂7と同様の材料からなる接着剤6
1を設け、さらにこの接着剤61上に補強板62を設
け、その後封止樹脂61材料を硬化させる手順を行っ
た。
mmの円形とし、表1に示すようなビッカース硬度を得
られる各材料及び厚み、すなわち、ビッカース硬度30
0以上でかつ580未満の材料であれば、30μm〜1
00μmの範囲で選択された各厚みを有するものを用
い、ビッカース硬度200以上でかつ580未満の材料
であれば、50μm〜100μmの範囲で選択された各
厚みのものを用いた。
いては、図5に示す構成のICカードを評価サンプルと
して作製した。ここでは、実施例1〜6の製造方法にお
いて、カード化を行う際、った。にて作製した裏面カ
ード基材の外装フィルム16の裏面側(印刷のない面
側)に設けた接着剤層18に、にて作製したICモジ
ュール11を対向させる状態で貼り付け、それ以外は実
施例1〜6の製造方法と同様に行った。また、補強板9
は、表1に示すようなビッカース硬度を得られる各材料
及び厚み、すなわち、ビッカース硬度300以上でかつ
580未満の材料であれば、30μm〜100μmの範
囲で選択された各厚みを有するものを用い、ビッカース
硬度200以上でかつ580未満の材料であれば、50
μm〜100μmの範囲で選択された各厚みのものを用
いた。
いては、図5に示す構成においてICチップの非実装面
側にも接着剤を介して補強板を設けた構成のICカード
を作製した。ここでは、実施例10〜12の製造方法に
おいて、ICモジュールを作製する際、絶縁性基板1の
裏面側(ICチップ5が設けられていない側)にも、I
Cチップ5を覆う封止樹脂7と同様の材料の接着剤を設
け、さらにこの接着剤上に補強板を設け、その後封止樹
脂材料を硬化させる手順を行った。
とし、表1に示すようなビッカース硬度を得られる各材
料及び厚み、すなわち、ビッカース硬度300以上でか
つ580未満の材料であれば、30μm〜100μmの
範囲で選択された各厚みを有するものを用い、ビッカー
ス硬度200以上でかつ580未満の材料であれば、5
0μm〜100μmの範囲で選択された各厚みのものを
用いた。
図1に示す構成のICカードを作製した。ただし、補強
板9の材質及び厚みを表1に示す各値にした。
図6に示す構成のICカードを作製した。ただし、補強
板の材質及び厚みを表1に示す各値にした。
図5に示す構成のICカードを作製した。ただし、補強
板の材質及び厚みを表1に示す各値にした。
図5に示す構成においてICチップの非実装面側にも接
着剤を介して補強板を設けた構成のICカードを作製し
た。ただし、補強板の材質及び厚みを表1に示す各値に
した。
剤としてPVCを用いたこと以外は、実施例3と同様に
図1に示す構成のICカードを作製した。
例1〜16及び比較例1〜8のICカードを評価サンプ
ルとして、感熱記録層20への印画性、静荷重強度、及
び曲げ試験の評価を行った。評価結果は、表1に示し
た。
記録プリンター(KUZ−2000)を用い、サーマル
ヘッドへの印可エネルギー0.5mJ/dotで印字し
た。ICチップ実装部上(またはその裏面側)の感熱記
録層20部分に印字抜けが生じていれば印画性×、印画
抜けが無ければ印画性○とした。
重を評価した。荷重位置は、ICチップ実装部中心と
し、測定子の先端形状は、半径0.2mmの球体、荷重
試験速度は0.5mm/minとした。ICチップ破壊
についは、通信不能となった時点で破壊とした。
ルについて20枚づつ行い、曲げ試験の前後でIC動作
確認を行った。IC動作確認にはソニー(株)製のリー
ダライタ(通信機RC−S440C)を用いた。
のICカード、すなわち補強板9の材質及び厚みが、ビ
ッカース硬度300以上でかつ580未満の材料であれ
ば厚みが30μm〜100μmの範囲であり、またビッ
カース硬度200以上でかつ580未満の材料であれば
厚みが50μm〜100μmの範囲であるICカードに
おいては、感熱記録層20に対する印画性も良好で、か
つICチップ実装部における静荷重強度も、補強板のビ
ッカース硬度及び厚みが上記範囲を下回るICカード
(比較例1,2,3,7)よりも高い数値を示してお
り、しかも補強板9によってICチップ5が確実に保護
されているため曲げ試験の後にも全ての評価サンプルで
ICチップ5が正常に動作することが確認された。
は、補強板9の表面高低差が20μm以下に保たれてい
る。このことから、感熱記録層20がICチップ5の実
装面側であるなしに関わらず、補強板9の表面高低差が
20μm以下に抑えられていれば、感熱記録層20に対
する印画性を確保できる程度に、この表面高低差をカー
ド基体13によって吸収できることが分かった。尚、図
9には、代表して実施例8における補強板9の表面高さ
のグラフを示す。このグラフから、実施例8の補強板9
の表面高低差は8μmとなる。
の構成であれば、ICチップ5側のみに補強板9を設け
たICカード(すなわち実施例1〜6及び実施例10〜
12)と比較して、ICチップ5の非実装面側にも補強
板が設けられているICカード(すなわち、実施例7〜
9及び実施例13〜16)においては、ICチップ5実
装部分においける静荷重強度が増加し、ICチップの機
械的強度が向上することが確認された。
着剤層18として非塩素含有材料を用いているため、焼
却処理時に塩化水素やダイオキシンを発生させる懸念は
ない。
においては、補強板9のビッカース硬度及び厚みが、本
発明で規定した範囲を下回っているため、封止樹脂7の
硬化収縮にともなう補強板9の変形が、表面高低差20
μmを越える大きさになる。このため、この表面高低差
をカード基体13で吸収することができず、ICチップ
5の実装面側に設けた感熱記録層20に対する印画性を
確保できない。しかも、補強板9によるICチップ5の
保護が十分ではなく、曲げ試験の後には、比較例1〜3
の全てでICチップに不良品が発生してしまう。尚、図
10には、代表して比較例1における補強板9の表面高
さのグラフを示す。このグラフから、比較例1の補強板
9の表面高低差は29μmとなる。
は、補強板9のビッカース硬度が、本発明で規定した範
囲を超えており、封止樹脂7の硬化収縮に伴う補強板9
の変形が小さく抑えられ、表面高低差が3μmと低い値
になった。このため、印画性は良好であったものの、補
強板9が脆くなり、ICカードをJIS規格に納めるた
めの補強板9の厚み100μm以下の範囲では、ICチ
ップ5の保護機能を十分に得ることができず、曲げ試験
の後には、比較例1〜3の全てでICチップに不良品が
発生してしまう。
は、補強板9のビッカース硬度及び厚みが、本発明で規
定した範囲を下回っているものの、ICチップ5の非実
装面側に感熱記録層20を設けているため、封止樹脂7
の硬化収縮に伴う補強板9の変形が、表面高低差が25
μmと大きくても、その影響が可逆性表示層20側に及
び難く、印画性は良好であった。ところが、補強板9に
よるICチップ5の保護が十分ではなく、曲げ試験の後
には、ICチップに不良品が発生してしまう。
は、比較例6のICカードにおいて、ICチップ5の非
実装面側にも補強板を設けたことで、比較例6のICカ
ードよりも、ICチップ5部分の静荷重強度が増加し、
曲げ試験の結果も良好であった。ところが、ICチップ
の非実装面側に感熱記録層20が設けられており、この
非実装面側に設けた補強板のビッカース硬度及び厚み
が、本発明で規定した範囲を下回っているため、封止樹
脂7の収縮にともなう補強板の変形をカード基体で吸収
することができず、ICチップ5の非実装面側に設けた
可逆性表示層20に対する印画性を確保することができ
なかった。
層20に対する印画性も良好で、かつICチップ実装部
における静荷重強度も高い数値を示しており、しかも補
強板9によってICチップ5が確実に保護されているた
め曲げ試験の後にも全ての評価サンプルでICチップ5
が正常に動作することが確認された。しかし、接着剤層
18がPVCで構成されていることから、焼却処理時に
塩化水素やダイオキシンお問題があるガスを発生する可
能性がある。
炭酸カルシウム含有エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を混
合した接着剤を外装フィルム15,16上に塗布して接
着剤層18を形成した。しかし、この他にも、反応性シ
リコン系樹脂からなる接着剤、フェノール−エポキシ樹
脂とアミン系硬化剤とを混合した接着剤、シアノアクリ
ル系樹脂とアミン系硬化剤とを混合した接着剤、ポリウ
レタン樹脂とイソシアネート化合物とを混合した接着
剤、エポキシ−ポリビニルアルコールとアミン系硬化剤
とを混合した接着剤、エチレン酢酸ビニル共重合体から
なる接着剤、ポリアレフィン系樹脂からなる接着剤、さ
らにはアクリル樹脂からなる接着剤を、それぞれ外装フ
ィルム15,16上に塗布して接着剤層18を形成し、
これによって各ICカードを作製し、同様の評価を行っ
た。その結果、各構成のICカードにおいて、上記実施
例及び比較例と同様の評価結果が得られた。
によれば、ICチップを覆う封止樹脂上の補強板のビッ
カース硬度及び厚みを規定したことで、補強板によるI
Cチップの保護機能を維持しながらも、ICチップを覆
う封止樹脂の硬化収縮に伴う補強板の変形を抑えてカー
ド基体の表面平坦性を確保することが可能になる。この
結果、カード基体の表面に設けられた可逆性表示層に対
して確実に印画を行うことが可能でありながらも、この
補強板によってICチップの機械的強度を確保すること
ができ、ICカードの信頼性の向上を図ることが可能に
なる。
る。
る。
る。
る。
る。
さを示すグラフである。
高さを示すグラフである。
脂、9,62…補強板、11…ICモジュール、13…
カード基体、15,16…外装フィルム、18…接着剤
層、20…可逆性表示層(感熱記録層)
Claims (6)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に搭載されたICチップ、
当該ICチップを覆う封止樹脂及び当該封止樹脂上に設
けられた補強板を備えたICモジュールと、2枚の外装
フィルム上に塗布された接着剤層間に前記ICモジュー
ルを封止してなる樹脂製のカード基体と、前記カード基
体の少なくとも一方の表面に設けられた可逆性表示層と
を備えたICカードにおいて、 前記補強板は、前記ICチップの最も長尺寸法値を直径
とした略円形をなし、ビッカース硬度300以上でかつ
580未満の材料からなると共に、30μm〜100μ
m厚みを有することを特徴とするICカード。 - 【請求項2】 請求項1記載のICカードにおいて、 前記絶縁性基板における前記ICチップと反対側の面
に、接着剤を介して補強板が設けられていることを特徴
とするICカード。 - 【請求項3】 請求項1記載のICカードにおいて、 前記接着剤層は、非塩素含有材料で構成されたことを特
徴とするICカード。 - 【請求項4】 絶縁性基板上に搭載されたICチップ、
当該ICチップを覆う封止樹脂及び当該封止樹脂上に設
けられた補強板を備えたICモジュールと、2枚の外装
フィルム上に塗布された接着剤層間に前記ICモジュー
ルを封止してなる樹脂製のカード基体と、前記カード基
体の少なくとも一方の表面に設けられた可逆性表示層と
を備えたICカードにおいて、 前記補強板は、ICチップの最も長尺寸法値を直径とし
た略円形をなし、ビッカース硬度200以上でかつ58
0未満の材料からなると共に、50μm〜100μmの
厚みを有することを特徴とするICカード。 - 【請求項5】 請求項4記載のICカードにおいて、 前記絶縁性基板における前記ICチップと反対側の面
に、接着剤を介して補強板が設けられていることを特徴
とするICカード。 - 【請求項6】 請求項4記載のICカードにおいて、 前記接着剤層は、非塩素含有材料で構成されたことを特
徴とするICカード。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000357180A JP2002163623A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | Icカード |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012078983A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Toppan Printing Co Ltd | 高強度icカード |
-
2000
- 2000-11-24 JP JP2000357180A patent/JP2002163623A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012078983A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Toppan Printing Co Ltd | 高強度icカード |
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