JP2002162536A - 光コネクタ用フェルール及びその製造方法 - Google Patents

光コネクタ用フェルール及びその製造方法

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JP2002162536A
JP2002162536A JP2000356409A JP2000356409A JP2002162536A JP 2002162536 A JP2002162536 A JP 2002162536A JP 2000356409 A JP2000356409 A JP 2000356409A JP 2000356409 A JP2000356409 A JP 2000356409A JP 2002162536 A JP2002162536 A JP 2002162536A
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optical fiber
diameter
ferrule
small
diameter portion
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JP2000356409A
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Hidekazu Yoshimura
英一 吉村
Atsuhiko Morino
篤彦 森野
Minoru Tamura
稔 田村
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YKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ素線を安定してかつ同心度精度を
維持して保持・固定でき、また光ファイバの挿着を容易
に行なえる安価な光コネクタ用フェルール(もしくはキ
ャピラリ)及びそれを生産性良く低コストで製造できる
方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバ素線挿通用の小径部を有し、
光ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するためのフェ
ルール(キャピラリ)において、上記小径部が、接続用
先端面から所定距離だけ内径加工された平行孔状の光フ
ァイバ保持部2と、該光ファイバ保持部から小径部後端
にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部3とからな
る。該フェルール(キャピラリ)の製造においては、小
径部が接続用先端面から小径部後端にかけて僅かに拡大
するテーパ状に形成されたブランクを射出成形し、得ら
れたブランクの接続用先端面から所定距離だけ内径加工
して光ファイバ保持部を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に使用され
る光ファイバ端末(もしくは光ファイバケーブル端末)
を接続及び/又は固定するために用いられる光コネクタ
用フェルール(もしくはキャピラリ)及びその製造方法
に関する。なお、本明細書において、「フェルール」と
は「キャピラリ」を含む包括的な用語を意味するものと
する。
【0002】
【従来の技術】光コネクタは、光ファイバ同士の端面を
正確に突き合わせ、両光ファイバ間を光信号が良好に伝
達されるように接続するためのものであり、その接続部
にフェルールもしくはキャピラリが用いられる。以下、
添付図面を参照しながら説明すると、図5は、光コネク
タにおけるキャピラリ11とフランジ12が別体型のフ
ェルール10を示している。すなわち、フェルール10
は、光ファイバ17(もしくは光ファイバ素線)を挿入
するための小径の貫通孔13が中心軸線に沿って形成さ
れたキャピラリ11と、中心軸線に沿って光ファイバ心
線16(光ファイバの外周に外被が被着されたもの)挿
通用の大径の貫通孔14が形成されたフランジ部12と
からなる。キャピラリ11のテーパ径部15が形成され
た端部を、フランジ12の先端穴部19に締り嵌め又は
接着等により固着して組み立てられ、キャピラリ11の
小径の貫通孔13とフランジ12の大径の貫通孔14は
テーパ径部15を介して接続される。一対の光ファイバ
17,17の接続は、それらが挿入・接合された各フェ
ルール10,10を割りスリーブ18の両端から挿入
し、フェルール10,10同士の端面を突き合わせるこ
とにより行なわれ、これによって光ファイバ17,17
の軸線が整列した状態で先端部が突き合わせ接続され
る。一方、図6は、光コネクタのキャピラリ部11aと
フランジ部12aが一体の光コネクタ用フェルール10
aを示している。
【0003】従来、光コネクタ用フェルールもしくはキ
ャピラリを製造する場合、まず、バインダを含むジルコ
ニア等のセラミック粉末や、合成樹脂、金属等の射出成
形、押出成形等によって一次成形し(特公平8−307
75号、特開平8−15568号、特開平8−1941
31号、特開平9−141704号、特開平10−18
6176号等)、得られたブランクを、用いた材料に応
じて脱脂、焼結した後、外径研磨加工、内径研磨加工、
先端凸球面加工(PC研磨)等の機械加工により所望の
寸法に仕上げ加工されている。このため、製造工程が長
大で、高価な内径加工機、外径研磨機などの装置を必要
とし、製造コストが高いという問題があった。
【0004】光コネクタ用フェルールには、光の損失を
防ぐために高い寸法精度が要求される。すなわち、光フ
ァイバ同士の軸線を一致させて接続し、光の損失を防ぐ
ためには、光ファイバを固定、整列させるフェルールも
しくはキャピラリの内径、同心度、外径精度が重要であ
り、サブミクロンオーダーの高い精度での加工が必要で
ある。特に加工コストが高い仕上げ加工に内径研磨加工
があり、フェルールもしくはキャピラリの小径部内径
(特に突き合わせ面近傍の内径)には高い寸法精度が要
求される。光ファイバ素線挿通用の小径部孔径は、タイ
プにより様々であるが、例えばSC型と呼ばれるキャピ
ラリ(フェルール)ではφ0.126mm、深さ10m
mの細孔を有しており、その内径は極めて小さいため、
内径加工には一般にワイヤラッピング加工が採用されて
いる。
【0005】ワイヤラッピングによる内径研磨加工法と
しては、従来、射出成形、押出成形等によって作製され
た複数個のブランクをウッドメタル等の低融点半田によ
って固定し、同時にワイヤーラッピング加工する方法
(メタルセット方式)と、ブランクを1個ずつワイヤー
ラッピング加工する方法が知られている。例えば、複数
個のブランクをセット用ワイヤに通し、このワイヤを緊
張させた状態で各ブランクをホルダにウッドメタルによ
って固定する。次いで、セット用ワイヤを外し、テーパ
の付いた研磨用ワイヤを通した後、適当な粒度の研磨用
粉末やダイヤモンドスラリーなどの研磨剤を供給しなが
ら、ブランクをホルダと共に回転させ、同時に研磨用ワ
イヤを軸線方向に往復動させることにより、複数個のブ
ランクの細孔加工を同時に行なう。加工終了後、ウッド
メタルを溶解し、ブランクをホルダから外して洗浄す
る。この方法の場合、複数個のブランクを同時に加工で
きる利点はあるが、ブランクの孔径にばらつきがあるた
め、加工代を大きくとる必要があるという難点がある。
これを解決するため、複数のブランクをホルダに固定せ
ず、張設された研磨用ワイヤに複数個のブランクを通し
て遊動状態に保持し、ブランクを1個ずつ回転させてラ
ッピング加工を行なう方法もある(特許第254298
2号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような従来のメタルセット方式及び1個ずつブランク
を加工する方式とも、必ず複数個のブランクをワイヤに
通し、加工後に取外すワイヤ通し・取外し作業が必要に
なる。特にメタルセット方式の場合、セット用ワイヤに
複数個のブランクを通し、ホルダに固定した後、ブラン
ク固定ホルダを抜いて再度研磨用ワイヤに通すという2
度のワイヤ通し作業が必要になる。このようなワイヤ通
し・取外し作業は、細孔加工の自動化を妨げる大きな原
因となっていると共に、生産性を低下させ、加工コスト
を増大させる大きな要因となっている。
【0007】また、ワイヤラッピング加工の場合、テー
パの付いた研磨用ワイヤを別途作製しておき、取替え時
には使用した研磨用ワイヤ部材を全体的に交換すること
が必要となる。そのため、研磨用ワイヤのコストが高く
なるという問題もある。さらに、光コネクタ用フェルー
ルにおいては、前記図5に示すキャピラリ11の小径の
貫通孔13とテーパ径部15の継目部分は、光ファイバ
の挿入を容易にするために丸み(R)が付けられている
が、ワイヤラッピング加工によってR部の小径貫通孔側
部分が削られてその部分がエッジ状になり、光ファイバ
挿入時の折損の原因となる。そのため、超音波加工やブ
ラシ研磨等によってエッジ部分を丸く加工する必要があ
り、このことも生産性低下、コスト増大の要因の一つと
なっていた。
【0008】前記したような加工コストの増大等の問題
を解消すべく、特開平7−253521号には、射出成
形、焼成後の筒状のセラミックス焼結体からなるブラン
クの内径研磨加工を省略し、光ファイバ素線外径よりも
僅かに大きい内径を有する光ファイバ素線挿通用のスト
レート穴状の細孔内面及びテーパ穴部内面を、焼成肌の
ままにしておくことが提案されている。しかしながら、
内径研磨加工を省略した場合、同心度の基準となる内径
の真円度が確保できず、突き合わせ接続される光ファイ
バ同士の同心度維持が困難となり、そのため接続損失が
大きくなるという問題があった。
【0009】従って、本発明の目的は、上記のようなワ
イヤラッピング加工に伴う問題、さらにまたワイヤラッ
ピング加工省略に伴う問題を解消し、光ファイバ素線を
安定してかつ同心度精度を維持して保持・固定でき、ま
た光ファイバの挿着を容易に行なえる安価な光コネクタ
用フェルール(もしくはキャピラリ)を提供することに
ある。さらに本発明の目的は、同心度などの精度を下げ
ることなく上記のような光コネクタ用フェルール(もし
くはキャピラリ)を生産性良く低コストで製造できる方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第一の側面によれば光コネクタ用フェルー
ル(もしくはキャピラリ)が提供され、その基本的な第
一の態様は、光ファイバ素線挿通用の小径部を有し、光
ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するための筒状の
光コネクタ用フェルールにおいて、上記小径部が、接続
用先端面から所定距離だけ内径加工された平行孔状の光
ファイバ保持部と、該光ファイバ保持部から小径部後端
にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部とからなる
ことを特徴としている。
【0011】本発明の光コネクタ用フェルール(もしく
はキャピラリ)のより具体的な第二の態様は、光ファイ
バ素線挿通用の小径部と、後端開口部において外側に拡
開するテーパ径部とを有し、光ファイバ同士の端面を突
き合わせ接続するための筒状の光コネクタ用フェルール
において、上記小径部が、接続用先端面から所定距離だ
け内径加工された平行孔状の光ファイバ保持部と、該光
ファイバ保持部から小径部後端にかけて僅かに拡大する
未加工のテーパ状部とからなり、上記内径研磨加工され
た光ファイバ保持部の長さが1.5〜6mmであり、か
つ、上記テーパ径部も未加工であることを特徴としてい
る。
【0012】本発明の光コネクタ用フェルール(もしく
はキャピラリ)のより具体的な第三の態様は、光ファイ
バ素線挿通用の小径部と、光ファイバ心線挿通用の大径
部と、該小径部と大径部とを接続するテーパ径部とを有
し、光ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するための
筒状の光コネクタ用フェルールにおいて、上記小径部
が、接続用先端面から所定距離だけ内径加工された平行
孔状の光ファイバ保持部と、該光ファイバ保持部から小
径部後端にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部と
からなり、上記内径加工された光ファイバ保持部の長さ
が1.5mm以上、3mm未満であり、内径加工された
光ファイバ保持部と未加工のテーパ状部の合計長さが3
mm以上であり、かつ、上記大径部及びテーパ径部も未
加工であることを特徴としている。
【0013】さらに本発明の第二の側面によれば、光フ
ァイバ素線挿通用の小径部を有し、光ファイバ同士の端
面を突き合わせ接続するための筒状光コネクタ用フェル
ールの製造方法において、上記小径部が接続用先端面か
ら小径部後端にかけて僅かに拡大するテーパ状に形成さ
れたフェルールブランクを射出成形し、得られたフェル
ールブランクの接続用先端面から所定距離だけ内径加工
して平行孔状の光ファイバ保持部を成形し、上記小径部
が、上記のように内径加工された光ファイバ保持部と、
該光ファイバ保持部から小径部後端にかけて僅かに拡大
する未加工のテーパ状部とからなるフェルールを製造す
ることを特徴とする光コネクタ用フェルール(もしくは
キャピラリ)の製造方法が提供される。
【0014】好適な態様によれば、射出成形されたフェ
ルールブランクの小径部の最大径D 2と最小径D1の差が
0<D2−D1≦100[μm]であるように設定する。
また、上記内径加工においては、好適には、接続用先端
面側の端部を把持しながら回転させ、これに他端側より
線状の加工具を挿通し、軸線方向に相対的に往復動させ
ることにより研磨加工を行なう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の光コネクタ用フェルール
(もしくはキャピラリ)の製造方法は、前記のように、
光ファイバ素線挿通用の小径部が接続用先端面から小径
部後端にかけて僅かに拡大するテーパ状に形成されたフ
ェルールブランクを射出成形し、得られたフェルールブ
ランクの接続用先端面から所定距離だけ内径加工して平
行孔状の光ファイバ保持部を成形することを特徴として
いる。このような方法によれば、上記小径部が、上記の
ように内径加工された光ファイバ保持部と、該光ファイ
バ保持部から小径部後端にかけて僅かに拡大する未加工
のテーパ状部とからなるフェルール(もしくはキャピラ
リ)を製造することができる。
【0016】製造されるフェルール(もしくはキャピラ
リ)においては、高い寸法精度が要求される接続用先端
面から所定距離だけ平行孔状に内径加工されているた
め、光ファイバ素線を安定して保持・固定することがで
き、小径部内周面全面を内径加工した場合と同等の光特
性(接続損失)を達成できると共に、該光ファイバ保持
部から小径部後端にかけて僅かに拡大するテーパ状部と
されているため、内径加工の際のワイヤー通しや、光フ
ァイバ挿着時の光ファイバ挿入が容易となり、最終製品
に悪影響を生じさせることがない。さらに内径加工部分
は接続用先端面から所定距離だけであり、光ファイバ保
持部から小径部後端にかけて僅かに拡大するテーパ状部
や後端開口部において外側に拡開するテーパ径部は未加
工のままであり、また、光ファイバ素線挿通用の小径部
と光ファイバ心線挿通用の大径部がテーパ径部を介して
接続された構造のフェルール(もしくはキャピラリ)に
おいては、さらに大径部も未加工のままであり、それだ
け内径加工量が減少し、加工時間を短縮できるので、加
工コストを低減でき、また生産性を向上できる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明につい
て詳細に説明する。図1は、図5に示す光コネクタ用フ
ェルール10のキャピラリ11として用いる内径仕上げ
加工前のブランク1aを示しており、加工されるべき小
径部3aと、後端開口部において外側に拡開するテーパ
径部4とからなる貫通孔を有し、小径部3aはテーパ径
部4にかけて僅かに拡大するテーパ状に形成されてい
る。射出成形されたブランク1aの小径部3aの最大径
2と最小径D1の差は、0<D 2−D1≦100[μm]
であるように設定することが好ましい。D2−D1=0の
場合、本発明の目的とする効果が期待できず、一方、1
00μmを超える場合、光ファイバ素線を固定する光フ
ァイバ保持部の長さL1(図3参照)が短くなり、光フ
ァイバ素線を安定して固定するのが難しくなる。
【0018】射出成形用材料としては、セラミックス、
金属、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非
晶質合金、合成樹脂などを用いることができる。これら
の中でも、本発明の利点を多大に享受し、また耐久性や
寸法安定性等に優れる点からセラミックスを用いること
が好ましい。セラミック粉末としては、ジルコニアやア
ルミナなど従来公知のものが使用できるが、特にジルコ
ニアが好ましい。また、バインダとしても、アクリル樹
脂など従来公知の各種樹脂を用いることができる。金属
材料としては、Al基合金、Mg基合金、Zn基合金、
Fe基合金、Cu基合金、チタン合金などのダイカスト
用合金を好適に用いることができる。また、非晶質合金
としては、例えば特開平10−186176号に記載さ
れているようなZr−TM−Al系、Hf−TM−Al
系(TM:遷移金属)等の非晶質合金を好適に用いるこ
とができる。
【0019】以上のように小径部3aが僅かなテーパ状
になるように射出成形することにより、射出成形時の材
料流れも安定し、成形品の外径の寸法精度が向上する。
また、射出成形に用いるコアピン6が、射出成形後、成
形品から抜き出し易くなり、高価なコアピンが折れた
り、曲がったりすることが防止される。さらに、後述す
るように内径加工される部分はコアピン6の先端部分に
対応する部分のみであるため、この部分については高い
内径寸法精度が要求されるが、他の部分についてはそれ
ほどの寸法精度が必要無いため、コアピンを比較的安価
に製造することが可能となる。
【0020】図2は、上記ブランク1aに対する好適な
内径加工方法を説明するための概略図である。キャピラ
リのブランク1aは、加工装置の把持部(チャック機
構)7により小径部3a側の端部が把持され、矢印方向
に回転及び往復動される。この状態で、駆動装置として
の往復回転自在の一対の駆動ロール9により挟持された
先端部がテーパ状に先細となった線状加工具(長尺ワイ
ヤ)8が、テーパ径部4側から貫通孔へ挿通され、矢印
で示すように軸線方向に往復動され、従来と同様に適当
な研磨剤を供給しながら内径研磨加工が行なわれる。
【0021】内径研磨加工は、前記したように、高い寸
法精度が要求される接続用先端面から所定距離だけ平行
孔状(内周面の長手方向両側輪郭線が互いに平行な孔
状)となるように行なわれる。所定回数の加工を終えて
線状加工具8のテーパ状先端部が磨耗した時には、線状
加工具8は加工装置近傍に配置された加工具切断加工部
(図示せず)に移動され、磨耗した先端部を焼き切り、
砥石を用いて所定の形状に加工した後、次の内径研磨加
工に供される。なお、線状加工具の先端部の加工は、機
械加工の他、エッチングなどの化学的方法も採用でき
る。
【0022】なお、図示の例ではブランク1a及び線状
加工具8の両方が往復動されているが、いずれか一方を
往復動するようにしてもよい。また、ブランク1aの貫
通孔への線状加工具8の挿入方向としては、小径部3a
側よりもテーパ径部4側から挿入する方が好ましい。特
に光コネクタ用フェルール(キャピラリ)の場合、小径
部3a側の端面が相手方フェルール(キャピラリ)との
当接面となるので、誤って傷付けることがないようにテ
ーパ径部4側から挿入することが望ましい。また、テー
パ径部4は、線状加工具8の挿入ガイドとして機能する
ことも考えられる。なお、加工装置としては国際公開W
O97/26113号に記載の装置を適宜設計変更した
り、作動条件を設定して用いることができるので、その
詳細な説明は省略する。
【0023】内径加工法としては、前記した方法に限ら
ず、従来公知のワイヤラッピング法も採用できるが、前
記した方法を用いることにより、単一の加工工程により
安定して優れた品質、寸法精度の内径研磨加工を行なう
ことができ、しかも段階的な内径研磨が不要なため、1
台の加工機で内径仕上げ加工の自動化を達成できるとい
う利点が得られるので好ましい。さらに、線状加工具
は、磨耗した先端部分のみを切断し、所定のテーパ状に
再加工して用いることができるため、ワイヤーコストを
低減でき、上記加工時間の短縮とも相俟って加工コスト
を大幅に低減できる。
【0024】前記した方法で内径加工されたキャピラリ
は、その後、必要に応じて両端加工、外径仕上げ加工等
を施され、図3に示すように、小径部が、接続用先端面
から所定距離だけ内径加工された平行孔状の光ファイバ
保持部2と、該光ファイバ保持部2から小径部後端にか
けて僅かに拡大する未加工のテーパ状部3とからなり、
テーパ径部4が未加工のままのキャピラリ1が得られ
る。なお、キャピラリ1の先端面は、光ファイバ同士の
良好な接続を達成するために、凸球面加工(PC研磨)
されているが、斜状凸球面加工としてもよい。上記内径
加工された光ファイバ保持部の長さL1は、1.5〜6
mmの範囲内にあることが好ましい。また、内径加工さ
れた光ファイバ保持部2の長さL1と未加工のテーパ状
部3の長さL2の合計長さは3mm以上であることが好
ましい。光ファイバ保持部の長さL1が1.5mm未満
の場合、光ファイバ素線を安定して保持・固定すること
が困難となり、またキャピラリ外径に対する光ファイバ
保持部の細孔の平行度を保つことが難しく、フェルール
端面同士の突き合わせによる光ファイバの接続不良にな
り易くなる。一方、6mmを超えると加工時間が長くな
り、本発明の目的とする効果が期待できなくなる。
【0025】前記のようなキャピラリを用いたフェルー
ルに光ファイバを挿着する場合、光ファイバ心線先端部
の外被を光ファイバ挿通用小径部に相当する長さ分だけ
剥がし、光ファイバ心線先端部に接着剤を塗布し、フェ
ルールの貫通孔に挿入することにより、光ファイバの折
損を生ずることなく光ファイバをフェルールに取り付け
ることができる。また、フェルールへの光ファイバの挿
入作業が安定し、それらの接着強度も充分なものとな
る。またこの際、光ファイバ心線先端部に塗布した接着
剤が前記テーパ径部4及び小径部のテーパ状部3を介し
て光ファイバ保持部2の先端部にまで接着剤が浸透して
行き渡るので、接着強度が著しく高くなる。このように
して光ファイバが接合されたフェルールは、必要に応じ
て光ファイバとフェルール先端面を同時に研磨した後、
光ファイバ接続に供される。
【0026】図4は他の形態の光コネクタ用フェルール
(キャピラリ)を示しており、光ファイバ素線挿通用の
小径部が、接続用先端面から所定距離だけ内径加工され
た平行孔状の光ファイバ保持部2と、該光ファイバ保持
部2から小径部後端にかけて僅かに拡大する未加工のテ
ーパ状部3とからなり、上記小径部と光ファイバ心線挿
通用の大径部5がテーパ径部4を介して接続された構造
を有する。このような構造の光コネクタ用フェルール
(キャピラリ)においては、上記内径加工された光ファ
イバ保持部2の長さL1は1.5mm以上、3mm未
満、内径加工された光ファイバ保持部2の長さL1と未
加工のテーパ状部3の長さL2の合計長さは3mm以上
であることが好ましい。このようなフェルール(キャピ
ラリ)では、内径加工部の長さL1が3mm未満と短い
ため、内径加工に要する時間を大幅に短縮することが可
能となる。
【0027】前記図4に示すような構造の光コネクタ用
フェルール(キャピラリ)の射出成形に用いられるコア
ピンは、前記したフェルール(キャピラリ)の貫通孔の
形状に対応して、小径部と大径部がテーパ部で接続され
た形状を有し、しかも小径部の長さが従来の方法で用い
られているものに比べて短いため、その加工が容易であ
ると共に強度も大きくなり、またコアピンの寿命も長く
なる。また、コアピンの強度が大きいため、射出成形圧
を高くすることができ、緻密で収縮変形が少ないセラミ
ックブランクを作製でき、従って、寸法精度の良いフェ
ルールが得られる。
【0028】なお、本発明の方法は、図6に示すような
キャピラリ−フランジ一体型のフェルールなど、他の形
態のフェルール(キャピラリ)の製造にも適用できる。
また、前記したようなシングルモード光ファイバコネク
タ用フェルール(キャピラリ)のみでなく、マルチモー
ド光ファイバコネクタ用フェルール(キャピラリ)の製
造にも適用できる。
【0029】以下、射出成形によって製造したキャピラ
リブランクを本発明に従って内径加工を施し、本発明の
効果を具体的に確認した実施例について説明する。用い
たブランク材は、ジルコニア製の射出成形品である。
【0030】実施例1 小径部先端側の直径D1が119μm、後端側の直径D2
が128μmの図1に示すようなブランク材を用い、先
に説明した図2に示すような方法で内径加工を行なっ
た。なお、内径加工に用いたワイヤ(線状加工具)は、
直径125〜126μm、テーパ部長さ100mm、先
端部直径100μmで、ダイヤモンド砥粒が塗られたも
のを用いた。図3に示すような光ファイバ保持部2の直
径D1´が126μmのキャピラリ(フェルール)を作
製するのに、1個当り20〜30秒の加工時間であっ
た。
【0031】比較例1 小径部先端側の直径D1が119μm、後端側の直径D2
が119μmの均一断面の細孔を有するブランク材を用
い、内径加工を行なった。なお、内径加工方法及び内径
加工に用いたワイヤ(線状加工具)は、前記実施例1と
同じである。図5に示すキャピラリ11のような両端部
共に直径126μmの小径部を有するキャピラリ(フェ
ルール)を作製するのに、1個当り60秒の加工時間で
あった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法により製造
される光コネクタ用フェルール(もしくはキャピラリ)
においては、高い寸法精度が要求される接続用先端面か
ら所定距離だけ内径加工されて平行孔状の光ファイバ保
持部が形成されているため、光ファイバ素線を安定して
保持・固定することができ、小径部内周面全面を内径加
工した場合と同等の光特性(接続損失)を達成できると
共に、他の内周面部分は未加工のままであるため、加工
時間を大幅に短縮できるので、加工コストを低減でき、
また生産性を向上できる。また、光ファイバ保持部から
小径部後端にかけては僅かに拡大するテーパ状部とされ
ているため、光ファイバ挿着時の光ファイバ挿入が容易
となる。
【0033】また、本発明の方法によれば、小径部が僅
かなテーパ状になるようにフェルールブランクを射出成
形するため、射出成形時の材料流れも安定し、成形品の
外径の寸法精度が向上する。また、射出成形に用いるコ
アピンが、射出成形後、成形品から抜き出し易くなり、
高価なコアピンが折れたり、曲がったりすることが防止
される。さらに、内径加工される部分はコアピンの先端
部分に対応する部分のみであるため、この部分について
は高い内径寸法精度が要求されるが、他の部分について
はそれほどの寸法精度が必要無いため、コアピンを比較
的安価に製造することが可能となる。また、ブランクの
小径部は僅かなテーパ状になっているため、内径加工の
際のワイヤー通しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光コネクタ用フェルールのキャピラリに加工す
るブランクの一形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の好適な細孔加工方法を説明するための
概略部分断面図である。
【図3】本発明に従って製造されたキャピラリの一例の
概略断面図である。
【図4】本発明に従って製造されたフェルールの一例の
概略断面図である。
【図5】キャピラリとフランジが別体型の光コネクタ用
フェルールを示す概略部分断面図である。
【図6】キャピラリ部とフランジ部が一体型の光コネク
タ用フェルールを示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 キャピラリ(フェルール) 1a ブランク 2 光ファイバ保持部 3 テーパ状部 3a 小径部 4 テーパ径部 5 大径部 6 コアピン 7 把持部 8 線状加工具 9 駆動ロール 10,10a フェルール 11 キャピラリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ素線挿通用の小径部を有し、
    光ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するための筒状
    の光コネクタ用フェルールにおいて、上記小径部が、接
    続用先端面から所定距離だけ内径加工された平行孔状の
    光ファイバ保持部と、該光ファイバ保持部から小径部後
    端にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部とからな
    ることを特徴とする光コネクタ用フェルール。
  2. 【請求項2】 光ファイバ素線挿通用の小径部と、後端
    開口部において外側に拡開するテーパ径部とを有し、光
    ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するための筒状の
    光コネクタ用フェルールにおいて、上記小径部が、接続
    用先端面から所定距離だけ内径加工された平行孔状の光
    ファイバ保持部と、該光ファイバ保持部から小径部後端
    にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部とからな
    り、上記内径加工された光ファイバ保持部の長さが1.
    5〜6mmであり、かつ、上記テーパ径部も未加工であ
    ることを特徴とする光コネクタ用フェルール。
  3. 【請求項3】 光ファイバ素線挿通用の小径部と、光フ
    ァイバ心線挿通用の大径部と、該小径部と大径部とを接
    続するテーパ径部とを有し、光ファイバ同士の端面を突
    き合わせ接続するための筒状の光コネクタ用フェルール
    において、上記小径部が、接続用先端面から所定距離だ
    け内径加工された平行孔状の光ファイバ保持部と、該光
    ファイバ保持部から小径部後端にかけて僅かに拡大する
    未加工のテーパ状部とからなり、上記内径加工された光
    ファイバ保持部の長さが1.5mm以上、3mm未満で
    あり、内径加工された光ファイバ保持部と未加工のテー
    パ状部の合計長さが3mm以上であり、かつ、上記大径
    部及びテーパ径部も未加工であることを特徴とする光コ
    ネクタ用フェルール。
  4. 【請求項4】 光ファイバ素線挿通用の小径部を有し、
    光ファイバ同士の端面を突き合わせ接続するための筒状
    の光コネクタ用フェルールの製造方法において、上記小
    径部が接続用先端面から小径部後端にかけて僅かに拡大
    するテーパ状に形成されたフェルールブランクを射出成
    形し、得られたフェルールブランクの接続用先端面から
    所定距離だけ内径加工して平行孔状の光ファイバ保持部
    を成形し、上記小径部が、上記のように内径加工された
    光ファイバ保持部と、該光ファイバ保持部から小径部後
    端にかけて僅かに拡大する未加工のテーパ状部とからな
    るフェルールを製造することを特徴とする光コネクタ用
    フェルールの製造方法。
  5. 【請求項5】 射出成形されたフェルールブランクの小
    径部の最大径D2と最小径D1の差が0<D2−D1≦10
    0[μm]であることを特徴とする請求項4に記載の方
    法。
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