JP2002161971A - 変速機の軸受構造 - Google Patents
変速機の軸受構造Info
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Abstract
両立を図る。 【解決手段】一端にリダクションドリブンギヤ2が取付
けられ、アキシャル荷重とラジアル荷重とが作用するド
ライブピニオン軸1と、一端においてドライブピニオン
軸1を軸支するとともに、リダクションドリブンギヤ2
の片側に配設された四点接触玉軸受5とを有する変速機
の軸受構造である。
Description
に係り、特に、変速機の出力側に設けられ、リダクショ
ンギヤが取付けられたドライブ軸の軸受構造に関する。
側の動力伝達系では、変速機の減速によって増大された
大きな駆動力が伝達される。また、動力伝達にハス歯歯
車が使用される場合には、駆動力によるアキシャル荷重
も生じるため、これらの歯車軸の軸受には、大きなラジ
アルおよびアキシャル荷重に共に耐え得る容量の軸受装
置が使用されている。
は、アクスルシャフトと同軸芯上に設けられたトランス
ファー用のドライブギヤ,ドリブンギヤ等に対して、そ
の両端をテーバローラ軸受で軸支する構成が開示されて
いる。
に伝達するリダクションギヤの軸受として、ギヤの両端
部をローラ軸受で軸支し、このギヤにより伝達されるド
ライブ軸の他端側に、ラジアルおよびアキシャル荷重を
支持するテーバーローラ軸受を設けたものも知られてい
る。
術のうち、テーバーローラ軸受を使用するものでは、大
きなラジアル荷重,アキシャル荷重に対して剛性が高く
軸支することができるが、軸受が高価であり、かつ、プ
リロード調整等の作業が必要なため、組付作業性が悪い
という問題がある。また、必ず一対(2個)で使用しな
ければならないので、軸方向長が大きくなる欠点もあ
る。
両端をローラ軸受で支持する構成とすることで、プリロ
ードの付与調整等の作業を省き、組立作業性の向上を図
るものであるが、ローラ軸受での両端支持構成では、軸
方向長のコンパクト化を行えない。そこで、片側を支持
することが試みられたが、この場合は歯車に加わるモー
メント荷重によりドライブ軸の中央部が曲げられる現象
が生じ、この歯車,回転軸,トランスミッションケース
等の振動や騒音の問題が新たに生じてしまうことがわか
った。
であり、その目的は、変速機のコンパクト化と振動や騒
音の低減との両立を図り得る、変速機の新規な軸受構造
を提供することである。
めに、本発明は、一端にリダクションギヤが取付けら
れ、アキシャル荷重とラジアル荷重とが作用するドライ
ブ軸と、一端においてドライブ軸を軸支するとともに、
リダクションギヤの片側に配設された多点接触玉軸受と
を有する変速機の軸受構造を提供する。
音を有効に低減するという観点より、リダクションギヤ
の内側に配設されていることが好ましく、四点接触玉軸
受であることがより好ましい。
を図るために、ドライブ軸の他端は、複列円錐ころ軸受
が配設されていることが望ましい。
図である。自動変速機の出力側に設けられたドライブピ
ニオン軸1の一端には、ヘリカルギヤであるリダクショ
ンドリブンギヤ2が一体的に取付けられており、その他
端には、図示しないハイポイドドライブギヤと噛合した
ハイポイドピニオンギヤ3が取付けられている。変速機
中の変速機構において変速された大きな駆動力は、図示
しないリダクションドライブギヤと噛合したリダクショ
ンドリブンギヤ2を介して、ドライブピニオン軸1に伝
達される。そして、このドライブピニオン軸1の駆動力
は、ハイポイドピニオンギヤ3と噛合したハイポイドド
ライブギヤを介して車輪に伝達される。なお、リダクシ
ョンドリブンギヤ2の軸方向内側には、後述する四点接
触玉軸受5の内輪が固定される固定部2aが形成されて
いる。
受4と四点接触玉軸受5とによって軸支されている。こ
れらの軸受部材4,5は、ドライブピニオン軸1の両端
に配設されており、同軸上に位置する。ハイポイドピニ
オンギヤ3の内側に配設された複列円錐ころ軸受4は、
内輪がドライブピニオン軸1に固定されているととも
に、外輪がボルトによってトランスミッションケースに
固定されている。そして、これらの内外輪間のスペース
には、複数の円錐ころが介装されている。
に配設された四点接触玉軸受5は、リダクションドリブ
ンギヤ2側の固定部2aとトランスミッションケースと
の間に介装されている。そして、この軸受5の内輪は、
固定部2aに固定されている。四点接触玉軸受5は、内
外輪における玉の転走面となる軌道がゴシックアーチ状
の溝になっており、玉と内外輪の転走面とが四点で接触
する。図示したように、四点接触玉軸受5は、リダクシ
ョンドリブンギヤ2を片側(本実施形態では内側)のみ
に配設されており、その外側に軸受は配設されていな
い。
触玉軸受5の代りに、三点接触玉軸受を用いてもよい。
三点接触玉軸受は、内外輪のいずれか一方の転走面で玉
が二点で接触するゴシックアーチ状の溝となっており、
他方の転走面で玉が一点で接触する深い円弧状の溝とな
っている。
て軸支されたドライブピニオン軸1には、大きな駆動力
が伝達されるため、この部位の回転系において振動や騒
音が生じやすい。それとともに、ヘリカルギヤであるリ
ダクションドリブンギヤ2の回転によって、ラジアル荷
重とアキシャル荷重との合成荷重であるモーメント荷重
が作用するため、ドライブピニオン軸1の曲げ変位が生
じやすい。特に、アキシャル荷重は、エンジンの駆動走
行時とエンジンブレーキ走行時とで荷重方向が変化す
る。
1の軸受として、四点接触玉軸受4を用いることによ
り、モーメント荷重に対するドライブピニオン軸1の曲
げ剛性を高める。それとともに、四点接触玉軸受4を、
リダクションドリブンギヤ2の片側に配設している。そ
のため、リダクションドライブギヤの両側にころ軸受を
配設した従来の軸受構造を比較して、ドライブピニオン
軸1の軸長を短縮することができる。以上のような理由
により、本実施形態では、モーメント荷重に対するドラ
イブピニオン軸1の曲げ剛性を確保しながら、変速機の
コンパクト化を図ることができる。
モーメント荷重に対する軸受の傾き角の特性図である。
同図において、一点鎖線は深溝玉軸受の特性、実線は三
点接触玉軸受の特性、そして点線は四点接触玉軸受の特
性を示している。また、「傾き角」とは、軸受の外輪を
固定した状態でモーメント荷重を与えた場合における内
輪の傾き変位角をいい、傾き角が小さいほどモーメント
荷重に対する曲げ剛性が高いことを意味する。この特性
図より、ドライブピニオン軸1の軸受として、三点接触
玉軸受または四点接触玉軸受といった多点接触玉軸受を
用いれば、入力されたモーメント荷重に対して有効な曲
げ剛性を得ることができ、特に、四点接触玉軸受を用い
れば最も良好な結果が得られることがわかる。
多点接触玉軸受(特に四点接触玉軸受)を用いることに
より、変速機のギヤ音や振動を低減することが可能とな
る。一般に、変速機中のギヤに起因して発生する振動や
騒音は、回転軸系の共振点がトランスミッションケース
や軸継手以降の回転軸等の共振点と一致することによ
り、増幅されてしまう。また、ギヤ,回転軸,軸受系が
持つ共振点は、軸受の内輪,外輪,玉系のバネ定数の影
響を受けた固有の値となり、比較的低振動数側の存在す
る。したがって、変速機全体でみた共振点領域(問題領
域)に軸受の共振点が近づくほど、変速機のギヤ音や振
動が増幅されることになる。
び四点接触玉軸受の共振点の説明図である。従来の技術
において説明した変速機の軸受構造では、軸や軸受系の
共振点が問題領域に含まれなかった。これに対して、例
えば、図1に示した四点接触玉軸受5の位置に深溝玉軸
受を配設した場合、その共振点が問題領域に入ってしま
い、ギヤ音等が増幅されてしまうという問題があること
がわかった。この問題は、ドライブピニオン軸1の軸受
として、共振点が比較的高い多点接触玉軸受を用いるこ
とにより解決することができる。つまり、深溝玉軸受を
多点接触玉軸受に変更すれば、軸受の内外輪および玉系
のバネ定数が深溝玉軸受のそれよりも大きくなり、構造
や組立方法を変更することなく、歯車,回転軸,軸受系
の共振点を変更できる。その結果、トランスミッション
ケースまたは軸継手以降の回転軸等と共振点がずれるた
め、多点接触玉軸受からの振動伝達が減少し、その方向
からのギヤ音を減少できる。
えば、共振点が比較的高く、問題領域から共振点が最も
離れた四点接触玉軸受を用いることが好ましい。
て多点接触玉軸受を用いて軸受数を減少させることで、
変速機の組立性や作業性を向上できるとともに、コスト
の低減を図ることが可能となる。
のではなく、変速機出力側に設けられ、一端にリダクシ
ョンギヤが取付けられ、アキシャル荷重とラジアル荷重
とが作用するドライブ軸に広く適用することが可能であ
る。
おけるドライブ軸の軸受として多点接触玉軸受を用いる
ことにより、軸受数を減らすことができ、その分だけ変
速機をコンパクトにすることができる。それとともに、
深溝玉軸受と比較して共振点が高い多点接触玉軸受を用
いることで、ギヤ音等を有効に低減することができる。
その結果、変速機のコンパクト化と振動や騒音の低減と
の両立を図ることが可能となる。
の共振点の説明図
ヤ、2a 固定部、3 ハイポイドピニオンギヤ、4
複列円錐ころ軸受、5 四点接触玉軸受
Claims (4)
- 【請求項1】変速機の軸受構造において、 変速機出力側に設けられ、一端にリダクションギヤが取
付けられ、アキシャル荷重とラジアル荷重とが作用する
ドライブ軸と、 一端において前記ドライブ軸を軸支するとともに、リダ
クションギヤの片側に配設された多点接触玉軸受とを有
することを特徴とする変速機の軸受構造。 - 【請求項2】前記多点接触玉軸受は、前記リダクション
ギヤの内側に配設されていることを特徴とする請求項1
に記載された変速機の軸受構造。 - 【請求項3】前記多点接触玉軸受は、四点接触玉軸受で
あることを特徴とする請求項1または2に記載された変
速機の軸受構造。 - 【請求項4】前記ドライブ軸の他端は、複列円錐ころ軸
受が配設されていることを特徴とする請求項1から3の
いずれかに記載された変速機の軸受構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000357551A JP2002161971A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 変速機の軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000357551A JP2002161971A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 変速機の軸受構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002161971A true JP2002161971A (ja) | 2002-06-07 |
JP2002161971A5 JP2002161971A5 (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=18829591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000357551A Pending JP2002161971A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 変速機の軸受構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002161971A (ja) |
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-
2000
- 2000-11-24 JP JP2000357551A patent/JP2002161971A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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