JP2002161865A - 制振装置を備えるポンプ - Google Patents

制振装置を備えるポンプ

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JP2002161865A
JP2002161865A JP2000362122A JP2000362122A JP2002161865A JP 2002161865 A JP2002161865 A JP 2002161865A JP 2000362122 A JP2000362122 A JP 2000362122A JP 2000362122 A JP2000362122 A JP 2000362122A JP 2002161865 A JP2002161865 A JP 2002161865A
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pump
vibration damping
weight
damping device
vibration
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JP2000362122A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kobayashi
清志 小林
Hiroshi Nakano
博士 中野
Koichi Haneda
功一 羽田
Osamu Ishikawa
修 石川
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸などの回転やハイドロユニットの作動
によって発生する振動およびこの振動に伴う騒音を直接
的に抑制することで、高い制振効果を発揮するポンプを
提供する。 【解決手段】 ポンプP1は、ポンプ本体1と制振装置
2を備えている。制振装置2は、ポンプ本体1のケース
13に形成された収納部13Bと、この収納部13Bに
収納された錘21とによって構成されている。この収納
部13Bと錘21との間には隙間が形成されている。そ
して、ポンプP1が振動すると、収納部13B内で錘が
移動して収納部13Bに衝突し、衝突時のすべり摩擦お
よび衝突によるエネルギ損失によって、ポンプ本体1の
振動が減衰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などにおける
ポンプの振動を低減するための制振装置を備えるポンプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における自動車などの車両には、パ
ワーステアリング装置やABS(anti-lock brake syst
em)装置などが取り付けられているものが多いが、これ
らの装置には所定のシリンダなどに作動油を供給するた
めのポンプが用いられている。このパワーステアリング
装置に用いられるポンプは、回転軸およびこの回転軸に
取り付けられたギアや羽根車などを備えている。そし
て、ベルトを介してエンジンの回転駆動力を伝達するベ
ルト車を用いて回転軸などを回転させて、作動油を所定
の油圧室などに循環供給する。また、ABS装置に用い
られるポンプは、モータとハイドロユニットを有してお
り、モータでハイドロユニットを駆動することによって
所定の油圧室などに作動油を供給するというものであ
る。
【0003】このようなポンプでは、回転軸などを回転
させるとき、あるいはハイドロユニットを作動させると
きに、振動およびこの振動に伴う騒音が発生する。これ
らの振動および騒音が激しいと、これらの振動や騒音が
ドライバに伝わってドライバに不快感を与えるなどの弊
害が生じる。このような問題に対して、たとえば従来、
振動を抑制するために、モジュレータにラバーマウント
を施すという措置が採られていた。また、騒音の問題に
対しては、防音材を配設するなどの措置が採られてい
た。しかし、これらの措置は、回転軸およびギアなどの
回転やハイドロユニットの作動による振動を根本的に抑
制するものではないため、効果が高いものではなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、たとえ
ばエンジンの駆動に伴う振動を吸収するための制振装置
として、従来、マスダンパやダイナミックダンパ、ある
いは制振材などが知られている。これらの制振装置を設
ければ、モータの振動を直接吸収することができるの
で、高い制振効果を得ることができる。
【0005】ところが、これらの制振装置のうち、マス
ダンパは、振動伝達部材に錘を付加することで固有振動
数を変化させるものであるが、充分な振動低減効果を得
るためには錘の重量を増す必要があるため、車体重量の
増加につながるものであった。また、ダイナミックダン
パは、弾性体のばね定数と錘の重量により制振させるも
のであるが、制振できる振動周波数が特定されるため、
複数の共振周波数を有する振動には有効ではなかった。
さらに、制振材は、板状の振動伝達部材に単層または複
数層にシート状の弾性部材を貼着したものであるが、あ
る程度広い面積に貼着しないと効果がない上、振動減衰
作用が温度に依存するので、温度によって制振効果が低
下することがあった。
【0006】さらに、これらの制振装置は、いずれもあ
る程度大型かつ大重量としなければ好適な制振効果を得
ることができない。このため、これらの制振装置をポン
プに取り付けて使用するには問題があるので、ポンプの
駆動に伴う振動や騒音を抑制するためには、前記のラバ
ーマウントや防音材の配設を行っていたというのが実情
である。
【0007】そこで、本発明の課題は、回転軸などの回
転やハイドロユニットの作動によって発生する振動およ
びこの振動に伴う騒音を直接的に抑制することで、高い
制振効果を発揮するポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、第1の発明に係る制振装置を備えるポンプは、ポン
プ本体と制振装置とを有し、制振装置がポンプ本体に形
成されており、前記制振装置は、錘と、前記ポンプ本体
に形成された前記錘を収納する収納部とを備え、前記錘
と前記収納部との間に隙間が形成されて構成されている
ことを特徴とする。
【0009】第1の発明に係る制振装置を備えるポンプ
では、収納部と錘とを有し、収納部と錘との間に隙間が
形成されていることから、ポンプが作動すると、ポンプ
の振動に伴って錘が収納部に対して相対的に移動する。
この収納部に対する錘の相対的な移動により、錘が収納
部の内壁に対して衝突と離反を繰り返す。このときの錘
の収納部に対する衝突によって、ポンプの振動が吸収さ
れて高い制振効果を奏するものである。
【0010】この制振装置では、前記従来のダイナミッ
クダンパと比較すると、およそ3分の1の重量および大
きさで同等の制振効果を奏するものである。このため、
重量的な負担は従来のダイナミックダンパなどと比較し
て軽減されているので、この制振装置をポンプに取り付
けることができる。したがって、この制振装置によっ
て、ポンプを作動させる回転軸およびギアなどの回転に
伴う振動を直接的に抑制することができるので、高い制
振効果を発揮することができる。
【0011】第2の発明に係る制振装置を備えるポンプ
は、請求項1に記載の制振装置を備えるポンプであっ
て、前記ポンプ本体は、回転駆動源によって回転させら
れる回転軸を有するとともに、前記錘は環状をなしてお
り、前記錘は、前記ポンプ本体における回転軸を取り囲
んで取り付けられていることを特徴とする。
【0012】パワーステアリング装置の用いられている
ポンプには、回転駆動源、たとえばクランク機構にVベ
ルトを介してエンジンで回転させるベルト車が取り付け
られており、このベルト車が回転することによって回転
させられる回転軸の振動が最も激しいものである。第2
の発明に係る制振装置を備えるポンプは、この振動が最
も激しい回転軸を取り囲んで制振装置が取り付けられて
いる。このため、振動が最も激しい回転軸の振動を効果
的に吸収して、その振動を軽減することができる。
【0013】なお、第2の発明における「環状」とは、
回転軸を取り囲む形状であれば円形である必要はなく、
楕円形や長円、あるいは矩形のものも含まれる。また、
環状の全周にわたって連続している形状である必要はな
く、たとえば円形の一部を切り欠かれた断面略C字形状
や断面略U字形状、あるいは断面略コ字形状なども含ま
れる形状を意味するものである。
【0014】第3の発明に係る制振装置を備えるポンプ
は、ポンプ本体およびこのポンプ本体と一体で形成され
た油圧制御部材を有し、制振装置が前記油圧制御部材に
取り付けられており、前記制振装置は、錘と、前記ポン
プ本体に形成された前記錘を収納する収納部とを備え、
前記錘と前記収納部との間に隙間が形成されて構成され
ていることを特徴とする。
【0015】ABS装置に用いられているポンプには、
モータによって駆動する油圧制御部材がポンプ本体に取
り付けられており、この油圧制御部材が、ポンプにおい
て最も振動の激しい部分である。第3の発明に係る制振
装置を備えるポンプでは、この油圧制御部材に制振装置
を取り付けている。このため、最も振動の激しい部分の
振動を効果的に吸収して軽減することができる。しか
も、本発明に係る制振装置は、従来のダイナミックダン
パなどよりも軽量化することができるので、ABS装置
におけるポンプにも取り付けることができる。
【0016】第4の発明に係る制振装置を備えるポンプ
は、請求項3に記載の制振装置を備えるポンプであっ
て、前記ポンプ本体を駆動するモータが設けられてお
り、前記油圧制御部材に代えて前記モータに前記制振装
置が取り付けられ、または前記油圧制御部材とともに前
記モータに前記制振装置が取り付けられていることを特
徴とする。
【0017】ABS装置に用いられるポンプは油圧制御
部材が最も振動が激しいことが多いが、振動発生のメカ
ニズムは複雑であり、モータの方が振動が激しい場合も
ある。第4の発明では、このような場合にモータに制振
装置を取り付けることが好適となる。また、ポンプが全
体的に激しい振動を生じるような場合には油圧部材およ
びモータの両方に制振装置を取り付けてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら具体的に説明する。図1(a)は本発
明に係る制振装置を備えるポンプの分解斜視図、(b)
はその制振装置における錘の一部破断拡大斜視図、図2
(a)はその制振装置の正断面図、(b)は(a)にX
−X線断面図である。図1(a)に示すように、本実施
形態に係る制振装置を備えるポンプP1は、ポンプ本体
1と、制振装置2を備えている。このポンプP1は、自
動車のパワーステアリング装置に用いられるものであ
り、ポンプ本体1には、ベルト車11と、このベルト車
11に同軸に取り付けられた隠れ線で示す回転軸12が
設けられている。この回転軸12は、ケース13に覆わ
れており、ケース13内においては、図示しない羽根車
が設けられている、いわゆるベーンポンプである。この
羽根車が回転軸12によって回転させられて、作動油を
循環供給するポンプ作用を奏する。
【0019】また、ケース13には、パワーステアリン
グ装置を作動させる作動油が流出する図示しない流出口
および作動油が流入する流入口が設けられている。これ
らの流出口および流入口には、図示しない配管が接続さ
れている。また、ベルト車11には、本発明の回転駆動
源となる図示しないクランク機構によって回転する仮想
線で示すVベルト14が巻き回されている。そして、ク
ランク機構を駆動することによって、Vベルト14を介
してベルト車11およびベルト車11に対して同軸に取
り付けられた回転軸12が回転する。この回転軸12の
回転によって、図示しない羽根車が回転して、流出口か
ら作動油が流出し、流入口から作動油が流入する。
【0020】また、回転軸12は、ケース13に回転可
能に枢着されている。このため、回転軸12の一端はベ
ルト車11に固定されており、他端はケース13におけ
るベルト車11が設けられている位置の反対側に設けら
れた図示しないベアリング部材に枢支されている。ケー
ス13には、このベアリング部材を固定するベアリング
部材固定部13Aが形成されている。このベアリング部
材固定部13Aにおいてベアリング部材が回転軸12を
枢支していることから、ベアリング部材固定部13Aの
周囲には、断面略C字形状の収納部13Bが形成されて
いる。また、ケース13の表面における収納部13Bの
周囲には、収納部13Bよりも一回り大きい略相似形状
の背の低い突起を隔てて、浅い溝13Cが形成されてい
る。
【0021】制振装置2は、図2にも示すように、錘2
1を有している。この錘21は、図1(b)にも示すよ
うに、所定の重量を有する断面略C字形状の芯材21A
を備え、この芯材21Aを覆う、たとえばゴム製の弾性
体からなる緩衝部材21Bを備えて構成されている。錘
21は、ポンプ本体1のケース13に形成された収納部
13Bに収納されるものであり、収納部13Bの形状と
略相似形状であって、収納部13Bよりもわずかに小さ
く形成されている。そして、錘21が収納部13Bに収
納された際には、図2に示すように、錘21と収納部1
3Bの上面との間にはわずかな、具体的には0.1mm
〜0.5mmの隙間S1が形成されている。
【0022】ここで、錘21における芯材21Aは、た
とえば鋼鉄製であるが、その素材は鋼鉄に限られず、密
度の大きい種々のもの、たとえば鋼鉄以外の密度の大き
い金属やセラミックスなどを用いることができる。芯材
21Aの重量などは、ポンプ本体1の質量や振動の周波
数などによって適宜決定される。また、緩衝部材21B
は、ゴムのほか、樹脂あるいはこれらを主成分とした弾
性発泡体等から形成され、特に、高比重ゴム等が適して
いる。この緩衝部材21Bは、表面は滑らかな曲面とさ
れているが、凹凸形状を有していてもよい。
【0023】また、収納部13Bと錘21の間の隙間を
0.1mm以上としたのは、隙間が0.1mm未満であ
ると、収納部13Bの内部空間内での錘21の動きが少
なくなり、収納部13Bと錘21との衝突によるエネル
ギ変換が少なくなるため、良好な制振効果が期待できな
いからである。また、隙間を0.5mm以下としたの
は、隙間が0.5mmを超えると、収納部13Bと錘2
1とが接触したときに発生する音が大きくなるからであ
る。
【0024】錘21が収納された収納部13Bの周囲に
形成された浅い溝13Cには、弾性を有するシール材2
2が配設される。このシール材22は、収納部13Bと
略相似形状で、収納部13Bの外側に形成された突起よ
りもさらに一回り大きく形成されている。そして、浅い
溝13Cに配置された際には、収納部13Bの外側に形
成された突起によってその形状が保持されるようになっ
ている。このシール材22は、収納部13Bの外側の突
起よりも肉厚となるように形成されている。また、ケー
ス13における収納部13Bを覆い、シール材22を挟
んで鋼板製の取付プレート23がケース13にボルト
B,B,Bによって固定される。このとき、取付プレー
ト23とケース13の間は、シール材22により水密状
態とされている。取付プレート23をケース13に固定
することによって、錘21がケース13の収納部13B
に収納されるが、収納部13Bに収納された錘21と取
付プレート23との間には隙間S2が形成されている。
この隙間S2は、錘21と収納部13Bの上面との間の
隙間S1のおよそ半分の大きさとされている。また、図
2(b)に示すように、錘21と収納部13Bとの間で
あって、回転軸12に沿った方向にも、隙間S2が形成
されている。そして、錘21と取付プレート23との間
の隙間S2および錘21と収納部13Bとの間であっ
て、回転軸12に沿った方向の隙間S2の和が0.1〜
0.5mmとなっている。
【0025】以上の構成を有する制振装置を備えるポン
プP1の作用について説明する。パワーステアリング装
置においては、ドライバがステアリングを操作すると、
ステアリングの操作に応じてポンプP1が作動し、所定
の油圧室に作動油を循環供給する。このとき、ベルト車
11や回転軸12の回転動作によってポンプP1に振動
が生じる。本実施形態に係る制振装置2では、ポンプ本
体1における収納部13Bに収納された錘21と収納部
13Bの内壁面の上面の間には、0.1mm〜0.5m
mというわずかな隙間が形成されている。また、錘21
と取付プレート23の間および錘21と収納部13Bと
の間であって、回転軸12に沿った方向には、それぞれ
隙間S2が形成されており、その和が隙間S1と同じく
0.1〜0.5mmとなるように形成されている。この
ような隙間が形成されていることにより、錘21は、収
納部13Bおよび取付プレート23に対して相対的に移
動する。この移動に伴い、錘21は、収納部13Bおよ
び取付プレート23に対する衝突と離反を繰り返す。こ
の衝突時に生じる錘21と収納部13Bの間、および錘
21と取付プレート23の間のすべり摩擦および衝突に
よるエネルギ損失によって、ポンプP1の振動が減衰す
る。
【0026】このときの振動の減衰は、すべり摩擦およ
び衝突によるエネルギ損失に起因して生じるものである
ため、温度の影響をほとんど受けることはない。しか
も、本実施形態に係る制振装置2は、前記ダイナミック
ダンパなどと比較して、およそ3分の1程度の重量およ
び大きさで同等の制振効果を得ることができる。したが
って、本実施形態に係る制振装置2は、従来、ダイナミ
ックダンパなどを取り付けることが困難であったポンプ
などにも問題なく取り付けることができるようになる。
こうして、本実施形態に係るポンプP1は、回転軸など
の回転によって発生する振動およびこの振動に伴う騒音
を根本的に抑制することで、高い制振効果を発揮するこ
とができる。しかも、本実施形態に係る制振装置2は、
従来のダイナミックダンパなどと比較して、軽量かつ小
型であるので、ポンプP1が大型化し、あるいは大重量
化することを防止できる。
【0027】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る制振装
置を備えるポンプの斜視図である。図3に示すように、
本実施形態に係るポンプP2には、図示しないポンプ本
体を含むハイドロユニット31およびこのハイドロユニ
ット31に一体的に取り付けられ、前記ハイドロユニッ
ト31を制御するECU(electric Control Unit)3
2が設けられている。このハイドロユニット31および
ECU32によって本発明の油圧制御部材が構成され
る。また、ECU32には、ハイドロユニット31にお
けるポンプ本体を駆動するモータ33が取り付けられて
いる。このモータ33もECU32によって駆動制御さ
れている。
【0028】また、モータ33には、本発明の制振装置
となるインパクトダンパ34が取り付けられている。こ
のインパクトダンパ34は、図3に一部破断して示すよ
うに、ハウジング35と錘36とを備えている。この錘
36は、前記第1の実施形態と同様、芯材の全体に弾性
体が覆われて構成されている。さらに、ハウジング35
の内側上面と錘36の間には、わずかな、具体的には
0.1mm〜0.5mm程度の隙間Sが形成されてい
る。このような隙間が形成されている点においても前記
第1の実施形態と同様である。さらに、モータ33と錘
36の間には隙間S2が形成されており、ハウジング3
5における反モータ33側内面と錘36の間にも隙間S
2が形成されている。これらの隙間S2,S2の和がハ
ウジング35の内側上面と錘36の間の隙間0.1〜
0.5mmの距離なるように形成されている。
【0029】この錘36における芯材および弾性体とし
て用いることができる材料は、前記第1の実施形態と同
一であるので、その説明は省略する。また、ハウジング
35は鋼板製であり、鋼板のプレス成形などによって製
造することができる。また、ハウジング35を構成する
材料としては、樹脂や鉄板に限られず、剛性材であっ
て、内部空間にわずかな隙間、たとえば0.1mm〜
0.5mm程度の隙間をもって錘を挿入できるものであ
れば、その材質は限定されるものではない。さらに、ハ
ウジング35と錘36の間の隙間を0.1mm〜0.5
mmの幅に設定しているのも、前記第1の実施形態と同
様の理由によるものである。
【0030】また、図4(a)は、本実施形態に係る制
振装置を備えるポンプP2が車体フレームに取り付けら
れる状態を示す正面図、(b)は、その右側面図であ
る。図4(a),(b)に示すうように、本実施形態に
係るポンプP2は、ブラケット41を介して図示しない
車体フレームに取り付けられている。このブラケット4
1は、正面視して中央部がやや上方に突出している下片
41Aと、側面視した右側に立ち上がり片41Bが設け
られている。この下片41Aには、ゴム製の台座42
A,42Bを介して、ボルト43A,43Bによってポ
ンプP2におけるハイドロユニット31の下面部が取り
付けられている。また、立ち上がり片41Bには、やは
りゴム製の台座42Cを介してハイドロユニット31の
側面部が取り付けられている。
【0031】かかる構成を有する本実施形態では、モー
タ33にインパクトダンパ34が取り付けられている。
ポンプ本体を含むハイドロユニット31とECU32が
一体的に形成され、さらにモータ33が取り付けられた
ポンプP2では、ポンプ本体を駆動させるモータ33ま
たはハイドロユニット31およびECU32のいずれか
が大きく振動する。ここで、振動が激しい方にインパク
トダンパ34を取り付けるのが好適となる。モータ33
の振動とハイドロユニット31およびECU32の振動
とでは、どちらの振動が激しいかは、その実施態様によ
って相違する。本実施形態では、モータ33の方が激し
く振動するので、モータ33にインパクトダンパ34が
取り付けられている。特に、モータ33に起因する振動
は、モータ33の軸方向に大きく発生する。本実施形態
では、この軸方向の振動を抑制するべく、モータ33の
背面側にインパクトダンパ34が取り付けられているの
である。
【0032】ここで、ハイドロユニット31およびEC
U32からなる油圧制御部材の方が大きく振動する場合
には、油圧制御部材、さらに具体的には図3に仮想線で
示すように、ECU32の方にインパクトダンパ34を
取り付けるのが好適となる。もちろん、モータ33およ
びECU32の双方にインパクトダンパ34を取り付け
るようにしてもよい。油圧制御部材およびモータ33の
いずれの振動が大きいかは、そのポンプP2の構造等に
よって異なるので、その構造または実験結果等から知る
ことができる。さらに、本実施形態には存在しないが、
ハイドロユニットおよびECUの間に隙間が開いている
場合がある。このような場合には、このハイドロユニッ
トとECUとの間にインパクトダンパを配設することも
できる。
【0033】次に、本実施形態に係る制振装置を備える
ポンプの効果について言及する。図5は、本発明に係る
制振装置を備えるポンプの効果を説明するグラフであ
り、横軸に騒音の周波数、縦軸に騒音の音量をとってい
る。なお、インパクトダンパ34を取り付けたモータ3
3(以下「本発明例」という)を回転させたときにモー
タ33が発する騒音の周波数に対応する騒音レベルを実
線で示し、インパクトダンパを取り付けないモータ(以
下「比較例」という)を回転させたときに発する騒音の
周波数に対応する騒音レベルを破線で示している。ま
た、本発明例におけるインパクトダンパ34の錘36は
100gの重さを有している。
【0034】図5から判るように、およそ150Hz〜
1000Hzまでの間では、ごく一部において比較例の
方が騒音レベルの低い部分があるものの、全体を通して
本発明例の方が騒音レベルが低下している。また、15
0Hz以下の周波数領域や1000Hzを超える周波数
領域においては、比較例の方がわずかに騒音レベルが低
いものの、その差がごくわずかである。この結果から、
本発明例の方が比較例に対して優れた静粛性を奏すると
いうことができる。
【0035】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるもので
はない。たとえば、本発明に係る制振装置を備えるポン
プとしてパワーステアリング装置に用いられるポンプお
よびABS装置に用いられるポンプを例示したが、たと
えばフュエルポンプなどに用いることもできる。また、
前記実施形態の制振装置における錘は鋼鉄製の芯材とゴ
ム製の緩衝部材によって構成されているが、緩衝部材を
有しない態様とすることができる。また、このときに
は、錘を収納する収納部やハウジングの内壁面に緩衝体
を配設することもできる。さらには、芯材として鋼鉄な
どを用いることなく、ゴムを錘として利用することもで
きる。このときのゴムとしては、高密度ゴムを用いるの
が特に効果的である。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり、第1の発明に係る制振装
置を備えるポンプでは、従来のダイナミックダンパなど
よりも軽量でかつ制振効果の高いダンパを設けている。
このため、重量的な負担を大きくすることなく、ポンプ
を作動させる回転軸およびギアなどの回転に伴う振動を
直接的に抑制することができるので、高い制振効果を発
揮することができる
【0037】第2の発明に係る制振装置を備えるポンプ
では、最も振動が激しい回転軸を取り囲んで制振装置が
取り付けられている。このため、最も振動が激しい回転
軸の振動を効果的に吸収して、その振動を軽減すること
ができる。
【0038】第3の発明に係る制振装置を備えるポンプ
では、最も振動の激しい部分の振動を効果的に吸収して
軽減することができる。しかも、従来のダイナミックダ
ンパなどよりも軽量化することができるので、ABS装
置におけるポンプにも取り付けることができる。
【0039】第4の発明に係る制振装置を備えるポンプ
では、ABS装置におけるモータの振動が激しい場合
に、モータに制振装置を取り付けることによって、高い
制振効果をもってポンプの振動を軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る制振装置を備えるポンプ
の分解斜視図、(b)はその制振装置における錘の一部
破断拡大斜視図である。
【図2】(a)は本発明に係る制振装置の正断面図、
(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る制振装置を備え
るポンプの斜視図である。
【図4】図4(a)は、本実施形態に係る制振装置を備
えるポンプが車体フレームに取り付けられる状態を示す
正面図、(b)は、その右側面図である。
【図5】本発明に係る制振装置を備えるポンプの効果を
説明するグラフである。
【符号の説明】
1 ポンプ本体 2 制振装置 11 ベルト車 12 回転軸 13 ケース 13A ベアリング部材固定部 13B 収納部 13C 溝 14 ベルト 21 錘 21A 芯材 21B 緩衝部材 31 ハイドロユニット 33 モータ 34 インパクトダンパ 35 ハウジング 36 錘 P1,P2 ポンプ S 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/02 F04B 21/00 Z W (72)発明者 羽田 功一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 石川 修 栃木県芳賀郡芳賀町芳賀台143番地 株式 会社ピーエスジー内 Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA01 CA48 DA11 3H044 AA02 BB01 CC11 DD06 DD18 DD24 3H071 AA03 BB02 CC22 DD45 3J048 AA06 AD08 BA24 BF09 EA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ本体と制振装置とを有し、制振装
    置がポンプ本体に形成されており、 前記制振装置は、錘と、前記ポンプ本体に形成された前
    記錘を収納する収納部とを備え、前記錘と前記収納部と
    の間に隙間が形成されて構成されていることを特徴とす
    る制振装置を備えるポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ本体は、回転駆動源によって
    回転させられる回転軸を有するとともに、前記錘は環状
    をなしており、 前記錘は、前記ポンプ本体における回転軸を取り囲んで
    取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    制振装置を備えるポンプ。
  3. 【請求項3】 ポンプ本体およびこのポンプ本体と一体
    で形成された油圧制御部材を有し、制振装置が前記油圧
    制御部材に取り付けられており、 前記制振装置は、錘と、前記ポンプ本体に形成された前
    記錘を収納する収納部とを備え、前記錘と前記収納部と
    の間に隙間が形成されて構成されていることを特徴とす
    る制振装置を備えるポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ポンプ本体を駆動するモータが設け
    られており、 前記油圧制御部材に代えて前記モータに前記制振装置が
    取り付けられ、 または前記油圧制御部材とともに前記モータに前記制振
    装置が取り付けられていることを特徴とする請求項3に
    記載の制振装置を備えるポンプ。
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