JP2002161239A - コーティング材およびそれを用いた塗装品 - Google Patents

コーティング材およびそれを用いた塗装品

Info

Publication number
JP2002161239A
JP2002161239A JP2000360169A JP2000360169A JP2002161239A JP 2002161239 A JP2002161239 A JP 2002161239A JP 2000360169 A JP2000360169 A JP 2000360169A JP 2000360169 A JP2000360169 A JP 2000360169A JP 2002161239 A JP2002161239 A JP 2002161239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating material
coating
alcohol
silicone resin
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000360169A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kishimoto
広次 岸本
Minoru Inoue
井上  稔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2000360169A priority Critical patent/JP2002161239A/ja
Publication of JP2002161239A publication Critical patent/JP2002161239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコ−ンレジンとして4官能のもののみを
含むにも関わらず、工場内のような環境や設備が整備さ
れた場所だけでなく、一般家庭や路上等の塗装設備のな
い場所を含めたより広い範囲の様々な場所で、一般のユ
ーザーでも簡便に基材の表面に、親水性、防曇性、防汚
性、耐候性、耐久性、透明性、塗膜強度等の4官能シリ
コーンレジンに由来する各種機能に優れ、しかも簡単に
除去できる被膜をクラックが発生しない程度の薄い膜厚
で均一に形成することのできるコーティング材と、それ
を用いた塗装品の提供。 【解決手段】 コーティング材は、4官能シリコ−ンレ
ジンと、希釈溶剤としてアルコールとを含有してなり、
前記アルコールの少なくとも一部として、炭素数3〜5
の一価アルコールと、グリコールとを併用する。塗装品
は、基材の表面に上記コーティング材の塗布硬化被膜か
らなる塗装層を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性、防曇性、
防汚性、耐候性、耐久性、透明性、塗膜強度等の機能に
優れた被膜を形成することのできるコーティング材と、
それを用いた塗装品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐候性、耐久性等に優れた塗料と
しては、たとえば、シリコ−ンレジンをベ−スレジン
(バインダ−樹脂)として含むシリコ−ン系無機塗料が
知られている。この無機塗料に含まれるシリコ−ンレジ
ンは、たとえば、加水分解性オルガノシランを加水分解
・重縮合することにより得られる。原料の加水分解性オ
ルガノシランとしては、ジメチルジメトキシシラン等の
2官能のもの、メチルトリメトキシシラン等の3官能の
もの、テトラエトキシシラン(TEOSまたはテトラエ
チルオルトシリケ−トとも言う)等の4官能のものがあ
る。
【0003】しかし、このようなシリコ−ン系無機塗料
には、下記の問題点があった。シリコ−ンレジンとし
て、2官能および/または3官能の加水分解性オルガノ
シランの加水分縮合物だけしか含まない場合は、得られ
る塗膜が柔らかすぎて塗膜強度が不足するとともに、塗
膜表面の水濡れ性が不十分なため汚れやすい。一方、シ
リコ−ンレジンとして、4官能の加水分解性オルガノシ
ランの加水分解重縮合物を含む場合は、上述した2官能
および/または3官能のみの場合と比べて、塗膜強度お
よび塗膜表面の水濡れ性が向上する。これらの特性は、
シリコ−ンレジンとして、4官能の加水分解性オルガノ
シランの加水分解重縮合物のみを含む場合に最も優れ
る。
【0004】シリコーンレジンとして4官能の加水分解
性オルガノシランのみを含むコーティング材としては、
たとえば、特開平10−287846号公報に開示され
ているコーティング材が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、シリコ−ン
レジンとして4官能のもののみを含む上記従来のコーテ
ィング材は、設備が整った工場内等での塗装を前提とし
て設計されたものであり、一般家庭や路上等の設備のな
い場所での塗装が必ずしも可能であるとは限らなかっ
た。このような場所で塗装しようとする場合に生じる上
記従来のコーティング材の問題点は以下のようなもので
ある。スプレーブースやスプレーガン、ディップコータ
ーやスピンコーター等の塗装設備が必要であること。ま
た、そのような塗装設備がない場合に、一般家庭等で入
手可能と考えられる刷毛やローラーで塗布すると、膜厚
が厚くなりすぎて塗膜にクラックが生じたり、塗りむら
が生じたりする。
【0006】塗装対象が発売前の「新品」でなければ、
その基材の表面の条件が一定ではなく、コーティングし
た後の塗膜の性状が一定にならない。例えば、使用され
ている浴室の鏡に塗布して親水性を発現させようとする
場合は、水や洗剤で洗浄する程度の前処理では鏡表面の
汚れが除去されず、コーティングを施しても親水性が発
現しない場合がある。塗膜が堅すぎる場合がある。例え
ば、一度作製した塗膜の性能が低くなった場合に塗装の
やり直しが必要となることがある。この場合、膜厚が大
きくなりすぎるとクラックが発生したり塗膜が白濁した
りする等の問題から、重ね塗りの回数には限界があり、
塗膜を除去する必要が生じる場合がある。ケイ素−酸素
結合の繰り返しを主骨格とする塗膜は化学的に非常に安
定であるため、塗膜が堅すぎると該塗膜の除去が困難に
なるので、簡単に除去できる程度の硬度が望まれる。
【0007】そこで、本発明の課題は、シリコ−ンレジ
ンとして4官能のもののみを含むにも関わらず、工場内
のような環境や設備が整備された場所だけでなく、一般
家庭や路上等の塗装設備のない場所を含めたより広い範
囲の様々な場所で、一般のユーザーでも簡便に基材の表
面に、親水性、防曇性、防汚性、耐候性、耐久性、透明
性、塗膜強度等の4官能シリコーンレジンに由来する各
種機能に優れ、しかも簡単に除去できる被膜をクラック
が発生しない程度の薄い膜厚で均一に形成することので
きるコーティング材と、それを用いた塗装品を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、4官能シリ
コ−ンレジンを含有してなるコーティング材において、
希釈溶剤としてアルコールを用い、このアルコールの少
なくとも一部として、炭素数3〜5の一価アルコール
と、グリコールとを併用すればよいことを見出し、本発
明を完成するに至った。したがって、本発明にかかるコ
ーティング材は、 一般式SiX4 ・・・(1) (ここでXは同一または異種の加水分解性基を示す)で
表される4官能加水分解性オルガノシランの加水分解重
縮合物を含む4官能シリコ−ンレジンと、希釈溶剤とし
てアルコールとを含有してなるコーティング材であっ
て、前記アルコールの少なくとも一部として、炭素数3
〜5の一価アルコールと、グリコールとを併用すること
を特徴とする。
【0009】本発明にかかる塗装品は、基材の表面に、
上記本発明にかかるコーティング材の塗布硬化被膜から
なる塗装層を備える。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング材に含まれ
るシリコ−ンレジンは、4官能加水分解オルガノシラン
の加水分解重縮合物を含む4官能シリコ−ンレジンであ
り、バインダ−樹脂および造膜成分として用いられると
ともに、コーティング材の塗布硬化被膜に水濡れ性を付
与して同被膜に防曇性、雨水洗浄による防汚性等をもた
らす成分である。4官能シリコ−ンレジンは、4官能加
水分解オルガノシランの加水分解重縮合物を含むもので
あれば、その形態は特に限定はせず、たとえば、溶液状
のものでも分散液状のもの等でも構わない。
【0011】4官能シリコ−ンレジンの原料として用い
られる4官能加水分解オルガノシランは、前記一般式
(1)で表されるものが用いられる。一般式(1)の中
のXとしては、同一または異種の加水分解性基であれ
ば、特に限定はされないが、たとえば、アルコキシ基、
アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、ア
ミノキシ基、アミド基等が挙げられる。これらの中で
も、入手の容易さとコーティング材の調製しやすさか
ら、アルコキシ基が好ましい。前記4官能加水分解性オ
ルガノシランの具体例としては、特に限定はされない
が、たとえば、4官能性の、アルコキシシラン類、アセ
トキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン
類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラ
ン類等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さと
コーティング材の調製しやすさから、アルコキシシラン
類が好ましい。
【0012】4官能アルコキシシラン類の具体例として
は、特に限定はされないが、たとえば、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコ
キシシランが挙げられる。さらに、一般にシランカップ
リング剤と呼ばれるオルガノシラン化合物もアルコキシ
シラン類に含まれる。4官能加水分解性オルガノシラン
は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。4官能シリコ−ンレジンは、たとえば、4官能加
水分解性オルガノシランを適当な溶剤で希釈し、そこに
硬化剤としての水および必要に応じて触媒(たとえば、
塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン
酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン
酸、グルタ−ル酸、グリコ−ル酸、マレイン酸、マロン
酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸および無
機酸等の1種または2種以上)等を必要量添加して(必
要に応じ加温(たとえば、40〜100℃)してもよ
い)、加水分解および重縮合反応を行わせてプレポリマ
−化させることにより調製することができる。その際、
得られるプレポリマ−の重量平均分子量(Mw)がポリ
スチレン換算で、好ましくは800以上、より好ましく
は850以上、さらに好ましくは900以上になるよう
に調製する。プレポリマ−の分子量分布(重量平均分子
量(Mw))が800より小さいときは、4官能シリコ
−ンレジンの縮重合の際の硬化収縮が大きくて、硬化後
に塗膜にクラックが発生しやすくなったりする傾向があ
る。
【0013】コーティング材中、4官能シリコ−ンレジ
ンの配合量は、コーティング材全量に対する全縮合化合
物換算固形分として述べると、たとえば1.0重量%以
下であり、好ましくは0.1〜1.0重量%、より好ま
しくは0.5〜1.0重量%の割合である。配合量が上
記好ましい範囲より少ないと、塗膜中の欠陥が多くな
り、緻密な膜が得られない恐れがある。配合量が多すぎ
ると、クラックが発生しない程度に膜厚を薄くできなか
ったり、コーティング材の貯蔵安定性が得られなかった
りする。本発明のコーティング材は、その塗布硬化被膜
の硬度を高くし、平滑性と耐クラック性を改善する等の
目的で、必要に応じて、フィラ−としてコロイダルシリ
カをも含むことができる。使用できるコロイダルシリカ
としては、特に限定はされないが、たとえば、水分散性
あるいはアルコ−ル等の非水系の有機溶媒分散性コロイ
ダルシリカが使用できる。一般にこのようなコロイダル
シリカは、固形分としてのシリカを20〜50重量%含
有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。ま
た、水分散性コロイダルシリカを使用する場合、固形分
以外の成分として存在する水は、後に示すように硬化剤
として用いることができる。水分散性コロイダルシリカ
は、通常、水ガラスから作られるが、市販品として容易
に入手することができる。また、有機溶媒分散性コロイ
ダルシリカは、前記水分散性コロイダルシリカの水を有
機溶媒と置換することで容易に調製することができる。
このような有機溶媒分散性コロイダルシリカも水分散性
コロイダルシリカと同様に市販品として容易に入手する
ことができる。有機溶媒分散性コロイダルシリカにおい
て、コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類
は、たとえば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ
−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル等の低級脂肪族
アルコ−ル類;エチレングルコ−ル、エチレングリコ−
ルモノブチルエ−テル、酢酸エチレングリコ−ルモノエ
チルエ−テル等のエチレングリコ−ル誘導体;ジエチレ
ングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テ
ル等のジエチレングリコ−ル誘導体;およびジアセトン
アルコ−ル等を挙げることができ、これからなる群より
選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することが
できる。これらの親水性有機溶媒と併用してトルエン、
キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシ
ム等も用いることができる。
【0014】コロイダルシリカは、前述の効果がある
が、配合量が多すぎると、コーティング材の硬化被膜が
硬くなりすぎて同被膜のクラックの発生を招来する原因
となる恐れがある。そのため、コロイダルシリカを用い
る場合、その配合量は、たとえば、シリカ固形分として
述べると、コーティング材全量に対し、好ましくは1.
0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下の割合
である。コロイダルシリカの配合量が上記範囲より多い
と、クラックの発生を招来しやすくなる。また、4官能
加水分解性オルガノシランの加水分解重縮合反応の際に
用いられる硬化剤としては、水が用いられるが、この量
としては、4官能加水分解性オルガノシラン中に含まれ
る加水分解性基(X)1モル当量当たり、水0.01〜
3.0モルが好ましく、0.3〜2.5モルがさらに好
ましい。
【0015】4官能加水分解性オルガノシランの加水分
解重縮合反応の際に用いられる希釈溶剤としては、コロ
イダルシリカの分散溶媒として前述した、メタノ−ル、
エタノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソ
ブタノ−ル等の低級脂肪族アルコ−ル類;エチレングル
コ−ル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、酢酸
エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル等のエチレング
リコ−ル誘導体;ジエチレングリコ−ル、ジエチレング
リコ−ルモノブチルエ−テル等のジエチレングリコ−ル
誘導体;およびジアセトンアルコ−ル等を挙げることが
でき、これからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上のものを使用することができる。これらの親水性有機
溶媒と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトオキシム等も例示することができ
る。
【0016】また、4官能シリコ−ンレジンのpHは
3.8〜6の範囲内に調整されていることが好ましい。
pHがこの範囲内であれば、前記の分子量の範囲内で、
安定して4官能シリコ−ンレジンを使用することができ
る。pHがこの範囲外であると、4官能シリコ−ンレジ
ンの安定性が悪いため、コーティング材の調製時からの
使用できる期間が限られてしまう。ここで、pHの調整
方法は特に限定されるものではないが、たとえば、4官
能シリコ−ンレジンの原料混合時、pHが3.8未満と
なった場合は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を
用いて前記範囲内のpHに調整すればよく、pHが6を
越えた場合も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて調
整すればよい。また、pHによっては、分子量が小さい
まま逆に反応が進まず、前記分子量範囲に到達させるの
に時間がかかる場合は、4官能シリコ−ンレジンを加熱
して反応を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて
反応を進めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻してもよ
い。
【0017】本発明のコーティング材は、硬化触媒を含
む必要はないが、4官能シリコ−ンレジンの縮合反応を
促進することによって、塗布被膜の硬化を促進させる目
的で必要に応じて、さらに硬化触媒を含むことができ
る。硬化触媒としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸錫、ジブチル錫
ジラウレ−ト、ジオクチル錫ジマレエ−ト等のカルボン
酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキソエ−ト、ジメ
チルアミンアセテ−ト、エタノ−ルアミンアセテ−ト等
のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカル
ボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン
等のアミン類、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シ
ランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル
酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミ
ニウムキレ−ト等のアルミニウム化合物;酢酸リチウ
ム、酢酸カリウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テ
トライソプロピルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−
ト、チタニウムテトラアセチルアセトネ−ト等のチタニ
ウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化
シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他に、4官
能シリコ−ンレジンの縮合反応の促進に有効なものであ
れば特に制限はない。
【0018】本発明のコーティング材が硬化触媒をも含
む場合、その量は、コーティング材全量中での全縮合化
合物換算固形分に対し、好ましくは10重量%以下、よ
り好ましくは8重量%以下である。10重量%を越える
と、コーティング材の貯蔵安定性を損なう可能性があ
る。本発明のコーティング材は、低温加熱するか、ある
いは、常温放置することにより、4官能シリコ−ンレジ
ンの有する加水分解性基同士が縮合反応して硬化被膜を
形成する。したがって、このようなコーティング材は、
常温で硬化するときにも湿度の影響をほとんど受けな
い。また、加熱処理を行えば、縮合反応を促進して硬化
被膜を形成することができる。
【0019】本発明のコーティング材は、必要に応じ、
調色のために顔料、染料等の着色剤をさらに含んでいて
もよい。着色剤としては、特に限定はされず、公知のも
のを使用できる。また、着色剤を用いる場合、その配合
量も特に限定はされない。なお、レベリング材、金属
粉、ガラス粉、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
も、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内でコーティ
ング材に含まれていてもよい。本発明のコーティング材
は、低コストで薄く均一な被膜を作製するために、希釈
溶剤としてアルコールを含有するとともに、該アルコー
ルの少なくとも一部として、炭素数3〜5の一価アルコ
ールと、グリコールとを併用する。炭素数3〜5の一価
アルコールは、透明な被膜を形成し、かつ、人体に対し
て毒性の低いコーティング材を提供するために用いら
れ、グリコールは、より透明な被膜を作製し、かつ、コ
ーティング材の保存安定性を改善するために用いられ
る。
【0020】炭素数3〜5の一価アルコールの具体例と
しては、特に限定はされないが、たとえば、ノルマルプ
ロピルアルコール(npa )、イソプロピルアルコール
(ipa)、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアル
コール、ターシャリーブチルアルコール、1−ペンタノ
ール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−
ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等が
挙げられる。これらの中でも、ノルマルプロピルアルコ
ール(npa )、イソプロピルアルコール(ipa )が、コ
ーティング材の保存安定性をより長くする等の点から好
ましい。炭素数3〜5の一価アルコールは、1種のみを
用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】炭素数3〜5の一価アルコールの配合量
は、特に限定はされないが、コーティング材全量に対し
て、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは60
〜98重量%、さらに好ましくは90〜98重量%であ
る。該配合量が40重量%未満だと、薄く均一な塗膜が
得られにくい傾向があり、該配合量が99重量%を超え
ると、均一な塗膜が得られないとともに、親水性が発現
しない傾向がある。グリコールの具体例としては、特に
限定はされないが、たとえば、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタ
メチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール等が挙げられる。これら
の中でも、トリメチレングリコール、プロピレングリコ
ールが、コーティング材の保存安定性をより長くする等
の点から好ましい。グリコールは、1種のみを用いても
よいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】グリコールの配合量は、特に限定はされな
いが、コーティング材全量に対して、好ましくは0.0
1〜20重量%、より好ましくは0.02〜10重量
%、さらに好ましくは0.04〜1重量%である。該配
合量が0.01重量%未満だと、効果が発現しない傾向
があり、該配合量が20重量%を超えると、コーティン
グ材の乾燥速度が遅すぎる傾向がある。本発明のコーテ
ィング材の希釈溶剤として用いられるアルコールとして
は、炭素数3〜5の一価アルコールと、グリコールとに
限定されるわけではなく、これら以外のアルコール(以
下、これを「他のアルコール」と称する)を併用しても
よい。その具体例としては、特に限定はされないが、た
とえば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
ノニルアルコール等が挙げられる。他のアルコールは、
1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0023】本発明のコーティング材に用いられる希釈
溶剤としては、上記アルコールに限定されるわけではな
く、その他の希釈溶剤を併用してもよい。アルコール以
外の希釈溶剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。本発明のコーティング材を塗布する
方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛
塗り、スプレー、浸漬(ディッピング)、ロール、フロ
ー、カーテン、ナイフコート、スピンコート等の通常の
各種塗布方法を選択することができる。本発明のコーテ
ィング材の塗膜の硬化方法については、公知の方法を用
いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温
度も特に限定はされず、所望される硬化被膜性能や基材
の耐熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとるこ
とができる。
【0024】本発明のコーティング材から形成される塗
布硬化被膜の厚みは、クラックや剥離が発生しないため
には、たとえば、1μm以下程度であればよいが、塗膜
の各種機能をより効果的に発揮させたり常温での硬化時
間をより短くしたりするとともに、塗布硬化被膜が長期
的に安定に密着、保持されるためには、0.001〜1
μmが好ましく、0.001〜0.3μmがより好まし
く、0.001〜0.1μmがさらに好ましい。上記の
膜厚はコーティング材の濃度と塗布量との積によって決
定される値であるため、前記目的のためにはコーティン
グ材の濃度が重要である。該濃度については、コーティ
ング材全量に対する全縮合化合物換算固形分として前述
した4官能シリコ−ンレジンの配合量の通りである。
【0025】本発明のコーティング材が塗布される基材
(本発明の塗装品に用いられる基材でもある)として
は、特に限定はされないが、たとえば、無機質基材、有
機質基材、無機有機複合基材、および、これらのうちの
いずれかの表面に少なくとも1層の無機物被膜および/
または少なくとも1層の有機物被膜を有する塗装基材等
が挙げられる。無機質基材としては、特に限定はされな
いが、たとえば、金属基材;ガラス基材;ホ−ロ−;水
ガラス化粧板、無機質硬化体等の無機質建材;セラミッ
クス等が挙げられる。
【0026】金属基材としては、特に限定はされない
が、たとえば、非金属〔たとえば、アルミニウム(JI
S−H4000等)、アルミニウム合金(ジュラルミン
等)、銅、亜鉛等〕、鉄、鋼〔たとえば、圧延鋼(JI
S−G3101等)、溶融亜鉛めっき鋼(JIS−G3
302等)、(圧延)ステンレス鋼(JIS−G430
4、G4305等)等〕、ブリキ(JIS−G3303
等)、その他の金属全般(合金含む)が挙げられる。ガ
ラス基材としては、特に限定はされないが、たとえば、
ナトリウムガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、
石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
【0027】前記ホ−ロ−とは、金属表面にガラス質の
ホ−ロ−ぐすりを焼き付け、被覆したものである。その
素地金属としては、たとえば、軟鋼板、鋼板、鋳鉄、ア
ルミニウム等が挙げられるが、特に限定はされない。ホ
−ロ−ぐすりも通常のものを用いればよく、特に限定は
されない。前記水ガラス化粧版とは、たとえば、ケイ酸
ソ−ダをスレ−ト等のセメント基材に塗布し、焼き付け
た化粧版等を指す。無機質硬化体としては、特に限定は
されないが、たとえば、繊維強化セメント板(JIS−
A5430等)、窯業系サイディング(JIS−A54
22等)、木毛セメント板(JIS−A5404等)、
パルプセメント板(JIS−A5414等)、スレ−ト
・木毛セメント積層板(JIS−A5426等)、石膏
ボ−ド製品(JIS−A6901等)、粘土瓦(JIS
−A5208等)、厚型スレ−ト(JIS−A5402
等)、陶磁器質タイル(JIS−A5209等)、建築
用コンクリ−トブロック(JIS−A5406等)、テ
ラゾ(JIS−A5411等)、プレストレストコンク
リ−トダブルTスラブ(JIS−A5412等)、AL
Cパネル(JIS−A5416等)、空洞プレストレス
トコンクリ−トパネル(JIS−A6511等)、普通
煉瓦(JIS−R1250等)等の無機材料を硬化、成
形した基材全般を指す。
【0028】セラミックス基材としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ
素、窒化ケイ素等が挙げられる。有機質基材としては、
特に限定はされないが、たとえば、プラスチック、木、
木材、紙等が挙げられる。プラスチック基材としては、
特に限定はされないが、たとえば、ポリカ−ボネ−ト樹
脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノ−ル樹脂等の熱硬化性もしくは熱可塑
性プラスチック、および、これらのプラスチックをナイ
ロン繊維等の有機繊維で強化した繊維強化プラスチック
(FRP)等が挙げられる。
【0029】無機有機複合基材としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、上記プラスチックをガラス繊維、
カ−ボン繊維等の無機繊維で強化した繊維強化プラスチ
ック(FRP)等が挙げられる。前記塗装基材を構成す
る有機物被膜としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、アクリル系、アルキド系、ポリエステル系、エポキ
シ系、ウレタン系、アクリルシリコ−ン系、塩化ゴム
系、フェノ−ル系、メラミン系等の有機樹脂を含むコ−
ティング材の硬化被膜等が挙げられる。前記塗装基材を
構成する無機物被膜としては、特に限定はされないが、
たとえば、シリコ−ン樹脂等の無機樹脂を含むコ−ティ
ング材の硬化被膜等が挙げられる。
【0030】本発明のコーティング材を基材に塗布する
際に、基材の材質や表面状態によっては、そのまま本発
明のコーティング材を塗布すると密着性や耐候性が得に
くい場合があるので、必要に応じ、基材の表面に、本発
明のコーティング材の塗布硬化被膜を形成させる前に予
めプライマ−層を形成させておいてもよい。プライマ−
層としては、有機、無機を問わず、特に限定はされない
が、有機プライマ−層の例としては、ナイロン樹脂、ア
ルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、有機変性シ
リコ−ン樹脂(たとえば、アクリルシリコ−ン樹脂
等)、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノ−ル樹脂、
ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種の有機樹脂を固形分として1
0重量%以上含有する有機プライマ−組成物の硬化樹脂
層等が挙げられ、無機プライマ−層の例としては、シリ
コ−ン樹脂等の無機樹脂を固形分として90重量%以上
含有する無機プライマ−組成物の硬化樹脂層等が挙げら
れる。
【0031】プライマ−層の厚みは、特に限定はされな
いが、たとえば、0.1〜50μmが好ましく、0.5
〜10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着
性や耐候性が得られな恐れがあり、厚すぎると乾燥時に
発泡等の恐れがある。なお、表面に上記のような有機プ
ライマ−層および/または無機プライマ−層を少なくと
も1層有する基材は、前記塗装基材の範疇に含まれる。
すなわち、前記塗装基材が表面に有する前記被膜は、上
記プライマ−層であってもよいのである。また、プライ
マ−層には、必要に応じ、調色のために顔料、染料等の
着色剤が含まれていてもよい。この着色剤としては、特
に限定はされず、公知のものを使用できる。プライマ−
層への着色剤の配合量についても特に限定はされない。
【0032】基材の形態については、特に限定はされ
ず、たとえば、フィルム状、シ−ト状、板状、繊維状等
が挙げられる。また、基材は、これらの形状の材料の成
形体、または、これらの形状の材料もしくはその成形体
の少なくとも1つを一部に備えた構成体等であってもよ
い。基材は、上述した各種材料単独からなるものでもよ
いし、上述した各種材料のうちの少なくとも2つを組み
合わせてなる複合材料または上述した各種材料のうちの
少なくとも2つを積層してなる積層材料でもよい。本発
明のコーティング材および塗装品は、造膜成分であるシ
リコ−ンレジンとして4官能のもののみを用いているた
め、親水性、防曇性、防汚性、耐候性、耐久性、透明
性、塗膜強度等に優れた機能を発揮する。そのため、本
発明のコーティング材の塗布硬化被膜を各種材料または
物品の少なくとも一部に装備させることにより、たとえ
ば、下記の用途に好適に用いることができる。
【0033】建物関連の部材または物品、たとえば、外
装材(たとえば、外壁材、平板瓦・日本瓦・金属瓦等の
瓦等)、塩ビ雨とい等の樹脂製雨とい・ステンレス雨と
い等の金属製雨とい等の雨とい、門およびそれに用いる
ための部材(たとえば、門扉・門柱・門塀等)、フェン
ス(塀)およびそれに用いるための部材、ガレ−ジ扉、
ホ−ムテラス、ドア、柱、カ−ポ−ト、駐輪ポ−ト、サ
インポスト、宅配ポスト、配電盤・スイッチ等の配線器
具、ガスメ−タ−、インタ−ホン、テレビドアホン本体
およびカメラレンズ部、電気錠、エントランスポ−ル、
縁側、換気扇吹き出し口、建物用ガラス等;窓(たとえ
ば、採光窓、天窓、ル−バ−等の開閉窓等)およびそれ
に用いるための部材(たとえば、窓枠、雨戸、ブライン
ド等)、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、機械装置、
道路周辺部材(たとえば、防音壁、トンネル内装板、各
種表示装置、ガ−ドレ−ル、車止め、高欄、交通標識の
標識板および標識柱、信号機、ポストコ−ン等)、広告
塔、屋外または屋内用照明器具およびそれに用いるため
の部材(たとえば、ガラス、樹脂、金属およびセラミッ
クスからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の材料
を含む部材等)、太陽電池用ガラス、農業用ビニ−ルお
よびガラスハウス、エアコン用室外機、VHF・UHF
・BS・CS等のアンテナ等。
【0034】なお、本発明のコーティング材を上記の各
種材料または物品の少なくとも一部に直接塗布し、硬化
させてもよいが、これに限定されず、たとえば、本発明
のコーティング材をフィルム基材の表面に塗布し、硬化
させてなる塗装フィルムを上記の各種材料または物品の
少なくとも一部に貼るようにしてもよい。このようなフ
ィルムの基材の材質としては、たとえば、ポリエチレン
テレフタレ−ト(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタ
レ−ト(PBT)樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂およびそ
れらの複合樹脂等の樹脂が挙げられるが、特に限定はさ
れない。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。実施例及び比較例中、特に断らない限
り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重
量%」を表す。また、分子量は、GPC(ゲルパ−ミエ
−ションクロマトグラフィ−)により、測定機種として
東ソ−(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチ
レンで検量線を作成し、その換算値として測定したもの
である。なお、本発明は下記実施例に限定されない。 <実施例1>イソプロパノ−ル分散オルガノシリカゾル
(商品名「OSCAL1432」、触媒化成工業(株)
製、固形分30%)122部を撹拌しながら、これに、
水144部、イソプロパノ−ル488部、テトラエトキ
シシラン208部を順次添加した後、25℃で1時間撹
拌した。次いで、さらにエチレングリコール24部を添
加した後、イソプロピルアルコール47114部で希釈
することにより、コーティング材(1)を得た。
【0036】 コーティング材(1)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% ・エチレングリコールの濃度 0.05% このコーティング材(1)5mlをキムタオルワイパー
(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用いて、ガ
ラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装し、塗
膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、塗装品
(1)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚は0.01μ
mであった。
【0037】<実施例2>イソプロパノ−ル分散オルガ
ノシリカゾル(商品名「OSCAL1432」、触媒化
成工業(株)製、固形分30%)122部を撹拌しなが
ら、これに、水144部、イソプロパノ−ル488部、
テトラエトキシシラン208部を順次添加した後、25
℃で1時間撹拌した。次いで、さらにトリメチレングリ
コール24部を添加した後、イソプロピルアルコール4
7114部で希釈することにより、コーティング材
(2)を得た。 コーティング材(2)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% ・トリメチレングリコールの濃度 0.05% このコーティング材(2)5mlをキムタオルワイパー
(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用いて、ガ
ラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装し、塗
膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、塗装品
(2)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚は0.01μ
mであった。
【0038】<実施例3>イソプロパノ−ル分散オルガ
ノシリカゾル(商品名「OSCAL1432」、触媒化
成工業(株)製、固形分30%)122部を撹拌しなが
ら、これに、水144部、イソプロパノ−ル488部、
テトラエトキシシラン208部を順次添加した後、25
℃で1時間撹拌した。次いで、さらにプロピレングリコ
ール24部を添加した後、イソプロピルアルコール47
114部で希釈することにより、コーティング材(3)
を得た。 コーティング材(3)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% ・プロピレングリコールの濃度 0.05% このコーティング材(3)5mlをキムタオルワイパー
(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用いて、ガ
ラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装し、塗
膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、塗装品
(3)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚は0.01μ
mであった。
【0039】<実施例4>コンパクトツール株式会社製
のコンパウンド(超微粒子コンパウンド♯002)に酢
酸ナトリウムを添加してpH11とすることにより、前
処理材を得た。次いで、松下電工(株)研究所棟内のト
イレに設置された鏡の一部をコンパウンドで洗浄した
後、上記で得られた前処理材をつけたキムタオルワイパ
ーで乾拭きした。その後、実施例2で得られたコーティ
ング材(2)をスプレー塗装し、塗膜を常温で1時間乾
燥硬化させることにより、塗装品(4)を得た。なお、
塗膜の硬化後の膜厚は0.01μmであった。
【0040】<比較例1>イソプロパノ−ル分散オルガ
ノシリカゾル(商品名「OSCAL1432」、触媒化
成工業(株)製、固形分30%)122部を撹拌しなが
ら、これに、水144部、イソプロパノ−ル488部、
テトラエトキシシラン208部を順次添加した後、25
℃で1時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコール
47138部で希釈することにより、比較用コーティン
グ材(1)を得た。 比較用コーティング材(1)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% この比較用コーティング材(1)5mlをキムタオルワ
イパー(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用い
て、ガラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装
し、塗膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、
比較用塗装品(1)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚
は0.01μmであった。
【0041】<比較例2>イソプロパノ−ル分散オルガ
ノシリカゾル(商品名「OSCAL1432」、触媒化
成工業(株)製、固形分30%)122部を撹拌しなが
ら、これに、水144部、イソプロパノ−ル488部、
テトラエトキシシラン208部を順次添加した後、25
℃で1時間撹拌した。その後、ノルマルプロピルアルコ
ール47138部で希釈することにより、比較用コーテ
ィング材(2)を得た。 比較用コーティング材(2)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% この比較用コーティング材(2)5mlをキムタオルワ
イパー(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用い
て、ガラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装
し、塗膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、
比較用塗装品(2)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚
は0.01μmであった。
【0042】<比較例3>イソプロパノ−ル分散オルガ
ノシリカゾル(商品名「OSCAL1432」、触媒化
成工業(株)製、固形分30%)122部を撹拌しなが
ら、これに、水144部、イソプロパノ−ル488部、
テトラエトキシシラン208部を順次添加した後、25
℃で1時間撹拌した。その後、メタノール47138部
で希釈することにより、比較用コーティング材(3)を
得た。 比較用コーティング材(3)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% この比較用コーティング材(3)は、メタノールの使用
により医薬用外劇物であるため、実施例1〜3で得られ
たコーティング材(1)〜(3)と比べて毒性が大き
い。
【0043】この比較用コーティング材(3)5mlを
キムタオルワイパー(株式会社クレシア製の紙)につけ
たものを用いて、ガラス基板(予めアセトンで洗浄した
もの)を塗装し、塗膜を室温下で1時間乾燥硬化させる
ことにより、比較用塗装品(3)を得た。なお、塗膜の
硬化後の膜厚は0.01μmであった。 <比較例4>イソプロパノ−ル分散オルガノシリカゾル
(商品名「OSCAL1432」、触媒化成工業(株)
製、固形分30%)122部を撹拌しながら、これに、
水144部、イソプロパノ−ル488部、テトラエトキ
シシラン208部を順次添加した後、25℃で1時間撹
拌した。その後、エタノール47138部で希釈するこ
とにより、比較用コーティング材(4)を得た。
【0044】 比較用コーティング材(4)の調製条件: ・〔水〕/〔加水分解性基X〕モル比 2.0 ・4官能シリコーンレジンの重量平均分子量 1100 ・全縮合化合物換算固形分 1.0% この比較用コーティング材(4)5mlをキムタオルワ
イパー(株式会社クレシア製の紙)につけたものを用い
て、ガラス基板(予めアセトンで洗浄したもの)を塗装
し、塗膜を室温下で1時間乾燥硬化させることにより、
比較用塗装品(4)を得た。なお、塗膜の硬化後の膜厚
は0.01μmであった。また、塗膜は白濁していた。 <評価方法> (塗膜性能): (水に対する濡れ性):水と塗膜との接触角を測定する
ことにより評価した。接触角の測定は、0.2ccの蒸
留水を塗膜表面に滴下した後、拡大カメラで観察するこ
とにより行った。
【0045】(塗膜の透明度の評価):塗膜の透明度を
ヘイズメーターによって測定したヘイズ値で評価した。 (コーティング材の保存安定性の評価):コーティング
材の保存安定性を50℃で評価した。コーティング材が
劣化すると、それを塗布した塗膜のヘイズ値が上がる傾
向が見られたので、初期のヘイズ値よりも5増えた状態
でコーティング材の保存期間が終了したと認識した。結
果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】なお、実施例4については、透明で(ヘイ
ズ値が小さく)、親水性の高い被膜を作製することがで
きた。
【0048】
【発明の効果】本発明のコーティング材は、シリコ−ン
レジンとして4官能のもののみを含むにも関わらず、希
釈溶剤としてアルコールを用い、このアルコールの少な
くとも一部として、炭素数3〜5の一価アルコールと、
グリコールとを併用したものであるため、工場内のよう
な環境や設備が整備された場所だけでなく、一般家庭や
路上等の塗装設備のない場所を含めたより広い範囲の様
々な場所で、一般のユーザーでも簡便に基材の表面に、
親水性、防曇性、防汚性、耐候性、耐久性、透明性、塗
膜強度等の4官能シリコーンレジンに由来する各種機能
に優れ、しかも簡単に除去できる被膜をクラックが発生
しない程度の薄い膜厚で均一に形成することができる。
【0049】本発明の塗装品は、基材の表面に、上記本
発明のコーティング材の塗布硬化被膜からなる塗装層を
備えたものであるため、該コーティング材や、それから
形成される塗布硬化被膜に由来する上記の優れた各種特
性や利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL021 HA446 JA19 JA20 KA04 KA06 KA08 LA03 LA04 MA14 NA01 NA03 NA05 NA06 NA11 PA18 PB02 PB05 PB07 PB09 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式SiX4 ・・・(1) (ここでXは同一または異種の加水分解性基を示す)で
    表される4官能加水分解性オルガノシランの加水分解重
    縮合物を含む4官能シリコ−ンレジンと、希釈溶剤とし
    てアルコールとを含有してなるコーティング材であっ
    て、前記アルコールの少なくとも一部として、炭素数3
    〜5の一価アルコールと、グリコールとを併用すること
    を特徴とするコーティング材。
  2. 【請求項2】前記一価アルコールがノルマルプロピルア
    ルコール(npa )および/またはイソプロピルアルコー
    ル(ipa )である、請求項1に記載のコーティング材。
  3. 【請求項3】前記グリコールの配合量が、塗料全量に対
    して0.01〜20重量%である、請求項1または2に
    記載のコーティング材。
  4. 【請求項4】前記グリコールがトリメチレングリコール
    および/またはプロピレングリコールである、請求項1
    から3までのいずれかに記載のコーティング材。
  5. 【請求項5】基材の表面に、請求項1から4までのいず
    れかに記載のコーティング材の塗布硬化被膜からなる塗
    装層を備えた塗装品。
JP2000360169A 2000-11-27 2000-11-27 コーティング材およびそれを用いた塗装品 Pending JP2002161239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360169A JP2002161239A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 コーティング材およびそれを用いた塗装品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360169A JP2002161239A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 コーティング材およびそれを用いた塗装品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002161239A true JP2002161239A (ja) 2002-06-04

Family

ID=18831814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000360169A Pending JP2002161239A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 コーティング材およびそれを用いた塗装品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002161239A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350892A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Panahome Corp 外壁塗装面の補修方法および外壁塗装構造
JP2008038049A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Soft99 Corporation 車両用艶出しコーティング剤
WO2021070791A1 (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 日本電気硝子株式会社 アンチグレア膜形成用液状組成物及びアンチグレア膜付き基材の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350892A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Panahome Corp 外壁塗装面の補修方法および外壁塗装構造
JP2008038049A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Soft99 Corporation 車両用艶出しコーティング剤
WO2021070791A1 (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 日本電気硝子株式会社 アンチグレア膜形成用液状組成物及びアンチグレア膜付き基材の製造方法
CN114375318A (zh) * 2019-10-07 2022-04-19 日本电气硝子株式会社 防眩膜形成用液状组合物和带防眩膜的基材的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3367953B2 (ja) 親水性無機塗膜形成方法及び無機塗料組成物
JP3182107B2 (ja) 機能性塗装品とその製造方法および用途
JP2920140B2 (ja) 防汚性シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法およびそれを用いた防汚性塗装品
KR100876529B1 (ko) 자기세정성을 갖는 코팅용 조성물을 이용한 필름 또는 건축외장재 및 이의 제조 방법
JP2003206417A (ja) コーティング組成物及びコーティング層形成方法
JP2004359902A (ja) 光触媒塗料
JP3424533B2 (ja) 親水性無機塗料とそれを用いた親水性塗装品
JP4010049B2 (ja) 機能性無機塗料、それを用いた塗装品およびそれらの用途
JP2011132486A (ja) コーティング組成物及び塗装品
JPH11335625A (ja) コーティング用樹脂組成物とこれを用いた塗装品
WO1999052983A1 (fr) Composition de revetement inorganique et film de revetement inorganique hydrophile
JP2002161239A (ja) コーティング材およびそれを用いた塗装品
JPH10296185A (ja) 低温硬化無機塗装方法
JP4088995B2 (ja) 機能性無機塗膜の形成方法および機能性塗装品
JPH10287846A (ja) 機能性無機塗料、それを用いた塗装品およびそれらの用途
JPH1161042A (ja) 高親水性無機塗料、それを用いた塗装品およびそれらの用途
JPH10237358A (ja) 帯電防止機能無機塗料、それを用いた塗装品およびそれらの用途
JP2000212510A (ja) 機能性無機塗料、その塗装方法および機能性塗装品
JP2000007991A (ja) 機能性無機塗料、その製造方法および機能性塗装品
JP4374807B2 (ja) 親水性塗膜及び親水性塗膜の塗装方法
JPH11166156A (ja) 低温硬化性無機塗料とそれを用いた塗装品
JP2000185368A (ja) 塗装品
JP2002173642A (ja) 構造物表面の汚染防止用塗装剤組成物及びその製造方法
JP2000212511A (ja) トンネル用親水性塗装物
JP2001220543A (ja) 紫外線吸収コーティング材樹脂組成物とそれを用いた塗装品