JP2002160041A - 金属薄肉成形体用金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法 - Google Patents
金属薄肉成形体用金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法Info
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- JP2002160041A JP2002160041A JP2000358244A JP2000358244A JP2002160041A JP 2002160041 A JP2002160041 A JP 2002160041A JP 2000358244 A JP2000358244 A JP 2000358244A JP 2000358244 A JP2000358244 A JP 2000358244A JP 2002160041 A JP2002160041 A JP 2002160041A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 後加工が容易で、かつ、一度に多数個の成形
体を形成し得る金属薄肉成形体用金型、および携帯電話
機の筐体などの薄肉で複雑な形状の製品を金属による成
形体で大量に製造し得る金属薄肉成形体の製法を提供す
る。 【解決手段】 溶融状態または半溶融状態の金属(湯)
を供給する断面が円形の湯口1から湯を搬送するランナ
ー2が両方向に延び、そのランナー2にゲート3を介し
て薄膜の製品形状を形どったキャビティ4が設けられて
いる。キャビティ4のゲート3と反対側にオーバーフロ
ー部5が設けられている。このキャビティとなる製品形
状は、上下および左右それぞれに非対称である。そのキ
ャビティ4が、ゲート3に対して同一方向を向くように
少なくとも2個形成されている。
体を形成し得る金属薄肉成形体用金型、および携帯電話
機の筐体などの薄肉で複雑な形状の製品を金属による成
形体で大量に製造し得る金属薄肉成形体の製法を提供す
る。 【解決手段】 溶融状態または半溶融状態の金属(湯)
を供給する断面が円形の湯口1から湯を搬送するランナ
ー2が両方向に延び、そのランナー2にゲート3を介し
て薄膜の製品形状を形どったキャビティ4が設けられて
いる。キャビティ4のゲート3と反対側にオーバーフロ
ー部5が設けられている。このキャビティとなる製品形
状は、上下および左右それぞれに非対称である。そのキ
ャビティ4が、ゲート3に対して同一方向を向くように
少なくとも2個形成されている。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄肉成形体用
金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法に関す
る。さらに詳しくは、たとえば携帯電話機の筐体など、
複雑な形状で、かつ、軽量の製品をチクソモールディン
グ法やダイカスト法などにより、マグネシウム合金など
の金属を用いて一度に多数個成形することができる金型
およびそれを用いた製品の製法に関する。
金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法に関す
る。さらに詳しくは、たとえば携帯電話機の筐体など、
複雑な形状で、かつ、軽量の製品をチクソモールディン
グ法やダイカスト法などにより、マグネシウム合金など
の金属を用いて一度に多数個成形することができる金型
およびそれを用いた製品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば図5に示されるようなスティッ
ク型の携帯電話機の筐体は、従来樹脂の成形体により製
造されていたが、近年の電子機器の軽薄短小化に伴い、
とくに携帯電話機などでは筐体の薄型化が図られ、しか
も乱雑な取扱いに対しても破損しない強度が要求される
ことから、樹脂では強度的に不充分となり、MgにA
l、Zn、Siなどを固溶化させた合金などの金属によ
る1mm厚以下の薄肉成形体が用いられる傾向にある。
このような金属薄肉体を成形する方法としては、チクソ
モールディング(金属の射出成形)法が知られており、
また、最近ではダイカスト法でも薄膜成形体を形成でき
るようになっている。このチクソモールディング法は金
属の半溶融状態(液体と固体の混ざった状態)で金型内
に流し込んで成形する方法で、ダイカスト法は、金属を
完全な溶融状態にして金型内に流し込むことにより成形
する方法である。
ク型の携帯電話機の筐体は、従来樹脂の成形体により製
造されていたが、近年の電子機器の軽薄短小化に伴い、
とくに携帯電話機などでは筐体の薄型化が図られ、しか
も乱雑な取扱いに対しても破損しない強度が要求される
ことから、樹脂では強度的に不充分となり、MgにA
l、Zn、Siなどを固溶化させた合金などの金属によ
る1mm厚以下の薄肉成形体が用いられる傾向にある。
このような金属薄肉体を成形する方法としては、チクソ
モールディング(金属の射出成形)法が知られており、
また、最近ではダイカスト法でも薄膜成形体を形成でき
るようになっている。このチクソモールディング法は金
属の半溶融状態(液体と固体の混ざった状態)で金型内
に流し込んで成形する方法で、ダイカスト法は、金属を
完全な溶融状態にして金型内に流し込むことにより成形
する方法である。
【0003】しかし、このような金属を溶融状態または
半溶融状態で金型内に流し込み、薄肉の成形体を形成す
る方法は、樹脂の射出成形などと異なり、その粘性が非
常に小さく、水を流すような状態になり、0.5秒程度
で流し込まれると共に、金型内に流し込まれると直ちに
冷却して、後から流れてきた金属の層との間に境界が現
れて、その表面に湯ジワとか空隙などができやすい。
半溶融状態で金型内に流し込み、薄肉の成形体を形成す
る方法は、樹脂の射出成形などと異なり、その粘性が非
常に小さく、水を流すような状態になり、0.5秒程度
で流し込まれると共に、金型内に流し込まれると直ちに
冷却して、後から流れてきた金属の層との間に境界が現
れて、その表面に湯ジワとか空隙などができやすい。
【0004】とくに、図5に示されるスティック型携帯
電話機の筐体のように液晶表示部21や番号ボタン22
などのブランク部を設けると共に、アンテナの差込口2
3の形成などが設けられ、上下(長手方向)および左右
(幅方向)に非対称な形状の製品を見栄えよく製造する
には、溶融または半溶融状態の金属を流し込む条件が非
常にシビアになる。そのため、成形した固形物を金型か
ら取り出した状態の平面説明図が図6に示されるよう
に、湯口(溶融状態の金属源)31から、ランナー32
を何本にも分け、ゲート33を介してキャビティ(製品
と同形状)20内に溶融金属を注入し、そのキャビティ
20のゲート33と反対側にはオーバフロー部34を何
か所かに設け、キャビティ内の周囲を回って固まりかけ
た一部の溶融金属をオーバフロー部34追い出しなが
ら、キャビティ20内に隙間なく溶融金属を充填できる
ようにし、後からそのオーバーフロー部34で固まった
金属を取り除くという方法が採られている。
電話機の筐体のように液晶表示部21や番号ボタン22
などのブランク部を設けると共に、アンテナの差込口2
3の形成などが設けられ、上下(長手方向)および左右
(幅方向)に非対称な形状の製品を見栄えよく製造する
には、溶融または半溶融状態の金属を流し込む条件が非
常にシビアになる。そのため、成形した固形物を金型か
ら取り出した状態の平面説明図が図6に示されるよう
に、湯口(溶融状態の金属源)31から、ランナー32
を何本にも分け、ゲート33を介してキャビティ(製品
と同形状)20内に溶融金属を注入し、そのキャビティ
20のゲート33と反対側にはオーバフロー部34を何
か所かに設け、キャビティ内の周囲を回って固まりかけ
た一部の溶融金属をオーバフロー部34追い出しなが
ら、キャビティ20内に隙間なく溶融金属を充填できる
ようにし、後からそのオーバーフロー部34で固まった
金属を取り除くという方法が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、0.4
〜0.8μm程度の薄い金属薄膜(薄肉)の成形体を製
造する場合、図5に示される携帯電話機のような長手方
向で流し込む金属量が大きく異なる(液晶表示部の有
無)と共に、幅方向でもその形状が対称でないと(アン
テナ取付部の有無)、粘性の小さい溶融状態または半溶
融状態の金属(以下、単に湯ともいう)を全体に均一に
流し込むことは非常に難しい。そのため、複数個を同時
に成形することはさらに難しく、従来の成形金型では1
個づつしか製造できないという問題がある。
〜0.8μm程度の薄い金属薄膜(薄肉)の成形体を製
造する場合、図5に示される携帯電話機のような長手方
向で流し込む金属量が大きく異なる(液晶表示部の有
無)と共に、幅方向でもその形状が対称でないと(アン
テナ取付部の有無)、粘性の小さい溶融状態または半溶
融状態の金属(以下、単に湯ともいう)を全体に均一に
流し込むことは非常に難しい。そのため、複数個を同時
に成形することはさらに難しく、従来の成形金型では1
個づつしか製造できないという問題がある。
【0006】さらに、通常の樹脂成形金型などでは、た
とえば2個を同時に成形しようとすると、樹脂流れの均
一化の点から、図7に示されるように、湯口を挟んで両
側から対向するように製品形状であるキャビティが配置
されるが、金属薄膜の成形品により製造する場合、前述
のように、ゲートと反対側にオーバーフロー部を設け
て、後からプレスでトリミング加工などによりゲートと
共に除去しなければならない。そのため、ゲートに対し
てキャビティの形状が同じ方向を向いていないと、成形
品に付着するオーバーフロー部やゲート部が成形品で異
なる位置に形成され、トリミング加工時の固定型を2種
類準備しなければならず、加工処理も異なるため、作業
が非常に煩雑になるという問題がある。
とえば2個を同時に成形しようとすると、樹脂流れの均
一化の点から、図7に示されるように、湯口を挟んで両
側から対向するように製品形状であるキャビティが配置
されるが、金属薄膜の成形品により製造する場合、前述
のように、ゲートと反対側にオーバーフロー部を設け
て、後からプレスでトリミング加工などによりゲートと
共に除去しなければならない。そのため、ゲートに対し
てキャビティの形状が同じ方向を向いていないと、成形
品に付着するオーバーフロー部やゲート部が成形品で異
なる位置に形成され、トリミング加工時の固定型を2種
類準備しなければならず、加工処理も異なるため、作業
が非常に煩雑になるという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、後加工が容易で、かつ、一度に多数
個の成形体を形成し得る金属薄肉成形体用金型を提供す
ることを目的とする。
になされたもので、後加工が容易で、かつ、一度に多数
個の成形体を形成し得る金属薄肉成形体用金型を提供す
ることを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、携帯電話機の筐体な
どの薄肉で複雑な形状の製品を金属による成形体で大量
に製造し得る金属薄肉成形体の製法を提供することにあ
る。
どの薄肉で複雑な形状の製品を金属による成形体で大量
に製造し得る金属薄肉成形体の製法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スティッ
ク型携帯電話機の筐体のように、複雑な形状で、しかも
肉厚が1mm以下と非常に薄い製品を、マグネシウム
(Mg)またはMgにAlやZnなどを混晶させた合金
などの金属を用いて、一度に複数個成形できるようにす
るため鋭意検討を重ねた。その結果、溶融状態または半
溶融状態の金属(湯)は、前述のように、樹脂と異な
り、その粘性が非常に小さく、僅かなランナーの形状な
どによりその中を流れる湯の速度が変化し、その速度を
複数個のランナーで同じになるようにランナーの形状を
調整することにより、キャビティの形状が異なっていて
も、複数個の成形体を同じ表面状態で同時に形成し得る
ことを見出した。
ク型携帯電話機の筐体のように、複雑な形状で、しかも
肉厚が1mm以下と非常に薄い製品を、マグネシウム
(Mg)またはMgにAlやZnなどを混晶させた合金
などの金属を用いて、一度に複数個成形できるようにす
るため鋭意検討を重ねた。その結果、溶融状態または半
溶融状態の金属(湯)は、前述のように、樹脂と異な
り、その粘性が非常に小さく、僅かなランナーの形状な
どによりその中を流れる湯の速度が変化し、その速度を
複数個のランナーで同じになるようにランナーの形状を
調整することにより、キャビティの形状が異なっていて
も、複数個の成形体を同じ表面状態で同時に形成し得る
ことを見出した。
【0010】この湯の速度は、たとえば湯口から水平方
向に流れるランナーに対して、垂直方向上側にキャビテ
ィおよびオーバフロー部が設けられる場合と、水平方向
のランナーに対して、垂直方向下側にキャビティおよび
オーバフロー部が設けられる場合とで、湯の重力に対抗
して流れるのと、重力方向に沿って流れることによる流
れ方が微妙に異なり、できれば同じ方向、とくに水平方
向のランナーに対して垂直上部にキャビティ、さらにそ
の上にオーバフロー部が設けられることが均一に湯が流
れやすいことを見出した。しかし、上方と下方の両方
に、同時に湯を流す場合でも、ランナーの形状(コーナ
部の半径の大きさなど)、断面積などを調整し、ランナ
ー内の湯の流れ方(湯の速度)を制御することにより、
同時に成形することもできることを見出した。そして、
非対称な製品形状のものでも、その製品形状の向きがゲ
ートに対して同じ方向を向くようにキャビティを複数個
形成しても、ランナーなどの調整により均一に湯を流し
込むことができることを見出した。
向に流れるランナーに対して、垂直方向上側にキャビテ
ィおよびオーバフロー部が設けられる場合と、水平方向
のランナーに対して、垂直方向下側にキャビティおよび
オーバフロー部が設けられる場合とで、湯の重力に対抗
して流れるのと、重力方向に沿って流れることによる流
れ方が微妙に異なり、できれば同じ方向、とくに水平方
向のランナーに対して垂直上部にキャビティ、さらにそ
の上にオーバフロー部が設けられることが均一に湯が流
れやすいことを見出した。しかし、上方と下方の両方
に、同時に湯を流す場合でも、ランナーの形状(コーナ
部の半径の大きさなど)、断面積などを調整し、ランナ
ー内の湯の流れ方(湯の速度)を制御することにより、
同時に成形することもできることを見出した。そして、
非対称な製品形状のものでも、その製品形状の向きがゲ
ートに対して同じ方向を向くようにキャビティを複数個
形成しても、ランナーなどの調整により均一に湯を流し
込むことができることを見出した。
【0011】本発明による金属薄膜成形体用金型は、溶
融状態または半溶融状態の金属を供給する断面が円形の
湯口と、該湯口から前記溶融状態または半溶融状態の金
属を誘導するランナーと、該ランナーにゲートを介して
設けられる薄膜の製品形状を形どったキャビティと、前
記キャビティの前記ゲートと反対側に設けられるオーバ
ーフロー部とを有し、前記製品形状が上下および左右そ
れぞれに非対称であり、該製品形状を形どったキャビテ
ィが、前記ゲートに対して同一方向を向くように少なく
とも2個形成されている。
融状態または半溶融状態の金属を供給する断面が円形の
湯口と、該湯口から前記溶融状態または半溶融状態の金
属を誘導するランナーと、該ランナーにゲートを介して
設けられる薄膜の製品形状を形どったキャビティと、前
記キャビティの前記ゲートと反対側に設けられるオーバ
ーフロー部とを有し、前記製品形状が上下および左右そ
れぞれに非対称であり、該製品形状を形どったキャビテ
ィが、前記ゲートに対して同一方向を向くように少なく
とも2個形成されている。
【0012】ここに上下および左右とは、製品をある方
向、たとえば携帯電話機を縦向きに配置したときの上下
および左右の方向を意味する。また、キャビティがゲー
トに対して同一方向を向くとは、たとえばゲートの右側
が製品の頂部になるなどキャビティの形状がゲートに対
して一定方向を向いていることを意味する。
向、たとえば携帯電話機を縦向きに配置したときの上下
および左右の方向を意味する。また、キャビティがゲー
トに対して同一方向を向くとは、たとえばゲートの右側
が製品の頂部になるなどキャビティの形状がゲートに対
して一定方向を向いていることを意味する。
【0013】この構造にすることにより、製品形状に対
して、常にゲートおよびオーバフロー部の位置を一定の
場所にすることができるため、固形後に金型から取り出
して、ゲート部やオーバフロー部の付着物をプレスによ
るトリミング加工などにより除去する場合に、同じ加工
機により連続的に行うことができる。
して、常にゲートおよびオーバフロー部の位置を一定の
場所にすることができるため、固形後に金型から取り出
して、ゲート部やオーバフロー部の付着物をプレスによ
るトリミング加工などにより除去する場合に、同じ加工
機により連続的に行うことができる。
【0014】前記少なくとも2個のキャビティのそれぞ
れに、溶融状態または半溶融状態の金属がそれぞれ均等
に充填されるように、該少なくとも2個のキャビティに
通じるランナーに前記溶融状態または半溶融状態の金属
の流れを制御する手段が形成される。
れに、溶融状態または半溶融状態の金属がそれぞれ均等
に充填されるように、該少なくとも2個のキャビティに
通じるランナーに前記溶融状態または半溶融状態の金属
の流れを制御する手段が形成される。
【0015】前記金属の流れを制御する手段が、前記少
なくとも2個のキャビティに通じるランナーを非対称に
形成されることにより、非対称形状の複数個のキャビテ
ィ内に均一に湯を流し込むことができる。
なくとも2個のキャビティに通じるランナーを非対称に
形成されることにより、非対称形状の複数個のキャビテ
ィ内に均一に湯を流し込むことができる。
【0016】たとえば前記ランナーの非対称が、前記キ
ャビティの一方に通じるランナーのゲートに至る直前で
の直線部分が、他方のキャビティに通じるランナーより
長く形成され、かつ、湯口からゲートに至るランナーの
全長は同じ長さに形成されることにより、キャビティ内
に均一に溶融金属などを充填することができる。
ャビティの一方に通じるランナーのゲートに至る直前で
の直線部分が、他方のキャビティに通じるランナーより
長く形成され、かつ、湯口からゲートに至るランナーの
全長は同じ長さに形成されることにより、キャビティ内
に均一に溶融金属などを充填することができる。
【0017】前記キャビティが前記湯口の直径で分割さ
れる平面の一方側の空間に少なくとも2個形成され、か
つ、該少なくとも2個のキャビティが前記空間内で同一
方向を向くように配列されることにより、一方側の空間
内に形成されたキャビティに流れ込む湯は、重力方向が
同じで速度も等しくなり、均一にキャビティ内に流れや
すい。なお、前記平面の他方側の空間にも同様に複数個
のキャビティを形成することもできる。この場合、重力
方向が逆方向になるが、前述のように、他の要素により
調整することができる。
れる平面の一方側の空間に少なくとも2個形成され、か
つ、該少なくとも2個のキャビティが前記空間内で同一
方向を向くように配列されることにより、一方側の空間
内に形成されたキャビティに流れ込む湯は、重力方向が
同じで速度も等しくなり、均一にキャビティ内に流れや
すい。なお、前記平面の他方側の空間にも同様に複数個
のキャビティを形成することもできる。この場合、重力
方向が逆方向になるが、前述のように、他の要素により
調整することができる。
【0018】前記ゲートおよびオーバーフロー部が前記
キャビティを介して鉛直方向に位置し、かつ、前記オー
バフロー部が上方に位置するように前記キャビティが形
成されることにより、重力に抗して湯が流れるため、キ
ャビティ内に完全に充填され好ましい。
キャビティを介して鉛直方向に位置し、かつ、前記オー
バフロー部が上方に位置するように前記キャビティが形
成されることにより、重力に抗して湯が流れるため、キ
ャビティ内に完全に充填され好ましい。
【0019】本発明による金属薄肉成形体の製法は、上
下および左右に非対称な形状の薄肉製品を溶融状態また
は半溶融状態の金属を金型内に流し込むことにより成形
する金属薄肉成形体の製法であって、前記薄肉製品の形
状を形どったキャビティをゲートに対して同じ方向を向
くように複数個形成すると共に、該キャビティのそれぞ
れに溶融状態または半溶融状態の金属を同じ条件で導く
ようにランナーを形成した金型を用い、溶融状態または
半溶融状態の金属を前記複数個のキャビティ内に同時に
流し込んで固化させた後、前記キャビティ内の成形物を
順次同一形状の固定台に固定し、該成形物に付着するゲ
ートおよびオーバフロー部の固形物を除去加工すること
により薄肉製品を製造することを特徴とする。
下および左右に非対称な形状の薄肉製品を溶融状態また
は半溶融状態の金属を金型内に流し込むことにより成形
する金属薄肉成形体の製法であって、前記薄肉製品の形
状を形どったキャビティをゲートに対して同じ方向を向
くように複数個形成すると共に、該キャビティのそれぞ
れに溶融状態または半溶融状態の金属を同じ条件で導く
ようにランナーを形成した金型を用い、溶融状態または
半溶融状態の金属を前記複数個のキャビティ内に同時に
流し込んで固化させた後、前記キャビティ内の成形物を
順次同一形状の固定台に固定し、該成形物に付着するゲ
ートおよびオーバフロー部の固形物を除去加工すること
により薄肉製品を製造することを特徴とする。
【0020】この方法を用いることにより、金属薄肉成
形体を同時に複数個成形することができ、非常に効率的
であると共に、成形後のオーバフロー部やゲート部の余
計な固形物を除去する加工も、その余計な固形物の付着
が全ての製品で製品形状の一定の場所にあり、その除去
加工も同じ固定台を使用して同じ工程で除去することが
でき、非常に能率的に大量生産をすることができる。
形体を同時に複数個成形することができ、非常に効率的
であると共に、成形後のオーバフロー部やゲート部の余
計な固形物を除去する加工も、その余計な固形物の付着
が全ての製品で製品形状の一定の場所にあり、その除去
加工も同じ固定台を使用して同じ工程で除去することが
でき、非常に能率的に大量生産をすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明による金属薄肉成
形体用金型について、図面を参照しながら説明をする。
本発明による金型は、図1に金型内で固形した状態で取
り出した固形物の斜視図が示されるように、溶融状態ま
たは半溶融状態の金属(湯)を供給する断面が円形の湯
口1から湯を誘導するランナー2が両方向に延び、その
ランナー2にゲート3を介して薄肉の製品形状を形どっ
たキャビティ4が設けられている。キャビティ4のゲー
ト3と反対側にオーバーフロー部5が設けられている。
ここで用いられる製品は、図1のキャビティ形状で示さ
れるように、その形状が上下および左右それぞれに非対
称である。そして、その製品形状を形どったキャビティ
4が、ゲート3に対して同一方向を向くように少なくと
も2個形成されていることに特徴がある。
形体用金型について、図面を参照しながら説明をする。
本発明による金型は、図1に金型内で固形した状態で取
り出した固形物の斜視図が示されるように、溶融状態ま
たは半溶融状態の金属(湯)を供給する断面が円形の湯
口1から湯を誘導するランナー2が両方向に延び、その
ランナー2にゲート3を介して薄肉の製品形状を形どっ
たキャビティ4が設けられている。キャビティ4のゲー
ト3と反対側にオーバーフロー部5が設けられている。
ここで用いられる製品は、図1のキャビティ形状で示さ
れるように、その形状が上下および左右それぞれに非対
称である。そして、その製品形状を形どったキャビティ
4が、ゲート3に対して同一方向を向くように少なくと
も2個形成されていることに特徴がある。
【0022】前述のように、本発明者らは、金属薄肉成
形体を、見栄えがよく、しかも1個の金型により複数個
同時に成形することができるようにするため鋭意検討を
重ねた結果、ランナー2の形状や湯流れの方向が上向き
もしくは下向きなど僅かな相違で微妙に湯の流れ方が変
り、逆に言えば、製品形状が対称形でなくても、ランナ
ーを調整することにより湯流れの流量や速度を均等にす
ることにより複数個のキャビティに湯を均一に流し込む
ことができ、ランナーの形状などを調整し、湯流れの均
一化を図ることにより、上下左右共に非対称な製品を成
形する場合でも複数個同時に成形し得ることを見出し
た。
形体を、見栄えがよく、しかも1個の金型により複数個
同時に成形することができるようにするため鋭意検討を
重ねた結果、ランナー2の形状や湯流れの方向が上向き
もしくは下向きなど僅かな相違で微妙に湯の流れ方が変
り、逆に言えば、製品形状が対称形でなくても、ランナ
ーを調整することにより湯流れの流量や速度を均等にす
ることにより複数個のキャビティに湯を均一に流し込む
ことができ、ランナーの形状などを調整し、湯流れの均
一化を図ることにより、上下左右共に非対称な製品を成
形する場合でも複数個同時に成形し得ることを見出し
た。
【0023】本発明では、このように、ランナーの形状
や配置などを調整し、キャビティ4内への湯の流量およ
び速度の条件を均一化することにより、非対称で、複雑
な形状の薄肉製品をチクソモールディング法またはダイ
カスト法により製造する場合でも、複数個同時に成形す
ることができるようにしていることに特徴がある。そし
て、この調整法を利用し、ゲート3に対して、キャビテ
ィの形状が同一方向を向くようにキャビティを配置する
ことにより、固化した後のトリミング加工などを非常に
容易に行うことができるようにしたことに特徴がある。
や配置などを調整し、キャビティ4内への湯の流量およ
び速度の条件を均一化することにより、非対称で、複雑
な形状の薄肉製品をチクソモールディング法またはダイ
カスト法により製造する場合でも、複数個同時に成形す
ることができるようにしていることに特徴がある。そし
て、この調整法を利用し、ゲート3に対して、キャビテ
ィの形状が同一方向を向くようにキャビティを配置する
ことにより、固化した後のトリミング加工などを非常に
容易に行うことができるようにしたことに特徴がある。
【0024】図1に示される例は2個のキャビティ4
が、ランナー2が設けられる面より上方に設けられた例
で、湯口1に繋がるランナー2が、ほぼxy平面内(多
少z軸方向の成分を有している)で2手に分れて反対方
向に延び、その後それぞれのランナー2が、上方(z方
向)に曲げられ、それぞれのランナー2は、キャビティ
4近傍でさらに2手に分岐され、複数個のゲート3(図
1の例では1個のキャビティ4に3個のゲート)を介し
て、キャビティ4にそれぞれ接続されている。キャビテ
ィ4は、それぞれスティック型携帯電話機を形どり、共
に液晶表示用窓を右側にした横向き形状に配列されてい
る。そして、キャビティ4のさらに上方(z方向)に
は、キャビティ4内を最初に流れた湯を逃がすためのオ
ーバフロー部5が数カ所づつ設けられている。
が、ランナー2が設けられる面より上方に設けられた例
で、湯口1に繋がるランナー2が、ほぼxy平面内(多
少z軸方向の成分を有している)で2手に分れて反対方
向に延び、その後それぞれのランナー2が、上方(z方
向)に曲げられ、それぞれのランナー2は、キャビティ
4近傍でさらに2手に分岐され、複数個のゲート3(図
1の例では1個のキャビティ4に3個のゲート)を介し
て、キャビティ4にそれぞれ接続されている。キャビテ
ィ4は、それぞれスティック型携帯電話機を形どり、共
に液晶表示用窓を右側にした横向き形状に配列されてい
る。そして、キャビティ4のさらに上方(z方向)に
は、キャビティ4内を最初に流れた湯を逃がすためのオ
ーバフロー部5が数カ所づつ設けられている。
【0025】この例では、キャビティ4の形状が上下、
左右共に非対称であるにも拘わらず、湯口1の中心軸に
対して反対方向に位置しながら同一方向を向いている
(たとえば一方のキャビティは湯口の中心軸側を向き、
他方のキャビティは湯口の中心軸と反対側を向いてい
る)ため、湯の流れ方向から見ると大きく対称性がずれ
ている。しかし、図1に示されるように、たとえば左側
のランナー2の上方へのコーナー部2aを右側の同じコ
ーナー部2bよりその半径を小さくし、左側ランナー2
のゲート3直前の直線部2cを右側の同様の直線部2d
より長くすることにより、左右両方のキャビティ4内に
均等に湯を流し込むことができる。たとえば、縦(長
手)方向の長さが8〜13cm程度のスティック型携帯
電話機用金型の場合、前述の左側ランナー2におけるコ
ーナー部2aのアールは1cm程度で、直線部分2cの
長さが2cm程度であるのに対して、右側ランナー2の
コーナー部2bのアールは2cm程度で、直線部分2d
の長さは0.3cm程度にすることにより、両方のキャ
ビティ4に非常に均一に湯を流し込むことができた。な
お、湯口1からゲート3に至るランナー2の全長および
断面積は両側共に同じに形成されている。
左右共に非対称であるにも拘わらず、湯口1の中心軸に
対して反対方向に位置しながら同一方向を向いている
(たとえば一方のキャビティは湯口の中心軸側を向き、
他方のキャビティは湯口の中心軸と反対側を向いてい
る)ため、湯の流れ方向から見ると大きく対称性がずれ
ている。しかし、図1に示されるように、たとえば左側
のランナー2の上方へのコーナー部2aを右側の同じコ
ーナー部2bよりその半径を小さくし、左側ランナー2
のゲート3直前の直線部2cを右側の同様の直線部2d
より長くすることにより、左右両方のキャビティ4内に
均等に湯を流し込むことができる。たとえば、縦(長
手)方向の長さが8〜13cm程度のスティック型携帯
電話機用金型の場合、前述の左側ランナー2におけるコ
ーナー部2aのアールは1cm程度で、直線部分2cの
長さが2cm程度であるのに対して、右側ランナー2の
コーナー部2bのアールは2cm程度で、直線部分2d
の長さは0.3cm程度にすることにより、両方のキャ
ビティ4に非常に均一に湯を流し込むことができた。な
お、湯口1からゲート3に至るランナー2の全長および
断面積は両側共に同じに形成されている。
【0026】このように、キャビティ(製品形状)4の
形状がゲート3に対して同一方向を向くように配置され
ることにより、製品に対してゲート3やオーバフロー5
部の固形物が全て同じ位置に付着するため、固形後にそ
のゲート3部やオーバフロー部5の不要な固形物を除去
する加工を、どのキャビティのものも同じ加工機を用
い、同じ作業で加工することができるため、非常に作業
が容易になる。さらに、2つのキャビティ4が共にラン
ナー2より上方になるように配置されることにより、樹
脂流れが均一化されやすいと共に、重力に反してキャビ
ティ4内に流れ込むため、キャビティ4内の気泡が抜け
やすく好ましい。
形状がゲート3に対して同一方向を向くように配置され
ることにより、製品に対してゲート3やオーバフロー5
部の固形物が全て同じ位置に付着するため、固形後にそ
のゲート3部やオーバフロー部5の不要な固形物を除去
する加工を、どのキャビティのものも同じ加工機を用
い、同じ作業で加工することができるため、非常に作業
が容易になる。さらに、2つのキャビティ4が共にラン
ナー2より上方になるように配置されることにより、樹
脂流れが均一化されやすいと共に、重力に反してキャビ
ティ4内に流れ込むため、キャビティ4内の気泡が抜け
やすく好ましい。
【0027】図1に示される形状は、実際の金型内で固
化したものを示す図であるが、実際の金型は、その部分
が空洞になっている。すなわち、この射出成形金型は、
たとえば図2および3にそれぞれ固定型11と移動型1
2の閉じた状態と開いた状態の一部断面にした側面図が
示されるように、固定型11に湯口1、ランナー2が形
成されると共に、移動型12との境界部にゲート3、キ
ャビティ4およびオーバフロー部5がそれぞれ形成され
ている。なお、キャビティ4は紙面と垂直方向に並んで
いるため1個しか現れていない。そして、ホッパ13か
ら金属ペレットがシリンダ14に供給され、シリンダ1
4内で加熱用ヒータ17により加熱され、半溶融状態に
された湯をノズル16を介して湯口1に供給し得るよう
な構造になっている。なお、18は射出機である。
化したものを示す図であるが、実際の金型は、その部分
が空洞になっている。すなわち、この射出成形金型は、
たとえば図2および3にそれぞれ固定型11と移動型1
2の閉じた状態と開いた状態の一部断面にした側面図が
示されるように、固定型11に湯口1、ランナー2が形
成されると共に、移動型12との境界部にゲート3、キ
ャビティ4およびオーバフロー部5がそれぞれ形成され
ている。なお、キャビティ4は紙面と垂直方向に並んで
いるため1個しか現れていない。そして、ホッパ13か
ら金属ペレットがシリンダ14に供給され、シリンダ1
4内で加熱用ヒータ17により加熱され、半溶融状態に
された湯をノズル16を介して湯口1に供給し得るよう
な構造になっている。なお、18は射出機である。
【0028】この金型を用いて、実際にスティック型携
帯電話機の筐体を製造するには、つぎのように行う。ま
ず、ホッパ13に、たとえばAlやZnなどを固溶させ
たマグネシウム合金などの金属ペレット(直径1〜8m
m程度)を供給し、シリンダ14内に送る。シリンダ1
4内では、ヒータ17による600℃程度の加熱と、ス
クリューによるせん断力により半溶融化(チクソトロピ
ー状態)する。
帯電話機の筐体を製造するには、つぎのように行う。ま
ず、ホッパ13に、たとえばAlやZnなどを固溶させ
たマグネシウム合金などの金属ペレット(直径1〜8m
m程度)を供給し、シリンダ14内に送る。シリンダ1
4内では、ヒータ17による600℃程度の加熱と、ス
クリューによるせん断力により半溶融化(チクソトロピ
ー状態)する。
【0029】金型のオーバフロー部5側から図示しない
排気装置により真空引きし、前述の半溶融化した金属
(湯)をノズル16および湯口1を介して、キャビティ
4内に射出して、キャビティ4内に完全に半溶融化した
金属(湯)を充填する。充填された湯は、最初のキャビ
ティ4外周を回った湯が気泡と共にオーバフロー部5に
排出され、冷却されて固化し、順次キャビティ4内に湯
が満たされて固化する。このキャビティ4内への湯の充
填は、射出してから0.5秒程度で完了する。
排気装置により真空引きし、前述の半溶融化した金属
(湯)をノズル16および湯口1を介して、キャビティ
4内に射出して、キャビティ4内に完全に半溶融化した
金属(湯)を充填する。充填された湯は、最初のキャビ
ティ4外周を回った湯が気泡と共にオーバフロー部5に
排出され、冷却されて固化し、順次キャビティ4内に湯
が満たされて固化する。このキャビティ4内への湯の充
填は、射出してから0.5秒程度で完了する。
【0030】固化した後、図3に示されるように、移動
型12を移動して金型を開け、キャビティ4、ランナー
2、湯口1およびオーバフロー部5などで固化した金属
の塊が一体物10として取り出される。その一体物10
を固定型に固定してオーバフロー部5やランナー2など
の不要な部分を製品との境界部にて、プレスによるトリ
ミング加工などにより切断除去し、きれいな製品形状に
加工する。その後、メッキなどの後工程に送られる。
型12を移動して金型を開け、キャビティ4、ランナー
2、湯口1およびオーバフロー部5などで固化した金属
の塊が一体物10として取り出される。その一体物10
を固定型に固定してオーバフロー部5やランナー2など
の不要な部分を製品との境界部にて、プレスによるトリ
ミング加工などにより切断除去し、きれいな製品形状に
加工する。その後、メッキなどの後工程に送られる。
【0031】本発明によれば、非対称な薄肉の製品をチ
クソモールディング法またはダイカスト法で整形する場
合でも、そのランナーに湯流れを制御する手段が設けら
れているため、複数個のキャビティに均一に湯を流し込
むことができ、湯ジワや引けなどが生じないで、複数個
の成形品を同時に美しく成形することができる。しか
も、金属成形品では、オーバフロー部を設ける必要があ
り、固化後にその除去加工を施さなければならないが、
複数個のキャビティが形成されていても、製品形状がゲ
ートに対して一定方向になるように配置されているた
め、オーバフロー部などの位置は常に製品に対して一定
の位置になり、除去加工が非常に容易になる。
クソモールディング法またはダイカスト法で整形する場
合でも、そのランナーに湯流れを制御する手段が設けら
れているため、複数個のキャビティに均一に湯を流し込
むことができ、湯ジワや引けなどが生じないで、複数個
の成形品を同時に美しく成形することができる。しか
も、金属成形品では、オーバフロー部を設ける必要があ
り、固化後にその除去加工を施さなければならないが、
複数個のキャビティが形成されていても、製品形状がゲ
ートに対して一定方向になるように配置されているた
め、オーバフロー部などの位置は常に製品に対して一定
の位置になり、除去加工が非常に容易になる。
【0032】前述の例では、2個のキャビティ4(図4
の4a、4b)が湯口からランナーにかけての平面より
上方になるように設けられていたが、図4に示されるよ
うに、さらに下方側に2個キャビティ4c、4dを形成
することもできる。この場合、湯口1からランナー2に
かけての平面(図4のA−A面;xy面)より上部(z
軸の正方向)と下部(z軸の負方向)とで、重力の関係
で湯流れの状態が若干異なりランナー2の形状などによ
り調整することが好ましい。しかし、製品形状が比較的
小さく、簡単な形状であれば余り問題はない。なお、図
1と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略す
る。この観点からは、A−A平面より上部の1個と下部
の1個の2個(4aと4cまたは4bと4d)で金型を
形成することもできる。
の4a、4b)が湯口からランナーにかけての平面より
上方になるように設けられていたが、図4に示されるよ
うに、さらに下方側に2個キャビティ4c、4dを形成
することもできる。この場合、湯口1からランナー2に
かけての平面(図4のA−A面;xy面)より上部(z
軸の正方向)と下部(z軸の負方向)とで、重力の関係
で湯流れの状態が若干異なりランナー2の形状などによ
り調整することが好ましい。しかし、製品形状が比較的
小さく、簡単な形状であれば余り問題はない。なお、図
1と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略す
る。この観点からは、A−A平面より上部の1個と下部
の1個の2個(4aと4cまたは4bと4d)で金型を
形成することもできる。
【0033】さらに、湯口1の直径で分割される平面
(A−A面)より一方側の空間に2個より多く設けるこ
ともできる。いずれにしても、各キャビティはゲート3
に対して同一方向になるように配置されると共に、湯口
1の直径で分割される平面の一方側に設けられるキャビ
ティの形状は、その空間内で同一方向を向くように形成
されればよい。
(A−A面)より一方側の空間に2個より多く設けるこ
ともできる。いずれにしても、各キャビティはゲート3
に対して同一方向になるように配置されると共に、湯口
1の直径で分割される平面の一方側に設けられるキャビ
ティの形状は、その空間内で同一方向を向くように形成
されればよい。
【0034】前述の例は、チクソモールディング法であ
ったが、ダイカスト法でも同様の金型形状にすることに
より、複数個の成形品を一度に成形することができる。
ったが、ダイカスト法でも同様の金型形状にすることに
より、複数個の成形品を一度に成形することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、形状が複雑で非対称な
金属薄肉成形体を複数個同時に成形し、しかもその成形
体に付着するオーバフロー部やゲート部が常に製品の同
じ部分に付着するため、その除去作用も非常に容易に行
うことができる。その結果、携帯電話機のような大量生
産品をローコストで製造することができる。
金属薄肉成形体を複数個同時に成形し、しかもその成形
体に付着するオーバフロー部やゲート部が常に製品の同
じ部分に付着するため、その除去作用も非常に容易に行
うことができる。その結果、携帯電話機のような大量生
産品をローコストで製造することができる。
【図1】本発明の金型の一実施形態による固形物を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図2】本発明による金型を閉じた状態を示す図であ
る。
る。
【図3】本発明による金型を開いた状態を示す図であ
る。
る。
【図4】本発明の金型の他の実施形態による固形物を示
す平面図である。
す平面図である。
【図5】金属薄肉成形体の一例であるスティック型携帯
電話機の平面説明図である。
電話機の平面説明図である。
【図6】図5の製品1個を金属成形により形成する場合
のランナーやキャビティなどの構成例を示す平面説明図
である。
のランナーやキャビティなどの構成例を示す平面説明図
である。
【図7】従来の樹脂成形により図5の製品2個を金型成
形する際のキャビティの構成例を示す図である。
形する際のキャビティの構成例を示す図である。
1 湯口 2 ランナー 3 ゲート 4 キャビティ 5 オーバフロー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 17/00 B22D 17/00 Z 17/22 17/22 B 31/00 31/00 A (72)発明者 森山 英樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤原 光哲 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4E093 NA01 NB01 NB10 PA03 TA10
Claims (7)
- 【請求項1】 溶融状態または半溶融状態の金属を供給
する断面が円形の湯口と、該湯口から前記溶融状態また
は半溶融状態の金属を誘導するランナーと、該ランナー
にゲートを介して設けられる薄膜の製品形状を形どった
キャビティと、前記キャビティの前記ゲートと反対側に
設けられるオーバーフロー部とを有し、前記製品形状が
上下および左右それぞれに非対称であり、該製品形状を
形どったキャビティが、前記ゲートに対して同一方向を
向くように少なくとも2個形成されてなる金属薄膜成形
体用金型。 - 【請求項2】 前記少なくとも2個のキャビティのそれ
ぞれに、溶融状態または半溶融状態の金属がそれぞれ均
等に充填されるように、該少なくとも2個のキャビティ
に通じるランナーに前記溶融状態または半溶融状態の金
属の流れを制御する手段が形成されてなる請求項1項記
載の金型。 - 【請求項3】 前記金属の流れを制御する手段が、前記
少なくとも2個のキャビティに通じるランナーを非対称
に形成することによりなされてなる請求項2記載の金
型。 - 【請求項4】 前記ランナーの非対称が、前記キャビテ
ィの一方に通じるランナーのゲートに至る直前での直線
部分が、他方のキャビティに通じるランナーより長く形
成され、かつ、湯口からゲートに至るランナーの全長は
同じ長さに形成されてなる請求項3記載の金型。 - 【請求項5】 前記キャビティが前記湯口の直径で分割
される平面の一方側の空間に少なくとも2個形成され、
かつ、該少なくとも2個のキャビティが前記空間内で同
一方向を向くように配列されてなる請求項1ないし4の
いずれか1項記載の金型。 - 【請求項6】 前記ゲートおよびオーバーフロー部が前
記キャビティを介して鉛直方向に位置し、かつ、前記オ
ーバフロー部が上方に位置するように前記キャビティが
形成されてなる請求項1ないし5のいずれか1項記載の
金型。 - 【請求項7】 上下および左右に非対称な形状の薄肉製
品を溶融状態または半溶融状態の金属を金型内に流し込
むことにより成形する金属薄肉成形体の製法であって、
前記薄肉製品の形状を形どったキャビティをゲートに対
して同じ方向を向くように複数個形成すると共に、該キ
ャビティのそれぞれに溶融状態または半溶融状態の金属
を同じ条件で導くようにランナーを形成した金型を用
い、溶融状態または半溶融状態の金属を前記複数個のキ
ャビティ内に同時に流し込んで固化させた後、前記キャ
ビティ内の成形物を順次同一形状の固定台に固定し、該
成形物に付着するゲートおよびオーバフロー部の固形物
を除去加工することにより薄肉製品を製造する金属薄肉
成形体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000358244A JP2002160041A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 金属薄肉成形体用金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000358244A JP2002160041A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 金属薄肉成形体用金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002160041A true JP2002160041A (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18830183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000358244A Pending JP2002160041A (ja) | 2000-11-24 | 2000-11-24 | 金属薄肉成形体用金型およびそれを用いた金属薄肉成形体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002160041A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-11-24 JP JP2000358244A patent/JP2002160041A/ja active Pending
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