JP2002159841A - 環境有害物質の無害化処理方法および無害化処理容器 - Google Patents

環境有害物質の無害化処理方法および無害化処理容器

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JP2002159841A
JP2002159841A JP2000359550A JP2000359550A JP2002159841A JP 2002159841 A JP2002159841 A JP 2002159841A JP 2000359550 A JP2000359550 A JP 2000359550A JP 2000359550 A JP2000359550 A JP 2000359550A JP 2002159841 A JP2002159841 A JP 2002159841A
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Mamoru Nakamura
守 中村
Makoto Nakamura
誠 中村
Toshio Kakegawa
寿夫 掛川
Yoshihiro Suenaga
慶寛 末永
Ryuichiro Ebara
隆一郎 江原
Wataru Shiraki
渡 白木
Kazutoshi Kunishige
和俊 国重
Yoshifumi Suzaki
嘉文 須崎
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NAKA ENGINEERING KK
Kagawa University NUC
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NAKA ENGINEERING KK
Kagawa University NUC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大掛かりな設備を要せず、未分解の有害有機化
合物が外部環境へ拡散せず、ダイオキシン等猛毒物質を
発生させない環境有害物質の無害化技術を提供する。 【解決手段】環境有害物質を金属製の小型容器10に収
容し、小型容器10を密閉し、密閉された小型容器10
内の環境有害物質に対し、生物学的処理、化学的処理、
加熱処理のうち一または任意の組合せで無害化処理を行
い、無害化処理の終えた小型容器10を密閉状態のまま
で長期保存する。無害化処理を行うに際して、環境有害
物質を金属製の小型容器10に収容し密閉するので、分
解性微生物が繁殖しやすい環境や化学的処理をしやすい
環境、高温で加熱処理しやすい環境を人工的に作り出す
ことができる。このため無害化処理が効率よく容易に行
える。また、密閉したままで保存すると、無害化処理後
の残存物が外部に拡散しないので、環境保全上有益であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境有害物質の無
害化処理方法および無害化処理容器に関する。さらに詳
しくは、環境に有害な化学物質や危険な廃棄物について
無害化処理する技術に関する。とくに対象とする環境有
害物質は、環境中で難分解性であり生物に蓄積しやすく
慢性毒性を持つPCB・トリクロロエチレン・ダイオキ
シン等の環境に有害な有機化学物質を含んでいるもので
ある。これらPCBやトリクロロエチレン等の有機塩素
化合物は、トランス・コンデンサ等や化学工場、食品工
場の加熱・冷却工程の熱媒体、電線や樹脂等の可塑材、
塗料やノーカーボン紙の溶剤など幅広い用途で使用され
てきた。また、ダイオキシンは、上記の有機塩素化合物
の焼却処理の際に生成される猛毒の有機塩素化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられてきたPCBやトリク
ロロエチレンなどの有機性塩素化合物の処理は、高温で
焼却しなければ完全に分解しないため、高温焼却処理法
によっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この高温焼
却処理法は、大掛かりな有害廃棄物専門の高温焼却炉と
冷却装置が必要であり、多大な設備コストがかかるもの
であった。また、不完全な焼却は、残存した環境有害有
機化合物の外部環境への拡散を招くばかりでなく、ダイ
オキシン等のさらに猛毒な有害物質の生成をもたらして
いる。したがって、燃焼処理にあたっては、ダイオキシ
ン等が生成されていないかどうか、外部環境に拡散して
いないかどうかのモニタリングを処理期間中継続して行
う必要もある。また、それらの有害物質の抜き取り・保
管工程は複雑であり、分解・洗浄・抜き取り・抽出・廃
液などの工程を要する。そして、これらの工程において
事故が発生した場合は、地下水汚染や大気汚染などを招
き、さらに労働安全健康面などにおける問題がある。
【0004】本発明は上記事情に鑑み、大掛かりな設備
を要せず、未分解の有害有機化合物が外部環境へ拡散せ
ず、ダイオキシン等猛毒物質を発生させないようにする
環境有害物質の無害化処理方法および無害化処理容器を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の環境有害物質
の無害化処理方法は、有害廃棄物を金属製の小型容器に
収容し、該小型容器を密閉し、密閉された前記小型容器
内の有害廃棄物に対し、生物学的処理、化学的処理、加
熱処理のうちの一または任意の組合せで無害化処理を行
い、無害化処理の終えた前記小型容器を密閉状態のまま
で長期保存することを特徴とする。請求項2の環境有害
物質の無害化処理方法は、有害廃棄物を金属製の小型容
器に収容し、該小型容器を密閉し、密閉された前記小型
容器内の有害廃棄物に対し、生物学的処理、化学的処
理、加熱処理のうちの一または任意の組合せで無害化処
理を行い、無害化処理の終えた前記小型容器を、金属製
の大型貯蔵容器に収納して長期保存することを特徴とす
る。請求項3の環境有害物質の無害化処理方法は、請求
項1または2記載の発明において、前記無害化処理が、
有害廃棄物が収容された前記小型容器内に分解性微生物
を投入し、該小型容器を密閉し、空気のみ供給する状態
で、所定期間放置する生物学的処理で行われることを特
徴とする。請求項4の環境有害物質の無害化処理方法
は、請求項1または2記載の発明において、前記無害化
処理が、有害廃棄物が収容された前記小型容器内に反応
物質を投入し、該小型容器を密閉し、ガス抜き孔を設け
た状態で、前記小型容器を加熱して脱塩素反応させる化
学的処理で行われることを特徴とする。請求項5の環境
有害物質の無害化処理方法は、請求項1または2記載の
発明において、前記無害化処理が、有害廃棄物が収容さ
れた小型容器を密閉し、かつ前記小型容器内を無酸素状
態または低酸素状態にして加熱する加熱処理で行われる
ことを特徴とする。請求項6の環境有害物質の無害化処
理方法は、請求項1または2記載の発明において、前記
無害化処理が、請求項5記載の加熱処理をした後、請求
項3記載の生物学的処理をすることを特徴とする。請求
項7の環境有害物質の無害化処理方法は、請求項1また
は2記載の発明において、前記無害化処理が、請求項5
記載の加熱処理をした後、請求項4記載の化学的処理を
することを特徴とする。請求項8の環境有害物質の無害
化処理方法は、請求項1または2記載の発明において、
前記無害化処理が、請求項3記載の生物学的処理をした
後、請求項4記載の化学的処理をすることを特徴とす
る。請求項9の無害化処理容器は、請求項1または2記
載の環境有害物質の無害化処理方法に用いられる小型容
器が、チタン、チタン合金、ステンレス合金またはステ
ンレス鋼製の密閉可能な容器であることを特徴とする。
請求項10の無害化処理容器は、請求項2記載の環境有
害物質の無害化処理方法に用いられる大型貯蔵容器が、
チタン、チタン合金、ステンレス合金またはステンレス
鋼製の、密閉可能な容器であることを特徴とする。
【0006】請求項1の発明によれば、無害化処理を行
うに際して、環境有害物質を金属製の小型容器に収容し
密閉するので、分解性微生物が繁殖しやすい環境や化学
的処理をしやすい環境、高温で加熱処理しやすい環境を
人工的に作り出すことができる。このため無害化処理が
効率よく容易に行える。また、無害化処理は処理対象と
なる有害物の性質に合わせて、生物学的処理、化学的処
理および加熱処理のうちの一を選択したり、任意の組合
せをして最適な処理方法を、選択できるので、どのよう
な環境有害物質も安全に無害化できる。さらに、密閉し
たままで保存すると、無害化処理後の残存物が外部に拡
散しないので、環境保全上有益である。請求項2の発明
によれば、大型貯蔵容器内に無害化処理済みの小型容器
を密閉状態のままで収容するので、処理済みの廃棄物が
二重に密閉される。このため、請求項1の発明の効果を
全て奏すると共に、より安全に、より長期にわたって、
環境有害物質の拡散を防止でき、大型貯蔵容器の設置場
所さえ確保すればよいので、大掛かりな設備は不要とな
る。請求項3の発明によれば、環境有害物質を小型容器
内に密閉するので、生物学的処理をするのに最適な環境
を作れる。そして、小型容器を密閉し、空気のみ供給す
る状態にすると、分解性微生物が活発に活動できる環境
となるので、生物学的処理により効率よく無害化処理が
行える。この処理方法は、PCB汚染土壌などに適して
いる。請求項4の発明によれば、環境有害物質を小型容
器内に密閉するので,化学的処理をするのに最適な環境
を作れる。そして、小型容器内に反応物質を投入し、密
閉して、ガス抜き孔のみ設けた状態で加熱すると、化学
的処理により効率よく無害化処理が行える。この処理方
法はPCB汚染部分を有するトランスやコンデンサーな
どに適している。請求項5の発明によれば、環境有害物
質を小型容器内に密閉するので,加熱処理をするのに最
適な環境を作れる。そして、小型容器を密閉した上で減
圧すると無酸素状態または低酸素状態にできるので、そ
の状態で加熱するとPCBを分解することができる。ま
た、無酸素状態または低酸素状態ではPCBは酸化しな
いので、ダイオキシン類の発生を防止できる。この処理
方法は、焼却可能なPCB入り廃感圧紙などに適してい
る。請求項6の発明によれば、加熱処理によってもPC
Bが残存している場合は、続いて行われる生物学的処理
によって残存PCBを完全に分解させることができる。
請求項7の発明によれば、加熱処理によってもPCBが
残存している場合は、続いて行われる化学的処理によっ
て残存PCBの脱塩素が行える。請求項8の発明によれ
ば、生物学的処理によってもPCBが残存している場合
は、続いて行われる化学的処理によって残存PCBの脱
塩素が行える。請求項9の発明によれば、小型容器がチ
タン、チタン合金、ステンレス合金またはステンレス鋼
製であるので、強度があり、耐食性、耐酸化性、耐腐食
性および耐熱性に優れているので、生物学的処理と化学
的処理と加熱処理のいずれにも使用でき、処理済みの廃
棄物を密閉状態で保存でき、外部への拡散を防止しなが
ら長期保存することができる。請求項10の発明によれ
ば、大型貯蔵容器がチタン、チタン合金、ステンレス合
金またはステンレス鋼製であるので、強度があり、耐食
性、耐酸化性、耐腐食性および耐熱性に優れているの
で、長期にわたる処理済み小型容器の密閉保存を確実に
行える。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の無害化処理方法を示
すフローチャート、図2の(a) 図は本発明で用いられる
小型容器の斜視図、(b) 図は本発明で用いられる大型貯
蔵容器の斜視図、図3は実施例1の無害化処理方法の説
明図、図4は実施例2の無害化処理方法の説明図、図5
は実施例3の無害化処理方法の説明図、図6は実施例4
の無害化処理方法の説明図、図7は実施例5の無害化処
理方法の説明図、図8は実施例6の無害化処理方法の説
明図、図9は大型貯蔵容器の使用例を示す説明図であ
る。
【0008】図1に基づき、本発明の無害化処理方法を
説明する。まず、環境有害物質を金属製、とくにチタ
ン、チタン合金、ステンレス合金またはステンレス鋼製
の小型容器に収容する(101)。そして、小型容器を密閉
する(102)。ただし、ここでいう密閉とは完全密閉では
なく、後述する無害化処理において必要なノズルを取付
け、空気を供給したり、ガス抜きすることは許容するも
のである。このように、密閉するのは、処理したい環境
有害物質を含んだ産業廃棄物や土壌等を、外部環境に拡
散することなく処理するためであり、そうするために
は、有害有機物質を含んだ産業廃棄物や土壌等を封じこ
める必要があるからである。
【0009】ついで、無害化処理を行う(103) 。この無
害化処理は、バクテリア等の分解微生物、あるいはタン
パク質等を用いた生物学的処理、金属ナトリウムや水酸
化ナトリウム・水酸化カリウム等の反応物質を用いた化
学的処理、金属容量内部を無酸素状態または低酸素状態
にして行う加熱処理などであり、処理対象物質の性質に
応じてそれらの一を選択し、あるいは組み合わせて用い
られる。例えば金属製小型容器内に密閉する前後に環境
有害物質を分解できる微生物を用いた生物学的処理、お
よび金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の反応物質を用いた化学的処理を行うことにより、
密閉された小型容器内で環境有害化合物を分解すること
ができる。上記の生物学的処理や化学的処理において
は、処理する環境の整備・調節が重要であるが、金属製
の密閉可能な小型容器を用いることにより、分解性微生
物が繁殖しやすい環境や化学的処理しやすい環境を人工
的にかつ容易に作成することができる。
【0010】また、環境有害物質を含む産業廃棄物や土
壌等を金属製の小型容器に密閉する際に、小型容器内の
酸素を吸引除去した後に密閉し、無酸素状態または低酸
素状態のまま高温で加熱処理することができる。この方
法により、有機塩素化合物の燃焼処理による酸化により
生じるダイオキシン類を発生させることなく、有機塩素
化合物を加熱分解することが可能になる。また、この方
法により,加熱処理時での外部環境への環境有害物質の
拡散を抑制することができる。
【0011】上記のようにして無害化処理を終えると、
その小型容器を密閉したままで、保存してもよく(104)
、さらにその小型容器は場合によって、大型貯蔵容器
に二重に保管することにより、環境有害有機化学物質の
外界への拡散を防ぐことができる(105)。
【0012】つぎに、図2に基づき本発明の処理方法に
用いる無害化処理容器を説明する。金属製の小型容器1
0、大型貯蔵容器20とも素材はチタン、チタン合金、
ステンレス鋼、ステンレス合金等の金属であり、強度、
耐食性、耐酸化性、耐腐食性、耐熱性に優れた特長を持
っている。
【0013】前記小型容器10は、図には箱状に形成さ
れた有底筒状の容器のみ示されているが、これに限ら
ず、有底筒状、円錐状容器、球状容器、紡錐状容器など
様々な形状の容器を用いることができる。箱状や筒状の
容器は、容器本体と蓋とに分けておいて、両者を溶接す
ることにより密閉容器にできる。円錐状容器や球状容
器、紡錐状容器は容器本体を二つに分け、両者を溶接す
ることにより密閉容器にできる。本発明の各種無害化処
理において、いずれの形状の容器も使用可能であるが、
加熱する場合は、均等に内部まで伝熱できる形状の容器
を使うのが好ましい。前記小型容器10のサイズは任意
に数種を用意してよいが、図示の例はスモールサイズ10
A とミディアムサイズ10B である。図示の箱形容器の場
合、使用前は、天板のみ除いた有底筒状に仕上げてお
き、使用時に密閉する際に天板11を溶接付けするよう
にすればよい。なお、後述するノズル等は天板11に取
り付ければよい。この小型容器10は、人力や運搬機で
の運搬が可能であり、内容物がある場合には、パレット
を用いるリフトを使用して移動させればよい。
【0014】前記大型貯蔵容器20は難分解性有機物質
あるいは処理済みの物質が収容された小型容器10を収
容するための二重密閉構造を作り出す容器である。従来
の隔離的貯蔵庫建設の設備投資を軽減するもので、生物
学的処理、化学的処理、加熱処理実施までの一時期間の
保管貯蔵庫として用いたり、各処理後の長期間の保管貯
蔵庫として用いられる。この大型貯蔵容器20はどの場
合においても、天井クレーンやリフトで吊り上げて移動
すればよい。この大型貯蔵容器20は、チタン、チタン
合金、ステンレス鋼、ステンレススチール等の金属製で
あるため、有害性を持たず、耐久性もあることから、地
上・地中保管が可能である。但し、炎天下における蓄熱
に関しては建屋を必要とする。また、側面の外観美観処
理も容易である。
【0015】
【実施例】つぎに、本発明の処理方法の実施例を説明す
る。 実施例1 図3に示すように、ステンレス鋼、ステンレス合金、チ
タンあるいはチタン合金で作成したスモールサイズの小
型容器10A に、PCB汚染土壌を入れた後、適当な緩衝
液でpH7に調整した5%肉エキス、10%大豆粉、5
%ペプトン、0.6 %塩化ナトリウム、10%ブドウ糖含
有培地を5倍量加えて混和した後、別にビフェニル含有
培地内で培養しておいたPseudomonas pseudoalcaligene
s やPseudomonasu putida 等のPCB分解性バクテリア
を適量加え、天板11を溶接して小型容器10A を密閉す
る。小型容器10A には、ステンレス鋼、ステンレス合
金、チタンあるいはチタン合金で作成したノズル12を
取り付け、常に空気が供給される状態にした後、数日か
ら数ヶ月間常温で放置する。これにより、土壌中のPC
BをPCB分解性バクテリアの働きにより分解させるこ
とができる。この場合、小型容器10A の素材としてステ
ンレス鋼、ステンレス合金、チタンあるいはチタン合金
のいずれも利用できるが、ステンレス鋼を用いた方が安
価である。
【0016】実施例2 図4に示すように、ステンレス鋼、ステンレス合金、チ
タンあるいはチタン合金で作成したミディアムサイズの
小型容器10B 内に、PCB汚染部分をむきだしにした状
態のトランスやコンデンサー等を入れた後、ナトリウム
などの反応物質を加える。ついで、天板11を溶接して
小型容器10B を密閉する。小型容器10Bには、ガス抜き
のための弁を装着したノズル12を取り付ける。小型容
器10B 内を170 ℃に加熱し、数時間反応させることによ
り、トランスやコンデンサーからPCBを取り出すこと
なくPCBの脱塩素ができる。この場合、小型容器10B
の素材としてステンレス鋼、ステンレス合金、チタン、
チタン合金のいずれも利用できるが、ステンレス合金を
用いた方が安価である。
【0017】実施例3 図5に示すように、ステンレス鋼、ステンレス合金、チ
タンあるいはチタン合金で作成した小型容器10A 内に、
廃PCBやPCB入り廃感圧紙を入れた後、天板11を
溶接して小型容器10A を密閉する。小型容器10A には、
減圧メーターを装着したステンレス鋼、ステンレス合
金、チタンあるいはチタン合金で作成したノズル12を
取り付け、真空ポンプを用いて容器内部を減圧し低酸素
状態を作成する。小型容器10A 内部の減圧状態をモニタ
ーしながら小型容器表面を800 〜1400℃に加熱し、無酸
素状態または低酸素状態で数時間から数十時間加熱する
と、PCBを分解することができる。通常、ダイオキシ
ン類は、焼却処理の際、PCB等が分解および酸化され
ることにより生成するが、本発明の加熱処理は無酸素状
態または低酸素状態で行うので、加熱分解反応における
ダイオキシン類の発生を防ぐことができる。800 〜1200
℃の加熱処理には、ステンレス鋼、ステンレス合金、チ
タンあるいはチタン合金のいずれも使用することができ
るが、1200〜1400℃の加熱処理にはチタン合金が最も耐
久性があるので適している。
【0018】実施例4 図6に示すように、実施例3での加熱処理後になお、P
CBが残存している場合は、ノズル12から空気を入
れ、さらに適当な緩衝液でpH7に調整した5%肉エキ
ス、10%大豆粉、5%ペプトン、0.6 %塩化ナトリウ
ム、10%ブドウ糖含有培地を適量加えて混和した後、
別にビフェニル含有培地内で培養しておいたPseudomona
s pseudoalcaligenes やPseudomonasu putida 等のPC
B分解性バクテリアを適量加える。そして、ノズル12
から常に空気が供給されるような状態にした後、数日か
ら数ヶ月間室温で放置すると生物学的処理により、残存
したPCBを完全に分解することができる。
【0019】実施例5 図7に示すように、実施例3での加熱処理後、PCBが
残存している場合、ノズルからナトリウム等の反応物質
を加えた後、金属容器内を170 ℃に加熱し、数時間反応
させると化学的処理により、残存PCBの脱塩素ができ
る。
【0020】実施例6 図8に示すように、実施例1でのPCB分解性バクテリ
アを用いた生物学的処理をした後、なお、PCBが残存
している場合は、120 ℃程度の加温等により水を蒸発さ
せた後、適量の水酸化ナトリウムを加え容器内の土壌を
200 ℃で数時間から数十時間加熱する化学的処理によ
り、残存PCBの脱塩素ができる。
【0021】実施例7 前記各実施例1〜6で無害化処理された小型容器を図9
に示すように大型貯蔵容器20内に収容して長期保存す
るようにしてもよい。この場合、有害物質が空気や地下
水を通じて外部に拡散することを完全に防ぐことができ
る。また、大型貯蔵容器20に充分な強度を持たせてお
けば、地下へ埋設することも可能であり、土盛りして公
園にする等の処置もとることができる。
【0022】つぎに、他の実施例を説明する。前記実施
例1〜7では、小型容器として箱形の容器を用いたが、
この代わりに円筒状や円錐状、球状、紡錐状の容器、さ
らにこれ以外の形状の容器を用いてもよいものである。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、無害化処理が
効率よく容易に行え、どのような環境有害物質を含む廃
棄物も安全に無害化できる。さらに、無害化処理後の残
存物が外部に拡散しないので、環境保全上有益である。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果を全て
奏すると共に、より安全に、より長期にわたって、環境
有害物質の拡散を防止でき、大型貯蔵容器の設置場所さ
え確保すればよいので、大掛かりな設備は不要となる。
請求項3の発明によれば、環境有害物質を生物学的処理
により効率よく無害化処理が行える。この処理方法は、
PCB汚染土壌などに適している。請求項4の発明によ
れば、環境有害物質を化学的処理により効率よく無害化
処理が行える。この処理方法はPCB汚染部分を有する
トランスやコンデンサーなどに適している。請求項5の
発明によれば、環境有害物質のPCBを加熱処理により
分解することができ、ダイオキシン類の発生を防止でき
る。この処理方法は、焼却可能なPCB入り廃感圧紙な
どに適している。請求項6の発明によれば、加熱処理に
よってもPCBが残存している場合は、続いて行われる
生物学的処理によって残存PCBを完全に分解させるこ
とができる。請求項7の発明によれば、加熱処理によっ
てもPCBが残存している場合は、続いて行われる化学
的処理によって残存PCBの脱塩素が行える。請求項8
の発明によれば、生物学的処理によってもPCBが残存
している場合は、続いて行われる化学的処理によって残
存PCBの脱塩素が行える。請求項9の発明によれば、
小型容器が強度があり、耐食性や無毒性に優れているの
で、生物学的処理と化学的処理と加熱処理のいずれにも
使用でき、処理済みの廃棄物を密閉状態で保存でき、外
部への拡散を防止しながら長期保存することができる。
請求項10の発明によれば、大型貯蔵容器が強度があ
り、耐食性や無毒性に優れているので、長期にわたる処
理済み小型容器の密閉保存を確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を示すフローチャートであ
る。
【図2】(a)図は本発明で用いられる小型容器の斜視
図、(b)図は本発明で用いられる大型貯蔵容器の斜視図
である。
【図3】実施例1の処理方法の説明図である。
【図4】実施例2の処理方法の説明図である。
【図5】実施例3の処理方法の説明図である。
【図6】実施例4の処理方法の説明図である。
【図7】実施例5の処理方法の説明図である。
【図8】実施例6の処理方法の説明図である。
【図9】大型貯蔵容器の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 小型容器 20 大型貯蔵容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 37/06 C07C 25/18 4H006 C07C 25/18 C12N 1/00 R C12N 1/00 C12M 1/00 H // C12M 1/00 (C12N 1/00 R (C12N 1/00 C12R 1:40) C12R 1:40) (C12N 1/00 R (C12N 1/00 C12R 1:38) C12R 1:38) (C12M 1/00 H (C12M 1/00 C12R 1:40) C12R 1:40) (C12M 1/00 H (C12M 1/00 C12R 1:38) C12R 1:38) B09B 5/00 L (72)発明者 中村 誠 香川県高松市池田町1575番地1 株式会社 ナカエンジニアリング内 (72)発明者 掛川 寿夫 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 末永 慶寛 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 江原 隆一郎 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 白木 渡 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 国重 和俊 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 (72)発明者 須崎 嘉文 香川県高松市林町2217番地20 香川大学工 学部内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BC01 BD11 BD20 4B029 AA03 BB02 CC02 CC07 EA07 EA20 4B065 AA41X AA44X AC20 BB04 BC06 CA56 4D004 AA41 AB06 CA19 CA35 CC02 CC07 CC15 DA03 DA10 4G075 AA13 AA37 AA62 AA63 BA05 BD15 BD16 CA57 CA63 FB02 FC09 FC10 4H006 AA05 AC13 AC26 BC10 EA22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有害廃棄物を金属製の小型容器に収容し、
    該小型容器を密閉し、密閉された前記小型容器内の有害
    廃棄物に対し、生物学的処理、化学的処理、加熱処理の
    うちの一または任意の組合せで無害化処理を行い、無害
    化処理の終えた前記小型容器を密閉状態のままで長期保
    存することを特徴とする環境有害物質の無害化処理方
    法。
  2. 【請求項2】有害廃棄物を金属製の小型容器に収容し、
    該小型容器を密閉し、密閉された前記小型容器内の有害
    廃棄物に対し、生物学的処理、化学的処理、加熱処理の
    うちの一または任意の組合せで無害化処理を行い、無害
    化処理の終えた前記小型容器を、金属製の大型貯蔵容器
    に収納して長期保存することを特徴とする環境有害物質
    の無害化処理方法。
  3. 【請求項3】前記無害化処理が、有害廃棄物が収容され
    た前記小型容器内に分解性微生物を投入し、該小型容器
    を密閉し、空気のみ供給する状態で、所定期間放置する
    生物学的処理で行われることを特徴とする請求項1また
    は2記載の環境有害物質の無害化処理方法。
  4. 【請求項4】前記無害化処理が、有害廃棄物が収容され
    た前記小型容器内に反応物質を投入し、該小型容器を密
    閉し、ガス抜き孔を設けた状態で、前記小型容器を加熱
    して脱塩素反応させる化学的処理で行われることを特徴
    とする請求項1または2記載の環境有害物質の無害化処
    理方法。
  5. 【請求項5】前記無害化処理が、有害廃棄物が収容され
    た小型容器を密閉し、かつ前記小型容器内を無酸素状態
    または低酸素状態にして加熱する加熱処理で行われるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の環境有害物質の
    無害化処理方法。
  6. 【請求項6】前記無害化処理が、請求項5記載の加熱処
    理をした後、請求項3記載の生物学的処理をすることを
    特徴とする請求項1または2記載の環境有害物質の無害
    化処理方法。
  7. 【請求項7】前記無害化処理が、請求項5記載の加熱処
    理をした後、請求項4記載の化学的処理をすることを特
    徴とする請求項1または2記載の環境有害物質の無害化
    処理方法。
  8. 【請求項8】前記無害化処理が、請求項3記載の生物学
    的処理をした後、請求項4記載の化学的処理をすること
    を特徴とする請求項1または2記載の環境有害物質の無
    害化処理方法。
  9. 【請求項9】請求項1または2記載の環境有害物質の無
    害化処理方法に用いられる小型容器が、チタン、チタン
    合金、ステンレス合金またはステンレス鋼製の密閉可能
    な容器であることを特徴とする無害化処理容器。
  10. 【請求項10】請求項2記載の環境有害物質の無害化処
    理方法に用いられる大型貯蔵容器が、チタン、チタン合
    金、ステンレス合金またはステンレス鋼製の、密閉可能
    な容器であることを特徴とする無害化処理容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512859A (ja) * 2008-03-11 2011-04-28 イマジェネ 生物材料のなかでも特にdnaを収容および保存するための容器

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