JP2002157787A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2002157787A
JP2002157787A JP2000347907A JP2000347907A JP2002157787A JP 2002157787 A JP2002157787 A JP 2002157787A JP 2000347907 A JP2000347907 A JP 2000347907A JP 2000347907 A JP2000347907 A JP 2000347907A JP 2002157787 A JP2002157787 A JP 2002157787A
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JP2000347907A
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English (en)
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Kazutoshi Katayama
和俊 片山
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度記録が可能であり、記録感度及び記録特
性(ジッタ)の良好な光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】プレグルーブが形成された透明基板上に、
有機色素を含有しレーザ光により情報の記録が可能な色
素記録層を形成した光情報記録媒体において、プレグル
ーブのトラックピッチを1200nm以下とすると共
に、溝深さを180〜350nmとし、色素記録層の厚
さを30〜150nmとすると共に、記録レーザ波長で
の消衰係数kを0.06〜0.15とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、特に、レーザ光を用いて情報の高密度での記録及
び再生を行うことができる追記型の光情報記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光により一回限りの情報の
記録が可能な追記型光情報記録媒体(光ディスク)は、
CD−Rと称され、広く知られている。このCD−R型
の光情報記録媒体の代表的な構造は、記録時に照射され
るレーザ光をトラッキングするための案内溝(プレグル
ーブ)が形成された透明な円盤状基板上に、有機色素か
らなる色素記録層、金などの金属からなる光反射層、さ
らに樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。そ
してこの光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレー
ザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)を光デ
ィスクに照射することにより行われ、色素記録層の照射
部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的ま
たは化学的変化(例えば、ピットなどの生成)によりそ
の部分の光学的特性が変化し、情報が記録される。一
方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長
のレーザ光を光ディスクに照射して、色素記録層の光学
的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部
位(未記録部分)との反射率の違いを検出することによ
り行われている。
【0003】また、最近では、従来より高い記録密度を
備えたCD−Rも規格化されつつある。例えば、ソニー
株式会社は、2000年7月に、記録容量1.3GBの
倍密度CD−ROM/R/RW規格「Double D
ensity CD−ROM/−R/−RW(DDCD
規格)」を策定したと発表した。このDDCD規格で
は、現行のCD−ROM規格に比べ、トラックピッチを
狭くすると共に、記録線速度を遅くしてピット長を短く
すること等により、高密度記録を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単にト
ラックピッチを狭くし、記録線速度を遅くするだけで
は、ジッタと呼んでいるピット長さのばらつきが測定で
きないほど悪化する、という問題がある。これに対し、
発明者等はジッタを改善する方法を種々検討し、色素記
録層、特にそのランド部の層厚を薄くすることによりジ
ッタが改善されることを見出したが、色素記録層を塗布
により形成する際に、ランド部の層厚を薄くすると、溝
部の層厚も薄くなりすぎて記録感度の低下を招く、とい
う問題がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、本発明の目的は、高密度記録が可能であり、記録感
度及び記録特性(ジッタ)の良好な光情報記録媒体を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の光情報記録媒体は、プレグルーブ
が形成された透明基板上に、有機色素を含有しレーザ光
により情報の記録が可能な色素記録層を形成した光情報
記録媒体において、前記プレグルーブは、トラックピッ
チが1200nm以下で、且つ溝深さが180〜350
nmであり、前記色素記録層は、厚さが30〜150n
mで、且つ記録レーザ波長での消衰係数kが0.06〜
0.15であることを特徴とする。
【0007】本発明の光情報記録媒体においては、色素
記録層の厚さを30〜150nmと薄くしても、色素記
録層に含有される有機色素を記録レーザ波長での消衰係
数kが0.06〜0.15となるように選択すること
で、良好な記録感度で情報を記録することができる。ま
た、記録レーザ波長での消衰係数kを0.06〜0.1
5としたことに加え、透明基板上に形成されるプレグル
ーブの溝深さを180〜350nmの範囲とすること
で、従来の記録密度のCD−R並みの感度を維持したま
ま、トラックピッチが1200nm以下でも、良好なジ
ッタを維持しつつ高密度記録を行なうことができる。
【0008】上記光情報記録媒体において、プリグルー
ブのトラックピッチは、1150nm以下が好ましく、
1100nm以下がより好ましい。また、プリグルーブ
のトラックピッチの下限は1000nmとすることが好
ましい。プレグルーブの溝深さは、210〜320nm
が好ましく、220〜300nmより好ましい。また、
プレグルーブの溝幅は、400〜630nmが好まし
く、420〜600nmがより好ましく、450〜58
0nmが特に好ましい。溝幅が広すぎるとクロストーク
が増加してジッタが悪化し、溝幅が狭すぎると感度が低
くなる傾向にあるため書き込み時のレーザパワーが大き
くなって、やはりジッタが悪化する。色素記録層の記録
レーザ波長での消衰係数kは、0.07〜0.14の範
囲が好ましい。色素記録層の厚さは、40〜140nm
の範囲が好ましく、50〜130nmの範囲がより好ま
しい。
【0009】また、色素記録層には、耐久性を向上させ
るため、退色防止剤を添加するのが好ましく、退色防止
剤の使用量は、有機色素の量に対して0.1〜50質量
%の範囲が好ましく、0.5〜40質量%の範囲がより
好ましく、5〜30質量%の範囲が特に好ましい。
【0010】本発明の光情報記録媒体は、透明基板のプ
レグルーブが形成されている側の表面に、色素濃度が
0.5〜1.5g/100mlの塗布液を塗布して塗膜
を形成し、形成された塗膜を乾燥することにより色素記
録層を形成して製造することができる。
【0011】上記製造方法において、塗布溶剤として
は、2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどの
フッ素系溶剤が好ましい。また、塗布方法としてはスピ
ンコート法が好ましく、スピンコート法で色素記録層を
形成する場合、塗布液の供給量は1枚当り0.1〜1.
0mlが好ましく、塗布液供給時の回転数は100〜5
00rpmが好ましい。塗布液を供給後は徐々に回転数
を上げて乾燥を行うが、乾燥時の回転数は1500〜8
000rpmが好ましく、回転数を上げる加速度は、1
0〜3000rpm/s2の範囲が好ましい。また、塗
布開始から乾燥終了までに要する時間は、短過ぎると均
一な膜厚分布を得ることができず、長すぎると生産性が
低下するので、3〜15秒の範囲が好ましい。
【0012】また、本発明の光情報記録媒体には、色素
記録層上に光反射層を設けることが好ましく、基板と反
対側の表面には保護層を設けることが好ましい。
【0013】請求項2に記載の光情報記録媒体は、請求
項1の発明において、1倍速での記録線速度が1m/s
以下となるように情報を記録することを特徴とする。1
倍速での記録線速度を1m/s以下と低速度にすること
により、生成されるピット長が短くなり、更に高密度の
記録を行うことができる。
【0014】記録線速度は、より記録密度を高めるため
に0.95m/s以下とすることが好ましく、線速度を
下げすぎるとジッタが悪化することから、線速度の下限
は0.85m/s以上とすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体に
ついて詳細に説明する。
【0016】本発明の光情報記録媒体は、プレグルーブ
が形成された透明基板上に、有機色素を含有しレーザ光
により情報の記録が可能な色素記録層が形成された光情
報記録媒体であって、このプレグルーブのトラックピッ
チが1200nm以下で、且つ溝深さが180〜350
nmであり、色素記録層の厚さが30〜150nmで、
且つ記録レーザ波長での消衰係数kが0.06〜0.1
5であれば、特に制限はなく、種々の構成の光情報記録
媒体に適用することができる。
【0017】例えば、図1に示すように、中心部にセン
ターホールが形成された円盤状の透明基板10上に、色
素記録層12、光反射層14、及び保護層16をこの順
に設けた構造のCD−R型の光情報記録媒体とすること
ができる。以下、このCD−R型の光情報記録媒体を例
にとって、本発明の光情報記録媒体の構成を詳細に説明
する。
【0018】透明基板10には、トラッキング用溝また
はアドレス信号等の情報を表す溝(プレグルーブ)が所
定のトラックピッチで形成されている。高密度化を実現
するために、プリグルーブのトラックピッチは1200
mm以下であり、1150mm以下が好ましく、110
0mm以下がより好ましい。また、トラックピッチが1
000mmより狭くなると、クロストークが増大するこ
とからトラックピッチは1000mm以上とすることが
好ましい。
【0019】図2は、プレグルーブの形状を表す概略断
面図である。Dは溝深さであり、溝形成前の基板表面か
ら溝の最も深い箇所までの距離である。Wは溝幅であ
り、D/2の深さでの溝幅である。
【0020】本発明においては、図2において「D」で
表されるプレグルーブの溝深さを180〜350nmの
範囲とすることが必要である。溝深さが180nmより
小さいとジッタが大きくなって記録特性が低下し、溝が
浅過ぎる場合にはトラッキング不良が発生する。一方、
溝深さが350nmより大きいと記録光や再生光に対す
る反射率が低下し、記録再生特性が低下する。
【0021】ジッタを改善するために、溝深さの下限は
210nmが好ましく、220nmがより好ましい。ま
た、溝深さが大きくなるほど溝の作製は困難になるの
で、ジッタ改善の程度と作製の容易さとのバランスを考
慮すると、180nm、210nm及び220nmの各
下限値において、溝深さの上限は320nmがより好ま
しく、300nmが更に好ましい。
【0022】また、図2において「W」で表されるプレ
グルーブの溝幅は400〜630nmの範囲が好まし
い。溝幅が400〜630nmの範囲外であるとジッタ
が低下する。また、溝幅が400nm未満であると、ト
ラッキングエラーが発生し易くなり、溝幅が630nm
を超えると、クロストークが発生し易くなる。
【0023】トラックピッチを狭くしたことに伴いクロ
ストークが発生し易くなっているので、クロストークの
発生を抑制するために、溝幅の上限は600nmが好ま
しく、580nmがより好ましい。また、トラッキング
エラーの発生を抑制するために、630nm、600n
m及び580nmの各上限値において、溝幅の下限は4
20nmがより好ましく、450nmが更に好ましい。
【0024】透明基板10はディスク状の透明樹脂基板
であり、直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1
mm、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6
±0.1mmの円盤状基板が一般に用いられる。なお、
ここでいう「透明」とは、記録光及び再生光に対して透
明であることを意味する。
【0025】透明基板10の材料としては、例えば、ガ
ラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポ
リオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ
る。また、所望によりそれらを併用してもよい。上記材
料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点か
らポリカーボネートが好ましい。
【0026】上述の所定形状のプレグルーブは、ポリカ
ーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形
する際に、直接、透明基板10上に形成することができ
る。また、プレグルーブの形成をプレグルーブ層を設け
ることにより行ってもよい。プレグルーブ層の材料とし
ては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエ
ステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一種のモ
ノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物
を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例え
ば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のア
クリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗
布し、更にこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板ま
たは母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を
硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板
を母型から剥離することによりプレグルーブを得ること
ができる。プレグルーブ層の層厚は、一般に0.05〜
100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μm
の範囲である。
【0027】色素記録層12が設けられる側の透明基板
10の表面には、平面性の改善および接着力の向上およ
び色素記録層の変質防止などの目的で、下塗層を設ける
ことができる。下塗層の材料としては例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・
ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩
化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質
剤をあげることができる。下塗層は、上記物質を適当な
溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この
塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルー
ジョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布す
ることにより形成することができる。下塗層の層厚は一
般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは
0.01〜10μmの範囲である。
【0028】透明基板10のプレグルーブが形成されて
いる側の表面上(または、下塗層上)には、有機色素を
含有しレーザ光により情報の記録が可能な色素記録層1
2が設けられる。なお、色素記録層12は単層でもよい
が、複数層から構成されていてもよい。
【0029】色素記録層12の記録レーザ波長での消衰
係数kは、0.06〜0.15の範囲とする。色素記録
層の消衰係数kが0.06より小さいと記録感度が低下
し、消衰係数kが0.15より大きいとジッタが悪化す
る。
【0030】上記の通り記録感度とジッタとが競合する
ので、消衰係数kの上限は0.14がより好ましく、
0.14及び0.15の各上限値において、消衰係数k
の下限は0.07がより好ましい。
【0031】なお、色素記録層の消衰係数kとは、記録
レーザ波長に対する色素記録層の複素屈折率の虚数部の
絶対値であり、光吸収率の指標となる値であるが、本発
明においては、記録レーザ波長に対する色素記録層の透
過率及び反射率の測定値から下記の方法に従い求めた値
を意味する。
【0032】消衰係数kは、一般に吸収係数αを用いて
下記式(1)により表される。
【0033】k=αλ/4π・・ 式(1) (式中、λは記録レーザ波長である。) 一方、色素記録層の吸収係数αと膜厚dの積である光学
濃度αdは、実際に測定した色素記録層側からの入射光
に対する透過率T0および反射率R0、色素記録層側とは
反対側からの入射光に対する反射率R0´、基板のみで
の反射率Rsを用い、下記式(2)により求めることが
できる。
【0034】 αd=ln(1/T0)+ln(1-R0)+ln(1-R0´+1/2Rs) ・・・式(2) 従って、記録レーザ波長に対する色素記録層の消衰係数
kは、式(1)に式(2)を代入して求めた下記式
(3)により算出することができる。
【0035】 k=λ[ln(1/T0)+ln(1-R0)+ln(1-R0´+1/2Rs)]/4πd・・・式(3) なお、基板のみでの反射率Rsは、記録媒体の内、色素
記録層が設けられていない部分での反射率である。
【0036】含有される有機色素は、色素記録層の消衰
係数kが所望の値となるように、シアニン系色素、アゾ
系色素、フタロシアニン系色素、オキソノール系色素、
ピロメテン系色素等から適宜選択される。また、色素記
録層の消衰係数kが所望の値となるように、これらの色
素を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】色素記録層12の厚さは、30〜150n
mの範囲とする。図3は、透明基板10の表面に設けら
れた色素記録層12の形状を表す概略断面図である。本
発明において「色素記録層の厚さ」とは、溝が形成され
た部分での色素記録層の厚さを意味し、図3において
「A」で示すように、溝が形成された部分での色素記録
層の表面から溝の最も深い箇所までの距離のことであ
る。
【0038】従来、色素記録層はグルーブ上で200n
m程度の層厚で形成されるのが一般的であるが、本発明
では色素記録層の厚さを30〜150nmと従来のCD
−Rより薄くした点に特徴がある。色素記録層の厚さが
30nmより小さいと感度が低下して記録不能となり、
色素記録層の厚さが150nmより大きいとジッタが大
きくなって記録再生特性が低下する。
【0039】上記の通り記録感度とジッタとが競合する
ため、色素記録層の厚さの上限は、140nmが好まし
く、130nmがより好ましい。また、150nm、1
40nm、及び130nmの各上限値において、色素記
録層の厚さの下限は、40nmがより好ましく、50n
mがさらに好ましい。
【0040】色素記録層12には、耐久性を向上させる
ため、退色防止剤を添加するのが好ましい。退色防止剤
の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジ
インモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。
これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同
3−224793号、及び同4−146189号等の各
公報に記載されている。
【0041】本発明においては、下記一般式(1)で表
される退色防止剤が好ましい。
【0042】
【化1】
【0043】上記一般式(1)のR11、R12はそれぞれ
独立に水素原子または一価の置換基を表す。R11および
12で表される置換基は、ハロゲン原子、または炭素原
子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子が組み合わされて
なる置換基であり、具体的には、アルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファ
モイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アル
コキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、
スルファモイル基、カルボキシ基(塩を含む)、スルホ
基(塩を含む)を挙げることができる。これらの基は更
に、例示したこれらの置換基で置換されていてもよい。
【0044】R11、R12としては、各々独立に水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアル
キルチオ基、炭素数1〜6のアミド基、炭素数1〜6の
スルホンアミド基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数
1〜6のアシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数1〜6のカルバモイル基、炭素数1〜6の
アルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフ
ィニル基が好ましく、炭素原子数4以下のアルコキシ基
がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好まし
い。
【0045】退色防止剤を使用する場合には、その使用
量は、色素の量に対して0.1〜50質量%の範囲が好
ましく、0.5〜40質量%の範囲がより好ましく、5
〜30質量%の範囲が特に好ましい。退色防止剤の使用
量が0.1質量%より少ないと十分な退色防止効果を得
ることができない。また、退色防止剤の使用量に応じて
退色防止効果は向上するが、逆に記録感度は徐々に低下
する。このため具体的な使用量は、上記の好適使用量の
範囲内で使用する有機色素の消衰係数kに応じて適宜決
定される。即ち、消衰係数kが大きく感度が高い有機色
素を使用する場合には、退色防止剤の使用量を多くする
ことができる。
【0046】上記色素記録層12は、上述の有機色素の
他、所望により退色防止剤や結合剤などを溶剤に溶解し
て塗布液を調製し、次いで、この塗布液を透明基板のプ
レグルーブが形成されているその表面に塗布して塗膜を
形成し、形成された塗膜を乾燥することにより形成する
ことができる。塗布液中の色素濃度は、薄膜を形成する
ために、0.5〜1.5g/100mlの範囲とするこ
とが好ましく、0.6〜1.1g/100mlの範囲が
より好ましい。色素濃度の低い塗布液を用いることによ
り、より薄膜の色素記録層を得ることができる。
【0047】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。スピンコート法で色素記録層を形成する
場合、従来公知のスピンコート塗布装置を使用して、色
素記録層の薄膜を形成することができる。塗布液の供給
量は1枚当り0.1〜1mlが好ましく、0.2〜0.
5mlがより好ましい。塗布液供給時の回転数は100
〜500rpmが好ましく、200〜400rpmがよ
り好ましい。塗布液供給後は徐々に回転数を上げて乾燥
を行うが、乾燥時の回転数は1500〜8000rpm
が好ましく、2000〜6000rpmがより好まし
く、3000〜5000rpmが特に好ましい。回転数
を上げる加速度は、10〜3000rpm/s2の範囲
が好ましく、50〜1000rpm/s2の範囲がより
好ましい。塗布開始から乾燥終了までに要する時間は、
短か過ぎると均一な膜厚分布を得ることができず、長す
ぎると生産性が低下するので、3〜15秒の範囲が好ま
しく、5〜10秒の範囲とするのがより好ましい。以上
の条件下でスピンコートを行うことにより、150nm
以下の薄膜の色素記録層を形成することができる。
【0048】塗布溶剤としては、酢酸ブチル、セロソル
ブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロ
ホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドな
どのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒ
ドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテ
ル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアル
コール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールな
どのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエ
ーテル類などを挙げることができるが、薄膜を形成する
ために、2,2,3,3−テトラフロロプロパノールな
どのフッ素系溶剤が特に好ましい。上記溶剤は使用する
化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上を組み合
わせて用いることができる。塗布液中には、目的に応じ
て、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など
の各種の添加剤を更に添加してもよい。
【0049】結合剤の例としては、例えばゼラチン、セ
ルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天
然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン
等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビ
ニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩
素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴ
ム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬
化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げるこ
とができる。結合剤を使用する場合、その使用量は、色
素100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましく
は0.5〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部で
ある。
【0050】なお、色素記録層12と光反射層14との
間には、反射率向上と感度向上のために、中間層を設け
てもよい。中間層に用いられる材料としては、Si
2、SiN、MgF2、TiO2等の無機物質、ブタジ
エンゴム等の有機物質を挙げることができる。この中間
層は、真空成膜やスピンコート等を利用して形成するこ
とができる。
【0051】色素記録層12の上には、反射率の向上を
目的として、光反射層14が設けられる。光反射層14
の材料は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質
であればよく、その材料の反射率が30%以上であるこ
とが好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上
がさらに好ましい。その例としては、Mg、Se、Y、
Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、I
r、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、G
a、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi
などの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げるこ
とができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。また、合金として用いるこ
ともできる。光反射層14の材料としては、Au、A
g、Alもしくはその合金が特に好ましい。光反射層1
4は、例えば、色素記録層12上に上記光反射性物質を
蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングす
ることにより形成することができる。光反射層14の厚
さは、一般的には10〜800nmの範囲であり、好ま
しくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜
300nmの範囲である。
【0052】光反射層14上には、色素記録層などを物
理的および化学的に保護する目的で保護層16が設けら
れる。保護層16に用いられる材料としては、例えば、
SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの
無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹
脂等の有機物質を挙げることができる。
【0053】保護層16は、たとえばプラスチックの押
出加工で得られた樹脂フィルムを接着層を介して光反射
層14上にラミネートすることにより形成することがで
きる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方
法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗
布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥するこ
とによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の
場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布
液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射し
て硬化させることによっても形成することができる。こ
れらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、U
V吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよ
い。
【0054】保護層16の硬度は、ピットの保護層方向
への不均一な広がりを防止するため、鉛筆の引掻き硬度
でF以上であることが好ましく、H以上がより好まし
い。保護層の層厚は2.5〜23μmの範囲にあること
が好ましく、より好ましくは3.5〜20μm、さらに
好ましくは4.0〜15μmである。
【0055】なお、耐傷性、耐湿性を高める目的で、透
明基板10の色素記録層12が設けられていない側に同
様の保護層を設けてもよい。また、光反射層14と保護
層16との間には、反射率の向上等、光学特性を調整す
るために、中間層を設けてもよい。中間層に用いられる
材料としては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、S
nO2、Si34などの無機物質を挙げることができ
る。この中間層は、蒸着、スパッタリング等の真空成膜
により形成することができる。
【0056】次に、本発明の光情報記録媒体を用いた情
報記録方法について説明する。この情報記録方法は、上
記の光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行わ
れる。まず、光情報記録媒体を1m/s以下の定線速度
(通常のCDフォーマットの場合は1.2〜1.4m/
秒)にて回転させながら、基板側から波長790±20
nmのレーザ光を照射する。このレーザ光の照射によ
り、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物
理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生
じてその光学的特性を変えることにより情報が記録され
る。プレグルーブのトラックピッチを1200nmとし
た場合には、記録線速度1m/sで従来のCD−Rの約
1.6倍、記録線速度0.9m/sで従来のCD−R規
格の約1.75倍の記録密度を達成することができる。
記録線速度は、より記録密度を高めるために0.95m
/s以下とすることが好ましく、線速度を下げすぎると
ジッタが悪化することから、線速度の下限は0.85m
/s以上とすることが好ましい。
【0057】なお、上記のように記録された情報の再生
は、光情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら
半導体レーザ光を基板側から照射して、その反射光を検
出することにより行うことができる。
【0058】以上説明したように、本発明の光情報記録
媒体は、プレグルーブが形成された透明基板上に、有機
色素を含有しレーザ光により情報の記録が可能な色素記
録層が形成された光情報記録媒体であって、(1)プレ
グルーブのトラックピッチを1200nm以下、(2)
プレグルーブの溝深さを180〜350nm、(3)色
素記録層の厚さを30〜150nm、(4)色素記録層
の記録レーザ波長での消衰係数kを0.06〜0.1
5、としたことを特徴とするものであり、(1)〜
(4)の4つの要件を満たすことにより、良好な記録感
度と良好な記録特性(ジッタ)とを維持しつつ、高密度
記録を行なうことができる。また、色素記録層の厚さを
薄くしたことにより、色素使用量を減少させることがで
き、コストダウンを図ることができる。
【0059】また、本発明の情報記録方法は、本発明の
光情報記録媒体を用いて、1m/s以下の記録線速度で
情報の記録を行うことにより、良好な記録感度と良好な
記録特性(ジッタ)とを維持しつつ、更に高密度での情
報の記録が可能である。
【0060】上記では光反射層、保護層を備えたCD−
R型の光情報記録媒体の例について説明したが、これら
の層は任意の構成要素であり、これらの層が設けられて
いない構成とすることもできる。
【0061】また、上述のCD−R型の光情報記録媒体
と同様にして形成した透明基板、色素記録層、光反射
層、及び保護層からなる積層体を2枚用意し、用意した
2枚の積層体を各々の色素記録層が内側となるように接
着剤等で貼り合わせることにより、二つの色素記録層を
持つ貼り合せ構造のDVD−R型の光情報記録媒体とす
ることができる。また、積層体とこの積層体の基板と略
同じ寸法の円盤状保護基板とを、その色素記録層が内側
となるように接着剤等で貼り合わせることにより、片側
のみに色素記録層を持つDVD−R型の光情報記録媒体
を製造することができる。なお、貼り合わせ構造とする
場合、透明基板の直径が120±3mmで厚みが0.6
±0.1mmのものが一般に用いられ、貼り合わせ後の
光情報記録媒体の厚みが1.2±0.2mmとなるよう
に調整される。
【0062】
【実施例】以下、本発明の光情報記録媒体を実施例に基
づき具体的に説明する。 [実施例1]射出成形により表面にスパイラル状のプレ
グルーブを形成したポリカーボネート基板(厚さ:1.
2mm、外径:120mm、内径:15mm、帝人
(株)製、商品名「パンライトAD5503」)を作製
した。プレグルーブの溝深さは250nmであり、溝幅
は498nmであり、トラックピッチ1100nmであ
る。この溝形状は、デジタル・インスツルメンツ社製の
スキャニング・プローブ・マイクロスコープ(SPM)
である「NanoScope3」にナノセンサーズ社製
のNCH型探針を取り付け、タッピングモードで5μm
角の範囲を走査して計測した。
【0063】下記色素(A)1g、及び退色防止剤
(1)0.2gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−
1−プロパノール148gに2時間超音波照射して溶解
し、この色素記録層形成用塗布液を、得られた基板のプ
レグルーブ面に、回転数を300〜3000rpmまで
変化させながらスピンコート法により塗布し、乾燥して
色素記録層を形成した。色素記録層の厚さは、色素を塗
布した基板を割って、基板断面に白金(Pt)を蒸着し
た後、色素記録層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
により3万倍で観察して計測したところ100nmであ
った。また、色素記録層の780nmのレーザ光に対す
る消衰係数kは0.089であった。
【0064】
【化2】
【0065】次いで、アルゴン雰囲気中での、DCスパ
ッタリングにより、色素記録層上に厚さ約80nmの銀
(Ag)からなる光反射層を形成した。更に、光反射層
上に、UV硬化性樹脂(商品名「SD−318」、大日
本インキ化学工業(株)製)を回転数を300rpm〜
4000rpmまで変化させながらスピンコートにより
塗布した。塗布後、その上から高圧水銀灯により紫外線
を照射して硬化させ、層厚8μmの保護層を形成した。
保護層の表面硬度は鉛筆の引っかき硬度で2Hであっ
た。
【0066】以上の工程により、基板、色素記録層、光
反射層及び保護層からなる実施例1のCD−R型光ディ
スクを作製した。 [実施例2]色素記録層の厚さを130nmとした以外
は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R型光デ
ィスクを作製した。 [実施例3]色素記録層の厚さを65nmとした以外
は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R型光デ
ィスクを作製した。 [実施例4]プリグルーブの溝幅を428nmとし、色
素記録層の厚さを104nmとした以外は、実施例1と
同様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製し
た。 [実施例5]プリグルーブの溝幅を565nmとし、色
素記録層の厚さを92nmとした以外は、実施例1と同
様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製し
た。 [実施例6]プリグルーブの溝深さを222nmとし、
色素記録層の厚さを85nmとした以外は、実施例1と
同様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製し
た。 [実施例7]プリグルーブの溝深さを279nmとし、
色素記録層の厚さを110nmとした以外は、実施例1
と同様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製
した。 [実施例8]退色防止剤の使用量を10質量%とした以
外は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R型光
ディスクを作製した。 [実施例9]プリグルーブの溝幅を368nmとし、色
素記録層の厚さを105nmとした以外は、実施例1と
同様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製し
た。 [実施例10]プリグルーブの溝幅を628nmとし、
色素記録層の厚さを92nmとした以外は、実施例1と
同様にして本発明に従うCD−R型光ディスクを作製し
た。 [比較例1]色素を下記に示す色素(B)とした以外
は、実施例1と同様にして比較用のCD−R型光ディス
クを作製した。このとき色素記録層の780nmのレー
ザ光に対する消衰係数kは0.053であった。
【0067】
【化3】
【0068】[比較例2]色素を下記に示す色素(C)
とし、色素記録層の層厚を94nmとした以外は、実施
例1と同様にして比較用のCD−R型光ディスクを作製
した。このとき色素記録層の780nmのレーザ光に対
する消衰係数kは0.18であった。
【0069】
【化4】
【0070】[比較例3]色素記録層の層厚を162n
mとした以外は、実施例1と同様にして比較用のCD−
R型光ディスクを作製した。 [比較例4]色素記録層の層厚を24nmとした以外
は、実施例1と同様にして比較用のCD−R型光ディス
クを作製した。 [比較例5]プレグルーブの溝深さを176nmとし、
色素記録層の層厚を94nmとした以外は、実施例1と
同様にして比較用のCD−R型光ディスクを作製した。 [比較例6]プレグルーブの溝深さを360nm、プレ
グルーブの溝深さを507nmとし、色素記録層の層厚
を145nmとした以外は、実施例1と同様にして比較
用のCD−R型光ディスクを作製した。 [比較例7]プレグルーブの溝深さを175nmとし、
プレグルーブの溝幅を485nmとし、色素記録層の層
厚を225nmとし、色素を下記に示す色素(D)とし
て消衰係数kを0.04とした以外は、実施例1と同様
にして比較用のCD−R型光ディスクを作製した。
【0071】
【化5】
【0072】[光ディスクとしての評価]上記実施例及
び比較例のCD−R型光ディスクに、評価機「DDU」
(パルステック社製)を用いてレーザ光の波長780n
m、NA(開口数)0.55、線速度3.7m/s
(0.925m/sの4倍速記録に相当する)で記録し
た後、記録後の光ディスクについて、線速度0.925
m/sで再生し、デジタル・オシロスコープを用いてβ
(ベータ)値を測定すると共に、タイム・インターバル
・アナライザー(TIA)で3Tピットジッターを測定
した。3Tピットジッタの値が小さい程、ピットのバラ
ツキが少ないことを意味し、ジッタの値が40以下であ
れば記録再生特性は使用可能範囲にあり、ジッタの値が
36以下であれば記録再生特性は良好であると言える。
なお、プレグルーブのトラックピッチが1100nm、
記録線速度が0.925m/sの条件下では、従来のC
D−Rの約1.9倍の記録密度を達成することができ
る。
【0073】また、各ディスクについて最適なジッタを
示すときの記録レーザパワーを測定した。β値は最適記
録パワーの目安になる値であり、0〜8%の範囲でピッ
ト形成に最適な記録パワーが与えられている(ジッタが
最も小さくなる)ことになり、記録パワーがこの範囲に
あることが望ましい。β値がマイナスの場合には記録に
大きなパワーが必要である(記録感度が低い)ことを示
し、β値が8%を超えると記録パワーが過剰である(記
録感度が高すぎる)ことを示す。得られた結果を表1及
び表2に示す。なお、参考のため退色試験の結果を併記
する。○〜◎は良好、△はやや劣るが実用上問題の無い
レベルを示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】表1及び表2の結果から、本発明に従うC
D−R型光ディスク(実施例1〜10)の場合には、3
Tピットジッターの値がいずれも39以下と小さく、良
好な記録再生特性が得られると共に、β値が0〜8%の
範囲にあり、ピット形成に最適な記録パワーが与えられ
ていること、即ち、良好な記録感度を有していることが
わかる。一方、色素記録層の層厚が厚すぎる場合(比較
例3)には、3Tピットジッタの値が大きく、従ってデ
ジタル信号の読み誤りが生じ易くなるなど、満足できる
記録再生特性が得られないことがわかる。また、色素記
録層の消衰係数kが小さすぎる(比較例1)場合には、
β値がマイナスになり、記録感度が著しく低下すること
が分かる。また、色素記録層の消衰係数kが大きすぎる
場合(比較例2)には、ジッタが悪化した。また、プレ
グルーブの溝が浅い場合(比較例5)には、ジッタが悪
化すると共にβ値もマイナスになり、プレグルーブの溝
が深すぎる場合(比較例6)にも、ジッタが悪化した。
なお、プレグルーブのトラックピッチを狭くした以外は
従来と同様の溝形状、色素記録層を有するCD−R型光
ディスク(比較例7)の場合には、ピット長のばらつき
が大きすぎジッタを測定することができなかった。ま
た、色素記録層の層厚が薄すぎる場合(比較例4)に
も、レーザ光が十分に吸収されず、感度が極端に低くな
り、ピットの形成が困難であった。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、高密度記録が可能であ
り、記録感度及び記録特性(ジッタ)の良好な光情報記
録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るCD−R型の光情報
記録媒体の積層構造を示す概略構成図である。
【図2】プレグルーブの形状を表す概略断面図である。
【図3】色素記録層の形状を表す概略断面図である。
【符号の説明】
D 溝深さ W 溝幅 10 透明基板板 12 色素記録層 14 光反射層 16 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 FA01 FB42 5D029 JA04 JC05 WB14 WB17 WC01 5D090 AA01 BB03 BB17 CC01 CC14 DD03 EE02 FF11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレグルーブが形成された透明基板上に、
    有機色素を含有しレーザ光により情報の記録が可能な色
    素記録層を形成した光情報記録媒体において、前記プレ
    グルーブは、トラックピッチが1200nm以下で、且
    つ溝深さが180〜350nmであり、前記色素記録層
    は、厚さが30〜150nmで、且つ記録レーザ波長で
    の消衰係数kが0.06〜0.15であることを特徴と
    する光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】1倍速での記録線速度が1m/s以下とな
    るように情報を記録する請求項1に記載の光情報記録媒
    体。
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