JP2002156457A - X線画像撮影装置 - Google Patents

X線画像撮影装置

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JP2002156457A JP2000354507A JP2000354507A JP2002156457A JP 2002156457 A JP2002156457 A JP 2002156457A JP 2000354507 A JP2000354507 A JP 2000354507A JP 2000354507 A JP2000354507 A JP 2000354507A JP 2002156457 A JP2002156457 A JP 2002156457A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体画素から成るX線検出手段とグリッド
から成る散乱X線除去手段とを併用しても、両者を精度
良く固定でき、良好な画像を効率良く得ることができ得
る。 【解決手段】 グリッドユニットの位置を規制するため
に、筺体21の側面には溝部21bが設けられており、
この溝部21bにはグリッド枠の突条部が嵌合され、グ
リッドユニットは筐体21に対して、X線像検出パネル
24の検出面と垂直方向の軸周りの回転位置が規制され
ている。また、筺体21の内壁の角部には突起部21c
が設けられており、基台23の角部23aに係合し、基
台23は筐体21に対して、X線像検出パネル24の検
出面と垂直方向の軸周りの回転位置規制がなされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散乱X線を除去す
るために用いるグリッドを備えたX線画像撮影装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、X線撮影として最も一般的な
撮影方法はフィルム/スクリーン法であり、これは感光
性フィルムとX線に対して感度を有している蛍光体を組
み合わせて撮影する方法である。X線を照射すると発光
する希土類から成る蛍光体を、感光性フィルムの両面に
密着させて保持し、被写体を透過したX線を蛍光体で可
視光に変換して感光性フィルムにより光を捉え、この感
光性フィルムに形成された潜像を化学処理で現像するこ
とにより像を可視化する。
【0003】第2の撮影方法として、コンピューテッド
ラジオグラフィ(CR)法と呼ばれる方法も実用化され
ている。この方法は放射線の透過画像を蛍光体中に一
旦、潜像として蓄積し、後に励起光を照射することによ
り潜像を読み出す方式である。例えば、或る種の蛍光体
にX線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等の放射線
を照射すると、この放射線のエネルギの一部が蛍光体中
に蓄積される。また、この蛍光体に可視光等の励起光を
照射すると、蓄積されたエネルギに応じて蛍光体が輝尽
発光を示すことが知られている。
【0004】このような性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光
体とか輝尽性蛍光体と呼ばれている。この蓄積性蛍光体
を利用することにより、人体等の被写体の放射線画像情
報を蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、その後にこの蓄
積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光を用いて走査
することにより輝尽発光光を生じさせ、得られた輝尽発
光光を光電的に読み取ることにより画像信号を取得し、
この画像信号に基づいて写真感光材料等の記録材料、C
RT等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として
出力させる放射線画像情報記録再生システムが、特開昭
55−12429号公報、特開昭56−11395号公
報等において提案されている。
【0005】また近年の半導体プロセス技術の進歩に伴
い、第3の撮影方法として半導体センサを使用して同様
にX線画像を撮影する装置が開発されている。この種の
システムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真システ
ムと比較して、極めて広範囲な放射線露出域の画像を記
録できるという利点を有している。即ち、広範囲のダイ
ナミックレンジのX線を光電変換手段により読み取って
電気信号に変換した後に、この電気信号を用いて写真感
光材料等の記録材料やCRT等の表示装置に放射線画像
を可視像として出力させることにより、放射線の露光量
の変動に影響され難い、放射線画像を得ることができ
る。
【0006】図10は上述した半導体センサを用いた放
射線画像撮影システムの概略図を示しており、X線画像
撮影装置1には、複数の光電変換素子を二次元状に配置
した検出面を有するX線検出センサ2が内蔵されてお
り、X線発生部3から出射されたX線が被写体Sに照射
され、被写体Sを透過したX線はX線検出センサ2によ
り検出される。このX線検出センサ2から出力された画
像信号は、画像処理手段4においてデジタル画像処理さ
れ、モニタ5上に被写体SのX線画像として表示され
る。
【0007】また、X線画像のコントラストを改善する
目的で上述した3種類の撮影方法において、散乱X線除
去用グリッドを用いて撮影する場合がある。これはX線
の照射により、被写体Sの内部で発生する散乱X線を除
去するためのものであり、この散乱X線除去用グリッド
は、X線管球とフィルム等の検出器の間に配置して撮影
を行う。
【0008】この散乱X線除去用グリッドは、X線吸収
部材としてX線吸収率の大きい鉛等から成る複数枚の箔
と、X線吸収率が小さなアルミニウム、紙、木、合成樹
脂、炭素繊維強化樹脂等から成る中間物質とを交互に積
層し、アルミニウム等から成るカバー部材により覆われ
ている。この場合に、箔の面に沿った方向からX線が入
射するような構成となっているため、散乱X線は箔に対
して或る角度で入射し、箔に当たり吸収される。被写体
を透過したX線の一次光は、箔に対して平行に入射する
ため、中間物質部を通過してグリッドを透過する。従っ
て、被写体において散乱された散乱X線を箔で吸収する
ことができ、散乱X線による解像度の低下を防止するこ
とができる。
【0009】図11は従来の半導体センサを用いたX線
画像撮影装置の縦断面図、図12は図11のA方向から
見た横断面図を示している。筺体11の内部にはスペー
サ12を介して基台13が取り付けられており、この基
台13上には、上方から、照射されたX線を可視光に変
換する蛍光体14a、変換された可視光を電気信号に変
換する格子状に配列された光電変換素子14b、この光
電変換素子14bを支持する基板14cが積層されたX
線像検出パネル14が配置されている。また、光電変換
素子14bには配線15を介して、基台13の下面に設
けられた電気信号を処理する電子部品を搭載した回路基
板16に接続されている。更に、この筺体11の上面に
はグリッドユニット17に着脱自在に設けられている。
グリッドユニット17はグリッド取付枠18に散乱X線
除去用グリッド19が取り付けられており、更にグリッ
ド取付枠18には開口部18aが設けられている。
【0010】図13はグリッドユニット17を図11の
B方向から見た平面図を示している。散乱X線除去用グ
リッド19の内部の積層された箔19aと中間物質の並
んでいる方向を模式的に示し、平行に描かれた線は箔1
9aを意味し、箔19aはその線を含み紙面に垂直な平
面上に存在する。グリッド19の中心線19bは、グリ
ッド19の箔19aの方向と平行で、箔19aがX線管
球の中心に焦点を有する所謂集束グリッドの場合の管球
中心に合わせるラインである。即ち、中心線19bの付
近の箔19aは紙面に垂直方向であるが、中心線19b
から離れるに従ってX線の照射角に従って徐々に傾斜し
た構成となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のフィルムを用い
たX線撮影において、グリッドを固定して撮影する場合
には、フィルムの外形の辺に対してグリッドの箔の方
向、即ち中心線が必ずしも平行でなくとも、外形に対し
て傾いた方向にグリッドの縞目が写り込んだ画像が得ら
れるだけで、診断上問題となる障害は発生することはな
い。
【0012】しかしながら、図12に示すような半導体
センサを用いた場合には、二次元的に分布した画素には
方向性があり、画素の並びに平行な線14dと、グリッ
ド19の中心線19bが平行でない或る値以上の角度に
おいては、様々な障害が発生する。
【0013】先ず、第1にはモアレ縞の発生が問題とな
る。グリッド19の1cm当りの箔の数をグリッド密度
(本/cm)として表した場合に、通常のグリッド密度
は約30〜60(本/cm)である。従って、グリッド
19の縞目の空間周波数は3〜6lp/mmである。こ
れに対して、X線撮影に用いられる半導体センサの画素
のピッチはセンサの有効範囲が大きいことから、通常で
は200〜50μmの範囲にある。従って、センサの分
解能は2.5〜10lp/mmであり、グリッド19の
縞目の空間周波数と近似したものとなり、両者が或る角
度を有して重なると干渉を起こしモアレ縞が発生し、X
線画像を用いた診断において微細な病変を観察する際に
障害となる。
【0014】第2には画像処理上の問題があり、グリッ
ド19の縞目に対して何らかの画像処理を施す場合に、
グリッド19の縞目が画素の並びに対して傾くと、1本
の縞目が何本もの画素のラインを跨ぐことになり、画像
処理を行うライン数が増大し、画像処理に要する時間が
増大する。
【0015】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
半導体画素から成るX線検出手段とグリッドから成る散
乱X線除去手段とを併用しても、良好な画像を効率良く
得ることができるX線画像撮影装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に係る本発明は、X線発生手段から発したX
線を被写体に照射し、被写体を透過したX線分布をセン
サで検出するX線画像撮影装置において、複数の検出素
子を二次元状に配置した検出面を有するX線検出手段
と、該検出手段を内包する筐体と、該筐体に対して着脱
自在に取り付けた散乱X線除去手段と、前記X線検出手
段と前記筐体の前記検出面に垂直な軸周りの相対的回転
位置規制を行う第1の規制手段と、前記散乱X線除去手
段と前記筐体との前記検出面に垂直な軸周りの相対的回
転位置規制を行う第2の規制手段とを有することを特徴
とするX線画像撮影装置である。
【0017】請求項2に係る本発明は、前記散乱X線除
去手段はX線吸収部材を帯状又は格子状に配置した請求
項1に記載のX線画像撮影装置である。
【0018】請求項3に係る本発明は、前記X線検出手
段を平面状の基台に固定した後に、前記筐体に固定する
ようにした請求項1に記載のX線画像撮影装置である。
【0019】請求項4に係る本発明は、前記X線検出手
段と前記基台との前記検出面に垂直な軸周りの相対的回
転位置規制を行う第3の規制手段を有する請求項3に記
載のX線画像撮影装置である。
【0020】請求項5に係る本発明は、前記第1の規制
手段を矩形の前記X線検出手段の角部に配置した請求項
1に記載のX線画像撮影装置である。
【0021】請求項6に係る本発明は、前記第2の規制
手段は前記筐体の側壁部の設けた溝状部分と、前記散乱
X線除去手段に設けた前記溝部に係合する凸部とした請
求項1に記載のX線画像撮影装置である。
【0022】請求項7に係る本発明は、前記第2の規制
手段は、前記筐体に設けたピン穴と、前記散乱X線除去
手段に設け、前記ピン穴に係合するピンとした請求項1
に記載のX線画像撮影装置である。
【0023】請求項8に係る本発明は、前記第2の規制
手段は、前記筐体の第1の基準壁と、前記散乱X線除去
手段に設けた前記基準壁に当接する第2の基準壁と、前
記第1の基準壁に対して前記第2の基準壁を付勢する付
勢手段とした請求項1に記載のX線画像撮影装置であ
る。
【0024】請求項9に係る本発明は、前記散乱X線除
去手段を前記筐体に装着した後に、脱落を阻止するため
の脱落規制手段を有する請求項1に記載のX線画像撮影
装置である。
【0025】請求項10に係る本発明は、前記散乱X線
除去手段は帯状に配置したX線吸収部材をX線源に向か
うように周辺を傾斜した収束グリッドであり、該収束グ
リッドを前記筐体に装着する際に前記収束グリッドの中
心線と前記X線検出手段の中心線とを略一致させるよう
に位置規制する請求項2に記載のX線画像撮影装置であ
る。
【0026】請求項11に係る本発明は、前記X線検出
手段の配列パターンと前記散乱X線除去手段の配列パタ
ーンとの前記検出面に垂直な軸周りの相対的回転位置誤
差を5°以内に位置規制を行う請求項1に記載のX線画
像撮影装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図9に図示の実施
の形態に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施の
形態におけるX線画像撮影装置の縦断面図、図2は図1
のC方向から見た横断面図、図3は図1のD方向から見
たグリッドユニットの平面図を示している。筺体21の
内部にはスペーサ22を介して金属製の基台23が取り
付けられ、この基台23上には半導体素子と化学作用せ
ずに半導体プロセスの温度に耐え、寸法安定性等が必要
なことから、ガラス板により構成された基板24a、半
導体プロセスにより二次元配列的に形成された光電変換
素子24b、金属化合物から成る蛍光体を樹脂板に塗布
した蛍光板24cから成り、接着により一体的に積層さ
れたX線像検出パネル24が設けられている。
【0028】そして、光電変換素子24bはフレキシブ
ル回路板25を介して、基台23の下面に設けられ光電
変換された電気信号を処理するための電子部品26aを
搭載した回路基板26に接続されている。フレキシブル
回路板25は光電変換素子24bからの電気信号を読み
出すための信号線及び制御線を有し、基板24aの外周
に対して複数枚配置されており、各フレキシブル回路板
25は基台23の側方を通り、基台23の裏面に配置さ
れた回路基板26まで引き回されている。
【0029】更に、筐体21はX線透過性を有する筐体
蓋21aにより密閉されている。この筐体蓋21aの上
面には、グリッド取付枠27に取り付けられた散乱X線
除去用グリッド28を有するグリッドユニット29が、
取り外し自在に取り付けられており、グリッド取付枠2
7の中央部にはX線を透過させるための開口部27aが
設けられている。
【0030】グリッドユニット29の位置を規制するた
めに、筺体21の2つの側面には溝部21bが設けられ
ており、これらの溝部21bにはグリッド枠27の突条
部27bが嵌合され、グリッドユニット29は筐体21
に対して、X線像検出パネル24の検出面と垂直方向の
軸周りの回転位置が規制されている。また、筺体21の
内壁の角部には突起部21cが設けられており、この突
起部21cは基台23の角部23aに係合し、基台23
は筐体21に対して、X線像検出パネル24の検出面と
垂直方向の軸周りの回転位置規制がなされている。な
お、溝部21b、突起部21cは所望の許容差内の相対
位置関係で形成されている。
【0031】溝部21bは溝状になっているため、グリ
ッドユニット29が装着されていない状態においても突
起となることがなく、X線撮影時に被験者に触れた場合
でも安全性が確保されている。また、突起部21cは矩
形のX線像検出パネル24の角部付近に配置されている
ので、フレキシブル回路板25の配置に対する障害にな
ることはない。
【0032】X線像検出パネル24の画素の並びに平行
な線24dと、溝部21bの中心線21dとの成す角度
θ1は理想的には0°であり、このようにすることによ
り、各部の誤差を含めても極めて0°に近い所望の角度
内に規制することができる。
【0033】そして、X線像検出パネル24を金属製の
基台23に固定する際には、基台23の寸法基準である
角部23aに対して、光電変換素子24bにおける二次
元的配列パターンが所望の相対位置関係となるように、
図示しない工具で規制される。
【0034】図3において、突条部27bの中心線27
cと散乱X線除去用グリッド28の箔28aとは本来並
行となるべきものであり、これらの成す角度θ2は理想
的には0°である。散乱X線除去用グリッド28とグリ
ッド取付枠27の貼り付け誤差等含めても角度θ2は極
めて0°に近い所望の角度以内になるように、工具等で
位置決めされ結合されている。このような構成とするこ
とにより、X線像検出パネル24の二次元状配列パター
ンと、グリッド28の箔28aの方向は極めて0°に近
い所望の角度以内に固定可能である。
【0035】図4はグリッド28をサンプリングした様
子を模式的に示した説明図である。図4(a)において
Sで示す部分はサンプリング間隔を示し、サンプリング
間隔Sとグリッド28が正確に揃っていれば、縞模様は
安定して観察され、観察者の邪魔にもならず、またフィ
ルタリング等の画像処理でも除去し易い。
【0036】しかしながら、図4(b)に示すようにサ
ンプリング間隔Sに対しグリッド28を傾けると斜め方
向に強い低周波のモアレ縞が観察され、観察者にとって
極めて邪魔な存在となり、フィルタリング等での画像処
理での除去も困難となる。
【0037】図5は空間周波数でのサンプリングの様子
を示したグラフ図である。縦軸に縦方向の周波数を表
し、横軸に横方向の周波数を示しており、周波数fgは
グリッド周波数を表し、周波数fsはサンプリング周波
数を示している。一般に、観察される縞の周波数はサン
プリング周波数の半分であるナイキスト周波数以下であ
り、観察される縞周波数fmはサンプリング周波数fs
との変調になるため、以下の式で計算できる。 fm=|fgn・fg|;fm≦fs/2 (ただし、
nは正の自然数)
【0038】図5(a)の場合においては、グリッド周
波数fgの方がサンプリング周波数fsよりも大きな値
であるため、サンプリング周波数fsに対して点対称な
位置に縞周波数fmの縞が発生する。この場合は、縦方
向の周波数成分は現われることはない。
【0039】しかしながら、図5(b)の場合において
は、グリッド取付角度がθだけ傾いた状態を示してお
り、この場合もサンプリング周波数fsに対して点対称
の位置に縞周波数fmが現われる。この場合の縞周波数
fmの角度は取付角度ではなく、反対方向の更に大きな
角度θ2の角度の縞が現われる。この角度θ2が図4
(b)で観察されたモアレ縞である。種々の実験の結果
から、この取付角度が5°以上であると観察に支障をき
たし、更に画像処理による除去も困難になる。
【0040】本発明の実施の形態においては、X線像検
出パネル24のグリッド28に対する相対角度の変化を
規制することができ、角度誤差を5°以内にして、画像
処理による縞の模様の除去が容易になる。
【0041】図6は第2の実施の形態におけるX線画像
撮影装置の縦断面図を示しており、第1の実施の形態と
同一の部材には同一の符号を付している。筐体31の上
部には、取り外し可能にグリッドユニット32が装着さ
れており、筐体31の上面には位置決め穴31a、31
bに設けられており、位置決め穴31aは円形、位置決
め穴31bは長円形の形状をしている。また、散乱X線
除去用グリッド28はグリッドユニット32のグリッド
取付枠33に固定されており、このグリッド取付枠33
の中央部には開口部33aが設けられている。また、グ
リッド取付枠33の端部には、位置決めピン33b、3
3cが下方に突出されており、前述の位置決め穴31
a、31bにそれぞれ係合するようにされている。
【0042】このような構成とすることにより、第1の
実施の形態と同様に、筐体31とグリッドユニット32
の位置決めを行うことができ、更にグリッドユニット3
2を薄型の形状にすることができる。また、グリッドユ
ニット32が外された状態で使用しても、突出部がない
ので安全である。
【0043】図7は第3の実施の形態におけるX線画像
撮影装置の縦断面図、図8は図7のE方向から見た側面
図を示している。筐体41の側面及び底面には位置決め
溝41a、41bが設けられており、位置決め溝41a
は筐体41の左側面に1個所、位置決め溝41bは筐体
41の右側底面に2個所設けられている。グリッドユニ
ット42の散乱X線除去用グリッド28はグリッド取付
枠43に固定され、このグリッド取付枠43には開口部
43aが設けられている。
【0044】グリッド取付枠43の内壁には凸部43b
が設けられ、この凸部43bは筐体41の位置決め溝4
1aに係止される。また位置決め溝41bには、グリッ
ド取付枠43の一部を折り曲げて形成された係止部43
cが係止されるようになっている。溝41a、41bと
凸部43b、係止部43cの紙面に垂直方向の幅は、そ
れぞれ隙間の少ない所望の寸法に調整されており、筐体
41とグリッド取付枠43の紙面に垂直方向の位置規制
を行う。
【0045】グリッド取付枠43の側面にはスライドノ
ブ44が設けられ、グリッド取付枠43の長穴43dに
沿って、左右方向に移動可能なように固定され、スライ
ドノブ44はロックピン45により固定されている。従
って、スライドノブ44を右方向において固定した状態
で、グリッドユニット42を筐体41に装着した後にス
ライドノブ44を左方向に移動させれば、ロックピン4
5は溝41aに係止し、グリッドユニット42の脱落を
阻止することができる。従って、グリッドユニット42
を誤って落下させ、破損することを防止できる。
【0046】図9は第4の実施の形態におけるX線画像
撮影装置の平面図を示しており、取り外し自在にグリッ
ドユニット51が装着されており、図示しない散乱X線
除去用グリッドはグリッド取付枠52に固定されてい
る。グリッド取付枠52は筐体53の外周を覆うように
されており、筐体53の基準壁53aに、グリッド取付
枠52の内壁に設けられた2個の突起部52aが接触し
ている。グリッド取付枠52の反対側の内壁52bと筐
体53との間の隙間には固定ばね54が配置されてお
り、グリッド取付枠52を筐体53に対して付勢してい
る。このような構成とすることにより、グリッド取付枠
52と筐体53をがたつきなく固定することができる。
【0047】本発明の実施の形態は上記の実施の形態に
限定されることなく、様々な変形例が考えられる。散乱
X線除去用グリッドはX線吸収部材が帯状に配置されて
いる例を述べたが、格子状に配列されたものでもよい。
【0048】散乱X線除去用グリッドは、X線の線源直
下の中心部分では、前述したようにX線吸収部材の箔が
X線像検出パネルの検出面に垂直で、周辺にゆくに従っ
て線源の方向に傾かせた収束グリッドでもよい。この場
合に、収束グリッドの中心線つまりX線源直下の箔と垂
直な部分が、X線像検出パネルの中心と一致するように
位置規制することが望ましい。また、収束グリッドはそ
の中心線に対して線対称であるから、グリッドユニット
を筐体に取り付ける際に、180度回転させた2通りの
方向で同様の位置関係となるように位置規制できる。
【0049】なお、X線検出手段は実施の形態のX線像
検出パネルに限らず、他の型式であってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るX線画
像撮影装置は、X線検出手段とX線散乱線除去用グリッ
ドの位置合わせが簡便な方法で行え、診断上有害となる
モアレ縞の発生を抑制することができる。また、グリッ
ドの像が交差する画像読み取りラインの数が規制される
ので、グリッド除去等を行う画像処理の範囲が減少し、
計算時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の縦断面図である。
【図2】第1の実施の形態の横断面図である。
【図3】第1の実施の形態のグリッドユニットの平面図
である。
【図4】モアレ縞の説明図である。
【図5】空間周波数でのサンプリングの様子のグラフ図
である。
【図6】第2の実施の形態の縦断面図である。
【図7】第3の実施の形態の縦断面図である。
【図8】第3の実施の形態の側面図である。
【図9】第4の実施の形態の平面図である。
【図10】X線画像撮影システムの概略図である。
【図11】従来例のX線撮影装置の縦断面図である。
【図12】従来例のX線撮影装置の横断面図である。
【図13】従来のグリッドユニットの平面図である。
【符号の説明】
21、31、41、53 筐体 23 基台 24 X線像検出パネル 25 フレキシブル回路板 26 回路基板 27、33、43、52 グリッド取付枠 28 X線散乱線除去用グリッド 29、32、42、51 グリッドユニット 44 スライドノブ 45 ロックピン 54 固定ばね

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生手段から発したX線を被写体に
    照射し、被写体を透過したX線分布をセンサで検出する
    X線画像撮影装置において、複数の検出素子を二次元状
    に配置した検出面を有するX線検出手段と、該検出手段
    を内包する筐体と、該筐体に対して着脱自在に取り付け
    た散乱X線除去手段と、前記X線検出手段と前記筐体の
    前記検出面に垂直な軸周りの相対的回転位置規制を行う
    第1の規制手段と、前記散乱X線除去手段と前記筐体と
    の前記検出面に垂直な軸周りの相対的回転位置規制を行
    う第2の規制手段とを有することを特徴とするX線画像
    撮影装置。
  2. 【請求項2】 前記散乱X線除去手段はX線吸収部材を
    帯状又は格子状に配置した請求項1に記載のX線画像撮
    影装置。
  3. 【請求項3】 前記X線検出手段を平面状の基台に固定
    した後に、前記筐体に固定するようにした請求項1に記
    載のX線画像撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記X線検出手段と前記基台との前記検
    出面に垂直な軸周りの相対的回転位置規制を行う第3の
    規制手段を有する請求項3に記載のX線画像撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の規制手段を矩形の前記X線検
    出手段の角部に配置した請求項1に記載のX線画像撮影
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の規制手段は前記筐体の側壁部
    の設けた溝状部分と、前記散乱X線除去手段に設けた前
    記溝部に係合する凸部とした請求項1に記載のX線画像
    撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の規制手段は、前記筐体に設け
    たピン穴と、前記散乱X線除去手段に設け、前記ピン穴
    に係合するピンとした請求項1に記載のX線画像撮影装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第2の規制手段は、前記筐体の第1
    の基準壁と、前記散乱X線除去手段に設けた前記基準壁
    に当接する第2の基準壁と、前記第1の基準壁に対して
    前記第2の基準壁を付勢する付勢手段とした請求項1に
    記載のX線画像撮影装置。
  9. 【請求項9】 前記散乱X線除去手段を前記筐体に装着
    した後に、脱落を阻止するための脱落規制手段を有する
    請求項1に記載のX線画像撮影装置。
  10. 【請求項10】 前記散乱X線除去手段は帯状に配置し
    たX線吸収部材をX線源に向かうように周辺を傾斜した
    収束グリッドであり、該収束グリッドを前記筐体に装着
    する際に前記収束グリッドの中心線と前記X線検出手段
    の中心線とを略一致させるように位置規制する請求項2
    に記載のX線画像撮影装置。
  11. 【請求項11】 前記X線検出手段の配列パターンと前
    記散乱X線除去手段の配列パターンとの前記検出面に垂
    直な軸周りの相対的回転位置誤差を5°以内に位置規制
    を行う請求項1に記載のX線画像撮影装置。
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