JP2002156420A - Lsi検査回路、その設計方法および試験手順作成方法 - Google Patents

Lsi検査回路、その設計方法および試験手順作成方法

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JP2002156420A
JP2002156420A JP2000354107A JP2000354107A JP2002156420A JP 2002156420 A JP2002156420 A JP 2002156420A JP 2000354107 A JP2000354107 A JP 2000354107A JP 2000354107 A JP2000354107 A JP 2000354107A JP 2002156420 A JP2002156420 A JP 2002156420A
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flip
scan
flop
circuit
flops
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Masanobu Morikawa
政伸 森川
Yukio Sugimura
幸夫 杉村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スキャン回路を含むデータ処理システムにお
いて、既存の汎用バス(共有導線;データバス)を利用
してスキャンデータの入出力を行うことにより、回路面
積の増大を抑制する。 【解決手段】 共有導線としてのデータバス40を有す
るデータ処理システムにおいて、データバスに接続され
ているフリップフロップ39を起点としてスキャンチェ
ーン60を構成し、スキャンチェーン内の記憶データの
入出力をデータバスを介して行うため、スキャンテスト
専用の入出力(スキャンイン、スキャンアウト)を必要
とせずにスキャン回路を実現し、スキャン回路設計に伴
う回路面積の増大を抑制する。さらに、組み合わせ回路
に接続されてないフリップフロップ39,48,50,
53はスキャンフリップフロップに置き換えることなく
スキャン回路を実現し、スキャン回路設計に伴う回路面
積の増大を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI検査回路、
LSI検査回路の設計方法およびLSI検査回路の試験
手順作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スキャン回路は、集積回路内部状態の可
観測性、可制御性を得るために用いられる。可観測性、
可制御性を向上させることにより、内部回路の故障の診
断を行うことが容易になる。
【0003】図6の回路に対して、シリアルスキャンチ
ェーン構成によるスキャン回路を挿入した回路を図7に
示す。
【0004】組み合わせ回路1に対して回路が正しく作
られているかを試験するためには、組み合わせ回路1の
入力に対して期待している出力が得られるかを調べれば
よい。組み合わせ回路1の入力に接続されているスキャ
ンフリップフロップ2,3,4,5,6に対して任意に
状態を設定することができ、組み合わせ回路1の出力に
接続されているスキャンフリップフロップ7,8,9,
10の状態を観測することができれば、組み合わせ回路
1の検査を容易に行うことができる。
【0005】フリップフロップおよびスキャン回路を構
成するために用いられるスキャンフリップフロップを図
8に示す。図8(a)に示すフリップフロップ81は通
常のフリップフロップであり、入力82、クロック入力
83、出力84を有する。一方、図8(b)に示すスキ
ャンフリップフロップ85は、入力86、クロック入力
87、出力88に加え、スキャンテスト専用の入力89
およびテストモード制御のためにテストモード信号90
を有する。スキャンフリップフロップ85は、図8
(c)に示すように、通常の入力86かテスト専用の入
力89かの選択をテストモード信号90により切り換え
るセレクタ回路91をフリップフロップ81の入力82
に接続した構成になる。つまり、スキャンフリップフロ
ップは通常のフリップフロップにセレクタ回路を挿入し
た構成になるため、通常の動作とスキャンテスト用の動
作を行うことができる反面、通常のフリップフロップに
比べて回路面積が増大する。
【0006】フリップフロップをスキャンフリップフロ
ップに置き換え、スキャンテスト用の配線を施すことに
より、スキャン回路を構成する。スキャン回路は、回路
内のフリップフロップすべてをスキャンフリップフロッ
プに置き換え、前段のスキャンフリップフロップの出力
を次段のスキャンフリップフロップのテスト専用の入力
に接続する構成をしている。このようなスキャンフリッ
プフロップの接続をスキャンチェーンと呼ぶ。スキャン
チェーン内のスキャンフリップフロップの動作クロック
は共通であり、スキャンチェーンの先頭のスキャンフリ
ップフロップに状態が入力されると同時に、スキャンチ
ェーン内のスキャンフリップフロップの状態は次段のス
キャンフリップフロップにシフトする。
【0007】スキャンフリップフロップ2のテスト専用
入力はスキャンテスト入力として用い、スキャンイン1
1と呼ぶ。スキャンフリップフロップ2の出力は、組み
合わせ回路1とスキャンフリップフロップ3のテスト専
用入力に接続されている。
【0008】スキャンフリップフロップ3の出力は、組
み合わせ回路1とスキャンフリップフロップ4のテスト
専用入力に接続されている。
【0009】スキャンフリップフロップ4の出力は、組
み合わせ回路1とスキャンフリップフロップ5のテスト
専用入力に接続されている。
【0010】スキャンフリップフロップ5の出力は、組
み合わせ回路1とスキャンフリップフロップ6のテスト
専用入力に接続されている。
【0011】スキャンフリップフロップ6の出力は、組
み合わせ回路1とスキャンフリップフロップ7のテスト
専用入力に接続されている。
【0012】スキャンフリップフロップ7の通常入力に
は組み合わせ回路1の出力が接続され、出力にはスキャ
ンフリップフロップ8のテスト専用入力が接続されてい
る。
【0013】スキャンフリップフロップ8の通常入力に
は組み合わせ回路1の出力が接続され、出力にはスキャ
ンフリップフロップ9のテスト専用入力が接続されてい
る。
【0014】スキャンフリップフロップ9の通常入力に
は組み合わせ回路1の出力が接続され、出力にはスキャ
ンフリップフロップ10のテスト専用入力が接続されて
いる。
【0015】スキャンフリップフロップ10の通常入力
には組み合わせ回路1の出力が接続され、出力はスキャ
ンテスト出力として用い、スキャンアウト12と呼ぶ。
【0016】以上のように、スキャンフリップフロップ
2,3,4,5,6,7,8,9,10はスキャンチェ
ーン13を構成している。
【0017】いま、組み合わせ回路1の試験を行うとす
る。スキャンチェーン13を用いて、組み合わせ回路1
の入力側を設定する。まず、スキャンチェーン13内の
スキャンフリップフロップのテストモード(SE)をす
べて高論理にして、テスト専用入力を有効にする。スキ
ャンチェーン13の内部状態を設定するためには、スキ
ャンイン11から、内部状態を決定する信号をシーケン
シャルに入力していく。スキャンフリップフロップ2に
状態1、スキャンフリップフロップ3に状態0、スキャ
ンフリップフロップ4に状態0、スキャンフリップフロ
ップ5に状態1、スキャンフリップフロップ6に状態1
を設定するとする。スキャンチェーン13はシフトレジ
スタの構成をしているので、スキャンチェーン13の後
尾(フリップフロップ5の側)の状態から入力し、順に
1,1,0,0,1をスキャンイン11へ入力してい
く。
【0018】スキャンチェーン13内の状態の設定を終
えるとテストモードを解除して、スキャンフリップフロ
ップを通常のフリップフロップとして動作させる。この
とき、組み合わせ回路1の出力は、出力側に接続されて
いるスキャンフリップフロップ7,8,9,10に記憶
される。
【0019】いま、スキャンフリップフロップ7に状態
1、スキャンフリップフロップ8に状態1、スキャンフ
リップフロップ9に状態0、スキャンフリップフロップ
10に状態0が記憶されたとする。
【0020】再びテストモードに設定し、内部状態の設
定時と同様にスキャンチェーン内の状態をシフトさせ
る。シフトさせる度に、スキャンチェーンの最後尾のス
キャンフリップフロップ10からスキャンアウト12へ
組み合わせ回路1の出力結果がシーケンシャルに出力さ
れる。スキャンチェーン13の最後尾の状態から出力さ
れ、0,0,1,1と出力される。
【0021】あらかじめ、組み合わせ回路1に対する入
力パターンから得られる正しい出力結果を用意してお
き、スキャンテストの出力結果と比較することにより、
組み合わせ回路1が正しく動作しているかを試験するこ
とができる。用意した正しい出力結果とスキャンテスト
の出力結果が異なっているならば、組み合わせ回路1が
故障していることが分かる。
【0022】以上のように、スキャン回路設計は、回路
内部のフリップフロップを任意に設定できる機能と組み
合わせ回路の出力を外部に出力する機能を提供し、回路
の試験を行うことを容易にする。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、フリップフロップをスキャンフリップフ
ロップに置き換える必要があり、またスキャンデータ伝
達用の配線を多く必要とするため、回路面積が増大する
という問題があった。
【0024】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、既存回路構成を利用したスキャンデータ入出力を行
うLSI検査回路を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のLSI検査回路は、次のような手段を講じ
る。すなわち、共有導線からのデータ取り込みと前記共
有導線へのデータ出力を行う複数のフリップフロップ
と、前記複数のフリップフロップから特定のフリップフ
ロップを選択する選択手段とを備え、前記選択手段によ
り前記フリップフロップがデータ取り込みまたはデータ
出力を行うか行わないかを決定するデータ処理システム
において、スキャン回路設計を行う際に、前記共有導線
に接続されているフリップフロップを起点としてスキャ
ンチェーンを構成し、前記スキャンチェーン内の記憶デ
ータの入出力を前記共有導線を介して行うように構成し
てあることを特徴とする。
【0026】本発明のこの構成によると、共有導線を用
いてスキャンチェーンのデータ取り込みとデータ出力を
行うことにより、専用のスキャンイン、スキャンアウト
を必要としないので、スキャン回路設計に伴う回路面積
の増大を抑制することができる。
【0027】さらに、共有導線を介してスキャンデータ
の入出力を行うことにより、次の条件を満たすフリップ
フロップはスキャンフリップフロップに置き換えずにス
キャン回路の機能を実現する。
【0028】あるフリップフロップにおいて、入力が共
有導線のみに接続されている場合、組み合わせ回路の出
力を記憶することがないので、スキャンテスト時におい
て状態を観測する必要がない。また、あるフリップフロ
ップにおいて、出力が共有導線のみに接続されている場
合、組み合わせ回路に対して入力を行わないため、スキ
ャンテスト時において状態を制御する必要がない。スキ
ャン回路を構成する上で、制御または観測を必要としな
いフリップフロップはスキャンフリップフロップに置き
換えないことにより、スキャンフリップフロップに変更
する際に生じる回路面積の増大を抑制することができ
る。
【0029】また、共有導線に接続されているフリップ
フロップをスキャンチェーンの先頭としてスキャンチェ
ーンを構成してスキャンチェーンを複数本構成した場合
でも、複数のフリップフロップから特定のフリップフロ
ップを選択する選択手段を利用してどのスキャンチェー
ンを動作させるかの選択を容易に行うことができるの
で、局所的なスキャンテストの実現が容易になる。
【0030】さらに、本発明のLSI検査回路に適用す
る試験手順作成方法は、まず、スキャンチェーンの構成
をしたフリップフロップとスキャンフリップフロップ
と、スキャンチェーンの構成をしていないフリップフロ
ップすべてが可制御かつ可観測であるとする。フリップ
フロップに対する設定値および期待値をATPG(オー
ト・テスト・パターン・ジェネレータ)などにより求め
る。ATPGなどの結果から求めた設定値または期待値
の情報に、スキャンチェーンを構成しているフリップフ
ロップとスキャンフリップフロップの場合はスキャンチ
ェーンの接続情報を付加することにより、スキャンチェ
ーンを介して値の設定および期待値の読み出しを行う。
スキャンチェーンの構成をしていないフリップフロップ
の場合は、特定のフリップフロップを選択するための情
報を付加することにより、前記共有導線を介して値の設
定および期待値の読み出しを行う。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、本発明のスキャン回路設計
において、あるフリップフロップをスキャンフリップフ
ロップに置き換えるか、置き換えなくてもよいかを判別
する方法について述べる。
【0032】図6は、共有導線よりデータ取り込みと前
記共有導線へのデータ出力を行う複数のフリップフロッ
プ、前記複数のフリップフロップから特定のフリップフ
ロップを選択する選択手段を有し、前記選択手段によ
り、前記フリップフロップがデータ取り込みまたはデー
タ出力を行うか、行わないが決定されるデータ処理シス
テムの例である。
【0033】以下において、リードイネーブルをREと
略記し、ライトイネーブルをWEと略記する。
【0034】特定フリップフロップの選択手段であるア
ドレスデコーダ31は、アドレスバス32の信号の状態
に従って、RE33aおよびWE33bを、RE34a
およびWE34bと、RE35aおよびWE35bと、
RE36aおよびWE36bと、RE37aおよびWE
37bと、RE38aおよびWE38bとに割り振る機
能を有する。
【0035】フリップフロップ39は、共有導線である
データバス40を入力とするフリップフロップである。
フリップフロップ39の信号取り込みタイミングを決定
するクロックは、WE34bとシステムクロック41を
入力とするAND回路42の出力である。WE34bが
高論理のときは、システムクロック41がフリップフロ
ップ39のクロックになる。WE34bが低論理のとき
は、フリップフロップ39にクロックは入力されない。
WE34bが高論理かつシステムクロック41が立ち上
がると、フリップフロップ39はデータバス40の状態
を記憶する。フリップフロップ39の出力側には、組み
合わせ回路43の入力側と3状態バッファ44が接続さ
れている。
【0036】図6においては、3状態バッファ44はR
E34aを制御信号としている。3状態バッファは、制
御信号が高論理のとき入力側と出力側を導通し、低論理
のときは導通しない。RE34aが高論理になると3状
態バッファ44は導通状態になる。このとき、フリップ
フロップ39の出力はデータバス40へ伝達される。
【0037】図6において、フリップフロップ45,4
6は組み合わせ回路47の出力を入力とするフリップフ
ロップである。フリップフロップ45,46の出力側に
は組み合わせ回路43の入力側が接続されている。フリ
ップフロップ45,46の信号取り込みタイミングを決
定するクロックは、システムクロック41である。
【0038】フリップフロップ48はデータバス40を
入力とするフリップフロップである。フリップフロップ
48の信号取り込みタイミングを決定するクロックは、
WE35bとシステムクロック41を入力とするAND
回路49の出力である。WE35bが高論理のときは、
システムクロック41がフリップフロップ48のクロッ
クになる。WE35bが低論理のときは、フリップフロ
ップ48にクロックは入力されない。WE35bが高論
理かつシステムクロック41が立ち上がると、フリップ
フロップ48はデータバス40の状態を記憶する。フリ
ップフロップ48の出力側には組み合わせ回路43の入
力側が接続されている。
【0039】フリップフロップ50はデータバス40を
入力とするフリップフロップである。フリップフロップ
50の信号取り込みタイミングを決定するクロックは、
WE36bとシステムクロック41を入力とするAND
回路51の出力である。WE36bが高論理のときは、
システムクロック41がフリップフロップ50のクロッ
クになる。WE36bが低論理のときは、フリップフロ
ップ50にクロックは入力されない。WE36bが高論
理かつシステムクロック41が立ち上がると、フリップ
フロップ50はデータバス40の状態を記憶する。フリ
ップフロップ50の出力側には、組み合わせ回路43の
入力側と3状態バッファ52が接続されている。
【0040】3状態バッファ52はRE36aを制御信
号としている。RE36aが高論理になると3状態バッ
ファ52は導通状態になる。このとき、フリップフロッ
プ50の出力はデータバス40へ伝達される。
【0041】フリップフロップ53は組み合わせ回路4
3の出力を入力とするフリップフロップである。フリッ
プフロップ53の出力側には3状態バッファ54が接続
されている。フリップフロップ53の信号取り込みタイ
ミングを決定するクロックは、システムクロック41で
ある。
【0042】3状態バッファ54はRE37aを制御信
号としている。RE37aが高論理になると3状態バッ
ファ54は導通状態になる。このとき、フリップフロッ
プ53の出力はデータバス40へ伝達される。
【0043】図6において、フリップフロップ55は組
み合わせ回路43の出力を入力とするフリップフロップ
である。フリップフロップ55の出力側には組み合わせ
回路56と3状態バッファ57が接続されている。フリ
ップフロップ55の信号取り込みタイミングを決定する
クロックは、システムクロック41である。
【0044】3状態バッファ57はRE38aを制御信
号としている。RE38aが高論理になると3状態バッ
ファ57は導通状態になる。このとき、フリップフロッ
プ55aの出力はデータバス40へ伝達される。
【0045】図6において、フリップフロップ58,5
9は組み合わせ回路43の出力を入力とするフリップフ
ロップである。フリップフロップ58,59の出力側に
は組み合わせ回路56が接続されている。フリップフロ
ップ58,59の信号取り込みタイミングを決定するク
ロックは、システムクロック41である。
【0046】次に、本発明によるスキャン回路設計手順
について説明する。
【0047】回路配線情報を用いて、各フリップフロッ
プの入力側の配線を調べ、その配線に接続されている要
素をすべて挙げる。
【0048】バッファ、インバータなど1入力の要素が
接続されている場合は、その入力側の配線をさらに辿
る。3状態バッファの場合は、3状態バッファの制御信
号がそのフリップフロップのアドレスに対応するWE信
号、RE信号であるならば、その入力側の配線をさらに
辿る。AND回路やOR回路など2入力以上の要素の出
力に至るならば、そのフリップフロップはスキャンフリ
ップフロップにする必要があると判断する。データバス
40にしか至らなければ、そのフリップフロップはスキ
ャンフリップフロップにする必要がないと判断する。
【0049】さらに、各フリップフロップの出力側の配
線を調べ、その配線に接続されている要素をすべて挙げ
る。
【0050】バッファ、インバータなど1入力の要素が
接続されている場合は、その出力側の配線をさらに辿
る。3状態バッファの場合は、3状態バッファの制御信
号がそのフリップフロップのアドレスに対応するWE信
号、RE信号であるならば、その出力側の配線をさらに
辿る。AND回路やOR回路など2入力以上の要素の入
力に至るならば、そのフリップフロップはスキャンフリ
ップフロップにする必要があると判断する。データバス
40にしか至らなければ、そのフリップフロップはスキ
ャンフリップフロップにする必要がないと判断する。
【0051】図6においてこの判別方法を用いると、フ
リップフロップ45,46,58,59においては、入
力側に組み合わせ回路が存在し、出力側にも組み合わせ
回路が存在するため、フリップフロップ45,46,5
8,59はスキャンフリップフロップに置き換える必要
があると判断する。これが図1においては、スキャンフ
リップフロップ45a,46a,58a,59aとされ
ている。
【0052】フリップフロップ39,48,50は、出
力側に組み合わせ回路が存在する。しかし、入力側はデ
ータバス40にのみ接続されているため、スキャンフリ
ップフロップに置き換える必要がないと判断する。
【0053】フリップフロップ53は入力側に組み合わ
せ回路が存在する。出力側はRE37aに制御される3
状態バッファ54を介してデータバス40にのみ接続さ
れている。よって、スキャンフリップフロップに置き換
える必要がないと判断する。
【0054】フリップフロップ55は入力側に組み合わ
せ回路が存在する。出力側はRE38aに制御される3
状態バッファ57を介してデータバス40に接続され、
さらに組み合わせ回路56にも接続されている。よっ
て、スキャンフリップフロップに置き換える必要がある
と判断する。これが図1においては、スキャンフリップ
フロップ55aとされている。
【0055】スキャンフリップフロップに置き換えたフ
リップフロップは、適切な方法を用いて、スキャンフリ
ップフロップに置き換えなかったフリップフロップを先
頭としてスキャンチェーンを構成する。
【0056】図1に、本発明のスキャン回路を示す。図
1は、フリップフロップ45,46,55,58,59
をスキャンフリップフロップ45a,46a,55a,
58a,59aに置き換え、フリップフロップ39を先
頭としてスキャンチェーン60を構成した例である。す
べてのスキャンフリップフロップのテストモードにはテ
ストモード信号63を接続する。さらに、スキャン回路
として動作させるためにスキャンチェーンに関する入出
力およびクロックを次のように構成する。
【0057】スキャンチェーン60のシフトタイミング
を決定するクロックは、フリップフロップ39の入力ク
ロックと同様のクロックにする。OR回路61およびA
ND回路62を挿入し、テストモード信号63が高論理
のときには、スキャンフリップフロップ45a、スキャ
ンフリップフロップ46a、スキャンフリップフロップ
55a、スキャンフリップフロップ58a、スキャンフ
リップフロップ59aの入力クロックをフリップフロッ
プ39の入力クロックと同様のクロックにする。テスト
モード信号63が低論理のとき、スキャンフリップフロ
ップ45a,46a,55a,58a,59aの入力ク
ロックはシステムクロック41になり、通常動作にな
る。
【0058】スキャンアウトに相当する部分をスキャン
チェーン60の最後尾に構成する。スキャンチェーン6
0の最後尾のスキャンフリップフロップ59aの出力に
3状態バッファ64を接続し、3状態バッファ64の出
力にデータバス40を接続する。3状態バッファ64は
制御信号にAND回路65の出力を持つ。AND回路6
5は入力にテストモード信号63とRE34aを持ち、
テストモード信号63が高論理かつRE34aが高論理
のとき、3状態バッファ64を導通状態にする。このと
き、スキャンチェーン60の最後尾のスキャンフリップ
フロップ59aの出力をデータバス40へ伝える。テス
トモード信号63が低論理のときはスキャンフリップフ
ロップ59aの出力をデータバス40に出力しない。
【0059】一方、スキャンチェーン60の先頭のフリ
ップフロップ39が状態をデータバス40へ出力する機
能を有する場合は、テストモードのときにはデータバス
40への出力を無効にする必要がある。図1では、先頭
のフリップフロップ39は3状態バッファ44を介して
データバス40へ状態を出力する機能を有する。そこ
で、3状態バッファ44の制御信号にAND回路66の
出力を用いる。AND回路66の入力側の一方は反転機
能を持ち、テストモード信号63が低論理のとき、RE
34aが高論理になると3状態バッファ44は導通状態
になる。このとき、先頭のフリップフロップ39の出力
はデータバス40へ伝達される。テストモード信号63
が高論理のとき、先頭のフリップフロップ39の出力は
データバス40に伝達されない。
【0060】次に、本発明のLSI検査回路に適用する
試験手順作成方法について述べる。試験手順作成手順を
図2に示す。
【0061】手順111では、本発明のLSI検査回路
内の組み合わせ回路の入力側および出力側のすべてのフ
リップフロップが可制御かつ可観測である状態を設定す
る。
【0062】いま、本発明のLSI検査回路である図1
のすべてのフリップフロップ、スキャンフリップフロッ
プを仮に従来技術と同様にシリアルスキャンチェーンで
構成した場合の回路が図7の回路に相当するとする。
【0063】図7の組み合わせ回路1と図1の組み合わ
せ回路43は同様のものであり、組み合わせ回路1およ
び組み合わせ回路43の入力側、出力側のフリップフロ
ップは同様に接続されているとする。
【0064】図7のように、LSI検査回路内の組み合
わせ回路の入力側および出力側のフリップフロップをす
べてスキャンフリップフロップに置き換えてシリアルス
キャンチェーンを構成することにより、本発明のLSI
検査回路内の組み合わせ回路の入力側および出力側のす
べてのフリップフロップが可制御かつ可観測であるよう
に設定する。
【0065】このように手順111において、組み合わ
せ回路の入力側および出力側のすべてのフリップフロッ
プが可制御かつ可観測であると設定した回路に対してA
TPGを実行する。
【0066】図7のシリアルスキャンチェーンによるス
キャン回路をATPGした結果、図4のATPGが作成
したテストパターン92が得られたとする。なお、図7
のシリアルスキャンチェーン回路は一般的なものであ
り、多くのATPGの手法が提案されている。
【0067】手順112において、ATPGが作成した
テストパターン92を用いてスキャンフリップフロップ
にセットされた状態を再現する。ATPGが作成したテ
ストパターン92の入力パターンが入力されたときにセ
ットされるフリップフロップの状態を再現し、さらにA
TPGが作成したテストパターン92の期待値パターン
に対応するフリップフロップの期待値を再現する。
【0068】図7においてATPGを行った結果、ある
テストパターンにおいて、フリップフロップ2に状態
1、フリップフロップ3に状態1、フリップフロップ4
に状態0、フリップフロップ5に状態1、フリップフロ
ップ6に状態0、フリップフロップ7に期待値L、フリ
ップフロップ8に期待値H、フリップフロップ9に期待
値L、フリップフロップ10に期待値Lがセットされた
状態が得られたとする。ここで、期待値Hは組み合わせ
回路の出力の結果に状態1が期待されていることを示
す。期待値Lは組み合わせ回路の出力の結果に状態0が
期待されていることを示す。
【0069】この状態および期待値を、本発明のLSI
検査回路である図1において同様に再現する。図7のそ
れぞれフリップフロップに対応する図1のフリップフロ
ップに同様の状態および期待値を再現したものが図3で
ある。
【0070】図3では、組み合わせ回路43の入力側に
おいて、スキャンチェーン60の先頭のフリップフロッ
プ39に状態1が設定され、スキャンフリップフロップ
45aに状態1が設定され、スキャンフリップフロップ
46aに状態0が設定され、フリップフロップ48に状
態1が設定され、フリップフロップ50に状態0が設定
されている。また、組み合わせ回路43の出力側におい
て、フリップフロップ53に期待値Lが設定され、スキ
ャンフリップフロップ55aに期待値Hが設定され、ス
キャンフリップフロップ58aに期待値Lが設定され、
スキャンフリップフロップ59aに期待値Lが設定され
ている。
【0071】また、図3では、スキャンチェーン60の
先頭のフリップフロップ39のアドレス0001、フリ
ップフロップ48のアドレス0010、フリップフロッ
プ50のアドレス0011、フリップフロップ53のア
ドレス0111、スキャンフリップフロップ55aのア
ドレス1000が示されている。
【0072】手順112の結果を用いて、本発明のLS
I検査回路のテストパターンを作成する手順を説明す
る。本発明のLSI検査回路のテストパターンでは、入
力パターンを格納するために状態部とアドレス部を組と
するリストを用い、これを入力リストと呼ぶ。また、期
待値パターンを格納するために期待値部とアドレス部を
組とするリストを用い、これを期待値リストと呼ぶ。図
4に入力リスト93と期待値リスト94を示す。
【0073】まず、スキャンチェーン構成に属さないフ
リップフロップに対してテストパターンを作成する手順
113aを説明する。そのフリップフロップの状態を調
べ、期待値の場合は期待値リスト94における期待値部
にその期待値を格納し、アドレス部にはそのフリップフ
ロップに対応するアドレスを格納する。状態の場合は入
力リスト93ににおける状態部にその状態を格納し、ア
ドレス部にはそのフリップフロップに対応するアドレス
を格納する。
【0074】次に、スキャンチェーン構成をしているス
キャンフリップフロップに対してテストパターンを作成
する手順113bを説明する。スキャンチェーン60の
最も深い位置にあるフリップフロップからスキャンチェ
ーンの先頭に向かって順に状態を調べていく。期待値の
場合は、期待値リスト94の期待値部にその期待値を格
納し、アドレス部にはそのスキャンチェーン60の先頭
のフリップフロップ39に対応するアドレスを格納す
る。状態の場合は、入力リスト93の状態部にその状態
を格納し、入力リスト93のアドレス部にそのスキャン
チェーン60の先頭フリップフロップ39に対応するア
ドレスを格納する。
【0075】まず、スキャンチェーン構成をしているフ
リップフロップ、スキャンフリップフロップに対するテ
ストパターンを作成するとする。スキャンチェーン60
に対して、スキャンチェーン60の最後尾のスキャンフ
リップフロップ59aからスキャンチェーンの先頭に向
かってテストパターンを作成していく。
【0076】スキャンフリップフロップ59aは期待値
Lが割り当てられているので、期待値リスト94の期待
値部に「L」、アドレス部にスキャンチェーン60の先
頭フリップフロップ39のアドレス「0001」を格納
する。
【0077】次のスキャンフリップフロップ58aは期
待値Lが割り当てられているので、期待値リスト94の
期待値部に「L」、アドレス部にスキャンチェーン60
の先頭フリップフロップ39のアドレス「0001」を
格納する。
【0078】次のスキャンフリップフロップ55aは期
待値Hが割り当てられているので、期待値リスト94の
期待値部に「H」、アドレス部にスキャンチェーン60
の先頭フリップフロップ39のアドレス「0001」を
格納する。
【0079】次のスキャンフリップフロップ46aは状
態0が割り当てられているので、入力リスト93の状態
部に「0」、アドレス部にスキャンチェーン60の先頭
フリップフロップ39のアドレス「0001」を格納す
る。
【0080】次のスキャンフリップフロップ45aは状
態1が割り当てられているので、入力リスト93の状態
部に「1」、アドレス部にスキャンチェーン60の先頭
フリップフロップ39のアドレス「0001」を格納す
る。
【0081】次のフリップフロップ39は状態1が割り
当てられているので、入力リスト93の状態部に
「1」、アドレス部にスキャンチェーン60の先頭フリ
ップフロップ39のアドレス「0001」を格納する。
【0082】以上のように、スキャンチェーン構成をし
ている部分のテストパターンが作成される。
【0083】次に、スキャンチェーン構成をしていない
フリップフロップに対してテストパターンを作成する。
【0084】フリップフロップ48には状態1が割り当
てられているので、入力リスト93の状態部に「1」、
アドレス部にフリップフロップ48のアドレス「001
0」を格納する。
【0085】フリップフロップ50には状態0が割り当
てられているので、入力リスト93の状態部に「0」、
アドレス部にフリップフロップ50のアドレス「001
1」を格納する。
【0086】フリップフロップ53には期待値Lが割り
当てられているので、期待値リスト94の期待値部に
「L」、アドレス部にフリップフロップ53のアドレス
「0111」を格納する。
【0087】以上の結果、図4に示すように、シリアル
スキャンチェーンに対するATPG結果から入力リスト
93および期待値リスト94が作成される。
【0088】手順114において、すべてのフリップフ
ロップもしくはスキャンフリップフロップについて、入
力リスト93、期待値リスト94への格納が完了したな
らば、テストパターンの作成が完了する。
【0089】手順115において、次のテストパターン
が存在する場合は手順112から繰り返す。
【0090】検査時には、入力リスト93を用いて各フ
リップフロップおよびスキャンフリップフロップの状態
をセットし、期待値リスト94を用いて各フリップフロ
ップおよびスキャンフリップフロップに正しい値が出力
されているか比較をすることにより故障の判断ができ
る。
【0091】次に、以上の手法によって設計した本発明
のLSI検査回路において検査を行う方法を説明する。
その手順を図5に示す。
【0092】まず、手順101においてテストモード信
号63を高論理にしてテストモードに設定する。
【0093】手順102〜104の書き込み動作につい
て説明する。手順102において、入力リスト93を先
頭から読み、アドレス部の値をアドレスバス32にセッ
トする。状態部の値をデータバス40にセットする。次
に、WE33bを高論理にする。アドレスデコーダ31
を通じて、セットされたアドレスに対応するWE(ライ
トイネーブル)が高論理になる。アドレスが指すフリッ
プフロップがスキャンチェーンの先頭でない場合は手順
103aを行い、スキャンチェーンの先頭の場合は手順
103bが行われる。手順103a、手順103bの外
部操作は同様であり、内部動作が異なることに注意され
たい。
【0094】アドレスバス32のアドレスがフリップフ
ロップ48に対応している場合を説明する。フリップフ
ロップ48はスキャンチェーンの先頭ではないので手順
103aが行われる。WE33bはアドレスデコーダ3
1を通じてWE35bに伝えられ、WE35bが高論理
になる。システムクロック41が立ち上がると、AND
回路49を通じてフリップフロップ48にクロックが入
力され、フリップフロップ48はデータバス40からテ
ストデータを取り込み、記憶する。
【0095】アドレスバス32のアドレスが先頭のフリ
ップフロップ39に対応している場合を説明する。先頭
のフリップフロップ39はスキャンチェーンの先頭であ
るので、手順103bが行われる。WE33bはアドレ
スデコーダ31を通じてWE34bに伝えられ、WE3
4bが高論理になる。システムクロック41が立ち上が
ると、AND回路42を通じて先頭のフリップフロップ
39にクロックが入力され、先頭のフリップフロップ3
9はデータバス40から信号を取り込み、記憶する。同
時にスキャンチェーン60内のスキャンフリップフロッ
プ45a,46a,55a,58a,59aにもOR回
路61、AND回路62を通じてクロックが入力され、
スキャンフリップフロップ45aは先頭のフリップフロ
ップ39の状態を記憶し、スキャンフリップフロップ4
6a,55a,58a,59aも前段のスキャンフリッ
プフロップの状態を記憶する。以上のように、WE信号
とシステムクロックによって、データバス40からテス
トデータを取り込み、かつスキャンチェーン内の記憶状
態がシフトする。
【0096】手順104では、WE33bを低論理にす
る。さらに他のフリップフロップにスキャンデータを書
き込む場合は、手順102〜手順104を繰り返す。目
的の組み合わせ回路を試験するのに必要なスキャンチェ
ーンおよびフリップフロップのすべてにデータを書き込
み終えたならば、手順105を行う。
【0097】いま、入力リスト93を用いてフリップフ
ロップにスキャンデータを書き込むとすると、手順10
2〜104によって次のように各フリップフロップ、ス
キャンフリップフロップに値が記憶される。
【0098】アドレス「0001」、状態「0」が与え
られ、スキャンチェーン60の先頭のフリップフロップ
39に状態0がセットされる。
【0099】次の値はアドレス「0001」、状態
「1」であり、スキャンチェーン60の先頭フリップフ
ロップ39に状態1がセットされると同時に、スキャン
チェーン60内の状態がシフトして、スキャンフリップ
フロップ45aは先頭のフリップフロップ39の値を記
憶して状態0がセットされる。
【0100】次の値はアドレス「0001」、状態
「1」であり、スキャンチェーン60の先頭フリップフ
ロップ39に状態1がセットされると同時に、スキャン
チェーン60内の状態がシフトして、スキャンフリップ
フロップ45aは先頭のフリップフロップ39の値を記
憶して状態1がセットされる。スキャンフリップフロッ
プ46aはスキャンフリップフロップ45aの値を記憶
して状態0がセットされる。
【0101】次の値はアドレス「0010」、状態
「1」であり、フリップフロップ48に状態1が記憶さ
れる。
【0102】次の値はアドレス「0011」、状態
「0」であり、フリップフロップ50に状態0が記憶さ
れる。
【0103】手順105では、回路を動作させるために
テストモードを解除し、システムクロック41を入力す
る。テストモードでないときにシステムクロック41が
入力されると、スキャンチェーン60に書き込まれたデ
ータに従って組み合わせ回路43は出力を行い、組み合
わせ回路43の出力側を入力とするフリップフロップは
出力結果を記憶する。テストモード信号63を低論理に
してシステムクロック41が立ち上がると、フリップフ
ロップ53およびスキャンフリップフロップ55a,5
8a,59aは組み合わせ回路43の出力を記憶する。
【0104】手順106では、組み合わせ回路43の出
力結果を読み出す。再びテストモードに設定する。テス
トモード信号63を高論理にする。期待値リスト94の
アドレス部の値をアドレスバス32にセットする。次
に、RE33aを高論理にする。アドレスデコーダ31
を通じて、セットされたアドレスに対応するRE(リー
ドイネーブル)が高論理になる。アドレスが指すフリッ
プフロップがスキャンチェーンの先頭でない場合は手順
107aを行い、スキャンチェーンの先頭の場合は手順
107bを行う。
【0105】アドレスバス32のアドレスがフリップフ
ロップ53に対応している場合を説明する。フリップフ
ロップ53はスキャンチェーンの先頭ではないので手順
107aが行われる。RE33aはアドレスデコーダ3
1を通じてRE37aに伝えられ、RE37aが高論理
になる。3状態バッファ54が導通状態になり、フリッ
プフロップ53が記憶している状態をデータバス40に
伝達する。さらに、データバス40からインターフェー
ス回路を通じて外部端子にデータを伝達し、データを読
み出すことができる。
【0106】アドレスバス32のアドレスがフリップフ
ロップ39に対応している場合を説明する。フリップフ
ロップ39はスキャンチェーンの先頭であるので、手順
107bが行われる。RE33aはアドレスデコーダ3
1を通じてRE34aに伝えられ、RE34aが高論理
になる。いまテストモード信号63は高論理なので、3
状態バッファ44は導通状態にはならず、3状態バッフ
ァ64は導通状態になり、最後尾のスキャンフリップフ
ロップ59aが記憶している値をデータバス40に伝達
する。さらに、データバス40からインターフェース回
路を通じて外部端子にデータを伝達し、データを読み出
すことができる。手順107bでは、さらに手順107
cを行う。
【0107】手順107cでは、スキャンチェーン内の
記憶データをシフトさせる。スキャンチェーン60内の
記憶データをシフトさせるために、セットしているアド
レスはそのままで、RE33aを低論理にしてWE33
bを高論理にする。WE33bはアドレスデコーダ31
を通じてWE34bに伝えられ、WE34bを高論理に
することによって、システムクロック41が立ち上がる
とスキャンチェーン60内の記憶データがシフトする。
WE33bを高論理にする前にデータバス40にスキャ
ンチェーン60に対する次のスキャンデータをセットし
ておけば、シフト動作と書き込み動作を兼用することが
可能である。次のスキャンデータがない場合は、データ
バス40にはダミーの値をセットしておく。
【0108】次いで、手順108で、読み出した状態と
あらかじめ用意しておいた期待値リスト94の期待値と
を比較し、異なっている場合は組み合わせ回路43内に
故障があると判断できる。
【0109】手順109では、さらにスキャンデータを
読み出す必要があるときには手順106に戻り、スキャ
ンデータの読み出しが終了したならば、手順110を行
う。
【0110】いま、期待値リスト94を用いて読み出さ
れたスキャンデータと比較を行うとすると、手順106
〜108によって次のように各フリップフロップ、スキ
ャンフリップフロップから値を読み出し、比較を行う。
【0111】アドレス「0001」、期待値「L」が与
えられ、手順107bによってスキャンチェーン60の
最後尾のスキャンフリップフロップ59aの状態を読み
出し、期待値Lと比較する。さらに手順107cによっ
て、次のスキャンチェーン60に対する入力パターンか
ダミーパターンが先頭のフリップフロップ39にセット
され、スキャンチェーン60内の状態がシフトする。そ
の結果、スキャンフリップフロップ58aの状態は最後
尾のスキャンフリップフロップ59aに記憶され、スキ
ャンフリップフロップ55aの状態はスキャンフリップ
フロップ58aに記憶される。
【0112】次に、アドレス「0001」、期待値
「L」が与えられ、手順107bによってスキャンチェ
ーン60の最後尾のスキャンフリップフロップ59aの
状態(組み合わせ回路43からスキャンフリップフロッ
プ58aに出力された結果)を読み出し、期待値Lと比
較する。さらに手順107cによって、次のスキャンチ
ェーン60に対する入力パターンかダミーパターンが先
頭のフリップフロップ39にセットされ、スキャンチェ
ーン60内の状態がシフトする。その結果、スキャンフ
リップフロップ55aの状態は最後尾のスキャンフリッ
プフロップ59aに記憶される。
【0113】次に、アドレス「0001」、期待値
「H」が与えられ、手順107bによってスキャンチェ
ーン60の最後尾のスキャンフリップフロップ59aの
状態(組み合わせ回路43からスキャンフリップフロッ
プ55aに出力された結果)を読み出し、期待値Hと比
較する。さらに手順107cによって、次のスキャンチ
ェーン60に対する入力パターンかダミーパターンが先
頭のフリップフロップ39にセットされ、スキャンチェ
ーン60内の状態がシフトする。
【0114】次に、アドレス「0111」、期待値
「L」が与えられ、フリップフロップ53の状態を3状
態バッファ54を介して読み出し、期待値Lと比較す
る。
【0115】手順110では、新たなスキャンデータに
よる試験、他の組み合わせ回路の試験を行う場合には手
順102に戻る。すべての試験が終了したならばスキャ
ンテストを終了する。
【0116】なお、リードイネーブル、ライトイネーブ
ル、テストモードなどの論理は、正論理、負論理どちら
でもよい。フリップフロップの取り込みタイミングもク
ロックの立ち上がり、立ち下りどちらでもよい。
【0117】さらに、データバスの幅は通常複数であ
り、1つのアドレスに対して同時にデータバス幅の数の
フリップフロップが選択される。そのような場合におい
ても本発明は適用可能である。また、データバスが入力
用、出力用と分離されて設計されている場合も本発明は
適用可能である。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によるLSI検査回
路では、データ処理システムにおいて、共有導線に接続
されているフリップフロップをスキャンフリップフロッ
プに置き換える必要なしにスキャン回路設計を実現で
き、スキャンテスト設計による回路面積の増大を抑制す
ることが可能である。また、アドレス指定により、外部
からのデータ入力、外部へのデータ出力を行うフリップ
フロップを選択することが容易であり、局所的なスキャ
ンテストを容易に実現することができる。
【0119】本発明のLSI検査回路の設計方法は、従
来のスキャンテストにおけるATPG(オート・テスト
・パターン・ジェネレータ)を利用することにより、特
別なテストパターン作成方法を必要としない。
【0120】共有導線からスキャンデータの入出力を行
うことにより、スキャンテスト専用の外部入出力ピンを
用意する必要がなく、共有導線の既存の入出力機能を利
用することにより、外部ピンからテストデータを入出力
することができる。
【0121】なお、必要に応じて、さらに、内部記憶装
置に対しても入出力を行うことが容易になり、内部記憶
装置に対してスキャンデータを入出力することにより、
外部に対して入出力を行うことなく試験を行うことがで
きるBIST(BuildIn Self Test)
を容易に実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のLSI検査回路の構成
を示す回路図
【図2】 本発明の実施の形態のLSI検査回路におけ
るシリアルスキャンチェーンのATPG結果から本発明
のLSI検査回路用のテストパターンを作成する手順
【図3】 本発明の実施の形態のLSI検査回路におけ
るシリアルスキャンチェーンのATPG結果の例
【図4】 本発明の実施の形態のLSI検査回路におけ
るシリアルスキャンチェーンのATPG結果と入力リス
トと期待値リストの例
【図5】 本発明の実施の形態のLSI検査回路の検査
手順
【図6】 複数のフリップフロップが共有導線に接続さ
れ、アドレス解読機能によりフリップフロップを選択す
る手段を有するデータ処理システムの例
【図7】 従来の技術におけるシリアルスキャンチェー
ンを用いたLSI検査回路の構成を示す回路図
【図8】 フリップフロップとスキャンフリップフロッ
プの構成例
【符号の説明】
1,43,47,56 組み合わせ回路 2〜10,39,45,46,48,50,53,5
5,58,59 フリップフロップ 11 スキャンイン 12 スキャンアウト 13 スキャンチェーン 31 アドレスデコーダ 32 アドレスバス 33a〜38a リードイネーブル(RE) 33b〜38b ライトイネーブル(WE) 40 データバス 41 システムクロック 42,49,51,62,65,66 AND回路 44,52,54,57,64 3状態バッファ 45a,46a,55a,58a,59a スキャンフ
リップフロップ 60 スキャンチェーン 61 OR回路 63 テストモード信号 81 フリップフロップ 82,86 入力 83,87 クロック入力 84,88 出力 85 スキャンフリップフロップ 89 テスト専用の入力 90 テストモード信号 91 セレクタ回路 92 ATPGで作成したテストパターン 93 入力リスト 94 期待値リスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/822 H01L 27/04 T D Fターム(参考) 2G032 AC03 AC10 AE07 AE08 AE10 AG07 AG10 AK11 AK16 AK19 5B046 AA08 BA03 JA03 JA05 5B048 AA20 CC18 DD05 5F038 CD07 DT02 DT06 DT07 DT17 EZ20 5F064 BB19 EE60 HH06 HH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共有導線からのデータ取り込みと前記共
    有導線へのデータ出力を行う複数のフリップフロップ
    と、前記複数のフリップフロップから特定のフリップフ
    ロップを選択する選択手段とを備え、前記選択手段によ
    り前記フリップフロップがデータ取り込みまたはデータ
    出力を行うか行わないかを決定するデータ処理システム
    において、 スキャン回路設計を行う際に、前記共有導線に接続され
    ているフリップフロップを起点としてスキャンチェーン
    を構成し、前記スキャンチェーン内の記憶データの入出
    力を前記共有導線を介して行うように構成してあること
    を特徴とするLSI検査回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のLSI検査回路におい
    て、入力が前記共有導線のみに接続されているフリップ
    フロップをスキャンフリップフロップに置き換えず、そ
    の他のフリップフロップをスキャンフリップフロップに
    置き換えて前記スキャンチェーンを構成してあることを
    特徴とするLSI検査回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のLSI検査回路におい
    て、出力が前記共有導線のみに接続されているフリップ
    フロップをスキャンフリップフロップに置き換えず、そ
    の他のフリップフロップをスキャンフリップフロップに
    置き換えて前記スキャンチェーンを構成してあることを
    特徴とするLSI検査回路。
  4. 【請求項4】 前記スキャンチェーンが複数あり、前記
    選択手段は、前記複数のスキャンチェーンについての動
    作または非動作を決定するように構成されていることを
    特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載
    のLSI検査回路。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のLSI検査回路につい
    て、スキャン回路設計を行うデータ処理システムの回路
    配線情報に基づいて、入力が前記共有導線のみに接続さ
    れているフリップフロップの判別を行うことを特徴とす
    るLSI検査回路の設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のLSI検査回路につい
    て、スキャン回路設計を行うデータ処理システムの回路
    配線情報に基づいて、出力が前記共有導線のみに接続さ
    れているフリップフロップの判別を行うことを特徴とす
    るLSI検査回路の設計方法。
  7. 【請求項7】 共有導線に接続されているフリップフロ
    ップおよびスキャンフリップフロップに対する設定値お
    よび期待値を発生し、 前記設定値および期待値を基に、前記スキャンフリップ
    フロップに対しては、スキャンチェーンの接続情報を付
    加することにより、前記スキャンチェーンを介して値の
    設定および期待値の読み出しを行い、 前記設定値および期待値を基に、前記共有導線に接続さ
    れているフリップフロップに対しては、特定のフリップ
    フロップを選択するための情報を付加することにより、
    前記共有導線を介して値の設定および期待値の読み出し
    を行うように試験手順を発生することを特徴とするLS
    I検査回路の試験手順作成方法。
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Cited By (2)

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CN103592612A (zh) * 2013-10-17 2014-02-19 广东电网公司电力科学研究院 一种电测试验系统
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