JP2002156212A - 目盛表示装置及びその方法 - Google Patents

目盛表示装置及びその方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】被写体の目盛をより高速かつ正確に、しかも容
易に目盛表示をすることのできる目盛表示装置を提供す
る。 【解決手段】目盛表示装置は、複数の撮像手段で得られ
た撮像信号から、所定の画素の対応点を検出する対応点
検出手段と、対応点検出手段で得られた対応点の情報に
基づき対応点の3次元位置を算出する3次元位置算出手
段と、算出された3次元位置の情報に基づき所定の画素
間の距離を算出する距離算出手段と、算出された距離の
情報に基づき画素間の距離に対応する目盛を表示する目
盛表示手段とを有する。さらに表示手段は、対応点につ
いて、撮像平面に対して垂直方向における距離と予め定
めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、目盛表示
の方法を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像された被写体
について目盛を表示する目盛表示装置およびその方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野、工業分野等において、
内視鏡が広く用いられるようになった。通常の内視鏡に
よる観察像では、一般に対象物は平面的なものになり、
凹凸等は認識しがたい。そのため、最近では、内視鏡の
先端に左右2系統の撮像手段を配設し、この2系統の撮
像手段により撮像された左右画像から、ステレオ法によ
り対象の立体画像を推定し、この立体形状を、プロファ
イルやワイヤーフレームにより表示する技術が知られて
いる。
【0003】例えば、特開平6−339454号公報は
ステレオ内視鏡を用いて三角測量の原理により、対象ま
での距離、複数の対象点間の距離を算出する技術が開示
されている。
【0004】特に、特開平6−339454号公報中の
図12にその例が示されているように、算出した3次元
座標値に基づいて、対象物の長さ、大きさ等を客観的に
認識できるスケールマーカを、対象物の形状に合わせて
表示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そこに開示さ
れた方法によれば、指定された対象点の3次元座標を求
めた後、その点とX座標が同じ点を、水平方向に一定間
隔毎に求め、同様に、Y座標が同じ点を、垂直方向に一
定間隔毎に求める。その求めた点群が、一定間隔の目盛
となり、目盛がふられた曲線として画像に重畳して表示
される。
【0006】従って、その重畳表示のために、選択した
画素と同じX座標、Y座標を持つ画素を画像中から探索
する必要があり、多くの処理を必要とし、目盛を表示す
るまでに時間がかかるものであった。
【0007】別の目盛表示方法として、例えば、対象物
が単純にスコープ光軸に垂直な鉛直平面で近似できると
仮定して目盛を作成した場合、対象物の表面形状によっ
ては、画像上に表示した距離と対象物の3次元空間での
距離とが一致しない可能性もあるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、撮像
された被写体に応じて、目盛を、より高速かつ正確に表
示する目盛表示装置およびその方法を提供することを目
的とする。
【0009】本発明の目盛表示装置は、複数の撮像手段
で得られた撮像信号から、所定の画素の対応点を検出す
る対応点検出手段と、対応点検出手段で得られた対応点
の情報に基づき、対応点の3次元座標を算出する3次元
座標算出手段と、算出された3次元座標の情報に基づ
き、所定の画素間の距離を算出する距離算出手段と、算
出された距離の情報に基づき画素間の距離に対応する目
盛を表示する表示手段とを有する。
【0010】本発明の目盛表示方法は、複数の撮像手段
で得られた撮像信号から、所定の画素の対応点を検出
し、検出された対応点の情報に基づき対応点の3次元座
標を算出し、算出された3次元座標の情報に基づき所定
の画素間の距離を算出し、算出された距離の情報に基づ
き画素間の距離と対応する目盛を表示する。
【0011】このような構成により、被写体についての
目盛表示を、より正確に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。以下においては、適用する計測用
内視鏡として、先端に2系統の対物レンズを備えたステ
レオ内視鏡を用いたもので説明する。
【0013】なお、本発明の実施の形態においては、例
えば画素RをR(x,y)とし、xおよびyは画像上の
X軸およびY軸上の画素の位置を表すものとする。ま
た、例えばP点の3次元の位置座標は、P´(x´,y
´,z´)とし、x´、y´、z´は、3次元空間にお
けるX´軸、Y´軸およびZ´軸上の座標位置を表すも
のとする。そして、画像の階調数は、特に断らない限
り、256として説明する。
【0014】さらに、画像に歪曲収差歪みが存在する場
合は、各処理は歪曲収差補正後の画像に対して行うこと
を基本とする。歪曲収差補正は例えば、特開平6−33
9454号公報に示されるようにして行われる。すなわ
ち、各画素における補正値を予め決定しておき、実際の
撮像画像に対して補正を行うことによって歪曲収差補正
処理を実現することができる。具体的には、米国特許第
4895431号明細書に具体的な処理手法が開示され
ている。なお、画像に歪曲収差歪みが存在しない場合は
その限りではない。また、画像に歪曲収差歪みが存在す
る場合は、各処理は歪曲収差補正後の画像に対して行う
ことを基本とするが、その補正がされない場合は、歪曲
収差の影響が少ない、画像中心部分の画素を選択するの
が望ましい。
【0015】図1ないし図10により、実施の形態を説
明する。
【0016】図1は、第一の実施の形態に関わる計測用
内視鏡装置のブロック図である。図2は、内視鏡の挿入
部の先端部分の構造を説明する図である。図3は、計測
用内視鏡装置の機能構成を示すブロック図である。図4
は、ホストコンピュータの構成を説明する図である。図
5は、外部記憶装置の構成を示すブロック図である。図
6は、内視鏡先端部における3次元座標を説明するため
の図である。図7は、目盛を描画する処理の流れを示す
フローチャートである。図8は、水平および垂直方向へ
の目盛の描画状態を示す画面例である。図9は、2点間
への目盛の描画状態を示す画面例である。図10は、画
像から画素を自動選択する処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【0017】まず、図3に示すように、本実施の形態に
おいて採用する計測用内視鏡装置は、ステレオ式ビデオ
イメージエンドスコープ(以下、単に「内視鏡」と称す
る)101と、この内視鏡101によって撮像される右
画像及び左画像の各画像信号を信号処理する右画像用ビ
デオプロセッサ110Rと左画像用ビデオプロセッサ1
10Lを有する。さらに、この各ビデオプロセッサ11
0Rと110Lからそれぞれ出力される、例えばRGB
信号による各映像信号を記憶する右画像用フレームメモ
リ112R及び左画像用フレームメモリ112Lと、こ
の各フレームメモリ112Rと112Lからそれぞれ出
力される、例えばRGB信号による映像信号を入力し
て、右画像および左画像を表示する右画像用モニタ13
0R及び左画像用モニタ130Lとを有する。また、各
フレームメモリ112Rおよび112Lに記憶された画
像を用いて、立体計測演算を行うホストコンピュータ1
20と、このホストコンピュータ120に接続された外
部記憶140と、ホストコンピュータ120に接続され
てモニタ130Rおよび130Lに表示されるカーソル
の操作や、計測対象点の指定及び計測対象領域の設定等
を行うマウス145とを備えている。
【0018】両ビデオプロセッサ110R,110L
は、互いに同期した信号処理を行うように設定されてい
る。又、本実施の形態では、各フレームメモリ112R
と112Lは、それぞれR,G,B用の各メモリを複数
組備えており、1組には画像が記憶され、他の組にはカ
ーソルが書き込まれる。各組に書き込まれた信号を足し
合わせることにより、モニタ130Rと130Lのそれ
ぞれの画面上に画像とカーソルとが表示される。
【0019】次に、図4に示すように、ホストコンピュ
ータ120は、CPU121、右フレームメモリインタ
ーフェース122R、左フレームメモリインターフェー
ス122L、メインメモリ123、外部記憶インターフ
ェース124、マウスインターフェース125、キーボ
ード126及びCRT127を備え、これらは、バスに
よって互いに接続されている。
【0020】又、右フレームメモリインターフェース1
22Rおよび左フレームメモリインターフェース122
Lは、それぞれ右画像用フレームメモリ112R及び左
画像用フレームメモリ112Lに接続され、これらとの
間で画像データの送受を行う。さらに、各インターフェ
ース122Rおよび122Lを介して、対応するフレー
ムメモリ112Rおよび112Lに対してカーソル制御
が行われるようになっている。又、外部記憶インターフ
ェース124は、外部記憶140に接続され、画像デー
タ及び計測対象点位置情報の送受を行うように設定され
ている。又、マウスインターフェース125は、マウス
145に接続される。
【0021】図5に示すように、外部記憶140は、計
測対象点の位置情報を記憶してホストコンピュータ12
0と各種計測データの送受を行う計測データ情報用ファ
イル181と、ホストコンピュータ120と画像データ
の送受を行うステレオ画像マネージャー182を有す
る。さらに、このステレオ画像マネージャー182に連
結され、左画像データを記憶する左用画像ファイル18
3Lと、同様にステレオ画像マネージャー182に連結
され、右画像データを記憶する右用画像ファイル183
Rとを備えている。
【0022】本実施の形態では、内視鏡101で得たス
テレオ画像は左右2枚1組で取り扱われる。すなわち、
同期の取られた2つの画像フレームデータが、一つの組
のデータとして記憶装置にストアされている。ホストコ
ンピュータ120から2枚1組で送られて来たステレオ
画像は、ステレオ画像マネージャー182によって、左
用と右用の各画像ファイル183Lと183Rに振り分
けられて、記録される。又、ステレオ画像マネージャー
182によって、各画像ファイル183L,183Rに
記録された画像は、2枚1組で呼び出される。
【0023】又、図2に示すように、内視鏡101は、
細長の挿入部102を備え、この挿入部102の先端部
に、複数の、例えば2つの観察窓と照明窓とが設けられ
ている。各観察窓の内側には、互いに視差を有する位置
に、右眼用対物レンズ系103Rと左眼用対物レンズ系
103Lが設けられている。各対物レンズ系103Rと
103Lの結像位置には、それぞれ、CCD等の固体撮
像素子を用いた左と右用の撮像手段104Lと104R
が配設されている。
【0024】又、照明窓の内側には、配光レンズ105
が設けられ、この配光レンズ105の後端には、ファイ
ババンドルよりなるライトガイド106が連設されてい
る。このライトガイド106は、挿入部102内に挿通
され、入射端部には図示しない光源装置が接続される。
【0025】この光源装置から出力される照明光が、ラ
イトガイド106及び配光レンズ105を介して被写体
に照射され、この被写体からの反射光が、対物レンズ系
103Rと103Lによって、それぞれ右画像および左
画像として、撮像手段104Rと104Lに結像され
る。
【0026】次に、計測用内視鏡装置の機能ブロック構
成を図1を用いて説明する。電荷結合装置(CCD:C
harge Coupled Device)を用いた
撮像手段104Rと104Lによって撮像された被写体
像の各画像信号は、それぞれ、ビデオプロセッサ110
Rと110Lに入力され、映像信号処理が施される。ビ
デオプロセッサ110Rと110Lから出力される各画
像信号は、それぞれA/D変換器111Rと111Lに
よりデジタル信号に変換された後、画像メモリすなわ
ち、各フレームメモリ112Rと112Lのうちの画像
用のメモリに記憶される。
【0027】そして、右画像用フレームメモリ112R
と左画像用112Lから読み出された画像信号は、それ
ぞれ、画像処理手段200で所定の画像処理がなされた
後、表示制御手段201を経て、D/A変換器158R
と158Lに出力される。D/A変換器158Rと15
8Lでアナログ信号に変換された後、右画像用モニタ1
30Rと左画像用130Lにそれぞれ入力される。そし
て、この両モニタ130Rと130Lに、それぞれ、右
画像と左画像が表示される。
【0028】一方、カーソルの表示は、カーソル表示手
段151によってまず処理され、表示制御手段201に
より表示制御される。カーソルは、両モニタ130R、
130Lのいずれか一方の画面に重畳して表示される。
【0029】カーソルにより計測点が指定されると、画
像処理手段200はその指定された点データに基づき、
3次元位置の導出、目盛の作成及び表示などの処理を行
い、表示制御手段201を通して、処理結果がモニタに
表示される。
【0030】又、表示制御手段201は、カーソル表示
の管理および制御のほか、マルチウィンドウ表示に必要
な処理も行う。画像処理手段200及び表示制御手段2
01における処理及び制御機能は、ホストコンピュータ
120を動作させることにより達成される。この場合、
通常、表示制御手段201の機能はオペレーティングシ
ステムが有している。
【0031】尚、図3および図4に示す右画像用と左画
像用のフレームメモリ112Rおよび112Lは、本実
施の形態ではホストコンピュータ120の外部に設けて
いるが、ホストコンピュータ120にPCIボードタイ
プのフレームメモリを利用して内蔵するようにしてもよ
い。又、図3においてステレオ画像の表示は、右画像用
130Rと左画像用モニタ130Lに対して行っている
が、パソコンのCRT127上で両者を表示するように
しても良い。
【0032】次に、図7により、このように構成された
計測用内視鏡装置において、所定の画素の3次元座標位
置に基いて、対象の大きさを把握するための目盛を描画
する過程を説明する。
【0033】以下の説明では左画像の画素に対して、右
画像の対応点を求めるものとして説明を行うが、逆に右
画像に対して、左画像において対応点を求めても問題な
い。
【0034】なお、対象物体の対象座標系は、図6に示
すように、内視鏡挿入部102の先端における2つの対
物レンズ103Rと103Lの中心を通る直線方向をX
´軸とする。左側の対物レンズの中心を原点OLとし、
左側対物レンズの光軸をZ´軸とし、さらにY´軸は、
X´軸とZ´軸のそれぞれに直角である。対象座標系
は、このようなX´Y´Z´座標系により表されるもの
とする。
【0035】まず、オペレータにより、左画像用モニタ
上に表示される画像中の点Pi(i=0,1)が指定さ
れる。点Piは、2次元平面上のある画素に対応する。
以下、その点を、画素Piとし、その座標をPi(x
i,yi)とする。
【0036】まず、ステップ11(以下、S11と略
す)において、左画像上で指定された所定の画素の右側
画像における対応点を求める。左画像で指定された2画
素の座標をPi(xi,yi)(i=0,1)とする。右
画像においてそのPiの対応点を求め、3次元座標位置
を決定する(ステップS11)。対応点の検出はエピポ
ーララインを用いた公知のテンプレートマッチングによ
り行えばよい。また、3次元位置は三角測量の原理によ
り求める。その具体的な求め方は、特開平6−3394
54号公報に開示されている。
【0037】Piの3次元位置をそれぞれP´i(i=
0,1)とし、その座標をP´i(x´i,y´i,z´
i)とする。なお、このPiを自動選択する場合の方法に
ついては後述する。
【0038】次に、この2点間の3次元空間におけるZ
´軸方向の距離を、次式により予め決められた閾値Tc
と比較する(S12)。その距離(Z´軸方向の座標の
差の絶対値)が閾値Tcより小さい場合は、S13の処
理が実行される。そうでない場合はS15の処理が実行
される。 |z´0−z´1|<Tc
【0039】なお、距離の絶対値の差がTcより小さい
場合は、対象が光軸に垂直もしくは、ほぼ垂直であるこ
とを厳密に判断するために、以下の処理を追加してもよ
い。つまり、P0、P1に加え、P´0、P´1を通過する
直線上に存在しないP2を求める。P2の3次元位置をP
´2(x´2,y´2,z´2)としたとき次式を満たす場
合のみS13を実行する。そうでない場合はS15を実
行する。P2の選択は、例えば、後述する図10のS2
1からS23の処理を実行してソートされた複数の画素
の内、P´0、P´1を通過する直線上に存在しないもの
をリストの先頭から1つ選ぶことにより行う。 |z´0−z´2|<Tc |z´1−z´2|<Tc
【0040】P´0とP´1のZ´軸上の差すなわち距離
が、予め定めた閾値Tcよりも小さい場合(Z´軸上の
距離の差が短い場合)、撮像対象の表面が光軸(Z´
軸)に対して垂直、もしくはそれに近いと考えられる。
従って、撮像対象が光軸に対して垂直またはほぼ垂直と
考えて、水平方向および垂直方向の目盛のサイズを計算
する。ここでは、次の式から、水平方向および垂直方向
の1画素あたりの距離Dh、Dvを求める(S13)。
【0041】
【式1】 ここで、θは、θ=tan-1{(|y0−y1|)}/(|
0−x1|)}である。
【0042】そして、S14において、水平方向、垂直
方向に対してそれぞれ、あらかじめ与えたA[mm]、
B[mm]ごとに目盛を画像上に描画する。このとき、
目盛に対応した画素数を算出し、その画素数分を、目盛
の単位長とする。図8では、垂直方向はA/Dv、水平
方向はB/Dhの画素分の目盛を描画し、1目盛の大き
さを示す目盛間隔を画像内もしくは、適当な位置に表示
する。
【0043】また、表示する目盛数はあらかじめ与えて
おくか、画像サイズから決定しても良い。図8では、A
[mm]とB[mm]に対応した目盛が、それぞれ3つ
分表示されている。
【0044】このように、被写体表面が3次元位置にお
いてほぼZ´軸に垂直あるいは垂直に近い場合、2点間
のZ´軸方向での距離の差はX´軸上およびY´軸上で
の影響は少ないとして、目盛を描画するときは、互いに
直角な水平(X軸)方向および垂直(Y軸)方向の2つ
の目盛表示を行う。
【0045】なお、図8には、目盛画像は、指定された
2点P0とP1の画素位置と共に、左画像あるいは右画像
の画面上に重畳表示される。図8では、水平方向の目盛
の一部の上に、A[mm]と、垂直方向の目盛の一部の
左側に、B[mm]と表示されている。
【0046】次に、S12において、撮像対象が光軸す
なわちZ´軸に対して垂直あるいはほぼ垂直ではないと
判断されたときは、3次元空間における2点P´0とP
´1間の距離と、画像上での2点P0とP1間の距離に基
づいて、2点間の画像上の目盛間隔を求める(S1
5)。ここでは、Pi間の1画素あたりの距離D[m
m]を求める。
【0047】
【式2】 そして、S16において、目盛を描画する。このとき、
目盛に対応した画素数を算出し、その画素数分を、目盛
の単位長とする。図9に示すように、目盛があらかじめ
与えたC[mm]間隔になるように、C/Dの画素分ご
とに目盛をP0、P1間に描画する(図9)。また、目盛
間隔を画像内、または適当な位置に表示する。図9で
は、P01を結んだ線分上に目盛が表示され、その目盛
の一部に、C[mm]と表示されている。なお、P01
を結んだ線分上でなくても、この線分にほぼ平行な線分
に、目盛を表示してもよい。
【0048】このように、指定された画素の3次元空間
上の距離に応じて、目盛表示を行うようにしたので、対
象の距離や長さなどが把握し易い。
【0049】以上の説明では、Pi(xi,yi)をユー
ザが指定していたが、次に、Piを自動決定する方法
を、図10により説明する。
【0050】Piは、予め定めた画像領域の範囲内から
選定される。画像の歪曲収差が補正されているのであれ
ば、どこの範囲でもよい。しかし、その補正がされてい
ない場合は、歪曲収差歪みの影響の少ない画像中心付近
のみとする。以下、その範囲を、画像中の縦がN画素
で、横がM画素からなる矩形の領域(以下、M×N領域
という)とする。なお、この範囲は、矩形で規定されな
くてもよい。
【0051】まず、撮像手段からの画像信号データに基
いて、M×N領域内の各画素のエッジ強度を求める(S
21)。エッジ強度は公知の方法により得ることができ
る。
【0052】次に、M×N領域内の全画素データのリス
トを作り、エッジ強度が大きい順にその画素データをソ
ートする(S22)。
【0053】そして、ハレーション部分を選択対象から
外すため、各画素の近傍(例えば5×5)で求めた画素
値(256階調の値)の平均値が、予め定めた閾値Th
より大きい画素のデータを、S22でソートされたリス
トから除去する(S23)。エッジ強度の大きい画素の
中でも、その画素周辺の画素値の平均値が予め定めた値
よりも小さいものが選択されることになる。
【0054】最後に、2つの画素をソートされた画素の
先頭から、すなわち、エッジ強度の大きい方から選択し
(S24)、それぞれをPi(i=0,1)とする。こ
の選択された2点を用いて、図7のフローチャートに従
った処理が実行される。これにより、ユーザからのアク
ションを与えなくとも、図8、図9に示すような目盛を
描画することができる。
【0055】以上の自動決定方法によれば、ユーザによ
る距離計測点の指定は必要なくなり、さらに目盛表示も
上述したような方法により、より正確な目盛を表示する
ことができる。
【0056】[付記]以上説明した実施の形態によれ
ば、次の付記項に示した内容が特徴事項と言える。
【0057】[付記項1]複数の撮像手段で得られた撮
像信号から、所定の画素の対応点を検出する対応点検出
手段と、前記対応点検出手段で得られた前記対応点の情
報に基づき、前記対応点の3次元座標を算出する3次元
座標算出手段と、算出された前記3次元座標の情報に基
づき、前記所定の画素間の距離を算出する距離算出手段
と、算出された前記距離の情報に基づき画素間の距離に
対応する目盛を表示する表示手段と、を具備したことを
特徴とする目盛表示装置。
【0058】[付記項2]複数の撮像手段で得られた撮
像信号から、所定の画素の対応点を検出し、検出された
前記対応点の情報に基づき、前記対応点の3次元座標を
算出し、算出された前記3次元座標の情報に基づき、前
記所定の画素間の距離を算出し、算出された前記距離の
情報に基づき画素間の距離と対応する目盛を表示するこ
とを特徴とする目盛表示方法。
【0059】[付記項3]前記目盛表示手段は、前記対
応点について、撮像平面に対して垂直方向における距離
と予め定めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、
目盛表示の方法を変更することを特徴とする付記項1記
載の目盛表示装置。
【0060】[付記項4]前記目盛表示手段は、前記比
較結果において、前記対応点の、撮像平面に対して垂直
方向における距離が、予め定めた閾値よりも短いとき
は、互いに直角な2軸上に、各軸に対応した目盛をそれ
ぞれ表示することを特徴とする付記項3記載の目盛表示
装置。
【0061】[付記項5]前記目盛表示手段は、前記比
較結果において、前記対応点の、撮像平面に対して垂直
方向における距離が、予め定めた閾値よりも長いとき
は、前記画素を結ぶ線分上、またはその線分にほぼ平行
な線分上に、目盛を表示することを特徴とする付記項3
記載の目盛表示装置。
【0062】以上のような構成により、対象物に応じ
て、より正確な目盛を表示することができる。
【0063】[付記項6]前記画素は、前記撮像手段で
得られた画像信号中の予め定めた領域内の画像信号デー
タに基いて決定された画素であることを特徴とする付記
項1記載の目盛表示装置。
【0064】このような構成により、ユーザのアクショ
ンなしで、画像上の点の指定を行うことができる。
【0065】[付記項7]前記画素は、前記撮像手段で
得られた画像信号中の予め定めた領域内における、画像
信号データのエッジ強度の大きい画素の中から選択され
ることを特徴とする付記項6記載の目盛表示装置。
【0066】[付記項8]前記画素は、前記撮像手段で
得られた画像信号中の予め定めた領域内におけるエッジ
強度の大きい画素の中でも、その画素周辺の画素値の平
均値が予め定めた値よりも小さいものから選択されるこ
とを特徴とする付記項7記載の目盛表示装置。
【0067】以上のような構成により、よりよい画像上
の点の選択をすることができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、所定の
画素の3次元座標の情報に応じて目盛が作成され、高速
に描画されるので、ユーザは、対象の大きさを、より正
確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に関わる計測用内視鏡装置のブロッ
ク図
【図2】内視鏡の挿入部の先端部分の構造を説明する図
【図3】計測用内視鏡装置の機能構成を示すブロック図
【図4】ホストコンピュータの構成を説明する図
【図5】外部記憶装置の構成を示すブロック図
【図6】内視鏡先端部における3次元座標系を説明する
ための図
【図7】目盛を描画する流れを示すフローチャート
【図8】水平、垂直方向への目盛描画状態を示す図
【図9】2点間への目盛描画状態を示す図
【図10】画像から画素を自動選択する流れを示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
101 ・・・内視鏡 102 ・・・挿入部 103R,103L・・・レンズ 104L・・・左撮像手段 104R・・・右撮像手段 105 ・・・配光レンズ 106 ・・・ライトガイド 120 ・・・ホストコンピュータ 130L・・・左画像用モニタ 130R・・・右画像用モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA04 CC16 DD06 EE08 FF01 FF05 GG11 JJ26 LL02 LL04 PP22 QQ03 QQ24 SS13 UU01 UU02 UU05 4C061 BB06 HH52 5B057 AA07 BA11 BA24 CA16 CB13 CB16 CC03 CD18 CH01 DA08 DA16 DB03 DC16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の撮像手段で得られた撮像信号から、
    所定の画素の対応点を検出する対応点検出手段と、 前記対応点検出手段で得られた前記対応点の情報に基づ
    き、前記対応点の3次元座標を算出する3次元座標算出
    手段と、 算出された前記3次元座標の情報に基づき、前記所定の
    画素間の距離を算出する距離算出手段と、 算出された前記距離の情報に基づき画素間の距離に対応
    する目盛を表示する表示手段と、を具備したことを特徴
    とする目盛表示装置。
  2. 【請求項2】複数の撮像手段で得られた撮像信号から、
    所定の画素の対応点を検出し、 検出された前記対応点の情報に基づき、前記対応点の3
    次元座標を算出し、 算出された前記3次元座標の情報に基づき、前記所定の
    画素間の距離を算出し、 算出された前記距離の情報に基づき画素間の距離と対応
    する目盛を表示することを特徴とする目盛表示方法。
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