JP2002155587A - 木造家屋の躯体構成部材および躯体構造 - Google Patents

木造家屋の躯体構成部材および躯体構造

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JP2002155587A
JP2002155587A JP2000355586A JP2000355586A JP2002155587A JP 2002155587 A JP2002155587 A JP 2002155587A JP 2000355586 A JP2000355586 A JP 2000355586A JP 2000355586 A JP2000355586 A JP 2000355586A JP 2002155587 A JP2002155587 A JP 2002155587A
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wood fiber
skeleton
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Takeshi Oishi
剛 大石
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Noda Corp
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Noda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】木造家屋の躯体を構成する部材に対して、薬剤
処理を施さずに、安定した防虫性能を付与する。 【構成】少なくとも施工後に躯体表面に露出する部分を
木質繊維板で構成した木造家屋の躯体構成部材であり、
たとえば、木質繊維板以外の木質材料で構成される芯材
2表面に、木質繊維板よりなる表面材3を固着してな
る。このような部材を土台5、根太6および間柱7に用
いて床下部の躯体構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造家屋の躯体構成
部材および躯体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木造家屋の躯体構造は根太、大引、柱、
梁、筋交いその他多数の部材から構成されるが、それら
の構成部材のほとんどは木材を主材としている。
【0003】このため、ヤマトシロアリ、イエシロアリ
等のシロアリ、ヒラタキクイムシ、キクイナガムシ等の
害虫による食害を受けやすい。特に木造家屋の土台部分
が食害で欠損し、この欠損部分に長年にわたる荷重が作
用すると、最悪の場合には家屋が崩落する危険もある。
【0004】シロアリ等による食害防止のため、従来で
は、躯体を構成する木材に防虫剤を塗布または含浸する
ことが行われている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、防虫
剤を用いた防虫処理には多大な手間と時間を要し、ま
た、塗布や含浸の度合いによってその処理剤ごとに防虫
性能にバラツキが生じる等の問題があった。
【0006】また、近年では、ハウスシック症候群に代
表されるように、施工後に建材から発生する化学薬剤の
人体への影響が懸念されているが、防虫剤においても例
外ではなく、できればそのような薬剤を使用せず、使用
するにしてもその使用量をできるだけ減らすことが望ま
れる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の問題点を解消することを目的とし、より具体的には木
造家屋の躯体を構成する部材に対して、薬剤処理を施さ
ずに、安定した防虫性能を付与することを目的としてい
る。
【0008】この目的を達成するため、請求項1にかか
る本発明は、木造家屋の躯体を構成する部材であって、
少なくとも施工後に躯体表面に露出する部分が木質繊維
板を用いて構成されることを特徴とする木造家屋の躯体
構成部材である。
【0009】請求項2にかかる本発明は、木造家屋の躯
体を構成する部材であって、芯材と表面材とからなり、
芯材が木質繊維板以外の木質材料で構成されるととも
に、表面材が木質繊維板で構成されることを特徴とする
木造家屋の躯体構成部材である。
【0010】請求項3にかかる本発明は、請求項1また
は2記載の躯体構成部材を用いてなる木材家屋の躯体構
造である。
【0011】本発明者による試験の結果、木質繊維板は
木材や合板等に比較してシロアリ等の害虫に食害されに
くい性質を有することが判明しており、本発明はこの知
見に基づいて完成したものである。
【0012】木質繊維板が害虫に食害されにくい理由に
ついては必ずしも明らかになっているわけではないが、
木質繊維板の表面には比重が高く硬質である硬質層が形
成されるため、この硬質層の存在が害虫による食害を受
けにくいものとしていると考えられる。
【0013】また、木質繊維板は、木材チップを解繊し
てファイバー化したものを接着剤と混合してフォーミン
グし熱圧圧締することにより製造されるが、この製造工
程においてファイバー化されることで害虫が嫌う性状・
形状となり、あるいはファイバーに付着する接着剤を害
虫が嫌うことが、木質繊維板が害虫に食害されにくいも
のとなっている理由であると考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による木造家屋の躯体構成
部材についての一実施形態が図1に示されている。この
躯体構成部材は、複数枚の木質繊維板1を積層して所定
寸法に切断して得られる棒状の積層体である。
【0015】この積層体は、木質繊維板の表面に接着剤
を塗布し、その上に別の木質繊維板を積層し、これを何
回か繰り返して所要枚数を積層して、プレス機にて圧締
して積層一体化させた原板を作成し、これを所定寸法に
切断して棒状とすることによって得ることができる。木
質繊維板の積層枚数や、各層をなす木質繊維板の厚さは
任意である。
【0016】この積層体に使用される木質繊維板のう
ち、少なくとも該積層体の表裏面に位置する木質繊維板
については、該積層体の表裏面となる側の面に硬質層が
形成されていることが必須である。この硬質層の存在に
よって食害防止効果が得られる。
【0017】なお、図1の例では各木質繊維板の表裏面
に硬質層(斜線部)が形成されているが、このような実
施形態とすることにより積層板としての曲げ強度が向上
するとともに、釘を積層方向(図1において左右方向)
に打ち付けて該積層体を他の部材に緊結する際に、釘を
表裏面の硬質層と積層体内部の硬質層とで保持すること
となり、釘保持力が向上し、躯体強度を向上させる効果
が得られる。
【0018】一方、木質繊維板同士が接合する部分、す
なわち積層板の内部に位置することになる木質繊維板の
面には必ずしも硬質層が形成されていなくてもよい。こ
のような実施形態とすると、接着剤が木質繊維板の内部
に浸透しやすくなるため、木質繊維板同士の間の接着力
が向上し、積層板としての一体性および強度が増大す
る。
【0019】好ましくは、木質繊維板の全体密度は約
0.3〜1.0g/cmであり、硬質層の密度は約
0.8〜1.4g/cmである。
【0020】図2は、本発明による木造家屋の躯体構成
部材についての他の実施形態を示すものであり、芯材2
の表面に木質繊維板3を接着剤により固着一体化してな
る部材である。
【0021】芯材2としては木材、集成材、単板積層
板、合板等の木質材を単独または任意複合して得られる
ものを用いることができる。
【0022】芯材2の表面に、木質繊維板3同士の接合
部に隙間が生じないように、接着剤を用いて固着する。
隙間が生ずると、その隙間から害虫が侵入して芯材2を
食害する恐れがある。製造工程で隙間が生じてしまった
木質繊維板を用いる場合には、コーキング材(防虫剤を
混入してもよい)等で隙間を埋めるか、あるいは隙間部
分のみに防虫剤を塗布して、害虫の芯材2への侵入を阻
止することが好ましい。このような防虫剤の塗布はごく
少量であるため、居住者の健康を害する恐れはない。
【0023】芯材2表面への木質繊維板3の固着は一般
に工場で行われるが、施工現場で固着してもよい。
【0024】木質繊維板3の少なくとも表面側には硬質
層が形成されていることが好ましい。図1の実施形態と
同様、好ましくは、木質繊維板には全体密度が約0.3
〜1.0g/cmであるものが用いられ、硬質層の密
度は約0.8〜1.4g/cmである。
【0025】図3および図4は、本発明による木造家屋
の躯体構造の一実施形態を示し、図5は図3中A−A断
面図、図6は図3中B−B断面図である。
【0026】この木造家屋躯体構造においては、コンク
リート基礎4上に土台5が載置固定され、土台5上に根
太6および間柱7が載置固定されており、躯体構成部材
である土台5、根太6および間柱7として、芯材2表面
に木質繊維板3が接着一体化されてなる構成部材が用い
られている。
【0027】これら構成部材はその少なくとも表面に露
出する部分が木質繊維板3で構成されており、土台5に
おいてはその両側面および上面が露出面となる(図4参
照)ことから、少なくともこれら3面が木質繊維板3で
構成される(図5、図6)。土台5において、基礎4と
接する下面は露出せず、また木口面には他の土台が隣接
配置されて露出されることがないため、これらの面には
木質繊維板を固着する必要がないが、これら一方または
両方にも木質繊維板を固着してもよいことは言うまでも
ない。
【0028】根太6においては、その6面(四周側面お
よび両木口面)が全て露出されることになる(図4参
照)ので、図2に示されるような断面構成に加えて両木
口面にも木質繊維板3を固着してなるものを用いる(図
5)。なお、図5における土台5は、基礎4と接する下
面にも木質繊維板が固着されたものとして示されてい
る。
【0029】間柱7においては、その四周側面が露出さ
れることになる(図4参照)ので、図2に示されるよう
な断面構成を有する長尺棒状部材が用いられる(図6
(a))。間柱7の下側の木口面は土台5の上面に接合
して露出されず、上側の木口面も横架材等(図示せず)
の下面に接合して露出されないので、これら木口面には
木質繊維板を固着する必要がないが、図6(b)に示す
ように、一方または両方の木口面にも木質繊維板を固着
してもよいことは言うまでもない。
【0030】図3〜図6に示す躯体構造における構成部
材(土台5、根太6、間柱7)には芯材と木質繊維板よ
りなる表面材とからなるものが用いられているが、これ
に代えて、図1に示すような木質繊維板の積層体として
構成されるものであってもよい。
【0031】本発明による躯体構造は、木造家屋の階下
から階上に至る全ての躯体構造として適用することもで
きるが、特にシロアリの被害を受けやすい部分である床
下部だけに本発明を適用し、他の部分は従来の躯体構造
としてもよい。
【0032】本発明によれば、躯体構造において露出す
る部分には害虫による食害を受けにくい性質を有する木
質繊維板が用いられるので、従来必要とされていたよう
な防虫剤の塗布含浸による防虫処理を施すことは必ずし
も必要ではないが、必要に応じて該防虫処理を併用して
もよい。併用の場合の防虫処理に用いられる防虫剤は比
較的少量で済むため、居住者の健康を脅かす恐れはな
い。
【0033】また、使用される木質繊維板やその他の部
材(芯材等)に防腐処理等を施してもよいことは言うま
でもない。
【0034】
【発明の効果】本発明の木造家屋躯体構成部材によれ
ば、少なくとも施工後に躯体表面に露出する部分が、害
虫による食害を受けにくい性質を有する木質繊維板を用
いて構成されるため、手間と時間を要する防虫薬剤塗布
含浸処理を行わずに、食害防止効果を発揮させることが
できる。
【0035】防虫薬剤を塗布含浸させる処理によらず
に、木質繊維板の持つ特性を利用して食害防止効果を与
えるものであるため、部材の樹種や寸法等の要素による
防虫効果のバラツキが生じず、安定した防虫効果を付与
することができる。
【0036】さらに、躯体構成部材から薬剤(化学物
質)が発散しないため、居住者等の健康に対して悪影響
を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による木造家屋の躯体構成部材の一実施
形態を示す断面図である。
【図2】本発明による木造家屋の躯体構成部材の他の実
施形態を示す断面図である。
【図3】本発明による木造家屋の躯体構造の一実施形態
を示す正面図である。
【図4】図3の躯体構造の斜視図である。
【図5】図3中A−A断面図である。
【図6】図3中B−B断面図である。
【符号の説明】
1 木質繊維板 2 芯材 3 木質繊維板(表面材) 4 基礎 5 土台 6 根太 7 間柱

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木造家屋の躯体を構成する部材であって、
    少なくとも施工後に躯体表面に露出する部分が木質繊維
    板を用いて構成されることを特徴とする木造家屋の躯体
    構成部材。
  2. 【請求項2】木造家屋の躯体を構成する部材であって、
    芯材と表面材とからなり、芯材が木質繊維板以外の木質
    材料で構成されるとともに、表面材が木質繊維板で構成
    されることを特徴とする木造家屋の躯体構成部材。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の躯体構成部材を用
    いてなる木材家屋の躯体構造。
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