JP2002154904A - N−チアジアゾリルカルボン酸アミド類およびこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ剤 - Google Patents

N−チアジアゾリルカルボン酸アミド類およびこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ剤

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JP2002154904A
JP2002154904A JP2000345544A JP2000345544A JP2002154904A JP 2002154904 A JP2002154904 A JP 2002154904A JP 2000345544 A JP2000345544 A JP 2000345544A JP 2000345544 A JP2000345544 A JP 2000345544A JP 2002154904 A JP2002154904 A JP 2002154904A
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Itaru Okada
至 岡田
Yasushi Shiga
靖 志賀
Toshiki Fukuchi
俊樹 福地
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昆虫、ダニ類などの有害生物の防除に有用な
化合物及びこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ剤を提供
する。 【解決手段】 下記一般式 (I) 【化1】 (式中、Aは硫黄原子または酸素原子を示し、R1 は、
アルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニ
ル基、ハロアルキル基、R3 で置換されていても良いフ
ェニル基またはハロゲン原子を示し、ここでR3 はアル
キル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチ
オ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル
基、ハロアルキル基、シアノ基またはニトロ基を示し、
R2 は アルキル基、ハロアルキル基または水素原子を示
し、Yはハロアルキル基を示す)で表されるN-チアジア
ゾリルカルボン酸アミド類および該N-チアジアゾリルカ
ルボン酸アミド類を有効成分として含有する殺虫、殺ダ
ニ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なN-チアジア
ゾリルカルボン酸アミド類および該N-チアジアゾリルカ
ルボン酸アミド類を有効成分として含有する殺虫、殺ダ
ニ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】農園芸分野では、各種害虫の防除を目的
とした様々な殺虫剤が開発され実用に供されている。し
かしながら、従来汎用されている農園芸用殺虫剤は殺虫
効果、殺虫スペクトラム、あるいは残効性等の点におい
て必ずしも満足すべきものではない。また、施用回数や
施用薬量の低減等の要求を満足しているとは言えないも
のであった。
【0003】また、従来汎用の農薬に対して抵抗性を獲
得した害虫の出現も問題となっている。例えば、野菜、
果樹、花卉、茶、ムギ類およびイネ等の栽培において、
様々な型の農薬、例えば、カーバメート系、ピレスロイ
ド系、ベンゾイルウレア系、有機塩素系、有機リン系農
薬等に抵抗性を獲得した種々の害虫が各地で出現してお
り、これらの抵抗性害虫に起因する各種病害虫の防除が
年々困難になっている。
【0004】従来汎用の農園芸用殺虫剤に抵抗性を獲得
した各種害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示
し、しかも環境への悪影響が少ない新規な殺虫剤の開発
が切望されている。殺ダニ剤についても、従来汎用の殺
ダニ剤に抵抗性を示すダニ類に対しても優れた防除効果
を示し、安全性の高い殺ダニ剤の開発が期待されてい
る。
【0005】これらの要望に応え、新しい殺虫剤、殺ダ
ニ剤が種々提案されているが、必ずしも、上記要望に応
え得るものではない。われわれ発明者等は、先に特開平
11-263782 号公報に示すように殺虫、殺ダニ活性を示す
N-チアジアゾリルカルボン酸アミド類を開発したが、
これを更に展開してこれにチアゾールまたはオキサゾー
ル環を導入することにより殺虫、殺ダニ性を有する新規
な化合物の開発を試みた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、昆
虫、ダニ類などの有害生物の防除に有用な新しい物質を
提供することにあり、特に従来の殺虫剤に抵抗性を示す
各種害虫に対しても高い防除効果を示し、更に低薬量で
効果を奏し、残留毒性や環境汚染等の問題が軽減された
安全性の高い物質を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、N-チアジアゾリルチア
ゾールカルボン酸アミド類またはN-チアジアゾリルオキ
サゾールカルボン酸アミド類が上記の要望に応え得る特
性を有する化合物であることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、下記一般式 (I)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Aは硫黄原子または酸素原子を示
し、R1 は、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキ
シ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アル
キルスルホニル基、ハロアルキル基、R3 で置換されて
いても良いフェニル基またはハロゲン原子を示し、ここ
でR3 は アルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキ
ルスルホニル基、ハロアルキル基、シアノ基またはニト
ロ基を示し、R2 は アルキル基、ハロアルキル基または
水素原子を示し、Yはハロアルキル基を示す)で表され
るN-チアジアゾリルカルボン酸アミド類および該N-チ
アジアゾリルカルボン酸アミド類を有効成分として含有
する殺虫、殺ダニ剤に存する。
【0011】前述のように本発明化合物と類似のN-チア
ジアゾリルカルボン酸アミド類が殺虫、殺ダニ活性を有
することは知られているが、チアゾールまたはオキサゾ
ール環を有する化合物については一切知られていない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
一般式 (I) で表される本発明化合物におけるAは硫黄
原子または酸素原子を示す。R1 としてはアルキル基、
好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペ
ンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシ
ル基等の C 1〜C6 のアルキル基;アルコキシ基、好まし
くはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ
基、tert-ブトキシ基等の C1〜C4 のアルコキシ基;ハ
ロアルコキシ基、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
2,2,2-トリフルオロエトキシ基等の C1〜C4 のハロアル
コキシ基;アルキルチオ基、好ましくはメチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、
ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、
tert-ブチルチオ基等の C1〜C4 のアルキルチオ基;ア
ルキルスルフィニル基、好ましくはメチルスルフィニル
基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、
イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、
イソブチルスルフィニル基、sec-ブチルスルフィニル
基、tert-ブチルスルフィニル基等の C1〜C4 のアルキ
ルスルフィニル基;アルキルスルホニル基、好ましくは
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルス
ルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホ
ニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニ
ル基、tert-ブチルスルホニル基等の C1〜C4 のアルキ
ルスルホニル基;R3 で置換されていても良いフェニル
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の
ハロゲン原子が挙げられる。ここでR3 はアルキル基、
好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペ
ンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシ
ル基等の C1〜C6 のアルキル基;アルコキシ基、好まし
くはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ
基、tert-ブトキシ基等の C1〜C4 のアルコキシ基;ハ
ロアルコキシ基、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
2,2,2-トリフルオロエトキシ基等の C1〜C4 のハロアル
コキシ基;アルキルチオ基、好ましくはメチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、
ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、
tert-ブチルチオ基等の C1〜C4 のアルキルチオ基;ア
ルキルスルフィニル基、好ましくはメチルスルフィニル
基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、
イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、
イソブチルスルフィニル基、sec-ブチルスルフィニル
基、tert-ブチルスルフィニル基等の C1〜C4 のアルキ
ルスルフィニル基;アルキルスルホニル基、好ましくは
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルス
ルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホ
ニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニ
ル基、tert-ブチルスルホニル基等の C1〜C4のアルキル
スルホニル基;シアノ基;ニトロ基等を示す。R2 とし
てはアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペ
ンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、シクロヘキシル基等の C1〜C6 のアルキル基;ハ
ロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基、ジフ
ルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオ
ロプロピル基、ペルフルオロブチル基等の C1〜C4のハ
ロアルキル基;水素原子が挙げられる。R2 としては特
にメチル基が好ましい。Yとして はハロアルキル基、
好ましくはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基等の C1
〜C4 のハロアルキル基が挙げられる。Yとしては特に
ペルフルオロアルキル基が好ましい。
【0013】前記一般式 (I) で示される本発明の化合
物は新規化合物であり、例えば下記反応に従って製造す
ることができる。
【0014】
【化3】
【0015】(上記式中、A、R1、R2 および Yは前
記一般式 (I) で定義した通りであり、Z は塩素原子ま
たは臭素原子を示す) 即ち、一般式 (II) で示されるカルボン酸ハロゲン化物
と一般式 (III) で示される 2-アミノ-1,3,4-チアジア
ゾール類とを、塩基の存在下または非存在下、好ましく
は溶媒を用いて、50〜150 ℃で反応させる。溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類;水;酢酸エチル、酢酸メ
チル等のエステル類;またはテトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、
N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン
等の極性溶媒等が用いられる。塩基としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無
機塩類;ピリジン、トリエチルアミン等のアミン類等が
用いられる。
【0016】また、例えば下記反応によって合成するこ
ともできる。
【0017】
【化4】
【0018】(上記式中、A、R1、R2およびYは前記
一般式 (I) で定義した通りである)即ち、一般式 (IV)
で示されるカルボン酸と一般式 (III) で示される 2-ア
ミノ-1,3,4-チアジアゾール類とを、縮合剤の存在下ま
たは非存在下、好ましくは溶媒を用いて、50〜150 ℃で
反応させる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ク
ロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素
類;水;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;また
はテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、
N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、ピリジン等の極性溶媒等が用いられ
る。縮合剤としては、例えばホスゲン、1,1'-カルボニ
ルジイミダゾール、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド等が用いられる。
【0019】反応後、目的物である一般式 (I) で表さ
れる化合物を単離するには、水に溶解する溶媒を用いた
場合は、減圧下溶媒を留去し、水を加えた後、水に不溶
のベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水
素;酢酸エチル等のエステル類で抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等
の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。水
に不溶の溶媒を用いた場合は、反応混合物に水を加えた
後分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減
圧下で溶媒を留去すれば良い。
【0020】溶媒留去後得られた残渣を、再結晶、懸濁
洗浄、カラムクロマトグラフィー等で精製すれば目的物
である一般式 (I) で表される化合物が得れらる。一般
式 (II) で示される化合物は、一般式 (IV) で示される
カルボン酸を塩化チオニル、五塩化リン、オキシ塩化リ
ン、三塩化リン等で処理することにより製造できる。一
般式 (II) で示される化合物に対応するカルボン酸は、
一部は市販されており、容易に入手することができる。
また例えば Chemical Abstructs, 40巻, 4056頁 (194
6)、特開平8-12510 号公報、J. Heterocyclic Chem., 2
2, 1621 (1985) 等に記載の方法で合成することもでき
る。一般式 (III) で表される化合物は一部は市販され
ており、容易に入手することができる。また例えば、特
開昭 57-77603 号公報または薬学会誌、72 巻、376 頁
(1952) 等に記載された方法に準じて合成することがで
きる。
【0021】一般式(I)の化合物は、害虫、ダニその他
有害生物の防除効果を有し、例えば農業・林業・畜産業
・水産業及びこれら産業の製品保存場面や公衆衛生など
の広範囲の場面において、有害生物の忌避や駆除・防除
等に有効である。特に本発明化合物は、農業、林業等、
具体的には農作物の育成時や、収穫物及び樹木、観賞用
植物等に損害を与える有害生物や、公衆衛生場面におけ
る有害生物の忌避、駆除・防除等に用いる殺虫剤、殺ダ
ニ剤として、優れた効果を発揮する。
【0022】以下に具体的な使用場面、対象有害生物、
使用方法等を示すが、本発明は以下の記載に限定される
ものではない。さらに具体的に例示した有害生物は、対
象とする有害生物に限定されるものではなく、また例示
した有害生物は、その成虫、幼虫、卵等をも含むもので
ある。 (A)農業、林業場面等;本発明化合物は、農作物、例
えば食用作物(稲、麦類、とうもろこし、馬鈴薯、甘
藷、豆類等)、野菜(アブラナ科作物、うり類、なす、
トマト、ネギ類等)、果樹(柑橘類、りんご、ぶどう、
もも等)、特用作物(たばこ、茶、甜菜、サトウキビ、
綿、オリーブ等)、牧草・飼料用作物(ソルガム類、イ
ネ科牧草、豆科牧草等)や観賞用植物(草本・花卉類、
庭木等)などの育成場面に際して、これらに損害を与え
る節足動物類、軟体動物類、線虫類等や各種菌類等の有
害生物の忌避、防除等に有効である。更に、本発明化合
物は上述の作物からの収穫物、例えば穀類、果実、木の
実、香辛料及びタバコ等や、これらに乾燥、粉末化等の
処理を施した製品を貯蔵する際における、有害生物の忌
避、駆除等にも有効である。また立木、倒木、加工木
材、貯蔵木材等を、シロアリ類や甲虫類等の有害生物に
よる被害から保護する上でも有効である。
【0023】具体的な有害生物としては例えば、節足動
物門、軟体動物門及び線形動物門に属するものとして、
以下のものを挙げることができる。節足動物門昆虫綱と
しては、以下のものを例示することができる。鱗翅目と
しては、例えばハスモンヨトウ、オオタバコガ、ヨトウ
ガ、タマナギンウワバ等のヤガ科;コナガ等のスガ科;
チャノコカクモンハマキ、ナシヒメシンクイ等のハマキ
ガ科;ミノガ等のミノガ科;ギンモンハモグリガ等のハ
モグリガ科;キンモンホソガ等のホソガ科;ネギコガ等
のアトヒゲコガ科;コスカシバ等のスカシバガ科;カキ
ノヘタムシガ等のニセマイコガ科;ワタアカミムシ等の
キバガ科;モモシンクイガ等のシンクイガ科;イラガ等
のイラガ科;コブノメイガ、ニカメイチュウ、ワタヘリ
クロノメイガ等のメイガ科;イチモンジセセリ等のセセ
リチョウ科;アゲハ等のアゲハチョウ科;モンシロチョ
ウ等のシロチョウ科;ウラナミシジミ等のシジミチョウ
科;ヨモギエダシャク等のシャクガ科;エビガラスズメ
等のスズメガ科;モンクロシャチホコ等のシャチホコガ
科;チャドクガ等のドクガ科;アメリカシロヒトリ等の
ヒトリガ科などを挙げることができる。
【0024】甲虫目としては、例えばドウガネブイブ
イ、コアオハナムグリ、マメコガネ等のコガネムシ科;
ミカンナガタマムシ等のタマムシ科;マルクビクシコメ
ツキ等のコメツキムシ科;ニジュウヤホシテントウ等の
テントウムシ科;ゴマダラカミキリ、ブドウトラカミキ
リ等のカミキリムシ科;ウリハムシ、キスジノミハム
シ、イネドロオイムシ等のハムシ科;モモチョッキリゾ
ウムシ等のオトシブミ科;アリモドキゾウムシ等のミツ
ギリゾウムシ科;クリシギゾウムシ、イネミズゾウムシ
等のゾウムシ科などを挙げることができる。
【0025】半翅目としては、例えばチャバネアオカメ
ムシ、クサギカメムシ等のカメムシ科;ナシカメムシ等
のクヌギカメムシ科;ホソハリカメムシ等のヘリカメム
シ科;クモヘリカメムシ等のホソヘリカメムシ科;アカ
ホシカメムシ等のホシカメムシ科;ナシグンバイ等のグ
ンバイムシ科;ウスミドリメクラガメ等のメクラカメム
シ科;ニイニイゼミ等のセミ科;ブドウアワフキ等のア
ワフキムシ科;シロオオヨコバイ等のオオヨコバイ科;
フタテンヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ等の
ヒメヨコバイ科;ツマグロヨコバイ等のヨコバイ科;ヒ
メトビウンカ、トビイロウンカ等のウンカ科;アオバハ
ゴロモ等のアオバハゴロモ科;ナシキジラミ等のキジラ
ミ科;オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ
等のコナジラミ科;クリイガアブラムシ等のフィロキセ
ラ科;リンゴワタムシ等のタマワタムシ科;ワタアブラ
ムシ、モモアカアブラムシ、オカボノアカアブラムシ等
のアブラムシ科;イセリアカイガラムシ等のワタフキカ
イガラムシ科;ミカンコナカイガラムシ等のコナカイガ
ラムシ科;ルビーロウムシ等のカタカイガラムシ科;ナ
シマルカイガラ、クワシロカイガラ等マルカイガラムシ
科などを挙げることができる。
【0026】アザミウマ目としては、ミカンキイロアザ
ミウマ、チャノキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミ
ウマ等のアザミウマ科;カキクダアザミウマ、イネクダ
アザミウマ等のクダアザミウマ科などを挙げることがで
きる。膜翅目としては、例えばカブラハバチ等のハバチ
科;リンゴハバチ等のミフシハバチ科;クリタマバチ等
のタマバチ科;バラハキリバチ等のハキリバチ科などを
挙げることができる。双翅目としては、例えばダイズサ
ヤタマバエ等のタマバエ科;ウリミバエ等のミバエ科;
イネミギワバエ等のミギワバエ科;オウトウショウジョ
ウバエ等のショウジョウバエ科;ナモグリバエ、マメハ
モグリバエ等のハモグリバエ科;タマネギバエ等のハナ
バエ科などを挙げることができる。直翅目としては、例
えばクサキリ等のキリギリス科;アオマツムシ等のコオ
ロギ科;ケラ等のケラ科;コバネイナゴ等のバッタ科な
どを挙げることができる。トビムシ目としては、例えば
キマルトビムシ等のマルトビムシ科;マツモトシロトビ
ムシ等のシロトビムシ科などを挙げることができる。シ
ロアリ目としては、例えばタイワンシロアリ等のシロア
リ科が、ハサミムシ目としては、例えばオオハサミムシ
等のオオハサミムシ科などを例示することができる。
【0027】節足動物門甲殻綱及びクモ綱としては、以
下のものを例示することができる。甲殻綱の等脚目とし
ては、例えばオカダンゴムシ等のダンゴムシ科が挙げる
ことができる。クモ綱のダニ目としては、例えばチャノ
ホコリダニ、シクラメンホコリダニ等のホコリダニ科;
ムギダニ等のハシリダニ科;ブドウヒメハダニ等のヒメ
ハダニ科;ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダ
ニ、リンゴハダニ等のハダニ科;ミカンサビダニ、リン
ゴサビダニ、ニセナシサビダニ等のフシダニ科;ケナガ
コナダニ等のコナダニ科等を挙げることができる。
【0028】軟体動物門腹足門として、腹足綱の中腹足
目としては、例えばスクミリンゴガイ等を、柄眼目とし
ては例えばアフリカマイマイ、ナメクジ、ニワコウラナ
メクジ、チャコウラナメクジ、ウスカワマイマイ等を挙
げることができる。線形動物門幻器綱及び尾線綱として
は、以下のものを例示することができる。幻器綱ハリセ
ンチュウ目としては、例えばイモグサレセンチュウ等の
アングイナ科;ナミイシュクセンチュウ等のティレンコ
リンクス科;キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレ
センチュウ等のプラティレンクス科;ナミラセンチュウ
等のホプロライムス科;ジャガイモシストセンチュウ等
のヘテロデラ科;サツマイモネコブセンチュウ等のメロ
イドギネ科;ワセンチュウ等のクリコネマ科;イチゴメ
センチュウ等のノトティレンクス科;イチゴセンチュウ
等のアフェレンコイデス科などを例示することができ
る。尾腺綱ニセハリセンチュウ目としては、例えばオオ
ハリセンチュウ等のロンギドルス科;ユミハリセンチュ
ウ等のトリコドルス科などを挙げることができる。
【0029】さらに本発明化合物は、天然林、人工林な
らびに都市緑地等の樹木を加害或いは樹勢に影響を与え
る有害生物の忌避、防除・駆除等にも有効である。この
様な場面において、具体的な有害生物としては以下のも
のを挙げることができる。節足動物門昆虫綱及びクモ綱
としては、以下のものを例示することができる。鱗翅目
としては、例えばスギドクガ、マイマイガ等のドクガ
科;マツカレハ、ツガカレハ等のカレハガ科;カラマツ
マダラメイガ等のメイガ科;カブラヤガ等のヤガ科;カ
ラマツイトヒキハマキ、クリミガ、スギカサガ等のハマ
キガ科;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ科;シイモグ
リチビガ等のモグリチビガ科;ヒロヘリアオイラガ等の
イラガ科などを挙げることができる。また、甲虫目とし
ては、例えばヒメコガネ、ナガチャコガネ等のコガネム
シ科;ケヤキナガタマムシ等のタマムシ科;マツノマダ
ラカミキリ等のカミキリムシ科;スギハムシ等のハムシ
科;サビヒョウタンゾウムシ、マツノシラホシゾウムシ
等のゾウムシ科;オオゾウムシ等のオサゾウムシ科;マ
ツノキクイムシ、イタヤキクイムシ等のキクイムシ科;
コナナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科などを例
示することができる。
【0030】半翅目としては、例えばトドマツオオアブ
ラムシ等のアブラムシ科;エゾマツカサアブラ等のカサ
アブラムシ科;スギマルカイガラムシ等のマルカイガラ
ムシ科;ツノロウムシ等のカタカイガラムシ科などを挙
げることができる。膜翅目としては、例えばカラマツア
カハバチ等のハバチ科;マツノキハバチ等のマツハバチ
科;クリタマバチ等のタマバチ科などを挙げることがで
きる。双翅目としては、例えばキリウジガガンボ等のガ
ガンボ科;カラマツタネバエ等のハナバエ科;成虫、幼
虫及び卵を含むスギタマバエ、マツシントメタマバエ等
のタマバエ科などを挙げることができる。
【0031】クモ綱のダニ目としては、例えばスギノハ
ダニ、トドマツノハダニ等を挙げることができる。線形
動物門幻器綱ハリセンチュウ目としては、例えばマツノ
ザイセンチュウ等のパラシタフェレンクス科などを挙げ
ることができる。本発明化合物を有効成分とする有害生
物防除剤は、上述した農業や林業場面等において有効な
製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、
単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺
線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌
等と併用又は混合剤として使用することが出来る。より
具体例な活性化合物として、以下のものを例示すること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】殺虫・殺ダニ剤等の活性化合物:有機燐剤
としては、例えばジクロルボス、フェニトロチオン、マ
ラチオン、ナレド、クロルピリホス、ダイアジノン、テ
トラクロルビンホス、フェンチオン、イソキサチオン、
メチダチオン、サリチオン、アセフェート、ジメトン-S
メチル、ジスルフォトン、モノクロトホス、アジンホス
メシル、パラチオン、ホサロン、ピリミホスメチル、プ
ロチオホス等を挙げることができる。カーバメイト剤と
しては、例えばメトルカルブ、フェノブカルブ、プロポ
クスル、カルバリル、エチオフェンカルブ、ピリミカル
ブ、ベンダイオカルブ、カルボスルファン、カルボフラ
ン、メソミル、チオジカルブ等を挙げることができる。
有機塩素剤としては、例えばリンデン、DDT、エンドサ
ルファン、アルドリン、クロルデン等を挙げることがで
きる。ピレスロイド剤としては、例えばペルメトリン、
シペルメトリン、デルタメトリン、シハロトリン、シフ
ルトリン、アクリナトリン、フェンバレレート、エトフ
ェンプロックス、シラフルオフェン、フルバリネート、
フルシトリネート、ビフェントリン、アレスリン、フェ
ノトリン、フェンプロパトリン、シフェノトリン、フラ
メトリン、レスメトリン、トランスフルスリン、プラレ
トリン、フルフェンプロックス、ハロファンプロック
ス、イミプロトリン等を挙げることができる。ネオニコ
チノイド剤としては、例えばイミダクロプリド、ニテン
ピラム、アセタミプリド、テフラニトジン、チアメトキ
サム、チアクロプリド等を挙げることができる。フェニ
ルベンゾイルウレア剤等の昆虫成長制御剤としては、例
えばジフルベンズロン、クロロフルアズロン、トリフル
ムロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフ
ェヌロン、テフルベンズロン、ブプロフェジン、テブフ
ェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、シ
ロマジン等を挙げることができる。
【0033】幼若ホルモン剤としては、例えばピリプロ
キシフェン、フェノキシカルブ、メソプレン、ヒドロプ
レン等を挙げることができる。微生物により生産される
殺虫性物質としては、例えばアバメクチン、ミルベメク
チン、ニッコーマイシン、エマメクチンベンゾエート、
イベルメクチン、スピノサドー等を挙げることができ
る。
【0034】その他の殺虫剤として、例えばカルタッ
プ、ベンスルタップ、クロルフェナピル、ジアフェンチ
ウロン、硫酸ニコチン、メタアルデヒド、フィプロニ
ル、ピメトロジン、インドキサカルブ、トルフェンピラ
ド等を挙げることができる。殺ダニ剤の活性化合物とし
て、例えばジコホル、フェニソブロモレート、ベンゾメ
ート、テトラジホン、ポリナクチン複合体、アミトラ
ズ、プロパルギル、酸化フェンブタスズ、水酸化トリシ
クロヘキシルスズ、テブフェンピラド、ピリダベン、フ
ェンピロキシメート、ピリミジフェン、フェナザキン、
クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、アセキノシル、
キノメチオネート、フェノチオカルブ、エトキサゾー
ル、ビフェナゼート等を挙げることができる。
【0035】殺線虫剤の活性化合物として、例えばメチ
ルイソシアネート、ホスチアゼート、オキサミル、メス
ルフェンホス等を挙げることができる。毒餌としては、
例えばモノフルオロ酢酸、ワルファリン、クマテトラリ
ル、ダイファシン等を挙げることができる。殺菌剤の活
性化合物としては、例えば無機銅、有機銅、硫黄、マン
ネブ、チウラム、チアジアジン、キャプタン、クロロタ
ロニル、イプロベンホス、チオファネートメチル、ベノ
ミル、チアベンダゾール、イプロジオン、プロシミド
ン、ペンシクロン、メタラキシル、サンドファン、バイ
レトン、トリフルミゾール、フェナリモル、トリホリ
ン、ジチアノン、トリアジン、フルアジナム、プロベナ
ゾール、ジエトフェンカルブ、イソプロチオラン、ピロ
キロン、イミノクタジン酢酸塩、エクロメゾール、ダゾ
メット、クレソキシムメチル等を挙げることができる。
【0036】除草剤等の活性化合物としては、例えばビ
アラホス、セトキシジム、トリフルラリン、メフェナセ
ット等を挙げることができる。植物調整剤の活性化合物
としては、例えばインドール酪酸、エテホン、4-CPA等
を挙げることができる。忌避剤の活性化合物としては、
例えばカラン-3,4-ジオール、N,N-ジエチル-m-トリアミ
ド(Deet)、リモネン、リナロール、シトロネラール、
メントン、ヒノキチオール、メントール、グラニオー
ル、ユーカリプトール等を挙げることができる。
【0037】共力剤の活性化合物としては、例えばビス
-(2,3,3,3-テトラクロルプロピル)エーテル、N-(2-
エチルヘキシル)ビスクロ[2,1,1]ヘプト-5-エン-2,3-
ジカルボキシイミド、α-[2-(2-ブトキシエトキシ)エ
トキシ]-4,5-メチレンジオキシ-2-プロピルトルエン等
を挙げることができる。本発明の有害生物防除剤の使用
形態は任意であり、一般式(1)の化合物に農薬補助剤
を加えて、例えば水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、
液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプ
セル剤、粉剤、粒剤、エアゾール剤等に製剤して使用さ
れる。これらの製剤中における本発明化合物等の有効成
分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合
計量で0.001〜99.5重量%の範囲から選ばれ、製剤形態、
施用方法等の種々の条件により適宜決定すればよいが、
例えば、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、フ
ロアブル剤、カプセル剤等では約0.01〜90重量%程度、
好ましくは1〜50重量%、粉剤や粒剤等では0.1〜50重量
%程度、好ましくは1〜10重量%、エアゾール剤等では
約0.001〜20重量%程度、好ましくは0.01〜2重量%の有
効成分を含有するように製造することが好適である。
【0038】用いられる農薬補助剤は、有害生物の忌避
効果、防除効果、駆除効果の向上、および安定化、分散
性の向上等の目的で、例えば、担体(希釈剤)、展着
剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等を用いることが
できる。液体担体としては、水、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコー
ル等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチル
ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の
スルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、
動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体
担体としてはクレー、カオリン、タルク、珪藻土、シリ
カ、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、
デンプン、アラビアゴム等を用いることができる。乳化
剤、分散剤としては通常の界面活性剤を使用することが
でき、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウム、ステア
リルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルベタイン等
の陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イ
オン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤等を用いる
ことができる。また、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエー
テル等の展着剤;ジアルキルスルホサクシネート等の湿
展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウム等の崩壊剤を用いることができる。
【0039】例えば、水和剤の場合、有効成分である一
般式(I)の化合物、固形担体、および界面活性剤等を
混合して原末を製造し、さらにこの原末を使用に際して
所定濃度に水で希釈して施用することができる。乳剤の
場合、有効成分の上記化合物に対して溶剤および界面活
性剤等を混合して原液の乳剤を製造することができ、更
にこの原液を使用に際して所定濃度に水で希釈して施用
することができる。粉剤の場合、有効成分の上記化合
物、固形担体等を混合してそのまま施用することがで
き、粒剤の場合には、有効成分の上記化合物、固形担
体、および界面活性剤等を混合して造粒することにより
製造し、そのまま施用することができる。もっとも、上
記の各製剤形態の製造方法は上記のものに限定されるこ
とはなく、有効成分の種類や施用目的等に応じて当業者
が適宜選択することができるものである。
【0040】使用方法は、有害生物の種類や発生量や、
対象とする作物・樹木等の種類や栽培形態・生育状態に
より異なるが、例えば節足動物類、腹足類、線虫類等に
対しては、通常これらの有害生物による被害が発生して
いる場所、ないしは被害の発生が予測される場所に対し
て、一般的に10アール当たり有効成分量で0.1〜1000g、
好ましくは1〜100gを施用すればよい。
【0041】具体的な施用方法としては、例えば前述の
水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤
・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等ではこれ
らを水で希釈し、対象とする作物、樹木等の種類や栽培
形態・生育状態によって10アール当たり10〜1000リット
ルの範囲で、作物、樹木等に対して散布すればよい。ま
た粉剤、粒剤、エアゾール剤の場合には、その製剤の状
態で先述の使用方法の範囲で作物、樹木等に施用すれば
よい。
【0042】対象とする有害生物が、主として土壌中で
作物、樹木等を加害する場合には、例えば水和剤、顆粒
水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤
等のフロアブル剤、カプセル剤等を水で希釈し、一般に
10アール当たり5〜500リットルの範囲で施用すればよ
い。この際、施用区域全体に均等となるように土壌表面
に薬剤を散布するか、又は土壌中に灌注してもよい。製
剤の形態が粉剤又は粒剤等の際には、その製剤をそのま
ま、施用する区域全体に均等となるように土壌表面に散
布すればよい。また散布あるいは灌注の際に、有害生物
による被害から保護したい種子や作物、樹木等の周囲の
みに施用してもよいし、散布中又は散布後に耕耘し、有
効成分を機械的に分散させてもよい。
【0043】さらには、本発明化合物を有効成分とする
有害生物防除剤を公知の方法によって植物種子の周囲に
付着させてもよい。この様な処理によって、この種子の
播種後に、土壌中における有害生物による被害を防ぐこ
とができるのみでなく、成長後、植物体の茎葉部や花、
果実等を、有害生物による被害から保護することもでき
る。
【0044】前述の樹木や倒木、加工木材、貯蔵木材等
をシロアリ類又は甲虫類等による被害から保護する場合
には、例えば樹木や木材等の周囲土壌等に対して油剤、
乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注入・灌注・塗布、粉
剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散布する等の方法を挙
げることができる。この様な場面においても、本発明化
合物を有効成分とする有害生物防除剤を単独又は他の活
性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌
剤、忌避剤及び共力剤等と併用又は混合剤として使用し
て使用することができる。
【0045】これらの製剤中における本発明化合物等の
有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成
分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒
剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等で
は0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的に
は、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合
は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを土
壌あるいは木材表面に散布すればよい。
【0046】(B)畜産業、水産業場面等 本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は畜産業
や水産業及び家庭で飼育されるペット等の動物に対して
内的又は外的に寄生し、皮膚等の摂食や吸血等の直接の
危害を加えたり、病気を蔓延させる等の被害を加える節
足動物類、線虫類、吸虫類、条虫類、原生動物類等の有
害生物の忌避、駆除・防除に有効であり、これら有害生
物が関係する疾病の予防・治療にも使用できる。対象と
なる動物としては、脊椎動物、例えば温血脊椎動物であ
る牛、羊、山羊、馬、豚等の家畜や養殖魚類等;更には
家禽、犬、猫等やマウス、ラット、ハムスター、リス等
の齧歯類;フェレット等の食肉目及び魚類等のペットや
実験動物等を挙げることができる。
【0047】有害生物のうち、節足動物門昆虫綱及びク
モ綱としては、以下のものを例示することができる。双
翅目としては、例えばヤマトアブ、ツメトゲブユ、アカ
ウシアブ等のアブ科;クロバエ、イエバエ、サシバエ等
のイエバエ科;ウマバエ等のウマバエ科;ウシバエ等の
ウシバエ科;ヒツジキンバエ等のクロバエ科;オオキモ
ンノミバエ等のノミバエ科;ヒトテンツヤホソバエ等の
ツヤホソバエ科;オオチョウバエ、ホシチョウバエ等の
チョウバエ科;シナハマダラカ、コガタアカイエカ、ヒ
トスジシマカ等のカ科;オオブユ等のブユ科;ウシヌカ
カ、ニワトリヌカカ等のヌカカ科などを例示することが
できる。
【0048】また、隠翅目としては、例えばネコノミ、
イヌノミ等のヒトノミ科などを挙げることができる。シ
ラミ目としては、ブタジラミ、ウシジラミ等のカイジュ
ウジラミ科;ウマハジラミ等のケモノハジラミ科;ウシ
ホソジラミ等のケモノホソジラミ科;ニワトリハジラミ
等のタンカクハジラミ科などを挙げることができる。節
足動物門クモ綱のダニ目としては、例えばフタトゲチマ
ダニ、ヤマトマダニ、オウシマダニ、タカサゴキララマ
ダニ等のマダニ科;トリサシダニ等のオオサシダニ科;
ワクモ等のワクモ科;ブタニキビダニ等のニキビダニ
科;ネコショウセンコウヒゼンダニ、トリヒゼンダニ等
のヒゼンダニ科;ミミヒゼンダニ、ウシキュウセンヒゼ
ンダニ等のキュウセンダニ科などを挙げることができ
る。
【0049】線形動物門双線綱としては、以下のものを
例示することができる。円虫目としては、例えば牛鉤
虫、豚腎虫、豚肺虫、毛様線虫、牛腸結節虫等を挙げる
ことができる。回虫目としては例えば、豚回虫、鶏回虫
等を挙げることができる。扁形動物門吸虫綱としては、
例えば日本住血吸虫、肝テツ、鹿双口吸虫、ウエステル
マン肺吸虫、日本鶏卵吸虫等を挙げることができる。条
虫綱としては、例えば葉状条虫、拡張条虫、ベネデン条
虫、方形条虫、刺溝条虫、有輪条虫等を挙げることがで
きる。原生動物門鞭毛虫綱では、根鞭毛虫目としては、
例えばHistomonas等を、原鞭毛虫目としては、例えばLe
ishmania、Trypanosoma等を、多鞭毛虫目としては、例
えばGiardia等を、トリコモナス目としては、例えばTri
chomonas等を挙げることができる。
【0050】さらに、肉質綱のアメーバ目としては、例
えばEntamoeba等を、胞子虫綱のピロプラズマ亜綱とし
ては、例えばTheilaria、Babesia等を、晩生胞子虫亜綱
としては、例えばEimeria、Plasmodium、Toxoplasma等
を挙げることができる。本発明化合物を有効成分とする
有害生物防除剤は、上述した畜産業や水産業場面等にお
いて有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使
用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺
ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草
剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出
来る。より具体例な活性化合物として、「(A)農業、
林業場面等」の項で例示した物質等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0051】具体的な施用方法としては、例えば家畜や
ペット等の飼料に混入したり、適切な経口摂取可能な調
合薬剤組成物、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティ
ング物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲ
ル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大
粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性
デバイス等として経口投与したり、又はスプレー、粉
末、グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、ス
ポットオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与す
ることができる。
【0052】経皮投与や局所投与の方法としては、局部
的又は全身的に節足動物を防除するように動物に取り付
けたデバイス(例えば首輪、メダリオンやイヤータッグ
等)を利用することもできる。以下に家畜やペット等に
対する駆虫剤として使用する場合の具体的な経口投与方
法及び経皮投与方法を示すが、本発明において、これら
の投与方法は必ずしも以下の記述に限定されるものでは
ない。薬用飲料製剤として経口的に投与する場合には、
通常、ベントナイトのような懸濁剤あるいは湿潤剤又は
その他の賦形剤と共に適当な非毒性の溶剤又は水で溶解
して懸濁液又は分散液とすればよく、必要に応じて消泡
剤を含有してもよい。飲料製剤においては、一般に有効
成分化合物量を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.1
重量%含有する。
【0053】乾燥した固体の単位使用形態で経口的に投
与する場合には、通常所定量の有効成分化合物を含有す
るカプセル、丸薬又は錠剤を用いる。これらの使用形態
は、活性成分を適当に細粉砕した希釈剤、充填剤、崩壊
剤及び又は結合剤、例えばデンプン、乳糖、タルク、ス
テアリン酸マグネシウム、植物性ゴム等と均質に混和す
ることによって製造される。このような単位使用処方
は、治療される宿主動物の種類、感染の程度及び寄生虫
の種類及び宿主の体重によって駆虫剤の重量及び含量を
適宜設定すればよい。
【0054】飼料によって投与する場合には、有効成分
化合物を飼料に均質に分散させるか、薬剤をトップドレ
ッシングとして使用するかペレットの形態として使用す
る等の方法などを挙げることができる。抗寄生虫効果を
達成するためには、通常、最終飼料中に有効成分化合物
を0.0001〜0.05重量%、好ましくは0.0005〜0.01重量%
を含有する。
【0055】液体担体賦形剤に溶解又は分散させた場合
には、前胃内、筋肉内、気管内又は皮下注射によって非
経口的に動物に投与すればよい。非経口投与であるの
で、有効成分化合物は落花生油、綿実油等の植物油と混
合するのが好ましい。このような製剤処方においては、
一般に有効成分化合物を0.05〜50重量%、好ましくは0.1
〜0.2重量%を含有する。また、ジメチルスルホキシドあ
るいは炭化水素系溶剤等の担体と混合した製剤は、スプ
レー又は直接的注加によって家畜やペットの外部表面に
直接、そして局所的に投与することができる。
【0056】(C)公衆衛生場面等 本発明の有害生物防除剤は、衣・食・住環境に悪影響を
及ぼしたり、更には人体に危害を加えたり、病原体の運
搬や媒介をする等の公衆衛生場面等における有害生物に
対して、公衆衛生状態の維持等のための忌避、駆除・防
除にも有効である。具体的には本発明の有害生物防除剤
は、例えば住居自体やその屋内外の木材、木製家具等の
木材加工品、貯蔵食品、衣類、書籍、動物製品(皮、
毛、羊毛及び羽毛等)や植物製品(衣類、紙等)等に被
害を及ぼし、衛生的な生活に悪影響を及ぼす鱗翅目類、
甲虫類、シミ類、ゴキブリ類、ハエ類及びダニ類等の忌
避、駆除・防除に有効である。この様な公衆衛生場面に
おける有害生物として、具体的には以下のものを例示す
ることができる。
【0057】節足動物門昆虫綱としては、以下のものを
例示することができる。鱗翅目としては、例えばモンシ
ロドクガ等のドクガ科;クヌギカレハガ等のカレハガ
科;アオイラガ等のイラガ科;タケノホソクロバ等のマ
ダラガ科;スジマダラノメイガ、スジコナマダラメイ
ガ、ノシメマダラメイガ等のメイガ科;バクガ等のキバ
ガ科;イガ、コイガ等のヒロズコガ科などを挙げること
ができる。甲虫目としては、例えばアオカミキリモドキ
等のカミキリモドキ科;マメハンミョウ等のツチハンミ
ョウ科;アオバアリガタハネカクシ等のハネカクシ科;
コクゾウムシ、ココクゾウムシ等のオサゾウムシ科;ア
ズキゾウムシ、エンドウゾウムシ、ソラマメゾウムシ等
のマメゾウムシ科;コクヌストモドキ等のゴミムシダマ
シ科;ノコギリヒラタムシ、カクムネヒラタムシ等のヒ
ラタムシ科;タバコシバンムシ、ジンサンシバンムシ等
のシバンムシ科;ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオ
ブシムシ、ハラジロカツオブシムシ等のカツオブシムシ
科;ニセセマルヒョウホンムシ等のヒョウホンムシ科;
チビタケナガシンクイムシ、コナナガシンクイムシ等の
ナガシンクイムシ科;ヒラタキクイムシ等のヒラタキク
イムシ科などを挙げることができる。
【0058】膜翅目としては、例えばキイロスズメバチ
等のスズメバチ科;オオハリアリ等のアリ科;キオビベ
ッコウ等のベッコウバチ科などを挙げることができる。
双翅目としては、例えばヤマトヤブカ等のカ科;ヌカカ
等のヌカカ科;セスジユスリカ等のユスリカ科;アシマ
ダラブユ等のブユ科;アオコブアブ等のアブ科;イエバ
エ等のイエバエ科;ヒメイエバエ等のハナバエ科;クロ
キンバエ等のクロバエ科;センチニクバエ等のニクバエ
科;キイロショウジョウバエ等のショウジョウバエ科;
チーズバエ等のチーズバエ科などを挙げることができ
る。隠翅目としては、例えばヒトノミ等のヒトノミ科な
どを挙げることができる。粘管目としては、例えばムラ
サキトビムシ等のヒメトビムシ科などを挙げることがで
きる。ゴキブリ目としては、例えばチャバネゴキブリ、
キョウトゴキブリ等のチャバネゴキブリ科;ワモンゴキ
ブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ科な
どを挙げることができる。直翅目としては、例えばマダ
ラカマドウマ、カマドウマ等のコロギス科などを挙げる
ことができる。シラミ目としては、例えばアタマジラミ
等のヒトジラミ科;ケジラミ等のケジラミ科などを挙げ
ることができる。半翅目としては、例えばトコジラミ等
のトコジラミ科;オオトビサシガメ等のサシガメ科など
を挙げることができる。シロアリ目としては、例えばヤ
マトシロアリ、イエシロアリ等のミゾガシラシロアリ
科;ダイコクシロアリ等のレイビシロアリ科などを、チ
ャタテムシ目としては、例えばツヤコチャタテ等のコチ
ャタテ科;ヒラタチャタテ等のコナチャタテ科などを挙
げることができる。シミ目としては、例えばヤマトシ
ミ、セイヨウシミ等のシミ科などを挙げることができ
る。
【0059】節足動物門クモ綱としては、以下のものを
例示することができる。ダニ目としては、例えばシュル
ツェマダニ等のマダニ科;イエダニ等のオオサシダニ
科;ミナミツメダニ等のツメダニ科;シラミダニ等のシ
ラミダニ科;ニキビダニ等のニキビダニ科;ヤケヒョウ
ヒダニ等のチリダニ科;ヒゼンダニ等のヒゼンダニ科;
アカツツガムシ等のツツガムシ科;ケナガコナダニ、コ
ウノホシカダニ等のコナダニ科;サトウダニ等のサトウ
ダニ科などを挙げることができる。また、真正クモ目と
しては、例えばカバキコマチグモ等のフクログモ科;ア
シダカグモ等のアシダカグモ科;シモングモ、イエユウ
レイグモ等のユウレイグモ科;ヒラタグモ等のヒラタグ
モ科;チャスジハエトリ、ミスジハエトリ等のハエトリ
グモ科などを挙げることができる。サソリ目としては、
例えばマダラサソリ等のキョクトウサソリ科などを挙げ
ることができる。
【0060】その他節足動物門として、唇脚綱オオムカ
デ目としては、例えばトビズムカデ、アオズムカデ等の
オオムカデ科を、ゲジ目としては、例えばゲジ等のゲジ
科を挙げることができる。また節足動物門倍脚綱オビヤ
スデ目としては、例えばトヤケヤスデ等のヤケヤスデ科
を、節足動物門甲殻綱等脚目としては、例えばワラジム
シ等のワラジムシ科を挙げることができる。さらに、環
形動物門蛭綱顎蛭目としては、例えばヤマビル等のヤマ
ビル科を挙げることができる。
【0061】本発明の有害生物防除剤は、上述した公衆
衛生場面において有効な製剤、及び製剤によって調製さ
れた任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例え
ば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物
調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用
することが出来る。具体例な他の活性化合物としては、
「(A)農業、林業場面等」の項で例示した物質等を挙
げることができるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。
【0062】本発明の有害生物防除剤の使用形態は任意
であり、例えば上述の動物製品や植物製品等を保護する
際には、油剤、乳剤、水和剤、粉剤等の散布、樹脂蒸散
剤等の設置、燻煙剤や煙霧剤の処理、顆粒、錠剤及び毒
餌の設置、エアロゾールの噴霧等の方法で防除すること
ができる。これらの製剤中における有効成分化合物量と
しては、0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。
【0063】施用方法としては、有害生物、例えば直接
の危害を与える節足動物類や病気の媒介者である節足動
物類等に対しては、これらが潜在しうる周囲に例えば油
剤、乳剤、水和剤等の散布・注入・灌注・塗布、粉剤等
の散布、燻蒸剤、蚊取線香・自己燃焼型燻煙剤・化学反
応型煙霧剤等の加熱煙霧剤、フォッギング等の燻煙剤、
ULV剤等の製剤によって処理する方法などを挙げること
ができる。また別の製剤形態、例えば顆粒、錠剤又は毒
餌としてこれらを設置したり、フローティング粉剤、粒
剤等を水路、井戸、貯水池、貯水及びその他の流水もし
くは停留水中へ滴下するなどの方法で施用すればよい。
【0064】更に、農業、林業における有害生物でもあ
るドクガ類等に対しては、「(A)農業、林業場面等」
の項に記載した方法と同様な方法で防除することが可能
であり、ハエ類等に対しては家畜の飼料中に混入して糞
に有効成分が混入されるようにする方法、及びカ類等に
対しては電気蚊取器等で空中へ揮散させる方法等も有効
である。
【0065】これらの使用形態である製剤は、前記した
ような他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線
虫剤、殺菌剤、忌避剤又は共力剤との混合剤として存在
することもでき、これらの製剤中には有効成分化合物が
合計量で0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。な
お、使用時に他の活性化合物と併用することも可能であ
る。
【0066】家屋や木製家具等をシロアリ類又は甲虫類
等による被害から保護する場合には、例えばこれらやそ
の周辺に対して油剤、乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注
入・灌注・塗布、粉剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散
布する等の方法などを挙げることができる。この様な場
面においても本発明化合物を単独又は他の活性化合物、
例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤及
び共力剤等と併用又は混合剤として使用して使用するこ
とが出来る。
【0067】これらの製剤中における本発明化合物等の
有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成
分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒
剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等で
は0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的に
は、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合
は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを
周囲あるいは直接表面に散布すればよい。
【0068】人体に危害を加えたり、病原体の運搬や媒
介をする等の有害生物の忌避、駆除・防除に際しては、
上述のようなものの他に、適切な経口摂取可能な調合薬
剤組成物等、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティン
グ物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲ
ル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大
粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性
デバイス等として経口投与、あるいはスプレー、粉末、
グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、スポッ
トオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与するこ
とができる。具体的な製剤処方等は、「(B)畜産業、
水産業場面等」の項で説明した方法と同様に処方するこ
とができる。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例、製剤例、試験例によ
りさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越
えない限りこれらの例に限定されるものではない。 実施例 1 2-tert-ブチル-N-(5-ヘプタフルオロプロピル-1,3,4-チ
アジアゾール-2-イル)-4-メチルチアゾール-5-カルボン
酸アミドの合成 2-tert-ブチル-4-メチルチアゾール-5-カルボン酸 0.40
g、1,1'-カルボニルジイミダゾール 0.36 g およびテ
トラヒドロフラン 3 ml の混合物を室温で 30分間攪拌
した。減圧濃縮し、2-アミノ-5-ヘプタフルオロプロピ
ル-1,3,4-チアジアゾール 0.54 g およびトルエン 5 ml
を加えて 2 時間加熱還流後、シリカゲルカルムクロマ
トグラフィーで精製し、得られた結晶をメタノール/水
で洗浄して、表 1 記載の化合物 (No.12) 0.65 g を得
た。mp 131-132 ℃;1H NMR (CDCl 3) d (ppm) 1.47 (9
H, s), 2.80 (3H, s), 11.64 (1H, br) 実施例 2 実施例 1 記載の方法に準じて、表 1 の化合物を合成し
た。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】以下、本発明の化合物を有効成分として含
む農園芸用殺虫、殺ダニ剤の製剤例を示すが、本発明の
使用形態は下記のものに限定されるものではない。 製剤例1:水和剤 本発明の化合物20重量部、カープレックス#80(ホ
ワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)20重
量部、STカオリンクレー(カオリナイト、土屋カオリ
ン社、商品名)52重量部、ソルポール9047K(ア
ニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)5重
量部、ルノックスP65L(アニオン性界面活性剤、東
邦化学株式会社、商品名)3重量部を配合し、均一に混
合粉砕して、有効成分20重量%の水和剤を得た。
【0073】製剤例2:粉剤 本発明の化合物2重量部、クレー(日本タルク社製)9
3重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、
塩野義製薬株式会社、商品名)5重量部を均一に混合粉
砕して、有効成分2重量%の粉剤を製造した。 製剤例3:乳剤 本発明の化合物20重量部をキシレン35重量部および
ジメチルホルムアミド30重量部からなる混合溶媒に溶
解し、これにソルポール3005X(非イオン性界面活
性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学株式会
社、商品名)15重量部を加えて、有効成分20重量%
の乳剤を得た。
【0074】製剤例4:フロアブル剤 本発明の化合物30重量部とソルポール9047K 5
重量部、ソルボンT−20(非イオン性界面活性剤、東
邦化学株式会社、商品名)3重量部、エチレングリコー
ル8重量部および水44重量部をダイノミル(シンマル
エンタープライゼス社製)で湿式粉砕し、このスラリー
状混合物に1重量%キサンタンガム(天然高分子)水溶
液10重量部を加え、よく混合粉砕して、有効成分20
重量%のフロアブル剤を得た。
【0075】以下、本発明の化合物を有効成分として含
む農園芸用殺虫、殺ダニ剤の試験例を示すが、本発明の
使用形態は下記のものに限定されるものではない。 試験例1:コナガの幼虫に対する殺虫効果 製剤例3の処方にしたがって製造した本発明殺虫剤の水
希釈液中に、キャベツ切葉(直径6cm)を1分間浸漬
した。浸漬後風乾しプラスチックカップ(内径7cm)
に入れ、このカップ内にコナガの3令虫を5頭放虫した
(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、放虫
4日後に幼虫の生死および苦悶を調査し、苦悶虫を1/
2頭死として殺虫活性(%)を求めた。結果を表 2 に
示した(以下の表中、化合物番号は表 1 に対応してい
る)。
【0076】
【表3】
【0077】試験例 2:ナミハダニの成虫に対する殺ダ
ニ効果 水を入れた試験管 (容量 : 50ml) に、初生葉1枚
を残したいんげん苗の茎部を挿し、ナミハダニの雌成虫
を1葉あたり15頭接種した。接種1日後にハダニの寄
生した葉を製剤例 3 の処方に従って製造した本発明殺
ダニ剤の水希釈液に浸漬処理 (約5秒間) した (1濃
度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、処理後5日
目にいんげん葉上のハダニ雌成虫数を調査し、その結果
に基づき殺成虫率(%)を求めた。結果を表 3 に示し
た。
【0078】
【表4】
【0079】
【発明の効果】本発明のN-チアジアゾリルカルボン酸ア
ミド類は、有害な昆虫、ダニ類に対して優れた防除効果
を有し、農林業、防疫用の優れた殺虫、殺ダニ剤であ
る。更に、畜産、水産業或いは各種の製品の保存上、公
衆衛生上の各種有害生物の防除剤としても期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福地 俊樹 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB09 CC67 DD52 DD62 EE03 4H011 AC01 AC04 BA01 BB10 BC01 BC03 BC06 BC18 BC19 BC20 DA02 DA15 DA16 DH03 DH14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】 下記一般式 (I) 【化1】 (式中、Aは硫黄原子または酸素原子を示し、R1 は、
    アルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキ
    ルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニ
    ル基、ハロアルキル基、R3 で置換されていても良いフ
    ェニル基またはハロゲン原子を示し、ここでR3 はアル
    キル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチ
    オ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル
    基、ハロアルキル基、シアノ基またはニトロ基を示し、
    R2 は アルキル基、ハロアルキル基または水素原子を示
    し、Yはハロアルキル基を示す)で表されるN-チアジア
    ゾリルカルボン酸アミド類。
  2. 【請求項 2】 請求項 1 に記載の一般式 (I) において
    Yがペルフルオロアルキル基であるN-チアジアゾリルカ
    ルボン酸アミド類。
  3. 【請求項 3】 請求項 1または2に記載のN-チアジア
    ゾリルカルボン酸アミド類を有効成分として含有する殺
    虫、殺ダニ剤。
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