JP2002153931A - 熱交換チューブ及びフィンレス熱交換器 - Google Patents
熱交換チューブ及びフィンレス熱交換器Info
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Abstract
交換器に適した熱交換チューブを提供する。 【解決手段】 複数のチューブ11をリブ12でつなげ
た形状の多穴チューブを成形する。この多穴チューブ
は、ヘッダに挿入される両端部を残して前記リブ12を
切断除去し、個々のチューブ11間を分離させた状態で
使用する。
Description
用いられる熱交換器用の熱交換チューブ及びこの熱交換
チューブを用いたフィンレス熱交換器に係り、特に、熱
交換器の小型化及び軽量化に用いて好適な技術に関す
る。
いては、凝縮器、蒸発器及びヒータコアのような熱交換
器が冷凍サイクル中に用いられている。ここで、従来の
熱交換器の構成例を図面に基づいて簡単に説明する。図
17は車両用空気調和装置に用いられる熱交換器の一例
としてヒータコアを示したものであり、図中の符号1は
エンジン冷却水を導入して空気(熱交換流体)を加熱す
るヒータコア、2は左右一対のヘッダ、3は熱交換媒体
としての温水を流す扁平チューブ、4は空気側の伝熱面
積を増大させるコルゲートフィンである。
ッダ2,2間を上下方向に間隙を設けて多段に並べた扁
平チューブ3で連結し、隣接する扁平チューブ3,3間
にはコルゲートフィン4を設置してある。ヘッダ2及び
扁平チューブ3を流れる温水は、扁平チューブ3,3間
を通過する空気を加熱するが、この時、コルゲートフィ
ン4が空気への伝熱面積を増すことで熱交換効率の向上
を図っている。なお、従来の熱交換器では、上述した扁
平チューブ3とコルゲートフィン4との組合せの他に
も、プレートフィンと丸管とを組合せたものもあり、い
ずれの場合も冷媒や温水などの熱交換媒体と熱交換して
冷却または加熱される空気側の伝熱面積を増すため、フ
ィンを付加した構成となっている。
調和装置においては、空気調和装置自体の小型化、軽量
化及び高効率化が望まれており、従って、冷凍サイクル
中に設置される熱交換器についても、その効率を向上さ
せることにより、小型化及び軽量化を達成することが求
められている。
ので、小型化及び軽量化したフィンレス熱交換器の提
供、そして、このフィンレス熱交換器に好適な熱交換チ
ューブの提供を目的とするものである。
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
熱交換チューブは、複数のチューブをリブでつなげた形
状の多穴チューブを成形し、ヘッダに挿入される両端部
を残し前記リブを切断除去して個々のチューブ間を分離
させたことを特徴とするものである。
のチューブをヘッダに組み付ける際において、複数のチ
ューブの両端をリブでつなげた多穴チューブ(管群)と
して取り扱うことが可能になるので、保持や組み付け作
業が容易になる。また、両端部を除いてリブを切断除去
したので、熱交換する空気等の熱交換流体の流れを各チ
ューブの前面に当てて、チューブ内を流れる熱交換媒体
と効率よく熱交換させることができる。
ブの断面を円形または楕円形にするのが好ましく、円形
の断面とすれば耐圧強度の面で有利になる。また、前記
チューブを楕円形の断面とすれば、円形断面と比較して
管外熱伝達率を向上させ、かつ、チューブ外を流れる空
気流の圧損を低減させることができる。なお、より好ま
しくは、外周長に基づく相当直径で3mm以下の楕円管
にするとよい。
の押し出し成形品とすれば、熱交換チューブを容易に製
造することができる。この場合、前記多穴チューブの成
形が、押し出し成形工程と、前記リブの切断除去工程
と、該切断除去工程後のプレス成形工程とを具備してな
されることで、押し出し成形ができない形状のものであ
っても、プレス加工を加えることで成形可能となる。ま
た、前記チューブの断面形状を楕円形とし、内部に複数
の円形断面流路を設けることで、楕円形の外形形状によ
り管外熱伝達率及び空気流の圧損面で有利になり、か
つ、内部には耐圧強度に優れている円形断面流路を複数
設けることが可能になる。
たは楕円形の凹部と平面部とを交互に複数列設けた一対
の熱伝導性金属よりなる板状部材を合わせて一体化した
ものでもよく、このような熱交換チューブは、チューブ
肉厚を薄くできるなど押し出し成形に比べて設計の自由
度が高くなる。
金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金製であるこ
とが好ましい。また、上述した熱交換チューブにおいて
は、前記リブの切断除去を断続的に実施し、前記両端部
以外に前記チューブ間の連結リブを設けて補強板として
機能させてもよい。また、上述した熱交換チューブにお
いては、前記チューブを千鳥配置にすることで、空気側
の熱伝達率を向上させる共に、配列ピッチの自由度を増
すことができる。
は、前記チューブの外側を通過して流れる熱交換流体流
れ方向の後流側に連なる水平部を残して前記リブの切断
除去を実施すれば、チューブ後流側における空気流の剥
離や渦の発生を低コストで抑制することができる。ま
た、上述した熱交換チューブにおいては、前記チューブ
の内周面に微細溝を設けることが好ましく、これによ
り、内周の表面積を増加させて管内側の伝熱性能を向上
させることができる。また、上述した熱交換チューブに
おいては、前記リブの切断除去工程をなくして前記リブ
を全面的に残してもよく、これによりリブがチューブ後
流側の剥離や渦の発生を抑制し、さらに、製造工程が減
ることで低コスト化できる。また、上述した熱交換チュ
ーブにおいては、前記リブを前記チューブの軸方向に断
続的に切断し、該切断部分を折曲してスペーサとして活
用してもよく、これにより、隣接するチューブとの間の
ピッチを定めるスペーサを一体的に設けることができ
る。
は、熱交換流体流路となる間隙を設けて配列した多数の
熱交換媒体流路の細管によりヘッダ間を連結して構成し
たことを特徴とするものである。
多数の細管を用いたことで管内側及び熱交換流体(空気
等)側の熱伝達率が向上し、さらに、フィンをなくした
ことで金属間の熱抵抗がなくなるので、熱交換器の熱交
換能力を向上させて小型化及び軽量化を可能にする。こ
の場合、前記多数の細管が、請求項1から13のいずれ
かに記載の熱交換チューブを組み合わせたものが好まし
く、特に、前記細管を外周長に基づく相当直径で3mm
以下の楕円管とするのが好ましい。
前記ヘッダに矩形断面の挿入穴を設け、前記熱交換チュ
ーブの両端に前記挿入穴の矩形断面に合わせるプレス加
工を施すことが好ましく、これにより、ヘッダの挿入穴
加工が容易になり、ヘッダの加工コストを低減できる。
あるいは、前記ヘッダに矩形断面の挿入穴を設け、前記
熱交換チューブの両端に前記挿入穴の矩形断面に合わせ
たアダプタを取り付けてもよく、これにより、ヘッダに
おけるチューブの挿入穴加工が容易になり、製造コスト
の低減に貢献する。この場合、前記アダプタを2分割構
造とするのが好ましく、これにより、熱交換チューブの
端部を挟み込むようにしてアダプタを容易に取り付ける
ことができる。
ブ及びフィンレス熱交換器の一実施形態を図面に基づい
て説明する。図12は本発明によるフィンレス熱交換器
の構成を示す斜視図であり、図中の符号100はフィン
レス熱交換器、101は熱交換媒体流路となる細管(チ
ューブ)、102はヘッダを示している。このフィンレ
ス熱交換器100は、左右一対のヘッダ102,102
間を多数の細管101で連結した構成となっており、各
細管101の間には空気(熱交換流体)流路となる間隙
が設けられている。
とえば長径Lが2mm程度でかつ短径Sが1.2mm程
度と細い楕円断面形状のものを採用し、長径Lと空気流
れ方向とが平行となるように配置して使用する。そし
て、多数の細管101は、たとえば空気流れ方向にピッ
チP(たとえば2.4mm程度)で配置すると共に、上
下方向に間隙H(たとえば1.9mm程度)を設けて千
鳥状に配列されており、この結果、各細管101間には
空気流路となる間隙が形成されている。また、このよう
にして形成した各細管101間の隙間は、従来の熱交換
器と異なり、コルゲートフィンなどのフィンを設けるこ
となく空間部をそのまま空気流路として活用している。
0とすれば、冷媒等熱交換媒体の流路として楕円断面形
状の細管101を多数配列したので、円形断面の細管と
比較して、空気側の熱伝達率が向上する。そして、楕円
形状細管は、円形細管と比較して空気流の剥離点が後方
に移動するため、形状抵抗の大幅な低下により熱交換器
を通過する空気流の圧力損失が低減され、結果として、
細管101の稠密配置が可能となって高い熱交換能力を
得ることができる。また、径の小さい細管101を採用
(細径化)したことで、管内側熱伝達率及び空気側熱伝
達率が共に向上し、かつ細管101の外周面積及び内周
面積の合計値が増加する。さらに、細管101間にフィ
ンを設けない構成としたので、金属抵抗(すなわちフィ
ンと細管101との間の熱抵抗)がゼロとなり、これに
よる熱の損失をなくすことができる。
内側熱伝達率向上、空気圧損の低減及び金属抵抗の解消
との相乗効果により、フィンレス熱交換器100の熱交
換能力が向上する。このため、必要な熱交換能力を小型
化及び軽量化した熱交換器で得ることが可能となり、熱
交換器を設置するスペースの確保が容易になったり、熱
交換器を備えた装置自体を小型化することもできる。あ
るいは、フィンレス熱交換器100を従来と同様の大き
さにすることで、熱交換能力の高い熱交換器として使用
することも可能である。
01には、その外周長に基づく相当直径D0 に関して、
細径化の最適値があることを見出しており、以下これに
ついて説明する。図16は、外周長に基づく相当直径D
0 を1mm,2mm,3mmとした3種類の細管101
についてその短径/長径比を変え、フィンレス熱交換器
(ここではヒータコア)に用いた場合の実験結果を示し
たものであり、楕円の短径/長径比を横軸に、熱交換能
力KA0 (W/K)を縦軸にとってある。ここで、熱交
換能力KA0 において、Kは熱通過率、A0 は外表面積
である。なお、ここで使用しているヒータコアの熱交外
寸は、W(横幅)160mm、H(高さ)145mm、
D(奥行)25mmであり、正面風速3m/s、空気圧
損140Pa、水量360l/hとして実験し、一方、
比較用の従来品については、コルゲートフィンと扁平チ
ューブとを組み合わせたものを使用している。
01としては、外周長に基づく相当直径D0 が3mm以
下とするのが好ましい。これは、破線で示す従来品の熱
交換能力を基準とした場合、従来品より熱交換能力が高
い破線より上の領域は、楕円管として妥当な短径/長径
比(0.5程度)より大きいものではD0 =3mmが限
界となるためである。すなわち、D0 が3mmより大き
くなると、短径/長径比を0.5より小さくしなければ
ならず、従って、かなり扁平の楕円形状としなければ従
来品の熱交換能力を上回ることができず好ましくない。
なお、楕円の短径/長径比を1にすれば円となる。
細管101内を熱交換媒体が流れるので、熱交換媒体が
ヘッダ102に設けた仕切部材の作用により左右に往復
して流れるいわゆるマルチフロータイプとするよりは、
一方のヘッダ102から他方のヘッダ102へ全量が一
方向へ流れる1パス方式を採用し、圧損の低減を図るこ
とが望ましい。
楕円形状に限定されることはなく、たとえば円形断面や
多角形断面のものを採用してもよいし、また、細管10
1の配置については必ずしも千鳥状とする必要はない。
では、多数の細管101をヘッダ102に挿入するもの
であるが、多数の細管101をヘッダ102に挿入する
作業は、作業性や製造コストなどの面で難がある。そこ
で、上述したフィンレス熱交換器100に用いて好適な
熱交換チューブ、すなわち複数のチューブを一体にまと
めた多穴チューブの構成を以下に説明する。図1は、熱
交換チューブに係る第1の実施形態を示しており、図中
の符号10は熱交換チューブ、11はチューブ、12は
リブ、13はリブ除去部である。
1をリブ12でつなげた形状の多穴チューブであり、上
述したヘッダ102に挿入される両端部を残して中央部
のリブ12を切断除去し、隣接するチューブ11間を分
離状態にしたリブ除去部13を形成してある。このよう
に構成された熱交換チューブ10の製造は、たとえばア
ルミニウムまたはアルミニウム合金のような熱伝導性金
属を押し出し成形することで、図2に示すように、平行
に配列された複数(図示の例では6本)のチューブ11
間をリブ12により連結して一体化した形状の熱交換チ
ューブ基本体(多穴チューブ)10′とする。この後、
チューブ11における軸方向両端部を残して中央部分の
リブ12を切断除去すれば、6本のチューブ11が両端
部でリブ12により一体化された管群の熱交換チューブ
10となる。なお、リブ12を切断除去することにより
生じた空間部分がリブ除去部13である。
ーブ11の断面形状として管外熱伝達率の向上や空気圧
損の低減などに有利な楕円形を採用しているが、耐圧面
で有利になる円形断面としてもよい。なお、チューブ1
1の断面形状については、楕円形や円形に限定されるこ
とはなく、たとえば多角形断面としてもよい。
ス熱交換器100に採用すれば、多数のチューブ101
をヘッダ102に組み付けする作業に代えて、複数のチ
ューブ11を一体化した多穴チューブの管群として取り
扱うことができるので、組み付け作業時における保持や
作業が容易になる。また、両端部を除いてリブ12を切
断除去したので、熱交換する空気の流れはリブ除去部1
3を通って各チューブ11の前面に当たり、チューブ1
1内を流れる熱交換媒体と効率よく熱交換させることが
できる。なお、ここでのチューブ11の形状、寸法及び
配列等については、上述した単独の細管101に関して
説明したものを適用すればよい。
アルミニウム等の熱伝導性金属を押し出し成形すること
で容易に製造することができるため、組み付け作業性の
向上と共に製造コストの低減に有効となる。また、熱交
換チューブ基本体10′の成形が押し出し成形工程のみ
では困難な形状の場合には、図3に示すように、押し出
し成形工程(a)及びリブ12の切断除去工程(b)に
加えて、(c)に示すプレス成形工程を実施すればよ
い。このプレス成形工程は、最終的に望む外形形状とし
た成形型14a,14bによるプレス加工を熱交換チュ
ーブ基本体10′に施すものであり、たとえば円形断面
のチューブ11を押し出し成形した後、プレス成形によ
り楕円形断面とすることが可能である。なお、図中の符
号15は、リブ12を切断除去するカッタを示してい
る。
第2の実施形態を図4に示して説明する。この熱交換チ
ューブ20は、チューブ21全体の断面形状を楕円形と
して複数をリブ22でつなぎ、各チューブ21の内部に
複数(図示の例では二つ)の円形断面流路23を設けて
ある。このような構成の熱交換チューブ20とすれば、
楕円形としたチューブ21の外形形状により管外熱伝達
率及び空気流の圧損面で有利になり、かつ、内部には耐
圧強度に優れている円形断面流路23を複数設けること
が可能になる。なお、図示の熱交換チューブ20は、リ
ブ22を切断除去する前の断面形状を示しており、上述
した第1の実施形態と同様の処理が施される。
第3の実施形態を図5に示して説明する。この熱交換チ
ューブ30は、半円形または楕円形の凹部31と平面部
32とを交互に複数列設けた上下一対の板状部材33
A,33Bを合わせて一体化したものであり、上下の凹
部により形成される熱交換媒体の流路部(チューブに相
当)34と平らなリブ相当部35とが交互に複数列形成
される。この場合、重ね合わせる上下一対の平面部32
間をろう付けするなどして一体化した後、同平面部32
については一体化に必要な部分及び両端部を残して切断
除去し、リブ除去部36を形成する。なお、板状部材3
3A,33Bについては、プレス成形により容易に成形
することができる。このような構成の熱交換チューブ3
0とすることにより、チューブに相当する流路部34の
肉厚を薄くできるなど、押し出し成形に比べて設計の自
由度が高くなるという利点がある。
ブ10,20,30は、熱伝導性金属としてアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金を用いたものが好ましく、押
し出し加工等の成形性に優れ、良好な熱交換能力を得る
ことができる。しかし、上述した本発明はこれに限定さ
れるものではなく、他の熱伝導性金属を採用可能なこと
はもちろんである。
ブ10,20,30においては、リブ12,22及びリ
ブ相当部35の切断除去については、図6に示す第1変
形例のように、切断除去を断続的に実施してもよい。す
なわち、両端部以外にもチューブ間を連結するための連
結リブ16を適当なピッチで残し、熱交換チューブの撓
みや変形を防止又は抑制する補強板として機能させても
よい。なお、図6に示す変形例では、中央部の1箇所に
のみ連結リブ16を設けてあるが、熱交換チューブの長
さに応じて連結リブ16の数を増し、2箇所以上設ける
ようにしてもよい。
ブ10,20,30においては、図7に示す第2変形例
のように、隣接するチューブ11を上下方向へ交互に移
動させ、千鳥配置にするとよい。すなわち、図7(a)
に想像線で示す成形当初のチューブ位置から、ほぼ短径
の半分に相当する分だけ上に変形移動させるチューブ1
1aと、反対にほぼ短径の半分に相当する分だけ下に変
形移動させるチューブ11bとを交互に配置する。この
ようにチューブ11を千鳥配置とすれば、各チューブ1
1a,11bの先端に空気流が当たりやすくなるので、
空気側の熱伝達率をより一層向上させることができると
共に、チューブの配列ピッチに関する設計上の自由度を
増すことができる。
ブ10,20,30においては、図8(b)に示す第3
変形例のように、チューブ11の後流側に水平部となる
部分リブ12aを部分的に残してもよい。この部分リブ
12aは、チューブ11の外側を図中に矢印で示すよう
に通過して流れる空気(熱交換流体)流れ方向におい
て、その後流側に連なるリブ12の一部をチューブ11
につなげた状態で残し、他を切断除去することで形成し
たものである。すなわち、上述したリブ12の切断除去
範囲を狭めるだけであり、実質的な工数の増加はなく低
コストで容易に実施できる。このような図8(b)の構
成とすれば、図8(a)に示すように部分リブ12aが
ない場合と比較して、チューブ後流側における空気流の
剥離や渦の発生が抑制されるので、空気流の圧力損失を
低コストで低減することができる。
うに空気流の圧力損失を低減させるためには、たとえば
図9に示す他の実施例のように、リブ12の切断除去工
程をなくし、全面的にリブ12を残すようにしてもよ
い。この場合、リブ12が全面的に存在しているため熱
伝達率の面では不利になる反面、リブ12がチューブ後
流側における空気流の剥離や渦の発生を抑制し、しか
も、製造工程が減ることから、より低コストで圧力損失
を低減できるという利点がある。すなわち、この場合の
熱交換チューブ10は、図2に示した熱交換チューブ基
本体10′と実質的に同じものとなる。
ブ10,20,30においては、たとえば図10に示す
第4変形例のように、チューブ11の内周面に微細溝1
7を設けることが好ましい。この微細溝17は、第1及
び第2の実施形態では押し出し成形と同時に軸方向(押
し出し方向)へ設けることが可能であり、第3の実施形
態では、板状部材33A,33Bのプレス整形と同時に
所望の方向に形成することが可能である。このような微
細溝17を設けたチューブとすることにより、内周の表
面積が増加する分管内側の伝熱性能を向上させることが
できる。
ブ10,20,30においては、たとえば図11に示す
第5変形例のように、リブ12を隣接するチューブ11
に沿って軸方向へ断続的に切断しておき、この切断部分
を下向きに折曲してスペーサ18として活用する。これ
により、上下方向に隣接するチューブ11間のピッチ
(図13における間隙H)を容易に規定できるようにし
たスペーサ18を、熱交換チューブと一体的に設けるこ
とができる。
ブ10,20,30をフィンレス熱交換器100のヘッ
ダ102に挿入する部分の構成例に関し、その好適な実
施形態を図14及び図15に示して説明する。図14に
示す第1の実施形態では、ヘッダ102に矩形断面の挿
入穴103を多段に設けておき、一方、熱交換チューブ
10側では、両端を挿入穴103の矩形断面に合わせる
ためにプレス加工を施す。すなわち、図14(b)に示
すように、熱交換チューブ10を先端側の正面から見た
形状が挿入穴103と一致する矩形となるように変形さ
せた熱交換チューブ10Aとする。このようにプレス加
工を施した熱交換チューブ10Aとすることにより、ヘ
ッダ102側に設ける挿入穴103の形状を単純な矩形
形状とすることができ、従って、挿入穴103の加工が
容易になり、ヘッダ102の加工コストを低減できる。
なお、上下に隣接する挿入穴103については、チュー
ブ11の配置が千鳥状となるよう左右に交互にずらして
設けておくとよい。
102に矩形断面の挿入穴103を同様に設け、熱交換
チューブ10の両端にそれぞれ挿入穴103の矩形断面
に合わせたアダプタ104を取り付けておく。このよう
な構成としても、ヘッダ102におけるチューブ10の
挿入穴加工が容易になり、製造コストの低減に貢献する
ことができる。なお、この場合においては、アダプタ1
04をチューブ11の配列方向と平行に2分割した構造
とするのが好ましく、これにより、熱交換チューブ10
の端部を上下から挟み込むようにしてアダプタ104を
容易に取り付けることができる。
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で設計
変更可能であることは言うまでもない。
ィンレス熱交換器によれば、以下の効果を奏する。 (1) 多数の細管を用いてヘッダ間を連結すると共
に、フィンを全く用いない構成のフィンレス熱交換器と
したので、管内側熱伝達率及び空気側熱伝達率が共に向
上し、かつ、金属抵抗がゼロとなる。このため、熱交換
器の熱交換能力が向上し、熱交換器を小型化及び軽量化
することが可能となる。 (2) 特に、細管(チューブ)として外周長に基づく
相当直径が3mm以下の楕円形断面(楕円チューブ)を
採用すれば、円形断面と比較して空気側熱伝達率が向上
し、かつ、空気流の圧力損失も低減するので、この点か
らも熱交換器の熱交換能力が向上し、小型化及び軽量化
に貢献できる。 (3) 複数のチューブを一体化した熱交換チューブを
採用すれば、フィンレス熱交換器のヘッダに細管を組み
付けする際、多数のチューブの保持や組み付け作業が容
易になる。このため、フィンレス熱交換器の製造コスト
を低下させ、安価に製造できるようになる。
態を示す図であり、(a)は全体構成を示す斜視図、
(b)は(a)のA−A断面図である。
状態にある熱交換チューブ基本体を示す図であり、
(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図であ
る。
変形例を示す図で、(a)は押し出し成形工程、(b)
は切断除去工程、(c)はプレス加工工程を示す説明図
である。
態を示す断面図である。
態を示す図であり、(a)は部品段階の板状部材を示す
斜視図、(b)は板状部材を合わせて一体化した状態を
示す断面図、(c)は切断除去後の完成状態を示す断面
図である。
実施形態に係る第1変形例を示す平面図である。
実施形態に係る第2変形例を示す図であり、(a)は断
面図、(b)は(a)の左側面図である。
実施形態に係る第3変形例に関する図であり、(a)は
部分リブがない場合の断面図、(b)は部分リブを設け
た第3変形例を示す断面図である。
実施例を示す断面図である。
の実施形態に係る第4変形例を示すである。
の実施形態に係る第5変形例を示す図であり、(a)は
要部斜視図、(b)は先端側から見た要部正面図であ
る。
形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)
の要部拡大図である。
いる細管を示す図であり、(a)は断面図、(b)は細
管配列例を示す図である。
構成に関する第1の実施形態を示す図であり、(a)は
分解斜視図、(b)は熱交換チューブ先端のプレス加工
による変形を示す図である。
構成に関する第2の実施形態を示す図であり、(a)は
断面図、(b)は分解斜視図である。
て、楕円の短径/長径比と熱交換能力(KA0 )との関
係を示す実験結果の図である。
る。
Claims (19)
- 【請求項1】 複数のチューブをリブでつなげた形状
の多穴チューブを成形し、ヘッダに挿入される両端部を
残し前記リブを切断除去して個々のチューブ間を分離さ
せたことを特徴とする熱交換チューブ。 - 【請求項2】 前記チューブの断面を円形または楕円
形にしたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換チュ
ーブ。 - 【請求項3】 前記多穴チューブが熱伝導性金属の押
し出し成形品であることを特徴とする請求項1または2
に記載の熱交換チューブ。 - 【請求項4】 前記多穴チューブの成形が、押し出し
成形工程と、前記リブの切断除去工程と、該切断除去工
程後のプレス成形工程とを具備してなされることを特徴
とする請求項3に記載の熱交換チューブ。 - 【請求項5】 前記チューブの断面形状を楕円形と
し、内部に複数の円形断面流路を設けたことを特徴とす
る請求項3に記載の熱交換チューブ。 - 【請求項6】 前記多穴チューブが、半円形または楕
円形の凹部と平面部とを交互に複数列設けた一対の熱伝
導性金属よりなる板状部材を合わせて一体化したもので
あることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換
チューブ。 - 【請求項7】 前記熱伝導性金属がアルミニウムまた
はアルミニウム合金製であることを特徴とする請求項3
から6のいずれかに記載の熱交換チューブ。 - 【請求項8】 前記リブの切断除去を断続的に実施
し、前記両端部以外に前記チューブ間の連結リブを設け
たことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の
熱交換チューブ。 - 【請求項9】 前記チューブを千鳥配置にしたことを
特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱交換チ
ューブ。 - 【請求項10】 前記チューブの外側を通過して流れ
る熱交換流体流れ方向の後流側に連なる水平部を残して
前記リブの切断除去を実施したことを特徴とする請求項
1から9のいずれかに記載の熱交換チューブ。 - 【請求項11】 前記チューブの内周面に微細溝を設
けたことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記
載の熱交換チューブ。 - 【請求項12】 前記リブの切断除去工程をなくして
前記リブを全面的に残したことを特徴とする請求項1か
ら11のいずれかに記載の熱交換チューブ。 - 【請求項13】 前記リブを前記チューブの軸方向に
断続的に切断し、該切断部分を折曲してスペーサとして
活用することを特徴とする請求項1から12のいずれか
に記載の熱交換チューブ。 - 【請求項14】 熱交換流体流路となる間隙を設けて
配列した多数の熱交換媒体流路の細管によりヘッダ間を
連結して構成したことを特徴とするフィンレス熱交換
器。 - 【請求項15】 前記多数の細管が、請求項1から1
3のいずれかに記載の熱交換チューブを組み合わせてな
ることを特徴とするフィンレス熱交換器。 - 【請求項16】 前記細管が外周長に基づく相当直径
で3mm以下の楕円管であることを特徴とする請求項1
4または15に記載のフィンレス熱交換器。 - 【請求項17】 前記ヘッダに矩形断面の挿入穴を設
け、前記熱交換チューブの両端に前記挿入穴の矩形断面
に合わせるプレス加工を施したことを特徴とする請求項
15または16に記載のフィンレス熱交換器。 - 【請求項18】 前記ヘッダに矩形断面の挿入穴を設
け、前記熱交換チューブの両端に前記挿入穴の矩形断面
に合わせたアダプタを取り付けたことを特徴とする請求
項15または16に記載のフィンレス熱交換器。 - 【請求項19】 前記アダプタを2分割構造としたこ
とを特徴とする請求項18に記載のフィンレス熱交換
器。
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