JP2002153868A - 超純水製造装置及び超純水製造方法 - Google Patents

超純水製造装置及び超純水製造方法

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JP2002153868A
JP2002153868A JP2000354829A JP2000354829A JP2002153868A JP 2002153868 A JP2002153868 A JP 2002153868A JP 2000354829 A JP2000354829 A JP 2000354829A JP 2000354829 A JP2000354829 A JP 2000354829A JP 2002153868 A JP2002153868 A JP 2002153868A
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brine
ultrapure water
copper
silver alloy
ion exchange
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JP2000354829A
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English (en)
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Hiromitsu Ota
裕充 太田
Mitsuhiro Ueda
光洋 上田
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Nomura Micro Science Co Ltd
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Nomura Micro Science Co Ltd
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで保守管理も容易な電気脱イオン型
超純水製造装置及び電気脱イオン型超純水製造方法を提
供する。 【解決手段】 イオン交換樹脂104,105を陽イオ
ン交換膜102と陰イオン交換膜103との間に挟持さ
せたイオン交換セグメント110と、前記イオン交換セ
グメント110の外側にブライン2を流すブライン流路
102とを有する電気脱イオンユニット101と、前記
電気脱イオンユニット101のイオン交換樹脂104,
105に処理水を通してイオン除去された超純水を形成
する処理水系と、前記電気脱イオンユニット101のブ
ライン流路106にブライン2を循環させるブライン配
管15からなる超純水製造装置において、前記ブライン
配管15内に配設されたストレーナー153内に、銅−
銀合金からなる殺菌材で形成された殺菌部材154を充
填した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超純水製造装置に係
り、更に詳細には、電界下に被処理水をイオン交換樹脂
に接触させてイオンを除去する電気脱イオン型の超純水
製造装置及び超純水製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超純水製造装置のひとつとし
て電気脱イオン型超純水製造装置が知られている。図3
は代表的な電気脱イオン型超純水製造装置100の構造
を模式的に示した図である。
【0003】図3に示したように、電気脱イオン型超純
水製造装置100では、電気脱イオンユニット101に
処理水を供給する処理水系と濃縮水を循環させる濃縮水
系とが配設されている。電気脱イオンユニット101内
には陽イオン交換膜102と陰イオン交換膜103との
間に陽イオン交換樹脂104と陰イオン交換樹脂105
とが挟持されたイオン交換セグメント110が複数段配
設されている。そして各イオン交換セグメント110の
両側にはブラインと呼ばれる濃縮水を流すためのブライ
ン流路106が形成されており、このブライン流路10
6には濃縮水系、即ちブライン配管15とブライン循環
ポンプ16が配設されている。
【0004】一方、各イオン交換セグメント110には
処理水を流すための処理水系、即ち処理水配管が配設さ
れており、被処理水を各イオン交換セグメント110内
のイオン交換樹脂104,105に向けて供給し、イオ
ン交換樹脂104,105に接触してイオン除去された
処理水は超純水としてイオン交換セグメント110外に
流去するようになっている。
【0005】処理水は図示しない逆浸透膜を通過して各
イオン交換セグメント110内に導かれる。各イオン交
換セグメント110内でイオン交換樹脂104,105
に接触した処理水はイオン除去され処理水配管を通って
イオン交換セグメント110外に流去する。
【0006】イオン交換セグメント110内のイオン交
換樹脂104,105には処理水からの陽イオンや陰イ
オンが付着している。図3に示したように電気脱イオン
ユニット101内のイオン交換セグメント110を積層
したイオン交換スタック111の外側には正電極130
と負電極131により電界が形成されており、更にイオ
ン交換セグメント110の外側にはブラインと呼ばれる
濃縮水を流すためのブライン流路106が形成されてい
る。
【0007】従って、イオン交換樹脂に吸着されたカチ
オンはイオン交換膜を通過して負電極側に移動し、同様
にアニオンはイオン交換膜を通過して正電極側に移動す
る。
【0008】イオン交換膜を通過してイオン交換セグメ
ント110の外側に出てきたイオンはブライン流路を流
れるブラインに乗って電気脱イオンユニット101の外
へと運ばれる。
【0009】ところで上記のような電気脱イオン型超純
水製造装置では、ブラインを循環させて繰り返し使用す
るため、一定期間を経過するとブライン内に微生物が繁
殖する。即ち、ブライン内には初めから所定量の電解質
が含まれており、またイオン交換セグメント110から
しみでて来たイオンも入り込むため、イオンリッチ、即
ち栄養価が高く微生物が繁殖しやすい環境になってい
る。
【0010】このブライン内に微生物が繁殖するとスラ
イムと呼ばれる高粘度の物質が生成し、これがイオン交
換膜102,103の表面に付着するとイオン交換膜の
透過性が低下してブライン流量が減少し純水製造装置1
00の処理能力が低下する。
【0011】そのため、定期的にブライン内に塩素など
の殺菌剤を添加して微生物を死滅させ、イオン交換膜の
透水性を確保して超純水製造装置100の処理能力が低
下するのを防止している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塩素などの殺
菌剤の使用は殺菌剤自体の費用や添加作業等による装置
のランニングコストや、管理工数を増加させるという問
題がある。
【0013】更に塩素などの殺菌剤は多量に使用すると
イオン交換膜102,103自体を劣化させ、イオン交
換膜の寿命を短くするという問題がある。
【0014】またイオン交換膜102,103を劣化さ
せない程度の微量の殺菌剤の使用では微生物の増殖抑制
効果が十分期待できないという問題がある。
【0015】本発明は上記従来の問題を解決するために
なされたものである。即ち、本発明は低コストで保守管
理も容易な電気脱イオン型の超純水製造装置及び超純水
製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の超純水製造装置
は、イオン交換樹脂を少なくともイオン交換膜を含む隔
壁で保持したイオン交換セグメントと、前記イオン交換
セグメントの前記イオン交換膜と接して配置されたブラ
イン流路と、前記イオン交換セグメント及び前記ブライ
ン流路を挟んで配置された電界形成手段とを有する電気
脱イオンユニットと、前記電気脱イオンユニットのイオ
ン交換樹脂に被処理水を通してイオン除去された超純水
を形成する処理水系と、前記電気脱イオンユニットのブ
ライン流路にブラインを循環させるポンプを含むブライ
ン配管系と、前記ブライン配管系内に配設された、銅−
銀合金からなる殺菌材で形成された殺菌部材とを具備す
る。
【0017】上記超純水製造装置において、前記殺菌部
材の例として、ストレーナー内に保持された銅−銀合金
からなる繊維塊、銅−銀合金からなる粒状体、少なくと
も表面が銅−銀合金でメッキされた粒状体などが挙げら
れる。
【0018】また、前記ブライン配管内面上に形成され
た銅−銀合金ライニング層として形成しても良い。
【0019】更に、前記殺菌部材は、銅−銀合金で形成
されたラシーリングであってもよく、前記ブライン配管
に配設され、銅−銀合金繊維塊を含むプレフィルタであ
ってもよい。
【0020】また本発明の超純水製造方法は、電気脱イ
オンユニットのブライン循環系の任意箇所に銅−銀合金
からなる殺菌部材を配設し、前記ブラインと前記殺菌部
材を接触させることを特徴とする。
【0021】本発明によれば、配管の途中に銅−銀合金
からなる殺菌材で形成された殺菌部材を配設したので、
ブライン中で微生物が増殖するのが防止され、それによ
り塩素などの殺菌剤の使用が不要になる。そのため殺菌
剤の使用によるランニングコストの増大や保守管理の手
間が増えることがない。また、殺菌剤の使用によるイオ
ン交換膜が劣化する心配もないので、長期間安定した運
転が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0023】図1は本実施形態に係る電気脱イオン型超
純水装置(EDI)1の概略構成図である。
【0024】この電気脱イオン型超純水製造装置(以
下、「超純水製造装置」という。)1では、電気脱イオ
ンユニット101と、この電気脱イオンユニット101
に処理水を供給する処理水系としての処理水配管12
と、この電気脱イオンユニット101にブラインと呼ば
れる濃縮水を循環させる濃縮水系としてのブライン配管
15が配設されている。
【0025】電気脱イオンユニット101内には複数個
のイオン交換セグメント110,110,…が多段に、
例えば100〜200段にわたって重ねられている。各
イオン交換セグメント110,110,…は隣り合うイ
オン交換セグメント110との間に所定厚さの隙間が設
けられており、ブラインを流すためのブライン流路10
6を形成している。このブライン流路106の幅は例え
ば2〜50mmの範囲である。
【0026】各イオン交換セグメント110は陽イオン
交換膜102と陰イオン交換膜103の間に陽イオン交
換樹脂104と陰イオン交換樹脂105とが充填された
構造となっている。但し、各イオン交換セグメント11
0は片側だけにイオン交換膜を備えていてもよく、各セ
グメント110内に充填されるイオン交換樹脂は陽イオ
ン交換樹脂104、陰イオン交換樹脂105の一方のみ
でもよい。
【0027】各イオン交換セグメント110の両端には
処理水を流すための二本の処理水配管12がそれぞれ配
設されており、上流側配管120は図示しない逆浸透膜
濾過装置に接続されており、下流側配管121は処理後
得られる超純水の出口側に接続されている。
【0028】複数のイオン交換セグメント110,11
0,…を多段に積層したイオン交換スタック111の両
側には電界形成手段としての正電極130と負電極13
1とが配設されており、イオン交換スタック111に対
して電界を形成するようになっている。
【0029】イオン交換スタック111を構成する各イ
オン交換セグメント110,110,…は、陽イオン交
換膜102を負電極131側(図中上側)に向け、陰イ
オン交換膜103を正電極130側(図中下側)に向け
て配設されている。このように配置することにより各イ
オン交換セグメント110,110,…の陽イオン交換
膜102からブライン流路106内のブライン2側にカ
チオンが移動し、陰イオン交換膜103からブライン流
路106内のブライン2側にアニオンが移動し、ブライ
ン2を濃縮するようになっている。
【0030】また各イオン交換セグメント110,11
0,…の内側に作用する処理水圧は1.4〜3.5kg
/cmでブライン流路106内のブラインの圧力1.
3〜3.4kg/cmよりも高くなっており、各イオ
ン交換セグメント110,110,…側からブライン流
路106側にカチオンやアニオンが移動しやすくなって
いる。
【0031】イオン交換スタック111を収容する容器
の両端にはブライン配管15が接続されている。これら
はブライン移動方向上流側に配設された上流側ブライン
配管150と下流側ブライン配管151であり、各ブラ
イン配管150,151は各イオン交換セグメント11
0,110,…の間の隙間に形成されたブライン流路1
06と連通している。
【0032】ブライン配管15の途中にはポンプ16が
配設されており、このポンプ16を作動させることによ
りブライン配管15と電気脱イオンユニット101との
間にブライン2を循環させる。
【0033】図1の小円中に示すように、ブライン配管
15の途中にはストレーナー153が配設されている。
このストレーナー153は金属の網で形成されており、
このストレーナー153の中には殺菌部材として銅−銀
合金製の繊維塊154、即ち銅−銀合金製の金属線、例
えば直径0.4〜0.6mmの合金線を丸めて塊状にし
たものが配設されている。
【0034】このストレーナー153内に充填する銅−
銀合金繊維塊の量は10〜300gが好ましい。
【0035】更に詳細にはブライン配管内のブライン流
量が10m/hのとき、ストレーナー153内に充填
する銅−銀合金繊維塊の量は50〜100gとするのが
好ましい。
【0036】ここで銅−銀合金繊維塊の好ましい量を上
記範囲としたのは、上記範囲を下回ると、十分な殺菌効
果が得られないからであり、上記範囲を上回ると、殺菌
力が飽和する一方で繊維塊にかかる費用が増大するから
である。
【0037】この繊維塊154をブライン配管15内に
配設したことによりブライン配管15内を循環するブラ
イン2はこの銅−銀合金製の繊維塊154に接触する。
この接触により繊維塊154の金属線から銀イオンや銅
イオンの供給を受け、その結果としてブライン2中の微
生物の増殖が抑えられる。
【0038】微生物の増殖が抑制される理由は明確には
把握されていないが、銀イオンや銅イオンの作用により
微生物の増殖が阻害されるものと考えられる。
【0039】本実施形態で用いた繊維塊154を構成す
る銅−銀合金の銀含有量は10重量%のものを用いた
が、本発明の殺菌部材として用いる銅−銀合金としては
銀含有量が3〜20重量%の合金が好ましく、更に銀含
有量が5〜15重量%の合金が更に好ましい。
【0040】ここで銅−銀合金の銀含有量の好ましい範
囲を上記範囲としたのは、銀含有量が上記範囲を下回る
と、ブラインを殺菌する能力が十分得られないからであ
り、銀含有量が上記範囲を上回ると、ブライン殺菌力は
飽和する一方で合金の費用が増大するからである。
【0041】次にこの超純水製造装置1の運転時の水や
ブライン、及び各イオンの流れについて説明する。
【0042】超純水製造装置1を起動すると、図示しな
い逆浸透膜濾過装置(RO)を通過してきた処理水は処
理水配管120を通って電気脱イオンユニット101内
のイオン交換セグメント110,110,…内に送られ
る。各イオン交換セグメント110,110,…の内部
では処理水は中に充填された陽イオン交換樹脂104や
陰イオン交換樹脂105と接触し、処理水中に含まれる
カチオンやアニオンはイオン交換樹脂上に吸着される。
そのため処理水中のイオンは殆ど吸着され、実質的にイ
オンを含まない超純水となって出口側の処理水配管12
1に流れ込み、超純水製造装置1から超純水として送り
出される。
【0043】一方、イオン交換セグメント110内では
処理水の圧力はイオン交換セグメント110の外側のブ
ライン2の圧力より高くなっているため、水、ひいては
カチオンやアニオンはイオン交換セグメント110内か
らブライン流路106内のブライン2側に移動し易い状
態となっている。このとき各イオン交換セグメント11
0では負電極131側に陽イオン交換膜102を向け、
正電極130側に陰イオン交換膜103を向けて配置さ
れている。そのためイオン交換セグメント110内のカ
チオンは負電極131側に移動しようとし、陽イオン交
換膜102を通過してその外側のブライン2内に移動す
る。更にこのカチオンが負電極131側に移動しようと
しても反対方側には隣接するイオン交換セグメント11
0の陰イオン交換膜103があるため、それ以上移動で
きず、ブライン2内に留まる。
【0044】同様にイオン交換セグメント110内のア
ニオンは正電極130側に移動しようとするため、陰イ
オン交換膜103を通過してその外側のブライン2内に
移動する。更にこのアニオンが正電極130側に移動し
ようとしても反対方側には隣接するイオン交換セグメン
ト110の陽イオン交換膜102があるため、それ以上
移動できず、ブライン2内に留まる。
【0045】このようにイオン交換セグメント110か
ら隣接するブライン2内にイオンが移動し易い状態が形
成されているため、一旦イオン交換樹脂104,105
に吸着されたイオンはこの流れに従ってイオン交換交換
樹脂104,105表面から離脱してブライン2内に移
動する。そのため、イオン交換樹脂のイオン交換能は一
定以上に維持され、処理水内に含まれるイオンはイオン
交換セグメント110,110…からブライン2内に移
動してブライン2は濃縮される。即ち、ブラインのイオ
ン濃度が上昇する。
【0046】ブライン流路106内のブライン2内に移
動したイオンは循環するブライン2の流れに乗ってブラ
イン配管15内を移動する。
【0047】なお、図1に示したようにこのブライン配
管15には被処理水をブライン補給水として補充すると
ともに一部をブライン排水として排出している。そのた
め、定常的にブライン配管15内を循環するのは全体の
90〜95%程度のブラインである。
【0048】このブライン配管15の途中には 図1の
小円中に示すように、ブライン配管15の途中にはスト
レーナー153が配設されている。そのため、ブライン
配管15内を循環するブライン2はこの銅−銀合金製の
繊維塊154に接触する。この接触により繊維塊154
の金属線から銀イオンや銅イオンの供給を受け、その結
果としてブライン中の微生物の増殖が抑えられる。
【0049】なお、本発明は上記実施形態に記載された
範囲に限定されない。例えば上記実施形態では、銅−銀
合金でできた金属線を丸めたものをストレーナー内に収
容してブラインと接触する構成としたが、殺菌性金属部
材はストレーナー内に保持された銅−銀合金からなる粒
状体であってもよく、ブライン配管内面上に形成された
銅−銀合金ライニング層であっても良い。更に銅−銀合
金で形成されたラシーリングであってもよく、銅−銀合
金繊維塊を含むプレフィルタであっても良い。
【0050】(実施例)以下に本発明の実施例について
説明する。上記実施形態で説明した構造の超純水製造装
置1を用いて超純水を製造し、その処理能力の時系列的
な変化を観察した。使用した超純水製造装置の仕様は下
記の通りであった。
【0051】 ポンプ圧 : 1.6kg/cm ブライン流量 : 14m/h 前半で使用した殺菌剤:NaOCl(ブライン中の濃度
0.2ppm以下) 後半で使用した殺菌部材の銅−銀合金: Cu−10w
t%Ag(直径0.4mm/102.522g) イオン交換セグメント段数: 150段 循環ブライン率: 95% ブライン流路幅: 2〜50mm 結果を図2に示した。この図2は横軸に超純水製造装置
の稼働時間(hour)をとり、縦軸にブライン流量(m
/h)をとり、稼働時間に対するブラインの流量変化を
示したグラフである。ブライン流量は図1中で示した
位置のブライン配管15内で測定した。
【0052】この実施例では、超純水製造装置の運転開
始から1800時間経過(図中点線で示した時点)まで
は従来通りの状態、即ち、ブライン配管15途中に配設
したストレーナー153内には殺菌部材としての銅−銀
合金繊維塊154を充填しない状態で運転した。その後
1800時間経過した時点でストレーナー153内に殺
菌部材としての銅−銀合金繊維塊154を充填し、その
後のブライン流量の変化を観察した。
【0053】このグラフから明らかなように、超純水製
造装置の運転開始時にはブライン流量が12m/h以
上あったのが、運転開始直後から徐々にブライン流量が
低下しはじめ、運転開始後250時間辺りから急激に低
下し、運転開始400時間で7m/hと運転開始直後
の約半分程度にまで低下した。そこで、ブライン配管1
5内のブライン中に殺菌剤としての塩素系殺菌剤を添加
した。このとき添加した塩素系殺菌剤の添加量はブライ
ン内のNaOCl濃度が0.2ppm以下となる量とし
た。これは塩素系殺菌剤によりイオン交換膜が劣化する
のを防止するためである。この塩素系殺菌剤の添加によ
りブライン流量は10m/h以上にまで回復した(開
始400時間)。
【0054】更にそのまま運転を継続すると、再びブラ
イン流量は徐々に低下し始め運転開始500時間経過時
点辺りから急激にブライン流量が低下し、運転開始60
0時間経過後辺りで再び運転開始直後の半分の6m
h程度にまでブライン流量が低下した。
【0055】そこで前記と同様にこの運転開始600時
間経過時点でブライン内に塩素系殺菌剤を添加すると再
び12m/h近くまでブライン流量が回復した。
【0056】その後も前記と同様のサイクルを繰り返し
た。即ち、運転開始経過後約1000時間経過後、約1
300時間経過後、約1800時間経過後にそれぞれブ
ライン流量は6〜7m/h程度まで落ち込んだ。その
度に塩素系殺菌剤を添加してブライン内の微生物を除去
すると一時的にブライン流量は回復するものの、その上
限は塩素系殺菌剤添加直後をピークに下がり始めた。か
くしてブライン流量の経時変化は図2のグラフが示すよ
うに、塩素系殺菌剤添加直後の約10m/hの点を頂
点とする略放物線状の曲線を描いた。このように運転開
始から約1800時間経過後までの、従来型の純水製造
装置として運転した場合のブライン流量は約6m/h
と約10m/hとの間を振動する曲線状に変化したた
め、この間のブライン流量の平均値は9〜9.5m
hであった。
【0057】一方、運転開始から約1800時間経過時
にブライン配管の途中に設けたストレーナー153内に
殺菌部材としての銅−銀合金繊維塊154を充填してブ
ライン流量を観察したところ、ブライン流量は劇的に上
昇し、運転開始約2000時間経過後には運転開始直後
と同等の約12m/h以上の値にまで回復した。その
後もブライン流量は殆ど低下せず、約12m/h付近
の値を維持した。このブライン流量の値はその後も維持
され、運転開始3500時間を経過しても約12m
h付近の値を維持した。
【0058】図2のグラフから明らかなように、運転開
始2000時間経過後以降のブライン流量はほぼ直線を
描いて安定していたため、この間のブライン流量の平均
値は約12m/hであった。
【0059】以上の結果から明らかなように、従来型の
塩素系殺菌剤を使用する超純水製造装置に対して、銅−
銀合金繊維塊からなる殺菌部材を使用する本発明の超純
水製造装置では、ブライン流量が平均で9〜9.5m
/hから約12m/hへと約30%向上した。
【0060】更に本発明では、塩素系殺菌剤の費用やこ
の塩素系殺菌剤を定期的に添加する工数、配管内に付着
する塩素系殺菌剤の除去の工数などが不用になるという
効果が得られる。
【0061】また、本発明では塩素系殺菌剤を使用しな
いので、塩素によるイオン交換膜の劣化の虞れがなく、
長期間にわたって安定した能力を維持できるという効果
が得られる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、配管の途中に銅−銀合
金からなる殺菌材で形成された殺菌部材を配設したの
で、ブライン中で微生物が増殖するのが防止され、それ
により塩素などの殺菌剤の使用が不用になる。そのため
殺菌剤の使用によるランニングコストの増大や保守管理
の手間が増えることがない。また、殺菌剤の使用による
イオン交換膜が劣化する心配もないので、長期間安定し
た運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超純水製造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の超純水製造装置の稼働時間とブライン
流量との関係を示したグラフである。
【図3】従来の超純水製造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
104…陽イオン交換樹脂、105…陰イオン交換樹
脂、102…陽イオン交換膜、103…陰イオン交換
膜、110…イオン交換セグメント、2…ブライン、1
06…ブライン流路、101…電気脱イオンユニット、
12…処理水配管、15…ブライン配管、154…殺菌
部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 531 C02F 1/50 531U 540C 540 540D 550H 550 560D 560 560F 1/46 103 Fターム(参考) 4D025 AA04 AB05 BA07 BA22 DA06 DA08 DA10 4D061 DA01 DB13 EA02 EB01 EB13 EB17 EB19 FA08 FA09 FA10 FA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換樹脂を少なくともイオン交換
    膜を含む隔壁で保持したイオン交換セグメントと、前記
    イオン交換セグメントの前記イオン交換膜と接して配置
    されたブライン流路と、前記イオン交換セグメント及び
    前記ブライン流路を挟んで配置された電界形成手段とを
    有する電気脱イオンユニットと、 前記電気脱イオンユニットのイオン交換樹脂に被処理水
    を通してイオン除去された超純水を形成する処理水系
    と、 前記電気脱イオンユニットのブライン流路にブラインを
    循環させるポンプを含むブライン配管系と、 前記ブライン配管系内に配設された、銅−銀合金からな
    る殺菌材で形成された殺菌部材とを具備する超純水製造
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記殺菌部材が、ストレーナー内に保持された銅−
    銀合金からなる繊維塊であることを特徴とする超純水製
    造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記殺菌部材が、ストレーナー内に保持された銅−
    銀合金からなる粒状体であることを特徴とする超純水製
    造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記粒状体が、少なくとも表面に銅−銀合金層を有
    することを特徴とする超純水製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記殺菌部材が、前記ブライン配管内面上に形成さ
    れた銅−銀合金ライニング層であることを特徴とする超
    純水製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記殺菌部材が、銅−銀合金で形成されたラシーリ
    ングであることを特徴とする超純水製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の超純水製造装置であっ
    て、前記殺菌部材が、前記ブライン配管に配設され、銅
    −銀合金繊維塊を含むプレフィルタであることを特徴と
    する超純水製造装置。
  8. 【請求項8】 電気脱イオンユニットのブライン循環系
    の任意箇所に銅−銀合金からなる殺菌部材を配設し、前
    記ブラインと前記殺菌部材を接触させることを特徴とす
    る超純水製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006305559A (ja) * 2005-03-29 2006-11-09 Himeji Ecotech Kk ストレーナ装置
JP2008518758A (ja) * 2004-10-29 2008-06-05 ジーイー・モーバイル・ウォーター,インコーポレイテッド ろ過モジュールを有する濃縮リサイクルループ

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