JP2002153830A - プラスチック容器内面の清浄化方法 - Google Patents

プラスチック容器内面の清浄化方法

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JP2002153830A
JP2002153830A JP2000351067A JP2000351067A JP2002153830A JP 2002153830 A JP2002153830 A JP 2002153830A JP 2000351067 A JP2000351067 A JP 2000351067A JP 2000351067 A JP2000351067 A JP 2000351067A JP 2002153830 A JP2002153830 A JP 2002153830A
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Japan
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plastic container
fine powder
gas barrier
cleaning
barrier film
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Application number
JP2000351067A
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English (en)
Inventor
Akihisa Suzuki
明久 鈴木
Yuji Yamashita
裕二 山下
Toshihiro Aso
俊裕 安曽
Shunzo Miyazaki
俊三 宮崎
Koji Matsushima
浩二 松島
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Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリア被膜の微粉末を容易に除去できるプ
ラスチック容器内面の清浄化方法を提供する。 【解決手段】プラズマCVD法により内面にガスバリア
被膜を形成した後、該ガスバリア被膜が形成されたプラ
スチック容器10或いは前記ガスバリア被膜の微粉末の
帯電を除去し、容器10内に加圧空気を導入する。前記
加圧空気は、イオン化された帯電空気であり、交流コロ
ナ放電または直流コロナ放電によりイオン化されてい
る。容器10は、前記ガスバリア被膜の形成前に予め帯
電を除去されている。前記加圧空気は、2.0〜10k
g/cm2の範囲の圧力に加圧されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により内面にガスバリア被膜を形成したプラスチック容
器内面の清浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料、食品、エアゾール、化粧品
容器等の分野では、プラスチック容器としてポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル等からなる容器が一
般に用いられている。このようなプラスチック容器は、
金属容器やガラス容器に比べ、ガスバリア性が劣り、酸
素や炭酸ガス等のガスを透過するため、例えば炭酸飲料
の容器として使用することが難しい等、容器により保存
する内容物が限定されるという問題がある。
【0003】前記問題を解決するために、容器内面にガ
スバリア被膜を形成したプラスチック容器が、特開平2
−70059号公報、特開平8−53117号公報、特
開平8−175528号公報、特表平8−509166
号公報、特開2000−79944号公報等に提案され
ている。前記各公報記載の技術によれば、プラスチック
容器に、アモルファス炭素、珪素含有化合物等からなる
ガスバリア被膜を備えることにより、ガスバリア性を改
善することができる。
【0004】前記ガスバリア被膜は、例えば、中空の処
理室に前記プラスチック容器を配置し、該容器口部から
該容器内部に原料ガス導入管を挿入して、該処理室及び
容器内部を真空に排気した後、原料ガスを供給すると共
に高周波またはマイクロ波電圧を印加することによって
プラズマを発生させる方法により形成することができ
る。前記原料ガスとしては、アモルファス炭素からなる
被覆層を形成する場合には常温で気体または液体の脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素、含酸素炭化水素類、含窒
素炭化水素類が用いられ、珪素含有化合物等からなる被
覆層を形成する場合には、シラン、アルキルシラン、ア
ルキルシロキサン、アルコキシシラン等の珪素含有化合
物と、酸素等の酸化性ガスとの混合物が用いられる。
【0005】ところで、前記方法によると、前記処理室
に配置された前記プラスチック容器の口部方向に前記原
料ガスが流れるため、口部近傍に厚膜の前記ガスバリア
被膜が形成される傾向がある。また、前記プラスチック
容器の口部から内部に導入される前記ガス導入管等にも
前記ガスバリア被膜が付着し、処理の繰り返しにより次
第に厚膜になる。
【0006】前記プラスチック容器の口部近傍または前
記ガス導入管等に形成された厚膜の被膜は、前記ガス導
入管等の装着または取り外しの際に、或いは装置作動時
の振動等により、剥離、脱落し、微粉末となってプラス
チック容器内部に侵入することがある。前記微粉末は人
体に無害であるが、該プラスチック容器に清涼飲料等の
内容物を充填すると該微粉末が容器底部に沈殿し、利用
者に恰も前記内容物の成分の一部が分離したかのような
印象を与えるとの問題がある。
【0007】前記微粉末が前記プラスチック容器内に侵
入しないようにするためには、該プラスチック容器の口
部にマスキング部材を装着して前記ガスバリア被膜の形
成を防止するようにしたり、前記ガス導入管等、前記装
置の前記ガスバリア被膜が付着しやすい部分を頻繁に清
掃する等の対策が考えられる。しかし、前記対策を施し
ても、前記微粉末が前記プラスチック容器内に侵入する
ことを完全に阻止することは難しい。
【0008】前記プラスチック容器内に侵入した前記微
粉末は、該プラスチック容器に内容物を充填する前の加
圧水による水洗により完全に除去できるが、内容物によ
っては水洗を行わない場合もある。そこで、前記水洗を
行わない場合には、前記プラスチック容器内に加圧空気
を導入して前記微粉末を除去することが考えられる。
【0009】しかしながら、前記微粉末が前記プラスチ
ック容器に強固に付着している場合には、前記加圧空気
を長時間導入するか、或いは高圧の空気を導入する必要
があり、生産性を低減させるとの不都合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、プラスチック容器内部に侵入したガスバ
リア被膜の微粉末を容易に除去することができるプラス
チック容器内面の清浄化方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記ガス
バリア被膜の微粉末が前記プラスチック容器の内部に強
固に付着する理由について検討した結果、プラズマCV
D法により前記ガスバリア被膜を形成する際には、前記
プラスチック容器或いは前記ガスバリア被膜の微粉末が
静電気により帯電し、前記微粉末が静電気的に付着して
いることが判明した。
【0012】そこで、本発明の清浄化方法は、かかる目
的を達成するために、プラズマCVD法により内面にガ
スバリア被膜を形成したプラスチック容器内面の清浄化
方法であって、前記ガスバリア被膜の形成後、該ガスバ
リア被膜が形成されたプラスチック容器或いは前記ガス
バリア被膜の微粉末の帯電を除去し、該プラスチック容
器内に加圧空気を導入することを特徴とする。
【0013】本発明の清浄化方法によれば、前記ガスバ
リア被膜の形成後、該ガスバリア被膜が形成されたプラ
スチック容器或いは前記微粉末の帯電を除去した後、或
いは帯電の除去と同時に前記プラスチック容器内に加圧
空気を導入する。このようにすると、前記プラスチック
容器或いは前記微粉末の帯電が除去されることにより、
前記微粉末が付着しにくくなるので、前記加圧空気によ
り該微粉末を容易に除去することができる。
【0014】本発明の清浄化方法において、前記加圧空
気は、イオン化された帯電空気であり、該帯電空気によ
り前記プラスチック容器或いは前記ガスバリア被膜の微
粉末の帯電を除去することを特徴とする。前記帯電空気
は前記プラスチック容器内に導入されると、該プラスチ
ック容器或いは前記微粉末の帯電を中和して除去するこ
とができる。そこで、該帯電空気を加圧しておくことに
より、該プラスチック容器の帯電の除去と同時に前記微
粉末を除去することができる。
【0015】前記帯電空気は、交流コロナ放電または直
流コロナ放電によりイオン化されているものを用いるこ
とができる。このようにイオン化により帯電された加圧
空気は、コンプレッサ等により供給された加圧空気をコ
ロナ放電によりイオン化して噴出する形式の市販のイオ
ン生成装置により容易に得ることができる。
【0016】また、本発明の清浄化方法において、前記
プラスチック容器は、前記ガスバリア被膜の形成前に予
め帯電を除去されていることを特徴とする。このように
することにより、プラズマCVD法による前記プラスチ
ック容器の帯電を低減することができ、前記微粉末が付
着しにくくすると共に、前記ガスバリア被膜の形成後の
該プラスチック容器の帯電の除去をさらに容易にするこ
とができる。
【0017】また、本発明の清浄化方法において、前記
加圧空気は、2.0〜10kg/cm2の範囲の圧力に
加圧されていることを特徴とする。前記加圧空気の圧力
が2.0kg/cm2未満のときには、前記微粉末の除
去に長時間を要することがある。また、前記加圧空気の
圧力が10kg/cm2を超えると、加圧空気の圧力に
抗してプラスチック容器を保持することが困難になった
り、該加圧空気の圧力自体を維持することが難しくな
り、作業性が低下する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1はプラズマCVD装置の構成例を示す説明的断面図で
あり、図2は本実施形態の清浄化方法を示す説明的断面
図である。また、図3は図1示のプラズマCVD装置に
供給される前のプラスチック容器の搬送路の構成を示す
説明的断面図である。
【0019】本実施形態の清浄化方法は、図1示のプラ
ズマCVD装置1により内面にガスバリア被膜が形成さ
れたプラスチック容器に適用される。
【0020】図1において、プラズマCVD装置1は、
パイレックス(登録商標)ガラスで形成された側壁2
と、昇降自在の底板3とにより画成された処理室4を備
え、側壁2に臨む位置にマイクロ波発生装置5を備え
る。処理室4の上方には、側壁6と上壁7とにより画成
された排気室8が備えられ、処理室4との間には隔壁9
が設けられている。
【0021】底板2は、ポリエチレンテレフタレート樹
脂製ボトル等のプラスチック容器10を配置して上昇移
動することにより、プラスチック容器10を処理室4内
に収納する。このようにして収納されたプラスチック容
器10は、マスキング部材11を介してプラスチック容
器10の内部が隔壁9に設けられた排気孔12と連通す
るように配置される。マスキング部材11は上部突出部
13が排気孔12に密に挿入され、マスキング部14が
プラスチック容器10の口部に所定の間隔を存して挿入
される。
【0022】処理室4と排気室8とは隔壁9に設けられ
た通気口15のバルブ16を介して連通しており、排気
室8の側壁6に形成された開口17は図示しない真空装
置に接続されている。排気室8の上壁7にはシール18
を介してガス導入管19が支持されており、ガス導入管
19は上壁7とマスキング部材11とを貫通して、プラ
スチック容器10内に挿入される。
【0023】図1示のプラズマCVD装置1では、ま
ず、プラスチック容器10を載置した底板2を上昇移動
せしめ、処理室4内にプラスチック容器10を収納す
る。次に、図示しない真空装置を作動して、排気室7内
を排気し、これにより排気孔12及び通気口15を介し
て処理室4及びプラスチック容器10の内部を1〜10
-2Pa、好ましくは10-1〜10-2Paの真空度に減圧
する。
【0024】次に、前記減圧下に、ガス導入管19から
プラスチック容器10内に、原料ガスを供給する。前記
原料ガスとしては、アモルファス炭素からなる被覆層を
形成する場合には常温で気体または液体の脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水
素類が用いられ、珪素含有化合物等からなる被覆層を形
成する場合には、シラン、アルキルシラン、アルキルシ
ロキサン、アルコキシシラン等の珪素含有化合物と、酸
素等の酸化性ガスとの混合物が用いられる。
【0025】そして、前記原料ガスが供給されている
間、マイクロ波発生装置5を作動して、UHF領域の周
波数、例えば2.45GHz、400Wのマイクロ波を
印加することにより、前記原料ガスを電磁励起してプラ
ズマを発生せしめ、プラスチック容器10の内壁にアモ
ルファス炭素被覆層または珪素含有化合物被覆層等から
なるガスバリア被膜(図示せず)を形成する。
【0026】次に、前記原料ガスの供給が終了したなら
ば、マイクロ波発生装置5を停止すると共に、処理室4
及びプラスチック容器10内を大気圧に戻し、底板3を
降下させてプラスチック容器10を取り出すことによ
り、処理を終了する。
【0027】図1示のプラズマCVD装置1によれば、
ガス導入管19からプラスチック容器10内に導入され
る原料ガスは、プラスチック容器10の口部方向に流れ
るため、口部内壁に形成される前記ガスバリア被膜が厚
膜化する傾向があるが、該口部にはマスキング部材11
が装着されているので、前記傾向を低減することができ
る。しかし、マスキング部材11及び該口部近傍のガス
導入管19の表面には、前記アモルファス炭素被覆層ま
たは珪素含有化合物被覆層等が形成され、前記処理の繰
り返しにより次第に厚膜になる。この結果、マスキング
部材11及びガス導入管19の清掃を行わずに前記処理
を繰り返すと、マスキング部材11及びガス導入管19
をプラスチック容器10の口部に装着したり取り外した
りする際に、前記厚膜化したアモルファス炭素被覆層ま
たは珪素含有化合物被覆層等が剥離、脱落し、微粉末と
なってプラスチック容器10内部に侵入する。
【0028】そこで、次に、プラズマCVD装置1から
取り出されたプラスチック容器10の内面を清浄化す
る。前記清浄化は、図2示のように、プラスチック容器
10の口部にイオン生成装置21のノズル22を挿入
し、帯電した加圧空気をプラスチック容器10の内部に
導入して、前記微粉末をプラスチック容器10の外部に
排出することにより行う。
【0029】図2において、プラスチック容器10は、
口部下方で保持部材23に保持されており、保持部材2
3上には口部を囲繞する排気室24が備えられ、排気導
管25を介して図示しない真空装置に接続されている。
【0030】イオン生成装置21は内部に突起状の放電
電極(図示せず)と、該放電電極に対向して設けられた
平板状の接地電極(図示せず)とを備え、高圧ケーブル
26を介して接続された圧電トランス27から供給され
る直流または交流電流を両電極に通じることにより、両
電極間にコロナ放電を生じさせる。そして、前記コロナ
放電により、図示しないコンプレッサから空気導管28
を介して供給される加圧空気をイオン化により帯電させ
て、ノズル22から噴出せしめる。
【0031】ノズル22は、排気室24を介してプラス
チック容器10内部に挿入され、イオン生成装置21と
共に上下動自在に設けられている。ノズル22は、前記
のようにイオン化された加圧空気の帯電を低減しない材
料を用いることが好ましく、例えばステンレス、アルミ
ニウム、プラスチック等を用いることができる。
【0032】また、ノズル22の先端は、前記微粉末を
プラスチック容器10の外部に排出するために、前記加
圧空気を噴出させたときに前記微粉末を飛散させやすい
形状とされていることが好ましい。前記先端が前記微粉
末を飛散させやすい形状とされているノズル22とし
て、例えば、先端部に四角錐台形状の空気噴出部材29
を備え、空気噴出部材29は四角錐台形の各側面及びプ
ラスチック容器10の底部に対向する面に設けられた噴
気孔30から、各方向に均等に加圧空気を噴出するよう
にしたものを挙げることができる。
【0033】この結果、プラスチック容器10及び前記
微粉末は、ノズル22から噴出される帯電した加圧空気
により帯電が除去されると共に、帯電の除去により付着
力を失った前記微粉末が該加圧空気に伴われてプラスチ
ック容器10の外部に排出される。前記加圧空気は、前
記微粉末を短時間でプラスチック容器10の外部に排出
するために、1.5kg/cm2以上、より好ましくは
2.0〜10kg/cm2の範囲の圧力とする。前記加
圧空気は、前記範囲の圧力とすることにより、そのまま
でも自発的にプラスチック容器10の口部から外部に流
出するが、排気室24、排気導管25を介して吸引され
ることにより、前記微粉末を容易にプラスチック容器1
0の外部に排出することができる。
【0034】前記ノズル22及び圧電トランス27を備
え、ノズル22から帯電した加圧空気を噴出することが
できるイオン生成装置21としては、市販の装置を使用
することができる。
【0035】また、前記加圧空気を作用させるときに、
プラスチック容器10の外部には、プラスチック容器1
0の外面に沿って棒状または紐状のイオン生成装置31
が設けられていることが好ましい。前記棒状または紐状
のイオン生成装置31は、イオン生成装置21と同様に
内部に突起状の放電電極と、該放電電極に対向して設け
られた平板状または線状の接地電極を備えており、図示
しない圧電トランスから供給される直流または交流電流
を両電極に通じることにより、両電極間にコロナ放電を
生じさせる。そして、前記コロナ放電により、近傍の空
気をイオン化して帯電せしめる。従って、プラスチック
容器10の外面に沿ってイオン生成装置31を設けるこ
とにより、該イオン生成装置31が生成する帯電した空
気が、ノズル22からプラスチック容器10内部に噴出
される帯電した加圧空気と協働し、プラスチック容器1
0の帯電の除去をさらに効果的に行うことができる。
【0036】また、プラスチック容器10は、図3に示
すように、口部下方で保持部材32に保持されて、搬送
され、図1示のプラズマCVD装置1に供給される。そ
こで、プラズマCVD装置1に供給される前のプラスチ
ック容器10の搬送路33に、プラスチック容器10の
外面に沿って棒状または紐状のイオン生成装置34を設
けるようにしてもよい。イオン生成装置34はイオン生
成装置31と同一の構成であり、プラズマCVD装置1
に供給される前のプラスチック容器10の帯電を除去す
ることができる。
【0037】このようにすることにより、プラズマCV
D装置1によるプラスチック容器10の帯電を低減する
ことができ、図2示のようにして清浄化する際に、前記
微粉末の除去をさらに容易に行うことができる。
【0038】また、搬送路33では前記イオン生成装置
34に替えて、図2示のイオン生成装置21と同一の装
置を設け、保持部材32に保持されて搬送されるプラス
チック容器10の外面に帯電した加圧空気を吹き付ける
ようにしてもよい。
【0039】前記各イオン生成装置21,31,34
は、いずれも直流または交流電流によりコロナ放電を行
うことができるが、正負のイオンが交互に生成され、イ
オンバランスの制御が容易であることから、交流電流に
よりコロナ放電を行うことが好ましい。
【0040】次に実施例を示す。
【0041】
【実施例1】本実施例では、プラスチック容器10とし
て500mlのポリエチレンテレフタレート樹脂製ボト
ル(以下、ペットボトルと略記する)を用い、図1示の
プラズマCVD装置1により、ペットボトル10の内面
にガスバリア被膜を形成した。前記ガスバリア被膜の形
成は、ペットボトル10を処理室4に収納した後、処理
室4及びペットボトル10の内部を減圧し、原料ガスと
して少量のアセチレンを供給しながら、マイクロ波発生
装置5によりマイクロ波を短時間印加することにより行
った。この結果、ペットボトル10の内面には、アモル
ファスカーボンからなるガスバリア被膜が1000オン
グストローム(100nm)の厚さで形成された。
【0042】前記被膜形成処理を多数回繰り返したとこ
ろ、ペットボトル10の口部近傍のガス導入管19に前
記アモルファスカーボンが付着し、次第に厚膜となっ
た。前記ガス導入管19を清掃せずに、さらに前記被膜
形成処理を繰り返したところ、前記アモルファスカーボ
ンが剥離、脱落し、微粉末となって、極少量の該微粉末
がペットボトル10の内部に侵入した。
【0043】ペットボトル10は弱く帯電しており、前
記アモルファスカーボンの微粉末は、ペットボトル10
の内面に強固に付着しており、加圧水洗では除去できた
が、イオン化していない単なる加圧空気を導入しただけ
では除去に長時間を要した。
【0044】そこで、次に、前記アモルファスカーボン
の微粉末が付着したペットボトル10を試料として、図
2のようにして清浄化処理を行った。前記清浄化処理
は、イオン生成装置21を用い、交流コロナ放電により
帯電された加圧空気を4.5kg/cm2の圧力でペッ
トボトル10内部に導入することにより行った。
【0045】この結果、帯電していない単なる加圧空気
を導入した場合に比較して、極く短時間で前記アモルフ
ァスカーボンの微粉末を除去することができた。
【0046】
【実施例2】本実施例では、プラズマCVD装置1に供
給される前のペットボトル10を図3示の搬送路33に
おいてイオン生成装置34により帯電を除去し、該ペッ
トボトル10を用いた以外は、実施例1と全く同一にし
て、プラズマCVD装置1で前記被膜形成処理を行っ
た。
【0047】本実施例においても前記被膜形成処理を多
数回繰り返したところ、実施例1と同様にペットボトル
10の口部近傍のガス導入管19に前記アモルファスカ
ーボンが付着し、次第に厚膜となった。前記ガス導入管
19を清掃せずに、さらに前記被膜形成処理を繰り返し
たところ、前記アモルファスカーボンが剥離、脱落し、
微粉末となって、ペットボトル10の内部に微量の前記
微粉末が侵入した。
【0048】本実施例では、予め帯電が除去されたペッ
トボトル10を用いて前記被膜形成処理を行ったので、
プラズマCVD法による帯電が低減された。この結果、
前記アモルファスカーボンの微粉末は加圧水洗で除去で
き、帯電していない単なる加圧空気を導入しただけで
も、実施例1で帯電していない単なる加圧空気を導入し
ただけの場合に比較してやや短い時間で除去することが
できた。
【0049】次に、前記アモルファスカーボンの微粉末
が付着したペットボトル10を試料として、実施例1と
全く同一にして清浄化処理を行ったところ、実施例1の
前記清浄化処理よりもさらに短時間で前記アモルファス
カーボンの微粉末を除去することができた。
【0050】
【実施例3】本実施例では、図3示の搬送路33におい
てイオン生成装置34に替えて、実施例1と同一のイオ
ン生成装置21を用い、交流コロナ放電により帯電され
た加圧空気を4.5kg/cm2の圧力でペットボトル
10の外面に吹き付けるようにして、プラズマCVD装
置1に供給される前のペットボトル10の帯電を除去し
た以外は、実施例2と全く同一にして、被膜形成処理を
行った。
【0051】本実施例においても前記被膜形成処理を多
数回繰り返したところ、実施例1と同様にペットボトル
10の口部近傍のガス導入管19に前記アモルファスカ
ーボンが付着し、次第に厚膜となった。前記ガス導入管
19を清掃せずに、さらに前記被膜形成処理を繰り返し
たところ、前記アモルファスカーボンが剥離、脱落し、
微粉末となって、ペットボトル10の内部に微量の前記
微粉末が侵入した。
【0052】本実施例では、予め帯電が除去されたペッ
トボトル10を用いて前記被膜形成処理を行ったので、
プラズマCVD法による帯電が低減された。この結果、
実施例2と同様に、前記アモルファスカーボンの微粉末
は加圧水洗で除去でき、帯電していない単なる加圧空気
を導入しただけでも、実施例2と同程度の時間で除去す
ることができた。
【0053】次に、前記アモルファスカーボンの微粉末
が付着したペットボトル10を試料として、実施例1と
全く同一にして清浄化処理を行ったところ、実施例2と
同様に、実施例1の前記清浄化処理よりもさらに短時間
で前記アモルファスカーボンの微粉末を除去することが
できた。
【0054】尚、前記各実施例では、アモルファスカー
ボンからなるガスバリア被膜を形成する場合について説
明しているが、珪素含有化合物からなるガスバリア被膜
を形成する場合にも同様の結果を得ることができる。
【0055】また、前記実施形態では電磁励起手段とし
てマイクロ波によるプラズマCVD法を用いる場合につ
いて説明しているが、プラスチック容器10の内外面に
沿って電極を配設し、該電極に高周波を印加してプラズ
マを発生させるプラズマCVD法を用いる場合にも同様
の結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマCVD装置の構成例を示す説明的断面
図。
【図2】本発明の清浄化方法の一実施形態を示す説明的
断面図。
【図3】プラズマCVD装置に供給される前のプラスチ
ック容器の搬送路の構成を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…プラズマCVD装置、 21,31,34…イオン
生成装置、 10…プラスチック容器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安曽 俊裕 埼玉県岩槻市上野4−5−15 北海製罐株 式会社中央研究所内 (72)発明者 宮崎 俊三 埼玉県岩槻市上野4−5−15 北海製罐株 式会社中央研究所内 (72)発明者 松島 浩二 埼玉県岩槻市上野4−5−15 北海製罐株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 3B116 AA23 AB08 AB43 BB88 BB89 BB90 BC01 CC01 CD11 CD31 4K030 BA27 BA44 BB05 CA07 CA15 DA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマCVD法により内面にガスバリア
    被膜を形成したプラスチック容器内面の清浄化方法であ
    って、 前記ガスバリア被膜の形成後、該ガスバリア被膜が形成
    されたプラスチック容器或いは前記ガスバリア被膜の微
    粉末の帯電を除去し、該プラスチック容器内に加圧空気
    を導入することを特徴とするプラスチック容器内面の清
    浄化方法。
  2. 【請求項2】前記加圧空気は、イオン化された帯電空気
    であり、該帯電空気により前記プラスチック容器或いは
    前記ガスバリア被膜の微粉末の帯電を除去することを特
    徴とする請求項1記載のプラスチック容器内面の清浄化
    方法。
  3. 【請求項3】前記帯電空気は、交流コロナ放電または直
    流コロナ放電によりイオン化されていることを特徴とす
    る請求項2記載のプラスチック容器内面の清浄化方法。
  4. 【請求項4】前記プラスチック容器は、前記ガスバリア
    被膜の形成前に予め帯電を除去されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のプラス
    チック容器内面の清浄化方法。
  5. 【請求項5】前記加圧空気は、2.0〜10kg/cm
    2の範囲の圧力に加圧されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれか1項記載のプラスチック容
    器内面の清浄化方法。
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